1 00:00:02,202 --> 00:00:08,942 ♬~(テーマ音楽) 2 00:00:08,942 --> 00:01:06,633 ♬~ 3 00:01:08,268 --> 00:01:11,271 ⚟(マチ子)ただいま~! ⚟(マリ子)遅くなりました~! 4 00:01:11,271 --> 00:01:14,775 (マドカ)さあ 早く! 塚田さん お待ちかねでいらっしゃいますわよ➡ 5 00:01:14,775 --> 00:01:18,111 マリ子さん。 はい。 6 00:01:18,111 --> 00:01:21,415 (マドカ)さあ! さあさあ! まあ 塚田さん! 7 00:01:21,415 --> 00:01:23,350 (塚田)「まあ」じゃないよ!➡ 8 00:01:23,350 --> 00:01:25,953 しびれ切らして帰ろうと思ってたんだ。 申し訳ありませんでした。 9 00:01:25,953 --> 00:01:28,622 (塚田)当たり前だよ。 見たんだろ? 俺の広告を。 10 00:01:28,622 --> 00:01:32,292 はい おかげさまで 東京に出てくる きっかけを作っていただきまして➡ 11 00:01:32,292 --> 00:01:35,195 ありがとうございました。 (塚田)きっかけって 冗談じゃないよ。 12 00:01:35,195 --> 00:01:38,632 また 君たちに活躍してもらおうと思って 呼びかけたのに➡ 13 00:01:38,632 --> 00:01:41,301 おい 何だ? 出版やるんだって? 14 00:01:41,301 --> 00:01:45,138 まあ! さすが 鬼の塚田さん。 お耳が早くていらっしゃいますのね。 15 00:01:45,138 --> 00:01:48,642 鬼? (ウララ)まあ さあどうぞ お掛けあそばして。 16 00:01:48,642 --> 00:01:52,145 大事なお話なんざましょう。 立ち話は よくないことですよ。 17 00:01:52,145 --> 00:01:54,181 まあまあ しかしですな…。 お久しぶりでございました。 18 00:01:54,181 --> 00:01:58,652 あの節は いろいろと お世話をいただき 本当に ありがとうございました。 19 00:01:58,652 --> 00:02:03,090 いやいや… あんたたちも 無事で何よりでした。 20 00:02:03,090 --> 00:02:06,593 それにしてもだな 顔も見せないとは けしからんぞ 全く! 21 00:02:06,593 --> 00:02:10,464 すみません。 途中で 一度 陽談社の方へ お電話差し上げたんですけども➡ 22 00:02:10,464 --> 00:02:13,467 塚田さん 外出中でいらしたもので。 当たり前じゃないか。 23 00:02:13,467 --> 00:02:15,769 均ちゃんから電話もらって あんたたちが来てるっていうから➡ 24 00:02:15,769 --> 00:02:18,805 早速 田河邸へ すっ飛んでったら 2人とも 消えたあとだった。 25 00:02:18,805 --> 00:02:21,408 あら 大宗先輩からですか? ああ。 26 00:02:21,408 --> 00:02:24,945 (ウララ)さあ どうぞ どうぞ。 はあ。 27 00:02:24,945 --> 00:02:30,117 とにかく こっちも忙しい体なんだからさ あんまり右往左往させるなよ。 28 00:02:30,117 --> 00:02:32,786 すみません 紙屋さんに回ってたものですから。 29 00:02:32,786 --> 00:02:36,423 それで マッちゃんの漫画を 出版するんだって? 30 00:02:36,423 --> 00:02:38,959 はい。 「サザエさん」といって連載物です。 31 00:02:38,959 --> 00:02:41,995 そんなこと 一回連絡してくれりゃあ こっちで出してやったじゃないか。 32 00:02:41,995 --> 00:02:46,299 はい。 でも もう お金を渡して お願いしてきてしまいました。 33 00:02:46,299 --> 00:02:48,802 どこへ!? 昭栄洋紙店といって➡ 34 00:02:48,802 --> 00:02:51,438 印刷も製本も やってくれる所なんです。 35 00:02:51,438 --> 00:02:53,507 それで 一体いくら置いてきたの? 36 00:02:53,507 --> 00:02:56,276 5万円です。 何!? 37 00:02:56,276 --> 00:02:58,645 5万円 内金として置いてきました。 38 00:02:58,645 --> 00:03:02,382 まあ マリ子さん! そんな大金を初対面の方にですか? 