1 00:00:35,467 --> 00:00:39,905 <神田の明神様の 秋祭りが終わった頃。➡ 2 00:00:39,905 --> 00:00:45,244 大川の向こう 本所の町に おかしなうわさが立ちました。➡ 3 00:00:45,244 --> 00:00:50,115 置いてけ堀から 堀の主の声が 聞こえたらしいっていうんです。➡ 4 00:00:50,115 --> 00:00:52,918 お堀の近所の長屋に住む 太郎兵衛が➡ 5 00:00:52,918 --> 00:00:58,257 釣りをしているうちに 夜になり さて帰ろうと 腰を上げると➡ 6 00:00:58,257 --> 00:01:03,595 「置いてけ~ 置いてけ~」と➡ 7 00:01:03,595 --> 00:01:06,498 堀の中から 恐ろしい声がする> 8 00:01:06,498 --> 00:01:10,269 (太郎兵衛)ひえ~っ! で で…。 9 00:01:10,269 --> 00:01:13,605 <怖くなって 必死に逃げ帰ると➡ 10 00:01:13,605 --> 00:01:18,477 釣ったはずのコイが 魚籠の中から消えていた。➡ 11 00:01:18,477 --> 00:01:21,480 そして 翌朝 太郎兵衛が➡ 12 00:01:21,480 --> 00:01:24,616 昨夜 釣りをしていた場所に 戻ってみると➡ 13 00:01:24,616 --> 00:01:31,290 堀端には 大きなコイが 1匹 転がっていたってぇ話。➡ 14 00:01:31,290 --> 00:01:35,561 ところが その後も 置いてけ堀の端では➡ 15 00:01:35,561 --> 00:01:40,899 次々と いろんなものが 消えてったんでございます> 16 00:01:40,899 --> 00:01:51,076 ♬~ 17 00:01:51,076 --> 00:01:54,113 まあ かっぱが お金を? 18 00:01:54,113 --> 00:01:56,248 本所のお店の奉公人が➡ 19 00:01:56,248 --> 00:01:58,584 夜のお堀端で かっぱに出くわして➡ 20 00:01:58,584 --> 00:02:01,253 売上金を そっくり 持っていかれたっていうんです。 21 00:02:01,253 --> 00:02:05,124 (下女)まさか。 そんな かっぱだなんて。 22 00:02:05,124 --> 00:02:07,926 その奉公人が お金を無くしたのを➡ 23 00:02:07,926 --> 00:02:09,862 ごまかしただけなんじゃ ないですか? 24 00:02:09,862 --> 00:02:12,264 いや~ そうじゃないらしいんだよ。 25 00:02:12,264 --> 00:02:15,167 はっきり見たって。 見たって どんな? 26 00:02:15,167 --> 00:02:19,938 え? いや…。 あの… かっぱだから こう➡ 27 00:02:19,938 --> 00:02:23,609 背中に甲羅をしょって 頭に お皿が載ってて➡ 28 00:02:23,609 --> 00:02:26,278 口が こう とんがってて こういう…。 29 00:02:26,278 --> 00:02:28,947 (下女)ええ~? 30 00:02:28,947 --> 00:02:32,818 それに かっぱの仕業は それだけじゃないらしいんだよ。 31 00:02:32,818 --> 00:02:35,754 お堀で 行方知れずになった 子どもが出たり➡ 32 00:02:35,754 --> 00:02:38,223 ほかにも 金やら着物を盗まれたり。 33 00:02:38,223 --> 00:02:40,893 まあ かっぱは そんな事までするのですか。 34 00:02:40,893 --> 00:02:45,230 (下女)ですから そんなのは ただの迷信。 迷信ですよ。 35 00:02:45,230 --> 00:02:50,102 (おさん)あら 私は見た事ありますよ かっぱ。 36 00:02:50,102 --> 00:02:52,571 えっ? ええっ!? 37 00:02:52,571 --> 00:02:57,242 家の裏の小川で 行水してました。 子どもの頃。 38 00:02:57,242 --> 00:03:00,579 あの… どんな姿だったのですか? 39 00:03:00,579 --> 00:03:04,449 それはそれは かわいらしい かっぱでしたよ。 40 00:03:04,449 --> 00:03:11,223 私 きゅうりを1本 もらいましたもの。 ウフフフフフ。 41 00:03:11,223 --> 00:03:15,127 さあ おしゃべりしてないで 朝ごはんに致しましょう。 42 00:03:15,127 --> 00:03:18,597 麻之助は まだ寝ているのかしら? 43 00:03:18,597 --> 00:03:20,597 お寿ず ちょ…。 44 00:03:22,267 --> 00:03:24,203 どうかしたのですか? 45 00:03:24,203 --> 00:03:29,903 あ いえ 大丈夫です。 すみません。 46 00:03:33,879 --> 00:03:38,217 (巳之助)ほら かっぱだなどと おっしゃるから。 47 00:03:38,217 --> 00:03:40,152 私の事…? 48 00:03:40,152 --> 00:03:42,554 麻之助は おりますか!? (おさん)あら 吉五郎さん。➡ 49 00:03:42,554 --> 00:03:45,224 どうしたんです? 昨夜 置いてけ堀で➡ 50 00:03:45,224 --> 00:03:47,893 かっぱに襲われて 水に落ちたという者が出たのです。 51 00:03:47,893 --> 00:03:51,563 え… またですか? 今度は どなたが? 52 00:03:51,563 --> 00:03:53,498 それが…。 53 00:03:53,498 --> 00:03:56,235 <かっぱに襲われたのは なんと➡ 54 00:03:56,235 --> 00:04:00,105 神田 町名主の清十郎さん だったんでございます> 55 00:04:00,105 --> 00:04:02,107 (麻之助)ハハハハハハハ! 56 00:04:02,107 --> 00:04:04,910 いや~ 清十郎のまぬけっぷりたぁ 天下一品だね。 57 00:04:04,910 --> 00:04:07,579 堀に落ちるなんてさ。 ねえ お由有さん。 58 00:04:07,579 --> 00:04:09,514 (清十郎)ふん! お前に言われたくはないね。 59 00:04:09,514 --> 00:04:12,251 なあなあ かっぱに 引き込まれたってのは 本当かい? 60 00:04:12,251 --> 00:04:15,153 うん? いや 町で 大層 うわさになってるんだよ。 61 00:04:15,153 --> 00:04:18,590 かっぱなど見ちゃいないよ。 本当かい? 本当だよ。 62 00:04:18,590 --> 00:04:20,926 何だい もう! かっぱに会ったって方が➡ 63 00:04:20,926 --> 00:04:23,595 100倍 面白いのにねぇ。 なあ 吉五郎。 64 00:04:23,595 --> 00:04:26,498 まあ そんなに いじめないでやって下さいな。 65 00:04:26,498 --> 00:04:30,198 ようやく 熱が引いたのですから。 66 00:04:36,541 --> 00:04:39,444 (せき) 67 00:04:39,444 --> 00:04:43,215 (笑い声) 68 00:04:43,215 --> 00:04:48,086 実は 今日は 御用がらみで お前に聞きたい事があるのだ。 69 00:04:48,086 --> 00:04:50,555 え? 70 00:04:50,555 --> 00:04:54,426 麻之助の言うように 近頃 置いてけ堀付近で➡ 71 00:04:54,426 --> 00:04:58,230 穏やかならぬうわさが 立ってるのは知っているだろう? 