1 00:00:02,850 --> 00:00:04,860 (長女)《あんちゃん。 待ってー!》 2 00:00:04,860 --> 00:00:08,860 (長男)《俺の!》 (長女)《私の!》 3 00:00:12,860 --> 00:00:16,870 (千春)「深夜 ろうそくを立てて 広い部屋の中で→ 4 00:00:16,870 --> 00:00:21,870 1人 鏡をのぞき込むには よほどの勇気がいるそうだ」→ 5 00:00:21,870 --> 00:00:25,880 「わが輩などは 初めて 当家の令嬢から→ 6 00:00:25,880 --> 00:00:29,880 鏡を顔の前へ 押し付けられたときに→ 7 00:00:29,880 --> 00:00:35,890 はっと 仰天して 屋敷の周りを 三度 駆け回ったくらいである」 8 00:00:35,890 --> 00:00:37,890 (千春)「いかに 白昼と…」 9 00:00:37,890 --> 00:00:42,890 (嘉平のいびき) 10 00:00:53,900 --> 00:00:56,900 ≪(千春)失礼します。 11 00:01:02,850 --> 00:01:07,850 (千春)大旦那さま。 朝ご飯の用意ができましたよ。→ 12 00:01:07,850 --> 00:01:09,850 よいしょ。 13 00:01:11,860 --> 00:01:14,860 大旦那さま? 14 00:01:20,860 --> 00:01:23,870 ≪(千春)若旦那さま!→ 15 00:01:23,870 --> 00:01:28,870 若旦那さま! 若旦那さま! 16 00:01:28,870 --> 00:01:42,890 ♪♪~ 17 00:01:42,890 --> 00:01:45,890 (紀介)兄さん。 姉さん。 18 00:01:45,890 --> 00:01:49,890 (清江)お父さん…。 (紀介)寝床で静かに。 19 00:01:49,890 --> 00:01:52,900 (泰平)まあ。 いい最期だったんじゃねえか? 20 00:01:52,900 --> 00:01:57,900 (清江)うん。 そうね。 お父さん 幸せだったと思う。 21 00:01:57,900 --> 00:02:01,840 (紀介)実は 父さんから これを預かってたんだ。 22 00:02:01,840 --> 00:02:05,840 きょうだい 3人揃ってから 開封しようと思って。 23 00:02:05,840 --> 00:02:11,850 僕は どんな内容だろうと 父さんの遺志に従おうと思ってる。 24 00:02:11,850 --> 00:02:14,850 兄さんも 姉さんも それで いいよね? 25 00:02:14,850 --> 00:02:17,850 もちろんだ。 ただな 紀介。 26 00:02:17,850 --> 00:02:20,860 俺も 親父から 預かってるんだよ。 27 00:02:20,860 --> 00:02:25,860 (清江)あら やだ。 私もなのよ。 28 00:02:32,870 --> 00:02:34,870 (古美門)どこだって? 29 00:02:34,870 --> 00:02:36,870 (黛) 蟹頭郡蟹頭村です。→ 30 00:02:36,870 --> 00:02:39,880 私の父方の古里で 昔は しょっちゅう 遊びに行ってました。 31 00:02:39,880 --> 00:02:41,880 (古美門)そんな聞いたこともない 辺境地などに行くものか。 32 00:02:41,880 --> 00:02:43,880 (黛)無理に来てくれとは 言いませんけど→ 33 00:02:43,880 --> 00:02:48,890 遺産相続の訴訟で 報酬は期待できると思います。 34 00:02:48,890 --> 00:02:50,890 (黛)何せ あの徳松醤油の 社長一族ですから。 35 00:02:50,890 --> 00:02:52,890 何しょうゆだって? 徳松醤油です。 36 00:02:52,890 --> 00:02:56,890 聞いたこともない。 またまた。 37 00:02:56,890 --> 00:02:59,900 「おじいちゃん。 今日の おかずは すっごく おいしいね?」 38 00:02:59,900 --> 00:03:02,830 「そりゃ そうさ。 だって 徳松醤油だからな」 39 00:03:02,830 --> 00:03:10,840 ♪♪「しょうゆは 徳松 と~く~ま~つ」の→ 40 00:03:10,840 --> 00:03:12,840 徳松醤油ですよ。 そんな CM知らん! 41 00:03:12,840 --> 00:03:15,850 とにかく その徳松醤油で 働いている 私のいとこから→ 42 00:03:15,850 --> 00:03:18,850 助けを求められたんです。 向こうに 骨をうずめてもらって→ 43 00:03:18,850 --> 00:03:20,850 一向に構わない。 服部さん。 ワッフルが食べたいな。 44 00:03:20,850 --> 00:03:22,850 (服部)黛先生。 45 00:03:22,850 --> 00:03:27,860 ご迷惑でなかったら この 服部も 同行させていただけませんか? 46 00:03:27,860 --> 00:03:32,860 服部さん? 私の人生 旅でした。 47 00:03:32,860 --> 00:03:34,870 こちらに ご厄介になってから→ 48 00:03:34,870 --> 00:03:37,870 休まず 先生の ご奉仕してまいりましたが→ 49 00:03:37,870 --> 00:03:42,870 いまだ 旅への思い 断ち切れず。 50 00:03:42,870 --> 00:03:45,880 古美門先生。 あの ほんの ちょっとの間で結構なんですけど→ 51 00:03:45,880 --> 00:03:50,880 この 服部に 休暇を 与えてやってくれませんか? 52 00:03:50,880 --> 00:03:52,880 もちろん 労働基準法によって 認められます。 53 00:03:52,880 --> 00:03:56,880 その間の 私の食事は? 掃除と洗濯は? 54 00:04:06,830 --> 00:04:08,830 千春! (千春)真知子さん。 55 00:04:08,830 --> 00:04:11,840 久しぶり。 56 00:04:11,840 --> 00:04:14,840 (千春)何か 芸能人みたい! そんなことないよ。 普段着だよ。 57 00:04:14,840 --> 00:04:16,840 (千春)エヘヘ。 何か 大人っぽくなったね? 58 00:04:16,840 --> 00:04:19,840 (千春)ホント!? うん ホント。 59 00:04:19,840 --> 00:04:22,850 あっ。 事務員の 服部さん。 いとこの 千春です。 60 00:04:22,850 --> 00:04:24,850 服部と申します。 (千春)千春です。 61 00:04:24,850 --> 00:04:27,850 ようこそ 蟹頭村へ。 62 00:04:27,850 --> 00:04:30,850 (千春)おっ。 おっ! 63 00:04:30,850 --> 00:04:32,860 あれが 弁護士の 古美門先生。 64 00:04:32,860 --> 00:04:37,860 (千春)あー どうも。 あの東京の有名な先生だそうで→ 65 00:04:37,860 --> 00:04:39,860 こんな 田舎まで…。 うわー 最悪だ! 66 00:04:39,860 --> 00:04:41,870 雨 降りそうだし。 うわっ 服が汚れた! 最悪だ! 67 00:04:41,870 --> 00:04:43,870 小雨 降りそうだし。 68 00:04:43,870 --> 00:04:45,870 服部さん。 私の着替えを。 あれ? 69 00:04:45,870 --> 00:04:49,870 私の荷物は? 持ってきておりません。 70 00:04:49,870 --> 00:04:51,880 私 ただ今 休暇中でございますので。 71 00:04:51,880 --> 00:04:54,880 えー 何にも!? テンピュールの抱き枕も!? 72 00:04:54,880 --> 00:04:57,880 私が旅に持ち歩くものは これだけです! 73 00:04:57,880 --> 00:04:59,880 歯ブラシ! 74 00:04:59,880 --> 00:05:02,820 参りましょうか? (千春)はい こちらです! 75 00:05:02,820 --> 00:05:05,820 あっ ごめん ありがとう。 (千春)重いね。 76 00:05:05,820 --> 00:05:08,830 重いの。 ちょっとね。 (千春)さすがだね。 77 00:05:08,830 --> 00:05:10,830 犬神家へ ご案内か? 78 00:05:10,830 --> 00:05:23,830 ♪♪~ 79 00:05:45,860 --> 00:05:51,870 (一同)♪♪「カニの頭の 酒のさかな」 80 00:05:51,870 --> 00:05:53,870 (従業員)ごゆっくり。 81 00:05:56,870 --> 00:05:59,880 (服部)いや…。 82 00:05:59,880 --> 00:06:01,810 ああ 恐縮です。 83 00:06:01,810 --> 00:06:06,820 (一同)♪♪「しょうゆ 掛けてみろ」 84 00:06:06,820 --> 00:06:09,820 (服部)これは すごい。 (千春)ごゆっくり。 85 00:06:09,820 --> 00:06:11,820 (紀介)ようこそ おいでくださいました。 86 00:06:11,820 --> 00:06:14,830 徳松醤油 代表取締役 徳松 紀介でございます。 87 00:06:14,830 --> 00:06:17,830 白い覆面を かぶっていなくて ほっとしました。 88 00:06:17,830 --> 00:06:19,830 ちょっと…。 (紀介)蟹頭村の→ 89 00:06:19,830 --> 00:06:22,830 郷土料理で ございます。 どうぞ お召し上がりください。 90 00:06:22,830 --> 00:06:24,840 (服部)いただきます。 いただきます。 91 00:06:24,840 --> 00:06:26,840 (服部)ほう。 これは? 92 00:06:26,840 --> 00:06:30,840 蟹頭村の名産 蟹頭ワラビの佃煮です。 93 00:06:30,840 --> 00:06:35,850 そちらが 蟹頭ワラビのお刺し身 蟹頭ワラビのステーキ。→ 94 00:06:35,850 --> 00:06:37,850 蟹頭ワラビの…。 ワラビばっかりじゃないか! 95 00:06:37,850 --> 00:06:39,850 おいしいんですよ これ。 