1 00:00:02,202 --> 00:00:08,609 ♬~(テーマ音楽) 2 00:00:08,609 --> 00:01:06,900 ♬~ 3 00:01:10,938 --> 00:01:13,774 <大造が心配していたことが➡ 4 00:01:13,774 --> 00:01:18,278 早くも この日 突然に やって来たのです> 5 00:01:20,547 --> 00:01:23,784 (マリ子)マチ子 お茶にしない? 6 00:01:23,784 --> 00:01:28,121 (マチ子)う~ん おせんべいがいいな。 7 00:01:28,121 --> 00:01:30,424 あと 濃くて 熱いお茶と…。 8 00:01:30,424 --> 00:01:34,628 (戸が開く音) ⚟(はる)マリ子 マチ子 大変なのよ! 9 00:01:34,628 --> 00:01:36,563 どうしたの? お母様。 10 00:01:36,563 --> 00:01:38,498 神父様が 一体 どうなさったの? 11 00:01:38,498 --> 00:01:40,500 (はる)はよ はよ 麻布の伯父様に…! 12 00:01:40,500 --> 00:01:42,502 だから 神父様が 一体 何を? 13 00:01:42,502 --> 00:01:45,272 警察に連れていかれたのよ 警察に。 14 00:01:45,272 --> 00:01:48,175 警察へ!? 15 00:01:48,175 --> 00:01:50,444 どうして そんな…。 16 00:01:50,444 --> 00:01:54,982 いつものようにね いつものように ご病人様のとこに お世話に行ったの。 17 00:01:54,982 --> 00:01:58,852 そしたら 急に刑事さんが来て。 まあ なんということでしょう。 18 00:01:58,852 --> 00:02:01,788 そんな感心してる場合じゃないでしょう。 お母様! 19 00:02:01,788 --> 00:02:04,591 ねっ ねっ ねっ… 麻布の伯父様に ご連絡して➡ 20 00:02:04,591 --> 00:02:07,260 それで お役所の方から 神父様をお助けしてくださるようにと➡ 21 00:02:07,260 --> 00:02:09,196 お願いしてきて ねっ マリ子 お願いよ! 22 00:02:09,196 --> 00:02:11,598 分かりました。 マチ子 お母様をお願いね。 23 00:02:11,598 --> 00:02:15,102 分かった。 じゃあね 気を付けてね! うん! 24 00:02:15,102 --> 00:02:17,404 気を付けてね! うん! 25 00:02:19,272 --> 00:02:21,208 (植辰)栄一 しっかりしろ。 (栄一)へい。 26 00:02:21,208 --> 00:02:23,777 えれえことになったな おい。 大将! 27 00:02:23,777 --> 00:02:26,680 大将!大将! 桜木町の奥さんがよ➡ 28 00:02:26,680 --> 00:02:29,282 警察に引っ張られたってのは 本当かい? おい! 29 00:02:29,282 --> 00:02:31,785 (大造) バカ野郎 大きな声出すんじゃないよ。 30 00:02:31,785 --> 00:02:34,287 あの奥さんが そんな悪いことできる お人かい! 31 00:02:34,287 --> 00:02:36,289 引っ張られたのはな やその坊さんの方だ。➡ 32 00:02:36,289 --> 00:02:38,291 まあ… まあ いいから上がんな。 33 00:02:38,291 --> 00:02:40,427 (植辰)そうだったのか。 あ~ びっくりしちゃった。 34 00:02:40,427 --> 00:02:43,964 (トセ)どうも ご苦労さま。 (ウメ)ご苦労さん。 35 00:02:43,964 --> 00:02:45,899 大体ね おめえは甘えんだよ。 36 00:02:45,899 --> 00:02:48,435 あの奥さんが 一旦こうだと決めたら とことん やり通すのを➡ 37 00:02:48,435 --> 00:02:50,370 お前 知ってるじゃないか。 38 00:02:50,370 --> 00:02:52,305 そうすっと何だね? 奥さん もう帰されるね? 39 00:02:52,305 --> 00:02:54,808 スパイだったら そうはいかねえぞ。 (植辰)スパイ!? 40 00:02:54,808 --> 00:02:56,743 (さよ)し~! 41 00:02:56,743 --> 00:02:58,979 「壁に耳あり障子に目」だ。 