1 00:00:33,917 --> 00:00:35,919 (さえずり) 2 00:00:35,919 --> 00:00:39,456 何? 「ブラタモリ」? (ブー) 3 00:00:39,456 --> 00:00:46,046 違うの? あっ あのね 江戸の昔はね ここ日本橋からね→ 4 00:00:46,046 --> 00:00:48,315 向こうの江戸橋にかけての 川沿いにね→ 5 00:00:48,315 --> 00:00:52,453 魚河岸があったんだってよ。 今は すっかり変わっちまったけどな→ 6 00:00:52,453 --> 00:00:57,057 当時は 一日 1,000両の取り引きが あったっていうんだから→ 7 00:00:57,057 --> 00:00:59,043 すげえよな。 ハッハッハッ! 8 00:00:59,043 --> 00:01:03,797 でね 大正12年の 関東大震災の後にね→ 9 00:01:03,797 --> 00:01:05,949 今の築地に移った っていうわけだよ。 10 00:01:05,949 --> 00:01:10,921 あっ そこの記念碑にね いろいろ 詳しいことが書いてあるから→ 11 00:01:10,921 --> 00:01:15,642 今度 来るようなことがあったら 読むように。 あっ そうだ。 12 00:01:15,642 --> 00:01:21,098 今日はね ちょっと生きのいいもん 仕入れてきたんだよ! ハッハッハッ! 13 00:01:21,098 --> 00:01:24,151 よいしょっと! ジャン! 14 00:01:24,151 --> 00:01:28,906 これが ほんとの「魚菓子」 なんつって! 15 00:01:28,906 --> 00:01:39,783 ♪♪~ 16 00:01:39,783 --> 00:01:45,222 (さえずり) 17 00:01:45,222 --> 00:01:51,578 おっ これは どうも。 豊島屋の清蔵でございます。 18 00:01:51,578 --> 00:01:54,915 <宗五郎親分のもとを家出した 亮吉が→ 19 00:01:54,915 --> 00:01:58,585 ひょんなことから 盗人一味と出くわしました。→ 20 00:01:58,585 --> 00:02:02,456 こいつら あろうことか 親分を殺して→ 21 00:02:02,456 --> 00:02:04,575 金座裏に押し込みを 働こうという→ 22 00:02:04,575 --> 00:02:09,463 とんでもないやつらでした。→ 23 00:02:09,463 --> 00:02:13,367 しかし 政次たちの活躍で 一味は捕まり→ 24 00:02:13,367 --> 00:02:16,870 亮吉も無事 金座裏に 戻ってまいりました> 25 00:02:16,870 --> 00:02:20,470 (亮吉)行ってきます! しっかりな! 26 00:02:23,527 --> 00:02:29,683 まずは めでたし めでたしでございます。 ハッハッハッ! 27 00:02:29,683 --> 00:02:36,183 (もん)どうぞ。 だんな様 どうか ごひいきに願います。 28 00:02:41,211 --> 00:02:44,364 えっ…。 29 00:02:44,364 --> 00:02:51,889 いや いや。 驚きました。 30 00:02:51,889 --> 00:02:58,612 ここに このようなお店があるとは 思いもしなかったものですからな。 31 00:02:58,612 --> 00:03:03,083 はい。 こたび 新しく始めたばかりでして。 32 00:03:03,083 --> 00:03:08,522 左様ですか。 商いは初めてですか? 33 00:03:08,522 --> 00:03:15,179 亭主が亡くなりまして なんぞ 食べる手立てをと考えまして→ 34 00:03:15,179 --> 00:03:19,016 このような引札の商いを。 35 00:03:19,016 --> 00:03:21,716 そうでしたか。 36 00:03:26,273 --> 00:03:31,862 おもんさんと おっしゃる? ええ。 37 00:03:31,862 --> 00:03:34,515 ちょうどよかった。 38 00:03:34,515 --> 00:03:39,253 うちでも 新しい引札を 考えていたところです。 