39 00:03:02,382 --> 00:03:05,585 でも 紙を確保しないと どうしようもならないらしいんです。 40 00:03:05,585 --> 00:03:10,090 このバカ! 知らんぞ 俺は。 はあ? 41 00:03:10,090 --> 00:03:15,395 カストリ雑誌の氾濫でな 今の出版界は百鬼夜行なんだ。 42 00:03:15,395 --> 00:03:18,932 一晩で消えちまう取次店や 出版社があるくらいなんだぞ。 43 00:03:18,932 --> 00:03:22,769 はい どうぞ。 いや…。 44 00:03:22,769 --> 00:03:25,672 とにかく 食い逃げでもされたら どうするんだよ! 45 00:03:25,672 --> 00:03:28,408 本当に どうするんでございましょうね。 46 00:03:28,408 --> 00:03:30,343 そんなことあるはずが…。 47 00:03:30,343 --> 00:03:34,214 そうよ。 たとえ食い逃げされたとしても もう さいは投げられてしまったんだし。 48 00:03:34,214 --> 00:03:36,783 信じるよりほかはありません。 49 00:03:36,783 --> 00:03:38,719 むちゃくちゃだな もう…。 50 00:03:38,719 --> 00:03:42,656 だって 福岡のうちの半分を渡したと 同じなんですもの。 51 00:03:42,656 --> 00:03:46,293 もう私は食い逃げされたら 断固承知いたしません! 52 00:03:46,293 --> 00:03:48,228 そう そう。 そうですとも! 53 00:03:48,228 --> 00:03:51,164 草の根分けてでも捜し出し 私 言ってやります。 54 00:03:51,164 --> 00:03:53,800 ろくな死に方しないわよって。 おやりあそばせ。 55 00:03:53,800 --> 00:03:56,436 そうなったら 私たちも断固応援いたしますわよ! 56 00:03:56,436 --> 00:03:58,505 ええ 私だって やりますわよ! 57 00:03:58,505 --> 00:04:03,577 いや まあ… まあね 昭栄洋紙なら まあ ブローカーとは違うし➡ 58 00:04:03,577 --> 00:04:05,512 そんなことも まず ないとは思うけどね。 59 00:04:05,512 --> 00:04:08,248 まあ… だったら 何で そんな脅かすようなこと➡ 60 00:04:08,248 --> 00:04:10,250 おっしゃるんですか。 そうですわよ。 61 00:04:10,250 --> 00:04:13,587 マリ子さんたちが おかわいそうよ! いやいや… 落ち着いてくださいよ。 62 00:04:13,587 --> 00:04:17,390 いえ 私は大丈夫です。 あっ それじゃ どうぞ お紅茶を。 63 00:04:17,390 --> 00:04:19,326 お紅茶を どうぞ。 はい…。 64 00:04:19,326 --> 00:04:21,261 (マドカ)おいしいのよ。 はい 頂きます。 65 00:04:21,261 --> 00:04:23,263 それで その プランは出来てんの? 66 00:04:23,263 --> 00:04:25,932 いえ そういうところは まだ…。 67 00:04:25,932 --> 00:04:28,969 まだって… だって出版するんだろ? あんた。 68 00:04:28,969 --> 00:04:31,104 はい。 69 00:04:31,104 --> 00:04:34,608 どうしようもないな…。 70 00:04:34,608 --> 00:04:37,110 とにかく その… ちょっと 原稿 見してごらんよ。 71 00:04:37,110 --> 00:04:39,112 はい。 72 00:04:46,620 --> 00:04:50,123 ほう~… これは これは…。 73 00:04:53,393 --> 00:04:56,096 (塚田)いい仕事したんだな あんた。 74 00:04:58,965 --> 00:05:03,236 <絵を描かせるつもりが 出版のアドバイスをするはめとなった➡ 75 00:05:03,236 --> 00:05:05,906 鬼の塚田編集長。➡ 76 00:05:05,906 --> 00:05:10,076 やはり 出版に生きる男だったのでしょうか> 77 00:05:10,076 --> 00:05:12,979 そうだな… 思い切って変型にしてみたらどうかな? 78 00:05:12,979 --> 00:05:16,249 ユニークな本が出来るぞ。 変型といいますと? 79 00:05:16,249 --> 00:05:19,586 B5版の横とじスタイルにするんだ。 