1 00:00:34,108 --> 00:00:36,110 (長女)《あんちゃん。 待ってー!》 2 00:00:36,110 --> 00:00:40,110 (長男)《俺の!》 (長女)《私の!》 3 00:00:44,118 --> 00:00:48,122 (千春)「深夜 ろうそくを立てて 広い部屋の中で→ 4 00:00:48,122 --> 00:00:53,127 1人 鏡をのぞき込むには よほどの勇気がいるそうだ」→ 5 00:00:53,127 --> 00:00:57,131 「わが輩などは 初めて 当家の令嬢から→ 6 00:00:57,131 --> 00:01:01,135 鏡を顔の前へ 押し付けられたときに→ 7 00:01:01,135 --> 00:01:07,141 はっと 仰天して 屋敷の周りを 三度 駆け回ったくらいである」 8 00:01:07,141 --> 00:01:09,143 (千春)「いかに 白昼と…」 9 00:01:09,143 --> 00:01:14,143 (嘉平のいびき) 10 00:01:25,159 --> 00:01:28,159 ≪(千春)失礼します。 11 00:01:34,101 --> 00:01:39,106 (千春)大旦那さま。 朝ご飯の用意ができましたよ。→ 12 00:01:39,106 --> 00:01:41,106 よいしょ。 13 00:01:43,110 --> 00:01:46,110 大旦那さま? 14 00:01:52,119 --> 00:01:55,122 ≪(千春)若旦那さま!→ 15 00:01:55,122 --> 00:02:00,127 若旦那さま! 若旦那さま! 16 00:02:00,127 --> 00:02:14,141 ♪♪~ 17 00:02:14,141 --> 00:02:17,144 (紀介)兄さん。 姉さん。 18 00:02:17,144 --> 00:02:21,148 (清江)お父さん…。 (紀介)寝床で静かに。 19 00:02:21,148 --> 00:02:24,151 (泰平)まあ。 いい最期だったんじゃねえか? 20 00:02:24,151 --> 00:02:29,156 (清江)うん。 そうね。 お父さん 幸せだったと思う。 21 00:02:29,156 --> 00:02:33,093 (紀介)実は 父さんから これを預かってたんだ。 22 00:02:33,093 --> 00:02:37,097 きょうだい 3人揃ってから 開封しようと思って。 23 00:02:37,097 --> 00:02:43,103 僕は どんな内容だろうと 父さんの遺志に従おうと思ってる。 24 00:02:43,103 --> 00:02:46,106 兄さんも 姉さんも それで いいよね? 25 00:02:46,106 --> 00:02:49,109 もちろんだ。 ただな 紀介。 26 00:02:49,109 --> 00:02:52,112 俺も 親父から 預かってるんだよ。 27 00:02:52,112 --> 00:02:57,112 (清江)あら やだ。 私もなのよ。 28 00:03:04,124 --> 00:03:06,126 (古美門)どこだって? 29 00:03:06,126 --> 00:03:08,128 (黛) 蟹頭郡蟹頭村です。→ 30 00:03:08,128 --> 00:03:11,131 私の父方の古里で 昔は しょっちゅう 遊びに行ってました。 31 00:03:11,131 --> 00:03:13,133 (古美門)そんな聞いたこともない 辺境地などに行くものか。 32 00:03:13,133 --> 00:03:15,135 (黛)無理に来てくれとは 言いませんけど→ 33 00:03:15,135 --> 00:03:20,140 遺産相続の訴訟で 報酬は期待できると思います。 34 00:03:20,140 --> 00:03:22,142 (黛)何せ あの徳松醤油の 社長一族ですから。 35 00:03:22,142 --> 00:03:24,144 何しょうゆだって? 徳松醤油です。 36 00:03:24,144 --> 00:03:28,148 聞いたこともない。 またまた。 37 00:03:28,148 --> 00:03:31,151 「おじいちゃん。 今日の おかずは すっごく おいしいね?」 38 00:03:31,151 --> 00:03:34,088 「そりゃ そうさ。 だって 徳松醤油だからな」 39 00:03:34,088 --> 00:03:42,096 ♪♪「しょうゆは 徳松 と~く~ま~つ」の→ 40 00:03:42,096 --> 00:03:44,098 徳松醤油ですよ。 そんな CM知らん! 41 00:03:44,098 --> 00:03:47,101 とにかく その徳松醤油で 働いている 私のいとこから→ 42 00:03:47,101 --> 00:03:50,104 助けを求められたんです。 向こうに 骨をうずめてもらって→ 43 00:03:50,104 --> 00:03:52,106 一向に構わない。 服部さん。 ワッフルが食べたいな。 44 00:03:52,106 --> 00:03:54,108 (服部)黛先生。 45 00:03:54,108 --> 00:03:59,113 ご迷惑でなかったら この 服部も 同行させていただけませんか? 46 00:03:59,113 --> 00:04:04,118 服部さん? 私の人生 旅でした。 47 00:04:04,118 --> 00:04:06,120 こちらに ご厄介になってから→ 48 00:04:06,120 --> 00:04:09,123 休まず 先生の ご奉仕してまいりましたが→ 49 00:04:09,123 --> 00:04:14,128 いまだ 旅への思い 断ち切れず。 50 00:04:14,128 --> 00:04:17,131 古美門先生。 あの ほんの ちょっとの間で結構なんですけど→ 51 00:04:17,131 --> 00:04:22,136 この 服部に 休暇を 与えてやってくれませんか? 52 00:04:22,136 --> 00:04:24,138 もちろん 労働基準法によって 認められます。 53 00:04:24,138 --> 00:04:28,138 その間の 私の食事は? 掃除と洗濯は? 54 00:04:38,085 --> 00:04:40,087 千春! (千春)真知子さん。 55 00:04:40,087 --> 00:04:43,090 久しぶり。 56 00:04:43,090 --> 00:04:46,093 (千春)何か 芸能人みたい! そんなことないよ。 普段着だよ。 57 00:04:46,093 --> 00:04:48,095 (千春)エヘヘ。 何か 大人っぽくなったね? 58 00:04:48,095 --> 00:04:51,098 (千春)ホント!? うん ホント。 59 00:04:51,098 --> 00:04:54,101 あっ。 事務員の 服部さん。 いとこの 千春です。 60 00:04:54,101 --> 00:04:56,103 服部と申します。 (千春)千春です。 61 00:04:56,103 --> 00:04:59,106 ようこそ 蟹頭村へ。 62 00:04:59,106 --> 00:05:02,109 (千春)おっ。 おっ! 63 00:05:02,109 --> 00:05:04,111 あれが 弁護士の 古美門先生。 64 00:05:04,111 --> 00:05:09,116 (千春)あー どうも。 あの東京の有名な先生だそうで→ 65 00:05:09,116 --> 00:05:11,118 こんな 田舎まで…。 うわー 最悪だ! 66 00:05:11,118 --> 00:05:13,120 雨 降りそうだし。 うわっ 服が汚れた! 最悪だ! 67 00:05:13,120 --> 00:05:15,122 小雨 降りそうだし。 68 00:05:15,122 --> 00:05:17,124 服部さん。 私の着替えを。 あれ? 69 00:05:17,124 --> 00:05:21,128 私の荷物は? 持ってきておりません。 70 00:05:21,128 --> 00:05:23,130 私 ただ今 休暇中でございますので。 71 00:05:23,130 --> 00:05:26,133 えー 何にも!? テンピュールの抱き枕も!? 72 00:05:26,133 --> 00:05:29,136 私が旅に持ち歩くものは これだけです! 73 00:05:29,136 --> 00:05:31,138 歯ブラシ! 74 00:05:31,138 --> 00:05:34,074 参りましょうか? (千春)はい こちらです! 75 00:05:34,074 --> 00:05:37,077 あっ ごめん ありがとう。 (千春)重いね。 76 00:05:37,077 --> 00:05:40,080 重いの。 ちょっとね。 (千春)さすがだね。 77 00:05:40,080 --> 00:05:42,082 犬神家へ ご案内か? 78 00:05:42,082 --> 00:05:55,082 ♪♪~ 79 00:06:17,117 --> 00:06:23,123 (一同)♪♪「カニの頭の 酒のさかな」 80 00:06:23,123 --> 00:06:25,123 (従業員)ごゆっくり。 81 00:06:28,128 --> 00:06:31,131 (服部)いや…。 82 00:06:31,131 --> 00:06:33,067 ああ 恐縮です。 83 00:06:33,067 --> 00:06:38,072 (一同)♪♪「しょうゆ 掛けてみろ」 84 00:06:38,072 --> 00:06:41,075 (服部)これは すごい。 (千春)ごゆっくり。 85 00:06:41,075 --> 00:06:43,077 (紀介)ようこそ おいでくださいました。 86 00:06:43,077 --> 00:06:46,080 徳松醤油 代表取締役 徳松 紀介でございます。 87 00:06:46,080 --> 00:06:49,083 白い覆面を かぶっていなくて ほっとしました。 88 00:06:49,083 --> 00:06:51,085 ちょっと…。 (紀介)蟹頭村の→ 89 00:06:51,085 --> 00:06:54,088 郷土料理で ございます。 どうぞ お召し上がりください。 90 00:06:54,088 --> 00:06:56,090 (服部)いただきます。 いただきます。 91 00:06:56,090 --> 00:06:58,092 (服部)ほう。 これは? 92 00:06:58,092 --> 00:07:02,096 蟹頭村の名産 蟹頭ワラビの佃煮です。 93 00:07:02,096 --> 00:07:07,101 そちらが 蟹頭ワラビのお刺し身 蟹頭ワラビのステーキ。→ 94 00:07:07,101 --> 00:07:09,103 蟹頭ワラビの…。 ワラビばっかりじゃないか! 95 00:07:09,103 --> 00:07:11,103 おいしいんですよ これ。 