72 00:04:58,230 --> 00:05:00,165 ああ。 73 00:05:00,165 --> 00:05:03,568 この件で お上が動き出した。 え? 74 00:05:03,568 --> 00:05:06,238 たかが かっぱの事ぐらいでか? ハハハ! 75 00:05:06,238 --> 00:05:10,108 たかが 妖怪騒ぎとはいえ 金をとられる者まで出てきては➡ 76 00:05:10,108 --> 00:05:14,112 奉行所も 放ってはおけぬのだ。 77 00:05:14,112 --> 00:05:16,882 岡っ引きが動き始めた ちょうど その時➡ 78 00:05:16,882 --> 00:05:20,585 清十郎が 堀に落ちた。 79 00:05:20,585 --> 00:05:24,456 清十郎 こっちを向け。 何だい。 80 00:05:24,456 --> 00:05:29,928 お前 堀に落ちた時 そこで 何か 見聞きしなかったか? 81 00:05:29,928 --> 00:05:32,264 何か? 82 00:05:32,264 --> 00:05:36,964 怪しい人影とか 物取りに出くわしたとか。 83 00:05:38,537 --> 00:05:43,875 いや 別段 変わった事など なかったが。 84 00:05:43,875 --> 00:05:46,211 本当か? ああ。 85 00:05:46,211 --> 00:05:50,549 俺は ただ 自分で足を滑らしただけだ。 86 00:05:50,549 --> 00:05:56,221 清十郎 お前 何か 腹の内に隠しているだろう。 87 00:05:56,221 --> 00:05:58,890 何を隠すってんだい。 88 00:05:58,890 --> 00:06:03,228 本当の事を言え。 さもないと 子細を調べる事になるぞ! 89 00:06:03,228 --> 00:06:05,163 ふん 勝手にしやがれ! およしよ! 90 00:06:05,163 --> 00:06:07,899 相手は 病人だよ。 そうはいかぬ! 91 00:06:07,899 --> 00:06:10,235 この野郎 白状しろ! 92 00:06:10,235 --> 00:06:14,106 よせ! やめろ! 何もないんだからさ! 93 00:06:14,106 --> 00:06:17,109 あ~! 誰かさんのせいで また 熱が上がってきた! 94 00:06:17,109 --> 00:06:20,879 苦しい! おっ母さ~ん! 95 00:06:20,879 --> 00:06:24,783 ありゃ 何か隠してるに違えねえ。 あ? 96 00:06:24,783 --> 00:06:28,587 あいつは 子どもの頃から 隠し事をすると目が泳ぐのだ。 97 00:06:28,587 --> 00:06:30,922 お前より ずっと うそが下手だからな。 98 00:06:30,922 --> 00:06:34,192 けど 一体 何を隠してるんだろうね? え? 99 00:06:34,192 --> 00:06:37,095 いや 本所といやあ 大川を渡った先だよ。 100 00:06:37,095 --> 00:06:39,531 何で そんな所で 堀に落ちるんだい? 101 00:06:39,531 --> 00:06:44,403 うむ。 お前が酒に酔って 足を滑らせたなら 驚かないが➡ 102 00:06:44,403 --> 00:06:47,205 清十郎は 酒も強いし お前のように➡ 103 00:06:47,205 --> 00:06:49,905 おっちょこちょいでも まぬけでもないしな。 104 00:06:51,543 --> 00:06:53,478 女か。 105 00:06:53,478 --> 00:06:56,214 そいつは 最初に考えついたけれどね。 106 00:06:56,214 --> 00:06:58,150 けど まあ 清十郎だぞ。 107 00:06:58,150 --> 00:07:01,086 女とあいびきしていた事を ほら 自慢する事はあっても➡ 108 00:07:01,086 --> 00:07:05,086 隠したりはしないよねぇ。 それはそうだ。 109 00:07:09,761 --> 00:07:11,763 ここか…。 110 00:07:11,763 --> 00:07:15,901 あいびきするには 殺風景だねぇ。 うむ。 111 00:07:15,901 --> 00:07:19,237 何だい お前 怖がってんのか? はっ…。 112 00:07:19,237 --> 00:07:22,574 (水音) 113 00:07:22,574 --> 00:07:29,247 おい 今 堀の中で 何か動かなかったか? 114 00:07:29,247 --> 00:07:31,247 え…。 115 00:07:33,118 --> 00:07:35,854 清十郎は まさか 本当に➡ 116 00:07:35,854 --> 00:07:38,523 かっぱに たぶらかされたんじゃ ないだろうねぇ。 117 00:07:38,523 --> 00:07:43,862 まさか。 そんな事は ある訳ねえじゃねえか。 118 00:07:43,862 --> 00:07:48,862 けど 本所で 七不思議にまでなる話だよ。 119 00:07:50,535 --> 00:07:54,206 そういやあ うちのおっ母さんは➡ 120 00:07:54,206 --> 00:07:57,108 子どもの時分に かっぱに会ったって言ってたよ。 121 00:07:57,108 --> 00:08:01,079 本当か? ああ。 夏になると その話をするんだよ。 122 00:08:01,079 --> 00:08:03,882 もう 100遍は聞かされたなぁ。 123 00:08:03,882 --> 00:08:07,219 そりゃ お前 お前のような 慌て者の息子が➡ 124 00:08:07,219 --> 00:08:09,888 水に落ちないように 脅かしたんだろう。 125 00:08:09,888 --> 00:08:14,759 それにしては 細か~いとこまで よ~く知ってるんだよ。 126 00:08:14,759 --> 00:08:18,759 かっぱの仕業なら 説教してやらなきゃな。 127 00:08:20,532 --> 00:08:23,902 お~い かっぱ! 出てこ~い! 麻之助! 128 00:08:23,902 --> 00:08:27,572 かっぱに 物申す! やめろ! アハハ! かっぱ~! 129 00:08:27,572 --> 00:08:30,242 かっぱ? おっ? 130 00:08:30,242 --> 00:08:34,513 やはり この堀には かっぱがいるのでございますか? 131 00:08:34,513 --> 00:08:36,848 誰だ? お前は。 かっぱ。 132 00:08:36,848 --> 00:08:39,751 今 確かに かっぱと おっしゃいましたよね。 133 00:08:39,751 --> 00:08:42,521 え? いや あの…。 あなた様は➡ 134 00:08:42,521 --> 00:08:45,423 かっぱに会った事が あるのでございますか? 135 00:08:45,423 --> 00:08:47,392 旦那様! 136 00:08:47,392 --> 00:08:51,530 私は この置いてけ堀の主に 用があるのです。 137 00:08:51,530 --> 00:08:55,400 その話 もう少し 詳しく教えて下さいませんか! 138 00:08:55,400 --> 00:08:57,869 旦那様 落ち着いて下さいまし! 139 00:08:57,869 --> 00:09:03,742 私は ただ もしも かっぱがいたなら 説教をと…。 140 00:09:03,742 --> 00:09:05,744 あ~れ~! 141 00:09:05,744 --> 00:09:08,044 麻之助! ああ~! 142 00:09:09,881 --> 00:09:11,816 おい! 143 00:09:11,816 --> 00:09:14,553 あっ! 144 00:09:14,553 --> 00:09:19,224 おい! 