80 00:05:19,586 --> 00:05:22,489 絵本のイメージもあるし 子供たちは のってくるよ。 81 00:05:22,489 --> 00:05:25,458 あの…。 とにかく やってみることだ。 82 00:05:25,458 --> 00:05:30,230 ただし そう なまやさしい仕事じゃない ってことだけは覚悟してろよ。 83 00:05:30,230 --> 00:05:35,602 はい。 あの… 細谷さんは あれから? 84 00:05:35,602 --> 00:05:37,938 (塚田)ああ 細谷か。 85 00:05:37,938 --> 00:05:40,974 はい。 元気でいらっしゃるんでしょうか? 86 00:05:40,974 --> 00:05:47,113 ん~… まあ 元気っていうほどでもないが とにかく生きてる。 87 00:05:47,113 --> 00:05:51,952 信州の方へ引っ込んだっきりだが 時々 手紙が来るよ。➡ 88 00:05:51,952 --> 00:05:56,122 やっこさん 何か書き始めたらしいよ 小説を。 89 00:05:56,122 --> 00:05:58,425 そうだったんですか。 90 00:06:04,731 --> 00:06:08,368 それじゃあな。 出版用の原稿が出来上がり次第➡ 91 00:06:08,368 --> 00:06:12,239 俺は待ってるぞ。 また2人とも じゃんじゃん描いてくれよ 陽談社の本に。 92 00:06:12,239 --> 00:06:14,174 はい よろしくお願いします。 93 00:06:14,174 --> 00:06:16,243 今日は 本当に どうもありがとうございました。 94 00:06:16,243 --> 00:06:18,745 じゃあな。 はい。 95 00:06:24,384 --> 00:06:28,588 (順子)まあ! じゃあ 一旦 福岡へお帰りに? 96 00:06:28,588 --> 00:06:35,262 あっ そうですか。 じゃあね 均ちゃんに 東京駅まで送らせますから。 97 00:06:35,262 --> 00:06:39,266 まあ 何をおっしゃるのよ マリ子さん。 どうぞ どうぞ ご遠慮なく。 98 00:06:39,266 --> 00:06:41,768 ねっ 均ちゃん。 99 00:06:41,768 --> 00:06:48,074 あら また いなくなっちゃった…。 どうしたんでしょう? 均五郎さんは。 100 00:06:50,410 --> 00:06:52,479 (均)そんなこと言ったって…➡ 101 00:06:52,479 --> 00:06:57,617 俺は マリ子さんに もう二度と 合わせる顔がないんだ。 102 00:06:57,617 --> 00:07:03,823 あ~… いっそ 死んでしまおうか…。 103 00:07:09,896 --> 00:07:13,233 (村田)今の東京は まだまだ ひどか様子ではなかとですか? 104 00:07:13,233 --> 00:07:15,568 そげな所へ 一体 何ばしに? 105 00:07:15,568 --> 00:07:18,071 (軍平)そうですたい。 こん福岡におっても➡ 106 00:07:18,071 --> 00:07:20,373 マチ子さんは ああして 「夕刊フクオカ」に➡ 107 00:07:20,373 --> 00:07:23,243 人気漫画ば 描いておられるとじゃなかとですか。 108 00:07:23,243 --> 00:07:25,912 どげんすっとですか? そげん よか仕事ば放り出して。 109 00:07:25,912 --> 00:07:30,250 (はる)はい マリ子に出版をやらせようと思いますの。 110 00:07:30,250 --> 00:07:34,754 出版? マリ子お嬢様が出版屋になるとですか? 111 00:07:34,754 --> 00:07:37,090 はい。 近頃 あの子も➡ 112 00:07:37,090 --> 00:07:39,926 何か 体ごと ぶつかっていける 仕事をしたいと➡ 113 00:07:39,926 --> 00:07:42,395 口癖のように申しますもので。 114 00:07:42,395 --> 00:07:47,100 ばってん…。 ああ~… おいたわしい限りですばい。 115 00:07:47,100 --> 00:07:49,135 (はる)何がですか? 村田さん。➡ 116 00:07:49,135 --> 00:07:51,971 マチ子のものを マリ子が出版するんですから➡ 117 00:07:51,971 --> 00:07:55,275 これは 文化的なお仕事だと思いますよ。➡ 118 00:07:55,275 --> 00:07:57,610 それに…。 