96 00:07:13,107 --> 00:07:18,112 うーん この味 懐かしい! 滋味 豊かですね。 97 00:07:18,112 --> 00:07:21,115 ≪(田ノ下)お食事中に失礼。→ 98 00:07:21,115 --> 00:07:25,119 亡くなった先代の 顧問弁護士をしておりました→ 99 00:07:25,119 --> 00:07:28,122 田ノ下 久作と申します。 100 00:07:28,122 --> 00:07:31,125 東京から来ました 黛です。 こちら 上司の 古美門です。 101 00:07:31,125 --> 00:07:33,060 早速 状況を 説明してもらいましょうか。 102 00:07:33,060 --> 00:07:39,066 (田ノ下)では。 徳松家の 歴史から説明いたしますと→ 103 00:07:39,066 --> 00:07:41,068 室町時代 藤原氏の…。 104 00:07:41,068 --> 00:07:44,071 そこから 説明する 必要はありません。 105 00:07:44,071 --> 00:07:47,074 本件に関連することだけ お願いします。 106 00:07:47,074 --> 00:07:50,077 えー 三代目社長 徳松 嘉平氏の→ 107 00:07:50,077 --> 00:07:53,080 類いまれな商才により→ 108 00:07:53,080 --> 00:07:56,083 徳松醤油は 隆盛を極めました。 109 00:07:56,083 --> 00:07:59,086 その大旦那さまが 亡くなられたんですね? 110 00:07:59,086 --> 00:08:03,090 (田ノ下)はい。 嘉平氏には 3人のお子さんがいらっしゃいます。 111 00:08:03,090 --> 00:08:06,093 長男 泰平は 無謀な多角経営化を図り→ 112 00:08:06,093 --> 00:08:10,097 店を大きく傾かせ 父に追い出されました。→ 113 00:08:10,097 --> 00:08:13,100 長女 清江は 昔から 商売を手伝ったことなどなく→ 114 00:08:13,100 --> 00:08:15,102 奔放に生きております。 115 00:08:15,102 --> 00:08:18,105 経営を立て直し 今に至るまで→ 116 00:08:18,105 --> 00:08:20,107 この徳松醤油を 実質的に守ってきたのは→ 117 00:08:20,107 --> 00:08:23,110 この私 紀介でございます。 118 00:08:23,110 --> 00:08:27,114 ですから 父が私に これを残したのも→ 119 00:08:27,114 --> 00:08:30,117 当然のことです。 はい 拝見。 120 00:08:30,117 --> 00:08:32,135 はい。 121 00:08:32,135 --> 00:08:34,054 一言で言えば 全ての資産は→ 122 00:08:34,054 --> 00:08:36,056 紀介さん お一人に託すという内容ですね。 123 00:08:36,056 --> 00:08:38,058 一見したところ 何の不備もないようですが。 124 00:08:38,058 --> 00:08:42,062 (田ノ下)ところが 問題は ほぼ同じ内容の遺言書を→ 125 00:08:42,062 --> 00:08:45,065 泰平坊ちゃんにも 清江お嬢さまにも→ 126 00:08:45,065 --> 00:08:48,068 残しておいでだということです。 127 00:08:48,068 --> 00:08:52,072 遺言書が 3通ということですね? 128 00:08:52,072 --> 00:08:54,074 偽造に決まってる。 129 00:08:54,074 --> 00:08:56,076 末っ子の僕に 全部 持ってかれるのが嫌で→ 130 00:08:56,076 --> 00:08:58,078 2人とも あんなもん でっち上げてんだ。 131 00:08:58,078 --> 00:09:02,082 (田ノ下)それで 紀介さんは 泰平さんと 清江さんについて→ 132 00:09:02,082 --> 00:09:06,086 証書認否確認訴訟を 起こしたわけです。 133 00:09:06,086 --> 00:09:09,086 すぐに 片が付くと思ったのに。 134 00:09:11,091 --> 00:09:14,094 あなたが裏切るとはね。 といいますと? 135 00:09:14,094 --> 00:09:20,100 私は 現在 清江お嬢さまの 代理人を務めております。 136 00:09:20,100 --> 00:09:24,104 三つどもえの バトルロワイヤル というわけですか? 137 00:09:24,104 --> 00:09:27,107 今夜 兄と姉が 話し合いに参ります。 138 00:09:27,107 --> 00:09:29,109 兄も有能な弁護士を 雇い直したようです。 139 00:09:29,109 --> 00:09:36,109 古美門先生。 黛先生。 どうぞ よろしく お願いいたします! 140 00:09:38,051 --> 00:09:41,054 (千春)古美門先生の お部屋は こちらです。 141 00:09:41,054 --> 00:09:44,057 貴賓室なんて いいじゃないですか 先生。 142 00:09:44,057 --> 00:09:48,061 (千春)真知子さんが来てくれて ホントに助かりました。 143 00:09:48,061 --> 00:09:51,064 当たり前じゃない。 私たちは姉妹同然なんだから。 144 00:09:51,064 --> 00:09:54,067 (千春)もう 真知子さんには 小さいころから→ 145 00:09:54,067 --> 00:09:56,069 助けてもらってばっかりで。→ 146 00:09:56,069 --> 00:09:59,072 いつも 勉強 教えてもらってたし。 147 00:09:59,072 --> 00:10:01,074 あー ほら! 読書感想文。 148 00:10:01,074 --> 00:10:03,076 真知子さんにレクチャーを受けて 書いたら→ 149 00:10:03,076 --> 00:10:09,082 コンクールで金賞もらって。 あれ 私の 唯一の自慢。 150 00:10:09,082 --> 00:10:11,084 ううん。 千春が頑張ったからだよ。 151 00:10:11,084 --> 00:10:13,086 あー ちょっと いいかな? この絵は? 152 00:10:13,086 --> 00:10:17,090 (千春)徳松醤油の創業者の 徳松 仁左衛門さんです。→ 153 00:10:17,090 --> 00:10:21,094 若旦那さまが 初代に 敬意を表して作らせたんです。 154 00:10:21,094 --> 00:10:25,098 この化け物は? (千春)ブータンの守り神だそうです。 155 00:10:25,098 --> 00:10:30,103 ご長男の泰平さんが 世界中の 置物を集めてらして。 156 00:10:30,103 --> 00:10:33,106 あー! バランス悪い 椅子だな! おい! 157 00:10:33,106 --> 00:10:37,110 (千春)調度品は 現代芸術家の 作品で 揃えてます。→ 158 00:10:37,110 --> 00:10:41,114 ご長女の清江さんの ご趣味で。 (服部)アハハ。 159 00:10:41,114 --> 00:10:45,114 何と ユニークな部屋ですね。 (千春)あー どうも。 160 00:10:52,125 --> 00:10:55,128 おー! どちらに? 161 00:10:55,128 --> 00:11:00,133 古美門先生は 裏口から そっと帰るだろうと 服部さんが。 162 00:11:00,133 --> 00:11:02,135 しまった! 投げ出さないでください。 163 00:11:02,135 --> 00:11:05,138 そもそも 私は この仕事を 引き受けてはいない。 164 00:11:05,138 --> 00:11:08,141 いとこは 君に依頼し 君が 引き受けた。 これは君の案件だ。 165 00:11:08,141 --> 00:11:10,143 手伝うつもりで 来てくださったんでしょ? 166 00:11:10,143 --> 00:11:13,146 違う! 君が負けようが 知ったこっちゃない! 167 00:11:13,146 --> 00:11:15,148 そうだ。 温泉 入りませんか? 168 00:11:15,148 --> 00:11:17,150 温泉? 169 00:11:17,150 --> 00:11:20,153 この先に あまり知られていない 秘湯があるんです。 170 00:11:20,153 --> 00:11:23,156 美しい女性が 入ってるかも しれませんよ。 混浴ですし。 171 00:11:23,156 --> 00:11:25,156 ニホンザルが入ってたら帰るぞ。 172 00:11:27,160 --> 00:11:29,160 うおー! おっ。 173 00:11:32,182 --> 00:11:35,102 猿より ひどいのが入ってる。 どうして? 174 00:11:35,102 --> 00:11:38,105 (沢地)これは これは。 奇遇ですね? 175 00:11:38,105 --> 00:11:40,107 (三木)こんな人知れぬ 秘湯で会うとはね。 176 00:11:40,107 --> 00:11:42,109 長男 泰平の代理人だろう。 177 00:11:42,109 --> 00:11:44,111 おそらく われわれが 紀介に付いたという情報を得て→ 178 00:11:44,111 --> 00:11:47,114 名乗り出たんだ。 暇な連中だ。 (沢地)古美門先生。 179 00:11:47,114 --> 00:11:49,116 ご遠慮なさらずに とっても いいお湯ですよ。 180 00:11:49,116 --> 00:11:52,119 私と戦うおつもりで いらっしゃったのなら→ 181 00:11:52,119 --> 00:11:54,121 それは もくろみ違いです。 本件の担当は→ 182 00:11:54,121 --> 00:11:56,123 この 黛であって 私は 付き添いにすぎません。 183 00:11:56,123 --> 00:11:59,123 私も付き添いだよ。 担当は この 井手君でね。 184 00:12:01,128 --> 00:12:03,130 (井手)よろしく。 185 00:12:03,130 --> 00:12:06,133 (三木)おいおい 遠慮するなよ! お前も入った方がいいぞ。→ 186 00:12:06,133 --> 00:12:10,137 温泉の効能書きに 減らず口が 直るって書いてあったからな。 