1 00:00:02,202 --> 00:00:08,609 ♬~(テーマ音楽) 2 00:00:08,609 --> 00:01:26,620 ♬~ 3 00:01:35,295 --> 00:01:39,600 <福岡です。 百道の海です> 4 00:01:43,036 --> 00:01:47,007 <懐かしの我が家は 多少 荒れた様子を見せながらも➡ 5 00:01:47,007 --> 00:01:51,011 今 マリ子たちの帰りを 待っておりました> 6 00:01:52,713 --> 00:01:56,683 (マリ子)あった! (マチ子)マー姉ちゃん…! 7 00:01:56,683 --> 00:01:59,820 私たちのうちよ! 私たちのうちよ! 8 00:01:59,820 --> 00:02:02,522 (はる)本当に。 9 00:02:04,658 --> 00:02:10,764 アハハハハッ! アハッ マッちゃん! マー姉ちゃん! 10 00:02:10,764 --> 00:02:14,267 お母様! 早く! 11 00:02:14,267 --> 00:02:16,603 (軍平)ああ~! ああっ! 12 00:02:16,603 --> 00:02:18,638 おば様! (加津子)奥様~! 13 00:02:18,638 --> 00:02:20,774 (はる)ごきげんよう。 14 00:02:20,774 --> 00:02:22,709 (軍平)マリ子さん! おじ様! 15 00:02:22,709 --> 00:02:25,612 (軍平)よう帰ってきた! よう帰ってきんしゃった!➡ 16 00:02:25,612 --> 00:02:27,547 マチ子さんも! はい! 17 00:02:27,547 --> 00:02:29,483 (一平)そんな 挨拶は 後でよか。 18 00:02:29,483 --> 00:02:32,953 はよ ヨウ子ちゃんを休ませんといかん。 19 00:02:32,953 --> 00:02:36,823 (加津子)ヨウ子ちゃん…。 (ヨウ子)ただいま おば様 おじ様! 20 00:02:36,823 --> 00:02:39,292 (軍平)よう帰ってきんしゃった! さあさあ うちへ入りなさい!➡ 21 00:02:39,292 --> 00:02:41,795 うちへ入りんしゃい! (加津子)すぐに横になれるごと➡ 22 00:02:41,795 --> 00:02:45,132 お布団ば敷いてありますけんね。 (軍平)よう帰ってきたね! 23 00:02:45,132 --> 00:02:47,334 いや~ ご苦労さんでした。 24 00:02:58,145 --> 00:03:01,848 すいません。 はい。 25 00:03:12,092 --> 00:03:14,394 大丈夫? 26 00:03:16,396 --> 00:03:21,768 よく頑張ったわね。 偉かったわよ。 27 00:03:21,768 --> 00:03:26,273 (加津子)ほんなこつ 病気の体でね…。 28 00:03:26,273 --> 00:03:28,942 でも 帰ってきたわ。 29 00:03:28,942 --> 00:03:32,813 (加津子)そうたい。 帰ってこらっしゃったですよ。➡ 30 00:03:32,813 --> 00:03:37,284 ちゃ~んと 4人そろうて。 31 00:03:37,284 --> 00:03:42,489 マー姉ちゃん。 うん? お水 飲む? 32 00:03:44,791 --> 00:03:46,827 海の匂いがする。 33 00:03:46,827 --> 00:03:51,131 海の匂い…。 34 00:03:51,131 --> 00:03:53,967 あ~ 本当だ。 35 00:03:53,967 --> 00:03:59,639 これよ… これが ふるさとの匂いなのよね。 36 00:03:59,639 --> 00:04:11,918 ♬~ 37 00:04:11,918 --> 00:04:14,588 (加津子)大丈夫やろか? 38 00:04:14,588 --> 00:04:17,624 これで 一眠りしたら よくなるんじゃないですか。 39 00:04:17,624 --> 00:04:21,361 私たちですら疲れたんですもの。 ヨウ子だって。 40 00:04:21,361 --> 00:04:25,232 (加津子)そうたい。 村田さんが お医者さんの来らっしゃるごと➡ 41 00:04:25,232 --> 00:04:29,603 手配ばしとりますけん それまでの辛抱ですけんね。 42 00:04:29,603 --> 00:04:31,638 大丈夫 おば様。 43 00:04:31,638 --> 00:04:37,477 (加津子) ほんなこつ 辛抱強うて いじらしか。 44 00:04:37,477 --> 00:04:42,115 マー姉ちゃん 私 もう寝ますから 下に行って。 45 00:04:42,115 --> 00:04:48,421 うん。 じゃあ 時々のぞくけど 用があったら この鈴で呼ぶのよ。 