96 00:06:41,850 --> 00:06:46,860 うーん この味 懐かしい! 滋味 豊かですね。 97 00:06:46,860 --> 00:06:49,860 ≪(田ノ下)お食事中に失礼。→ 98 00:06:49,860 --> 00:06:53,860 亡くなった先代の 顧問弁護士をしておりました→ 99 00:06:53,860 --> 00:06:56,870 田ノ下 久作と申します。 100 00:06:56,870 --> 00:06:59,870 東京から来ました 黛です。 こちら 上司の 古美門です。 101 00:06:59,870 --> 00:07:01,810 早速 状況を 説明してもらいましょうか。 102 00:07:01,810 --> 00:07:07,810 (田ノ下)では。 徳松家の 歴史から説明いたしますと→ 103 00:07:07,810 --> 00:07:09,810 室町時代 藤原氏の…。 104 00:07:09,810 --> 00:07:12,820 そこから 説明する 必要はありません。 105 00:07:12,820 --> 00:07:15,820 本件に関連することだけ お願いします。 106 00:07:15,820 --> 00:07:18,820 えー 三代目社長 徳松 嘉平氏の→ 107 00:07:18,820 --> 00:07:21,830 類いまれな商才により→ 108 00:07:21,830 --> 00:07:24,830 徳松醤油は 隆盛を極めました。 109 00:07:24,830 --> 00:07:27,830 その大旦那さまが 亡くなられたんですね? 110 00:07:27,830 --> 00:07:31,840 (田ノ下)はい。 嘉平氏には 3人のお子さんがいらっしゃいます。 111 00:07:31,840 --> 00:07:34,840 長男 泰平は 無謀な多角経営化を図り→ 112 00:07:34,840 --> 00:07:38,840 店を大きく傾かせ 父に追い出されました。→ 113 00:07:38,840 --> 00:07:41,850 長女 清江は 昔から 商売を手伝ったことなどなく→ 114 00:07:41,850 --> 00:07:43,850 奔放に生きております。 115 00:07:43,850 --> 00:07:46,850 経営を立て直し 今に至るまで→ 116 00:07:46,850 --> 00:07:48,850 この徳松醤油を 実質的に守ってきたのは→ 117 00:07:48,850 --> 00:07:51,860 この私 紀介でございます。 118 00:07:51,860 --> 00:07:55,860 ですから 父が私に これを残したのも→ 119 00:07:55,860 --> 00:07:58,860 当然のことです。 はい 拝見。 120 00:07:58,860 --> 00:08:00,880 はい。 121 00:08:00,880 --> 00:08:02,800 一言で言えば 全ての資産は→ 122 00:08:02,800 --> 00:08:04,800 紀介さん お一人に託すという内容ですね。 123 00:08:04,800 --> 00:08:06,800 一見したところ 何の不備もないようですが。 124 00:08:06,800 --> 00:08:10,810 (田ノ下)ところが 問題は ほぼ同じ内容の遺言書を→ 125 00:08:10,810 --> 00:08:13,810 泰平坊ちゃんにも 清江お嬢さまにも→ 126 00:08:13,810 --> 00:08:16,810 残しておいでだということです。 127 00:08:16,810 --> 00:08:20,820 遺言書が 3通ということですね? 128 00:08:20,820 --> 00:08:22,820 偽造に決まってる。 129 00:08:22,820 --> 00:08:24,820 末っ子の僕に 全部 持ってかれるのが嫌で→ 130 00:08:24,820 --> 00:08:26,820 2人とも あんなもん でっち上げてんだ。 131 00:08:26,820 --> 00:08:30,830 (田ノ下)それで 紀介さんは 泰平さんと 清江さんについて→ 132 00:08:30,830 --> 00:08:34,830 証書認否確認訴訟を 起こしたわけです。 133 00:08:34,830 --> 00:08:37,830 すぐに 片が付くと思ったのに。 134 00:08:39,840 --> 00:08:42,840 あなたが裏切るとはね。 といいますと? 135 00:08:42,840 --> 00:08:48,850 私は 現在 清江お嬢さまの 代理人を務めております。 136 00:08:48,850 --> 00:08:52,850 三つどもえの バトルロワイヤル というわけですか? 137 00:08:52,850 --> 00:08:55,850 今夜 兄と姉が 話し合いに参ります。 138 00:08:55,850 --> 00:08:57,850 兄も有能な弁護士を 雇い直したようです。 139 00:08:57,850 --> 00:09:04,850 古美門先生。 黛先生。 どうぞ よろしく お願いいたします! 140 00:09:06,800 --> 00:09:09,800 (千春)古美門先生の お部屋は こちらです。 141 00:09:09,800 --> 00:09:12,800 貴賓室なんて いいじゃないですか 先生。 142 00:09:12,800 --> 00:09:16,810 (千春)真知子さんが来てくれて ホントに助かりました。 143 00:09:16,810 --> 00:09:19,810 当たり前じゃない。 私たちは姉妹同然なんだから。 144 00:09:19,810 --> 00:09:22,810 (千春)もう 真知子さんには 小さいころから→ 145 00:09:22,810 --> 00:09:24,810 助けてもらってばっかりで。→ 146 00:09:24,810 --> 00:09:27,820 いつも 勉強 教えてもらってたし。 147 00:09:27,820 --> 00:09:29,820 あー ほら! 読書感想文。 148 00:09:29,820 --> 00:09:31,820 真知子さんにレクチャーを受けて 書いたら→ 149 00:09:31,820 --> 00:09:37,830 コンクールで金賞もらって。 あれ 私の 唯一の自慢。 150 00:09:37,830 --> 00:09:39,830 ううん。 千春が頑張ったからだよ。 151 00:09:39,830 --> 00:09:41,830 あー ちょっと いいかな? この絵は? 152 00:09:41,830 --> 00:09:45,840 (千春)徳松醤油の創業者の 徳松 仁左衛門さんです。→ 153 00:09:45,840 --> 00:09:49,840 若旦那さまが 初代に 敬意を表して作らせたんです。 154 00:09:49,840 --> 00:09:53,840 この化け物は? (千春)ブータンの守り神だそうです。 155 00:09:53,840 --> 00:09:58,850 ご長男の泰平さんが 世界中の 置物を集めてらして。 156 00:09:58,850 --> 00:10:01,850 あー! バランス悪い 椅子だな! おい! 157 00:10:01,850 --> 00:10:05,860 (千春)調度品は 現代芸術家の 作品で 揃えてます。→ 158 00:10:05,860 --> 00:10:09,860 ご長女の清江さんの ご趣味で。 (服部)アハハ。 159 00:10:09,860 --> 00:10:13,860 何と ユニークな部屋ですね。 (千春)あー どうも。 160 00:10:20,870 --> 00:10:23,870 おー! どちらに? 161 00:10:23,870 --> 00:10:28,880 古美門先生は 裏口から そっと帰るだろうと 服部さんが。 162 00:10:28,880 --> 00:10:30,880 しまった! 投げ出さないでください。 163 00:10:30,880 --> 00:10:33,880 そもそも 私は この仕事を 引き受けてはいない。 164 00:10:33,880 --> 00:10:36,890 いとこは 君に依頼し 君が 引き受けた。 これは君の案件だ。 165 00:10:36,890 --> 00:10:38,890 手伝うつもりで 来てくださったんでしょ? 166 00:10:38,890 --> 00:10:41,890 違う! 君が負けようが 知ったこっちゃない! 167 00:10:41,890 --> 00:10:43,890 そうだ。 温泉 入りませんか? 168 00:10:43,890 --> 00:10:45,900 温泉? 169 00:10:45,900 --> 00:10:48,900 この先に あまり知られていない 秘湯があるんです。 170 00:10:48,900 --> 00:10:51,900 美しい女性が 入ってるかも しれませんよ。 混浴ですし。 171 00:10:51,900 --> 00:10:53,900 ニホンザルが入ってたら帰るぞ。 172 00:10:55,910 --> 00:10:57,910 うおー! おっ。 173 00:11:00,930 --> 00:11:03,850 猿より ひどいのが入ってる。 どうして? 174 00:11:03,850 --> 00:11:06,850 (沢地)これは これは。 奇遇ですね? 175 00:11:06,850 --> 00:11:08,850 (三木)こんな人知れぬ 秘湯で会うとはね。 176 00:11:08,850 --> 00:11:10,850 長男 泰平の代理人だろう。 177 00:11:10,850 --> 00:11:12,860 おそらく われわれが 紀介に付いたという情報を得て→ 178 00:11:12,860 --> 00:11:15,860 名乗り出たんだ。 暇な連中だ。 (沢地)古美門先生。 179 00:11:15,860 --> 00:11:17,860 ご遠慮なさらずに とっても いいお湯ですよ。 180 00:11:17,860 --> 00:11:20,860 私と戦うおつもりで いらっしゃったのなら→ 181 00:11:20,860 --> 00:11:22,870 それは もくろみ違いです。 本件の担当は→ 182 00:11:22,870 --> 00:11:24,870 この 黛であって 私は 付き添いにすぎません。 183 00:11:24,870 --> 00:11:27,870 私も付き添いだよ。 担当は この 井手君でね。 184 00:11:29,870 --> 00:11:31,880 (井手)よろしく。 185 00:11:31,880 --> 00:11:34,880 (三木)おいおい 遠慮するなよ! お前も入った方がいいぞ。→ 186 00:11:34,880 --> 00:11:38,880 温泉の効能書きに 減らず口が 直るって書いてあったからな。 