42 00:02:58,979 --> 00:03:01,882 めったなこと言って 奥さんまで疑われたら どうすんだよ。 43 00:03:01,882 --> 00:03:04,384 だから 俺が心配しないこっちゃねえんだよ。 44 00:03:04,384 --> 00:03:06,319 あの どうぞ 皆さん お茶を…。 45 00:03:06,319 --> 00:03:08,588 ああ お茶なんか出すことねえ。 でも…。 46 00:03:08,588 --> 00:03:10,924 苦しみを分かち合うんだ。 こういう時にこそ。 47 00:03:10,924 --> 00:03:15,262 ああ なるほど。 でさ マリ子さん どうなさってるの? 48 00:03:15,262 --> 00:03:17,764 お嬢さんたちは? (トセ)それがね➡ 49 00:03:17,764 --> 00:03:21,101 様子が分かるまでは うちへ寄りつかない方がいいって➡ 50 00:03:21,101 --> 00:03:24,938 皆さんに ご迷惑がかかるといけないから って きっぱりと おっしゃるんですよ。 51 00:03:24,938 --> 00:03:27,841 ええ しっかりしてるんだよ あの子は。 (トセ)本当に。 52 00:03:27,841 --> 00:03:31,111 あっ そうだ。 三郷さんは 大学を途中まで行きなすったんだね? 53 00:03:31,111 --> 00:03:34,014 (トセ)はい。 どうだろう? その時の友達で➡ 54 00:03:34,014 --> 00:03:37,884 今 警察に 顔がきくような 偉いところ おさまってる人は いないだろうかね? 55 00:03:37,884 --> 00:03:40,787 さあ? そういう方と あんまり おつきあいしてるとは➡ 56 00:03:40,787 --> 00:03:44,958 聞いたことはないんですけど… あっ お電話を貸していただければ。 57 00:03:44,958 --> 00:03:47,994 そうですか。 それじゃあ お手数ですけど…。 58 00:03:47,994 --> 00:03:50,130 そうだね。 (トセ)もう 奥様には➡ 59 00:03:50,130 --> 00:03:52,432 もう 大変に お世話になってるんでございますから➡ 60 00:03:52,432 --> 00:03:55,635 そのくらいのことは。 はい じゃあ お願いします。 61 00:03:55,635 --> 00:03:57,671 え~っと…。 62 00:03:57,671 --> 00:03:59,806 (三吉)旦那! (大造)おお 三吉 どうだった? 63 00:03:59,806 --> 00:04:01,775 (三吉)へい 今 無事に お宅の方へお帰りです。 64 00:04:01,775 --> 00:04:03,777 本当かい!? (植辰)よかった~。 65 00:04:03,777 --> 00:04:06,580 (オネスト)はい ただいまでした。 お… お前さん! 66 00:04:06,580 --> 00:04:11,451 はい。 心配かけて ごめんなさい。 奥さんとマリ子さんの言づけです。 67 00:04:11,451 --> 00:04:14,454 何を この野郎… ひと事みてえにぬかしやがって➡ 68 00:04:14,454 --> 00:04:17,591 この スパイ野郎が! スパイありません はしかです。 69 00:04:17,591 --> 00:04:21,261 何言ってんだよ こいつ! はしかで どうして 警察 連れていかれるんだよ! 70 00:04:21,261 --> 00:04:23,196 私 私 はしかではありません。 71 00:04:23,196 --> 00:04:25,132 ああ言いやぁ こう言いやがって この野郎…。 72 00:04:25,132 --> 00:04:28,602 ちょっと お待ちよ。 この人は言葉が変なんだから➡ 73 00:04:28,602 --> 00:04:31,404 よく聞いてやんなくちゃ。 ああ そうなんですよ。 74 00:04:31,404 --> 00:04:34,307 何でも はしかの子供を抱えて 困ってる人の所へ行って➡ 75 00:04:34,307 --> 00:04:36,776 奥さんと2人で 病院へ運ぼうとしたら➡ 76 00:04:36,776 --> 00:04:39,679 外国人の手に渡すと 肝を抜かれるなんて 言いだすやつがいて➡ 77 00:04:39,679 --> 00:04:41,648 それで 騒ぎになっちまったそうなんで。 78 00:04:41,648 --> 00:04:43,650 それじゃあ スパイじゃないんだね? はい そうです。 79 00:04:43,650 --> 00:04:47,654 みんな 勘違いでした。 