1 00:00:30,217 --> 00:00:34,704 何? 「ブラタモリ」の撮影? 2 00:00:34,704 --> 00:00:43,713 違うの? あのね 昔ね この辺りは 「鎌倉河岸」っていってね→ 3 00:00:43,713 --> 00:00:48,752 船の荷揚げ場だったんだよ。 江戸時代にね。 4 00:00:48,752 --> 00:00:53,590 なぜ 鎌倉かっていうと 江戸城 建てる時に→ 5 00:00:53,590 --> 00:01:00,614 必要だった石をね 鎌倉から 運んできたからなんだってよ。 6 00:01:00,614 --> 00:01:05,268 それでね もうちょっとね もうちょっと先の方へ行くと→ 7 00:01:05,268 --> 00:01:10,206 豊島屋っていう でっけえ酒屋があったんだよ。 8 00:01:10,206 --> 00:01:14,828 そんなとこでな 酒 たらふく飲んでみたかったな。 9 00:01:14,828 --> 00:01:17,647 あ~あ 人生やってらんないな。 10 00:01:17,647 --> 00:01:20,884 こっち行こう。 来るか? ちょっと寄りなさいよ。 11 00:01:20,884 --> 00:01:26,640 上がってらっしゃいよ。 12 00:01:26,640 --> 00:01:36,740 ♪♪~ 13 00:01:42,739 --> 00:01:48,812 (清蔵)おはようございます。 豊島屋の清蔵ででございます。 14 00:01:48,812 --> 00:01:54,184 <私の店で働く しほが 実は 川越藩の御武家の娘で→ 15 00:01:54,184 --> 00:01:58,488 過去の因縁から 家老一派に 狙われていると分かってからは→ 16 00:01:58,488 --> 00:02:02,592 金座裏の宗五郎親分の所に 厄介になっています> 17 00:02:02,592 --> 00:02:07,180 (しほ)今日から しばらくご厄介に なるので よろしくお願いします。 18 00:02:07,180 --> 00:02:12,652 <しほを憎からず思っている 政次 亮吉 彦四郎の悪たれ三羽烏は→ 19 00:02:12,652 --> 00:02:16,952 この先 どうなるか 気が気じゃないようです> 20 00:02:24,097 --> 00:02:26,850 (一同)お代わり! (下駄貫)おいらもな。 21 00:02:26,850 --> 00:02:28,852 はい! 22 00:02:28,852 --> 00:02:32,689 (お花婆さん)まあまあ まるで つばめの子だね。 23 00:02:32,689 --> 00:02:38,111 ああ。 これじゃ 幾ら炊いたって 間に合いやしませんよ まったく。 24 00:02:38,111 --> 00:02:43,249 (みつ)ほんとだよ。 下駄貫 あんた ここんとこ毎日だけど→ 25 00:02:43,249 --> 00:02:46,052 娘さん夫婦とは うまくいってんのかい? 26 00:02:46,052 --> 00:02:49,005 ええ。 おれは 嬶がいるわけじゃねえし→ 27 00:02:49,005 --> 00:02:51,741 娘夫婦に遠慮しながら 飯食うってのが→ 28 00:02:51,741 --> 00:02:53,743 どうも 性に合わねえんですよ。 29 00:02:53,743 --> 00:02:57,981 娘さんに心配かけちゃいけないよ。 亮吉 お前もだ。 30 00:02:57,981 --> 00:03:01,334 ここんとこ 長屋に 戻っちゃないだろ。 今夜は戻んな。 31 00:03:01,334 --> 00:03:03,653 (亮吉)けど しほちゃん 送らなきゃならねえし。 32 00:03:03,653 --> 00:03:05,638 (常丸)帰りなら おれが迎えに行っといてやるぞ。 33 00:03:05,638 --> 00:03:08,875 常 やめとけ。 亮吉に恨まれるだけだぞ。 34 00:03:08,875 --> 00:03:10,877 どういう意味っすか それ! 35 00:03:10,877 --> 00:03:12,879 (宗五郎)おい おみつ。 36 00:03:12,879 --> 00:03:15,648 は~い! 37 00:03:15,648 --> 00:03:18,802 ≪御免! 38 00:03:18,802 --> 00:03:21,488 私が。 39 00:03:21,488 --> 00:03:24,488 は~い! 40 00:03:26,443 --> 00:03:28,461 辰一郎様。 41 00:03:28,461 --> 00:03:30,447 (園村辰一郎)おはようございます しほ殿。 42 00:03:30,447 --> 00:03:34,784 はい おはようございます。 あの… どちらかへ? 43 00:03:34,784 --> 00:03:37,084 急に 川越に 戻ることになりました。 44 00:03:41,791 --> 00:03:44,944 (宗五郎)急な ご出立ですが 何かありましたか? 