187 00:12:10,137 --> 00:12:12,139 しつこい性格の べたつきが 治まるとでも→ 188 00:12:12,139 --> 00:12:15,142 書いてあったんですか? 業突張りの恥知らずは→ 189 00:12:15,142 --> 00:12:17,144 ちょっと良くなるとは 書いてあった。 190 00:12:17,144 --> 00:12:19,146 爬虫類顔が進化して 少し 哺乳類に近づくとも→ 191 00:12:19,146 --> 00:12:23,146 書いてあればいいですね! See you! 192 00:12:25,152 --> 00:12:30,157 井手君。 もし負けたら この土地の弁護士として→ 193 00:12:30,157 --> 00:12:33,093 一生を 送りなさい。 194 00:12:33,093 --> 00:12:35,095 頑張ります。 195 00:12:35,095 --> 00:12:37,097 絶対に勝て。 勝つべし 勝つべし 勝つべし 勝つべし! 196 00:12:37,097 --> 00:12:39,099 もし負けたら 逆さづりにして→ 197 00:12:39,099 --> 00:12:41,099 しょうゆだるに漬け込むからな! 指 ささないでください! 198 00:14:15,095 --> 00:14:17,097 紀介さん宛ての遺言書には 実印が押されていますので→ 199 00:14:17,097 --> 00:14:19,099 紀介さんへの遺言書が 有効だと思います。 200 00:14:19,099 --> 00:14:22,102 (井手)実印の方が有効性が 高いなんて 規則はありませんが? 201 00:14:22,102 --> 00:14:25,105 泰平さん宛てのものが 最も適切な書面だね。 202 00:14:25,105 --> 00:14:28,108 文面も正確だ。 それ故 真がんが疑わしいですね。 203 00:14:28,108 --> 00:14:30,110 (三木)真がん? 偽造だという 根拠でもあるのか? 204 00:14:30,110 --> 00:14:32,112 可能性の話をしておるのです。 205 00:14:32,112 --> 00:14:35,115 重要なのは日付です。 206 00:14:35,115 --> 00:14:39,119 紀介さま宛てのものが 3年前で 最も古く→ 207 00:14:39,119 --> 00:14:43,123 次が 昨年 書かれた 泰平さま宛て。→ 208 00:14:43,123 --> 00:14:49,129 清江お嬢さま宛てのものが 最も新しく ことしの日付です。 209 00:14:49,129 --> 00:14:53,133 つまり 大旦那さまは 何度か 心変わりをされ→ 210 00:14:53,133 --> 00:14:57,137 最終的に 清江お嬢さまを 選んだということになります。 211 00:14:57,137 --> 00:15:00,140 清江さん宛てのものこそ 偽物の可能性が高いですね。 212 00:15:00,140 --> 00:15:03,143 何を おっしゃるか。 何カ所か 漢字 仮名遣いが→ 213 00:15:03,143 --> 00:15:05,145 他の2通と 異なる箇所があります。 214 00:15:05,145 --> 00:15:07,147 他の2通は 旧字体を使っていますが→ 215 00:15:07,147 --> 00:15:09,149 これは 新字体が多い。 大旦那さまは→ 216 00:15:09,149 --> 00:15:11,151 どちらの字体も 使っておられた。 217 00:15:11,151 --> 00:15:14,087 漢字でしたら 紀介さま宛てのものも→ 218 00:15:14,087 --> 00:15:17,090 何カ所か誤字が。 視力が衰えていたんです。 219 00:15:17,090 --> 00:15:20,090 誤字はあって当然です。 裁判所が判断してくれるだろう。 220 00:15:22,095 --> 00:15:27,100 清江。 紀介。 俺はな どれが有効か無効か→ 221 00:15:27,100 --> 00:15:29,102 そんなことじゃないと思うんだ。 222 00:15:29,102 --> 00:15:31,104 家督は長男が継ぐものだろ? 223 00:15:31,104 --> 00:15:33,106 よく そんなことが 言えますね。 224 00:15:33,106 --> 00:15:35,108 兄さんは むちゃくちゃな経営をして→ 225 00:15:35,108 --> 00:15:37,110 ここを つぶしかけたんですよ。 (泰平)まだ 改革の途中だった。 226 00:15:37,110 --> 00:15:39,112 もっと もっと 大きくできるはずだった。 227 00:15:39,112 --> 00:15:41,114 親父だって それを望んでた。 228 00:15:41,114 --> 00:15:43,116 父さんに 追い出されたんでしょうが。 229 00:15:43,116 --> 00:15:46,119 とっくに和解してた。 お前こそ 偉そうに言うが→ 230 00:15:46,119 --> 00:15:49,122 お前のやったことは リストラして縮小経営しただけだ! 231 00:15:49,122 --> 00:15:51,124 僕が それをやったから 今があるんでしょうが! 232 00:15:51,124 --> 00:15:53,126 (泰平)親父の望みとは違う! 233 00:15:53,126 --> 00:15:55,128 (清江)2人が そんなんだから お父さんは→ 234 00:15:55,128 --> 00:15:57,130 私に譲ろうとしたのよ! 235 00:15:57,130 --> 00:15:59,132 (紀介)姉さんこそ ただ 遊びほうけてただけじゃないか! 236 00:15:59,132 --> 00:16:01,134 私が お父さんに 一番 尽くしたわ!→ 237 00:16:01,134 --> 00:16:04,137 あなたたち お父さんの看病した?→ 238 00:16:04,137 --> 00:16:06,139 私は 暇さえあれば 顔を出して…。 239 00:16:06,139 --> 00:16:08,141 いい年して 小遣い 無心に来てただけだろうが! 240 00:16:08,141 --> 00:16:10,143 お父さんのためよ。 241 00:16:10,143 --> 00:16:14,080 幾つになっても 娘に頼られるのがお父さんの喜びだった。 242 00:16:14,080 --> 00:16:17,083 お父さんを元気にするために 頼ってあげてたのよ。 243 00:16:17,083 --> 00:16:19,085 (泰平)はっ! ものは言いようだな! 244 00:16:19,085 --> 00:16:23,089 (清江)兄さんこそ 何をやっても 商売が うまくいかなくて→ 245 00:16:23,089 --> 00:16:25,091 ここに戻ってきたくて しょうがないんじゃない! 246 00:16:25,091 --> 00:16:27,093 兄さんの山っ気で めちゃくちゃにされたら たまんないよ! 247 00:16:27,093 --> 00:16:31,097 お前だって ここを追い出されたら子供の養育費が大変だもんな! 248 00:16:31,097 --> 00:16:33,099 (紀介)関係ないでしょ それは。 落ち着きましょう! 249 00:16:33,099 --> 00:16:35,101 落ち着きましょう! 250 00:16:35,101 --> 00:16:39,105 あの いっそ 法定相続分に従って 3等分するという考え方も…。 251 00:16:39,105 --> 00:16:41,107 (清江)あり得ない! (泰平)家督は分けられるものじゃ→ 252 00:16:41,107 --> 00:16:43,109 ないんだ! しかし 現実的に考えて→ 253 00:16:43,109 --> 00:16:45,111 泰平さんや 清江さんが 徳松醤油を率いるのは→ 254 00:16:45,111 --> 00:16:47,113 難しいんじゃないでしょうか。 従業員一同→ 255 00:16:47,113 --> 00:16:49,115 こうして 紀介さんに 付いてるわけですから。 256 00:16:49,115 --> 00:16:51,115 ねえ 皆さん。 257 00:17:07,133 --> 00:17:09,135 紀介に人望がなかったとはな! 258 00:17:09,135 --> 00:17:13,156 (千春)若旦那さまは真面目で 堅実な方ですが→ 259 00:17:13,156 --> 00:17:16,076 厳しくて 冷たいところもあって。→ 260 00:17:16,076 --> 00:17:20,080 奥さまと離婚されてからは なおさら…。 261 00:17:20,080 --> 00:17:23,083 でも 千春は 紀介さんに 勝ってほしいんだよね? 262 00:17:23,083 --> 00:17:26,086 (千春)厳しいのは 徳松醤油を思ってるからだもん。 263 00:17:26,086 --> 00:17:32,092 それに 泰平さんや 清江さんの 手に渡ったら どうなっちゃうか。 264 00:17:32,092 --> 00:17:36,096 私は この伝統ある 徳松醤油を守りたいの。 265 00:17:36,096 --> 00:17:38,098 徳松醤油が好きなんだね? 266 00:17:38,098 --> 00:17:43,103 生まれたときから ずっと 徳松醤油で育ってきてるんだもん。 267 00:17:43,103 --> 00:17:47,103 私の血は 徳松醤油で できてるんだ。 268 00:17:49,109 --> 00:17:52,112 私の血もだよ。 意味が分からん。 269 00:17:52,112 --> 00:17:54,114 (康子)勝てるのよね?→ 270 00:17:54,114 --> 00:17:56,116 ローンも まだまだ残ってるし。→ 271 00:17:56,116 --> 00:17:59,119 剛志だって 来年 受験なんだし。 (三木)沢地君。 272 00:17:59,119 --> 00:18:01,121 (康子)うどん屋やって 失敗したときの負債だって。 273 00:18:01,121 --> 00:18:05,125 (泰平)分かってるって! 先生。 お願いしますね! 274 00:18:05,125 --> 00:18:07,127 (三木)任せてください。 (康子)お願いします。 275 00:18:07,127 --> 00:18:09,129 (三木)止めろって。 276 00:18:09,129 --> 00:18:12,132 (清江)貴昭。 