46 00:04:48,421 --> 00:04:51,958 本当に 何から何まで ありがとうございました。 47 00:04:51,958 --> 00:04:55,428 何と お礼申し上げていいか 分からないくらいでございます。 48 00:04:55,428 --> 00:04:59,299 いや… そんな水くさかこと 言わっしゃることなか。 49 00:04:59,299 --> 00:05:03,069 わしの目の黒いうちは 老いたりといえども➡ 50 00:05:03,069 --> 00:05:05,906 牛尾一平が後ろ盾だけん。 51 00:05:05,906 --> 00:05:07,841 はい。 (一平)アハハハハハッ! 52 00:05:07,841 --> 00:05:09,776 あっ このテーブル! 53 00:05:09,776 --> 00:05:13,380 (村田)はい こんとおり 若い者が入っておりましたけん➡ 54 00:05:13,380 --> 00:05:16,082 うちん中が 少々 汚れてしまいましたばってん➡ 55 00:05:16,082 --> 00:05:18,919 お借りしたものは 重宝させてもらいましたと➡ 56 00:05:18,919 --> 00:05:20,954 こげんして 置いていきんしゃったとですよ。 57 00:05:20,954 --> 00:05:24,591 まあ 懐かしいわ。 58 00:05:24,591 --> 00:05:29,396 ハハハッ。 おっ それはそうと 風呂は どげんしたとな? 風呂は。 59 00:05:29,396 --> 00:05:32,766 (加津子)はい いつでん入れるごと よか湯加減に。 60 00:05:32,766 --> 00:05:34,701 うん そりゃよかった。 61 00:05:34,701 --> 00:05:38,104 さあ 奥さんたちはな 先に入って ひとまず疲れば取りんしゃい。 62 00:05:38,104 --> 00:05:42,275 ありがとうございます。 でも どうぞ おじいちゃまから お先に。 63 00:05:42,275 --> 00:05:45,111 何ば言いんしゃる。 わしは男ばい。 64 00:05:45,111 --> 00:05:48,782 あんたら おなご衆とは 体の鍛え方が違うとります。 65 00:05:48,782 --> 00:05:52,285 いいえ おじいちゃまは 東京を往復なさったんですもの。 66 00:05:52,285 --> 00:05:57,157 鍛えていらっしゃるとは思いますけど 私たちの倍は疲れてるはずですよ。 67 00:05:57,157 --> 00:05:59,159 そら そうやな。 (笑い声) 68 00:05:59,159 --> 00:06:02,562 さあ おじいちゃまから どうぞ。 私 お背中 お流ししますから。 69 00:06:02,562 --> 00:06:04,598 いや…。 (笑い声) 70 00:06:04,598 --> 00:06:08,235 いやいや 大漫画家に そげんことをしてもらったら➡ 71 00:06:08,235 --> 00:06:11,137 とんでもないことじゃ。 まあ!(笑い声) 72 00:06:11,137 --> 00:06:14,574 まあまあ お父さん ここは譲り合うとったんじゃ しょんなか。 73 00:06:14,574 --> 00:06:17,477 お父さんから入らにゃ 片づきまっせんばい。 そうかな。 74 00:06:17,477 --> 00:06:21,248 そうですとも。 「老いては子に従え」とも言いますけんね。 75 00:06:21,248 --> 00:06:23,583 ええっ? まあ 村田さんったら。 76 00:06:23,583 --> 00:06:25,518 いやいやいや…。 (笑い声) 77 00:06:25,518 --> 00:06:27,454 そげんことにさせていただいて➡ 78 00:06:27,454 --> 00:06:30,090 おじいちゃま 風呂は うちの方で沸かしてありますけん。 79 00:06:30,090 --> 00:06:33,393 そうか そうか。 それでは ひとまず わしが先に…。 80 00:06:33,393 --> 00:06:36,596 ああ…! (2人)おじいちゃま!? 81 00:06:36,596 --> 00:06:41,101 なんの なんの。 これしきのことで腰が抜けては➡ 82 00:06:41,101 --> 00:06:43,036 黒田武士の名にかかわるしな…。 83 00:06:43,036 --> 00:06:46,606 (軍平)はあ やれやれ…。 ほら 私が背中ば貸しますけん。 84 00:06:46,606 --> 00:06:48,541 バカたれ。 85 00:06:48,541 --> 00:06:51,411 これはな 大任ば果たしてきた 気の緩みたい。 86 00:06:51,411 --> 00:06:54,614 勝手に その 年寄り扱いしたら 承知せんばい。 87 00:06:54,614 --> 00:06:56,549 ほんなこつ もう…。 