1 00:00:03,170 --> 00:00:09,276 ♬~(テーマ音楽) 2 00:00:09,276 --> 00:01:07,067 ♬~ 3 00:01:12,773 --> 00:01:14,808 (隆太郎)では いたてきもんで。 4 00:01:14,808 --> 00:01:16,944 (貴美)いたておさいじゃんせ。 5 00:01:16,944 --> 00:01:20,447 (マリ子)行ってまいります。 はい 行っていらっしゃい。 6 00:01:22,816 --> 00:01:25,652 <春は いわゆる端境期。➡ 7 00:01:25,652 --> 00:01:28,555 作物の出来が早い南の国でも➡ 8 00:01:28,555 --> 00:01:33,961 昭和19年の このころとなると 急速に食糧事情が悪くなり➡ 9 00:01:33,961 --> 00:01:38,665 しゅうとの隆太郎は 食糧増産戦士です> 10 00:01:45,672 --> 00:01:49,142 (花江)ごめんくださいませ。 岩村でございます。 11 00:01:49,142 --> 00:01:51,645 (貴美)まあ 岩村さん。➡ 12 00:01:51,645 --> 00:01:55,148 さあ どうぞ お上がりくださいませ。➡ 13 00:01:55,148 --> 00:01:58,051 ただいま 取り散らかしておりますけれど…。➡ 14 00:01:58,051 --> 00:02:01,922 さあ どうぞ。 失礼いたします。 15 00:02:01,922 --> 00:02:04,725 (貴美)さあ こちらへ どうぞ。 16 00:02:08,395 --> 00:02:11,765 まあ お出迎えもいたしませんで。 17 00:02:11,765 --> 00:02:15,102 (花江)いいえ こんな時間にお伺いしたんですもの。➡ 18 00:02:15,102 --> 00:02:17,037 どうぞ もう そのままで。 19 00:02:17,037 --> 00:02:22,275 ただいま お茶を。 (花江)いえ それより マリ子さんは? 20 00:02:22,275 --> 00:02:28,081 はい たった今 主人と 駅に寄ってから➡ 21 00:02:28,081 --> 00:02:32,986 そちら様へ伺う予定で 出かけましたけれど。 22 00:02:32,986 --> 00:02:37,290 駅と申しますと まさか福岡へ戻ったわけでは…? 23 00:02:37,290 --> 00:02:42,796 いえいえ ヨウ子さん宛に 荷物を送るとか申しまして。 24 00:02:42,796 --> 00:02:47,434 あらまあ。 それじゃあ 一足違いでございましたわ。 25 00:02:47,434 --> 00:02:52,272 (貴美)と申しますと? あっ いえ ゆうべ➡ 26 00:02:52,272 --> 00:02:57,110 主人の古いお友達とかが お見えになりましてね➡ 27 00:02:57,110 --> 00:03:02,816 このとおり いろいろと珍しいものを 頂戴いたしましたのよ。 28 00:03:05,252 --> 00:03:09,256 (貴美)まあ! 黒砂糖ではございませんの。 29 00:03:09,256 --> 00:03:12,926 (花江)それから これは 高麗ニンジンの粉だそうですわ。 30 00:03:12,926 --> 00:03:15,962 ですから ヨウ子さんに 送ってあげたらどうかと思いまして➡ 31 00:03:15,962 --> 00:03:18,732 大急ぎで出てまいりましたんですけれど。 32 00:03:18,732 --> 00:03:23,570 まあ それは結構なものを ありがとうございました。 33 00:03:23,570 --> 00:03:27,774 マリ子が さぞ喜ぶことでしょう。 34 00:03:27,774 --> 00:03:31,111 はい 今夜にでも 早速 荷造りをして➡ 35 00:03:31,111 --> 00:03:33,947 明日にでも 送らせればよろしいのですから。 36 00:03:33,947 --> 00:03:38,785 そうですか。 ゆうべのうちに お届けすれば よろしかったのに➡ 37 00:03:38,785 --> 00:03:41,688 私が 気が利かないもんですから➡ 38 00:03:41,688 --> 00:03:43,957 本当に 二度手間をおかけいたしまして。 