45 00:03:44,944 --> 00:03:46,946 (辰一郎)川越で 10日のうちには→ 46 00:03:46,946 --> 00:03:49,599 春の出入り商人を決める 入れ札があるのです。 47 00:03:49,599 --> 00:03:54,621 その前に 光村様に気取られぬよう 私が川越へ ひそかに入り→ 48 00:03:54,621 --> 00:03:58,708 向こうの仲間と 打つ手はないか 相談することになりました。 49 00:03:58,708 --> 00:04:01,511 そいつは ご苦労なことで。 50 00:04:01,511 --> 00:04:04,647 (辰一郎) 親分には必ず伝えておくよう 田崎様に言われましたので→ 51 00:04:04,647 --> 00:04:07,884 朝早くから ご迷惑かと 思いましたが こうして。 52 00:04:07,884 --> 00:04:12,756 私らも 何とか お力になりてえ ところなんですが…。 53 00:04:12,756 --> 00:04:14,741 申し訳ありません。 54 00:04:14,741 --> 00:04:18,244 しかたないよ。 長屋のあちこち 捜し回ったんだろ? 55 00:04:18,244 --> 00:04:21,848 着替えの入った葛篭から 父の残した薬袋→ 56 00:04:21,848 --> 00:04:26,870 火鉢の灰の中まで どこを捜しても 何も見つからないんです。 57 00:04:26,870 --> 00:04:30,440 (辰一郎)ですが 叔父上 叔母上は 必ず 不正の証拠を握って→ 58 00:04:30,440 --> 00:04:32,809 江戸へと逃げてきたはず。→ 59 00:04:32,809 --> 00:04:37,514 でなければ 根島一派が しほ殿を狙うわけがありません。 60 00:04:37,514 --> 00:04:40,683 ねえもんはねえって 言ってんのによッタク! おい。 61 00:04:40,683 --> 00:04:44,504 何か言ったかい 亮吉。 いや 別に何も…。 62 00:04:44,504 --> 00:04:46,689 バカ! (辰一郎)しほ殿→ 63 00:04:46,689 --> 00:04:49,742 もし見つかった暁には 田崎様に。 64 00:04:49,742 --> 00:04:52,979 はい。 何としてでも…。 65 00:04:52,979 --> 00:04:56,583 十分に お気を付け下さいまし 辰一郎様。 66 00:04:56,583 --> 00:05:00,487 (辰一郎)しほ殿の笑顔を 心の 励みにして 本懐を遂げる所存。 67 00:05:00,487 --> 00:05:04,187 祈っていて下さい。 はい。 68 00:05:09,145 --> 00:05:13,383 (梅吉) びっくりしたぜ。 親類が川越に いたんだってな しほちゃん。 69 00:05:13,383 --> 00:05:16,870 (繁三)しかも 御武家の親類たあ 豪儀だぜ。 70 00:05:16,870 --> 00:05:19,439 そんなことないですよ。 71 00:05:19,439 --> 00:05:21,858 (亮吉)あ~あ やだやだ。→ 72 00:05:21,858 --> 00:05:26,045 「しほ殿の笑顔を 心の励みにして 本懐を遂げる所存」。 73 00:05:26,045 --> 00:05:28,548 なんつってよ 親類だか何だか知らねえけど→ 74 00:05:28,548 --> 00:05:30,850 お侍ってのは お堅くて いけねえや。 75 00:05:30,850 --> 00:05:33,069 (彦四郎)ひっかっかる言い方する じゃねえか 亮吉。 76 00:05:33,069 --> 00:05:35,255 (政次)亮吉は 園村ってお方が しほちゃんを→ 77 00:05:35,255 --> 00:05:38,241 川越に連れて帰っちまうんじゃ ないかって思ってんだよ。 78 00:05:38,241 --> 00:05:40,243 そうなのか?! 79 00:05:40,243 --> 00:05:42,529 (亮吉)そういうことだって あるかもしれねえだろうが…。 80 00:05:42,529 --> 00:05:45,081 あ~あ~ 暇だ 暇だ! 81 00:05:45,081 --> 00:05:48,084 客も来ねえし 今日は店じまいするよ! 82 00:05:48,084 --> 00:05:51,137 待ってよ だんな! ここにいるだろ ここに! 83 00:05:51,137 --> 00:05:54,674 威張るなら つけを払ってからにしておくれ。 84 00:05:54,674 --> 00:05:58,011 おい しほ 今日は しまいにするよ。 は~い! 85 00:05:58,011 --> 00:06:01,214 亮吉 しほを 金座裏まで送っておくれ。 86 00:06:01,214 --> 00:06:04,984 (亮吉) それがさ 今日は長屋に帰れって お内儀さんに言われててさ。 87 00:06:04,984 --> 00:06:08,171 常の兄が代わりに 来るはずなんだけど 遅えな。 88 00:06:08,171 --> 00:06:12,909 なら 政次に任せよう。 お店に戻るついでだ。 