39 00:03:39,253 --> 00:03:43,507 近々 もう一度 伺いましょう。 40 00:03:43,507 --> 00:03:47,578 左様でございますか。 だんな様は? 41 00:03:47,578 --> 00:03:51,748 鎌倉河岸の豊島屋です。 42 00:03:51,748 --> 00:03:55,786 豊島屋様…。 これは失礼いたしました。 43 00:03:55,786 --> 00:04:00,807 いや 何…。 では また。 44 00:04:00,807 --> 00:04:03,977 はい。 45 00:04:03,977 --> 00:04:20,027 ♪♪~ 46 00:04:20,027 --> 00:04:22,827 よう! 47 00:04:31,505 --> 00:04:33,524 (亮吉)おい! 48 00:04:33,524 --> 00:04:35,509 (彦四郎)おお。 2人そろって お出ましか。 49 00:04:35,509 --> 00:04:38,278 おうよ。 暇なんだよ 御用の方が! 50 00:04:38,278 --> 00:04:41,682 金座裏は暇な方がいいんだよ。 なあ 政次。 (政次)ああ。 51 00:04:41,682 --> 00:04:44,284 (しほ)この間まで 亮吉さんは いなくなるし 挙げ句に→ 52 00:04:44,284 --> 00:04:47,120 金座裏に押し込もうとした 盗賊に捕まって→ 53 00:04:47,120 --> 00:04:49,489 大変な騒ぎだったんだもの。 (亮吉)それを言うなって。 54 00:04:49,489 --> 00:04:51,491 清蔵だんなにも何度も からかわれて→ 55 00:04:51,491 --> 00:04:55,379 しおれてるんだからさ。 あれ? 今日は だんなは いねえのかい? 56 00:04:55,379 --> 00:04:59,049 (とせ)知り合いの法事でね 線香の一本も あげてくるって→ 57 00:04:59,049 --> 00:05:03,053 出てったんだよ。 もうすぐ帰ってくるはずだよ。 58 00:05:03,053 --> 00:05:08,875 これはこれは 皆さん おそろいで。 (とせ)ほらね 全部 お見通し。 59 00:05:08,875 --> 00:05:11,295 ハッハッハッ! お帰りなさい だんなさん。 60 00:05:11,295 --> 00:05:16,383 はい ただいま。 何だい? いい若いもんが しけた面して。 61 00:05:16,383 --> 00:05:19,519 暇なんすよ 御用の方が。 62 00:05:19,519 --> 00:05:24,725 江戸の町はな 金座裏が暇な ぐらいが ちょうどいいんだよ。 63 00:05:24,725 --> 00:05:27,110 なっ 政次。 64 00:05:27,110 --> 00:05:30,480 はい。 彦にも同じこと言われました。 65 00:05:30,480 --> 00:05:37,254 そうかい。 みんな 考えることは 一緒だね 彦。 ハッハッハッ! はあ…。 66 00:05:37,254 --> 00:05:40,857 (亮吉)御機嫌だね だんな。 何か いいことでも あったんすか? 67 00:05:40,857 --> 00:05:45,228 法事で線香あげてきたんだ。 機嫌がいいわけないだろ! 68 00:05:45,228 --> 00:05:49,549 (彦四郎)いって! いった…。 うるさい! 69 00:05:49,549 --> 00:05:51,885 おとせ。 (とせ)何ですか? 70 00:05:51,885 --> 00:05:56,623 ちょっと いいか? 前から ずっと考えてたんだがな→ 71 00:05:56,623 --> 00:06:00,577 豊島屋も 店を始めて そろそろ 200年がたつ。 72 00:06:00,577 --> 00:06:03,363 そこで ちょいと 思いついたんだが→ 73 00:06:03,363 --> 00:06:06,717 絵引札を作ってみるのも いいんじゃないかと思ってね。 74 00:06:06,717 --> 00:06:09,920 どうだい? 絵引札? 75 00:06:09,920 --> 00:06:14,574 いい引札屋を探してさ。 