1 00:00:02,202 --> 00:00:08,609 ♬~(テーマ音楽) 2 00:00:08,609 --> 00:01:06,600 ♬~ 3 00:01:12,773 --> 00:01:17,411 磯野さ~ん 郵便~! ⚟(千代)は~い! 4 00:01:17,411 --> 00:01:22,416 <手紙は 北海道の三郷さんからでした> 5 00:01:24,284 --> 00:01:28,622 (マリ子)「北海道の新聞にも 毎日『サザエさん』の続編が連載され➡ 6 00:01:28,622 --> 00:01:32,125 マリ子さん マチ子さんお二人の 目覚ましい ご活躍に➡ 7 00:01:32,125 --> 00:01:37,998 ただただ驚きと 喜びの声を上げるばかりです」。 8 00:01:37,998 --> 00:01:43,837 (三郷)「それに引き換え 私の方は 相変わらずの生活が続いておりますが➡ 9 00:01:43,837 --> 00:01:46,974 実は今日 思い切って ご厚情に甘え➡ 10 00:01:46,974 --> 00:01:49,810 お願いしたいことがあり 筆を執りました」。 11 00:01:49,810 --> 00:01:52,446 (はる)はい 何でしょうか? 12 00:01:52,446 --> 00:01:56,650 「我々に与えられた開拓地は かなりの奥地です」。 13 00:01:56,650 --> 00:01:59,453 (三郷) 「いや 奥地であることは覚悟の上で➡ 14 00:01:59,453 --> 00:02:02,456 別段 それに くじけているわけではありませんが➡ 15 00:02:02,456 --> 00:02:04,925 問題は道子ちゃんのことです」。 16 00:02:04,925 --> 00:02:06,860 はいはい。 17 00:02:06,860 --> 00:02:12,599 「まるで 実の娘のように 私の身の回りのことから農場の仕事まで➡ 18 00:02:12,599 --> 00:02:16,937 全く苦にする様子も見せず 毎日 明るく働いておりますが➡ 19 00:02:16,937 --> 00:02:19,773 それだけに 時々 これでいいのかと➡ 20 00:02:19,773 --> 00:02:23,577 ふっと そんな思いに とらわれることがあります」。 21 00:02:27,114 --> 00:02:32,619 (三郷)「私が いかに命を懸けて あの子の父たりえようと努力をしても➡ 22 00:02:32,619 --> 00:02:35,655 母親になることだけは不可能です。➡ 23 00:02:35,655 --> 00:02:41,328 彼女が やがて 人の妻となり 人の子の親となる日のためには➡ 24 00:02:41,328 --> 00:02:47,801 思い切って 彼女を手放すべきではないか と思う この日このごろです。➡ 25 00:02:47,801 --> 00:02:52,305 この開拓地は 若い娘にとって 過酷の一語に尽きましょう。➡ 26 00:02:52,305 --> 00:02:57,811 しかし それ故にこそ ここで暮らした私との1年半に➡ 27 00:02:57,811 --> 00:03:01,681 人間とは信じるべきものである ということだけは➡ 28 00:03:01,681 --> 00:03:04,618 学び取ってくれたように思えます」。 29 00:03:04,618 --> 00:03:08,088 (はる)まあ なんて すばらしいことなんでしょう。 30 00:03:08,088 --> 00:03:10,991 はい。 お引き受けしましょうよ。 31 00:03:10,991 --> 00:03:15,595 三郷さんから道子ちゃんを 私たちの所へ。 はい。 32 00:03:15,595 --> 00:03:18,265 でも まあ あなたたちを見ていて➡ 33 00:03:18,265 --> 00:03:21,101 道子ちゃんを 世間並みの娘さんに 育てられるかどうか➡ 34 00:03:21,101 --> 00:03:23,136 お母様には あんまり自信がないけれど…。 35 00:03:23,136 --> 00:03:25,605 まあ! それ どういう意味ですの? 36 00:03:25,605 --> 00:03:28,942 どんな意味だっていいじゃないの。 はいはい。 37 00:03:28,942 --> 00:03:32,813 さて それでは 早速 支度をしてちょうだい。 