いいね。 89 00:06:12,909 --> 00:06:16,212 はい。 90 00:06:16,212 --> 00:06:19,682 おい! さっさと帰って→ 91 00:06:19,682 --> 00:06:22,185 そのバカ面 おっ母さんに見せてやんな。 92 00:06:22,185 --> 00:06:25,371 どんなバカ面でも おっ母さんは うれしいもんなんだ。 93 00:06:25,371 --> 00:06:27,840 さっ 帰った 帰った! 94 00:06:27,840 --> 00:06:33,179 2人! まだいたのか! さっさと帰れ 帰れ! 95 00:06:33,179 --> 00:06:36,716 帰った 帰った! はい はい はい はい! 96 00:06:36,716 --> 00:06:40,116 (犬のほえる声) 97 00:06:46,843 --> 00:06:49,943 見て お月さん。 98 00:06:53,383 --> 00:06:59,872 辰一郎ってお方 前は殿様の おそば近くに勤めてたそうだな。 99 00:06:59,872 --> 00:07:03,843 いつか 御家中でも 偉くなる人だぜ きっと。 100 00:07:03,843 --> 00:07:07,513 そう? 101 00:07:07,513 --> 00:07:10,683 おれたちとは 月とスッポンだ。 102 00:07:10,683 --> 00:07:15,738 何だか しほちゃんが 遠くに行っちまうみたいだ。 103 00:07:15,738 --> 00:07:18,491 バカなこと言わないでよ。 私は…。 104 00:07:18,491 --> 00:07:23,613 (足音) 105 00:07:23,613 --> 00:07:27,550 (光村金太郎) 村上田之助の娘 しほ。 我らに同行してもらおう。 106 00:07:27,550 --> 00:07:29,535 てめえ この間の…。 107 00:07:29,535 --> 00:07:32,939 その娘じゃ!  回想  捕まえて 体に聞くのじゃ! 108 00:07:32,939 --> 00:07:36,292 武州川越の御家中 光村金太郎って人よ。 109 00:07:36,292 --> 00:07:38,911 (光村)2人とも捕えてしまえ! 110 00:07:38,911 --> 00:07:41,381 しほちゃん 豊島屋に逃げろ。 111 00:07:41,381 --> 00:07:44,517 嫌よ! いいから走れ! 112 00:07:44,517 --> 00:07:47,117 や~! 113 00:07:50,606 --> 00:07:53,676 逃げろ! 追いはぎでございます! キャー! 114 00:07:53,676 --> 00:07:55,878 助けて~! 誰か! 115 00:07:55,878 --> 00:07:58,314 しほちゃん! 116 00:07:58,314 --> 00:08:00,500 誰か助けて! 117 00:08:00,500 --> 00:08:03,469 (来嶋正右衛門)何をいたしておる。 早うせんか! 118 00:08:03,469 --> 00:08:05,488 い… ててててててて! 119 00:08:05,488 --> 00:08:09,142 (宗五郎)おやめなせえ! しほちゃん! 120 00:08:09,142 --> 00:08:13,546 (宗五郎)千代田のお城近くで 段平 振り回すとは いい度胸だ。 121 00:08:13,546 --> 00:08:15,946 大丈夫か?! 122 00:08:24,607 --> 00:08:30,513 分からねえなら この金座裏が受けて立とう。 123 00:08:30,513 --> 00:08:34,313 どうするよ 光村金太郎さん。 124 00:08:38,638 --> 00:08:44,460 (来嶋)町方風情が 口を挟むこと ではないわ。 吟味の筋である! 125 00:08:44,460 --> 00:08:50,817 ほう。 ふんぞり返って 吟味の筋ときやがったか。 126 00:08:50,817 --> 00:08:55,872 お前さんが 江戸留守居役 来嶋正右衛門さんかい。 127 00:08:55,872 --> 00:09:02,512 そんなこっちゃ 武州川越の 御家名に傷がつこうってもんだぜ。 128 00:09:02,512 --> 00:09:04,514 わしの名まで…。 129 00:09:04,514 --> 00:09:09,152 (宗五郎)この一件 大目付様に お恐れながらと訴え出ようか。 130 00:09:09,152 --> 00:09:14,040 お前さん方のお殿様が 腹を切ったって 追いつかねえぜ。 131 00:09:14,040 --> 00:09:18,440 来嶋様 この場は…。 引け! 132 00:09:29,122 --> 00:09:32,959 (宗五郎)しほ ケガはねえか? はい。 けど 政次さんが…。 133 00:09:32,959 --> 00:09:35,378 (常丸)刀を振り回す侍に しがみつくなんて→ 134 00:09:35,378 --> 00:09:41,678 肝が据わってるぜ。 