ごめんなさい。 80 00:04:49,356 --> 00:04:51,791 よかった。 81 00:04:51,791 --> 00:04:56,296 (透一郎)たとえ 勘違いにしろ 二度と こんな騒ぎは許さんからね。 82 00:04:56,296 --> 00:05:01,101 本当に ご迷惑をおかけして 申し訳ございません。 83 00:05:03,904 --> 00:05:08,575 (花江)そうですよ これが 本当のスパイ事件だったら➡ 84 00:05:08,575 --> 00:05:12,078 あなたたちは もちろん おつきあいのあった方全部が➡ 85 00:05:12,078 --> 00:05:14,114 呼び出されたり 調べられたの。 86 00:05:14,114 --> 00:05:17,751 あなただけの問題では 済まなくなるところだったのですからね。 87 00:05:17,751 --> 00:05:21,588 (はる)はい お義姉様。 (透一郎)まあ 同じ勘違いでも➡ 88 00:05:21,588 --> 00:05:24,491 普通なら 1晩 2晩は泊められるところだ。 89 00:05:24,491 --> 00:05:27,928 幸い 私の説明が通ったから いいようなもんだが➡ 90 00:05:27,928 --> 00:05:30,964 もし これが 本当のスパイ事件や 思想問題だったら➡ 91 00:05:30,964 --> 00:05:35,602 私の立場なんか通用しないということを よく肝に銘じておきなさい。 92 00:05:35,602 --> 00:05:38,405 (はる)でも お兄様 神父様は 決して そのような…。 93 00:05:38,405 --> 00:05:43,610 いや 分かってるよ。 しかし とかく 外国人であるというだけで➡ 94 00:05:43,610 --> 00:05:46,279 色眼鏡で見られる ご時世なんだから。 95 00:05:46,279 --> 00:05:49,182 私 それが残念でなりませんの。 96 00:05:49,182 --> 00:05:52,619 そりゃ私だって残念だよ。 97 00:05:52,619 --> 00:05:55,522 しかし もっと残念なのは➡ 98 00:05:55,522 --> 00:06:00,126 いつまでたっても 大人の判断がつかないような お前だよ。 99 00:06:00,126 --> 00:06:02,329 お兄様…。 100 00:06:06,233 --> 00:06:11,571 神を信じ オネストさんを信じるのは お前の自由だ。 101 00:06:11,571 --> 00:06:14,374 信仰の問題だからね。 102 00:06:14,374 --> 00:06:16,309 しかし もともと 信仰とは➡ 103 00:06:16,309 --> 00:06:20,580 自分が どう生きるか ということじゃないのかね。➡ 104 00:06:20,580 --> 00:06:23,383 自分の生き方に指針が欲しい時➡ 105 00:06:23,383 --> 00:06:27,087 その教えに 自分の生き方を照らし合わせてみる。➡ 106 00:06:27,087 --> 00:06:30,924 そのための神の教えじゃないのかね。 はい…。 107 00:06:30,924 --> 00:06:34,394 としたら 自分の力以上のことをして➡ 108 00:06:34,394 --> 00:06:39,232 多くの人に心配をかけ 迷惑をかけた 今度のことを どう思うのか。 109 00:06:39,232 --> 00:06:43,036 そこのところを よく考えてみなさい。 110 00:06:49,976 --> 00:06:53,413 ご覧 子供たちの顔を。 111 00:06:53,413 --> 00:06:56,950 マリ子や マチ子が テキパキ 事を判断しなかったら➡ 112 00:06:56,950 --> 00:07:01,921 お前は ただ取り乱すだけで 大騒ぎするばかりだったんだからね。 113 00:07:01,921 --> 00:07:04,057 (はる)はい。 それに…。 114 00:07:04,057 --> 00:07:06,559 あなた はるさんは もう十分に お分かりですわ。 115 00:07:06,559 --> 00:07:09,062 どうぞ そのぐらいで。 116 00:07:09,062 --> 00:07:19,773 ♬~ 117 00:07:19,773 --> 00:07:23,576 (均)まあまあ…。 118 00:07:23,576 --> 00:07:25,912 何で止めるんだよ。 俺たちはな…。 119 00:07:25,912 --> 00:07:28,248 どなた様も 今は いけません。 