私が資産 手に入れたら→ 277 00:18:12,132 --> 00:18:16,069 あんたに ちゃんと お店 持たせてあげるからね。 278 00:18:16,069 --> 00:18:22,075 (貴昭)ありがとう。 そしたら 結婚しようね? 279 00:18:22,075 --> 00:18:25,078 いいのよ 無理しなくて。 280 00:18:25,078 --> 00:18:30,083 (紀介)養育費は ちゃんと払うって!ああ。 281 00:18:30,083 --> 00:18:33,086 [TV]おじいちゃん。 今日の おかずはすっごく おいしいね? 282 00:18:33,086 --> 00:18:37,090 [TV]そりゃ そうさ。 だって 徳松醤油だからな。 283 00:18:37,090 --> 00:18:45,090 [TV]♪♪「しょうゆは 徳松 と~く~ま~つ」 284 00:19:06,119 --> 00:19:09,122 由緒あるものが 3きょうだいの 勝手な趣味に駆逐されている→ 285 00:19:09,122 --> 00:19:11,122 縮図のような部屋だ。 286 00:19:15,061 --> 00:19:19,065 毎日 これなのか。 服部さん。 簡単なもので構いません。 287 00:19:19,065 --> 00:19:22,068 何か作ってもらえないでしょうか。すいません。 288 00:19:22,068 --> 00:19:24,070 休暇中でございますので。 289 00:19:24,070 --> 00:19:26,072 先生。 はい。 290 00:19:26,072 --> 00:19:32,078 やっぱり こんなものしか。 フフフ。 291 00:19:32,078 --> 00:19:38,084 (服部)黛先生。 期日が 迫ってるようですが 勝算は? 292 00:19:38,084 --> 00:19:40,086 それが…。 私の見たところ→ 293 00:19:40,086 --> 00:19:42,088 3通は どれも有効な遺言書だ。 294 00:19:42,088 --> 00:19:44,090 そうなると 田ノ下弁護士が 言ったことが正しい。 295 00:19:44,090 --> 00:19:46,092 最も新しい 清江さん宛てのものが採用になる。 296 00:19:46,092 --> 00:19:48,094 和解に持ち込むしかないね。 297 00:19:48,094 --> 00:19:51,094 紀介さんが 納得するでしょうか?説得しろ! 298 00:19:53,099 --> 00:19:59,105 うちは こうじ菌のみで仕込む 昔ながらの やり方でね。 299 00:19:59,105 --> 00:20:02,108 (服部)あっ いわゆる 本醸造方式ですね?→ 300 00:20:02,108 --> 00:20:06,112 香りが爽やかなのは 水が いいからでしょうかね? 301 00:20:06,112 --> 00:20:10,116 ああ そうだ。 よく 知ってるね。 302 00:20:10,116 --> 00:20:12,118 ハハハ。 (従業員)ハハハ。 303 00:20:12,118 --> 00:20:14,053 清江姉さんと和解? 304 00:20:14,053 --> 00:20:16,055 冗談じゃない。 このままいけば→ 305 00:20:16,055 --> 00:20:19,058 清江さんの遺言書が採用される 可能性が高いんです。 306 00:20:19,058 --> 00:20:22,061 それを何とかするのが あんたの役目だろ! 307 00:20:22,061 --> 00:20:25,064 あっ すいません。 308 00:20:25,064 --> 00:20:30,069 裁判で負けたら 僕の取り分は ゼロ? 309 00:20:30,069 --> 00:20:32,071 遺留分減殺請求という 手段をとれば→ 310 00:20:32,071 --> 00:20:37,076 一定の相続分は 確保できますが。 微々たるものか。 311 00:20:37,076 --> 00:20:39,078 清江さんと手を組んで 泰平さんを排除することを→ 312 00:20:39,078 --> 00:20:41,080 最優先させるべきです。 313 00:20:41,080 --> 00:20:43,082 泰平さんさえ排除できれば→ 314 00:20:43,082 --> 00:20:45,084 清江さんは 経営については 素人だ。 315 00:20:45,084 --> 00:20:49,088 徳松醤油の実権は おのずと あなたが握れるでしょう。 316 00:20:49,088 --> 00:20:53,092 不本意かもしれませんが これが 現実的な方法です。 317 00:20:53,092 --> 00:20:55,094 急がないと 泰平さんと その弁護士が→ 318 00:20:55,094 --> 00:20:57,094 われわれの邪魔をしてきますよ。 319 00:22:33,092 --> 00:22:35,094 (紀介)子供のころ 僕と兄さんがケンカしてると→ 320 00:22:35,094 --> 00:22:37,096 いつも 間に立って いさめてくれたのは→ 321 00:22:37,096 --> 00:22:42,101 姉さんだったよね。 姉さんに 徳松醤油の顔になってもらって→ 322 00:22:42,101 --> 00:22:46,105 僕は黒子で構わないから 一緒にやらないか?→ 323 00:22:46,105 --> 00:22:49,108 父さんも 喜ぶと思うんだ。 324 00:22:49,108 --> 00:22:54,113 (清江)どう? 田ノ下。 (田ノ下)問題は株式の配分ですが。 325 00:22:54,113 --> 00:22:57,116 清江さんに 大変 有利な配分になっています。 326 00:22:57,116 --> 00:23:00,119 ええ 確かに。 327 00:23:00,119 --> 00:23:02,121 一見ね。→ 328 00:23:02,121 --> 00:23:10,129 この割合だと 社外の 紀介さんに 近い株主の保有率を合わせると→ 329 00:23:10,129 --> 00:23:16,135 実は 簡単に 清江お嬢さまを 徳松醤油から排除できてしまう。 330 00:23:16,135 --> 00:23:21,135 つまり これは 詐欺的行為です。 331 00:23:24,143 --> 00:23:27,146 三木先生の おっしゃったとおりね。 332 00:23:27,146 --> 00:23:29,146 三木先生? 333 00:23:31,167 --> 00:23:33,086 どうでしたか? 清江さん。 334 00:23:33,086 --> 00:23:36,089 (清江)先生の アドバイスのとおりでしたよ。 335 00:23:36,089 --> 00:23:39,092 (三木)そうでしょうとも。 この 古美門先生というのは→ 336 00:23:39,092 --> 00:23:42,095 人を ぺてんにかけることで つとに有名ですからね。 337 00:23:42,095 --> 00:23:44,097 (沢地)私どもが 提案させていただいた→ 338 00:23:44,097 --> 00:23:47,100 共同経営案は はるかに 良心的だったでしょう? 339 00:23:47,100 --> 00:23:50,103 (田ノ下)ええ。 (泰平)そういうわけだ 紀介。 340 00:23:50,103 --> 00:23:53,106 悪く思わないでね。 341 00:23:53,106 --> 00:23:57,110 (田ノ下)では 明後日。 法廷で お会いしましょう。 342 00:23:57,110 --> 00:24:00,110 楽しめそうだよ。 343 00:24:05,118 --> 00:24:07,120 (紀介)昔から そうだった。 344 00:24:07,120 --> 00:24:09,122 姉さんは 中立なふりをして→ 345 00:24:09,122 --> 00:24:12,125 裏では いつも 兄さんと グルだった。 346 00:24:12,125 --> 00:24:17,130 いつも… 僕だけを のけ者にした! 347 00:24:17,130 --> 00:24:21,134 僕が… 愛人の子だから。 348 00:24:21,134 --> 00:24:23,136 えっ? 僕はね→ 349 00:24:23,136 --> 00:24:27,140 父さんが 芸者に産ませた子なんですよ! 350 00:24:27,140 --> 00:24:32,078 だから あの2人は 僕には 絶対 継がせたくないんだ! 351 00:24:32,078 --> 00:24:37,083 僕が芸者の子だから! 352 00:24:37,083 --> 00:24:40,086 芸者の子だから!→ 353 00:24:40,086 --> 00:24:45,091 あー! 芸者の…。 354 00:24:45,091 --> 00:24:47,093 今 平成だよな? はい。 355 00:24:47,093 --> 00:24:51,093 前時代的 人間関係の しがらみに 吐き気がしてきたよ。 356 00:24:53,099 --> 00:24:57,103 《あっ》 (3人)《あいこでしょ》 357 00:24:57,103 --> 00:24:59,105 《ずるした! 今 あんちゃんと お姉ちゃん》 358 00:24:59,105 --> 00:25:01,107 《私の!》 (次男)《返せ!》 359 00:25:01,107 --> 00:25:05,107 (長女)《私の!》 (3人)《あっ!》 360 00:25:07,113 --> 00:25:09,115 きょうだいって 不思議ですね? 361 00:25:09,115 --> 00:25:11,117 小さいころは きっと こんな あぜ道で→ 362 00:25:11,117 --> 00:25:13,119 仲良く遊んだことでしょうに。 363 00:25:13,119 --> 00:25:15,121 どんな関係であれ 人間は いがみ合う生き物だ。 364 00:25:15,121 --> 00:25:17,123 君だって そうだろう? 私!? 365 00:25:17,123 --> 00:25:20,126 いとこの 千春だよ。 姉妹同然などと言ってるが→ 366 00:25:20,126 --> 00:25:22,128 相性が 良さそうには見えないね。 はっ? 367 00:25:22,128 --> 00:25:25,131 例えば たくさん勉強して 弁護士になった 君は→ 368 00:25:25,131 --> 00:25:28,134 ろくに勉強もせず 田舎の しょうゆ屋に就職した 彼女を→ 369 00:25:28,134 --> 00:25:31,153 腹の中では 見下している。 