187 00:11:38,880 --> 00:11:40,880 しつこい性格の べたつきが 治まるとでも→ 188 00:11:40,880 --> 00:11:43,890 書いてあったんですか? 業突張りの恥知らずは→ 189 00:11:43,890 --> 00:11:45,890 ちょっと良くなるとは 書いてあった。 190 00:11:45,890 --> 00:11:47,890 爬虫類顔が進化して 少し 哺乳類に近づくとも→ 191 00:11:47,890 --> 00:11:51,890 書いてあればいいですね! See you! 192 00:11:53,900 --> 00:11:58,900 井手君。 もし負けたら この土地の弁護士として→ 193 00:11:58,900 --> 00:12:01,840 一生を 送りなさい。 194 00:12:01,840 --> 00:12:03,840 頑張ります。 195 00:12:03,840 --> 00:12:05,840 絶対に勝て。 勝つべし 勝つべし 勝つべし 勝つべし! 196 00:12:05,840 --> 00:12:07,840 もし負けたら 逆さづりにして→ 197 00:12:07,840 --> 00:12:09,840 しょうゆだるに漬け込むからな! 指 ささないでください! 198 00:12:13,590 --> 00:12:15,590 紀介さん宛ての遺言書には 実印が押されていますので→ 199 00:12:15,590 --> 00:12:17,590 紀介さんへの遺言書が 有効だと思います。 200 00:12:17,590 --> 00:12:20,600 (井手)実印の方が有効性が 高いなんて 規則はありませんが? 201 00:12:20,600 --> 00:12:23,600 泰平さん宛てのものが 最も適切な書面だね。 202 00:12:23,600 --> 00:12:26,600 文面も正確だ。 それ故 真がんが疑わしいですね。 203 00:12:26,600 --> 00:12:28,610 (三木)真がん? 偽造だという 根拠でもあるのか? 204 00:12:28,610 --> 00:12:30,610 可能性の話をしておるのです。 205 00:12:30,610 --> 00:12:33,610 重要なのは日付です。 206 00:12:33,610 --> 00:12:37,610 紀介さま宛てのものが 3年前で 最も古く→ 207 00:12:37,610 --> 00:12:41,620 次が 昨年 書かれた 泰平さま宛て。→ 208 00:12:41,620 --> 00:12:47,620 清江お嬢さま宛てのものが 最も新しく ことしの日付です。 209 00:12:47,620 --> 00:12:51,630 つまり 大旦那さまは 何度か 心変わりをされ→ 210 00:12:51,630 --> 00:12:55,630 最終的に 清江お嬢さまを 選んだということになります。 211 00:12:55,630 --> 00:12:58,640 清江さん宛てのものこそ 偽物の可能性が高いですね。 212 00:12:58,640 --> 00:13:01,640 何を おっしゃるか。 何カ所か 漢字 仮名遣いが→ 213 00:13:01,640 --> 00:13:03,640 他の2通と 異なる箇所があります。 214 00:13:03,640 --> 00:13:05,640 他の2通は 旧字体を使っていますが→ 215 00:13:05,640 --> 00:13:07,640 これは 新字体が多い。 大旦那さまは→ 216 00:13:07,640 --> 00:13:09,650 どちらの字体も 使っておられた。 217 00:13:09,650 --> 00:13:12,580 漢字でしたら 紀介さま宛てのものも→ 218 00:13:12,580 --> 00:13:15,590 何カ所か誤字が。 視力が衰えていたんです。 219 00:13:15,590 --> 00:13:18,590 誤字はあって当然です。 裁判所が判断してくれるだろう。 220 00:13:20,590 --> 00:13:25,600 清江。 紀介。 俺はな どれが有効か無効か→ 221 00:13:25,600 --> 00:13:27,600 そんなことじゃないと思うんだ。 222 00:13:27,600 --> 00:13:29,600 家督は長男が継ぐものだろ? 223 00:13:29,600 --> 00:13:31,600 よく そんなことが 言えますね。 224 00:13:31,600 --> 00:13:33,600 兄さんは むちゃくちゃな経営をして→ 225 00:13:33,600 --> 00:13:35,610 ここを つぶしかけたんですよ。 (泰平)まだ 改革の途中だった。 226 00:13:35,610 --> 00:13:37,610 もっと もっと 大きくできるはずだった。 227 00:13:37,610 --> 00:13:39,610 親父だって それを望んでた。 228 00:13:39,610 --> 00:13:41,610 父さんに 追い出されたんでしょうが。 229 00:13:41,610 --> 00:13:44,610 とっくに和解してた。 お前こそ 偉そうに言うが→ 230 00:13:44,610 --> 00:13:47,620 お前のやったことは リストラして縮小経営しただけだ! 231 00:13:47,620 --> 00:13:49,620 僕が それをやったから 今があるんでしょうが! 232 00:13:49,620 --> 00:13:51,620 (泰平)親父の望みとは違う! 233 00:13:51,620 --> 00:13:53,620 (清江)2人が そんなんだから お父さんは→ 234 00:13:53,620 --> 00:13:55,630 私に譲ろうとしたのよ! 235 00:13:55,630 --> 00:13:57,630 (紀介)姉さんこそ ただ 遊びほうけてただけじゃないか! 236 00:13:57,630 --> 00:13:59,630 私が お父さんに 一番 尽くしたわ!→ 237 00:13:59,630 --> 00:14:02,630 あなたたち お父さんの看病した?→ 238 00:14:02,630 --> 00:14:04,630 私は 暇さえあれば 顔を出して…。 239 00:14:04,630 --> 00:14:06,640 いい年して 小遣い 無心に来てただけだろうが! 240 00:14:06,640 --> 00:14:08,640 お父さんのためよ。 241 00:14:08,640 --> 00:14:12,580 幾つになっても 娘に頼られるのがお父さんの喜びだった。 242 00:14:12,580 --> 00:14:15,580 お父さんを元気にするために 頼ってあげてたのよ。 243 00:14:15,580 --> 00:14:17,580 (泰平)はっ! ものは言いようだな! 244 00:14:17,580 --> 00:14:21,580 (清江)兄さんこそ 何をやっても 商売が うまくいかなくて→ 245 00:14:21,580 --> 00:14:23,590 ここに戻ってきたくて しょうがないんじゃない! 246 00:14:23,590 --> 00:14:25,590 兄さんの山っ気で めちゃくちゃにされたら たまんないよ! 247 00:14:25,590 --> 00:14:29,590 お前だって ここを追い出されたら子供の養育費が大変だもんな! 248 00:14:29,590 --> 00:14:31,590 (紀介)関係ないでしょ それは。 落ち着きましょう! 249 00:14:31,590 --> 00:14:33,600 落ち着きましょう! 250 00:14:33,600 --> 00:14:37,600 あの いっそ 法定相続分に従って 3等分するという考え方も…。 251 00:14:37,600 --> 00:14:39,600 (清江)あり得ない! (泰平)家督は分けられるものじゃ→ 252 00:14:39,600 --> 00:14:41,600 ないんだ! しかし 現実的に考えて→ 253 00:14:41,600 --> 00:14:43,610 泰平さんや 清江さんが 徳松醤油を率いるのは→ 254 00:14:43,610 --> 00:14:45,610 難しいんじゃないでしょうか。 従業員一同→ 255 00:14:45,610 --> 00:14:47,610 こうして 紀介さんに 付いてるわけですから。 256 00:14:47,610 --> 00:14:49,610 ねえ 皆さん。 257 00:15:05,630 --> 00:15:07,630 紀介に人望がなかったとはな! 258 00:15:07,630 --> 00:15:11,650 (千春)若旦那さまは真面目で 堅実な方ですが→ 259 00:15:11,650 --> 00:15:14,570 厳しくて 冷たいところもあって。→ 260 00:15:14,570 --> 00:15:18,580 奥さまと離婚されてからは なおさら…。 261 00:15:18,580 --> 00:15:21,580 でも 千春は 紀介さんに 勝ってほしいんだよね? 262 00:15:21,580 --> 00:15:24,580 (千春)厳しいのは 徳松醤油を思ってるからだもん。 263 00:15:24,580 --> 00:15:30,590 それに 泰平さんや 清江さんの 手に渡ったら どうなっちゃうか。 264 00:15:30,590 --> 00:15:34,590 私は この伝統ある 徳松醤油を守りたいの。 265 00:15:34,590 --> 00:15:36,590 徳松醤油が好きなんだね? 266 00:15:36,590 --> 00:15:41,600 生まれたときから ずっと 徳松醤油で育ってきてるんだもん。 267 00:15:41,600 --> 00:15:45,600 私の血は 徳松醤油で できてるんだ。 268 00:15:47,600 --> 00:15:50,610 私の血もだよ。 意味が分からん。 269 00:15:50,610 --> 00:15:52,610 (康子)勝てるのよね?→ 270 00:15:52,610 --> 00:15:54,610 ローンも まだまだ残ってるし。→ 271 00:15:54,610 --> 00:15:57,610 剛志だって 来年 受験なんだし。 (三木)沢地君。 272 00:15:57,610 --> 00:15:59,620 (康子)うどん屋やって 失敗したときの負債だって。 273 00:15:59,620 --> 00:16:03,620 (泰平)分かってるって! 先生。 お願いしますね! 274 00:16:03,620 --> 00:16:05,620 (三木)任せてください。 (康子)お願いします。 275 00:16:05,620 --> 00:16:07,620 (三木)止めろって。 276 00:16:07,620 --> 00:16:10,630 (清江)貴昭。 