1 00:00:05,409 --> 00:00:09,880 <いろいろあっても 前に進まなければ➡ 2 00:00:09,880 --> 00:00:13,751 何も始まりません。➡ 3 00:00:13,751 --> 00:00:21,751 その進むべき道がある事自体が 幸せなのです> 4 00:00:35,206 --> 00:00:37,141 (忠彦)克子…。 5 00:00:37,141 --> 00:00:39,543 (克子)あなた… 生きてた…。 6 00:00:39,543 --> 00:00:41,479 (タカ)お父さん? 7 00:00:41,479 --> 00:00:45,883 克子姉ちゃんの旦那様 忠彦さんが帰ってきました。 8 00:00:45,883 --> 00:00:55,893 ♬~ 9 00:00:55,893 --> 00:00:59,230 僕は 何を手伝えばええんかな。 10 00:00:59,230 --> 00:01:01,899 (福子)忠彦さんは いいですよ。 11 00:01:01,899 --> 00:01:06,570 あなたは 今までどおり 絵を描いてて下さい。 12 00:01:06,570 --> 00:01:08,906 ああ…。 13 00:01:08,906 --> 00:01:30,906 ♬~ 14 00:01:40,538 --> 00:01:48,879 ♬「丸まってる背中に もらい泣き」 15 00:01:48,879 --> 00:01:52,216 ♬「恥じだって一緒に」 16 00:01:52,216 --> 00:01:56,554 ♬「あなたとならトゥラッタッタ♪」 17 00:01:56,554 --> 00:02:00,424 ♬「飛行機雲ぼんやり眺む」 18 00:02:00,424 --> 00:02:04,428 ♬「心ここに在らず」 19 00:02:04,428 --> 00:02:07,898 ♬「年間トータル もししたら」 20 00:02:07,898 --> 00:02:12,570 ♬「付き合うあたしすごい?」 21 00:02:12,570 --> 00:02:20,444 ♬「とぼけてる眉毛に もらい笑い」 22 00:02:20,444 --> 00:02:24,181 ♬「照れだってなんだって」 23 00:02:24,181 --> 00:02:26,917 ♬「あなたとならトゥラッタッタ♪」 24 00:02:26,917 --> 00:02:34,525 ♬「もらい泣き もらい笑い もらい怒り」 25 00:02:34,525 --> 00:02:40,197 ♬「もらいっ恥じ どんと来い!」 26 00:02:40,197 --> 00:02:44,068 ♬「晴天も曇天も霹靂も」 27 00:02:44,068 --> 00:02:49,768 ♬「さあ あなたとトゥラッタッタ♪」 28 00:02:52,209 --> 00:02:54,145 (神部)庭掃除 終わりました。 29 00:02:54,145 --> 00:02:57,081 (鈴)もういいから。 あなたは出ていきなさい。 30 00:02:57,081 --> 00:03:02,219 お母さん! この人 うちに居つくつもりよ。 31 00:03:02,219 --> 00:03:04,155 泥棒のくせに。 32 00:03:04,155 --> 00:03:06,090 (萬平)でも 行く当てがないって 言うんだから。 33 00:03:06,090 --> 00:03:09,093 ここに置いて下さい。 何でもしますから。 34 00:03:09,093 --> 00:03:13,230 やっぱり 手伝います。 絵なんか描いてる時やない。 35 00:03:13,230 --> 00:03:16,901 あなた…。 ほんまに ええんですか。 36 00:03:16,901 --> 00:03:19,236 僕は 何をすればええのか 言うてくれ。 37 00:03:19,236 --> 00:03:22,139 じゃあ お義母さんを 手伝ってあげて下さい。 38 00:03:22,139 --> 00:03:24,575 俺も手伝います。 39 00:03:24,575 --> 00:03:27,478 あなたは 出ていけ。 40 00:03:27,478 --> 00:03:31,849 (吉乃)お母さん。 学ちゃんが お漏らしした。 41 00:03:31,849 --> 00:03:35,719 もう ちょっと こっちおいで。 42 00:03:35,719 --> 00:03:38,722 はんこの棒が なくなってしもた。 43 00:03:38,722 --> 00:03:41,525 (重之)することがない。 (克子)勉強しといて。 44 00:03:41,525 --> 00:03:43,861 俺が教えます。 また あんた。 45 00:03:43,861 --> 00:03:45,796 君は 泥棒やったよね。 46 00:03:45,796 --> 00:03:48,732 でも 大阪帝大を卒業しました。 47 00:03:48,732 --> 00:03:52,203 ええっ! 大阪帝大? 48 00:03:52,203 --> 00:03:54,872 また口から出任せを。 49 00:03:54,872 --> 00:03:58,542 そう。 分かってきたね 重ちゃん。 うん。 50 00:03:58,542 --> 00:04:01,879 泥棒に子守させるの? 51 00:04:01,879 --> 00:04:05,749 家庭教師です。 もっと変やわ。 52 00:04:05,749 --> 00:04:08,219 なかなか いいやつじゃないですか。 53 00:04:08,219 --> 00:04:10,154 掘り出し物かも。 54 00:04:10,154 --> 00:04:13,557 合ってるやん。 そうそう そうそうそう。 55 00:04:13,557 --> 00:04:17,228 ほんまに あの人を ここに置くつもり? 