1 00:00:02,202 --> 00:00:08,141 ♬~(テーマ音楽) 2 00:00:08,141 --> 00:01:05,832 ♬~ 3 00:01:08,602 --> 00:01:11,638 <あの空襲の日に産まれた子を抱いて➡ 4 00:01:11,638 --> 00:01:16,276 トミ子一家が 焼け跡のバラックへ引き揚げたのが➡ 5 00:01:16,276 --> 00:01:20,948 磯野家に収容した 最後の焼け出されの客でした。➡ 6 00:01:20,948 --> 00:01:23,617 もう7月です> 7 00:01:23,617 --> 00:01:27,421 (マリ子)いいえ 運よく お産婆さんがいてくださったからですわ。 8 00:01:27,421 --> 00:01:31,291 (トミ子) このご恩は 一生忘れません おば様。 9 00:01:31,291 --> 00:01:33,627 (はる)気を付けてね。 はい。 10 00:01:33,627 --> 00:01:37,130 (千代)坊っちゃんたちも お元気でね。 (紳太郎)うん! 11 00:01:37,130 --> 00:01:39,433 (仙造)それじゃあ これで。 12 00:01:39,433 --> 00:01:41,368 (はる)お気を付けて。 はい。 13 00:01:41,368 --> 00:01:44,371 それじゃあ。 (はる)はい。 14 00:01:50,811 --> 00:01:54,514 また様子ば見に行くけんね! (トミ子)うん。 15 00:01:58,552 --> 00:02:03,924 (一平)いや~ 急にガランとなりましたな。 16 00:02:03,924 --> 00:02:05,959 皆さん それぞれの落ち着き先に➡ 17 00:02:05,959 --> 00:02:09,396 無事に落ち着いてくれたら よろしいんですけれど。 18 00:02:09,396 --> 00:02:16,103 ばってん 福岡の町も博多も 焼け野原になってしもうて…。 19 00:02:16,103 --> 00:02:21,408 ああ~ ほんなこと ひどか空襲だった。 20 00:02:21,408 --> 00:02:26,613 (千代)はい。 お産婦さんがいらしたから 口には出せんかったけど➡ 21 00:02:26,613 --> 00:02:29,282 皆殺しの空襲たい。 22 00:02:29,282 --> 00:02:34,121 あの翌日 焼けたうちば見に行く途中で 十五銀行の前 通ったら➡ 23 00:02:34,121 --> 00:02:36,623 それは もう…。 24 00:02:36,623 --> 00:02:39,960 あの銀行の地下室へ入って➡ 25 00:02:39,960 --> 00:02:45,132 まあ 100人くらいの人が 蒸し焼きになったとですよ。 26 00:02:45,132 --> 00:02:49,970 あんた あそこへ入れんかったのは 命拾いしたな お千代さん。 27 00:02:49,970 --> 00:02:53,306 はい。 28 00:02:53,306 --> 00:02:59,179 3月の東京の空襲も これと同じだったんでしょうかね?➡ 29 00:02:59,179 --> 00:03:06,753 もし そうだったら 酒田のご隠居様たちは どげんして逃げんしゃったかと思って。 30 00:03:06,753 --> 00:03:10,590 <いまだに消息の分からない 東京の人々を思う➡ 31 00:03:10,590 --> 00:03:14,094 みんなの心は同じでした> 32 00:03:17,764 --> 00:03:21,601 それじゃあ うちも そろそろ引き揚げ時ですけん。 33 00:03:21,601 --> 00:03:24,271 引き揚げるって 一体 どこへ? 34 00:03:24,271 --> 00:03:26,773 はい 焼けトタンでも拾ってくれば➡ 35 00:03:26,773 --> 00:03:29,810 床下に掘った防空壕でも 結構 暮らせるですよ はい。 36 00:03:29,810 --> 00:03:32,279 (はる) バカなこと言うんではありまっしぇん! 37 00:03:32,279 --> 00:03:34,214 奥様。 38 00:03:34,214 --> 00:03:37,417 (はる)あなたは この家から お嫁に行った人間ですよ。➡ 39 00:03:37,417 --> 00:03:39,953 嫁いだ家がなくなったら このうちへ帰ってくるのが➡ 40 00:03:39,953 --> 00:03:42,789 当然のことではありませんか。➡ 41 00:03:42,789 --> 00:03:48,295 あなたは ここで ずっと 私たちと 一緒に暮らせばいいのよ。 42 00:03:48,295 --> 00:03:51,498 そうよ そうですとも お千代ねえや。 