1 00:00:02,202 --> 00:00:08,942 ♬~(テーマ音楽) 2 00:00:08,942 --> 00:01:06,934 ♬~ 3 00:01:11,605 --> 00:01:14,641 (新八郎)ごめんください 東郷ですが。 4 00:01:14,641 --> 00:01:16,944 (マリ子)は~い。 5 00:01:16,944 --> 00:01:19,846 (新八郎)あっ こんにちは。 あの マチ子さんは? 6 00:01:19,846 --> 00:01:23,717 ああ 母と一緒に 麻布の伯母様の所に 行ってますけど。 7 00:01:23,717 --> 00:01:27,421 (新八郎)はあ… そうか…。 8 00:01:27,421 --> 00:01:30,123 あの… 何かあったんですか? 9 00:01:30,123 --> 00:01:33,994 いや ちょっと 気になることがありましてね。 10 00:01:33,994 --> 00:01:36,797 あっ さあ どうぞ お上がりになって。 11 00:01:36,797 --> 00:01:38,732 いや 仕事があるんで そうもしていられないんですよ。 12 00:01:38,732 --> 00:01:41,735 ああ じゃあ ちょっと お待ちになって。 13 00:01:46,974 --> 00:01:50,310 さあ どうぞ。 14 00:01:50,310 --> 00:01:58,051 あの… 私で伺ってよいことでしたら どうぞ 聞かせていただきたいんですけど。 15 00:01:58,051 --> 00:02:02,255 実はね 田河先生のことなんです。 16 00:02:02,255 --> 00:02:05,258 田河先生の? ええ。 17 00:02:05,258 --> 00:02:08,929 陽談社ではね 「のらくろ」を打ち切るらしいんだ。 18 00:02:08,929 --> 00:02:10,864 まあ…! 19 00:02:10,864 --> 00:02:13,266 (新八郎)理由の真相については まだ はっきりしたことは➡ 20 00:02:13,266 --> 00:02:15,202 つかめてないんだけど➡ 21 00:02:15,202 --> 00:02:18,405 これは 文芸部じゃなくて 社会部が 情報を手に入れたんでね。 22 00:02:18,405 --> 00:02:21,775 社会部がですか? 23 00:02:21,775 --> 00:02:27,581 またまた 軍部の干渉があったのかどうか まだ その辺は はっきりしてないんだ。 24 00:02:27,581 --> 00:02:30,951 でもね マチ子さんにとっても これは かなりショックなことだろうし➡ 25 00:02:30,951 --> 00:02:32,886 とにかく 知らせに寄ったんですよ。 26 00:02:32,886 --> 00:02:37,824 ありがとう 東郷さん。 私からマチ子に うまく伝えておきますけど。 27 00:02:37,824 --> 00:02:40,293 よろしくお願いしますよ。 それじゃあ。 28 00:02:40,293 --> 00:02:42,796 あの…。 はあ? 29 00:02:42,796 --> 00:02:47,434 東郷さんの方にも 何かあったんですか? いえ。 30 00:02:47,434 --> 00:02:51,638 それならいいけど 何だか いつもと ご様子が違うから。 31 00:02:51,638 --> 00:02:55,976 あっ いや 何もありませんよ。 僕は いつも元気じゃないですか。 32 00:02:55,976 --> 00:02:58,278 大丈夫です。 それじゃあ。 33 00:02:59,846 --> 00:03:01,848 どうも。 34 00:03:05,252 --> 00:03:07,187 (塚田)どこから聞いてきたのか 知らないけども➡ 35 00:03:07,187 --> 00:03:09,256 そのことは まだ ごく内々のことなんだからね➡ 36 00:03:09,256 --> 00:03:12,392 気を付けてくれよ。 37 00:03:12,392 --> 00:03:15,095 では…。 (塚田)うん…。 38 00:03:15,095 --> 00:03:18,131 理由は何なんですか? 