56 00:04:17,228 --> 00:04:20,898 寝るとこは どうするのよ。 お母さんは もう。 57 00:04:20,898 --> 00:04:22,833 そればっかり。 58 00:04:22,833 --> 00:04:28,239 私は いいわよ。 もう 福子たちと一緒に寝るから。 59 00:04:28,239 --> 00:04:31,575 彼は アトリエに寝てもらおう。 60 00:04:31,575 --> 00:04:35,846 えっ。 あなた。 でも 忠彦さんの仕事場ですよ。 61 00:04:35,846 --> 00:04:42,720 実は… フィリピンで目をやられてね。 62 00:04:42,720 --> 00:04:45,856 えっ? 目? 63 00:04:45,856 --> 00:04:55,533 夜中に銃撃戦になって 敵の照明弾が 不発のまま僕の後ろに落ちてきて…。 64 00:04:55,533 --> 00:04:57,833 振り向いた途端に…。 65 00:05:01,872 --> 00:05:06,210 あれが まともに目に入って…。 66 00:05:06,210 --> 00:05:11,549 あれ以来 色が よく分からなくなった。 67 00:05:11,549 --> 00:05:14,451 色って…。 68 00:05:14,451 --> 00:05:20,891 特に 緑と赤の区別が つかないんです。 69 00:05:20,891 --> 00:05:27,231 それは… 絵描きにとっては大変なことやない。 70 00:05:27,231 --> 00:05:31,101 お医者様に診てもらいましょう あなた。 そうです すぐに行った方が…。 71 00:05:31,101 --> 00:05:33,837 軍医に診てもらったんやけど➡ 72 00:05:33,837 --> 00:05:37,708 こういうのは もう 治らないそうや。 73 00:05:37,708 --> 00:05:39,710 治らない…。 74 00:05:39,710 --> 00:05:46,417 そしたら もう 絵は描かないの? 75 00:05:46,417 --> 00:05:49,117 描けません。 76 00:05:51,388 --> 00:05:58,088 そしたら まともな仕事に 就いてくれるのね 忠彦さん。 77 00:06:01,532 --> 00:06:04,201 そのつもりです。 78 00:06:04,201 --> 00:06:17,748 ♬~ 79 00:06:17,748 --> 00:06:20,551 萬平さん…。 80 00:06:20,551 --> 00:06:23,220 うん? 81 00:06:23,220 --> 00:06:29,220 忠彦さんは 絵を諦めることは できないと思います。 82 00:06:31,562 --> 00:06:35,833 克子姉ちゃんも きっと そう思てる。 83 00:06:35,833 --> 00:06:40,704 忠彦さんは 普通の人とは違うって。 84 00:06:40,704 --> 00:06:45,843 自分の旦那様で 子どもたちのお父さんやけど➡ 85 00:06:45,843 --> 00:06:49,713 その前に 忠彦さんは画家やって。 86 00:06:49,713 --> 00:07:02,393 ♬~ 87 00:07:02,393 --> 00:07:04,393 怖ない。 88 00:07:10,534 --> 00:07:13,203 (読経) 89 00:07:13,203 --> 00:07:18,075 戦争が終わった暑い夏から 季節は冬へと変わっていきました。 90 00:07:18,075 --> 00:07:21,078 闇市は 相変わらず無法地帯。 91 00:07:21,078 --> 00:07:24,214 したたかに たくましく生きている人と➡ 92 00:07:24,214 --> 00:07:28,085 絶望から立ち直れず 気力を失っている人。 93 00:07:28,085 --> 00:07:33,490 そして 新しい時代に 希望を見いだしている人。 94 00:07:33,490 --> 00:07:39,830 闇市には さまざまな人たち さまざまな人生がありました。 95 00:07:39,830 --> 00:07:49,173 ♬~(ハーモニカ) 96 00:07:49,173 --> 00:07:51,108 あれ? 97 00:07:51,108 --> 00:07:54,408 えっ? どうしたんですか。 98 00:07:56,046 --> 00:07:58,046 えっ。 99 00:08:00,184 --> 00:08:03,484 ん? まさか…。 100 00:08:05,856 --> 00:08:07,791 福子。 101 00:08:07,791 --> 00:08:13,530 ♬~ 102 00:08:13,530 --> 00:08:16,433 (加地谷)何すんねん! ああ やっぱり! 103 00:08:16,433 --> 00:08:18,733 あっ ああ…! 加地谷さん! 104 00:08:20,404 --> 00:08:25,542 加地谷さん! ひ… 久しぶりやな 立花君。 105 00:08:25,542 --> 00:08:29,213 久しぶり!? 106 00:08:29,213 --> 00:08:32,116 君らは 結婚したんか? 107 00:08:32,116 --> 00:08:37,488 はい。 やっぱり。 それは おめでとう。 108 00:08:37,488 --> 00:08:41,158 ありがとうございます。 ありがとうございますやないでしょう。 109 00:08:41,158 --> 00:08:44,828 萬平さんは この人のせいで ひどい目に遭ったんですよ。 