来年の白酒の季節に→ 76 00:06:14,574 --> 00:06:18,011 「山ならば富士 白酒ならば豊島屋」と→ 77 00:06:18,011 --> 00:06:21,515 一斉に配るんだよ。 どうだ? 面白いだろ? 78 00:06:21,515 --> 00:06:26,553 そりゃいいですけど 桜が咲いた ばっかりで もう来年の話ですか? 79 00:06:26,553 --> 00:06:29,189 少し 気が早くはないですか? 80 00:06:29,189 --> 00:06:34,978 そんなことはないよ。 今から 用意して ちょうどいいぐらいさ。 81 00:06:34,978 --> 00:06:39,750 よし そうと決まったら 忙しくなるぞ! ハッハッハッ! 82 00:06:39,750 --> 00:06:45,789 お前ら 半人前なりに仕事に励め。 ハッハッハッ! 83 00:06:45,789 --> 00:06:52,179 さあ 陽気に飲んだり食べたり! 84 00:06:52,179 --> 00:06:57,017 どうしたんだよ だんな。 急に 張り切っちゃってよ。 さあな。 85 00:06:57,017 --> 00:07:02,172 何か いいことでも あったんじゃないのかい。 86 00:07:02,172 --> 00:07:04,291 (彦四郎)しっかりしろ 亮吉! 87 00:07:04,291 --> 00:07:07,160 (亮吉)久々に いい気分だぜ! ごめんなさい。 88 00:07:07,160 --> 00:07:11,782 このまま 長屋に連れて 帰るわけにもいかないみたいだし。 89 00:07:11,782 --> 00:07:14,985 いいさ。 しほちゃんは 後で おれが連れて帰るからさ。 90 00:07:14,985 --> 00:07:17,120 ありがとう。 金座裏の皆さんに→ 91 00:07:17,120 --> 00:07:22,325 田楽の差し入れもしたかったから ちょうどよかった。 92 00:07:22,325 --> 00:07:26,725 (彦四郎)あれ? (亮吉)背 高いね 2人。 93 00:07:37,207 --> 00:07:40,207 しっかりしろ! 94 00:07:46,099 --> 00:07:48,099 (えみ)わきちさん…。 95 00:07:55,258 --> 00:07:58,758 おい! 96 00:08:00,914 --> 00:08:04,251 彦! 金座裏に知らせてくれ! (彦四郎)分かった。 97 00:08:04,251 --> 00:08:08,155 おい おい おい おい! 何だってんだよ! 殺しだ! 98 00:08:08,155 --> 00:08:10,741 (足音) 99 00:08:10,741 --> 00:08:14,144 亮吉! 100 00:08:14,144 --> 00:08:16,146 (亮吉)待て この野郎! 101 00:08:16,146 --> 00:08:41,446 ♪♪~ 102 00:08:43,457 --> 00:08:48,879 (宗五郎)この鑿は建具師が ほぞを あける時に使う鑿のようだな。 103 00:08:48,879 --> 00:08:50,964 建具師…。 104 00:08:50,964 --> 00:08:55,164 娘さんは こいつで 呼び出されたようです。 105 00:08:57,687 --> 00:09:02,887 筆跡が ばれねえように 左手で書いたか。 106 00:09:05,779 --> 00:09:10,550 (常丸)「りゅうかんばしで こくげんは五つ」。→ 107 00:09:10,550 --> 00:09:12,552 「わの字」? 108 00:09:12,552 --> 00:09:16,573 娘は死ぬ前に 私の顔を見て 「わきちさん」と言いました。 109 00:09:16,573 --> 00:09:21,444 「わきち」と「わの字」。 ってことは 呼び出した そいつが下手人か。 110 00:09:21,444 --> 00:09:24,114 決めつけるのは まだ早い。 111 00:09:24,114 --> 00:09:28,385 その「わきち」って野郎が 呼び出したとは限らねえからな。 112 00:09:28,385 --> 00:09:33,273 まずは 娘の身元を 確かめるのが先だ。 