田河先生に何か? 39 00:03:18,131 --> 00:03:20,600 いや 理由は簡単さ。 40 00:03:20,600 --> 00:03:23,937 紙だよ 紙。 紙?紙の制限だ。 41 00:03:23,937 --> 00:03:28,108 だって 紙のことでしたら 私が児童物に移ると ご相談した時➡ 42 00:03:28,108 --> 00:03:31,945 それは賢明だって言ってくだすったのは 塚田さんじゃありませんか。 43 00:03:31,945 --> 00:03:34,414 それなのに 児童物がなくなるなんてこと…。 44 00:03:34,414 --> 00:03:37,317 いや 「少年倶楽部」は なくならんよ。 45 00:03:37,317 --> 00:03:42,622 だったら どうして? どうして 「のらくろ」が? 46 00:03:42,622 --> 00:03:44,958 あれのために 売れ過ぎてしまうんでね。 47 00:03:44,958 --> 00:03:46,993 それだったら 結構なことじゃありませんか。 48 00:03:46,993 --> 00:03:50,630 全くだよ! 非常時でなければ 誰が打ち切るもんか。 49 00:03:50,630 --> 00:03:55,135 「のらくろ」は 「少年倶楽部」の財産だし ドル箱だ。 50 00:03:55,135 --> 00:03:57,971 皮肉なもんだよ あれのために売れ過ぎて➡ 51 00:03:57,971 --> 00:03:59,906 陽談社で受ける紙の配給量じゃ➡ 52 00:03:59,906 --> 00:04:04,244 ほかの雑誌との 釣り合いが 著しく欠けるなんて理由は➡ 53 00:04:04,244 --> 00:04:07,748 理由にも何もならんからね。 54 00:04:07,748 --> 00:04:10,250 それで 田河先生は? 55 00:04:10,250 --> 00:04:14,121 (水泡)元来ね 私は この… 非常に 怠け者でね➡ 56 00:04:14,121 --> 00:04:17,023 そこんところを この細谷君が お尻をひっぱたくもんだから➡ 57 00:04:17,023 --> 00:04:19,392 今まで 忙しすぎたんだ。 58 00:04:19,392 --> 00:04:23,263 (順子)だからね 少しゆっくり休んでから 別のものをって➡ 59 00:04:23,263 --> 00:04:25,765 私も先生の意見に賛成なの。 60 00:04:25,765 --> 00:04:29,603 (マチ子)いえ 先生のことではありません。 (細谷)君。 61 00:04:29,603 --> 00:04:33,106 先生が 少し休まれることは 私も賛成です。 62 00:04:33,106 --> 00:04:36,009 でも 「のらくろ」を打ち切られた 全国の子供たちは➡ 63 00:04:36,009 --> 00:04:39,880 一体 どうなるんでしょうか! いや… そ… それなんだよ。 64 00:04:39,880 --> 00:04:43,750 僕も 頭 痛いのは。 当然のことじゃありませんか。 65 00:04:43,750 --> 00:04:46,620 「のらくろ」が出なくなってしまった 「少年倶楽部」なんて➡ 66 00:04:46,620 --> 00:04:48,555 魅力は がた落ちです! 67 00:04:48,555 --> 00:04:53,493 うん。 まあ そこら辺りにも ねらいがあるんだろう きっと。 68 00:04:53,493 --> 00:04:56,296 ねらいって 一体誰のねらいですか? いや それはだね…。 69 00:04:56,296 --> 00:05:00,233 分かっています! でも…➡ 70 00:05:00,233 --> 00:05:02,569 そういう圧力から先生を守るのが➡ 71 00:05:02,569 --> 00:05:05,472 担当編集者としての 細谷さんの務めでしょう? 72 00:05:05,472 --> 00:05:08,742 (均)そうですよ。 さっきから 僕も それを言いたくて…! 73 00:05:08,742 --> 00:05:11,778 やめなさい 均ちゃんも マチ子さんも。 