88 00:06:56,549 --> 00:06:58,485 いいえ 私たちが 代わりに お連れしますから。 89 00:06:58,485 --> 00:07:01,421 ねっ マチ子。 もちろん。はい おじいちゃま。 90 00:07:01,421 --> 00:07:04,224 ああ… いやいや… やあ~。 91 00:07:04,224 --> 00:07:06,726 これで まあ 連れてきたかいがあったっちゅう…。 92 00:07:06,726 --> 00:07:10,730 (笑い声) はい さあ 参りましょう。 93 00:07:13,366 --> 00:07:16,269 (笑い声) まあ。 94 00:07:16,269 --> 00:07:21,574 アハハッ ほんなら 今のうちに 私は 東京へ電報ば。 95 00:07:21,574 --> 00:07:23,610 ああ そうたい! 無事に着いたと はよ知らせな。 96 00:07:23,610 --> 00:07:26,446 本当に そうでした。それじゃあ。 お願いいたします。 97 00:07:26,446 --> 00:07:30,083 <11年ぶりの福岡には 昔のまんま➡ 98 00:07:30,083 --> 00:07:34,387 ひと味濃い人情が そのまま残っておりました。➡ 99 00:07:34,387 --> 00:07:42,128 そして夕方には それを代表する もう一人の女性が やって来ました> 100 00:07:42,128 --> 00:07:45,398 ほら 紳太郎。 ここばい。 101 00:07:45,398 --> 00:07:49,936 ここが いつも お母ちゃんが話しとる お友達のマリ子さんのうちたい。 102 00:07:49,936 --> 00:07:51,871 分かるね? (紳太郎)うん! 103 00:07:51,871 --> 00:07:55,108 (トミ子)うん 紳太郎は よか子やもんね。 104 00:07:55,108 --> 00:07:58,978 なら お母ちゃんが話ばしとる間 おとなしゅうしとんしゃいよ。 105 00:07:58,978 --> 00:08:02,482 (紳太郎)はい! 行こ 行こ。 106 00:08:05,552 --> 00:08:08,355 (トミ子) ごめんくださ~い! トミ子です! 107 00:08:08,355 --> 00:08:10,357 ⚟は~い! 108 00:08:12,892 --> 00:08:16,596 トミ子さん…! マリ子さん…! 109 00:08:18,565 --> 00:08:21,601 トミ子さん! マリ子さん! 110 00:08:21,601 --> 00:08:27,073 元気やった? (赤ちゃんの泣き声) 111 00:08:27,073 --> 00:08:29,576 あ~ よしよしよし。 112 00:08:51,264 --> 00:08:55,101 ごめんなさいね。 会うなり 早々 子守ばさせてしもうて。 113 00:08:55,101 --> 00:08:59,939 ううん マー姉ちゃんとは 積もる話もあるんでしょ?あるある。 114 00:08:59,939 --> 00:09:03,810 こういう非常時ですもの。 みんなで 力を合わせないと。 115 00:09:03,810 --> 00:09:06,546 ありがとう マチ子。 116 00:09:06,546 --> 00:09:08,581 けど 坊やの顔見るまでは トミ子さんが➡ 117 00:09:08,581 --> 00:09:11,217 いくら お母さんになったっていう お手紙頂いたって➡ 118 00:09:11,217 --> 00:09:13,153 実感 湧かなかったもんね。 119 00:09:13,153 --> 00:09:16,056 もう一人おるったい。 この真ん中に 女の子が。 120 00:09:16,056 --> 00:09:17,991 うわ~! 頑張ったのね! 121 00:09:17,991 --> 00:09:22,729 (トミ子)何せ 産めよ増やせよと お上のお達しだけんね。 122 00:09:22,729 --> 00:09:26,900 坊や お母様たちがお話ししている間 おねえちゃんと遊ぼうか。 123 00:09:26,900 --> 00:09:30,370 うん! まあ 元気な いい子ね。 124 00:09:30,370 --> 00:09:33,740 な~ん。 猫かぶっとるとは初めのうちだけたい。 125 00:09:33,740 --> 00:09:37,077 ものの10分もしたら マチ子さん 気ぃ付けんといかんよ。 126 00:09:37,077 --> 00:09:40,113 男の子は それぐらいじゃないといかんよ。 ねっ? 127 00:09:40,113 --> 00:09:42,582 ほら さあ 行こう。 128 00:09:42,582 --> 00:09:45,919 え~っと お名前は? 紳太郎! 129 00:09:45,919 --> 00:09:47,854 「新太郎」…? 