43 00:03:53,633 --> 00:03:58,805 うちは あん火の中 逃げ回っとるうちに➡ 44 00:03:58,805 --> 00:04:01,708 高男さんの位はいば なくしてしもうたとです。 45 00:04:01,708 --> 00:04:04,377 お千代ねえや…。 46 00:04:04,377 --> 00:04:07,247 今まで 口には出して言えんかったけど➡ 47 00:04:07,247 --> 00:04:13,587 高男さんば 火の中に見捨てて のうのうと こんお宅で お世話になるわけには…。 48 00:04:13,587 --> 00:04:17,757 高男さんは あんたの身代わりになったとです。 49 00:04:17,757 --> 00:04:20,794 身代わり? そうたい。 50 00:04:20,794 --> 00:04:26,266 あんたは 本当なら あの十五銀行の 地下室で死んどったかもしれん。 51 00:04:26,266 --> 00:04:33,607 それを 高男さんが あんたを無事に 逃がしてくれたと思ったらいい。 52 00:04:33,607 --> 00:04:35,942 ご隠居様…。 53 00:04:35,942 --> 00:04:43,116 (一平)あんたが このうちで暮らすことを 一番安心しておるのは➡ 54 00:04:43,116 --> 00:04:46,419 高男さんじゃなかとですか。 55 00:04:46,419 --> 00:04:49,789 そうよ そうですとも。 56 00:04:49,789 --> 00:04:53,660 ねっ お母様。 ええ。 57 00:04:53,660 --> 00:04:56,296 物事を悪く考えてはいけませんよ。 58 00:04:56,296 --> 00:05:00,233 それから 勝手に 自分を責めてもいけまっしぇん。 59 00:05:00,233 --> 00:05:03,103 ここのうちに いたらいいのよ。 ねっ? 60 00:05:03,103 --> 00:05:05,972 もし このうちを 出ていかなければならない時は➡ 61 00:05:05,972 --> 00:05:11,578 それは 神が お決めになることですよ。 62 00:05:11,578 --> 00:05:15,916 奥様…。 ああ それでよか。 63 00:05:15,916 --> 00:05:24,391 ああ~ これで わしの この野菜作りも 威勢のいい相棒ば見つけて➡ 64 00:05:24,391 --> 00:05:28,895 本当に これから 気合いが…。 (笑い声) 65 00:05:33,099 --> 00:05:36,136 (ヨウ子)ちょっと聞いて。➡ 66 00:05:36,136 --> 00:05:39,272 飛行機の音がする。 でも 今日は…。 67 00:05:39,272 --> 00:05:42,609 艦載機ばい… あの音は艦載機の音ばい! 68 00:05:42,609 --> 00:05:44,644 こりゃ いかん。 こうしてはおられん。 69 00:05:44,644 --> 00:05:48,415 おじいちゃま 出たら駄目! (千代)今出たら 機銃掃射を食らうです! 70 00:05:48,415 --> 00:05:50,951 (機銃音) 71 00:05:50,951 --> 00:05:54,287 (騒ぎ声) 72 00:05:54,287 --> 00:05:56,790 マリ子嬢ちゃま! 73 00:05:56,790 --> 00:06:00,560 これ かぶって! お千代ねえや! 74 00:06:00,560 --> 00:06:03,363 (マチ子)早く こっち! こっち! 75 00:06:03,363 --> 00:06:06,666 (機銃音と悲鳴) 76 00:06:11,104 --> 00:06:14,007 待って! お母様! 77 00:06:14,007 --> 00:06:18,311 (艦載機の走行音と悲鳴) 78 00:06:22,582 --> 00:06:27,787 (悲鳴) 79 00:06:30,257 --> 00:06:34,127 (機銃音と悲鳴) 80 00:06:34,127 --> 00:06:36,429 (ヨウ子)おじいちゃま! 81 00:06:40,967 --> 00:06:45,805 <焼夷弾のあとは 機銃掃射で 連日 艦載機が襲ってくる➡ 82 00:06:45,805 --> 00:06:50,110 このごろのことでした。➡ 83 00:06:50,110 --> 00:06:56,283 そんな ある日 東京から 一通の手紙が舞い込みました。➡ 84 00:06:56,283 --> 00:07:01,054 無事に着いたことすら 当時 奇跡に近い出来事だったのです> 85 00:07:01,054 --> 00:07:02,989 大宗先輩から! えっ!? 86 00:07:02,989 --> 00:07:04,925 マー姉ちゃん宛に! 