74 00:05:11,778 --> 00:05:14,247 だって…。 75 00:05:14,247 --> 00:05:18,251 いや 僕だってね 全国の➡ 76 00:05:18,251 --> 00:05:22,956 「のらくろ」を今まで応援してきてくれた 子供たちのことを まず考えたさ。 77 00:05:22,956 --> 00:05:25,258 ちょっと奥さん あの のらくろを取ってくれ。 78 00:05:25,258 --> 00:05:27,194 はい。 79 00:05:27,194 --> 00:05:31,598 僕らにはね 子供がいないもんだから➡ 80 00:05:31,598 --> 00:05:39,105 僕も 奥さんもね この のらくろを 我が子みたいに思ってるんだよ。 81 00:05:39,105 --> 00:05:45,779 だからね 軍の方の干渉も この細谷君と何度も くぐり抜けてきた。➡ 82 00:05:45,779 --> 00:05:50,617 軍隊がいけないっていうんだったら 除隊させて満州にも行かせたし➡ 83 00:05:50,617 --> 00:05:53,954 探検隊なんかにもさせて 続けてきたんだよ。 84 00:05:53,954 --> 00:05:57,424 そのとおりです。 その間のご苦労は➡ 85 00:05:57,424 --> 00:06:00,327 おそばにいた僕が 一番よく知っています。➡ 86 00:06:00,327 --> 00:06:03,230 それなのに… 今更 そんな…➡ 87 00:06:03,230 --> 00:06:06,733 「のらくろ」そのものを やめさせるなんて そんな横暴は許せませんよ! 88 00:06:06,733 --> 00:06:09,769 すまん。 89 00:06:09,769 --> 00:06:13,506 本当に 僕の力が足りないばっかりに…。 90 00:06:13,506 --> 00:06:16,243 マチ子さんたちの言うとおりなんだよ。 91 00:06:16,243 --> 00:06:19,079 そんなことはないよ 細谷君。 そうよ。 92 00:06:19,079 --> 00:06:21,114 ゆうべも先生と話し合ったの。 93 00:06:21,114 --> 00:06:25,585 陽談社さんのおかげで 「のらくろ」は 10年続いたんですもの。 94 00:06:25,585 --> 00:06:27,520 いや この10月号で打ち切りなら➡ 95 00:06:27,520 --> 00:06:30,757 10年と10か月だぞ。 そうね。 96 00:06:30,757 --> 00:06:35,262 10月号って… もう そんなことまで 決まっているんですか!? 97 00:06:35,262 --> 00:06:39,266 とにかく 1か月でも2か月でも➡ 98 00:06:39,266 --> 00:06:43,970 できる限り 連載を続けたいと思ってるんだよ。 99 00:06:43,970 --> 00:06:47,774 ありがとう 細谷君。 それで もう十分。 100 00:06:47,774 --> 00:06:53,280 本当に 君は よくやってくれた。 先生…。 101 00:06:53,280 --> 00:06:57,951 10年って言やぁ おい 10歳で「のらくろ」を読み始めた子供は➡ 102 00:06:57,951 --> 00:07:00,353 もう二十歳になってるぞ。 103 00:07:00,353 --> 00:07:02,889 あの 炭屋の三吉君なんかも➡ 104 00:07:02,889 --> 00:07:07,060 立派な兵隊さんになって 行ったんだろうね マチ子さん。 105 00:07:07,060 --> 00:07:09,095 ええ…。 106 00:07:09,095 --> 00:07:11,932 僕だってね 漫画家として➡ 107 00:07:11,932 --> 00:07:14,734 「のらくろ」だけでいい ってわけじゃないんだ。➡ 108 00:07:14,734 --> 00:07:18,238 しかし それにしても こいつは 随分 親孝行だね。➡ 109 00:07:18,238 --> 00:07:20,740 だって この お父っつぁんを 随分 稼がせてくれたもんな。 