130 00:09:47,854 --> 00:09:51,591 (トミ子) うん。 紳士の「紳」に「太郎」と書くとよ。 131 00:09:51,591 --> 00:09:55,395 ああ~ そう。 紳太郎ちゃんね。 132 00:09:55,395 --> 00:09:57,697 そんじゃあ 紳太郎君。 133 00:10:00,100 --> 00:10:02,936 <字こそ違え 「新太郎」とは➡ 134 00:10:02,936 --> 00:10:09,142 新八郎と共に付けた まだ見ぬ2人の子供の名前だったのです> 135 00:10:12,612 --> 00:10:18,284 (トミ子)やっと2人になれたね。 ええ。 136 00:10:18,284 --> 00:10:22,956 ばってん 歓迎陣が少ないと思うたらいかんよ。 137 00:10:22,956 --> 00:10:26,793 ヨウ子ちゃんば連れての旅だけん みんな疲れとんなさるやろって➡ 138 00:10:26,793 --> 00:10:29,295 今日のところは 遠慮してもらったとやけんね。 139 00:10:29,295 --> 00:10:33,166 まあ そうだったの。 140 00:10:33,166 --> 00:10:36,169 あら? お子たちは? マチ子さんが遊ばせてくれとります。 141 00:10:36,169 --> 00:10:40,306 お母ちゃん! (はる)まあ! 142 00:10:40,306 --> 00:10:43,143 それで ヨウ子ちゃんのあんばいは どげんふうですか? 143 00:10:43,143 --> 00:10:46,446 ええ 早速 お医者さんに 来ていただいたんですけどね➡ 144 00:10:46,446 --> 00:10:48,515 東京から揺られどおしだったでしょ? 145 00:10:48,515 --> 00:10:51,317 だから 熱は4~5日上がるでしょうって。 146 00:10:51,317 --> 00:10:56,122 ご心配ですね。 大丈夫。 とにかく帰ってきたんですもの。 147 00:10:56,122 --> 00:10:58,658 百道の海の空気を 胸いっぱい吸えば➡ 148 00:10:58,658 --> 00:11:01,261 必ず よくなるわ あの子。 149 00:11:01,261 --> 00:11:05,598 実は そのことで よか話ば持ってきたとです。 150 00:11:05,598 --> 00:11:08,501 ヨウ子ちゃんば 入院させたら どげんでしょうか? 151 00:11:08,501 --> 00:11:10,470 (はる)入院? はい。 152 00:11:10,470 --> 00:11:15,275 今津の浜に 胸を患っとる人ばかり 入院しとんしゃる療養所があるとです。 153 00:11:15,275 --> 00:11:18,278 まあ それは いいお話ですけど。 154 00:11:18,278 --> 00:11:22,148 (トミ子)ただ 少々 荒療治いう うわさも ありますばってん➡ 155 00:11:22,148 --> 00:11:24,417 評判は悪うはなかとですよ。 156 00:11:24,417 --> 00:11:26,486 荒療治? いいじゃありませんか。 157 00:11:26,486 --> 00:11:29,255 よくなるための荒療治ならば。 158 00:11:29,255 --> 00:11:34,427 (トミ子)はい まず 病気に打ち勝つだけの 体力ば 病人につけさせるいうのが➡ 159 00:11:34,427 --> 00:11:36,362 あそこの先生の持論だそうです。 160 00:11:36,362 --> 00:11:41,301 結構です。 病人だからというて 大事にするだけが能ではありまっしぇん。 161 00:11:41,301 --> 00:11:44,637 でも せっかく 4人そろって帰ってきたのですもの。 162 00:11:44,637 --> 00:11:46,973 やっぱり 手元で看病してやった方が…。 163 00:11:46,973 --> 00:11:49,876 いいえ 本当にヨウ子のことを思ったら➡ 164 00:11:49,876 --> 00:11:52,645 そういう療養所に入れた方が いいんですよ。 165 00:11:52,645 --> 00:11:57,450 ただ こっちが その気でも 向こうが なかなか入れてくれんと思います。 166 00:11:57,450 --> 00:12:00,353 ああ だったら…。 体当たりあるのみです。 167 00:12:00,353 --> 00:12:04,591 (トミ子)はい。 うちも主人と ほかから回せる手は 全部回すばってん➡ 168 00:12:04,591 --> 00:12:09,262 やっぱり 身内の方が なんとしてでも お願いした方が強かですけんね。 169 00:12:09,262 --> 00:12:12,165 大丈夫 体当たりなら任せてちょうだい。 170 00:12:12,165 --> 00:12:14,133 マリ子さん。 