39 00:03:43,957 --> 00:03:48,628 いいえ。 荷物というものは 1つより2つの方が➡ 40 00:03:48,628 --> 00:03:51,665 受ける側には うれしいものでございましてね。 41 00:03:51,665 --> 00:03:58,638 あら 本当。 そういえば そうでございますわね。 42 00:03:58,638 --> 00:04:00,607 いかがでございますか? 43 00:04:00,607 --> 00:04:04,077 こちらのお暮らしには お慣れになりましたか? 44 00:04:04,077 --> 00:04:10,250 ええ おかげさまで マリ子さんが いろいろと助けてくれるもんですから。 45 00:04:10,250 --> 00:04:12,252 それは よろしゅうございました。 46 00:04:12,252 --> 00:04:16,590 (花江)でも こちらのお嫁さんを 勝手に使わせていただきまして➡ 47 00:04:16,590 --> 00:04:21,461 本当に心苦しゅうございます。 とんでもございません。 48 00:04:21,461 --> 00:04:25,599 私どもは 息子ばかりでしたから➡ 49 00:04:25,599 --> 00:04:29,269 寝起きするにも マリ子がいることで➡ 50 00:04:29,269 --> 00:04:32,606 主人が とても うれしいようでございましてね。 51 00:04:32,606 --> 00:04:34,941 本当。 52 00:04:34,941 --> 00:04:38,612 それで もし お孫さんでも 連れて帰ってこられましたのなら➡ 53 00:04:38,612 --> 00:04:41,281 もっと お喜びいただけましたでしょうに。➡ 54 00:04:41,281 --> 00:04:43,950 残念でしたわ。 55 00:04:43,950 --> 00:04:48,255 奥様 もう そのことは…。 56 00:04:50,290 --> 00:04:54,161 あら まあ… どうしましょう 私 心ないことを…。 57 00:04:54,161 --> 00:04:58,165 いえ。 さあ お茶を おひとつ。 58 00:04:58,165 --> 00:05:01,234 (花江)ありがとうございます。 59 00:05:01,234 --> 00:05:07,040 <そのころ 話題の主は 駅の小荷物受け付けにおりました> 60 00:05:18,251 --> 00:05:21,254 (駅員)中身は何な? はい 書籍です。 61 00:05:21,254 --> 00:05:25,025 (駅員)書籍? はい ですから つまり 本です。 62 00:05:25,025 --> 00:05:28,895 本。 本っていうのは 本当に重いですね。 63 00:05:28,895 --> 00:05:30,897 ふう…。 64 00:05:32,599 --> 00:05:35,101 ん? 65 00:05:35,101 --> 00:05:37,037 あっ…。 66 00:05:37,037 --> 00:05:40,607 あの これはですね…。 (駅員)うんにゃ。➡ 67 00:05:40,607 --> 00:05:43,643 お米は没収ちいうことに 決まっとるから。 68 00:05:43,643 --> 00:05:47,781 待ってください。 妹が病気で 福岡の療養所に入院してるんです。 69 00:05:47,781 --> 00:05:51,651 とても重いんです。 ですから せめて ものが喉に通らなくなる前に➡ 70 00:05:51,651 --> 00:05:55,655 一口でもいい 白いご飯を食べさせてやりたい一心で…。 71 00:05:55,655 --> 00:05:58,792 福岡ち 福岡の どこな? 72 00:05:58,792 --> 00:06:02,229 はい そこに書いてあるように 今津の療養所です。 73 00:06:02,229 --> 00:06:04,731 ああ~ 今津か。 74 00:06:04,731 --> 00:06:06,766 あそこは よかとこたい。 75 00:06:06,766 --> 00:06:09,569 昔は あの浜で よう泳いだもんね。 