120 00:07:28,248 --> 00:07:30,917 「いけません」って お前さん 何者だい? 121 00:07:30,917 --> 00:07:34,254 大宗 均。 マリ子さんに頼まれて来ました。 122 00:07:34,254 --> 00:07:36,923 なんとか 無事に収まりましたんで どうぞ ご安心ください。 123 00:07:36,923 --> 00:07:39,759 ですから そのご無事な顔を 一目見たいと…。 124 00:07:39,759 --> 00:07:42,796 いや 僕もね 見せてさしあげたい そう思ってるんですよ。 125 00:07:42,796 --> 00:07:47,400 しかしですね 今日だけは なんとか そっとしといてやりたい。 126 00:07:47,400 --> 00:07:50,270 お願いします。 いずれ ご挨拶に上がると思います。 127 00:07:50,270 --> 00:07:53,606 何だ この野郎 親戚みたいな面しやがって。 128 00:07:53,606 --> 00:07:56,409 ありがたいね~。 いずれ僕も そうなりたいと思ってるんだ。 129 00:07:56,409 --> 00:07:58,945 君 いいこと言うね。 ありがとう。 130 00:07:58,945 --> 00:08:02,716 まあ いいじゃねえか。 そういうことなら ここは この書生さんに任せて➡ 131 00:08:02,716 --> 00:08:05,218 俺たちは退散した方が。 大将 そんなこと…。 132 00:08:05,218 --> 00:08:09,089 いや 今日のところは そっとしといてくれ そう言ってるんだよ。 133 00:08:09,089 --> 00:08:11,558 えらい目に遭ったんだろうさ。 明日にでも あさってでも➡ 134 00:08:11,558 --> 00:08:14,894 俺たちが出直してくりゃいいんだから。 そうですね。 135 00:08:14,894 --> 00:08:18,231 あんたたちが そう言うんだったら。 なあ 栄一。 うん。 136 00:08:18,231 --> 00:08:21,134 行きやしょう。 どうも ご苦労さまでした。 137 00:08:21,134 --> 00:08:23,103 いやいや。 138 00:08:23,103 --> 00:08:25,905 (朝男)おう ちょっと ちょっと 何かあったんですか? 磯野さんで。 139 00:08:25,905 --> 00:08:28,608 いや 別に 何もないよ。 ふ~ん。 140 00:08:30,377 --> 00:08:33,913 君もね そういうわけだからさ。 そういうわけって 何だい? 141 00:08:33,913 --> 00:08:36,583 いや ですからね…。 ちょっと そこ どけ。 142 00:08:36,583 --> 00:08:40,387 どくわけにはいかないのよ。 何だと!? 143 00:08:40,387 --> 00:08:42,322 今日のところは お引き取りください。 144 00:08:42,322 --> 00:08:47,093 うるせえ お前 一体 何だ? 大宗 均。 145 00:08:47,093 --> 00:08:49,396 バカ野郎 誰が名前聞いた! 146 00:08:49,396 --> 00:08:51,765 君だよ! 今 君が聞いたじゃないか。 147 00:08:51,765 --> 00:08:55,101 俺はな 何の権利で ここの玄関番を してるんだって聞いてんだよ。 148 00:08:55,101 --> 00:08:58,004 この デコボコ書生! デコボコ書生!? 149 00:08:58,004 --> 00:09:00,540 文句あるか? 大ありだね。 150 00:09:00,540 --> 00:09:04,210 そもそも 磯野家と僕は こういう場合に 一致協力する関係にあるんだ! 151 00:09:04,210 --> 00:09:07,047 おきやがれ! 俺はな そんなこと頼んだ覚えはねえ! 152 00:09:07,047 --> 00:09:11,251 失敬だな。 君に そういうこと言う権利があるのか!? 153 00:09:13,353 --> 00:09:17,891 俺はな ここの娘どもの兄貴分だ! 154 00:09:17,891 --> 00:09:21,728 僕は マチ子さんの兄弟子だ! 