誰か助けてくれ! おい! 145 00:09:19,224 --> 00:09:24,095 (笑い声) 146 00:09:24,095 --> 00:09:27,899 まあ 困ったお人。 147 00:09:27,899 --> 00:09:33,171 これは 町名主のお気楽息子じゃあ ありませんの? 148 00:09:33,171 --> 00:09:38,510 本当に まあ 何だか 間の抜けたお顔。 149 00:09:38,510 --> 00:09:40,445 あっ! ちょっと あ…。 150 00:09:40,445 --> 00:09:43,181 かっぱや 笑ってないで 助けておくれよ! 151 00:09:43,181 --> 00:09:47,852 あら 大変。 息が切れてしまいますよ。 152 00:09:47,852 --> 00:09:55,527 それもそうですね。 (笑い声) 153 00:09:55,527 --> 00:10:00,865 しかたがない。 私が助けてさしあげましょう。 154 00:10:00,865 --> 00:10:03,768 ほれ 麻之助! 155 00:10:03,768 --> 00:10:07,068 えっ? おっ母さん? 156 00:10:09,541 --> 00:10:11,476 あっ。 157 00:10:11,476 --> 00:10:13,476 麻之助! 158 00:10:15,213 --> 00:10:18,550 お前さん! 麻之助が 目を覚ましましたよ! 159 00:10:18,550 --> 00:10:21,886 麻之助さん よかった。 お寿ず。 160 00:10:21,886 --> 00:10:25,223 (宗右衛門)大丈夫か? 麻之助。 あっ ああ…。 161 00:10:25,223 --> 00:10:28,893 お前は 何度 水に落ちれば 気が済むのだ。 162 00:10:28,893 --> 00:10:31,796 俺が飛び込んで お前を助け…。 あれ あの~➡ 163 00:10:31,796 --> 00:10:33,765 かっぱは? 164 00:10:33,765 --> 00:10:36,568 かっぱ? かっぱ? 165 00:10:36,568 --> 00:10:41,239 あの… 私は 確かに 女かっぱを3匹 こう…。 あれ? 166 00:10:41,239 --> 00:10:43,174 それじゃあ やはり あなた様は➡ 167 00:10:43,174 --> 00:10:45,110 かっぱを見たのでございますか? 168 00:10:45,110 --> 00:10:47,112 いえ あの~ 見たというか➡ 169 00:10:47,112 --> 00:10:51,583 水かきのついた手が こう ぐわ~…。 170 00:10:51,583 --> 00:10:53,583 うん? 171 00:10:55,253 --> 00:10:59,253 あれ? 夢か? 172 00:11:00,925 --> 00:11:02,861 お前さん 誰だっけ? 173 00:11:02,861 --> 00:11:07,265 この者たちは 川越から来た商人だ。 174 00:11:07,265 --> 00:11:09,601 川越から? 申し遅れました。 175 00:11:09,601 --> 00:11:11,936 川越で 呉服太物を扱っております➡ 176 00:11:11,936 --> 00:11:14,606 七国屋松兵衛と 申す者でございます。 177 00:11:14,606 --> 00:11:19,477 あっ これは 手代の岩吉です。 178 00:11:19,477 --> 00:11:23,777 この度は とんだ ご無礼を。 179 00:11:29,954 --> 00:11:32,857 手が どうかされたのですか? 180 00:11:32,857 --> 00:11:35,157 いえ。 181 00:11:38,563 --> 00:11:40,899 川越から 江戸へ? 182 00:11:40,899 --> 00:11:43,802 なぜ 置いてけ堀に? はい。 183 00:11:43,802 --> 00:11:46,571 手前どもの得意先が 多くございますので➡ 184 00:11:46,571 --> 00:11:49,474 江戸には 度々 足を運んでいるのです。 185 00:11:49,474 --> 00:11:54,474 この度も 商いに 出向いたのでございますが…。 186 00:11:56,247 --> 00:12:02,120 実は 私の 5つになる市丸という息子が➡ 187 00:12:02,120 --> 00:12:05,924 置いてけ堀のそばで 行方知れずに なってしまったのです。 188 00:12:05,924 --> 00:12:09,624 行方知れず。 (七国屋)はい。 189 00:12:11,262 --> 00:12:13,598 それは また…。 190 00:12:13,598 --> 00:12:17,268 たった一人の 大事な息子でございますので➡ 191 00:12:17,268 --> 00:12:20,171 手前どもも 店の者総出で捜しました。➡ 192 00:12:20,171 --> 00:12:25,143 ですが 何としても見つからず。 そんな折➡ 193 00:12:25,143 --> 00:12:29,280 置いてけ堀の かっぱのうわさが 耳に入りまして➡ 194 00:12:29,280 --> 00:12:31,216 堀へ出かけましたところ➡ 195 00:12:31,216 --> 00:12:37,555 かっぱの話をする お二人を見かけ つい 声を…。 196 00:12:37,555 --> 00:12:40,555 そうでしたか。 197 00:12:44,229 --> 00:12:46,898 (七国屋)あの~ 皆様は➡ 198 00:12:46,898 --> 00:12:50,568 お同心と町名主でいらっしゃると 伺いました。➡ 199 00:12:50,568 --> 00:12:53,238 ならば この七国屋も➡ 200 00:12:53,238 --> 00:12:57,108 救っては頂けませんでしょうか? 救う? 201 00:12:57,108 --> 00:13:00,111 市丸を 一緒に捜して頂きたいのです。 202 00:13:00,111 --> 00:13:04,582 どうか 市丸を助けて下さいまし! 203 00:13:04,582 --> 00:13:06,918 旦那様 そんな無理をおっしゃっても…。 204 00:13:06,918 --> 00:13:11,256 いや あの… 力になりたいのは やまやまですが…。 205 00:13:11,256 --> 00:13:17,929 ここは 神田。 本所での出来事は そちらの名主の扱いとなるのです。 206 00:13:17,929 --> 00:13:22,929 私どもが めったやたらに動く訳には…。 207 00:13:24,602 --> 00:13:27,272 お上には申し出たのか? 208 00:13:27,272 --> 00:13:29,941 はい。 ですが➡ 209 00:13:29,941 --> 00:13:34,546 あやかしのような事は 寺に聞けと 退けられました。 210 00:13:34,546 --> 00:13:37,448 退けられた…。 211 00:13:37,448 --> 00:13:40,218 何なら 私たちの方から➡ 212 00:13:40,218 --> 00:13:43,121 本所の名主さん方へ頼む事も できますが…。 213 00:13:43,121 --> 00:13:46,558 ねえ お父っつぁん。 ああ。 214 00:13:46,558 --> 00:13:51,429 麻之助さん お願いします。 助けてあげて下さいまし。 215 00:13:51,429 --> 00:13:53,431 お寿ず。 216 00:13:53,431 --> 00:13:58,169 5つの子が いなくなってしまうなど➡ 217 00:13:58,169 --> 00:14:02,106 考えただけで 身が引き裂かれるようです。 