76 00:06:09,569 --> 00:06:11,504 まあ ご存じなんですか? 77 00:06:11,504 --> 00:06:14,074 うん。 こまんか時に西新におったもんね。 78 00:06:14,074 --> 00:06:17,744 あっ 私も西新です。 ありゃ~。 79 00:06:17,744 --> 00:06:20,080 西新といっても 百道の方ですけれど。 80 00:06:20,080 --> 00:06:22,015 ほんなら 南西学院のある? 81 00:06:22,015 --> 00:06:24,951 はい 学院とは もう目と鼻の先ですたい。 82 00:06:24,951 --> 00:06:28,255 いや~ ほんなごとな。 83 00:06:28,255 --> 00:06:31,091 こりゃあ また珍しか。 84 00:06:31,091 --> 00:06:35,395 <別に珍しくも何ともないのですが…> 85 00:06:43,403 --> 00:06:47,274 あんた。 見んでもよかと。 あっ はい。 86 00:06:47,274 --> 00:06:52,612 まあ 病人に送るとなら 見逃してやるけん。➡ 87 00:06:52,612 --> 00:06:55,949 これっきりたい。 よかね? よかです。 88 00:06:55,949 --> 00:07:00,921 そんなら 荷造りの方は あとで わしが うまいこと処理しとくけん➡ 89 00:07:00,921 --> 00:07:03,356 人が来んうちに はよ行きんさい。 90 00:07:03,356 --> 00:07:06,359 こんとおりです。 ありがとうございました。 91 00:07:08,561 --> 00:07:11,364 (駅員)あ~ よかよか! はよ しんせ!➡ 92 00:07:11,364 --> 00:07:14,234 ほらほら 人が来るばい! 93 00:07:14,234 --> 00:07:17,938 じゃあ お願いします。 どうも。 94 00:07:20,040 --> 00:07:24,744 <大岡越前守ならぬ駅員守の 粋な計らいで➡ 95 00:07:24,744 --> 00:07:30,617 ともあれ 書籍荷物は その後も何度か 無事に療養所へ到着したようです> 96 00:07:30,617 --> 00:07:35,455 (はる)まあまあ。 またまた 貴重なお米を こんなに たくさん。 97 00:07:35,455 --> 00:07:39,592 あらあら こちらは黒砂糖ではないかしら? 98 00:07:39,592 --> 00:07:41,928 (マチ子)えっ 黒砂糖? 駄目ですよ。 99 00:07:41,928 --> 00:07:46,766 これはね ヨウ子のために 心を込めて送ってくれたんですからね。 100 00:07:46,766 --> 00:07:48,702 分かってます そんなこと。 101 00:07:48,702 --> 00:07:50,937 (ヨウ子)でも マッちゃん姉ちゃま ちょっと かじってみて。➡ 102 00:07:50,937 --> 00:07:55,442 本当に甘いかどうか? バカね ヨウ子ったら。 103 00:07:57,277 --> 00:08:00,880 (一平)はい ごめんよ。 (ヨウ子)あっ おじいちゃま! 104 00:08:00,880 --> 00:08:06,219 おお~ なかなか 顔色が ようなったようじゃないか ヨウ子ちゃん。 105 00:08:06,219 --> 00:08:09,556 (ヨウ子)はい おかげさまで。 ああ~ そうか よかった。 106 00:08:09,556 --> 00:08:14,361 いや 今日はな その ご褒美に いい土産ば 一つ持ってきた。 107 00:08:14,361 --> 00:08:16,296 あら まあ まあ もう どうぞ➡ 108 00:08:16,296 --> 00:08:19,065 お互いに 物のない時代でございますので…。 109 00:08:19,065 --> 00:08:23,903 いやいや こればっかりはな 何ぼ金を積んでも買えん贈り物たい。 110 00:08:23,903 --> 00:08:26,806 あら 何かしら? ねえ ヨウ子。 ええ。 111 00:08:26,806 --> 00:08:31,644 さあ それじゃあ 種明かしばすっか 手品の。➡ 112 00:08:31,644 --> 00:08:34,614 はい 入りんしゃい! 