どうだ? 370 00:25:31,153 --> 00:25:34,073 どうして そんな ひねくれた 見方しか できないんですか? 371 00:25:34,073 --> 00:25:36,075 私と千春は 本当に仲がいいんです。 372 00:25:36,075 --> 00:25:38,077 自覚してないだけだと 思うがね。 373 00:25:38,077 --> 00:25:44,083 しかし 嘉平さんは なぜ遺言書を 3通も残したんでしょうかね? 374 00:25:44,083 --> 00:25:46,085 そうなんですよね。 375 00:25:46,085 --> 00:25:48,087 田ノ下さんが おっしゃっていたように→ 376 00:25:48,087 --> 00:25:50,089 その都度 心変わりした ということなんでしょうか? 377 00:25:50,089 --> 00:25:54,093 死者には聞けない。 何か 嘉平さんの→ 378 00:25:54,093 --> 00:25:58,097 真意があるのかもしれませんね? 真意? 379 00:25:58,097 --> 00:26:02,101 毛利 元就の 3本の矢の逸話のように。 380 00:26:02,101 --> 00:26:04,103 3本の矢? 何ですか? それ。 381 00:26:04,103 --> 00:26:07,106 (服部)えっ? あんな有名な話を知らんのか? 382 00:26:07,106 --> 00:26:11,110 勉強ばかりしてきた 知識バカにありがちだな。 383 00:26:11,110 --> 00:26:13,110 折ってみろ。 384 00:26:16,115 --> 00:26:19,118 はい。 385 00:26:19,118 --> 00:26:21,118 1本では折れても 3本なら…。 386 00:26:23,122 --> 00:26:25,122 あー! 387 00:26:33,065 --> 00:26:35,067 はっ! (服部)あー! 388 00:26:35,067 --> 00:26:38,070 力あるな お前! ハハッ。 389 00:26:38,070 --> 00:26:42,074 (千春)大旦那さまの真意? うん。 390 00:26:42,074 --> 00:26:45,077 何か意図があって 3通も 残したんじゃないかと思って。 391 00:26:45,077 --> 00:26:47,079 心当たりない? 392 00:26:47,079 --> 00:26:50,082 さみしかったんじゃないかな。 393 00:26:50,082 --> 00:26:53,085 年を取ると よく あることなんだろうけど→ 394 00:26:53,085 --> 00:26:57,089 いつも 誰かに そばにいてほしがって。→ 395 00:26:57,089 --> 00:27:04,096 私 毎晩のように 大旦那さまに 読み聞かせをしてあげてたんです。 396 00:27:04,096 --> 00:27:09,101 (千春)ちょっとした場面で すぐ泣いちゃったりして。→ 397 00:27:09,101 --> 00:27:15,107 「死ぬときは みんな 独りぼっちだな」なんて言ったり。→ 398 00:27:15,107 --> 00:27:18,110 実の お子さんに優しくされたら→ 399 00:27:18,110 --> 00:27:23,115 そのたびに 遺産を 譲りたく なっちゃったんじゃないかな。 400 00:27:23,115 --> 00:27:25,117 そうか。 そうか! 401 00:27:25,117 --> 00:27:28,120 何してるんですか? ひらめいたんだよ! 402 00:27:28,120 --> 00:27:30,122 意思能力の欠如した状態で 書かれた遺書ならば→ 403 00:27:30,122 --> 00:27:33,059 無効にできる。 つまり 徳松 嘉平は→ 404 00:27:33,059 --> 00:27:35,061 認知症だったんだ! 認知症? ちょっと待ってください。 405 00:27:35,061 --> 00:27:37,063 泰平と 清江は それを知っていて→ 406 00:27:37,063 --> 00:27:39,065 自分たちに遺産を残すよう 吹き込んだ。 407 00:27:39,065 --> 00:27:43,069 大旦那さまは 別に認知症だったわけじゃ。 408 00:27:43,069 --> 00:27:46,072 「ない」と 言い切れますか? 医者でもない あなたに。 409 00:27:46,072 --> 00:27:49,075 嘉平さんが そのような状態に なったのは いつごろからかな? 410 00:27:49,075 --> 00:27:51,077 はっきりとは。 去年からにしよう。 411 00:27:51,077 --> 00:27:54,080 3年前に書かれた 紀介の 遺言書のみを有効にするんだ。 412 00:27:54,080 --> 00:27:56,082 法廷で そう証言してもらうよ。 大旦那さまが→ 413 00:27:56,082 --> 00:27:59,085 認知症だったと 証言するんですか? 414 00:27:59,085 --> 00:28:02,088 最も間近で世話をしていた 君の証言は とても大きい。 415 00:28:02,088 --> 00:28:05,091 千春。 あなたが そう思わないなら証言してはいけないわ。 416 00:28:05,091 --> 00:28:07,093 いいかげん 朝ドラごっこは やめろ。 417 00:28:07,093 --> 00:28:10,096 黛。 君は 嘉平のぼけたエピソードでも 集めてきたまえ。 418 00:28:10,096 --> 00:28:12,098 そんなこと できません。 死者に むち打つ行為です。 419 00:28:12,098 --> 00:28:14,100 勝つためだ。 嘉平さんを おとしめてまで→ 420 00:28:14,100 --> 00:28:16,102 勝つ意味があるんですか? 認知症だと→ 421 00:28:16,102 --> 00:28:20,102 なぜ おとしめることになる? その考え方こそ偏見じゃないのか! 422 00:28:23,109 --> 00:28:27,113 (千春)私 証言する。 千春? 423 00:28:27,113 --> 00:28:29,115 徳松醤油を守るためだもん。 …だそうだ。 424 00:28:29,115 --> 00:28:33,115 依頼人の利益のために尽くせ! 裁判の争点を変更するぞ! 425 00:30:10,115 --> 00:30:12,117 (千春)お客さまです。 (蘭丸)いや すごいとこだね 先生。 426 00:30:12,117 --> 00:30:14,119 来る途中 猿 見ちゃったよ。 早速だが 時間がない。 427 00:30:14,119 --> 00:30:17,122 これは 徳松 嘉平が親しかった 人物のリストだ。 428 00:30:17,122 --> 00:30:19,124 うんと その 嘉平さんが→ 429 00:30:19,124 --> 00:30:21,126 認知症だったと 証言してくれる人を→ 430 00:30:21,126 --> 00:30:23,128 一人でも多く スカウトしてくるってわけね? 431 00:30:23,128 --> 00:30:25,130 そのとおり。 急いでくれたまえ。 432 00:30:25,130 --> 00:30:27,132 どうした? 433 00:30:27,132 --> 00:30:29,134 (蘭丸)ああ いや。 いつもみたいに服部さんの手料理で→ 434 00:30:29,134 --> 00:30:31,136 腹ごしらえできるかと 思ったんだけど。 435 00:30:31,136 --> 00:30:33,138 彼は 今 しょうゆ造りを 学んでいるよ。 436 00:30:33,138 --> 00:30:35,140 (蘭丸)嘘だ! (紀介)先生。 437 00:30:35,140 --> 00:30:38,143 お夜食など いかがですか? (蘭丸)ハハッ。 ありがたい。 438 00:30:38,143 --> 00:30:40,145 いやいや。 もう 私も ワラビでしたら もう。 439 00:30:40,145 --> 00:30:44,149 では 徳松家秘伝の 最高級料理は? 440 00:30:44,149 --> 00:30:47,152 最高級!? ぜひ お願いします! 441 00:30:47,152 --> 00:30:50,155 (紀介)炊きたての白いお米に 徳松醤油を一垂らし。→ 442 00:30:50,155 --> 00:30:53,158 特製 徳松醤油掛けご飯。→ 443 00:30:53,158 --> 00:30:55,160 これに 勝る ぜいたくは ございません。 444 00:30:55,160 --> 00:31:00,165 さあ 召し上がれ! (蘭丸・黛)いただきます。 445 00:31:00,165 --> 00:31:03,168 うめえ! 446 00:31:03,168 --> 00:31:05,170 うーん! おいしい! 447 00:31:05,170 --> 00:31:08,190 (紀介)よその しょうゆとは 風味が違いますでしょう? 448 00:31:08,190 --> 00:31:10,190 (紀介)ねえ。 449 00:31:17,116 --> 00:31:20,119 紀介さんは苦労してんだ。→ 450 00:31:20,119 --> 00:31:22,121 奥さんとも 別れちまったし。 451 00:31:22,121 --> 00:31:26,125 (服部) どうして 離婚されたんですか? 452 00:31:26,125 --> 00:31:29,128 (従業員)奥さんは 都会育ちだったからね。→ 453 00:31:29,128 --> 00:31:36,135 田舎暮らしも 最初は楽しんでたんだけれども。 454 00:31:36,135 --> 00:31:40,139 まあ 色々あるさ。 ハハッ。 455 00:31:40,139 --> 00:31:45,144 あっ しかし あんた 筋がいいね。 456 00:31:45,144 --> 00:31:49,148 たわいもない 取りえでございます。 457 00:31:49,148 --> 00:31:51,150 熱い 熱い! あっ 冷たい! 458 00:31:51,150 --> 00:31:54,153 重い 重い! ≪先生! 459 00:31:54,153 --> 00:31:56,155 先生。 ちょっと いつまで寝てるんですか? 460 00:31:56,155 --> 00:32:00,159 今日 裁判ですよ。 まだ 6時じゃないか。 461 00:32:00,159 --> 00:32:04,163 ここから 地方裁判所まで 3時間半は かかりますから。 