218 00:14:02,106 --> 00:14:10,248 今の私には とても ひと事とは思えません。 219 00:14:10,248 --> 00:14:17,589 お寿ず あなた まさか…。 220 00:14:17,589 --> 00:14:20,491 はい。 221 00:14:20,491 --> 00:14:25,263 実は 昨日 お産婆さんのところで。 222 00:14:25,263 --> 00:14:27,932 え? ええ! あの…➡ 223 00:14:27,932 --> 00:14:32,537 私は 父になるのかい? 224 00:14:32,537 --> 00:14:36,207 あらま! どうしましょう! 225 00:14:36,207 --> 00:14:38,543 お寿ず でかした! 226 00:14:38,543 --> 00:14:41,446 いや~ こりゃあ 寝込んでる場合じゃないよ! 227 00:14:41,446 --> 00:14:45,216 何だか 体中に 力が湧いてきたような気がするよ。 228 00:14:45,216 --> 00:14:48,553 お寿ず 体だけは 大事にね。 はい。 229 00:14:48,553 --> 00:14:50,889 あ~! よ~し 七国屋さん! 230 00:14:50,889 --> 00:14:53,224 置いてけ堀で出会ったのも 何かの縁だ。 231 00:14:53,224 --> 00:14:55,560 手を貸そうじゃないか。 えっ! 232 00:14:55,560 --> 00:14:58,463 それは まことでございますか!? ああ! こうなったら➡ 233 00:14:58,463 --> 00:15:01,432 かっぱでも何でも 捕まえてやるよ! 任しておくれ。 234 00:15:01,432 --> 00:15:04,235 きっと あんたの息子は 捜し出してみせるからね! 235 00:15:04,235 --> 00:15:08,235 ありがとうございます! いや~ でかした! 236 00:15:14,245 --> 00:15:19,918 うん。 宗右衛門の1字を取って 宗助。 237 00:15:19,918 --> 00:15:23,588 いや… 宗太郎? いやいや➡ 238 00:15:23,588 --> 00:15:27,926 この麻太郎っていうのも 悪くはないな。 239 00:15:27,926 --> 00:15:34,532 いや。 また お気楽者になっては困るな。 240 00:15:34,532 --> 00:15:39,404 (巳之助)失礼致します。 あ… どうしたんだい? 241 00:15:39,404 --> 00:15:46,144 ああ… 長浜屋の借金騒ぎなら 今 証文を改めてるところだが。 242 00:15:46,144 --> 00:15:48,546 お寿ずさんの寿ずを取って➡ 243 00:15:48,546 --> 00:15:50,882 寿々之助というのは いかがですか? 244 00:15:50,882 --> 00:15:54,218 麻太郎より ずっとしっかり者に なりそうな気が致しますが。 245 00:15:54,218 --> 00:15:57,218 え… え… いや。 246 00:15:58,890 --> 00:16:01,559 清十郎さんなら出かけましたよ。 247 00:16:01,559 --> 00:16:04,462 出かけた? もう 具合は いいんですか? 248 00:16:04,462 --> 00:16:07,231 ええ。 もうすっかり。 249 00:16:07,231 --> 00:16:10,134 ふ~ん。 どうも あいつ➡ 250 00:16:10,134 --> 00:16:14,105 俺たちを避けてる気がして ならないねぇ。 え? 251 00:16:14,105 --> 00:16:17,875 いや あの一件からですよ 置いてけ堀の。 252 00:16:17,875 --> 00:16:22,580 何だか 様子が おかしくないですか? あの色男。 253 00:16:22,580 --> 00:16:27,251 実は 私も そう思っておりました。 やっぱり。 254 00:16:27,251 --> 00:16:30,588 近頃は 仕事の方も 手につかない様子で➡ 255 00:16:30,588 --> 00:16:35,860 平三さんに任せているのです。 それで ふらっと どこかへ。 256 00:16:35,860 --> 00:16:38,763 女のところですか? 恐らく。 257 00:16:38,763 --> 00:16:43,735 あ~ 困ったやつですねぇ。 いつになったら 落ち着く事やら。 258 00:16:43,735 --> 00:16:47,472 ♬~(三味線) 259 00:16:47,472 --> 00:16:59,550 (おと吉)♬「鬢のほつれは」 260 00:16:59,550 --> 00:17:10,550 ♬「枕のとがよ」 261 00:17:13,564 --> 00:17:18,864 おや。 声ぐらい かけてくれりゃあいいのに。 262 00:17:24,575 --> 00:17:29,914 だから もう この事は いいと言ってるじゃあないか。 263 00:17:29,914 --> 00:17:33,518 いや そうは言っても 放っとく訳には…。 264 00:17:33,518 --> 00:17:37,855 これ以上 清さんに 迷惑はかけられません。 265 00:17:37,855 --> 00:17:39,791 おと吉…。 266 00:17:39,791 --> 00:17:47,532 私が悪かったんです。 つい 清さんを頼ってしまって。 267 00:17:47,532 --> 00:17:53,832 水くさい事 言わないでおくれよ。 あいつは どこにいるんだい? 268 00:17:55,406 --> 00:17:59,106 いま一度 話してみるから。 269 00:18:00,878 --> 00:18:06,178 俺は あんたの事が心配なんだ。 270 00:18:12,490 --> 00:18:15,426 あっ。 あら お帰りなさいませ。 271 00:18:15,426 --> 00:18:18,896 吉五郎。 ああ 上がらせてもらっていたぞ。 272 00:18:18,896 --> 00:18:20,832 ああ。 273 00:18:20,832 --> 00:18:24,769 あら こちらは? 274 00:18:24,769 --> 00:18:29,907 ああっ! ひょっとして 許嫁の…。 275 00:18:29,907 --> 00:18:32,243 私 おじ様のように➡ 276 00:18:32,243 --> 00:18:34,846 頭の固いお方と 一緒になるのだけは➡ 277 00:18:34,846 --> 00:18:37,181 真っ平 ごめんです。 278 00:18:37,181 --> 00:18:39,851 姪御さんの おこ乃ちゃんですよ。 279 00:18:39,851 --> 00:18:42,753 (猫の鳴き声) 昔 会った事があるだろう。 280 00:18:42,753 --> 00:18:45,723 ふにをもらってくれと やって来た。 281 00:18:45,723 --> 00:18:49,193 ああ! あらまあ あんな小さい子が➡ 282 00:18:49,193 --> 00:18:52,864 きれいになって。 見違えたね。 ハハハハハ。 283 00:18:52,864 --> 00:18:56,734 赤子のためにと こんなかわいらしい柄の布を➡ 284 00:18:56,734 --> 00:19:00,538 祝いの品に。 へえ~。 285 00:19:00,538 --> 00:19:03,441 母から 言づかってまいりました。 286 00:19:03,441 --> 00:19:07,211 この度は まことに おめでとうございます。 287 00:19:07,211 --> 00:19:09,911 これは ご丁寧に。 288 00:19:11,883 --> 00:19:15,219 けどさ 何だい 勝手に広げちゃって。 289 00:19:15,219 --> 00:19:18,556 これじゃあ 開けた時の「わっ!」