110 00:07:20,740 --> 00:07:23,043 (笑い声) 111 00:07:27,247 --> 00:07:31,918 どうしたんだ? こら。 そんな顔は マチ子さんに似合わないぞ。 112 00:07:31,918 --> 00:07:36,389 だって…。 113 00:07:36,389 --> 00:07:39,759 (水泡)細谷君。 はい。 114 00:07:39,759 --> 00:07:44,597 僕はね 心配なのは もう一人の方の どら息子のことなんだ。 115 00:07:44,597 --> 00:07:48,401 この均五郎のことだ。 116 00:07:48,401 --> 00:07:54,107 先生…。 いや マチ子さんの方は心配いらんがね➡ 117 00:07:54,107 --> 00:07:57,944 均五郎は いずれ 徴用に取られるだろう。 118 00:07:57,944 --> 00:08:03,350 今更ね こいつが油まみれになって 軍需工場で こき使われるかと思うとね➡ 119 00:08:03,350 --> 00:08:06,219 とても やりきれないんだよ。 120 00:08:06,219 --> 00:08:09,222 先生 僕のことでしたら。 121 00:08:09,222 --> 00:08:11,891 だからって 心配しないでいい ってわけには ならんだろう? 122 00:08:11,891 --> 00:08:16,062 そうよ。 私からも お願いしますわ 細谷さん。 123 00:08:16,062 --> 00:08:18,898 徴用逃れって言うと 聞こえは悪いけれど➡ 124 00:08:18,898 --> 00:08:21,234 この人 持病があるんですの。➡ 125 00:08:21,234 --> 00:08:25,905 陽談社で 整理係でも何でも 使っていただけたら。 126 00:08:25,905 --> 00:08:28,942 はい。 127 00:08:28,942 --> 00:08:32,679 先生との これまでの おつきあいもあります。 128 00:08:32,679 --> 00:08:37,617 僕も できるだけ努力すること お約束します。 129 00:08:37,617 --> 00:08:39,619 (水泡)ありがとう。 130 00:08:43,256 --> 00:08:45,925 大宗さん!? 131 00:08:45,925 --> 00:08:48,595 はあ…。 先輩! 132 00:08:48,595 --> 00:08:51,297 (水泡)ほっときなさい マチ子さん。 133 00:08:53,099 --> 00:08:56,970 (水泡)「のらくろ」との別れをね 一番悲しがってくれているのは➡ 134 00:08:56,970 --> 00:09:00,340 あの男なんだから。 135 00:09:00,340 --> 00:09:03,243 はい。 136 00:09:03,243 --> 00:09:08,715 細谷君 打ち切りの時期なんか決まったら なるべく早く知らせてくれたまえ。 137 00:09:08,715 --> 00:09:11,551 僕も のらくろも 子供たちに 最後のご奉公だ。 138 00:09:11,551 --> 00:09:14,354 うんと頑張らなくちゃ。 139 00:09:14,354 --> 00:09:16,356 はい! 140 00:09:21,061 --> 00:09:26,866 (細谷)それじゃあ 4~5日したら 原稿取りに来るから。 141 00:09:26,866 --> 00:09:28,868 細谷さん。 142 00:09:31,571 --> 00:09:37,444 私… 今やってる連載やめようかと思います。 143 00:09:37,444 --> 00:09:42,916 一体 何年 僕と つきあってきたんだい? 144 00:09:42,916 --> 00:09:48,087 あの田河先生の画室で 先生に初めて紹介された時➡ 145 00:09:48,087 --> 00:09:52,759 君は まだ おさげの女学生だった。 146 00:09:52,759 --> 00:09:56,596 10年たてば のらくろも大人になるって 先生は おっしゃったけど➡ 147 00:09:56,596 --> 00:10:00,800 マッちゃんの そういうところは 昔のまんまだ。 