手代にしとくのは惜しいや。 135 00:09:43,369 --> 00:09:47,907 しほ 怖い目に遭わせちまったな。 勘弁しておくれ。 136 00:09:47,907 --> 00:09:50,193 いえ。 137 00:09:50,193 --> 00:09:53,713 常。 政次を松阪屋まで送ってやれ。 138 00:09:53,713 --> 00:09:57,216 へい。 あっ とんでもない。 139 00:09:57,216 --> 00:10:01,137 一人で戻れます。 じゃあな しほちゃん。 140 00:10:01,137 --> 00:10:03,537 ありがとう 政次さん。 141 00:10:18,905 --> 00:10:21,205  回想  (男)てえへんだ! 142 00:10:24,877 --> 00:10:31,868 親分 こんなことでいいんですか。 それで御用聞きが務まるんですか。 143 00:10:31,868 --> 00:10:34,768 何をしやがる! 144 00:10:40,776 --> 00:10:42,778 しじみ~ しじみ! 145 00:10:42,778 --> 00:10:44,780 < その翌朝のこと> 146 00:10:44,780 --> 00:10:48,434 (由左衛門)宗五郎さん こんなに 朝早くから 手代のケガなんかで→ 147 00:10:48,434 --> 00:10:51,654 詫びに来られちゃ こっちが恐縮しちまいますよ。 148 00:10:51,654 --> 00:10:55,191 いえいえ。 うちで預かってる娘のために→ 149 00:10:55,191 --> 00:11:00,880 大事な奉公人をケガさせちまって 頭下げるのが筋ってもんだ。 150 00:11:00,880 --> 00:11:03,182 (松六)そりゃあ 違うな。→ 151 00:11:03,182 --> 00:11:05,468 掛け取りの帰りは まっすぐ戻るように→ 152 00:11:05,468 --> 00:11:08,354 口を酸っぱくして言ってるのに→ 153 00:11:08,354 --> 00:11:13,709 豊島屋さんに顔を出して 自分で 災いを呼んでいるのは政次だ。 154 00:11:13,709 --> 00:11:18,514 さっきも 番頭さんに きつく しからせたところだ。 155 00:11:18,514 --> 00:11:25,254 さいですか。 ですが そんな政次が あっしは気に入ってるんで。 156 00:11:25,254 --> 00:11:28,107 何が言いたいんだい? 157 00:11:28,107 --> 00:11:33,946 (宗五郎)まどろっこしいことは 嫌いなんで ずばり言います。→ 158 00:11:33,946 --> 00:11:36,046 政次を もらい受けてえ。 159 00:11:37,984 --> 00:11:40,670 どういうことですか? 宗五郎さん。 160 00:11:40,670 --> 00:11:45,174 (宗五郎)政次は こちらでも 評判の手代だそうで。 161 00:11:45,174 --> 00:11:49,145 商いの勘もいいし 客あしらいも いいってね。 162 00:11:49,145 --> 00:11:53,049 あっしの見たところでも 肝が据わってる。 163 00:11:53,049 --> 00:11:59,238 つまり 政次を手先にして 十手を 振り回させようってわけですか? 164 00:11:59,238 --> 00:12:09,348 手先は十分おりやす。 だが… 金座裏を継ぐ者がいねえ。 165 00:12:09,348 --> 00:12:11,434 <これは驚いた!→ 166 00:12:11,434 --> 00:12:15,434 宗五郎さんは とんでもないことを 言いだしたもんだ> 167 00:12:23,079 --> 00:12:31,904 アッハッハ。 そうか。 政次を金座裏の跡継ぎにねえ。 168 00:12:31,904 --> 00:12:35,341 このことは おみつも知っちゃいねえ。 169 00:12:35,341 --> 00:12:39,078 まずは お二人に相談してからと 思いましてね。 170 00:12:39,078 --> 00:12:43,115 アッハハ。 どうするね 由左衛門。 171 00:12:43,115 --> 00:12:45,117 (由左衛門)どうするって…。 172 00:12:45,117 --> 00:12:49,772 そりゃねえ 金座裏に子がない ことは承知してますよ。 173 00:12:49,772 --> 00:12:52,775 だがねえ 宗五郎さん→ 174 00:12:52,775 --> 00:12:56,912 政次は お前さんの跡継ぎになれる 男なんですか? 175 00:12:56,912 --> 00:13:00,149 そいつは分からねえ。 176 00:13:00,149 --> 00:13:05,121 こいつは商人だろうと 御用聞きだろうと 同じこと。 177 00:13:05,121 --> 00:13:12,945 だが あっしの勘が… 政次ならとね。 178 00:13:12,945 --> 00:13:16,882 (由左衛門) そいつは 随分と べらぼうな 言いぐさじゃありませんか。