113 00:09:33,273 --> 00:09:35,292 しほ 出来たか? 114 00:09:35,292 --> 00:09:37,277 もう少しです。 115 00:09:37,277 --> 00:09:41,648 (みつ) いい迷惑だよ しほちゃんもさ。 今夜は泊まってくといいよ。 116 00:09:41,648 --> 00:09:43,667 ありがとうございます。 117 00:09:43,667 --> 00:09:48,722 (伝次)けど 亮吉のお陰で豊島屋の 田楽が食えらあ。 ハッハッハッ! 118 00:09:48,722 --> 00:09:50,807 (波太郎) うまいよな 相変わらず! 119 00:09:50,807 --> 00:09:54,077 お前ら 殺しだぞ! 田楽 食ってる場合か! 120 00:09:54,077 --> 00:09:57,514 明日っから みんなで江戸中 人相書き持って 走り回るんだ。 121 00:09:57,514 --> 00:10:00,750 許してくれるよ 亡くなった娘さんもさ。 122 00:10:00,750 --> 00:10:02,750 出来ました! 123 00:10:06,289 --> 00:10:08,275 (亮吉)ごめんよ! 124 00:10:08,275 --> 00:10:13,263 <政次たちは 翌日から人相書きを 片手に 走り回ったそうでして> 125 00:10:13,263 --> 00:10:15,248 見たことねえなあ。 126 00:10:15,248 --> 00:10:17,248 そうか ありがとよ。 127 00:10:20,937 --> 00:10:23,890 今 何と おっしゃったのですか? 128 00:10:23,890 --> 00:10:30,380 豊島屋創業200年を前に お店の 看板にふさわしい絵引札を→ 129 00:10:30,380 --> 00:10:34,284 あなたに考えてほしいと 言いましたが。 130 00:10:34,284 --> 00:10:36,286 ご冗談ばかり…。 131 00:10:36,286 --> 00:10:40,824 私は 商いの事では 冗談は申しません。 132 00:10:40,824 --> 00:10:48,782 失礼いたしました。 ですが 店を出したばかりの私どもに→ 133 00:10:48,782 --> 00:10:53,286 豊島屋様の引札を 任せて下さるなんて…。 134 00:10:53,286 --> 00:11:00,477 あなたの おかきになった引札が とても気に入ったのです。 135 00:11:00,477 --> 00:11:06,983 これは 手付けです。 136 00:11:06,983 --> 00:11:12,906 うれしゅうございます。 必ず お力に。 137 00:11:12,906 --> 00:11:18,361 一日二日の 急ぐ仕事ではございません。 138 00:11:18,361 --> 00:11:22,198 じっくり考えて下さって 結構。 139 00:11:22,198 --> 00:11:28,588 時折 仕事の進み具合を伺いに お店に立ち寄らせて頂きます。 140 00:11:28,588 --> 00:11:36,029 はい。 いつ何時なりとも お立ち寄り下さいませ。 141 00:11:36,029 --> 00:11:59,529 ♪♪~ 142 00:12:10,263 --> 00:12:12,248 (八百亀)御免よ。 143 00:12:12,248 --> 00:12:16,553 (華平)今日は休みだ。 あんたが華平さんかい? 144 00:12:16,553 --> 00:12:20,940 休みと言ったぜ。 おれたちは客じゃねえ。 145 00:12:20,940 --> 00:12:24,940 金座裏の手先だ。 ちょいと これを。 146 00:12:29,516 --> 00:12:34,587 (八百亀)あんたのとこの娘さんの 行方が分からねえって聞いてね。→ 147 00:12:34,587 --> 00:12:36,687 この子らしいな。 148 00:12:38,525 --> 00:12:41,594 (仲蔵)親方 おえみさんの姿は どこにも…。 149 00:12:41,594 --> 00:12:43,580 お前さんは? 