119 00:07:57,610 --> 00:08:01,214 それに まだ 何かあっとですか? 120 00:08:01,214 --> 00:08:05,051 マリ子は 東郷さんの戦死を信じてはおりません。 121 00:08:05,051 --> 00:08:08,355 いつまでも待ち続けると言うております。 122 00:08:08,355 --> 00:08:10,290 それならば 私も➡ 123 00:08:10,290 --> 00:08:15,061 これは長期戦の構えの覚悟を しなければならないと思いましてね。 124 00:08:15,061 --> 00:08:20,233 長期戦? ばってん 奥様が なにも そげに…。 125 00:08:20,233 --> 00:08:22,569 何を言うんですか 村田さんは。 126 00:08:22,569 --> 00:08:25,238 待つと言うとるのは マリ子なんですよ。 127 00:08:25,238 --> 00:08:29,075 それも 腰が曲がるまでも待つ と言うております。 128 00:08:29,075 --> 00:08:32,946 (村田)はあ。 どなたにも ご迷惑をかけずに➡ 129 00:08:32,946 --> 00:08:35,749 立派に 夫を待ち続けるためには➡ 130 00:08:35,749 --> 00:08:38,585 この際 この磯野家の独立を➡ 131 00:08:38,585 --> 00:08:41,621 断固 図らなければいけない と思いましてね。 132 00:08:41,621 --> 00:08:46,326 はあ。 それならば 「サザエさん」の出版が➡ 133 00:08:46,326 --> 00:08:50,096 手ごろなお仕事だと 私は思いますのよ。 134 00:08:50,096 --> 00:08:52,399 はあ~ なるほど…。 135 00:08:52,399 --> 00:08:56,603 ばってん 30になるやならずの娘さんに➡ 136 00:08:56,603 --> 00:09:01,207 そげん事業ができるとじゃろうか…。 137 00:09:01,207 --> 00:09:04,043 はい 構いまっしぇん。 138 00:09:04,043 --> 00:09:08,348 もし失敗したら 初めっから やり直せばいいんです。 139 00:09:08,348 --> 00:09:10,283 ヤドカリではあるまいし➡ 140 00:09:10,283 --> 00:09:15,054 人間 生まれた時から 家を持って 生まれてきたわけではないんですからね。 141 00:09:15,054 --> 00:09:18,892 また 裸から やり直せばいいんですよ。 142 00:09:18,892 --> 00:09:22,228 さあ どうぞ お茶を。 (2人)はあ…。 143 00:09:22,228 --> 00:09:24,564 <ひとたび こうと宣言したら➡ 144 00:09:24,564 --> 00:09:29,235 そのとおりに実行してしまうのが はるの性格。➡ 145 00:09:29,235 --> 00:09:31,738 それを肝に銘じているだけに➡ 146 00:09:31,738 --> 00:09:36,376 2人の心配も ひとしおだったのでしょうが…> 147 00:09:36,376 --> 00:09:38,311 (千代)大丈夫ですたい。 148 00:09:38,311 --> 00:09:40,747 今度は こん お千代ねえやが ついとりますけん。 149 00:09:40,747 --> 00:09:44,083 おっ! じゃあ お千代ねえやも一緒に? はい。 150 00:09:44,083 --> 00:09:47,921 こん うちが ついとる限りは 皆様方を 路頭に迷わすようなことは➡ 151 00:09:47,921 --> 00:09:52,258 絶対に いたしまっしぇん。 (村田)またまた ふとか話ばしよって。 152 00:09:52,258 --> 00:09:56,763 人間 気持ちは ふとく大きく 持たなければいけまっしぇん。➡ 153 00:09:56,763 --> 00:09:58,698 村田さん あなたもですよ。 154 00:09:58,698 --> 00:10:01,267 は… はい…。 155 00:10:01,267 --> 00:10:05,105 ばってん 奥さん 東京に住む うちは あるとですか? 156 00:10:05,105 --> 00:10:07,774 今度は もう 酒田んうちも のうなって 一体…。 157 00:10:07,774 --> 00:10:12,111 こういう時ですから バラックでも という覚悟は できておりますけど➡ 158 00:10:12,111 --> 00:10:15,782 マリ子が その方も偵察してきますはずですから。 