462 00:32:04,163 --> 00:32:08,163 ホントに 田舎は嫌! 463 00:32:11,103 --> 00:32:15,103 はい 着いたよ。 (千春)おにぎり作ったよ。 464 00:32:21,113 --> 00:32:25,113 あんた。 蟹頭村の にぎり飯だ。 465 00:32:32,124 --> 00:32:34,126 そんなに ビビって どうする? 466 00:32:34,126 --> 00:32:36,128 三木先生が サポートに付いてるんですよ。 467 00:32:36,128 --> 00:32:38,130 緊張するなっていう方が無理です。分かってないね。 468 00:32:38,130 --> 00:32:40,132 最も手ごわい敵は 三木なんかじゃない。 469 00:32:40,132 --> 00:32:43,135 えっ? 自分の土俵で戦える人間だよ。 470 00:32:43,135 --> 00:32:45,137 どういうことですか? 471 00:32:45,137 --> 00:32:47,139 (田ノ下)どうですか? 腰の具合は。 472 00:32:47,139 --> 00:32:53,145 ああ 久作さんに紹介してもらった針の先生 良かったですよ。 473 00:32:53,145 --> 00:32:55,147 無愛想だけど 腕は いいんだ。 474 00:32:55,147 --> 00:32:59,151 ハハハ。 では そろそろ 始めましょうか。 475 00:32:59,151 --> 00:33:02,154 こういうことだ。 476 00:33:02,154 --> 00:33:06,158 2年ほど前から 父は 物忘れが 極度に ひどくなり→ 477 00:33:06,158 --> 00:33:08,177 私のことと 兄の区別も つかなくなることも→ 478 00:33:08,177 --> 00:33:12,097 しばしばで 情緒的にも 不安定になりました。 479 00:33:12,097 --> 00:33:16,101 つまり 嘉平さんは認知症だったとお思いなんですね? 480 00:33:16,101 --> 00:33:19,104 はい。 父の身近にいた人間は→ 481 00:33:19,104 --> 00:33:22,107 みんな 心の中では そう感じていたと思います。→ 482 00:33:22,107 --> 00:33:27,112 でも そう思いたくなかった。 なぜですか? 483 00:33:27,112 --> 00:33:32,117 父は 徳松醤油の象徴であり 蟹頭村の名誉そのものです。 484 00:33:32,117 --> 00:33:36,121 その父が ぼけているなんて とても 言いだせなかった。 485 00:33:36,121 --> 00:33:41,126 物忘れはありましたが 年相応のものだと思います。 486 00:33:41,126 --> 00:33:44,129 父は 最後まで しっかりしていました。 487 00:33:44,129 --> 00:33:47,132 認知症ではなかったと? 488 00:33:47,132 --> 00:33:50,135 父の状態は 私の方が分かっています。 489 00:33:50,135 --> 00:33:53,138 父の看病を 献身的にしていましたから。 490 00:33:53,138 --> 00:33:57,142 うちの娘にも聞かせてやりたい。→ 491 00:33:57,142 --> 00:34:01,142 以上です。 (裁判長)ハハハ。 492 00:34:03,148 --> 00:34:06,151 (裁判長)はい どうぞ。 清江さん。 どれぐらいの頻度で→ 493 00:34:06,151 --> 00:34:08,120 嘉平さんの 看病をされていましたか? 494 00:34:08,120 --> 00:34:09,988 毎日? 毎日では。 495 00:34:09,988 --> 00:34:13,992 週に 一度? 月に 一度か二度。 496 00:34:13,992 --> 00:34:15,994 月に 一度? それを 献身的と表現なさるわけですね? 497 00:34:15,994 --> 00:34:19,998 よーく 分かりました。 以上です。 498 00:34:19,998 --> 00:34:25,003 もちろん ご高齢ですから 物忘れなどは 多々ありました。 499 00:34:25,003 --> 00:34:29,007 しかし 認知症といえるほどの 症状ではなかったろうと思います。 500 00:34:29,007 --> 00:34:33,011 (田ノ下)長年 嘉平さんを 診てきた主治医としての→ 501 00:34:33,011 --> 00:34:35,013 見解ですな? 502 00:34:35,013 --> 00:34:38,016 認知症という病は 見極めが とても難しいんです。→ 503 00:34:38,016 --> 00:34:41,019 特に ご高齢になればなるほど そんなものだろうと→ 504 00:34:41,019 --> 00:34:43,021 周りが思ってしまうんですね。 505 00:34:43,021 --> 00:34:46,024 つまり たとえ主治医といえど 専門の知識がなければ→ 506 00:34:46,024 --> 00:34:49,027 正しい判断は 難しいということですね? 507 00:34:49,027 --> 00:34:51,029 はい。 では 専門医としての→ 508 00:34:51,029 --> 00:34:53,031 先生の お考えを お聞かせください。 509 00:34:53,031 --> 00:34:56,034 直接 診たわけではないので 何とも言えませんが→ 510 00:34:56,034 --> 00:34:58,036 カルテから察するに この患者は→ 511 00:34:58,036 --> 00:35:02,040 認知症と考えて 差し支えないと思います。 512 00:35:02,040 --> 00:35:04,042 以上です。 私の方から もう一点だけ。 513 00:35:04,042 --> 00:35:07,045 先生。 この患者の ご子息は 父が誇りであったが故に→ 514 00:35:07,045 --> 00:35:09,081 認知症だと 認めたくなかったそうです。 515 00:35:09,081 --> 00:35:12,084 この点について ご意見を お聞かせください。 516 00:35:12,084 --> 00:35:15,087 それは 患者にとって 一番の不幸かもしれません。 517 00:35:15,087 --> 00:35:18,090 周囲が現実を受け止め 積極的に治療を進めれば→ 518 00:35:18,090 --> 00:35:20,092 大きな改善が期待できます。 519 00:35:20,092 --> 00:35:22,094 認知症は 誰にでも起こり得る病気であり→ 520 00:35:22,094 --> 00:35:24,096 何ら 恥ずかしいことでは ありませんからね? 521 00:35:24,096 --> 00:35:26,098 (専門医)そのとおりです。 人間 誰でも 年を取ります。 522 00:35:26,098 --> 00:35:28,100 明日は わが身なんです。 ねえ 裁判長。 523 00:35:28,100 --> 00:35:30,102 今 われわれが 成すべきことは→ 524 00:35:30,102 --> 00:35:32,104 これ以上 現実から 目を背けることなく→ 525 00:35:32,104 --> 00:35:34,106 嘉平さんの本当の思いが 何であったのかを→ 526 00:35:34,106 --> 00:35:36,108 つまびらかにすることです。 527 00:35:36,108 --> 00:35:38,110 それこそが 本当の意味で→ 528 00:35:38,110 --> 00:35:40,112 嘉平さんの名誉を 守ることに なるのでは ないでしょうか? 529 00:35:40,112 --> 00:35:42,114 以上です。 530 00:35:42,114 --> 00:35:54,126 ♪♪~ 531 00:35:54,126 --> 00:35:57,129 (泰平)おい! お前 分かっとるよな? 532 00:35:57,129 --> 00:36:00,132 はい。 (泰平)何をやってるんだ! 533 00:36:00,132 --> 00:36:03,135 (紀介)先生。 ありがとうございます。 534 00:36:03,135 --> 00:36:06,138 いけそうな気がしてきました。 次回の 千春の証言で→ 535 00:36:06,138 --> 00:36:09,074 一気に勝負を つけられるかも しれません。 536 00:36:09,074 --> 00:36:11,076 よろしく お願いします。 537 00:36:11,076 --> 00:36:14,079 どうかしました? 三木が おとなし過ぎる。 538 00:36:14,079 --> 00:36:18,079 あっ そういえば 沢地さんが いませんでしたね。 539 00:36:23,088 --> 00:36:25,090 (蘭丸)すいません。 千春さん 見掛けてないですか? 540 00:36:25,090 --> 00:36:29,094 (従業員)いや 見てないね。 (蘭丸)ありがとうございます。 541 00:36:29,094 --> 00:36:31,096 すいません。 千春さん 見てませんか? 542 00:36:31,096 --> 00:36:34,099 (従業員)いや 見てないね。 (蘭丸)はあ。 チッ。 543 00:36:34,099 --> 00:36:51,116 ♪♪~ 544 00:36:51,116 --> 00:36:56,116 大丈夫だから 私たちのことを信じて。 ねっ。 545 00:37:04,129 --> 00:37:09,067 人の女 くどかないでくれる? 両刀使いの お姉さん。 546 00:37:09,067 --> 00:37:14,072 いつかの続きなら 受けて立つわよ。 547 00:37:14,072 --> 00:37:17,072 やめとくよ。 (沢地)うん。 548 00:37:26,084 --> 00:37:30,084 何を吹き込まれたの? これは? 549 00:38:37,089 --> 00:38:39,091 「三陽フーズ 徳松醤油 吸収合併案」? 550 00:38:39,091 --> 00:38:41,093 三陽フーズ社長と 紀介さんによる→ 551 00:38:41,093 --> 00:38:44,096 徳松醤油売却の 密約記録のようだね。 552 00:38:44,096 --> 00:38:46,098 フッ。 バカバカしい。 553 00:38:46,098 --> 00:38:48,100 よくも まあ そんなものを でっち上げたもんだ。 