て 楽しみがないじゃないか。 290 00:19:18,556 --> 00:19:23,895 お前に持ってきたのではない。 お寿ずさんへの祝いの品だ。 291 00:19:23,895 --> 00:19:26,797 そうですか。 ふ~ん。 それにしても➡ 292 00:19:26,797 --> 00:19:29,567 伊勢屋にも こんなしゃれた品が あったんだね。 293 00:19:29,567 --> 00:19:34,839 麻之助おじ様 こちらの伊勢屋は 近所の伊勢屋ではありません。 294 00:19:34,839 --> 00:19:37,742 八丁堀の紅花伊勢屋です。 295 00:19:37,742 --> 00:19:41,179 伊勢屋にも いろんな伊勢屋が ありますものね。 296 00:19:41,179 --> 00:19:43,848 なるほど 紅花伊勢屋か。 297 00:19:43,848 --> 00:19:46,184 そりゃ 気が利いてるはずだ。 うん。 298 00:19:46,184 --> 00:19:48,853 お前 知っているのか? 紅花伊勢屋を。 299 00:19:48,853 --> 00:19:52,523 いや。 おこ乃ちゃんの手前 知っているふりをしただけだ。 300 00:19:52,523 --> 00:19:55,193 何だ? お前は。 (笑い声) 301 00:19:55,193 --> 00:19:58,863 おい ちょっといいか? 何だい。 今 楽しんでるんじゃないか。 302 00:19:58,863 --> 00:20:01,563 話があるんだ 例の事で。 303 00:20:03,534 --> 00:20:05,534 ちょいと ごめんよ。 304 00:20:10,408 --> 00:20:13,211 ちょいと これを見てくれ。 305 00:20:13,211 --> 00:20:16,113 本所の岡っ引きに 調べさせたのだが➡ 306 00:20:16,113 --> 00:20:20,885 これが 近頃 本所の置いてけ堀で 次々と起きた かっぱ騒動だ。 307 00:20:20,885 --> 00:20:24,755 かっぱのうわさは 9月末 28日朝に➡ 308 00:20:24,755 --> 00:20:28,226 堀端に 大きなコイが 落ちていた事が発端だ。 309 00:20:28,226 --> 00:20:31,562 うん。 そのあと 何人か➡ 310 00:20:31,562 --> 00:20:34,232 かっぱに 魚を盗まれたと 言っている者が出たらしいが➡ 311 00:20:34,232 --> 00:20:36,567 これは はっきりしない。 312 00:20:36,567 --> 00:20:40,438 だが ある時を境に かっぱは 突如➡ 313 00:20:40,438 --> 00:20:43,241 魚以外のものに 興味を示すようになる。 314 00:20:43,241 --> 00:20:46,143 金か。 そうだ。 315 00:20:46,143 --> 00:20:48,913 まず 酒屋の播磨屋の手代 三吉が➡ 316 00:20:48,913 --> 00:20:51,816 掛け取りの金 3両1分を 無くしている。 317 00:20:51,816 --> 00:20:56,254 次に 小間物屋の大津屋の小僧 小助が➡ 318 00:20:56,254 --> 00:20:58,923 代金の1分2朱を失った。 319 00:20:58,923 --> 00:21:02,593 それから 稲毛屋の奉公人 磯吉が➡ 320 00:21:02,593 --> 00:21:06,264 やはり 売り上げの2両を とられている。 321 00:21:06,264 --> 00:21:09,166 ほかにも 届けていないものが あるやもしれぬ。 322 00:21:09,166 --> 00:21:11,135 ふ~ん。 323 00:21:11,135 --> 00:21:14,605 けど かっぱが 金を欲しがるとは 思えないけどねぇ。 324 00:21:14,605 --> 00:21:17,508 買い物するにも 着物も 履物も 要らないしさ➡ 325 00:21:17,508 --> 00:21:20,508 好物は きゅうりだしって…。 326 00:21:22,480 --> 00:21:29,620 つまり これは 誰か 人の仕業だと。 ああ。 327 00:21:29,620 --> 00:21:32,290 七国屋の件は どうなんだい? あの人は ほら➡ 328 00:21:32,290 --> 00:21:34,892 息子を かっぱにさらわれたと 思い込んでるようだけど。 329 00:21:34,892 --> 00:21:36,827 かっぱは うわさだ。 330 00:21:36,827 --> 00:21:40,564 だが うわさだと うすうす分かってはいても➡ 331 00:21:40,564 --> 00:21:42,500 放ってはおけないのだろう。 332 00:21:42,500 --> 00:21:44,902 よし! とにかく 本所へ行き➡ 333 00:21:44,902 --> 00:21:47,571 この一人一人に 話を聞いてみよう。 今からか? 334 00:21:47,571 --> 00:21:51,442 ああ。 七国屋との約束もあるしな。 335 00:21:51,442 --> 00:21:55,913 それにしても 清十郎は 今日も 知らん顔か。 336 00:21:55,913 --> 00:21:58,816 どうやら 女のところへ しけこんでるらしい。 337 00:21:58,816 --> 00:22:02,253 やはり 女か。 うん。 338 00:22:02,253 --> 00:22:07,953 女と 金と かっぱ。 339 00:22:17,802 --> 00:22:23,941 あれ また 伊勢屋だ。 今度は ろうそく屋だ。 340 00:22:23,941 --> 00:22:28,612 ♬~ 341 00:22:28,612 --> 00:22:32,483 伊勢屋にも いろんな伊勢屋が ありますものね。 342 00:22:32,483 --> 00:22:38,889 ♬~ 343 00:22:38,889 --> 00:22:42,226 いろんな伊勢屋か。 344 00:22:42,226 --> 00:22:47,898 どうした? あ いや ちょっと気になってさ。 345 00:22:47,898 --> 00:22:52,236 七国屋は 川越の商人だよな。 そうだ。 346 00:22:52,236 --> 00:22:55,573 う~ん 川越には 確か…。 347 00:22:55,573 --> 00:22:58,476 おい。 うん? あれを見ろ。 348 00:22:58,476 --> 00:23:00,911 あっ 清十郎。 349 00:23:00,911 --> 00:23:04,782 清様 たまには うちに来て下さいよ。 350 00:23:04,782 --> 00:23:08,786 何だい。 また今度な。 351 00:23:08,786 --> 00:23:12,256 どこへ行くんだ? また 本所か? 352 00:23:12,256 --> 00:23:16,127 何をやってるんだ あいつは! おい! 353 00:23:16,127 --> 00:23:45,156 ♬~ 354 00:23:45,156 --> 00:23:51,095 女と待ち合わせでもしてるのか? こんな所でか? 355 00:23:51,095 --> 00:23:54,565 まさか かっぱと あいびきって事でも あるまいに。 356 00:23:54,565 --> 00:23:57,468 シッ! 何だ あれは? 357 00:23:57,468 --> 00:24:02,468 おっ 人だ。 どうやら 男だぞ。 358 00:24:05,910 --> 00:24:09,780 おい ちょっと 待て。 向こうにも 誰かいる。 359 00:24:09,780 --> 00:24:14,919 誰だ? 2人連れか。 360 00:24:14,919 --> 00:24:20,591 やめろ。 匕首を捨てろ。 捨てねえか! 