110 00:08:44,828 --> 00:08:50,501 憲兵に殴られたり蹴られたりして 拷問みたいな取り調べを受けたんです。 111 00:08:50,501 --> 00:08:54,838 それが原因で 腹膜炎になって死にかけたし。 112 00:08:54,838 --> 00:08:59,710 あ… それは 申し訳ない。 加地谷さんのせいです! 113 00:08:59,710 --> 00:09:03,010 ほんまに 申し訳なかった。 114 00:09:10,387 --> 00:09:15,159 もういい 福子。 えっ… この人を許すんですか。 115 00:09:15,159 --> 00:09:20,459 許すも許さないもない。 もう憲兵は いないんだ。 116 00:09:22,065 --> 00:09:28,205 加地谷さん もう あなたのことを 追いかける人はいませんよ。 117 00:09:28,205 --> 00:09:31,542 分かってる。 118 00:09:31,542 --> 00:09:37,147 そやけど 俺は もう 日陰で生きていく。 119 00:09:37,147 --> 00:09:39,483 日陰って…。 120 00:09:39,483 --> 00:09:48,492 自分でも 何で君を 悪者にしようとしてたんか分からへん。 121 00:09:48,492 --> 00:09:52,162 君に ああやこうや指図しながら➡ 122 00:09:52,162 --> 00:09:59,503 ほんまは 君の才能が羨ましかったんやろなあ。 123 00:09:59,503 --> 00:10:06,176 俺は ほとほと 自分が嫌になった。 124 00:10:06,176 --> 00:10:09,476 もう生きてる意味が分からへん。 125 00:10:14,852 --> 00:10:22,552 加地谷圭介という男は… 戦争で死んだんや。 126 00:10:31,401 --> 00:10:35,172 もういい 福子。 行こう。 127 00:10:35,172 --> 00:10:37,872 萬平さん! 128 00:10:46,783 --> 00:10:49,753 加地谷さん。 129 00:10:49,753 --> 00:10:56,460 考えてみれば 憲兵隊に捕まったことがきっかけで➡ 130 00:10:56,460 --> 00:10:59,460 福子と結婚できたようなものです。 131 00:11:01,899 --> 00:11:04,599 立花…。 132 00:11:06,236 --> 00:11:11,575 もう終わりだ 福子。 帰ろう。 133 00:11:11,575 --> 00:11:40,737 ♬~ 134 00:11:40,737 --> 00:11:45,442 あ~… あったかい。 135 00:11:45,442 --> 00:12:00,891 ♬~ 136 00:12:00,891 --> 00:12:04,561 お着替え ここに置いときますね。 137 00:12:04,561 --> 00:12:07,561 ≪ああ ありがとう。 138 00:12:13,570 --> 00:12:20,870 ほんまに もう何とも思てないんですか 加地谷さんのこと。 139 00:12:28,585 --> 00:12:36,393 世の中には 人を恨むことで頑張れる人間 というのが いるのかもしれない。 140 00:12:36,393 --> 00:12:38,693 でも僕は そうじゃない。 141 00:12:40,864 --> 00:12:43,767 ≪なんて 人のいい。 142 00:12:43,767 --> 00:12:49,539 福子 お前は加地谷さんのことになると お義母さん そっくりだな。 143 00:12:49,539 --> 00:12:53,210 えっ。 ≪フフフ。 でも…。 144 00:12:53,210 --> 00:12:57,210 お前だって 加地谷さんが かわいそうだと思ってるんじゃないのか。 145 00:13:06,223 --> 00:13:11,523 分かりました。 私は もう何にも言いません。 146 00:13:20,237 --> 00:13:23,573 ≪神部君。 はい。 147 00:13:23,573 --> 00:13:29,446 もう これ以上 熱くしなくていい。 それより 君に頼みがあるんだ。 148 00:13:29,446 --> 00:13:32,382 はあ…。 149 00:13:32,382 --> 00:13:43,682 ♬~ 150 00:13:48,198 --> 00:13:51,535 加地谷さんですか。 151 00:13:51,535 --> 00:13:53,470 そうやけど。 152 00:13:53,470 --> 00:13:57,170 立花さんが これを渡してこいって。 153 00:13:59,409 --> 00:14:02,179 言づけがあります。 154 00:14:02,179 --> 00:14:06,083 「諦めないで どうか生き抜いて下さい。➡ 155 00:14:06,083 --> 00:14:11,555 あなたの人生の主役は あなたなんですから」。 156 00:14:11,555 --> 00:14:14,224 俺には よう意味が分かりません。 157 00:14:14,224 --> 00:14:18,524 せやけど 確かに伝えましたからね。 158 00:14:33,710 --> 00:14:44,855 ♬~ 159 00:14:44,855 --> 00:14:49,555 俺の人生…。 160 00:14:54,197 --> 00:14:58,068 すまん 立花君…。 161 00:14:58,068 --> 00:15:09,212 ♬~ 162 00:15:09,212 --> 00:15:13,512 おおきに。 おおきに…。 163 00:15:19,556 --> 00:15:24,856 (泣き声)