150 00:12:43,580 --> 00:12:48,680 (華平)仲蔵といってな おえみと 来年 所帯を持つ一番弟子だ。 151 00:12:50,920 --> 00:12:54,524 おえみさんてのが 娘さんの名前ですね。 152 00:12:54,524 --> 00:13:02,265 ええ 昨日から いなくなって…。 もしや おえみさんは…。 153 00:13:02,265 --> 00:13:07,754 残念だが ゆうべ 龍閑橋で殺された。 154 00:13:07,754 --> 00:13:09,754 そんな…。 155 00:13:22,869 --> 00:13:26,906 この鑿で 胸を 一突きにされていました。 156 00:13:26,906 --> 00:13:29,806 見覚えはありませんか? 157 00:13:31,861 --> 00:13:33,847 和吉のだ。 158 00:13:33,847 --> 00:13:36,783 和吉ってのは誰だ? 159 00:13:36,783 --> 00:13:40,136 おれの もう一人の弟子だ。 160 00:13:40,136 --> 00:13:44,991 だが その鑿は 和吉のやつが もう1か月も前になくしたものだ。 161 00:13:44,991 --> 00:13:50,914 それにな 和吉は今 伝馬町の牢に入ってるはずだ。 162 00:13:50,914 --> 00:13:52,914 牢に? 163 00:13:56,319 --> 00:13:59,119 おえみさん! 164 00:14:02,642 --> 00:14:08,348 (寺坂毅一郎)仲蔵。 気持ちは 分かるが 話 聞かせてくれ。 165 00:14:08,348 --> 00:14:10,950 はい。 (寺坂)つまり 和吉は→ 166 00:14:10,950 --> 00:14:14,287 仕事場で 金をくすねた角で しょっ引かれたんだな。 167 00:14:14,287 --> 00:14:23,213 襖を届けに 旅籠の清澄屋の座敷に あっしと2人で行ったんですが→ 168 00:14:23,213 --> 00:14:29,752 その後 5両3分 入った財布が なくなったと騒ぎになったそうで。 169 00:14:29,752 --> 00:14:33,456 和吉1人が座敷に 上がってましたから…。 170 00:14:33,456 --> 00:14:36,342 財布をとった疑いを かけられたか…。 171 00:14:36,342 --> 00:14:40,079 (宣太郎)おう ご苦労だな。 172 00:14:40,079 --> 00:14:44,651 (下駄貫) 常盤町の親分を お連れしやした。 173 00:14:44,651 --> 00:14:47,587 (宣太郎)おっ これは寺坂様。 174 00:14:47,587 --> 00:14:52,492 だんなが呼んでるとなりゃ あっしも 四の五のありませんぜ。 175 00:14:52,492 --> 00:14:54,894 建具師華平のところの和吉を しょっ引いたのは→ 176 00:14:54,894 --> 00:14:57,313 お前だな 常盤町。 177 00:14:57,313 --> 00:15:01,951 あれは あっしの見込み違いで…。 178 00:15:01,951 --> 00:15:04,587 何? (宣太郎) いや あの…。 おれは悪かねえ。 179 00:15:04,587 --> 00:15:08,057 あの野郎が はなから けんか腰で きやがるから。 180 00:15:08,057 --> 00:15:10,310  回想  ふざけんな! おれは 財布なんか とっちゃいねえ! 181 00:15:10,310 --> 00:15:12,328 (宣太郎)お前しかいねえんだよ! 182 00:15:12,328 --> 00:15:15,215 とにかく 番屋へ来い! ほら! 183 00:15:15,215 --> 00:15:18,451 (和吉) 知らねえって言ってんだろうが! 184 00:15:18,451 --> 00:15:23,206 やりやがったな この野郎! (和吉)やめろ! 放せ! 185 00:15:23,206 --> 00:15:26,092 どけどけ! 見せもんじゃねえ! 186 00:15:26,092 --> 00:15:30,747 (宣太郎)てっきり やったと踏んで 牢に しょっ引いたはいいが…。