→ 179 00:13:16,882 --> 00:13:20,603 私なら 政次を 一端の商人にしてみせる。 180 00:13:20,603 --> 00:13:24,440 この話は お断りしますよ 宗五郎さん。 181 00:13:24,440 --> 00:13:29,862 (松六)金座裏 こいつは ここだけの話にしよう。 182 00:13:29,862 --> 00:13:37,036 政次は 大事な松阪屋の手代だ。 右から左ってわけにはいかないよ。 183 00:13:37,036 --> 00:13:43,636 しばらくは 3人の胸の内に しまっておくのが一番だ。 な。 184 00:13:45,277 --> 00:13:47,677 へい。 185 00:14:25,768 --> 00:14:30,668  回想  (早希)しほは私に似て 絵が好きなのね。 186 00:14:45,971 --> 00:15:05,357 ♪♪~ 187 00:15:05,357 --> 00:15:10,146 常 寺坂様に伝えろ。 「例の証拠が見つかりました」とな。 188 00:15:10,146 --> 00:15:12,246 へい! 189 00:15:18,020 --> 00:15:22,591 (寺坂毅一郎) 間違いねえ。 入れ札の金額を 改ざんした書き付けと→ 190 00:15:22,591 --> 00:15:26,912 残りは しほの母親が その時の模様を記したものだ。 191 00:15:26,912 --> 00:15:28,914 (宗五郎)これさえ ありゃ→ 192 00:15:28,914 --> 00:15:31,751 田崎様や辰一郎様たちの苦労が 実を結びますぜ。 193 00:15:31,751 --> 00:15:35,237 宗五郎 これから 田崎殿の所に行くぞ。 194 00:15:35,237 --> 00:15:37,256 こいつを川越に届けりゃ→ 195 00:15:37,256 --> 00:15:40,192 今年の入れ札の不正を止める ことが できるかもしれねえ。 196 00:15:40,192 --> 00:15:43,879 へい! しほ お手柄だ。 197 00:15:43,879 --> 00:15:45,881 お役に立ちますか? 198 00:15:45,881 --> 00:15:49,251 立たせなきゃならめえ。 おみつ 出かけるぜ。 199 00:15:49,251 --> 00:15:51,737 あいよ。 200 00:15:51,737 --> 00:15:55,307 私が? (れん)声が大きい! 201 00:15:55,307 --> 00:15:57,777 この耳で聞いたんだから。 202 00:15:57,777 --> 00:16:00,579 このままいったら ここを追い出されるかもしれない。 203 00:16:00,579 --> 00:16:03,749 そんなことになっても いいの? 嫌でしょ?→ 204 00:16:03,749 --> 00:16:08,337 丁稚から勤め上げてきた 今までの 苦労が水の泡になってしまうんだ。 205 00:16:08,337 --> 00:16:11,157 だから あいつらと つきあうのは やめなさい。 206 00:16:11,157 --> 00:16:17,179 あんたには似合わない。 特に あの しほって子は。 207 00:16:17,179 --> 00:16:21,967 ≪政次 …お見えだよ! 208 00:16:21,967 --> 00:16:25,067 (れん)いいね。 分かったわね。 209 00:16:29,041 --> 00:16:31,641 ≪政次! はい ただいま。 210 00:16:34,063 --> 00:16:36,148 川越? 211 00:16:36,148 --> 00:16:39,201 (亮吉)先刻 田崎九郎太様と発たれたよ。 そう…。 212 00:16:39,201 --> 00:16:41,520 (彦四郎)親分が じきじきに乗り込んだか。 213 00:16:41,520 --> 00:16:46,242 川越は嵐が吹くな。 金座裏が出張ったとなると。 214 00:16:46,242 --> 00:17:14,420 ♪♪~ 215 00:17:14,420 --> 00:17:16,405  回想  (宗五郎)了見違いするねえ! 216 00:17:16,405 --> 00:17:20,709 手をかけようが かけまいが そう し向けたのは てめえたちだ。→ 217 00:17:20,709 --> 00:17:23,846 人 一人 死んでることには 違いねえ。→ 218 00:17:23,846 --> 00:17:25,848 てめえたちは その痛みを抱えて→ 219 00:17:25,848 --> 00:17:30,669 これから生きていかなきゃ ならねえんだ。 よく覚えとけ! 220 00:17:30,669 --> 00:17:43,769 ♪♪~ 221 00:17:46,886 --> 00:17:48,871 (田崎九郎太)つまりだ。 