155 00:09:21,728 --> 00:09:23,663 プッ プッ! 156 00:09:23,663 --> 00:09:26,166 あっ! ブッ! 157 00:09:47,587 --> 00:09:54,360 <ともあれ 他人に迷惑をかけたという 兄 透一郎の言葉は➡ 158 00:09:54,360 --> 00:09:59,933 はるにとって かなり手痛い おきゅうとなったようでした> 159 00:09:59,933 --> 00:10:03,136 (時計の時報の音) 160 00:10:13,112 --> 00:10:16,783 そうですかい。 そいじゃあ 今日は どこも出歩いてらっしゃらないんだね。 161 00:10:16,783 --> 00:10:20,120 ゆうべも遅くまで 本を読んでいたようですけど➡ 162 00:10:20,120 --> 00:10:22,789 今日も朝早くから 「聖書」を ひもといてるみたいです。 163 00:10:22,789 --> 00:10:26,960 はあ~ よかった。 それが一番だ。 さあ どうぞ どうぞ…。 164 00:10:26,960 --> 00:10:28,995 何だい? 分かったようなこと言ってるけど。 165 00:10:28,995 --> 00:10:31,431 分かってるともさ。 ええ? 166 00:10:31,431 --> 00:10:34,134 うちの寺の住職さんだって おっしゃったよ。 167 00:10:34,134 --> 00:10:37,170 心に迷いのある時は 念仏を唱えなさいって。 168 00:10:37,170 --> 00:10:40,006 仏さんにだろ? それは。 同じこっちゃないか。 169 00:10:40,006 --> 00:10:43,843 「聖書」ってえのは あの人たちのお経なんだ。 ええ?➡ 170 00:10:43,843 --> 00:10:48,648 心安らかにして 何べんも 何べんも お唱えしたらいいんだよ。 171 00:10:48,648 --> 00:10:51,150 そうかもしれませんね。 ほら ご覧。 172 00:10:51,150 --> 00:10:54,654 ちぇっ たちまち 威張り腐るんだから。 ああ そうだよ。 173 00:10:54,654 --> 00:10:58,825 奥さんのお経には 「年寄りは世の中の宝だ」➡ 174 00:10:58,825 --> 00:11:01,728 書いてあるんだよ。 やれやれ 図に乗っちまったよ。 175 00:11:01,728 --> 00:11:03,796 でも おばあちゃまの おっしゃるとおりですもの。 176 00:11:03,796 --> 00:11:06,566 いや もう その辺にしといてくださいよ。 おだてたら きりがないんだから。 177 00:11:06,566 --> 00:11:10,270 (笑い声) まあ。 178 00:11:10,270 --> 00:11:13,173 で あの 三吉から聞いたんですがね 昨日の書生さん➡ 179 00:11:13,173 --> 00:11:15,775 田河水泡先生んとこの お弟子さんなんですって? 180 00:11:15,775 --> 00:11:18,111 ええ あの 大宗 均さんでしょ? 181 00:11:18,111 --> 00:11:20,613 (大造)で どっちの方なんです? どっちの方って? 182 00:11:20,613 --> 00:11:24,417 (大造)だから マリ子さんのか マチ子さんのかってこと。 183 00:11:24,417 --> 00:11:27,787 嫌だな とぼけちゃって。 婿さんなんでしょ? どっちかの。 184 00:11:27,787 --> 00:11:31,958 ええ~!? やだ そんなんじゃありません! 185 00:11:31,958 --> 00:11:34,627 あら 本当に? 本当です! 186 00:11:34,627 --> 00:11:38,131 見ろ この早とちりが。 だってさ…。 187 00:11:38,131 --> 00:11:40,433 えっ 一体 どういうことなんです? 188 00:11:40,433 --> 00:11:44,637 いえ 実はね その書生さんがね マリ子さんから頼まれたって言うし➡ 189 00:11:44,637 --> 00:11:47,140 こう ガンと 皆さんをお守りしてるようだ って言ったらね➡ 190 00:11:47,140 --> 00:11:49,976 このばあさんね それなら きっと そうだって➡ 191 00:11:49,976 --> 00:11:53,313 騒ぎのあとだからね 話は早く進めた方が いいって張り切っちゃってね。 192 00:11:53,313 --> 00:11:56,149 そうだともさ。 奥さんにはね➡ 193 00:11:56,149 --> 00:12:00,386 夢中になれることを こさえてあげるのが 一番の薬なんだよ。 194 00:12:00,386 --> 00:12:03,590 相すみません そういう薬になれなくって。 