159 00:10:15,782 --> 00:10:18,618 (タマ) すると うちは お買いになるんですか? 160 00:10:18,618 --> 00:10:22,422 ええ。 できれば 皆さんがいらっしゃる この近くにと思ってるんですけど。 161 00:10:22,422 --> 00:10:25,291 ええ その方が よろしゅうございますとも。 162 00:10:25,291 --> 00:10:27,961 ねえ おタマさん あなたも 適当なおうちを➡ 163 00:10:27,961 --> 00:10:31,798 心掛けてさしあげてくださいませよ。 (タマ)ええ そりゃあ もう。 164 00:10:31,798 --> 00:10:34,434 お姉様! あの ほら お弁当入れるのに➡ 165 00:10:34,434 --> 00:10:36,970 ちょうどいい袋が あったはずなんですけれども…。 166 00:10:36,970 --> 00:10:39,005 ああ あの花模様の? そうそう そうそう。 167 00:10:39,005 --> 00:10:41,808 ちょっと見ていただけませんこと? いいですよ。 168 00:10:41,808 --> 00:10:43,743 じゃあ マリ子さん ちょっと ごめんあそばせ。 169 00:10:43,743 --> 00:10:45,678 ちょっと ごめんあそばせ。➡ 170 00:10:45,678 --> 00:10:47,680 早く 早く。 (ウララ)はいはい。 171 00:10:47,680 --> 00:10:52,318 いい年をして 何が お花の模様ってんだろ。 172 00:10:52,318 --> 00:10:54,988 まあ おば様ったら。 アハハ いえね➡ 173 00:10:54,988 --> 00:11:00,793 まあ 一番 格好のうちといったら 元の あなた方が借りてた おうち。 174 00:11:00,793 --> 00:11:03,396 あれが 一番 格好じゃありませんか? 175 00:11:03,396 --> 00:11:06,099 でも ほかの人が入ってらっしゃるし。 176 00:11:06,099 --> 00:11:09,936 そう それなんですよ。 インフレってんですか? 177 00:11:09,936 --> 00:11:15,408 まだ戦争中はね 物が足りないなりに ヤミの取締りが厳しかったけれどね➡ 178 00:11:15,408 --> 00:11:18,278 あれからこっち まるで強いもんがね…➡ 179 00:11:18,278 --> 00:11:21,948 もう 本当に 強いもんの世の中なんですからね。 180 00:11:21,948 --> 00:11:24,417 そうなんですよ。 お米にしたって➡ 181 00:11:24,417 --> 00:11:26,953 一日たったら 昨日の値段じゃ 買えないんですもの。 182 00:11:26,953 --> 00:11:32,125 まあ このうちは それこそ ある財産を食い潰しているだけでしょう。 183 00:11:32,125 --> 00:11:36,296 私はね この分で行ったら 先行き ウラマドさんたちは➡ 184 00:11:36,296 --> 00:11:39,799 どうなるんだろうと思ってね 気が気じゃないんですよ。 185 00:11:39,799 --> 00:11:43,970 分かります 食い潰していく心細さは。 186 00:11:43,970 --> 00:11:46,873 だったら ねっ? あのうちを➡ 187 00:11:46,873 --> 00:11:49,442 買い取ってやっていただけない でしょうか? 188 00:11:49,442 --> 00:11:51,377 でも 入っている人たちは どうなるの? 189 00:11:51,377 --> 00:11:53,980 出てもらえばいいじゃありませんか。 190 00:11:53,980 --> 00:11:59,786 そりゃあね 私だって 前のうちの人にはね 別に恨みはありませんよ。 191 00:11:59,786 --> 00:12:03,256 だけど ウラマドさんの人のいいのを 幸いにして➡ 192 00:12:03,256 --> 00:12:08,394 あんたね その つまり この… 物価統制令でさ➡ 193 00:12:08,394 --> 00:12:12,765 戦争中で決めた家賃のまんま 知らん顔して入っているんじゃ➡ 194 00:12:12,765 --> 00:12:16,402 ちょいと 人情ってものが なさすぎるんじゃありませんか? 195 00:12:16,402 --> 00:12:19,272 ひどいわよ いくら何だって! 