171 00:12:14,133 --> 00:12:17,604 東京では 体当たりの繰り返しだったんですもの。 172 00:12:17,604 --> 00:12:21,474 もう昔の私ではなかとよ! そうね。 173 00:12:21,474 --> 00:12:23,943 そんなら 力を合わせて…。 174 00:12:23,943 --> 00:12:26,279 「たたけよ さらば開かれん」。 175 00:12:26,279 --> 00:12:30,783 そうです。 ヨウ子のために 早速 その療養所を たたきましょう。➡ 176 00:12:30,783 --> 00:12:33,686 マリ子 明日 早速行ってらっしゃい。 177 00:12:33,686 --> 00:12:36,122 はい。 178 00:12:36,122 --> 00:12:42,629 <ということになれば この一家の 一致団結に立ち向かえる敵はなく…> 179 00:12:42,629 --> 00:12:45,431 (療養所長)はあ… また あんたね。 180 00:12:45,431 --> 00:12:49,302 はい また私です。 そして明日は 妹のマチ子。 181 00:12:49,302 --> 00:12:53,306 その次は 母の順番で またまた お願いに上がるつもりですから。 182 00:12:53,306 --> 00:12:57,043 (療養所長)しかしだね この療養所も手いっぱいなんだよ。 183 00:12:57,043 --> 00:13:00,380 存じています。 決して迷惑はおかけしませんし➡ 184 00:13:00,380 --> 00:13:04,250 できるだけ手のかからないよう 手伝いの者は家族の者で➡ 185 00:13:04,250 --> 00:13:07,153 交代に参りますから。 う~ん…。 186 00:13:07,153 --> 00:13:10,757 入れる時は みんな そげんふうなこと 言うとやけどね➡ 187 00:13:10,757 --> 00:13:13,593 ここは姥捨山とは違うけんね。 188 00:13:13,593 --> 00:13:16,396 姥捨山? (療養所長)そうたい。➡ 189 00:13:16,396 --> 00:13:21,934 このご時世に 病人を抱えとったら 共倒れになるうちが出るとも よう分かる。 190 00:13:21,934 --> 00:13:27,273 しかし 入れたが最後 見舞いはおろか 病人の洗濯もんにも来んし➡ 191 00:13:27,273 --> 00:13:33,413 食糧も運ばんようでは かえって病人に 気落ちさせるようなもんばい。 192 00:13:33,413 --> 00:13:35,948 でしたら 人質を置きます。 193 00:13:35,948 --> 00:13:37,984 ひ… 人質? はい。 194 00:13:37,984 --> 00:13:41,621 母を人質に置いて 病人と その2人分の食料は➡ 195 00:13:41,621 --> 00:13:43,956 妹と私で 交代に運びます。 196 00:13:43,956 --> 00:13:48,795 そして その人質には その方たちの お掃除や お洗濯をさせますから➡ 197 00:13:48,795 --> 00:13:52,665 お願いします。 う~ん… しかしだね…。 198 00:13:52,665 --> 00:13:54,967 それに おまけに その人質は➡ 199 00:13:54,967 --> 00:13:59,439 他人の苦しみを黙って見ていられない という奇特な病気の持ち主なんです。 200 00:13:59,439 --> 00:14:02,909 ですから 看護している方たちや 入院している方たちに➡ 201 00:14:02,909 --> 00:14:05,578 喜んでいただけること請け合いです。 202 00:14:05,578 --> 00:14:09,916 本当ね? はい 神かけて誓います。 203 00:14:09,916 --> 00:14:12,952 じゃあ 一度 その人質…➡ 204 00:14:12,952 --> 00:14:16,589 いや その お母さんと話し合ってみるか。 205 00:14:16,589 --> 00:14:20,093 はい それがいいと思います。 206 00:14:20,093 --> 00:14:22,595 迷うことはありません。 207 00:14:22,595 --> 00:14:24,597 なるほど。 208 00:14:26,265 --> 00:14:29,936 結構です。 よう やりました。 はい。 209 00:14:29,936 --> 00:14:33,606 よかったわね ヨウ子。 これで必ず元気になれるわよ! 210 00:14:33,606 --> 00:14:37,310 (ヨウ子)はい! あっ 窓開けようか。 211 00:14:44,951 --> 00:14:52,258 <疎開早々 早くも一家には 明るい希望が湧いてきました>