148 00:10:04,104 --> 00:10:07,607 これは決して先生の受け売りじゃないが➡ 149 00:10:07,607 --> 00:10:09,642 君の なみなみならぬ才能と➡ 150 00:10:09,642 --> 00:10:12,479 頑固なくらいの 仕事に対する生真面目さを➡ 151 00:10:12,479 --> 00:10:16,115 これでも 僕は ずっと愛してきたんだからね。 152 00:10:16,115 --> 00:10:18,051 細谷さん…。 153 00:10:18,051 --> 00:10:22,789 田河先生に殉じようっていうつもりなら 僕は反対だ。 154 00:10:22,789 --> 00:10:24,724 でも…。 155 00:10:24,724 --> 00:10:29,295 (細谷)君が今 先生の分も頑張らないで どうするんだい。 156 00:10:29,295 --> 00:10:32,131 「仲よし手帖」は評判がいいんだし➡ 157 00:10:32,131 --> 00:10:36,302 君が今やめることに 僕は反対だよ。 いいね? 158 00:10:36,302 --> 00:10:38,805 だけど 私…。 159 00:10:38,805 --> 00:10:41,140 分かっている。 160 00:10:41,140 --> 00:10:44,978 君が描くものにまで 規制や干渉が入るようになったら➡ 161 00:10:44,978 --> 00:10:49,649 その時 僕の方で やめさせるよ。 162 00:10:49,649 --> 00:10:53,820 はい。 163 00:10:53,820 --> 00:10:58,691 雑誌ってのは 読者のもんだからね。 164 00:10:58,691 --> 00:11:02,929 節操のないやつらの言いなりに 漫画を描く マッちゃんの姿なんて➡ 165 00:11:02,929 --> 00:11:05,765 僕だって見たくない。 166 00:11:05,765 --> 00:11:10,270 ありがとう 細谷さん。 167 00:11:10,270 --> 00:11:14,607 それじゃあ それまでは 毎号 僕をうならせるような漫画を描いてくれ。 168 00:11:14,607 --> 00:11:17,410 頼む。 169 00:11:17,410 --> 00:11:19,345 分かりました。 170 00:11:19,345 --> 00:11:21,548 (細谷)それじゃあ。 171 00:11:26,152 --> 00:11:30,790 <帰っていく細谷の後ろ姿は マチ子が初めて見る➡ 172 00:11:30,790 --> 00:11:36,296 誠意と苦痛を しょい込んだ 男の背中だったのです> 173 00:11:38,298 --> 00:11:43,169 そう 田河先生が…。 174 00:11:43,169 --> 00:11:46,439 すがすがしいくらいに 覚悟を決めていらしたというか➡ 175 00:11:46,439 --> 00:11:49,976 私 もう何も それ以上 言えなかった。 176 00:11:49,976 --> 00:11:54,314 東郷さんも 今日は 妙に せっぱ詰まったような顔してらしたし➡ 177 00:11:54,314 --> 00:11:57,817 これから どうなっていくのかしらね。 178 00:11:57,817 --> 00:12:04,023 はあ… 均五郎先輩のことも気になるし 本当に嫌ね…。 179 00:12:05,558 --> 00:12:07,627 (戸が開く音) ⚟(新八郎)ごめんください。 180 00:12:07,627 --> 00:12:10,463 (ヨウ子)あっ 東郷さんよ。 181 00:12:10,463 --> 00:12:15,268 「噂をすれば影」よ マー姉ちゃん。 うん。 182 00:12:15,268 --> 00:12:18,605 (新八郎)そうかね? 僕は そんなに せっぱ詰まった顔してたかね 183 00:12:18,605 --> 00:12:21,507 してましたとも。 今とは全く別の人みたいに。 184 00:12:21,507 --> 00:12:23,476 ほんまかいな? 本当よ。 