196 00:12:19,272 --> 00:12:23,142 ねっ? だからさ あなた方が買い取ってくだされば➡ 197 00:12:23,142 --> 00:12:25,144 ウラマドさんも助かるし➡ 198 00:12:25,144 --> 00:12:28,781 私だって 皆さんが 元の所へ戻ってきてくださればさ➡ 199 00:12:28,781 --> 00:12:32,619 どんなに うれしいか…。 ねえ そうしてくださいよ。 200 00:12:32,619 --> 00:12:35,288 ここは 人助けだと思ってさ。 201 00:12:35,288 --> 00:12:38,958 それは 私たちだって 一番 願ったりかなったりですわ。 202 00:12:38,958 --> 00:12:40,893 そうよ そうしましょうよ。 203 00:12:40,893 --> 00:12:44,297 だって 人助けとなれば お母様だって 絶対 文句はないはずよ。 204 00:12:44,297 --> 00:12:46,232 うん。 205 00:12:46,232 --> 00:12:53,439 <ということで 家の問題については やや明るい見通しを持ち➡ 206 00:12:53,439 --> 00:12:57,310 マリ子たちは 第1次東京偵察の任務を終え➡ 207 00:12:57,310 --> 00:13:01,748 直ちに福岡へと 取って返した次第です> 208 00:13:01,748 --> 00:13:11,090 ♬~ 209 00:13:11,090 --> 00:13:16,262 15 16 17 18 19 20! 210 00:13:16,262 --> 00:13:18,765 はい じゃんけん。 じゃんけんぽん! 211 00:13:18,765 --> 00:13:22,101 あっ…。 勝った! ハハハッ! あ~! 212 00:13:22,101 --> 00:13:25,938 さっきから 私ばっかりじゃない。 しかたないでしょ。 213 00:13:25,938 --> 00:13:30,276 ずるいわよ! あ~ あ~ 重かった。 214 00:13:30,276 --> 00:13:33,179 はい 1 2 3 4 5 6…。 215 00:13:33,179 --> 00:13:35,948 ただいま~! ずるいわ マチ子! 216 00:13:35,948 --> 00:13:40,420 お母様~! ずるいわよ もう! 217 00:13:40,420 --> 00:13:42,355 (加津子)そんなら 母は…! 218 00:13:42,355 --> 00:13:47,126 ええ 空襲の翌朝 確かに おばあちゃまの姿を見たという人が。 219 00:13:47,126 --> 00:13:50,163 おったとですね! ほんなこつ おったとですね!? 220 00:13:50,163 --> 00:13:54,434 はい。 だから これからは ちょいちょいと 東京へ行きますし➡ 221 00:13:54,434 --> 00:13:56,969 その度に 私たちも聞いて歩きますから。 222 00:13:56,969 --> 00:13:59,005 ばってん そんなら どげんして➡ 223 00:13:59,005 --> 00:14:02,375 頼りの一本も よこしてはくれんとでっしょう? 224 00:14:02,375 --> 00:14:07,580 (一平)じゃけん 東京へ行く度ごとに マチ子さんも聞いてくださると➡ 225 00:14:07,580 --> 00:14:09,515 そう言うとるんじゃけん。 226 00:14:09,515 --> 00:14:12,385 はい 必ず約束します。 227 00:14:12,385 --> 00:14:16,089 その後 おばあちゃまが どこで どうなさっているのか➡ 228 00:14:16,089 --> 00:14:18,758 必ず はっきりさせます。 229 00:14:18,758 --> 00:14:24,397 ラジオの「尋ね人」にも 諦めずに 何度も お願いしてみましょうよ。 ねえ 奥さん。 230 00:14:24,397 --> 00:14:30,103 はい。 ほんなこつ そうでした。 よかった よかった。 231 00:14:30,103 --> 00:14:35,608 マチ子さんに マリ子さん 本当に ご苦労さんじゃった。 232 00:14:35,608 --> 00:14:38,111 ありがとう。 はい。 233 00:14:38,111 --> 00:14:42,982 今度は きっと もっといいお話を お土産にしますから。 234 00:14:42,982 --> 00:14:46,619 <本当に そうあってほしいものです。➡ 235 00:14:46,619 --> 00:14:50,323 頼みますよ マー姉ちゃん!>