222 00:17:48,871 --> 00:17:52,808 先代の家老と つながっていた 御用商人の言い値よりも→ 223 00:17:52,808 --> 00:17:56,312 安く見積もってきたものは 高く書き直し→ 224 00:17:56,312 --> 00:17:58,681 それを殿に お見せする。 225 00:17:58,681 --> 00:18:02,167 畳の張り替え 調度品の購入等すべて→ 226 00:18:02,167 --> 00:18:04,370 御用商人の手に落ちる仕組みだ。 227 00:18:04,370 --> 00:18:08,340 入れ札で見積もりした額は 表に 出ないことになっていますから→ 228 00:18:08,340 --> 00:18:10,359 この不正が成り立ちます。 229 00:18:10,359 --> 00:18:13,646 そして 今でも 当代の家老は→ 230 00:18:13,646 --> 00:18:17,082 武州屋という 御用商人と 同じような不正を続けている。 231 00:18:17,082 --> 00:18:24,323 入れ札は明後日だ。 それまでに この証拠を どう生かすかだな。 232 00:18:24,323 --> 00:18:28,043 まずは 次席家老の内藤様か→ 233 00:18:28,043 --> 00:18:32,247 大目付の静谷様を 動かすしかないが…。 234 00:18:32,247 --> 00:18:34,249 お待ち下さいまし。 235 00:18:34,249 --> 00:18:36,235 何だ? 金座裏。 236 00:18:36,235 --> 00:18:39,905 この一件 お殿様に知って頂いた方が→ 237 00:18:39,905 --> 00:18:41,924 手っ取り早くはございませんか。 238 00:18:41,924 --> 00:18:44,043 直恒様?! ええ。 239 00:18:44,043 --> 00:18:48,681 お国もとでは 根島家老の力は 絶大だと聞いております。 240 00:18:48,681 --> 00:18:52,051 次席家老様や大目付様も→ 241 00:18:52,051 --> 00:18:56,438 お殿様のご支持あってのお力に すぎないんじゃございませんか。 242 00:18:56,438 --> 00:18:59,191 いや それは そうだが…。 243 00:18:59,191 --> 00:19:02,578 江戸詰めの我らが 殿に近づくのは 容易なことではない。 244 00:19:02,578 --> 00:19:06,899 ですが 辰一郎様は 元お小姓だったはず。 245 00:19:06,899 --> 00:19:13,222 ええ。 今は 弟の龍次郎が 殿のそばに仕えております。 246 00:19:13,222 --> 00:19:16,442 そうです。 親分の言うとおりだ。→ 247 00:19:16,442 --> 00:19:21,180 お家の真実を 直恒様に 知って頂くのが一番の近道。 248 00:19:21,180 --> 00:19:24,550 よし 辰一郎に任せる。 249 00:19:24,550 --> 00:19:29,021 金座裏 命を預けてくれるか? 250 00:19:29,021 --> 00:19:33,142 へい。 乗りかかった船でさあ。 251 00:19:33,142 --> 00:19:47,189 ♪♪~ 252 00:19:47,189 --> 00:19:49,174 (口笛) 253 00:19:49,174 --> 00:20:14,174 ♪♪~ 254 00:20:19,772 --> 00:20:22,608 (園村龍次郎)殿。 (松平直恒)龍次郎か? 255 00:20:22,608 --> 00:20:28,180 はい。 江戸より 火急の使者として 園村辰一郎が参っております。 256 00:20:28,180 --> 00:20:34,880 何? 辰一郎とな…。 通せ。 (龍次郎)はっ。 257 00:20:46,181 --> 00:20:49,184 町人の連れがおるのか? (辰一郎)はい。→ 258 00:20:49,184 --> 00:20:52,521 江戸城に お目見えを許された 古町町人の一人→ 259 00:20:52,521 --> 00:20:55,591 代々 お上の御用をつとめてきた 金座裏九代目→ 260 00:20:55,591 --> 00:20:57,609 宗五郎でございます。 261 00:20:57,609 --> 00:21:04,416 (直恒)辰一郎 町方を伴っての夜分の訪い→ 262 00:21:04,416 --> 00:21:06,535 子細あってのことだろうな。 263 00:21:06,535 --> 00:21:13,976 我らは死を覚悟して 殿の御前に まかり出でましてございます。 264 00:21:13,976 --> 00:21:17,613 宗五郎とやら 入れ。→ 265 00:21:17,613 --> 00:21:22,013 事と次第によっては その方らを警護の者に引き渡す。 266 00:21:35,214 --> 00:21:38,914 (直恒)話せ 辰一郎。 267 00:21:40,786 --> 00:21:45,386 (辰一郎)まずは この書き付けをご覧下さい。 