38 00:03:32,813 --> 00:03:35,415 支度って 一体 何の支度ですか? 39 00:03:35,415 --> 00:03:39,286 (はる)もちろん 北海道行きのですよ。 お母様~! 40 00:03:39,286 --> 00:03:42,956 早速 北海道に行って 私が引き取ってきますよ。 41 00:03:42,956 --> 00:03:45,425 三郷さんの手から 道子ちゃんをね。 42 00:03:45,425 --> 00:03:51,131 <またまた出ました! ホームラン一本!➡ 43 00:03:51,131 --> 00:03:56,436 かくして はるが北海道へたって 1週間後のことでした> 44 00:03:56,436 --> 00:03:59,139 (ヨウ子)わあ! 明日帰るですって! 45 00:03:59,139 --> 00:04:02,042 (千代)どげんしたとですか? お母様が 明日帰ってらっしゃるのよ。 46 00:04:02,042 --> 00:04:05,579 (千代)まあまあ…。 道子ちゃんも一緒だって。 47 00:04:05,579 --> 00:04:08,248 ⚟(植辰)こんばんは~! あっ 植辰さんだわ。 48 00:04:08,248 --> 00:04:10,917 ⚟(三吉)こんばんは! 三吉です! 49 00:04:10,917 --> 00:04:13,587 三ちゃん!? 50 00:04:13,587 --> 00:04:16,089 (マチ子)三ちゃん! 51 00:04:16,089 --> 00:04:20,961 (三吉)成田三吉 おかげさまをもちまして ただいま帰還してまいりました! 52 00:04:20,961 --> 00:04:25,098 足はあるのね 三ちゃん! はあ ちゃんと このとおり。 53 00:04:25,098 --> 00:04:27,767 まあ… 夢のようだわ…。 54 00:04:27,767 --> 00:04:31,638 本当に よく ご無事で。 (三吉)はあ 皆さんも ご無事で。 55 00:04:31,638 --> 00:04:35,408 ええ ご無事ですとも! みんなピンピンしていますとも! 56 00:04:35,408 --> 00:04:37,777 (植辰)ほら見ろ 言ったとおりだろ。 はあ。 57 00:04:37,777 --> 00:04:40,280 (千代)まあまあ どうぞ お上がりになってつかあっせ。 58 00:04:40,280 --> 00:04:42,215 (植辰)そうですか? さあ どうぞ。 59 00:04:42,215 --> 00:04:44,417 はい 三ちゃん。 60 00:04:47,154 --> 00:04:49,289 どうも すいません。 61 00:04:49,289 --> 00:04:51,224 ヨウ子ちゃん これ。 さあ いいから。 62 00:04:51,224 --> 00:04:53,160 おめえは 今日はお客さんだから そこに…。 63 00:04:53,160 --> 00:04:57,030 失礼します。 大丈夫ですか? どうも どうも。 64 00:04:57,030 --> 00:05:00,734 あれからね 私 あの 日暮里の大将の店の前にね➡ 65 00:05:00,734 --> 00:05:03,770 私の名前を書いた立て札をね 立て直してきましたよ。 66 00:05:03,770 --> 00:05:05,906 まあ おじさんが? ええ。 67 00:05:05,906 --> 00:05:08,742 ところが まあ 憎たらしいじゃございませんか。 ねえ。 68 00:05:08,742 --> 00:05:10,777 あれを まきの代わりにするらしいんですよ。 69 00:05:10,777 --> 00:05:14,247 だから これが 2日と もたしねえんだよね。 70 00:05:14,247 --> 00:05:16,183 今日も新しいの持っていったら➡ 71 00:05:16,183 --> 00:05:18,585 こいつが こんな格好して 突っ立ってるじゃねえですか。 ねえ。 72 00:05:18,585 --> 00:05:20,520 となりゃあ やっぱり 何つったって➡ 73 00:05:20,520 --> 00:05:23,089 一番先に ここへ引っ張ってこなきゃ いけねえと思いましてね。 74 00:05:23,089 --> 00:05:25,926 もちろんよ 植辰さん。 さすが 江戸っ子よ! 