361 00:24:20,591 --> 00:24:22,526 まずい! 362 00:24:22,526 --> 00:24:25,463 清十郎! おい! お前ら! 363 00:24:25,463 --> 00:24:28,763 てめえ 何者だ!? 364 00:24:31,235 --> 00:24:35,935 てめえ はめやがったな! プッ! 365 00:24:38,075 --> 00:24:41,775 ひぃ~! か… かっぱだ~! 366 00:24:43,547 --> 00:24:45,483 ひや~っ! 367 00:24:45,483 --> 00:24:48,419 おい かっぱ!? ちょっと おい 大丈夫かい!? 368 00:24:48,419 --> 00:24:50,888 お前さん かっぱ… かっぱを見たのかい!? 369 00:24:50,888 --> 00:24:54,558 ああ… 歩いてた! 370 00:24:54,558 --> 00:24:56,894 麻之助さん! 七国屋さん! 371 00:24:56,894 --> 00:25:00,564 (2人)わあ~っ! 何でえ 何でえ! くっそ! 372 00:25:00,564 --> 00:25:04,235 ♬~ 373 00:25:04,235 --> 00:25:07,571 危ない! 下がれ! 立てるか? 早く! 374 00:25:07,571 --> 00:25:24,922 ♬~ 375 00:25:24,922 --> 00:25:30,794 てめえ… 清十郎に 何をした!? 376 00:25:30,794 --> 00:25:33,731 刃物なんか振り回しやがって。 377 00:25:33,731 --> 00:25:37,501 てめえか この辺りを荒らしている 盗人ってのは! 378 00:25:37,501 --> 00:25:42,406 ち… 違う。 俺は そんな事は…。 379 00:25:42,406 --> 00:25:44,875 ううっ! やめろ 吉五郎! 380 00:25:44,875 --> 00:25:47,778 待ってくれ。 話を聞いてくれ。 381 00:25:47,778 --> 00:25:50,548 黙れ! 吉五郎! 382 00:25:50,548 --> 00:25:54,218 訳を話す。 話すから。 383 00:25:54,218 --> 00:25:58,889 吉五郎 よせ。 384 00:25:58,889 --> 00:26:17,889 ♬~ 385 00:26:22,913 --> 00:26:25,583 お師匠さんの弟? 386 00:26:25,583 --> 00:26:30,921 はい。 菊蔵と申します。 387 00:26:30,921 --> 00:26:33,524 お前が かっぱの正体か。 388 00:26:33,524 --> 00:26:37,224 何とか言わねえか!? 吉五郎。 389 00:26:38,862 --> 00:26:43,734 清十郎 どういう事なんだい。 お前 なぜ? 390 00:26:43,734 --> 00:26:48,539 清さんは悪くないんです。 私が頼んだんです。 391 00:26:48,539 --> 00:26:50,474 お師匠さん。 392 00:26:50,474 --> 00:26:54,411 申し訳ございません。 393 00:26:54,411 --> 00:27:00,884 弟の様子が 近頃おかしく 金に困り➡ 394 00:27:00,884 --> 00:27:06,223 夜な夜な堀端で 盗みを働いてると うわさに聞いて➡ 395 00:27:06,223 --> 00:27:14,098 それで 調べてもらえないかと 私が この人に。 396 00:27:14,098 --> 00:27:17,568 お前 それで 堀に落ちたのかい。 397 00:27:17,568 --> 00:27:20,268 どうして 俺たちに 相談しないんだ。 398 00:27:21,905 --> 00:27:26,605 ここにある盗み 全て お前の仕業か? 399 00:27:28,779 --> 00:27:35,853 播磨屋の手代 三吉の金3両1分! 大津屋の小僧 小助の1分2朱! 400 00:27:35,853 --> 00:27:38,522 稲毛屋の奉公人 磯吉の2両! 401 00:27:38,522 --> 00:27:41,425 (菊蔵)お… 俺は やってねえ。 402 00:27:41,425 --> 00:27:45,396 そんな事してねえよ! 姉貴が でたらめ言ってんだ。 403 00:27:45,396 --> 00:27:50,534 この女は いつだって 俺を 邪魔者扱いして! 404 00:27:50,534 --> 00:27:54,405 じゃあ お前は 今日 あそこで 何をしていたんだ。 405 00:27:54,405 --> 00:27:58,409 釣り人を狙って 潜んでいたのではないのか!? 406 00:27:58,409 --> 00:28:02,880 こんなもん振り回しやがって。 407 00:28:02,880 --> 00:28:05,783 俺を甘く見るなよ。 408 00:28:05,783 --> 00:28:09,753 <吉五郎さんの 厳しい取り調べにより➡ 409 00:28:09,753 --> 00:28:16,427 ようやく 菊蔵は 盗みを認め しょっぴかれる事となりました> 410 00:28:16,427 --> 00:28:31,427 ♬~ 411 00:28:33,844 --> 00:28:36,513 お待ち下さい! 412 00:28:36,513 --> 00:28:39,850 まだ 事は終わっちゃあ おりません! 七国屋さん…。 413 00:28:39,850 --> 00:28:42,186 うちの息子の事は どうなるんですか? 414 00:28:42,186 --> 00:28:44,855 息子は まだ 見つかっちゃあ いないんです! 415 00:28:44,855 --> 00:28:47,758 あんた うちの息子の事は 知らないかい? 416 00:28:47,758 --> 00:28:50,527 お前さんが 市丸を かどわかしたんじゃ…。 417 00:28:50,527 --> 00:28:55,199 七国屋さん その事で ちょいと話があるんです。 418 00:28:55,199 --> 00:28:58,102 えっ! それじゃあ 何か 分かったんですか? 麻之助さん。 419 00:28:58,102 --> 00:29:01,538 息子の事が 何か…。 今夜は もう遅い。 420 00:29:01,538 --> 00:29:06,210 それに この場で話すような事でも ありませんし。 421 00:29:06,210 --> 00:29:10,510 明日 改めて うちの方に 出向いちゃあもらえませんか? 422 00:29:15,886 --> 00:29:20,758 七国屋さん 初めに断っておきますが➡ 423 00:29:20,758 --> 00:29:24,561 今日の この場は 裁定でも何でもない。 424 00:29:24,561 --> 00:29:28,561 内々の話として 聞いて頂けませんか? 425 00:29:33,837 --> 00:29:36,740 お母様。 426 00:29:36,740 --> 00:29:40,511 お子の行方が 気になるのでしょ? 427 00:29:40,511 --> 00:29:45,849 市丸ちゃんについて 私なりに 考えを巡らせました。 428 00:29:45,849 --> 00:29:53,724 だけど これから話す事全て 私の推量で 不確かな事ばかりだ。 429 00:29:53,724 --> 00:29:59,863 それに 耳にしたくない事を 聞くやもしれません。 430 00:29:59,863 --> 00:30:02,766 それでも よろしいですか? 431 00:30:02,766 --> 00:30:05,466 はい。 432 00:30:07,204 --> 00:30:13,877 実は 私が 事に気付いたのは➡ 433 00:30:13,877 --> 00:30:16,547 この布を伊勢屋で買ったと➡ 434 00:30:16,547 --> 00:30:21,218 知り合いの娘から 聞いたからなんですよ。 