私が資産 手に入れたら→ 277 00:16:10,630 --> 00:16:14,560 あんたに ちゃんと お店 持たせてあげるからね。 278 00:16:14,560 --> 00:16:20,570 (貴昭)ありがとう。 そしたら 結婚しようね? 279 00:16:20,570 --> 00:16:23,570 いいのよ 無理しなくて。 280 00:16:23,570 --> 00:16:28,580 (紀介)養育費は ちゃんと払うって!ああ。 281 00:16:28,580 --> 00:16:31,580 [TV]おじいちゃん。 今日の おかずはすっごく おいしいね? 282 00:16:31,580 --> 00:16:35,590 [TV]そりゃ そうさ。 だって 徳松醤油だからな。 283 00:16:35,590 --> 00:16:43,590 [TV]♪♪「しょうゆは 徳松 と~く~ま~つ」 284 00:17:04,610 --> 00:17:07,620 由緒あるものが 3きょうだいの 勝手な趣味に駆逐されている→ 285 00:17:07,620 --> 00:17:09,620 縮図のような部屋だ。 286 00:17:13,560 --> 00:17:17,560 毎日 これなのか。 服部さん。 簡単なもので構いません。 287 00:17:17,560 --> 00:17:20,560 何か作ってもらえないでしょうか。すいません。 288 00:17:20,560 --> 00:17:22,570 休暇中でございますので。 289 00:17:22,570 --> 00:17:24,570 先生。 はい。 290 00:17:24,570 --> 00:17:30,570 やっぱり こんなものしか。 フフフ。 291 00:17:30,570 --> 00:17:36,580 (服部)黛先生。 期日が 迫ってるようですが 勝算は? 292 00:17:36,580 --> 00:17:38,580 それが…。 私の見たところ→ 293 00:17:38,580 --> 00:17:40,580 3通は どれも有効な遺言書だ。 294 00:17:40,580 --> 00:17:42,590 そうなると 田ノ下弁護士が 言ったことが正しい。 295 00:17:42,590 --> 00:17:44,590 最も新しい 清江さん宛てのものが採用になる。 296 00:17:44,590 --> 00:17:46,590 和解に持ち込むしかないね。 297 00:17:46,590 --> 00:17:49,590 紀介さんが 納得するでしょうか?説得しろ! 298 00:17:51,590 --> 00:17:57,600 うちは こうじ菌のみで仕込む 昔ながらの やり方でね。 299 00:17:57,600 --> 00:18:00,600 (服部)あっ いわゆる 本醸造方式ですね?→ 300 00:18:00,600 --> 00:18:04,610 香りが爽やかなのは 水が いいからでしょうかね? 301 00:18:04,610 --> 00:18:08,610 ああ そうだ。 よく 知ってるね。 302 00:18:08,610 --> 00:18:10,610 ハハハ。 (従業員)ハハハ。 303 00:18:10,610 --> 00:18:12,550 清江姉さんと和解? 304 00:18:12,550 --> 00:18:14,550 冗談じゃない。 このままいけば→ 305 00:18:14,550 --> 00:18:17,550 清江さんの遺言書が採用される 可能性が高いんです。 306 00:18:17,550 --> 00:18:20,560 それを何とかするのが あんたの役目だろ! 307 00:18:20,560 --> 00:18:23,560 あっ すいません。 308 00:18:23,560 --> 00:18:28,560 裁判で負けたら 僕の取り分は ゼロ? 309 00:18:28,560 --> 00:18:30,570 遺留分減殺請求という 手段をとれば→ 310 00:18:30,570 --> 00:18:35,570 一定の相続分は 確保できますが。 微々たるものか。 311 00:18:35,570 --> 00:18:37,570 清江さんと手を組んで 泰平さんを排除することを→ 312 00:18:37,570 --> 00:18:39,580 最優先させるべきです。 313 00:18:39,580 --> 00:18:41,580 泰平さんさえ排除できれば→ 314 00:18:41,580 --> 00:18:43,580 清江さんは 経営については 素人だ。 315 00:18:43,580 --> 00:18:47,580 徳松醤油の実権は おのずと あなたが握れるでしょう。 316 00:18:47,580 --> 00:18:51,590 不本意かもしれませんが これが 現実的な方法です。 317 00:18:51,590 --> 00:18:53,590 急がないと 泰平さんと その弁護士が→ 318 00:18:53,590 --> 00:18:55,590 われわれの邪魔をしてきますよ。 319 00:19:01,240 --> 00:19:03,240 (紀介)子供のころ 僕と兄さんがケンカしてると→ 320 00:19:03,240 --> 00:19:05,240 いつも 間に立って いさめてくれたのは→ 321 00:19:05,240 --> 00:19:10,250 姉さんだったよね。 姉さんに 徳松醤油の顔になってもらって→ 322 00:19:10,250 --> 00:19:14,250 僕は黒子で構わないから 一緒にやらないか?→ 323 00:19:14,250 --> 00:19:17,250 父さんも 喜ぶと思うんだ。 324 00:19:17,250 --> 00:19:22,260 (清江)どう? 田ノ下。 (田ノ下)問題は株式の配分ですが。 325 00:19:22,260 --> 00:19:25,260 清江さんに 大変 有利な配分になっています。 326 00:19:25,260 --> 00:19:28,260 ええ 確かに。 327 00:19:28,260 --> 00:19:30,270 一見ね。→ 328 00:19:30,270 --> 00:19:38,270 この割合だと 社外の 紀介さんに 近い株主の保有率を合わせると→ 329 00:19:38,270 --> 00:19:44,280 実は 簡単に 清江お嬢さまを 徳松醤油から排除できてしまう。 330 00:19:44,280 --> 00:19:49,280 つまり これは 詐欺的行為です。 331 00:19:52,290 --> 00:19:55,290 三木先生の おっしゃったとおりね。 332 00:19:55,290 --> 00:19:57,290 三木先生? 333 00:19:59,310 --> 00:20:01,230 どうでしたか? 清江さん。 334 00:20:01,230 --> 00:20:04,230 (清江)先生の アドバイスのとおりでしたよ。 335 00:20:04,230 --> 00:20:07,240 (三木)そうでしょうとも。 この 古美門先生というのは→ 336 00:20:07,240 --> 00:20:10,240 人を ぺてんにかけることで つとに有名ですからね。 337 00:20:10,240 --> 00:20:12,240 (沢地)私どもが 提案させていただいた→ 338 00:20:12,240 --> 00:20:15,250 共同経営案は はるかに 良心的だったでしょう? 339 00:20:15,250 --> 00:20:18,250 (田ノ下)ええ。 (泰平)そういうわけだ 紀介。 340 00:20:18,250 --> 00:20:21,250 悪く思わないでね。 341 00:20:21,250 --> 00:20:25,260 (田ノ下)では 明後日。 法廷で お会いしましょう。 342 00:20:25,260 --> 00:20:28,260 楽しめそうだよ。 343 00:20:33,260 --> 00:20:35,270 (紀介)昔から そうだった。 344 00:20:35,270 --> 00:20:37,270 姉さんは 中立なふりをして→ 345 00:20:37,270 --> 00:20:40,270 裏では いつも 兄さんと グルだった。 346 00:20:40,270 --> 00:20:45,280 いつも… 僕だけを のけ者にした! 347 00:20:45,280 --> 00:20:49,280 僕が… 愛人の子だから。 348 00:20:49,280 --> 00:20:51,280 えっ? 僕はね→ 349 00:20:51,280 --> 00:20:55,290 父さんが 芸者に産ませた子なんですよ! 350 00:20:55,290 --> 00:21:00,220 だから あの2人は 僕には 絶対 継がせたくないんだ! 351 00:21:00,220 --> 00:21:05,230 僕が芸者の子だから! 352 00:21:05,230 --> 00:21:08,230 芸者の子だから!→ 353 00:21:08,230 --> 00:21:13,240 あー! 芸者の…。 354 00:21:13,240 --> 00:21:15,240 今 平成だよな? はい。 355 00:21:15,240 --> 00:21:19,240 前時代的 人間関係の しがらみに 吐き気がしてきたよ。 356 00:21:21,240 --> 00:21:25,250 《あっ》 (3人)《あいこでしょ》 357 00:21:25,250 --> 00:21:27,250 《ずるした! 今 あんちゃんと お姉ちゃん》 358 00:21:27,250 --> 00:21:29,250 《私の!》 (次男)《返せ!》 359 00:21:29,250 --> 00:21:33,250 (長女)《私の!》 (3人)《あっ!》 360 00:21:35,260 --> 00:21:37,260 きょうだいって 不思議ですね? 361 00:21:37,260 --> 00:21:39,260 小さいころは きっと こんな あぜ道で→ 362 00:21:39,260 --> 00:21:41,260 仲良く遊んだことでしょうに。 363 00:21:41,260 --> 00:21:43,270 どんな関係であれ 人間は いがみ合う生き物だ。 364 00:21:43,270 --> 00:21:45,270 君だって そうだろう? 私!? 365 00:21:45,270 --> 00:21:48,270 いとこの 千春だよ。 姉妹同然などと言ってるが→ 366 00:21:48,270 --> 00:21:50,270 相性が 良さそうには見えないね。 はっ? 367 00:21:50,270 --> 00:21:53,280 例えば たくさん勉強して 弁護士になった 君は→ 368 00:21:53,280 --> 00:21:56,280 ろくに勉強もせず 田舎の しょうゆ屋に就職した 彼女を→ 369 00:21:56,280 --> 00:21:59,300 腹の中では 見下している。 