75 00:05:25,926 --> 00:05:28,962 アハハハハハッ! だいぶ くたびれた 江戸っ子ですがね。 76 00:05:28,962 --> 00:05:31,798 まあ! でも…➡ 77 00:05:31,798 --> 00:05:34,401 よく帰ってきてくれたわね 三ちゃん…。 78 00:05:34,401 --> 00:05:39,606 ううん 私は絶対に帰ってきてくれるって 信じていたけれどね。 79 00:05:39,606 --> 00:05:41,641 はい。 80 00:05:41,641 --> 00:05:45,278 苦労したんでしょ? どこから復員してきたの? 81 00:05:45,278 --> 00:05:49,115 はい。 しかし その前に お願いがあります。 82 00:05:49,115 --> 00:05:52,953 いいわよ。 私たちでできることだったら 何でも言って。 83 00:05:52,953 --> 00:05:54,888 はい。 84 00:05:54,888 --> 00:05:59,125 道々 旦那さんのこと ご隠居さんのこと➡ 85 00:05:59,125 --> 00:06:02,729 植辰の親方から伺ってきました。 そう…。 86 00:06:02,729 --> 00:06:07,367 それで 明日にも栃木まで 自分と一緒に 行ってはいただけませんでしょうか? 87 00:06:07,367 --> 00:06:09,302 栃木? はい。 88 00:06:09,302 --> 00:06:12,072 おかみさんのお里なら 2度 お使いに行ったことがあります。 89 00:06:12,072 --> 00:06:14,908 お願いです! もちろんよ。 でも…。 90 00:06:14,908 --> 00:06:17,744 ご無事なのに もし出てこられないのなら➡ 91 00:06:17,744 --> 00:06:19,779 きっと 何かの事情があるのだと思います。 92 00:06:19,779 --> 00:06:21,915 ですから 行って この目で確かめて…。 93 00:06:21,915 --> 00:06:24,751 そのとおりですとも。 私が行くわ 私が! 94 00:06:24,751 --> 00:06:27,654 (三吉)いえ マチ子さんには お仕事が山のように来ていると➡ 95 00:06:27,654 --> 00:06:30,624 植辰さんから伺いましたし。 まあ…。 96 00:06:30,624 --> 00:06:33,260 余計なことをおっしゃるの 植辰さんは! 97 00:06:33,260 --> 00:06:36,162 はあ どうも すいません。 98 00:06:36,162 --> 00:06:39,399 大丈夫 私が一緒に伺います。 99 00:06:39,399 --> 00:06:41,334 明日 一番の汽車で行きましょう。 100 00:06:41,334 --> 00:06:45,338 (汽笛) 101 00:06:47,274 --> 00:06:51,611 <こうと決まれば ダッシュがいいのが さすがに親子。➡ 102 00:06:51,611 --> 00:06:54,514 東京へ向かっているであろう はると入れ違いに➡ 103 00:06:54,514 --> 00:07:00,720 マリ子は 三吉と共に 栃木の山村へと向かっておりました> 104 00:07:06,126 --> 00:07:08,128 (さよ)どうぞ。 105 00:07:10,363 --> 00:07:12,365 おばあちゃま。 106 00:07:15,235 --> 00:07:20,573 おばあちゃま! 私です 磯野のマリ子です! 107 00:07:20,573 --> 00:07:22,509 おばあちゃま! 108 00:07:22,509 --> 00:07:26,246 (さよ)おっ母さん 訪ねてきてくだすったんですよ!➡ 109 00:07:26,246 --> 00:07:28,248 マリ子さんが東京から。 110 00:07:28,248 --> 00:07:30,583 (ウメ)東京から…? 111 00:07:30,583 --> 00:07:35,455 ご隠居さん 三吉です! 三吉が お迎えに上がりました! 112 00:07:35,455 --> 00:07:39,926 三吉…? 三吉…。 はい! 113 00:07:39,926 --> 00:07:41,962 どんなに ご案じ申し上げていたか 分かりません! 