435 00:30:21,218 --> 00:30:27,891 七国屋さん。 私が溺れかけた あの日 お前さん➡ 436 00:30:27,891 --> 00:30:31,762 市丸ちゃんが 置いてけ堀で いなくなったという話を➡ 437 00:30:31,762 --> 00:30:34,565 してくれましたよね。 はい。 438 00:30:34,565 --> 00:30:36,900 その時 確か あんた➡ 439 00:30:36,900 --> 00:30:39,803 「店の者総出で 市丸ちゃんを捜した」。 440 00:30:39,803 --> 00:30:45,242 こう言いました。 ええ。 さようでございます。 441 00:30:45,242 --> 00:30:50,542 だけど ここで 一つ 不思議があるんです。 442 00:30:52,916 --> 00:30:56,587 七国屋は 川越にある店のはずだ。 443 00:30:56,587 --> 00:31:00,457 江戸の本所へ 店の者が 総出で繰り出すなんて事は➡ 444 00:31:00,457 --> 00:31:03,260 あるはずがない。 445 00:31:03,260 --> 00:31:08,131 市丸ちゃんが いなくなったのは ひょっとして➡ 446 00:31:08,131 --> 00:31:12,431 川越の置いてけ堀なんじゃあ ないですか? 447 00:31:14,605 --> 00:31:18,942 伊勢屋という同じ名の店が 江戸のあちこちに あるように➡ 448 00:31:18,942 --> 00:31:23,614 同じ名の堀が 川越にも あるんじゃあ? 449 00:31:23,614 --> 00:31:26,283 子どもの時分に 親父から➡ 450 00:31:26,283 --> 00:31:31,154 川越の置いてけ堀の話を 聞いた事を思い出しまして。 451 00:31:31,154 --> 00:31:38,562 ♬~ 452 00:31:38,562 --> 00:31:45,562 確かに 川越にも 置いてけ堀はございます。 453 00:31:48,238 --> 00:31:50,274 ですが 本当に その堀で➡ 454 00:31:50,274 --> 00:31:52,576 行方知れずになったかどうかは 分かりません! 455 00:31:52,576 --> 00:31:55,913 だって そうではありませんか! 市丸は… 市丸は まだ➡ 456 00:31:55,913 --> 00:31:58,815 見つかっては いないのですから! 七国屋さん。 457 00:31:58,815 --> 00:32:01,585 (七国屋)市丸は かっぱに 化かされたのかもしれないんです。 458 00:32:01,585 --> 00:32:03,921 だとしたら 江戸の置いてけ堀やもしれぬ。 459 00:32:03,921 --> 00:32:07,257 そう思い 私は 商いで 江戸に来る度 あの子を捜した!➡ 460 00:32:07,257 --> 00:32:12,596 だから お願いしたのです! 市丸を一緒に捜してほしいと。 461 00:32:12,596 --> 00:32:19,469 しかし 置いてけ堀のかっぱは 昨夜 捕まったじゃあないか。 462 00:32:19,469 --> 00:32:25,175 あいつは 金は盗んだが 子どもの事は知らぬと言っている。 463 00:32:25,175 --> 00:32:27,945 そんな事は分かりません! 464 00:32:27,945 --> 00:32:29,880 あの男が うそをついてるやもしれぬ! 465 00:32:29,880 --> 00:32:32,282 盗人の言う事を あなたは信じるのですか!? 466 00:32:32,282 --> 00:32:34,217 どうして 皆さん 私に 力を…。 467 00:32:34,217 --> 00:32:37,888 いい加減にして下さい! 468 00:32:37,888 --> 00:32:42,759 旦那様 もう よして下さい。 469 00:32:42,759 --> 00:32:44,759 岩吉。 470 00:32:47,564 --> 00:32:50,233 麻之助さんのご推量どおり➡ 471 00:32:50,233 --> 00:32:56,573 市丸坊ちゃんが いなくなったのは 川越の置いてけ堀です。 472 00:32:56,573 --> 00:33:01,573 けど 坊ちゃんは 誰かに さらわれたのではありません。 473 00:33:03,447 --> 00:33:08,447 その堀へ落ちたのです。 474 00:33:11,121 --> 00:33:16,893 (岩吉)そして… 見つかりませんでした。 475 00:33:16,893 --> 00:33:21,598 捜しても捜しても 坊ちゃんは 見つかりませんでした。➡ 476 00:33:21,598 --> 00:33:24,501 毎日毎日 同じ所を捜し続け➡ 477 00:33:24,501 --> 00:33:28,939 周りの者が 諦めて 線香の一本も あげてやれと言っても➡ 478 00:33:28,939 --> 00:33:32,809 旦那様は聞かない。 479 00:33:32,809 --> 00:33:37,214 江戸で 商いの相手から➡ 480 00:33:37,214 --> 00:33:40,117 かっぱが出たという うわさを聞き➡ 481 00:33:40,117 --> 00:33:43,887 本所に 置いてけ堀があると知ると➡ 482 00:33:43,887 --> 00:33:47,887 そこへ通い続けてしまったのです。 483 00:33:52,229 --> 00:34:00,103 旦那様 お願いですから もう 諦めて下さい。➡ 484 00:34:00,103 --> 00:34:05,242 市丸坊ちゃんが消えて もう 2年がたつのです。 485 00:34:05,242 --> 00:34:07,177 2年? 486 00:34:07,177 --> 00:34:09,112 2年…。 487 00:34:09,112 --> 00:34:15,252 見つかったとしても…➡ 488 00:34:15,252 --> 00:34:18,155 お骨になっています。 489 00:34:18,155 --> 00:34:21,925 ♬~ 490 00:34:21,925 --> 00:34:24,828 お前に 私の何が分かる。 (岩吉)旦那様。 491 00:34:24,828 --> 00:34:27,264 あの子は かっぱが さらってったんだよ! 492 00:34:27,264 --> 00:34:31,601 きっと 生きてる! 堀のどこかに いるはずなんだ! 493 00:34:31,601 --> 00:34:33,537 いるんだ! いるんだ! 494 00:34:33,537 --> 00:34:39,409 よせ 七国屋! お前は どうして それを➡ 495 00:34:39,409 --> 00:34:42,212 その気持ちを 分かってはくれないのだ!➡ 496 00:34:42,212 --> 00:34:47,884 大事な大事な たった一人の息子なのだ。 497 00:34:47,884 --> 00:34:50,787 だから捜す! 今日も捜す! 498 00:34:50,787 --> 00:34:56,893 明日も あさっても 見つかるまで 必ず! 499 00:34:56,893 --> 00:35:03,193 (泣き声) 500 00:35:04,768 --> 00:35:11,241 七国屋さん。 私も 人の親だ。 501 00:35:11,241 --> 00:35:16,113 あなたのつらい気持ちは よ~く分かる。➡ 502 00:35:16,113 --> 00:35:19,916 まして 5つのかわいい盛りだ。 503 00:35:19,916 --> 00:35:29,259 でもね 人は それぞれ 天から決められた寿命がある。 504 00:35:29,259 --> 00:35:37,067 市丸ちゃんは たった5年だったが その命を全うした。