554 00:38:48,100 --> 00:38:52,104 (千春)じゃあ 嘘なんですか? (紀介)当然だろ。 555 00:38:52,104 --> 00:38:54,106 徳松醤油は 僕にとって命だ。 556 00:38:54,106 --> 00:38:58,110 たとえ 何百億 積まれても 誰にも売ったりはしない。 557 00:38:58,110 --> 00:39:00,112 そうですよね。 558 00:39:00,112 --> 00:39:02,114 相手の弁護士は こういう卑劣な手を使って→ 559 00:39:02,114 --> 00:39:04,116 君に揺さぶりをかけてくる。 だが 惑わされてはいけないよ。 560 00:39:04,116 --> 00:39:06,118 あしたは 自信を持って 証言してくれたまえ。 561 00:39:06,118 --> 00:39:08,120 そうすれば われわれの勝利は 確実だ。 562 00:39:08,120 --> 00:39:11,123 (千春)はい。 失礼しました! 563 00:39:11,123 --> 00:39:15,127 紀介さん。 本当のことを おっしゃってください。 564 00:39:15,127 --> 00:39:18,130 私には 偽造文書には思えません。 何 言ってんだ。 偽物だよ。 565 00:39:18,130 --> 00:39:21,133 具体的な金額まで 細かく話し合われてます。 566 00:39:21,133 --> 00:39:23,135 でっち上げだ。 吸収後の 紀介さんの→ 567 00:39:23,135 --> 00:39:25,137 専務取締…。 黛。 568 00:39:25,137 --> 00:39:29,141 相手の社長に聞けば 分かることです! 569 00:39:29,141 --> 00:39:31,143 売るんですね? 570 00:39:31,143 --> 00:39:34,146 若旦那さま。 571 00:39:34,146 --> 00:39:38,083 確かに 話し合いは 何度か持った。 572 00:39:38,083 --> 00:39:40,085 条件によっては 従業員たちにとっても→ 573 00:39:40,085 --> 00:39:42,087 悪い話じゃないかもしれないだろ。 574 00:39:42,087 --> 00:39:47,092 この密約によれば 徳松醤油は 蟹頭村から移設されます。 575 00:39:47,092 --> 00:39:50,095 嘉平さんの ご遺志に 反すると思いますが? 576 00:39:50,095 --> 00:39:52,097 経営ってのは そんなに甘いもんじゃないんだよ。 577 00:39:52,097 --> 00:39:55,100 つまり あなたは この計画のために→ 578 00:39:55,100 --> 00:39:58,103 何としても 相続しなければ ならないということですか? 579 00:39:58,103 --> 00:40:02,107 (服部)奥さまは 田舎暮らしが 性に合わなくて→ 580 00:40:02,107 --> 00:40:05,110 離婚されたそうですね。 581 00:40:05,110 --> 00:40:11,116 三陽フーズの専務になれば 東京勤務ですか? 582 00:40:11,116 --> 00:40:15,120 (蘭丸)奥さんと よりを戻すためにここ 売っ払うんだ? 583 00:40:15,120 --> 00:40:20,125 徳松醤油を… 蟹頭村を捨てるんですか? 584 00:40:20,125 --> 00:40:24,129 何が悪い! 僕はね 兄さんと姉さんを見返すために→ 585 00:40:24,129 --> 00:40:26,131 必死に頑張ってきたんだ! 586 00:40:26,131 --> 00:40:30,135 だけど 僕には 正直 分からないんだよ! 587 00:40:30,135 --> 00:40:33,138 よその しょうゆと うちの しょうゆの→ 588 00:40:33,138 --> 00:40:36,074 いったい どこが違うのか。 589 00:40:36,074 --> 00:40:41,079 目玉焼きにも ウスターソースを掛ける派なんだ。 590 00:40:41,079 --> 00:40:43,081 でも 今は この地で→ 591 00:40:43,081 --> 00:40:47,085 徳松醤油を しっかり守っていく おつもりなんですよね? 592 00:40:47,085 --> 00:40:50,088 ああ もちろん。 593 00:40:50,088 --> 00:40:53,091 あっ この話は断る。 誰にも売ったりはしない。 594 00:40:53,091 --> 00:40:55,091 なっ 信じてくれ。 595 00:40:57,095 --> 00:41:02,100 (紀介)千春ちゃん? ねっ ちょっ 千春ちゃん! 596 00:41:02,100 --> 00:41:05,103 君も 説得してこい。 逆さづりで 漬け込む先を→ 597 00:41:05,103 --> 00:41:08,106 しょうゆだるから 肥だめに変更するぞ。 598 00:41:08,106 --> 00:41:10,108 紀介さんは 売ると思います。 バカの根が深いな。 599 00:41:10,108 --> 00:41:12,110 君の仕事は 紀介を勝たせることだ。 600 00:41:12,110 --> 00:41:14,112 その後 彼が 徳松醤油を どうしようが→ 601 00:41:14,112 --> 00:41:17,112 関知することではない。 行きなさい。 602 00:41:23,121 --> 00:41:26,121 ≪(ドアの開閉音) 603 00:41:29,127 --> 00:41:35,150 (裁判長)じゃあ 次の証人。 黛 千春さん。 どうぞ。 604 00:41:35,150 --> 00:41:40,150 黛 千春。 徳松醤油 従業員です。 605 00:41:43,074 --> 00:41:47,078 徳松醤油では どのような業務を? 606 00:41:47,078 --> 00:41:51,082 (千春)事務です。 それと 大旦那さま…。→ 607 00:41:51,082 --> 00:41:56,087 えっと 嘉平さんの 身の回りの お世話もしていました。 608 00:41:56,087 --> 00:41:58,089 嘉平さんの状態について→ 609 00:41:58,089 --> 00:42:02,093 最も 詳しく ご存じだと 考えていいですね? 610 00:42:02,093 --> 00:42:04,095 はい。 611 00:42:04,095 --> 00:42:08,099 単刀直入に お聞きします。 612 00:42:08,099 --> 00:42:13,104 あなたから見て 嘉平さんは 認知症であったと思いますか? 613 00:42:13,104 --> 00:42:29,120 ♪♪~ 614 00:42:29,120 --> 00:42:33,124 千春ちゃん。 よーく考えて 発言した方が いいよ。 615 00:42:33,124 --> 00:42:36,061 今 こちらが質問しています。 (田ノ下)嘉平さんに→ 616 00:42:36,061 --> 00:42:38,063 砂を掛けるようなこと したくないだろ? 617 00:42:38,063 --> 00:42:40,065 裁判長! まあまあ。 618 00:42:40,065 --> 00:42:42,067 「まあまあ」じゃないでしょ! (清江)千春ちゃん。 619 00:42:42,067 --> 00:42:44,069 あなたの証言に 懸かってるんだからね。 620 00:42:44,069 --> 00:42:46,071 (泰平)自分の立場 分かってる? 621 00:42:46,071 --> 00:42:48,073 もう好き勝手に しゃべってるじゃないか! 622 00:42:48,073 --> 00:42:52,077 東京の弁護士は 堅苦しいな。 これだから くそ田舎は。 623 00:42:52,077 --> 00:42:57,077 原告代理人。 発言には 注意してください。 624 00:43:01,086 --> 00:43:05,090 (裁判長)いいんだよ。 率直に思ったこと 言えば。 625 00:43:05,090 --> 00:43:17,102 ♪♪~ 626 00:43:17,102 --> 00:43:19,104 大旦那さまは…。 627 00:43:19,104 --> 00:43:31,116 ♪♪~ 628 00:43:31,116 --> 00:43:34,116 認知症ではなかったと思います。 629 00:43:47,065 --> 00:43:49,065 以上です。 630 00:43:51,069 --> 00:43:55,069 逆さづりにしたければ どうぞ。 黛先生。 お疲れさまでした。 631 00:43:58,076 --> 00:44:03,081 (裁判長) 「主文。 原告の請求を棄却する」 632 00:44:03,081 --> 00:44:05,083 (被告側たちの歓声) 633 00:44:05,083 --> 00:44:09,087 (裁判長)「徳松 嘉平が 認知症を患い→ 634 00:44:09,087 --> 00:44:13,091 意思能力に欠けていたという 原告側の主張は→ 635 00:44:13,091 --> 00:44:18,096 その根拠に乏しく かかる原告の主張は→ 636 00:44:18,096 --> 00:44:21,096 不合理であると 言わざるを得ない」 637 00:44:23,101 --> 00:44:28,101 短い間でしたけど お世話になりました。 638 00:44:33,111 --> 00:44:35,130 (従業員)ここに残らないか? 639 00:44:35,130 --> 00:44:37,048 あんたとだったらな→ 640 00:44:37,048 --> 00:44:43,054 すげえ いい しょうゆを 造れそうな気がするんだよ。 641 00:44:43,054 --> 00:44:50,061 私は… 一介の事務員でございますから。 642 00:44:50,061 --> 00:44:54,065 ハハハ。 そうか。 ハハハ。 643 00:44:54,065 --> 00:44:59,070 申し訳ありませんでした。 ホントに うちの 黛の力不足で。 644 00:44:59,070 --> 00:45:02,073 仕方ありませんよ。 それでは 帰りまーす! 645 00:45:02,073 --> 00:45:06,077 いやー ホントに いいとこだったー! 646 00:45:06,077 --> 00:45:08,079 名残惜しい! 帰りたくない! ホントに ごめんなさい! 