どうだ? 370 00:21:59,300 --> 00:22:02,220 どうして そんな ひねくれた 見方しか できないんですか? 371 00:22:02,220 --> 00:22:04,220 私と千春は 本当に仲がいいんです。 372 00:22:04,220 --> 00:22:06,220 自覚してないだけだと 思うがね。 373 00:22:06,220 --> 00:22:12,230 しかし 嘉平さんは なぜ遺言書を 3通も残したんでしょうかね? 374 00:22:12,230 --> 00:22:14,230 そうなんですよね。 375 00:22:14,230 --> 00:22:16,230 田ノ下さんが おっしゃっていたように→ 376 00:22:16,230 --> 00:22:18,230 その都度 心変わりした ということなんでしょうか? 377 00:22:18,230 --> 00:22:22,240 死者には聞けない。 何か 嘉平さんの→ 378 00:22:22,240 --> 00:22:26,240 真意があるのかもしれませんね? 真意? 379 00:22:26,240 --> 00:22:30,250 毛利 元就の 3本の矢の逸話のように。 380 00:22:30,250 --> 00:22:32,250 3本の矢? 何ですか? それ。 381 00:22:32,250 --> 00:22:35,250 (服部)えっ? あんな有名な話を知らんのか? 382 00:22:35,250 --> 00:22:39,260 勉強ばかりしてきた 知識バカにありがちだな。 383 00:22:39,260 --> 00:22:41,260 折ってみろ。 384 00:22:44,260 --> 00:22:47,260 はい。 385 00:22:47,260 --> 00:22:49,260 1本では折れても 3本なら…。 386 00:22:51,270 --> 00:22:53,270 あー! 387 00:23:01,210 --> 00:23:03,210 はっ! (服部)あー! 388 00:23:03,210 --> 00:23:06,220 力あるな お前! ハハッ。 389 00:23:06,220 --> 00:23:10,220 (千春)大旦那さまの真意? うん。 390 00:23:10,220 --> 00:23:13,220 何か意図があって 3通も 残したんじゃないかと思って。 391 00:23:13,220 --> 00:23:15,220 心当たりない? 392 00:23:15,220 --> 00:23:18,230 さみしかったんじゃないかな。 393 00:23:18,230 --> 00:23:21,230 年を取ると よく あることなんだろうけど→ 394 00:23:21,230 --> 00:23:25,230 いつも 誰かに そばにいてほしがって。→ 395 00:23:25,230 --> 00:23:32,240 私 毎晩のように 大旦那さまに 読み聞かせをしてあげてたんです。 396 00:23:32,240 --> 00:23:37,250 (千春)ちょっとした場面で すぐ泣いちゃったりして。→ 397 00:23:37,250 --> 00:23:43,250 「死ぬときは みんな 独りぼっちだな」なんて言ったり。→ 398 00:23:43,250 --> 00:23:46,260 実の お子さんに優しくされたら→ 399 00:23:46,260 --> 00:23:51,260 そのたびに 遺産を 譲りたく なっちゃったんじゃないかな。 400 00:23:51,260 --> 00:23:53,260 そうか。 そうか! 401 00:23:53,260 --> 00:23:56,270 何してるんですか? ひらめいたんだよ! 402 00:23:56,270 --> 00:23:58,270 意思能力の欠如した状態で 書かれた遺書ならば→ 403 00:23:58,270 --> 00:24:01,200 無効にできる。 つまり 徳松 嘉平は→ 404 00:24:01,200 --> 00:24:03,210 認知症だったんだ! 認知症? ちょっと待ってください。 405 00:24:03,210 --> 00:24:05,210 泰平と 清江は それを知っていて→ 406 00:24:05,210 --> 00:24:07,210 自分たちに遺産を残すよう 吹き込んだ。 407 00:24:07,210 --> 00:24:11,210 大旦那さまは 別に認知症だったわけじゃ。 408 00:24:11,210 --> 00:24:14,220 「ない」と 言い切れますか? 医者でもない あなたに。 409 00:24:14,220 --> 00:24:17,220 嘉平さんが そのような状態に なったのは いつごろからかな? 410 00:24:17,220 --> 00:24:19,220 はっきりとは。 去年からにしよう。 411 00:24:19,220 --> 00:24:22,230 3年前に書かれた 紀介の 遺言書のみを有効にするんだ。 412 00:24:22,230 --> 00:24:24,230 法廷で そう証言してもらうよ。 大旦那さまが→ 413 00:24:24,230 --> 00:24:27,230 認知症だったと 証言するんですか? 414 00:24:27,230 --> 00:24:30,230 最も間近で世話をしていた 君の証言は とても大きい。 415 00:24:30,230 --> 00:24:33,240 千春。 あなたが そう思わないなら証言してはいけないわ。 416 00:24:33,240 --> 00:24:35,240 いいかげん 朝ドラごっこは やめろ。 417 00:24:35,240 --> 00:24:38,240 黛。 君は 嘉平のぼけたエピソードでも 集めてきたまえ。 418 00:24:38,240 --> 00:24:40,240 そんなこと できません。 死者に むち打つ行為です。 419 00:24:40,240 --> 00:24:42,250 勝つためだ。 嘉平さんを おとしめてまで→ 420 00:24:42,250 --> 00:24:44,250 勝つ意味があるんですか? 認知症だと→ 421 00:24:44,250 --> 00:24:48,250 なぜ おとしめることになる? その考え方こそ偏見じゃないのか! 422 00:24:51,250 --> 00:24:55,260 (千春)私 証言する。 千春? 423 00:24:55,260 --> 00:24:57,260 徳松醤油を守るためだもん。 …だそうだ。 424 00:24:57,260 --> 00:25:01,260 依頼人の利益のために尽くせ! 裁判の争点を変更するぞ! 425 00:25:08,260 --> 00:25:10,260 (千春)お客さまです。 (蘭丸)いや すごいとこだね 先生。 426 00:25:10,260 --> 00:25:12,260 来る途中 猿 見ちゃったよ。 早速だが 時間がない。 427 00:25:12,260 --> 00:25:15,270 これは 徳松 嘉平が親しかった 人物のリストだ。 428 00:25:15,270 --> 00:25:17,270 うんと その 嘉平さんが→ 429 00:25:17,270 --> 00:25:19,270 認知症だったと 証言してくれる人を→ 430 00:25:19,270 --> 00:25:21,270 一人でも多く スカウトしてくるってわけね? 431 00:25:21,270 --> 00:25:23,280 そのとおり。 急いでくれたまえ。 432 00:25:23,280 --> 00:25:25,280 どうした? 433 00:25:25,280 --> 00:25:27,280 (蘭丸)ああ いや。 いつもみたいに服部さんの手料理で→ 434 00:25:27,280 --> 00:25:29,280 腹ごしらえできるかと 思ったんだけど。 435 00:25:29,280 --> 00:25:31,280 彼は 今 しょうゆ造りを 学んでいるよ。 436 00:25:31,280 --> 00:25:33,290 (蘭丸)嘘だ! (紀介)先生。 437 00:25:33,290 --> 00:25:36,290 お夜食など いかがですか? (蘭丸)ハハッ。 ありがたい。 438 00:25:36,290 --> 00:25:38,290 いやいや。 もう 私も ワラビでしたら もう。 439 00:25:38,290 --> 00:25:42,290 では 徳松家秘伝の 最高級料理は? 440 00:25:42,290 --> 00:25:45,300 最高級!? ぜひ お願いします! 441 00:25:45,300 --> 00:25:48,300 (紀介)炊きたての白いお米に 徳松醤油を一垂らし。→ 442 00:25:48,300 --> 00:25:51,300 特製 徳松醤油掛けご飯。→ 443 00:25:51,300 --> 00:25:53,310 これに 勝る ぜいたくは ございません。 444 00:25:53,310 --> 00:25:58,310 さあ 召し上がれ! (蘭丸・黛)いただきます。 445 00:25:58,310 --> 00:26:01,310 うめえ! 446 00:26:01,310 --> 00:26:03,320 うーん! おいしい! 447 00:26:03,320 --> 00:26:06,340 (紀介)よその しょうゆとは 風味が違いますでしょう? 448 00:26:06,340 --> 00:26:08,340 (紀介)ねえ。 449 00:26:15,260 --> 00:26:18,260 紀介さんは苦労してんだ。→ 450 00:26:18,260 --> 00:26:20,270 奥さんとも 別れちまったし。 451 00:26:20,270 --> 00:26:24,270 (服部) どうして 離婚されたんですか? 452 00:26:24,270 --> 00:26:27,270 (従業員)奥さんは 都会育ちだったからね。→ 453 00:26:27,270 --> 00:26:34,280 田舎暮らしも 最初は楽しんでたんだけれども。 454 00:26:34,280 --> 00:26:38,280 まあ 色々あるさ。 ハハッ。 455 00:26:38,280 --> 00:26:43,290 あっ しかし あんた 筋がいいね。 456 00:26:43,290 --> 00:26:47,290 たわいもない 取りえでございます。 457 00:26:47,290 --> 00:26:49,300 熱い 熱い! あっ 冷たい! 458 00:26:49,300 --> 00:26:52,300 重い 重い! ≪先生! 459 00:26:52,300 --> 00:26:54,300 先生。 ちょっと いつまで寝てるんですか? 460 00:26:54,300 --> 00:26:58,300 今日 裁判ですよ。 まだ 6時じゃないか。 