195 00:12:03,590 --> 00:12:05,525 ところで マリ子さんは 20…。 196 00:12:05,525 --> 00:12:08,261 1です。 (大造)なあ~。➡ 197 00:12:08,261 --> 00:12:12,932 普通だったら 年頃の娘抱えてさ 嫁の話に力入れなくちゃいけないのに➡ 198 00:12:12,932 --> 00:12:16,402 お宅のお母さんと来たら 神様の後ばっかり追っかけ回してんだ。 199 00:12:16,402 --> 00:12:18,471 実のところ こっちもね ハラハラしてたんですよ。 200 00:12:18,471 --> 00:12:21,274 あら それは重ね重ね どうも すみません。 201 00:12:21,274 --> 00:12:24,611 いいともさ。 そのうち 私がね➡ 202 00:12:24,611 --> 00:12:27,947 いい お相手を 世話させてもらいますからね。 203 00:12:27,947 --> 00:12:29,983 ほら ほら… こういう話になるとね➡ 204 00:12:29,983 --> 00:12:32,819 出しゃばりばあさんの目が ギンギラ光ってくるでしょ。 205 00:12:32,819 --> 00:12:37,423 それだけ肩入れしてる証拠だよ。 ねっ マリ子さん。 206 00:12:37,423 --> 00:12:39,492 でも 困っちゃうな 私。 207 00:12:39,492 --> 00:12:41,628 (大造) いや 困っちゃうことはねえんですよ。➡ 208 00:12:41,628 --> 00:12:45,431 年頃なんだから。 そんな べっぴんさんのくせしてさ。 209 00:12:45,431 --> 00:12:49,302 あの… また お伺いします。 どうも お邪魔しました。 210 00:12:49,302 --> 00:12:52,305 あの こっちからも伺いますからね。 奥さんに そう言っといてください。 211 00:12:52,305 --> 00:12:56,643 は~い! どうも失礼します。 212 00:12:56,643 --> 00:13:00,913 かわいいね~。 赤くなって逃げ出していくところなんざ。 213 00:13:00,913 --> 00:13:02,849 考えられねえよな。 214 00:13:02,849 --> 00:13:07,053 あれで いつかは こんなふうになるなんて。えっ? 215 00:13:11,257 --> 00:13:23,603 ♬~ 216 00:13:23,603 --> 00:13:28,408 (茜)マリ子さん! 茜さん! やっぱり茜さんね! 217 00:13:28,408 --> 00:13:30,343 私 すぐに分かったの。 218 00:13:30,343 --> 00:13:34,614 だって 茜さんのことを考えない日は なかったぐらいですもの。 219 00:13:34,614 --> 00:13:36,649 あの時は… 本当に ごめんなさい。 220 00:13:36,649 --> 00:13:39,952 ううん こうして元気に会えたんですもの。 221 00:13:39,952 --> 00:13:43,289 あの絵は まだ私の所にあります。 222 00:13:43,289 --> 00:13:45,224 ずっと描いてらっしゃるの? 絵を。 223 00:13:45,224 --> 00:13:48,628 ええ 描いてます。 茜さんは? 224 00:13:48,628 --> 00:13:50,630 描いてるわよ。 225 00:13:53,132 --> 00:13:55,068 話したいことが たくさんあるんです。 226 00:13:55,068 --> 00:13:57,303 どうぞ 私のうちに いらしてください。 227 00:13:57,303 --> 00:14:01,741 そうね。 場所だけ伺っておいて また お訪ねするわ。 228 00:14:01,741 --> 00:14:03,676 駄目。 (茜)マリ子さん。 229 00:14:03,676 --> 00:14:07,080 だって 今 別れたら また いつ会えるか分からないんですもの。 230 00:14:07,080 --> 00:14:11,384 また大げさね。 でも私 今日は あんまり時間がないの。 231 00:14:11,384 --> 00:14:14,087 ごめんなさい。 ねえ お願い 少し つきあってください。 232 00:14:14,087 --> 00:14:17,924 お手間は取らせないわ。 ねっ お願いします。 233 00:14:17,924 --> 00:14:22,228 <茜とは 4年ぶりの再会でした> 234 00:14:25,798 --> 00:14:55,094 ♬~