185 00:12:23,476 --> 00:12:25,478 マー姉ちゃん それは心配してたんですもの。 186 00:12:25,478 --> 00:12:27,614 あっ それは光栄だな。 いや~ こういうのを➡ 187 00:12:27,614 --> 00:12:30,283 天にも昇る気持ちっていうのかね。 どういうの? 188 00:12:30,283 --> 00:12:35,622 つまりね 心配されてるっていうのは 愛されてる証拠だからね。 189 00:12:35,622 --> 00:12:38,658 東郷さん! いや これは僕が言ったんじゃなくて➡ 190 00:12:38,658 --> 00:12:41,294 菊池先生の小説の中に…。 191 00:12:41,294 --> 00:12:46,799 いや それにしても 今の顔 たちまち 地獄に落ちる思いだ…!➡ 192 00:12:46,799 --> 00:12:49,836 ああ~! お忙しいことね 東郷さんも。 193 00:12:49,836 --> 00:12:53,439 (新八郎)あれ? お母さんは? 残念でした。 194 00:12:53,439 --> 00:12:56,142 情報のお礼に また 母の手料理に ありつこうっていう➡ 195 00:12:56,142 --> 00:13:00,580 魂胆だったんでしょうけど。 マチ子 あなた なんて失礼なこと言うの。 196 00:13:00,580 --> 00:13:02,915 案の定だわ。 何が? 197 00:13:02,915 --> 00:13:05,385 東郷さん 希望を持ってもよさそうよ。 何が? 198 00:13:05,385 --> 00:13:07,754 だって 私 わざと悪口言ったのに マー姉ちゃんったら➡ 199 00:13:07,754 --> 00:13:10,790 向きになって 怒ったでしょう? ということは 東郷さんのこと➡ 200 00:13:10,790 --> 00:13:14,093 憎からず思っている っていう証拠じゃないのかな~? 201 00:13:14,093 --> 00:13:17,930 本当 なんてこと言うの マチ子は もう…。 (新八郎)でも 本当によかった。➡ 202 00:13:17,930 --> 00:13:19,866 みんなね もっと 深刻な顔してるんじゃないかと思って➡ 203 00:13:19,866 --> 00:13:23,736 寄ってみたんだよ。 ううん 内心は かなり深刻なのよ。 204 00:13:23,736 --> 00:13:26,272 でも 東郷さんの顔を見たら。 205 00:13:26,272 --> 00:13:29,942 この顔が役に立つんだったらね 電話一本 いつでも飛んできますよ。 206 00:13:29,942 --> 00:13:31,878 本当に 今日は どうも ありがとうございました。 207 00:13:31,878 --> 00:13:34,414 いえいえ どういたしまして。 あの…。 208 00:13:34,414 --> 00:13:36,949 (新八郎)何ですか? ヨウ子ちゃん。 お願いがあるんですけれど。 209 00:13:36,949 --> 00:13:39,852 (新八郎)うん 僕で役に立つんだったら 何でも。 210 00:13:39,852 --> 00:13:43,289 琵琶を弾いてください。 え~っ 琵琶を? 211 00:13:43,289 --> 00:13:46,125 お願いします。 (新八郎)いや…。➡ 212 00:13:46,125 --> 00:13:49,028 でもね 僕は 例によって いいかげんだからね。 213 00:13:49,028 --> 00:13:52,999 そんなことありません。 お願いします。 ねっ? 214 00:13:52,999 --> 00:13:59,138 あ… 私からも お願いします。 是非。 私も。 215 00:13:59,138 --> 00:14:01,341 よし やろう! 216 00:14:04,110 --> 00:14:07,113 あっ 大丈夫? はい。 217 00:14:16,923 --> 00:14:24,797 ♬~(琵琶) 218 00:14:24,797 --> 00:14:44,617 ♬~ 219 00:14:44,617 --> 00:14:51,624 <この時 マリ子の胸に 熱いものが流れ込んでおりました>