114 00:07:41,962 --> 00:07:45,665 三吉か! 三吉! 115 00:07:49,402 --> 00:07:52,605 違う… 違う… そんなことあるもんか…。 116 00:07:52,605 --> 00:07:55,508 おばあちゃま! 違う… いいんだ いいんだ…。 117 00:07:55,508 --> 00:07:59,279 これは夢なんだから 夢に決まってんだ。 118 00:07:59,279 --> 00:08:01,548 なっ さよさん? 夢だね? 119 00:08:01,548 --> 00:08:05,352 いいえ 夢なんかじゃありませんよ。 120 00:08:05,352 --> 00:08:10,056 本当に マリ子さんと三吉が東京から…。 121 00:08:10,056 --> 00:08:12,092 いいんだよ いいんだよ! 122 00:08:12,092 --> 00:08:16,363 私が 昔のことばっかり言って 愚痴こぼすから➡ 123 00:08:16,363 --> 00:08:21,568 あんたが こんな手の込んだ夢 見せてくれたに決まってんだ。 124 00:08:21,568 --> 00:08:25,372 あんたは優しい嫁だ… 本当に優しい…。 125 00:08:25,372 --> 00:08:27,907 何をおっしゃるんです。 ほら! 126 00:08:27,907 --> 00:08:31,378 夢なんかじゃないって言ってるでしょう? そうですとも! 127 00:08:31,378 --> 00:08:35,915 うそだと思ったら 殴ってください! どなってください! 128 00:08:35,915 --> 00:08:42,589 ほら このとおり 私は 昔のまんまの三吉ですから。 129 00:08:42,589 --> 00:08:44,924 三吉…。 130 00:08:44,924 --> 00:08:46,960 本当だ…。 はい! 131 00:08:46,960 --> 00:08:51,598 三吉だ…! お前 本当の三吉だ! はい! 132 00:08:51,598 --> 00:08:54,267 三吉…! 三吉…! 133 00:08:54,267 --> 00:08:56,202 ご隠居さん! 134 00:08:56,202 --> 00:09:00,707 (泣き声) 135 00:09:00,707 --> 00:09:04,544 ありがとうございました! 136 00:09:04,544 --> 00:09:07,881 私まで まるで夢のようだ。 137 00:09:07,881 --> 00:09:11,217 私も随分 お捜ししたんですよ。 138 00:09:11,217 --> 00:09:13,553 はい。 139 00:09:13,553 --> 00:09:19,426 焼けたあと 一度 加津子さんの所にも お手紙 出したんですけど➡ 140 00:09:19,426 --> 00:09:23,897 あんな時ですから 着いたのかどうか お返事もなくて➡ 141 00:09:23,897 --> 00:09:28,368 とにかく この実家まで おっ母さんを お連れしたんですけどね➡ 142 00:09:28,368 --> 00:09:32,906 その後 福岡も全滅した というニュースでしたし。 143 00:09:32,906 --> 00:09:37,777 でも 私たちの一角だけは残りました。 144 00:09:37,777 --> 00:09:42,248 おばあちゃま おばさんは ご無事です。 145 00:09:42,248 --> 00:09:45,085 それじゃあ 加津子は…。 はい! 146 00:09:45,085 --> 00:09:48,922 ああっ おっ母さん! 147 00:09:48,922 --> 00:09:55,095 (ウメ) マリ子さん ありがとう… ありがとう…。 148 00:09:55,095 --> 00:09:58,765 加津子のことも気になったんだけど➡ 149 00:09:58,765 --> 00:10:01,801 この さよさんがね➡ 150 00:10:01,801 --> 00:10:05,638 一旦 酒田のうちへ嫁に来たんだから➡ 151 00:10:05,638 --> 00:10:10,477 おっ母さんの死に水は私が取るって そう言ってくれて…。 152 00:10:10,477 --> 00:10:15,615 だから さよさんに おぶさっちまってね…。 