➡ 505 00:35:37,067 --> 00:35:43,540 そして 5年の間 持っている全ての幸せを➡ 506 00:35:43,540 --> 00:35:48,840 七国屋さんに与えた。 そうじゃありませんか? 507 00:35:50,881 --> 00:35:56,753 いつまでも あなたが 市丸ちゃんに こだわっていたら➡ 508 00:35:56,753 --> 00:36:01,053 市丸ちゃんは 成仏できん。 509 00:36:04,895 --> 00:36:09,766 あなたが 気を確かに 生きていく事が➡ 510 00:36:09,766 --> 00:36:12,769 一番の供養だ。 511 00:36:12,769 --> 00:36:29,920 (泣き声) 512 00:36:29,920 --> 00:36:36,193 おなかの子 大事になさい。 513 00:36:36,193 --> 00:36:38,193 え? 514 00:36:40,864 --> 00:36:43,533 はい。 515 00:36:43,533 --> 00:36:57,547 ♬~ 516 00:36:57,547 --> 00:37:02,886 <それでも 七国屋は 川越へ帰る道すがら➡ 517 00:37:02,886 --> 00:37:05,789 本所の置いてけ堀に いまひとたび➡ 518 00:37:05,789 --> 00:37:09,559 立ち寄らずには いられませんでした> 519 00:37:09,559 --> 00:37:28,559 ♬~ 520 00:37:30,247 --> 00:37:33,850 お寿ず お寿ず! (お寿ず)は~い。 521 00:37:33,850 --> 00:37:37,550 ちょいと来てごらん。 清十郎が こんなもの持ってきてくれたよ。 522 00:37:39,522 --> 00:37:41,458 うん? 何です? 523 00:37:41,458 --> 00:37:44,861 ほら。 お由有さんが こしらえてくれたそうだ。 524 00:37:44,861 --> 00:37:48,732 はあ 背守りですね? うれしい! 525 00:37:48,732 --> 00:37:51,635 生まれてくる子が 無事 育つようにってね。 526 00:37:51,635 --> 00:37:55,505 何だか 一生懸命 縫ってましたよ。 ありがとうございます。 527 00:37:55,505 --> 00:37:58,505 ちょいと お母様に見せてきますね。 528 00:38:01,211 --> 00:38:04,547 お寿ずさんは 子をみごもっても 元気だね。 529 00:38:04,547 --> 00:38:07,884 そうだねぇ。 あの人は それが取り柄だから。 530 00:38:07,884 --> 00:38:10,220 また そんな事を。 531 00:38:10,220 --> 00:38:12,155 そうだ。 532 00:38:12,155 --> 00:38:15,091 お前には もったいないほどの 連れ合いじゃあないか。 533 00:38:15,091 --> 00:38:18,561 何だい 吉五郎。 誰が世話をしたと思ってるんだ? 534 00:38:18,561 --> 00:38:21,464 あああ… おい! 俺のだよ! 535 00:38:21,464 --> 00:38:26,436 いいじゃねえか! さんざん迷惑かけたんだ。 536 00:38:26,436 --> 00:38:29,205 それにしても 清十郎が➡ 537 00:38:29,205 --> 00:38:33,076 あんな色っぽいお師匠さんと 訳ありだったとはね。 538 00:38:33,076 --> 00:38:37,047 何だい お前 知らなかったのかい? え? 539 00:38:37,047 --> 00:38:40,183 ハハッ! まあ そうだよね。 こんな石頭に➡ 540 00:38:40,183 --> 00:38:43,086 色恋の話をしても 面白くも何ともないもんね~。 541 00:38:43,086 --> 00:38:45,855 何だと!? そうだろ? だって。 542 00:38:45,855 --> 00:38:49,526 まあまあ およしよ 2人とも。 543 00:38:49,526 --> 00:38:51,461 (せきばらい) 544 00:38:51,461 --> 00:38:54,864 この度は 2人には 迷惑をかけてしまい➡ 545 00:38:54,864 --> 00:38:58,735 本当に すまなかった。 このとおりだ。 546 00:38:58,735 --> 00:39:02,539 ふん…。 今更 そんな事を言われてもな。 547 00:39:02,539 --> 00:39:05,875 まあ 盗人がっぱは お縄になったんだし➡ 548 00:39:05,875 --> 00:39:08,778 よしとしようよ。 とはいっても➡ 549 00:39:08,778 --> 00:39:12,749 ほれた女の身内が お縄になるというのもねぇ➡ 550 00:39:12,749 --> 00:39:15,885 あまり 後味のいいもんじゃあないが。 551 00:39:15,885 --> 00:39:22,885 いや それが あの男のためだ。 しかたあるまい。 552 00:39:26,529 --> 00:39:33,837 七国屋は 川越へ帰ったのか? ああ そのようだよ。 553 00:39:33,837 --> 00:39:38,137 もう かっぱを捜す事は ないだろう。 554 00:39:39,709 --> 00:39:43,847 麻之助! え? 555 00:39:43,847 --> 00:39:49,185 お前も 赤子のために しっかりせねばな! 556 00:39:49,185 --> 00:39:52,088 あっ 痛い! 何すんだよ おい! 557 00:39:52,088 --> 00:39:54,057 親となるんだ これぐらい我慢しろ。 558 00:39:54,057 --> 00:39:57,527 お前 励ますにしても もっと優しくしろよ! 559 00:39:57,527 --> 00:40:01,197 こうか!? 痛い! こうか? 痛いな お前も! 560 00:40:01,197 --> 00:40:03,867 お前だって 名主になったんだろ! 頑張れよ! 561 00:40:03,867 --> 00:40:06,536 お前に言われたくないね。 562 00:40:06,536 --> 00:40:09,873 (宗匠)そうですか お子が。 563 00:40:09,873 --> 00:40:15,745 それは おめでとうございます。 ありがとうございます。 564 00:40:15,745 --> 00:40:20,517 自分が父になるとは いまだに信じられませんが。 565 00:40:20,517 --> 00:40:24,220 男は そんなものです。 え? 566 00:40:24,220 --> 00:40:27,557 好きなおなごに 子ができたとて➡ 567 00:40:27,557 --> 00:40:33,229 自分が その子の親などという 実感はない。 568 00:40:33,229 --> 00:40:40,570 子が生まれたとて 母子ほど 強いつながりがある訳ではなし。➡ 569 00:40:40,570 --> 00:40:45,570 いつだって 男は 蚊帳の外だ。 570 00:40:47,243 --> 00:40:52,582 ただ 失った時に初めて➡ 571 00:40:52,582 --> 00:40:57,921 己の子への愛の深さに 気付くのでしょうな。 572 00:40:57,921 --> 00:41:03,593 失ってみて気付く…。 ええ。 573 00:41:03,593 --> 00:41:11,593 我が子を かっぱにさらわれたと 思い続けた その人のように。 574 00:41:14,604 --> 00:41:17,941 失ってみて…。 575 00:41:17,941 --> 00:41:32,641 ♬~ 576 00:42:12,595 --> 00:43:29,595 ♬~