268 00:21:50,979 --> 00:21:56,385 <20年前 しほの両親が 川越を出奔した いきさつから→ 269 00:21:56,385 --> 00:21:59,071 江戸で しほが襲われたことまで→ 270 00:21:59,071 --> 00:22:03,342 洗いざらい知らされた お殿様は 驚いたのなんの> 271 00:22:03,342 --> 00:22:06,345 まさか そのような…。 (辰一郎)うそ偽りはございませぬ。 272 00:22:06,345 --> 00:22:12,801 このままでは お家の建て直しなど 成し遂げることなどかないませぬ。 273 00:22:12,801 --> 00:22:20,475 (直恒)この書き付けから 先代 根島伝兵衛の悪行は明白。 274 00:22:20,475 --> 00:22:24,175 じゃが 当代までが そのような…。 275 00:22:26,098 --> 00:22:28,116 でしたら 殿様。→ 276 00:22:28,116 --> 00:22:31,186 その お目で あの夜と同じことが 繰り返されるのを→ 277 00:22:31,186 --> 00:22:33,739 ご覧になったら いかがでございますか? 278 00:22:33,739 --> 00:22:36,058 何? (宗五郎)あっしらは→ 279 00:22:36,058 --> 00:22:38,744 城中に忍び込んでくることが できたんだ。 280 00:22:38,744 --> 00:22:41,947 殿様が お忍びで町に 出られねえわけがございません。 281 00:22:41,947 --> 00:22:43,949 親分! 282 00:22:43,949 --> 00:22:46,902 (宗五郎) 長年 お家を食い物にしてきた 大ねずみの退治には→ 283 00:22:46,902 --> 00:22:52,007 殿様 じきじきのお出ましがなきゃ 収まりがつきませんや。 284 00:22:52,007 --> 00:23:06,507 ♪♪~ 285 00:23:08,240 --> 00:23:10,259 (辰一郎)宗五郎殿→ 286 00:23:10,259 --> 00:23:16,081 もし 入れ札の後 御家老と 武州屋が ここに現れなかったら→ 287 00:23:16,081 --> 00:23:19,051 私と弟は切腹。 288 00:23:19,051 --> 00:23:27,092 あっしの首も吹っ飛んじまいます。 ちょいと早まっちまいましたかね。 289 00:23:27,092 --> 00:23:33,448 まっ 入れ札の料亭は この近く。 運を天に任せましょう。 290 00:23:33,448 --> 00:23:36,148 それは そうですが…。 しっ! 291 00:23:50,716 --> 00:23:54,353 盗人でも出そうな夜じゃな。 292 00:23:54,353 --> 00:23:57,053 いやいや 桑原桑原。 293 00:24:03,245 --> 00:24:06,645 (鐘の音) 294 00:24:13,939 --> 00:24:20,245 (武州屋嶺蔵) 御家老様 こたびも つつがなく 入れ札が終わりましたな。 295 00:24:20,245 --> 00:24:25,183 (根島伝兵衛)武州屋 そなたの懐には幾ら入る? 296 00:24:25,183 --> 00:24:29,121 アッハハ! 御家老様ほどには稼げませぬ。 297 00:24:29,121 --> 00:24:34,076 うそを申すな。 フフフフフ。 298 00:24:34,076 --> 00:24:38,476 今年は こうなる。 299 00:24:42,384 --> 00:24:44,484 (武州屋)おお…。 300 00:24:51,977 --> 00:24:55,847 ありがとうございます。 301 00:24:55,847 --> 00:25:02,220 これは… ほんの前祝いでございます。 302 00:25:02,220 --> 00:25:04,206 ハッハハハハ! 303 00:25:04,206 --> 00:25:08,206 (直恒)伝兵衛! これは一体 何のまねじゃ! 304 00:25:09,911 --> 00:25:12,781 はは~! 305 00:25:12,781 --> 00:25:22,474 ♪♪~ 306 00:25:22,474 --> 00:25:28,847 これにて 一件落着とくらあ! 307 00:25:28,847 --> 00:25:31,247 豊島屋! 308 00:25:33,418 --> 00:25:37,823 やはりな。 宗五郎さんが 川越に出向いたと聞いて→ 309 00:25:37,823 --> 00:25:40,459 これは 嵐が起こると 思ってたんだ。 310 00:25:40,459 --> 00:25:43,111 まさか 殿様を担ぎ出すとは→ 311 00:25:43,111 --> 00:25:46,048 宗五郎さんじゃなきゃ できないや。 312 00:25:46,048 --> 00:25:48,050 冷や汗たらたらよ。 313 00:25:48,050 --> 00:25:52,304 殿様が 一晩かかっての大ねずみ 退治が始まったのを見届けて→ 314 00:25:52,304 --> 00:25:55,057 這々の体で戻ったって次第よ。 