153 00:10:15,615 --> 00:10:18,284 何をおっしゃるんです。 154 00:10:18,284 --> 00:10:22,121 あの人が それこそ命懸けで➡ 155 00:10:22,121 --> 00:10:26,793 私たちを あの火の海から 逃がしてくれたんですもの。 156 00:10:26,793 --> 00:10:29,696 私が あの人の分まで おっ母さんの世話をしなきゃ➡ 157 00:10:29,696 --> 00:10:31,998 どうするんです! 158 00:10:34,534 --> 00:10:39,305 それじゃあ おじさんは…。 159 00:10:39,305 --> 00:10:43,309 うっ はい…。 クソッ! 160 00:10:43,309 --> 00:10:45,445 三ちゃん…。 161 00:10:45,445 --> 00:10:51,317 いいえ… どんなに旦那さんが ご無念だったかと思うと それが…。 162 00:10:51,317 --> 00:10:55,188 (ウメ)三吉。 はい! はい 三吉がいます! 163 00:10:55,188 --> 00:10:57,190 三吉が帰ってきたんです。 164 00:10:57,190 --> 00:11:02,996 今度は 私がご恩返しする番ですからね ご隠居様 おかみさん。 165 00:11:05,265 --> 00:11:09,602 三吉さん…。 お願いです お嬢さんからも➡ 166 00:11:09,602 --> 00:11:12,939 酒田燃料店の看板を この三吉に下さるよう➡ 167 00:11:12,939 --> 00:11:15,275 お口添え願えませんでしょうか? 168 00:11:15,275 --> 00:11:18,278 酒田さんの看板を? はい。 169 00:11:18,278 --> 00:11:20,413 裸一貫からの やり直しです。 170 00:11:20,413 --> 00:11:25,952 でも その看板を頂ければ 三吉 もう一度 酒田燃料の店を構えて➡ 171 00:11:25,952 --> 00:11:30,290 ご隠居さんと おかみさんを 東京へ お迎えしたい。 172 00:11:30,290 --> 00:11:32,792 そう 道々 考えてきたんです。 173 00:11:32,792 --> 00:11:37,497 三吉… 三吉よ…! 174 00:11:43,436 --> 00:11:45,371 それで? 175 00:11:45,371 --> 00:11:50,143 ええ 初めは 今更 若い人の荷物になるのは嫌だと➡ 176 00:11:50,143 --> 00:11:52,178 おばあちゃまも おっしゃってたんですけど➡ 177 00:11:52,178 --> 00:11:57,450 私も応援しましたし 何より 三吉さんの熱意に負けて➡ 178 00:11:57,450 --> 00:12:01,087 改めて 三吉さんが迎えに来るのを 待つということに。 179 00:12:01,087 --> 00:12:04,757 まあ なんて すばらしいことなんでしょう。 180 00:12:04,757 --> 00:12:10,096 構いません。 「サザエさん」の2巻目を もう2万でも3万でも増刷なさい。 181 00:12:10,096 --> 00:12:13,600 えっ? もうけるんですよ じゃんじゃんと。 182 00:12:13,600 --> 00:12:15,935 お母様。 ええ。 183 00:12:15,935 --> 00:12:19,272 北海道でも「サザエさん」の人気は 大したもんでしたし➡ 184 00:12:19,272 --> 00:12:23,943 帰りの汽車の中でも ゲラゲラ笑いながら 2巻目を回し読みする人たちの姿を➡ 185 00:12:23,943 --> 00:12:26,779 お母様は ちゃんと この目で見てきましたよ。 186 00:12:26,779 --> 00:12:30,650 ねっ 道子ちゃん? (道子)はい。 187 00:12:30,650 --> 00:12:34,654 それにしたって…。 それもこれもありませんよ。 188 00:12:34,654 --> 00:12:37,423 その足で おばあちゃまを お連れできなかったのは➡ 189 00:12:37,423 --> 00:12:41,294 三吉さんに お店がなかったからでしょう? ええ。 