87 00:07:04,925 --> 00:07:08,361 よかった! 先輩 無事だったのね! 88 00:07:08,361 --> 00:07:12,065 (ヨウ子)早く読んでってば マー姉ちゃん。 ちょっと待って。 89 00:07:12,065 --> 00:07:14,367 よいしょ。 90 00:07:18,938 --> 00:07:21,741 「背景 度重なる にっくき空襲にも➡ 91 00:07:21,741 --> 00:07:25,578 皆々様には 必ずや 意気盛んに お過ごしのことと存じますが➡ 92 00:07:25,578 --> 00:07:28,381 その後 ヨウ子ちゃんのお体は いかがでしょうか?➡ 93 00:07:28,381 --> 00:07:31,584 気にしない日はないものの 何分と遠い空の下から➡ 94 00:07:31,584 --> 00:07:34,921 ただ ご回復を念じておるのみです」。 先輩…。 95 00:07:34,921 --> 00:07:38,758 まあ いつものことながら お優しいことね。 96 00:07:38,758 --> 00:07:41,394 マー姉ちゃん 早く その先を読んで。 うん。 97 00:07:41,394 --> 00:07:45,098 「さて 日本中各所に 空襲が激しき折なれば➡ 98 00:07:45,098 --> 00:07:49,769 この手紙も 無事 あなた様のお手元に 着くやいなや 定かではありませんが➡ 99 00:07:49,769 --> 00:07:54,607 本日 小生にも召集令状が届いたことを ご報告いたします」…。 100 00:07:54,607 --> 00:07:57,110 どうして!? 101 00:07:57,110 --> 00:08:00,547 だって 先輩には持病が… あるってね!? 102 00:08:00,547 --> 00:08:03,350 だから 兵役は免除されるって言ってたのに! 103 00:08:03,350 --> 00:08:07,554 でもね お城の司令部でも 大勢の兵隊さんが亡くなったんでしょう? 104 00:08:07,554 --> 00:08:09,489 だから 軍隊も もう そんなことは➡ 105 00:08:09,489 --> 00:08:12,058 言っていられなくなったのかも しれないわ。だからって 先輩に➡ 106 00:08:12,058 --> 00:08:14,728 敵が殺せるわけがないじゃありませんか! 107 00:08:14,728 --> 00:08:17,731 マー姉ちゃん お願い その先を! 108 00:08:19,366 --> 00:08:22,569 (はる)どうしたの? ううん 別に…。 109 00:08:22,569 --> 00:08:27,440 あ… ただ これで おしまい。 あとは ただの挨拶だから。 110 00:08:27,440 --> 00:08:29,743 そんなはずないわ。 111 00:08:29,743 --> 00:08:34,581 だって 先輩が田河先生の消息を 知らせてこないわけがないもの。 112 00:08:34,581 --> 00:08:37,250 まさか 日暮里のおばあちゃまが…! ううん 違うってば! 113 00:08:37,250 --> 00:08:41,121 あとは 本当に ただの挨拶と ごく個人的なことだから。 114 00:08:41,121 --> 00:08:43,757 いいじゃないの 個人的なことだったら。 115 00:08:43,757 --> 00:08:47,394 今まで 先輩は 磯野家の誰彼を 区別しなかったじゃないの。 116 00:08:47,394 --> 00:08:50,764 でも そうはいかないのよ。 ひどいわ マー姉ちゃん。 117 00:08:50,764 --> 00:08:55,268 お願い 信じて。 本当に 東京の人たちの悪い知らせじゃないの。 118 00:08:55,268 --> 00:08:58,271 だったら! 本当に個人的なことなの。 119 00:08:58,271 --> 00:09:03,009 出征にあたって 個人的なことを相談してきたの。 120 00:09:03,009 --> 00:09:09,349 ここから先を読んだら 大宗さんの信頼を 裏切ることになっちゃう。 でしょう? 121 00:09:09,349 --> 00:09:11,718 ねっ お母様。 122 00:09:11,718 --> 00:09:15,355 分かりました。 でも 大変なことだったら➡ 123 00:09:15,355 --> 00:09:17,724 一人で 背負いこむことはないんですよ。 124 00:09:17,724 --> 00:09:21,061 私たち みんなで いつでも 力になりますからね。 125 00:09:21,061 --> 00:09:23,563 すいません。 