113 00:08:34,614 --> 00:08:36,616 ⚟は~い。 114 00:08:36,616 --> 00:08:41,921 (一平)さあ。お千代ねえや! お千代ねえやじゃなかと! まあ! 115 00:08:41,921 --> 00:08:43,957 (千代)あんばいは いかがですか? ヨウ子お嬢様。 116 00:08:43,957 --> 00:08:46,092 いつ? いつ帰ってきたの? 117 00:08:46,092 --> 00:08:48,395 はい 大祭が終わって すぐに汽車に飛び乗り➡ 118 00:08:48,395 --> 00:08:50,764 今朝 戻ってまいりました。 まあまあ。 119 00:08:50,764 --> 00:08:53,400 それは 本当に ご苦労さんでしたね。 120 00:08:53,400 --> 00:08:56,302 心行くまで お参りできましたか? 121 00:08:56,302 --> 00:09:00,206 はい。 あそこへ お参りしましたけん➡ 122 00:09:00,206 --> 00:09:03,543 高男さんは もう 帰ってはこなさらんとです。 123 00:09:03,543 --> 00:09:07,213 これ これ お千代ねえや。 124 00:09:07,213 --> 00:09:11,217 ばってん 天海さんのお母さんや ウラマドの奥様方には➡ 125 00:09:11,217 --> 00:09:13,887 本当に ようしていただきました。 126 00:09:13,887 --> 00:09:19,559 皆様方からも 早う ようなるようにと ヨウ子お嬢様に お言づけでしたよ。 127 00:09:19,559 --> 00:09:22,228 ありがとう。 懐かしいわね。 128 00:09:22,228 --> 00:09:24,164 ウラマドのおば様たち どうしていらっしゃる? 129 00:09:24,164 --> 00:09:28,034 はい ご恩返しのつもりで ごやっかいになってる間に➡ 130 00:09:28,034 --> 00:09:30,737 お千代が 畑ば作ってさしあげました。 131 00:09:30,737 --> 00:09:34,374 今頃 毎日 畑仕事に精出しよんなさることでしょう。 132 00:09:34,374 --> 00:09:37,577 畑? はい。 お庭を耕して➡ 133 00:09:37,577 --> 00:09:40,480 大根やら菜っぱの種を 植えてまいりましたけん➡ 134 00:09:40,480 --> 00:09:43,750 まあ ひとつきもすれば お汁の実には困らんでしょう。 135 00:09:43,750 --> 00:09:47,387 だったら おば様たちご自慢の バラの花は? 136 00:09:47,387 --> 00:09:50,256 バラの花では おなかいっぱいになりましぇん。 137 00:09:50,256 --> 00:09:53,927 ですけん 肥のくみ方まで お教えしてまいりました。 138 00:09:53,927 --> 00:09:55,862 まあ おいたわしい。 139 00:09:55,862 --> 00:09:59,098 いいえ 楽しみが出来たと 大喜びでしたよ。 140 00:09:59,098 --> 00:10:01,768 それでは あの おズボン姿で? 141 00:10:01,768 --> 00:10:04,604 はい。 もんぺは お持ちじゃないと おっしゃるけん➡ 142 00:10:04,604 --> 00:10:08,475 まあ ちょっと おかしな格好でしたけん しかたありまっしぇん。 143 00:10:08,475 --> 00:10:12,111 いや 全く あげんな滑稽な格好は➡ 144 00:10:12,111 --> 00:10:15,014 わしは この年になるまで 初めて見たばい。 145 00:10:15,014 --> 00:10:18,017 (笑い声) 146 00:10:23,423 --> 00:10:26,292 よし! それじゃあ 私も畑をやるか! 147 00:10:26,292 --> 00:10:29,796 あら マチ子お嬢ちゃまが? 畑ば? 148 00:10:29,796 --> 00:10:34,667 ええ 毎日 新聞社には出ていますけれど 何せ 紙面が足りないもんですから➡ 149 00:10:34,667 --> 00:10:37,670 仕事は お昼ごろから4時ぐらいまでなんです。 