190 00:12:41,294 --> 00:12:45,965 だったら 貸してさしあげるんですよ もうけたお金を。 191 00:12:45,965 --> 00:12:49,002 それで バラックでも何でも 住む所を作って➡ 192 00:12:49,002 --> 00:12:52,639 そして 三吉さんのお仕事が 軌道に乗りさえすれば➡ 193 00:12:52,639 --> 00:12:55,308 それだけ早く おばあちゃまに来ていただけるという➡ 194 00:12:55,308 --> 00:12:58,311 計算ではありませんか。 本当だわ。 195 00:12:58,311 --> 00:13:01,581 お母様って 意外と 頭が およろしいんですね。 196 00:13:01,581 --> 00:13:03,916 「意外」だけは余計ですよ。 197 00:13:03,916 --> 00:13:07,754 要は熱意です 誠意です。 はい! 198 00:13:07,754 --> 00:13:10,089 ご覧のとおりの家族なのよ。 199 00:13:10,089 --> 00:13:12,392 めんくらわないで 仲よく やっていきましょうね。 200 00:13:12,392 --> 00:13:16,596 はい! 三郷のおじ様から いろいろ伺っていますので大丈夫です。 201 00:13:16,596 --> 00:13:18,931 まあ おじ様は 一体 何て? 202 00:13:18,931 --> 00:13:22,769 はい 「頑張れ」って言ってくださいました。 203 00:13:22,769 --> 00:13:28,408 おじ様は いつも私に 一番いい方法を考えてくださいました。 204 00:13:28,408 --> 00:13:32,612 ですから 今度も おじ様の その気持ちに応えるように➡ 205 00:13:32,612 --> 00:13:37,483 一生懸命 働きます。 どうか よろしくお願いいたします。 206 00:13:37,483 --> 00:13:40,286 いや 働くって 道子ちゃん…。 207 00:13:40,286 --> 00:13:43,956 だって 私 東京見物に来たんじゃないんですもの! 208 00:13:43,956 --> 00:13:45,892 あら でも…。 209 00:13:45,892 --> 00:13:51,698 ええ 私だってね 初めから そのつもりで 迎えに行ったわけではないんですけどね➡ 210 00:13:51,698 --> 00:13:55,568 道中 道子ちゃんとも いろいろと話し合ってきたんですよ。 211 00:13:55,568 --> 00:14:00,740 道子ちゃんには これから このうちで お手伝いさんとして働いてもらいます。 212 00:14:00,740 --> 00:14:03,643 えっ!? (はる)だって この若さと元気とで➡ 213 00:14:03,643 --> 00:14:06,612 働かない方が間違っとるでしょう? 214 00:14:06,612 --> 00:14:10,383 あ… それだったら こんうちは どげんするとですか? 215 00:14:10,383 --> 00:14:13,586 いいえ! 分からないことだらけです。 216 00:14:13,586 --> 00:14:17,256 一生懸命 覚えますから どうか よろしく教えてください。 217 00:14:17,256 --> 00:14:20,760 お願いいたします! しっかり お千代先生! 218 00:14:20,760 --> 00:14:25,598 そうよ 今日から お千代ねえやを 道子ちゃんの教育係に任命いたします。 219 00:14:25,598 --> 00:14:28,401 (笑い声) 220 00:14:28,401 --> 00:14:31,104 (道子)どうぞ しっかりと教えてください! 221 00:14:31,104 --> 00:14:35,608 お願いいたします! あ… あの こちらこそですたい。 222 00:14:35,608 --> 00:14:39,278 嫌だわ お千代ねえやの方が ずっと あがってしまってるじゃないの。 223 00:14:39,278 --> 00:14:41,214 あれ~…。 (笑い声) 224 00:14:41,214 --> 00:14:46,052 <さて この年 一体 どんな年になるかと思いましたが➡ 225 00:14:46,052 --> 00:14:51,257 物事は 一つ一つ進んでいくもののようでした>