126 00:09:23,563 --> 00:09:25,598 マー姉ちゃん! (はる)おやめなさい。➡ 127 00:09:25,598 --> 00:09:28,902 あれは マリ子に来た手紙ですよ。 でも…。 128 00:09:28,902 --> 00:09:31,571 いいえ。 待つんですよ。 129 00:09:31,571 --> 00:09:34,073 その時が来れば マリ子のことですもの。 130 00:09:34,073 --> 00:09:37,744 きっと その先を教えてくれるに 決まっていますもの。 131 00:09:37,744 --> 00:09:42,916 <とはいうものの マリ子にとって その先を公開することは➡ 132 00:09:42,916 --> 00:09:45,952 とてもできない相談でした> 133 00:09:45,952 --> 00:09:51,257 (均)「しかしながら 小生のような者にまで 赤紙が来るようでは➡ 134 00:09:51,257 --> 00:09:54,761 この戦争も 行き着くところまで 行くことでしょうし➡ 135 00:09:54,761 --> 00:10:00,633 小生の生還も望めるものではないことを 覚悟いたしております。➡ 136 00:10:00,633 --> 00:10:05,772 覚悟したればこそ 恥を忍んで 死ぬ前にひと言➡ 137 00:10:05,772 --> 00:10:12,545 小生の心中を 今 思い切って 打ち明ける次第であります。➡ 138 00:10:12,545 --> 00:10:18,952 マリ子さん あなたは小生の生涯において➡ 139 00:10:18,952 --> 00:10:25,425 終生 思い続けるであろう たった一人の女性でした」。 140 00:10:25,425 --> 00:10:29,629 <それは 絶対に死ぬ身であると思えばこそ➡ 141 00:10:29,629 --> 00:10:35,802 綿々とつづった 均の切ない愛の告白だったのです> 142 00:10:35,802 --> 00:10:45,512 ♬~ 143 00:10:45,512 --> 00:10:51,317 (均)「もとより あなたには 東郷新八郎氏という夫君があり➡ 144 00:10:51,317 --> 00:10:56,189 人妻で それも帝国軍人の夫人である方に➡ 145 00:10:56,189 --> 00:10:59,459 このような破廉恥なる手紙を 書きましたこと➡ 146 00:10:59,459 --> 00:11:07,934 何とぞ 死に行く者の心の叫びとして お許しあらんことを切に願う次第です。➡ 147 00:11:07,934 --> 00:11:10,403 マリ子さん➡ 148 00:11:10,403 --> 00:11:13,606 あなたは 初めて会った その時から➡ 149 00:11:13,606 --> 00:11:19,112 僕にとって 夜も日も忘れえぬ人と なってしまったのです」。 150 00:11:19,112 --> 00:11:24,617 知らない 知らない… 私は知らない…。 151 00:11:31,824 --> 00:11:35,428 <昭和20年8月6日。➡ 152 00:11:35,428 --> 00:11:42,635 原子爆弾が 人類史上初めて広島へ 9日には 長崎に投下され➡ 153 00:11:42,635 --> 00:11:48,508 一瞬の業火に 何十万という命が この忌まわしい きのこ雲の中に➡ 154 00:11:48,508 --> 00:11:53,646 傷つき あるいは失われていったのです。➡ 155 00:11:53,646 --> 00:11:58,318 同じ日に ソ連参戦。➡ 156 00:11:58,318 --> 00:12:01,754 このままでは 日本人の どれだけが生き残れるか➡ 157 00:12:01,754 --> 00:12:05,091 分からない ありさまでした> 158 00:12:05,091 --> 00:12:07,026 新型爆弾っていうのは➡ 159 00:12:07,026 --> 00:12:09,929 落下傘のようなものをつけて 落ちてくるから➡ 160 00:12:09,929 --> 00:12:13,266 それを見たら 確実に退避しろっていうんでしょう? 161 00:12:13,266 --> 00:12:16,269 今までは 白かもんを着てたら 艦載機に狙われるから➡ 162 00:12:16,269 --> 00:12:20,773 いかんという お達しだったとに どげんしたことでしょう? 163 00:12:20,773 --> 00:12:24,611 つまり 新型爆弾というのは 光に威力があるらしいのよ。 164 00:12:24,611 --> 00:12:26,646 光に? うん。 165 00:12:26,646 --> 00:12:29,482 白いものっていうのは 光を反射するでしょう。 