150 00:10:37,670 --> 00:10:40,306 余力は 十分残っています! 151 00:10:40,306 --> 00:10:42,242 お母様も いらっしゃることだし➡ 152 00:10:42,242 --> 00:10:45,144 ヨウ子に会うだけが 能じゃないですもんね。 153 00:10:45,144 --> 00:10:48,815 よし じゃあ わしと競争するか。 154 00:10:48,815 --> 00:10:51,718 おじいちゃまと? ああ そうたい。 155 00:10:51,718 --> 00:10:55,321 年は取っても 黒田武士たい。 まだまだ! 156 00:10:55,321 --> 00:10:58,992 でも お腰を痛めたら…。 何ば言うとるね。 157 00:10:58,992 --> 00:11:02,262 今にな もう カボチャでん トマトでん➡ 158 00:11:02,262 --> 00:11:05,164 マチ子さんと2人で 一生懸命 野菜ば作って➡ 159 00:11:05,164 --> 00:11:07,934 山ほど 担ぎ込んでくるけん。 160 00:11:07,934 --> 00:11:10,270 そしたら うちのお母様が泣いて喜んで➡ 161 00:11:10,270 --> 00:11:13,173 あちこちの病室に 分かち与えることでしょうよ。 162 00:11:13,173 --> 00:11:15,141 はい もちろんですとも。 163 00:11:15,141 --> 00:11:17,944 よし! なら お千代ねえやが マチ子お嬢様に➡ 164 00:11:17,944 --> 00:11:22,115 肥のくみ方 教えてさしあげましょう。 うわ~! 165 00:11:22,115 --> 00:11:26,619 「という いきさつで 私の方は 毎日 朝6時起きで➡ 166 00:11:26,619 --> 00:11:32,125 畑仕事に精を出す 至極健康的な日々を送っています」。 167 00:11:32,125 --> 00:11:35,962 (笑い声) じゃっどん こん手紙でも➡ 168 00:11:35,962 --> 00:11:38,798 ヨウ子さんのあんばいが ようなっていっちょるとが➡ 169 00:11:38,798 --> 00:11:41,701 目に見えるようじゃ。 ほんのこて。 170 00:11:41,701 --> 00:11:46,439 それもこれも お義父様や お義母様が ご自分のお口を お詰めになって➡ 171 00:11:46,439 --> 00:11:48,975 ヨウ子に お米を送ってくださったからですわ。 172 00:11:48,975 --> 00:11:50,910 私 本当に ありがたくて…。 173 00:11:50,910 --> 00:11:55,748 嫁の実家に病人があれば わしらが心配するのは当然のことじゃ。 174 00:11:55,748 --> 00:12:00,386 はい。 あとは ヨウ子さんの生命力じゃ。 175 00:12:00,386 --> 00:12:04,924 何としても生きようという一念が 物を言うとじゃ。 176 00:12:04,924 --> 00:12:10,730 はい。(隆太郎)これは 男や おなごの区別はなか。➡ 177 00:12:10,730 --> 00:12:14,100 新八郎じゃってん 同じ思いで➡ 178 00:12:14,100 --> 00:12:17,937 南のどこかで 気張っちょるじゃろう。 179 00:12:17,937 --> 00:12:30,650 ♬~ 180 00:12:30,650 --> 00:12:35,121 (笑い声) 181 00:12:35,121 --> 00:12:40,793 私も一度 その駅員さんのお顔を 拝みに行きたかとですよ。 182 00:12:40,793 --> 00:12:42,829 お顔は どうということはないのですけれど➡ 183 00:12:42,829 --> 00:12:45,298 相当な人物ですわよね あの人は。 184 00:12:45,298 --> 00:12:48,134 相当なのは マリ子さんの方じゃなかですか? 