461 00:26:58,300 --> 00:27:02,310 ここから 地方裁判所まで 3時間半は かかりますから。 462 00:27:02,310 --> 00:27:06,310 ホントに 田舎は嫌! 463 00:27:09,250 --> 00:27:13,250 はい 着いたよ。 (千春)おにぎり作ったよ。 464 00:27:19,260 --> 00:27:23,260 あんた。 蟹頭村の にぎり飯だ。 465 00:27:30,270 --> 00:27:32,270 そんなに ビビって どうする? 466 00:27:32,270 --> 00:27:34,270 三木先生が サポートに付いてるんですよ。 467 00:27:34,270 --> 00:27:36,280 緊張するなっていう方が無理です。分かってないね。 468 00:27:36,280 --> 00:27:38,280 最も手ごわい敵は 三木なんかじゃない。 469 00:27:38,280 --> 00:27:41,280 えっ? 自分の土俵で戦える人間だよ。 470 00:27:41,280 --> 00:27:43,280 どういうことですか? 471 00:27:43,280 --> 00:27:45,280 (田ノ下)どうですか? 腰の具合は。 472 00:27:45,280 --> 00:27:51,290 ああ 久作さんに紹介してもらった針の先生 良かったですよ。 473 00:27:51,290 --> 00:27:53,290 無愛想だけど 腕は いいんだ。 474 00:27:53,290 --> 00:27:57,300 ハハハ。 では そろそろ 始めましょうか。 475 00:27:57,300 --> 00:28:00,300 こういうことだ。 476 00:28:00,300 --> 00:28:04,300 2年ほど前から 父は 物忘れが 極度に ひどくなり→ 477 00:28:04,300 --> 00:28:06,320 私のことと 兄の区別も つかなくなることも→ 478 00:28:06,320 --> 00:28:10,240 しばしばで 情緒的にも 不安定になりました。 479 00:28:10,240 --> 00:28:14,250 つまり 嘉平さんは認知症だったとお思いなんですね? 480 00:28:14,250 --> 00:28:17,250 はい。 父の身近にいた人間は→ 481 00:28:17,250 --> 00:28:20,250 みんな 心の中では そう感じていたと思います。→ 482 00:28:20,250 --> 00:28:25,260 でも そう思いたくなかった。 なぜですか? 483 00:28:25,260 --> 00:28:30,260 父は 徳松醤油の象徴であり 蟹頭村の名誉そのものです。 484 00:28:30,260 --> 00:28:34,270 その父が ぼけているなんて とても 言いだせなかった。 485 00:28:34,270 --> 00:28:39,270 物忘れはありましたが 年相応のものだと思います。 486 00:28:39,270 --> 00:28:42,270 父は 最後まで しっかりしていました。 487 00:28:42,270 --> 00:28:45,280 認知症ではなかったと? 488 00:28:45,280 --> 00:28:48,280 父の状態は 私の方が分かっています。 489 00:28:48,280 --> 00:28:51,280 父の看病を 献身的にしていましたから。 490 00:28:51,280 --> 00:28:55,290 うちの娘にも聞かせてやりたい。→ 491 00:28:55,290 --> 00:28:59,290 以上です。 (裁判長)ハハハ。 492 00:29:01,290 --> 00:29:04,300 (裁判長)はい どうぞ。 清江さん。 どれぐらいの頻度で→ 493 00:29:04,300 --> 00:29:06,270 嘉平さんの 看病をされていましたか? 494 00:29:06,270 --> 00:29:08,130 毎日? 毎日では。 495 00:29:08,130 --> 00:29:12,140 週に 一度? 月に 一度か二度。 496 00:29:12,140 --> 00:29:14,140 月に 一度? それを 献身的と表現なさるわけですね? 497 00:29:14,140 --> 00:29:18,140 よーく 分かりました。 以上です。 498 00:29:18,140 --> 00:29:23,150 もちろん ご高齢ですから 物忘れなどは 多々ありました。 499 00:29:23,150 --> 00:29:27,150 しかし 認知症といえるほどの 症状ではなかったろうと思います。 500 00:29:27,150 --> 00:29:31,160 (田ノ下)長年 嘉平さんを 診てきた主治医としての→ 501 00:29:31,160 --> 00:29:33,160 見解ですな? 502 00:29:33,160 --> 00:29:36,160 認知症という病は 見極めが とても難しいんです。→ 503 00:29:36,160 --> 00:29:39,160 特に ご高齢になればなるほど そんなものだろうと→ 504 00:29:39,160 --> 00:29:41,170 周りが思ってしまうんですね。 505 00:29:41,170 --> 00:29:44,170 つまり たとえ主治医といえど 専門の知識がなければ→ 506 00:29:44,170 --> 00:29:47,170 正しい判断は 難しいということですね? 507 00:29:47,170 --> 00:29:49,170 はい。 では 専門医としての→ 508 00:29:49,170 --> 00:29:51,180 先生の お考えを お聞かせください。 509 00:29:51,180 --> 00:29:54,180 直接 診たわけではないので 何とも言えませんが→ 510 00:29:54,180 --> 00:29:56,180 カルテから察するに この患者は→ 511 00:29:56,180 --> 00:30:00,190 認知症と考えて 差し支えないと思います。 512 00:30:00,190 --> 00:30:02,190 以上です。 私の方から もう一点だけ。 513 00:30:02,190 --> 00:30:05,190 先生。 この患者の ご子息は 父が誇りであったが故に→ 514 00:30:05,190 --> 00:30:07,230 認知症だと 認めたくなかったそうです。 515 00:30:07,230 --> 00:30:10,230 この点について ご意見を お聞かせください。 516 00:30:10,230 --> 00:30:13,230 それは 患者にとって 一番の不幸かもしれません。 517 00:30:13,230 --> 00:30:16,240 周囲が現実を受け止め 積極的に治療を進めれば→ 518 00:30:16,240 --> 00:30:18,240 大きな改善が期待できます。 519 00:30:18,240 --> 00:30:20,240 認知症は 誰にでも起こり得る病気であり→ 520 00:30:20,240 --> 00:30:22,240 何ら 恥ずかしいことでは ありませんからね? 521 00:30:22,240 --> 00:30:24,240 (専門医)そのとおりです。 人間 誰でも 年を取ります。 522 00:30:24,240 --> 00:30:26,250 明日は わが身なんです。 ねえ 裁判長。 523 00:30:26,250 --> 00:30:28,250 今 われわれが 成すべきことは→ 524 00:30:28,250 --> 00:30:30,250 これ以上 現実から 目を背けることなく→ 525 00:30:30,250 --> 00:30:32,250 嘉平さんの本当の思いが 何であったのかを→ 526 00:30:32,250 --> 00:30:34,250 つまびらかにすることです。 527 00:30:34,250 --> 00:30:36,260 それこそが 本当の意味で→ 528 00:30:36,260 --> 00:30:38,260 嘉平さんの名誉を 守ることに なるのでは ないでしょうか? 529 00:30:38,260 --> 00:30:40,260 以上です。 530 00:30:40,260 --> 00:30:52,270 ♪♪~ 531 00:30:52,270 --> 00:30:55,270 (泰平)おい! お前 分かっとるよな? 532 00:30:55,270 --> 00:30:58,280 はい。 (泰平)何をやってるんだ! 533 00:30:58,280 --> 00:31:01,280 (紀介)先生。 ありがとうございます。 534 00:31:01,280 --> 00:31:04,280 いけそうな気がしてきました。 次回の 千春の証言で→ 535 00:31:04,280 --> 00:31:07,220 一気に勝負を つけられるかも しれません。 536 00:31:07,220 --> 00:31:09,220 よろしく お願いします。 537 00:31:09,220 --> 00:31:12,220 どうかしました? 三木が おとなし過ぎる。 538 00:31:12,220 --> 00:31:16,220 あっ そういえば 沢地さんが いませんでしたね。 539 00:31:21,230 --> 00:31:23,240 (蘭丸)すいません。 千春さん 見掛けてないですか? 540 00:31:23,240 --> 00:31:27,240 (従業員)いや 見てないね。 (蘭丸)ありがとうございます。 541 00:31:27,240 --> 00:31:29,240 すいません。 千春さん 見てませんか? 542 00:31:29,240 --> 00:31:32,240 (従業員)いや 見てないね。 (蘭丸)はあ。 チッ。 543 00:31:32,240 --> 00:31:49,260 ♪♪~ 544 00:31:49,260 --> 00:31:54,260 大丈夫だから 私たちのことを信じて。 ねっ。 545 00:32:02,270 --> 00:32:07,210 人の女 くどかないでくれる? 両刀使いの お姉さん。 546 00:32:07,210 --> 00:32:12,220 いつかの続きなら 受けて立つわよ。 547 00:32:12,220 --> 00:32:15,220 やめとくよ。 (沢地)うん。 548 00:32:24,230 --> 00:32:28,230 何を吹き込まれたの? これは? 549 00:32:35,430 --> 00:32:37,440 「三陽フーズ 徳松醤油 吸収合併案」? 550 00:32:37,440 --> 00:32:39,440 三陽フーズ社長と 紀介さんによる→ 551 00:32:39,440 --> 00:32:42,440 徳松醤油売却の 密約記録のようだね。 552 00:32:42,440 --> 00:32:44,440 フッ。 