166 00:12:29,482 --> 00:12:34,621 だから 白い着物を着ていた方が その威力を避けられるらしいの。 167 00:12:34,621 --> 00:12:38,324 それにしても 恐ろしい爆弾よね。 168 00:12:39,959 --> 00:12:43,796 悲しいことですね。 169 00:12:43,796 --> 00:12:48,968 こうして 私たちが無事でいられることに 感謝しながら➡ 170 00:12:48,968 --> 00:12:52,438 この方たちのために お祈りをしましょうね。 171 00:12:52,438 --> 00:12:54,440 はい。 172 00:12:56,976 --> 00:13:01,247 (軍平)磯野さん 磯野さん! 大変ばい! また 艦載機ですか!? 173 00:13:01,247 --> 00:13:03,249 (加津子)それどころじゃなかとですよ。 174 00:13:03,249 --> 00:13:06,386 艦載機なら うちの中を逃げ回っとれば よかとですばってん➡ 175 00:13:06,386 --> 00:13:09,589 その逃げ回るうちが のうなるとですよ! 176 00:13:09,589 --> 00:13:11,524 うちが なくなるって あの…。 177 00:13:11,524 --> 00:13:13,459 間引き疎開ばい! 178 00:13:13,459 --> 00:13:16,262 (千代)ほんなら このうちを 取り壊すとですか? 179 00:13:16,262 --> 00:13:19,766 そうたい。 そこで 今夜 隣組の常会ば開いて➡ 180 00:13:19,766 --> 00:13:21,701 そん通達があるとですよ。 181 00:13:21,701 --> 00:13:25,405 そんなの困ります! ばってん…。 182 00:13:25,405 --> 00:13:29,275 だって このうちを壊したら 私たちは住む所がないじゃないですか! 183 00:13:29,275 --> 00:13:33,146 (軍平)ばってん これは 防空体制の一つであるからして…。 184 00:13:33,146 --> 00:13:36,149 私は断固反対です! 185 00:13:36,149 --> 00:13:38,985 ばってん わしが言いだしたことじゃなかけんね。 186 00:13:38,985 --> 00:13:41,287 だったら 言いだした人に言います。 187 00:13:41,287 --> 00:13:43,956 このうちだけは 絶対に手はつけさせません! 188 00:13:43,956 --> 00:13:48,428 (加津子)マリ子さん…。 だって うちには 病人がいるんですよ!? 189 00:13:48,428 --> 00:13:50,496 このうちでも こんなうちでも 残っていれば➡ 190 00:13:50,496 --> 00:13:54,133 焼け出された人たちの 役に立つじゃありませんか。 191 00:13:54,133 --> 00:13:57,804 それを壊してしまったら それこそ 元も子もなくなります! 192 00:13:57,804 --> 00:14:02,375 そうよ! マー姉ちゃん 私も動かないわ。 193 00:14:02,375 --> 00:14:05,278 作業隊が来て このうちを引き倒したとしても➡ 194 00:14:05,278 --> 00:14:08,915 絶対 私 動きません! うちも 応援します! 195 00:14:08,915 --> 00:14:11,818 市長さん所でん どこでん 一緒にお供しますよ! 196 00:14:11,818 --> 00:14:14,087 そんなら うちも! 197 00:14:14,087 --> 00:14:18,925 ばってん これは 軍の命令や思うけんね…。 198 00:14:18,925 --> 00:14:20,960 軍でも何でも構いません。 199 00:14:20,960 --> 00:14:24,097 常会は常会で 今夜 確かに出ます。 200 00:14:24,097 --> 00:14:29,268 ですから 私は明日 市長さんに会いに行ってきます! 201 00:14:29,268 --> 00:14:31,204 いいですね? お母様。 202 00:14:31,204 --> 00:14:34,941 結構ですよ。 そのかわり しっかりと性根を据えて➡ 203 00:14:34,941 --> 00:14:38,611 後悔のないように ちゃんと 自分の考えを 述べてくるんですよ。 204 00:14:38,611 --> 00:14:42,281 はい! では そうします。 205 00:14:42,281 --> 00:14:47,620 <さて 降って湧いたような この間引き疎開事件。➡ 206 00:14:47,620 --> 00:14:51,324 一体 どうなることなのでしょうか?>