315 00:25:55,057 --> 00:25:57,592 金座裏でも 冷や汗かくかい? 316 00:25:57,592 --> 00:26:00,846 だんな 勘弁して下さいよ。 317 00:26:00,846 --> 00:26:05,400 とにもかくにも これで すべてが 終わった。 よかったな しほ。 はい。 318 00:26:05,400 --> 00:26:07,986 (亮吉)親分 しほちゃんは どうなるんで? 319 00:26:07,986 --> 00:26:11,823 (彦四郎)川越に戻るなんてこと ないですよね。 どうして? 320 00:26:11,823 --> 00:26:16,812 だってさ もともとは 川越の御家中の家柄なんだろ。 321 00:26:16,812 --> 00:26:20,982 今度のことが一件落着した ってことは つまり…。 322 00:26:20,982 --> 00:26:22,968 どうなんですか? 宗五郎さん。 323 00:26:22,968 --> 00:26:26,738 そいつは おれにも分からねえ。 324 00:26:26,738 --> 00:26:34,045 私は… 鎌倉河岸の人間です。 そんなこと考えたこともないです。 325 00:26:34,045 --> 00:26:36,865 だよなあ! (彦四郎)そうだよなあ。 326 00:26:36,865 --> 00:26:39,117 ってことで…。 327 00:26:39,117 --> 00:26:41,236 (亮吉)あっ 痛い! 残念でした。 328 00:26:41,236 --> 00:26:43,939 (彦四郎)寺坂様 しょっ引いちゃって下さいよ。 329 00:26:43,939 --> 00:26:46,575 皆さん おそろいで。 330 00:26:46,575 --> 00:26:49,010 政次 ここんところ 顔 見せなかったな。 331 00:26:49,010 --> 00:26:52,981 お店が忙しかったもんですから。 (亮吉)おい 川越の一件だけどよ。 332 00:26:52,981 --> 00:26:56,151 聞いたよ 今。 よかったな しほちゃん。 333 00:26:56,151 --> 00:26:58,951 はい。 334 00:27:01,673 --> 00:27:03,675 ご苦労さまでした 親分。 335 00:27:03,675 --> 00:27:06,211 お前にも世話になったな。 336 00:27:06,211 --> 00:27:08,213 いえ。 337 00:27:08,213 --> 00:27:10,213 どうした? 338 00:27:12,250 --> 00:27:15,520 世のため 人のために働く 親分を見習って→ 339 00:27:15,520 --> 00:27:20,242 私も松阪屋のために 誠心誠意 勤めていく覚悟を決めました。 340 00:27:20,242 --> 00:27:22,244 いつか 必ず→ 341 00:27:22,244 --> 00:27:27,749 お店を しょって立つような人間に なってみせます 親分。 342 00:27:27,749 --> 00:27:31,119 そうか。 はい。 343 00:27:31,119 --> 00:27:35,340 (亮吉)何 堅いこと言ってんだよ! ほら 座って一緒に飲もうぜ! 344 00:27:35,340 --> 00:27:41,947 <さて この2人の これからは 一体 どうなりますことやら。→ 345 00:27:41,947 --> 00:27:45,247 まずは 本日 これまで!> 346 00:27:52,407 --> 00:27:55,377 (松六)あれから 14年か。 347 00:27:55,377 --> 00:27:57,712 あなた様は? 逃がすか~! 348 00:27:57,712 --> 00:28:00,415 (松六)いまだ 14年前の亡霊が現れるか! 349 00:28:00,415 --> 00:28:02,734 (辰一郎)殿からの お言づてです。 350 00:28:02,734 --> 00:28:06,238 久保田の家を 再び興したいと いうのなら かなえてつかわすと。 351 00:28:06,238 --> 00:28:08,990 どうしたらいいと思う? おれには…。 352 00:28:08,990 --> 00:28:12,644 (宗五郎) いいか 政次 片ときも御隠居の そばを離れちゃならねえ。→ 353 00:28:12,644 --> 00:28:15,747 必ず 御隠居を守るんだ。 354 00:28:15,747 --> 00:29:20,547 ♪♪~ 355 00:30:27,979 --> 00:30:31,650 メキシコのユカタン半島。 356 00:30:31,650 --> 00:30:39,307 広大なジャングルに ぽっかりと口を開けた神秘の泉。 357 00:30:39,307 --> 00:30:47,816 それは 地下に広がる 巨大な水中洞窟への入り口です。 358 00:30:47,816 --> 00:30:54,639 ジャングルの下に網の目のように広がる 美しい水の迷宮。