バカバカしい。 553 00:32:44,440 --> 00:32:46,450 よくも まあ そんなものを でっち上げたもんだ。 554 00:32:46,450 --> 00:32:50,450 (千春)じゃあ 嘘なんですか? (紀介)当然だろ。 555 00:32:50,450 --> 00:32:52,450 徳松醤油は 僕にとって命だ。 556 00:32:52,450 --> 00:32:56,460 たとえ 何百億 積まれても 誰にも売ったりはしない。 557 00:32:56,460 --> 00:32:58,460 そうですよね。 558 00:32:58,460 --> 00:33:00,460 相手の弁護士は こういう卑劣な手を使って→ 559 00:33:00,460 --> 00:33:02,460 君に揺さぶりをかけてくる。 だが 惑わされてはいけないよ。 560 00:33:02,460 --> 00:33:04,460 あしたは 自信を持って 証言してくれたまえ。 561 00:33:04,460 --> 00:33:06,470 そうすれば われわれの勝利は 確実だ。 562 00:33:06,470 --> 00:33:09,470 (千春)はい。 失礼しました! 563 00:33:09,470 --> 00:33:13,470 紀介さん。 本当のことを おっしゃってください。 564 00:33:13,470 --> 00:33:16,480 私には 偽造文書には思えません。 何 言ってんだ。 偽物だよ。 565 00:33:16,480 --> 00:33:19,480 具体的な金額まで 細かく話し合われてます。 566 00:33:19,480 --> 00:33:21,480 でっち上げだ。 吸収後の 紀介さんの→ 567 00:33:21,480 --> 00:33:23,480 専務取締…。 黛。 568 00:33:23,480 --> 00:33:27,490 相手の社長に聞けば 分かることです! 569 00:33:27,490 --> 00:33:29,490 売るんですね? 570 00:33:29,490 --> 00:33:32,490 若旦那さま。 571 00:33:32,490 --> 00:33:36,430 確かに 話し合いは 何度か持った。 572 00:33:36,430 --> 00:33:38,430 条件によっては 従業員たちにとっても→ 573 00:33:38,430 --> 00:33:40,430 悪い話じゃないかもしれないだろ。 574 00:33:40,430 --> 00:33:45,440 この密約によれば 徳松醤油は 蟹頭村から移設されます。 575 00:33:45,440 --> 00:33:48,440 嘉平さんの ご遺志に 反すると思いますが? 576 00:33:48,440 --> 00:33:50,440 経営ってのは そんなに甘いもんじゃないんだよ。 577 00:33:50,440 --> 00:33:53,450 つまり あなたは この計画のために→ 578 00:33:53,450 --> 00:33:56,450 何としても 相続しなければ ならないということですか? 579 00:33:56,450 --> 00:34:00,450 (服部)奥さまは 田舎暮らしが 性に合わなくて→ 580 00:34:00,450 --> 00:34:03,460 離婚されたそうですね。 581 00:34:03,460 --> 00:34:09,460 三陽フーズの専務になれば 東京勤務ですか? 582 00:34:09,460 --> 00:34:13,470 (蘭丸)奥さんと よりを戻すためにここ 売っ払うんだ? 583 00:34:13,470 --> 00:34:18,470 徳松醤油を… 蟹頭村を捨てるんですか? 584 00:34:18,470 --> 00:34:22,470 何が悪い! 僕はね 兄さんと姉さんを見返すために→ 585 00:34:22,470 --> 00:34:24,480 必死に頑張ってきたんだ! 586 00:34:24,480 --> 00:34:28,480 だけど 僕には 正直 分からないんだよ! 587 00:34:28,480 --> 00:34:31,480 よその しょうゆと うちの しょうゆの→ 588 00:34:31,480 --> 00:34:34,420 いったい どこが違うのか。 589 00:34:34,420 --> 00:34:39,420 目玉焼きにも ウスターソースを掛ける派なんだ。 590 00:34:39,420 --> 00:34:41,430 でも 今は この地で→ 591 00:34:41,430 --> 00:34:45,430 徳松醤油を しっかり守っていく おつもりなんですよね? 592 00:34:45,430 --> 00:34:48,430 ああ もちろん。 593 00:34:48,430 --> 00:34:51,440 あっ この話は断る。 誰にも売ったりはしない。 594 00:34:51,440 --> 00:34:53,440 なっ 信じてくれ。 595 00:34:55,440 --> 00:35:00,450 (紀介)千春ちゃん? ねっ ちょっ 千春ちゃん! 596 00:35:00,450 --> 00:35:03,450 君も 説得してこい。 逆さづりで 漬け込む先を→ 597 00:35:03,450 --> 00:35:06,450 しょうゆだるから 肥だめに変更するぞ。 598 00:35:06,450 --> 00:35:08,450 紀介さんは 売ると思います。 バカの根が深いな。 599 00:35:08,450 --> 00:35:10,460 君の仕事は 紀介を勝たせることだ。 600 00:35:10,460 --> 00:35:12,460 その後 彼が 徳松醤油を どうしようが→ 601 00:35:12,460 --> 00:35:15,460 関知することではない。 行きなさい。 602 00:35:21,470 --> 00:35:24,470 ≪(ドアの開閉音) 603 00:35:27,470 --> 00:35:33,500 (裁判長)じゃあ 次の証人。 黛 千春さん。 どうぞ。 604 00:35:33,500 --> 00:35:38,500 黛 千春。 徳松醤油 従業員です。 605 00:35:41,420 --> 00:35:45,420 徳松醤油では どのような業務を? 606 00:35:45,420 --> 00:35:49,430 (千春)事務です。 それと 大旦那さま…。→ 607 00:35:49,430 --> 00:35:54,430 えっと 嘉平さんの 身の回りの お世話もしていました。 608 00:35:54,430 --> 00:35:56,430 嘉平さんの状態について→ 609 00:35:56,430 --> 00:36:00,440 最も 詳しく ご存じだと 考えていいですね? 610 00:36:00,440 --> 00:36:02,440 はい。 611 00:36:02,440 --> 00:36:06,440 単刀直入に お聞きします。 612 00:36:06,440 --> 00:36:11,450 あなたから見て 嘉平さんは 認知症であったと思いますか? 613 00:36:11,450 --> 00:36:27,470 ♪♪~ 614 00:36:27,470 --> 00:36:31,470 千春ちゃん。 よーく考えて 発言した方が いいよ。 615 00:36:31,470 --> 00:36:34,410 今 こちらが質問しています。 (田ノ下)嘉平さんに→ 616 00:36:34,410 --> 00:36:36,410 砂を掛けるようなこと したくないだろ? 617 00:36:36,410 --> 00:36:38,410 裁判長! まあまあ。 618 00:36:38,410 --> 00:36:40,410 「まあまあ」じゃないでしょ! (清江)千春ちゃん。 619 00:36:40,410 --> 00:36:42,410 あなたの証言に 懸かってるんだからね。 620 00:36:42,410 --> 00:36:44,420 (泰平)自分の立場 分かってる? 621 00:36:44,420 --> 00:36:46,420 もう好き勝手に しゃべってるじゃないか! 622 00:36:46,420 --> 00:36:50,420 東京の弁護士は 堅苦しいな。 これだから くそ田舎は。 623 00:36:50,420 --> 00:36:55,420 原告代理人。 発言には 注意してください。 624 00:36:59,430 --> 00:37:03,440 (裁判長)いいんだよ。 率直に思ったこと 言えば。 625 00:37:03,440 --> 00:37:15,450 ♪♪~ 626 00:37:15,450 --> 00:37:17,450 大旦那さまは…。 627 00:37:17,450 --> 00:37:29,460 ♪♪~ 628 00:37:29,460 --> 00:37:32,460 認知症ではなかったと思います。 629 00:37:45,410 --> 00:37:47,410 以上です。 630 00:37:49,410 --> 00:37:53,410 逆さづりにしたければ どうぞ。 黛先生。 お疲れさまでした。 631 00:37:56,420 --> 00:38:01,430 (裁判長) 「主文。 原告の請求を棄却する」 632 00:38:01,430 --> 00:38:03,430 (被告側たちの歓声) 633 00:38:03,430 --> 00:38:07,430 (裁判長)「徳松 嘉平が 認知症を患い→ 634 00:38:07,430 --> 00:38:11,440 意思能力に欠けていたという 原告側の主張は→ 635 00:38:11,440 --> 00:38:16,440 その根拠に乏しく かかる原告の主張は→ 636 00:38:16,440 --> 00:38:19,440 不合理であると 言わざるを得ない」 637 00:38:21,450 --> 00:38:26,450 短い間でしたけど お世話になりました。 638 00:38:31,460 --> 00:38:33,480 (従業員)ここに残らないか? 639 00:38:33,480 --> 00:38:35,390 あんたとだったらな→ 640 00:38:35,390 --> 00:38:41,400 すげえ いい しょうゆを 造れそうな気がするんだよ。 641 00:38:41,400 --> 00:38:48,410 私は… 一介の事務員でございますから。 642 00:38:48,410 --> 00:38:52,410 ハハハ。 そうか。 ハハハ。 643 00:38:52,410 --> 00:38:57,420 申し訳ありませんでした。 ホントに うちの 黛の力不足で。 644 00:38:57,420 --> 00:39:00,420 仕方ありませんよ。 それでは 帰りまーす! 645 00:39:00,420 --> 00:39:04,420 いやー ホントに いいとこだったー! 