647 00:45:08,079 --> 00:45:11,082 名残惜しい! 帰りたくない! 名残惜しい! 帰りたくない! 648 00:45:11,082 --> 00:45:13,082 な…。 649 00:45:22,093 --> 00:45:26,097 6年間 お世話になりました。 650 00:45:26,097 --> 00:45:28,099 千春? 651 00:45:28,099 --> 00:45:31,102 (紀介)さっき 退職願をね。 652 00:45:31,102 --> 00:45:36,040 (千春)私は 若旦那さまを 裏切りました。 653 00:45:36,040 --> 00:45:40,044 これ以上 ここに いるわけには いきません。 654 00:45:40,044 --> 00:45:56,060 ♪♪~ 655 00:45:56,060 --> 00:46:02,060 あの… こんなこと お願いできる 義理じゃないんですが…。 656 00:46:05,069 --> 00:46:10,074 この本 毎晩 読み聞かせさせて いただいてたので。 657 00:46:10,074 --> 00:46:13,077 (紀介) もちろん 持ってっていいよ。 658 00:46:13,077 --> 00:46:15,079 (千春)ありがとうございます。 659 00:46:15,079 --> 00:46:35,116 ♪♪~ 660 00:46:35,116 --> 00:46:55,053 ♪♪~ 661 00:46:55,053 --> 00:47:02,060 ♪♪~ 662 00:47:02,060 --> 00:47:05,063 (泰平)いやいやいや! こりゃあ 何かの間違いだろ! 663 00:47:05,063 --> 00:47:07,065 (康子)そうよね。 (清江)いたずらでしょ? 664 00:47:07,065 --> 00:47:09,067 (貴昭)いたずらだよね? 665 00:47:09,067 --> 00:47:11,069 いえ 遺言書としては 効力を持ちます。 666 00:47:11,069 --> 00:47:13,071 (清江)あの子 家族でも 何でもないのよ。→ 667 00:47:13,071 --> 00:47:15,073 ただの 従業員よ。 668 00:47:15,073 --> 00:47:17,075 ただの 従業員に 遺贈させてはいけないという→ 669 00:47:17,075 --> 00:47:19,077 法律はありません。 (泰平)こんなの 本の後ろに→ 670 00:47:19,077 --> 00:47:23,081 適当に書いたもんじゃ駄目だろ? なあ 三木先生! 671 00:47:23,081 --> 00:47:26,084 (三木)遺言書の用紙に 規定は ありません。 672 00:47:26,084 --> 00:47:29,087 家庭裁判所の検認を 受けなければ なりませんが→ 673 00:47:29,087 --> 00:47:32,090 清江さん宛てのものが 有効である以上→ 674 00:47:32,090 --> 00:47:34,092 それも 自筆証書遺言としては 有効でしょう。 675 00:47:34,092 --> 00:47:37,028 そんな アホなことがあるか! 676 00:47:37,028 --> 00:47:41,032 日付は 亡くなる前日。 つまり これが 最新の遺言書です。 677 00:47:41,032 --> 00:47:46,037 私のより 優先されるわけ? 冗談じゃないわよ! 678 00:47:46,037 --> 00:47:48,039 何とか言ってよ 田ノ下! 679 00:47:48,039 --> 00:47:52,043 いやー こりゃあ 参りましたな。 (泰平)ぼけてたんだ。 680 00:47:52,043 --> 00:47:54,045 親父は ぼけてた! こんなもの 無効だ! 681 00:47:54,045 --> 00:47:56,047 嘉平さんは 認知症ではないと→ 682 00:47:56,047 --> 00:47:59,047 判決理由の中でも 認定されていますよ。 683 00:48:02,053 --> 00:48:08,059 わ… 私 徳松醤油を 譲り受けるなんて む… 無理です。 684 00:48:08,059 --> 00:48:13,059 ならば 権利を放棄するなり 誰かに譲るなり 君の自由だ。 685 00:48:17,068 --> 00:48:21,072 (泰平)前々から 君には 光るものを感じてたんだよ。 686 00:48:21,072 --> 00:48:23,074 千春ちゃんに似合いそうなドレス 持ってるのよ。 687 00:48:23,074 --> 00:48:25,076 千春ちゃん。 今 給料 幾ら もらってるんだっけ? 688 00:48:25,076 --> 00:48:29,076 (男性)そろそろ ボーナスかな? ボーナスだよね? 689 00:48:33,084 --> 00:48:35,086 井手君。 あと 処理しといて。 690 00:48:35,086 --> 00:48:38,089 は… はい。 (三木)あー いい骨休めになった。 691 00:48:38,089 --> 00:48:41,092 沢地君。 もう一回 温泉 入って 帰ろうか? 692 00:48:41,092 --> 00:48:44,095 (沢地)お背中 お流ししますよ。 693 00:48:44,095 --> 00:48:46,097 (三木)しょせん 今回は遊びだ。 694 00:48:46,097 --> 00:48:48,099 お前も 羽を伸ばせてよかったな。 695 00:48:48,099 --> 00:48:51,099 もう 二度とできないかも しれないんだから。 696 00:48:54,105 --> 00:48:56,105 (沢地)では。 697 00:49:08,119 --> 00:49:10,119 (3人)《あっ!》 698 00:49:13,124 --> 00:49:16,124 (長女)《猿に持ってかれた》 699 00:49:19,130 --> 00:49:22,133 (長男)《しょうがねえだろ。 泣くなよ》→ 700 00:49:22,133 --> 00:49:24,135 《お兄ちゃんの おかず ちょっと あげるよ》 701 00:49:24,135 --> 00:49:27,135 (次男)《ホント?》 (長男)《ちょっとだけな》 702 00:49:29,140 --> 00:49:33,140 いやー ようやく 文化的生活に 戻れた気がするよー! 703 00:49:35,163 --> 00:49:39,083 おはようございます。 おはようございます。 704 00:49:39,083 --> 00:49:42,086 その後 徳松醤油は どうなりました? 705 00:49:42,086 --> 00:49:45,089 千春が 譲り受けることになりました。 706 00:49:45,089 --> 00:49:47,091 3きょうだいは 遺留分のみの 相続ということに。 707 00:49:47,091 --> 00:49:50,094 ほう。 あの 千春さんが経営ですか? 708 00:49:50,094 --> 00:49:54,098 いえ。 経営は 3きょうだいのうち誰に任せるか。 709 00:49:54,098 --> 00:49:56,100 じっくり 吟味するそうです。 君の いとこは→ 710 00:49:56,100 --> 00:49:58,102 なかなか したたかだね? 711 00:49:58,102 --> 00:50:04,108 (千春)熱意が感じられません。 もう一度 やり直しで。 712 00:50:04,108 --> 00:50:07,111 思い返してみると 千春って 昔から 何だかんだいって→ 713 00:50:07,111 --> 00:50:10,114 最終的に 一番おいしいところ 持っていってたような…。 714 00:50:10,114 --> 00:50:13,117 確信犯かもしれないね? 確信犯? 715 00:50:13,117 --> 00:50:15,119 嘉平の状態を分かっていた 彼女は→ 716 00:50:15,119 --> 00:50:17,121 3きょうだいのように 嘉平の心を取り込み→ 717 00:50:17,121 --> 00:50:19,121 自分に遺言を書かせようとした。 718 00:50:30,134 --> 00:50:32,136 まさか そんな…。 だが 私の見立ては→ 719 00:50:32,136 --> 00:50:34,138 間違っていなかったじゃないか。 720 00:50:34,138 --> 00:50:36,074 はっ? 君と 千春は 実は馬が合わない。 721 00:50:36,074 --> 00:50:39,077 ただし 内容は 私の予想とは逆だった。 722 00:50:39,077 --> 00:50:41,079 勉強ばかりしてきた 君は→ 723 00:50:41,079 --> 00:50:43,081 勉強もできない 彼女を 見下していたわけじゃない。 724 00:50:43,081 --> 00:50:45,083 勉強はできるが 要領の悪かった 君は→ 725 00:50:45,083 --> 00:50:47,085 勉強はできないものの→ 726 00:50:47,085 --> 00:50:49,087 要領よく いいところを 持っていく 彼女を→ 727 00:50:49,087 --> 00:50:51,089 ねたんでいたんだ。 そんなつもりは…。 728 00:50:51,089 --> 00:50:53,091 あっ。 どうした? 729 00:50:53,091 --> 00:50:56,094 思い出した。 私がレクチャーして 千春が金賞を取った→ 730 00:50:56,094 --> 00:51:00,098 読書感想文コンクール。 あれ 私も出したんです。 731 00:51:00,098 --> 00:51:05,103 私 銀賞でした。 ようやく 自覚したようだね! 732 00:51:05,103 --> 00:51:08,106 (服部)古美門先生。 うん? 733 00:51:08,106 --> 00:51:10,108 どうなさいました? 食が 進んでらっしゃらないようですが。 734 00:51:10,108 --> 00:51:14,112 いやいや…。 そのね…。 735 00:51:14,112 --> 00:51:17,115 そんなことだろうと思って→ 736 00:51:17,115 --> 00:51:21,119 蟹頭ワラビの佃煮 徳松醤油。→ 737 00:51:21,119 --> 00:51:26,124 どうぞ。 黛先生も よろしければ。 738 00:51:26,124 --> 00:51:28,126 いただきます。 はい。 739 00:51:28,126 --> 00:51:43,074 ♪♪~ 740 00:51:43,074 --> 00:51:45,074 まずーい!