185 00:12:48,134 --> 00:12:52,639 「仏の顔も三度」と言われたくらいですから 多分そうだとは思いますけれど➡ 186 00:12:52,639 --> 00:12:55,308 なぜか お米を量りにかける頃になると➡ 187 00:12:55,308 --> 00:12:58,144 どこからともなく パラパラと お米が漏れてくるんですよ。 188 00:12:58,144 --> 00:13:02,915 はい 分かりました。 今度から荷は私が作りましょう。 189 00:13:02,915 --> 00:13:07,787 そうしたら そん大岡越前さんも そんなに悩まんでも済むでしょう。 190 00:13:07,787 --> 00:13:11,090 あ~っ! いけんしたとですか? 一体。 191 00:13:11,090 --> 00:13:13,026 すいません。 アハハッ! 192 00:13:13,026 --> 00:13:16,596 あの駅員さんの名前 大岡さんというんです。 193 00:13:16,596 --> 00:13:20,400 まあ! (笑い声) 194 00:13:20,400 --> 00:13:26,105 ないごっか? おはんらは まるで おごじょんごと笑い声を張り上げて。 195 00:13:26,105 --> 00:13:28,775 申し訳ございませんでした。 196 00:13:28,775 --> 00:13:31,678 今 新八郎さんの着物を。 うむ。 197 00:13:31,678 --> 00:13:35,648 洗い張りをしたら お義母様と一緒に 縫い直しておこうかと思いまして。 198 00:13:35,648 --> 00:13:38,418 そうか 新八郎の着物をか。 199 00:13:38,418 --> 00:13:41,788 やはり マリ子さんが仕立て上げた着物が➡ 200 00:13:41,788 --> 00:13:46,125 新八郎には 一番うれしいかと思いもして。 うむ。 201 00:13:46,125 --> 00:13:48,795 ですから いつ お帰りになってもいいように➡ 202 00:13:48,795 --> 00:13:51,431 今夜から お義母様と 夜なべをすることにいたしました。 203 00:13:51,431 --> 00:13:55,301 そいですから どうぞ お先に お休みやったもんせ。 204 00:13:55,301 --> 00:14:00,573 バカが。 何も わしを そげん追い出さんでもよかろうが。 205 00:14:00,573 --> 00:14:03,242 はあ? 第一 ゲラゲラ ペチャペチャ➡ 206 00:14:03,242 --> 00:14:05,244 とても寝られやせん。 まあ…。 207 00:14:05,244 --> 00:14:07,747 それは はしたなかことをいたしました。 208 00:14:07,747 --> 00:14:10,583 誰が はしたないと言うちょる? はあ? 209 00:14:10,583 --> 00:14:14,454 ほんのこて 鈍かおなごじゃ おはんは。 はい。 210 00:14:14,454 --> 00:14:16,456 分かりました。 お義父様は➡ 211 00:14:16,456 --> 00:14:19,092 仲間外れにするな という意味なのでしょう? 212 00:14:19,092 --> 00:14:21,394 まあ。 (隆太郎のせきこみ) 213 00:14:21,394 --> 00:14:24,764 マリ子さん… そげん はっきり言うもんじゃなかぞ。 214 00:14:24,764 --> 00:14:26,699 だって おんなじことですもの。 215 00:14:26,699 --> 00:14:30,636 そりゃあ まあ… そういうことじゃが…。 216 00:14:30,636 --> 00:14:32,638 (笑い声) 217 00:14:32,638 --> 00:14:35,475 (空襲警報) 電気! 218 00:14:35,475 --> 00:14:37,944 はい! 鉄かぶとと 長靴。 219 00:14:37,944 --> 00:14:39,879 はい! 220 00:14:39,879 --> 00:14:44,617 (空襲警報) 221 00:14:44,617 --> 00:14:49,956 <警戒警報のサイレンが 日本の空に 頻繁に響くようになったのは➡ 222 00:14:49,956 --> 00:14:53,259 このころからのことでした>