646 00:39:04,420 --> 00:39:06,420 名残惜しい! 帰りたくない! ホントに ごめんなさい! 647 00:39:06,420 --> 00:39:09,430 名残惜しい! 帰りたくない! 名残惜しい! 帰りたくない! 648 00:39:09,430 --> 00:39:11,430 な…。 649 00:39:20,440 --> 00:39:24,440 6年間 お世話になりました。 650 00:39:24,440 --> 00:39:26,440 千春? 651 00:39:26,440 --> 00:39:29,450 (紀介)さっき 退職願をね。 652 00:39:29,450 --> 00:39:34,390 (千春)私は 若旦那さまを 裏切りました。 653 00:39:34,390 --> 00:39:38,390 これ以上 ここに いるわけには いきません。 654 00:39:38,390 --> 00:39:54,410 ♪♪~ 655 00:39:54,410 --> 00:40:00,410 あの… こんなこと お願いできる 義理じゃないんですが…。 656 00:40:03,410 --> 00:40:08,420 この本 毎晩 読み聞かせさせて いただいてたので。 657 00:40:08,420 --> 00:40:11,420 (紀介) もちろん 持ってっていいよ。 658 00:40:11,420 --> 00:40:13,420 (千春)ありがとうございます。 659 00:40:13,420 --> 00:41:00,410 ♪♪~ 660 00:41:00,410 --> 00:41:03,410 (泰平)いやいやいや! こりゃあ 何かの間違いだろ! 661 00:41:03,410 --> 00:41:05,410 (康子)そうよね。 (清江)いたずらでしょ? 662 00:41:05,410 --> 00:41:07,410 (貴昭)いたずらだよね? 663 00:41:07,410 --> 00:41:09,410 いえ 遺言書としては 効力を持ちます。 664 00:41:09,410 --> 00:41:11,420 (清江)あの子 家族でも 何でもないのよ。→ 665 00:41:11,420 --> 00:41:13,420 ただの 従業員よ。 666 00:41:13,420 --> 00:41:15,420 ただの 従業員に 遺贈させてはいけないという→ 667 00:41:15,420 --> 00:41:17,420 法律はありません。 (泰平)こんなの 本の後ろに→ 668 00:41:17,420 --> 00:41:21,430 適当に書いたもんじゃ駄目だろ? なあ 三木先生! 669 00:41:21,430 --> 00:41:24,430 (三木)遺言書の用紙に 規定は ありません。 670 00:41:24,430 --> 00:41:27,430 家庭裁判所の検認を 受けなければ なりませんが→ 671 00:41:27,430 --> 00:41:30,440 清江さん宛てのものが 有効である以上→ 672 00:41:30,440 --> 00:41:32,440 それも 自筆証書遺言としては 有効でしょう。 673 00:41:32,440 --> 00:41:35,370 そんな アホなことがあるか! 674 00:41:35,370 --> 00:41:39,380 日付は 亡くなる前日。 つまり これが 最新の遺言書です。 675 00:41:39,380 --> 00:41:44,380 私のより 優先されるわけ? 冗談じゃないわよ! 676 00:41:44,380 --> 00:41:46,380 何とか言ってよ 田ノ下! 677 00:41:46,380 --> 00:41:50,390 いやー こりゃあ 参りましたな。 (泰平)ぼけてたんだ。 678 00:41:50,390 --> 00:41:52,390 親父は ぼけてた! こんなもの 無効だ! 679 00:41:52,390 --> 00:41:54,390 嘉平さんは 認知症ではないと→ 680 00:41:54,390 --> 00:41:57,390 判決理由の中でも 認定されていますよ。 681 00:42:00,400 --> 00:42:06,400 わ… 私 徳松醤油を 譲り受けるなんて む… 無理です。 682 00:42:06,400 --> 00:42:11,400 ならば 権利を放棄するなり 誰かに譲るなり 君の自由だ。 683 00:42:15,410 --> 00:42:19,420 (泰平)前々から 君には 光るものを感じてたんだよ。 684 00:42:19,420 --> 00:42:21,420 千春ちゃんに似合いそうなドレス 持ってるのよ。 685 00:42:21,420 --> 00:42:23,420 千春ちゃん。 今 給料 幾ら もらってるんだっけ? 686 00:42:23,420 --> 00:42:27,420 (男性)そろそろ ボーナスかな? ボーナスだよね? 687 00:42:31,430 --> 00:42:33,430 井手君。 あと 処理しといて。 688 00:42:33,430 --> 00:42:36,430 は… はい。 (三木)あー いい骨休めになった。 689 00:42:36,430 --> 00:42:39,440 沢地君。 もう一回 温泉 入って 帰ろうか? 690 00:42:39,440 --> 00:42:42,440 (沢地)お背中 お流ししますよ。 691 00:42:42,440 --> 00:42:44,440 (三木)しょせん 今回は遊びだ。 692 00:42:44,440 --> 00:42:46,440 お前も 羽を伸ばせてよかったな。 693 00:42:46,440 --> 00:42:49,440 もう 二度とできないかも しれないんだから。 694 00:42:52,450 --> 00:42:54,450 (沢地)では。 695 00:43:06,460 --> 00:43:08,460 (3人)《あっ!》 696 00:43:11,470 --> 00:43:14,470 (長女)《猿に持ってかれた》 697 00:43:17,480 --> 00:43:20,480 (長男)《しょうがねえだろ。 泣くなよ》→ 698 00:43:20,480 --> 00:43:22,480 《お兄ちゃんの おかず ちょっと あげるよ》 699 00:43:22,480 --> 00:43:25,480 (次男)《ホント?》 (長男)《ちょっとだけな》 700 00:43:27,490 --> 00:43:31,490 いやー ようやく 文化的生活に 戻れた気がするよー! 701 00:43:33,510 --> 00:43:37,430 おはようございます。 おはようございます。 702 00:43:37,430 --> 00:43:40,430 その後 徳松醤油は どうなりました? 703 00:43:40,430 --> 00:43:43,430 千春が 譲り受けることになりました。 704 00:43:43,430 --> 00:43:45,440 3きょうだいは 遺留分のみの 相続ということに。 705 00:43:45,440 --> 00:43:48,440 ほう。 あの 千春さんが経営ですか? 706 00:43:48,440 --> 00:43:52,440 いえ。 経営は 3きょうだいのうち誰に任せるか。 707 00:43:52,440 --> 00:43:54,450 じっくり 吟味するそうです。 君の いとこは→ 708 00:43:54,450 --> 00:43:56,450 なかなか したたかだね? 709 00:43:56,450 --> 00:44:02,450 (千春)熱意が感じられません。 もう一度 やり直しで。 710 00:44:02,450 --> 00:44:05,460 思い返してみると 千春って 昔から 何だかんだいって→ 711 00:44:05,460 --> 00:44:08,460 最終的に 一番おいしいところ 持っていってたような…。 712 00:44:08,460 --> 00:44:11,460 確信犯かもしれないね? 確信犯? 713 00:44:11,460 --> 00:44:13,460 嘉平の状態を分かっていた 彼女は→ 714 00:44:13,460 --> 00:44:15,470 3きょうだいのように 嘉平の心を取り込み→ 715 00:44:15,470 --> 00:44:17,470 自分に遺言を書かせようとした。 716 00:44:28,480 --> 00:44:30,480 まさか そんな…。 だが 私の見立ては→ 717 00:44:30,480 --> 00:44:32,480 間違っていなかったじゃないか。 718 00:44:32,480 --> 00:44:34,420 はっ? 君と 千春は 実は馬が合わない。 719 00:44:34,420 --> 00:44:37,420 ただし 内容は 私の予想とは逆だった。 720 00:44:37,420 --> 00:44:39,420 勉強ばかりしてきた 君は→ 721 00:44:39,420 --> 00:44:41,430 勉強もできない 彼女を 見下していたわけじゃない。 722 00:44:41,430 --> 00:44:43,430 勉強はできるが 要領の悪かった 君は→ 723 00:44:43,430 --> 00:44:45,430 勉強はできないものの→ 724 00:44:45,430 --> 00:44:47,430 要領よく いいところを 持っていく 彼女を→ 725 00:44:47,430 --> 00:44:49,430 ねたんでいたんだ。 そんなつもりは…。 726 00:44:49,430 --> 00:44:51,440 あっ。 どうした? 727 00:44:51,440 --> 00:44:54,440 思い出した。 私がレクチャーして 千春が金賞を取った→ 728 00:44:54,440 --> 00:44:58,440 読書感想文コンクール。 あれ 私も出したんです。 729 00:44:58,440 --> 00:45:03,450 私 銀賞でした。 ようやく 自覚したようだね! 730 00:45:03,450 --> 00:45:06,450 (服部)古美門先生。 うん? 731 00:45:06,450 --> 00:45:08,450 どうなさいました? 食が 進んでらっしゃらないようですが。 732 00:45:08,450 --> 00:45:12,460 いやいや…。 そのね…。 733 00:45:12,460 --> 00:45:15,460 そんなことだろうと思って→ 734 00:45:15,460 --> 00:45:19,460 蟹頭ワラビの佃煮 徳松醤油。→ 735 00:45:19,460 --> 00:45:24,470 どうぞ。 黛先生も よろしければ。 736 00:45:24,470 --> 00:45:26,470 いただきます。 はい。 737 00:45:26,470 --> 00:45:41,420 ♪♪~ 738 00:45:41,420 --> 00:45:43,420 まずーい!