→ 187 00:15:30,747 --> 00:15:35,685 その後 その清澄屋の仏壇の陰から 財布が出てきたっていうんです。→ 188 00:15:35,685 --> 00:15:40,056 清澄屋のやつら よく捜しも しねえで 人に恥かかしやがって。 189 00:15:40,056 --> 00:15:42,458 後で こっぴどく 怒鳴りつけてやりやしたよ。 190 00:15:42,458 --> 00:15:44,510 じゃあ 和吉は解き放ったんだな? 191 00:15:44,510 --> 00:15:48,181 おとといの朝には 出てるはずですぜ。 192 00:15:48,181 --> 00:15:52,585 おい 仲蔵。 お前に知らせたはずだろ。 193 00:15:52,585 --> 00:15:57,607 へえ。 ですが 和吉は戻ってきてませんので→ 194 00:15:57,607 --> 00:16:00,810 まだ 牢にいるものと…。 195 00:16:00,810 --> 00:16:02,812 一体 何があったんだ? 196 00:16:02,812 --> 00:16:05,915 実は…。 197 00:16:05,915 --> 00:16:14,290 (寺坂) 仲蔵。 和吉が おえみを呼び出して 殺す訳に 何か心当たりあるかい? 198 00:16:14,290 --> 00:16:21,531 あいつは 二親を亡くして 小さいころから 親方に育てられ→ 199 00:16:21,531 --> 00:16:28,388 おえみさんとも まるで兄妹の ように暮らしてきた男ですから。 200 00:16:28,388 --> 00:16:30,390 ただ…。 201 00:16:30,390 --> 00:16:32,642 「ただ」 何だい? 202 00:16:32,642 --> 00:16:36,813 あっしの見るところ あいつも おえみさんを気に入ってました。 203 00:16:36,813 --> 00:16:40,683 あっしと所帯を持つことを あいつが どう思ってたか…。→ 204 00:16:40,683 --> 00:16:43,052 だからって まさか あいつが おえみさんを…。 205 00:16:43,052 --> 00:16:45,188 そんなはずはねえ。 206 00:16:45,188 --> 00:16:51,894 仲蔵 亡骸は下げ渡す。 存分に弔ってやれ。 207 00:16:51,894 --> 00:16:55,481 ありがとうございます。 208 00:16:55,481 --> 00:17:08,081 ♪♪~ 209 00:17:11,214 --> 00:17:15,118 いいか。 いつ 和吉が 現れねえとも限らねえ。 210 00:17:15,118 --> 00:17:19,818 念のため 近くを回ってくれ。 合点承知之助でえ。 211 00:17:32,151 --> 00:17:36,456 どうしたんだ? 昼間っから 仲蔵ばかり見て。 212 00:17:36,456 --> 00:17:40,326 あいつ おえみさんが殺されたころ どうしてたんだ? 213 00:17:40,326 --> 00:17:42,545 昨日の夜から ずっと おえみさんを捜してたって→ 214 00:17:42,545 --> 00:17:48,384 言ってるらしいが…。 おい。 215 00:17:48,384 --> 00:17:51,604 ゆうべ 龍閑橋から 逃げた男がいただろ。→ 216 00:17:51,604 --> 00:17:53,604 あいつに似てんだ。 217 00:17:56,259 --> 00:18:02,259 くそ…。 いまひとつ はっきりとは しねえが 似てんだよ あいつ。 218 00:18:08,955 --> 00:18:13,760 <数日後 鎌倉河岸の桜が 満開になりました> 219 00:18:13,760 --> 00:18:16,813 (園村辰一郎)御免。 辰一郎様! 220 00:18:16,813 --> 00:18:19,182 (とせ)これは 園村様 よく いらっしゃいました。 221 00:18:19,182 --> 00:18:22,819 ごぶさたしておりました。 ほんとに。 お元気でしたか? 222 00:18:22,819 --> 00:18:26,923 はい。 昼間から珍しいですね。 223 00:18:26,923 --> 00:18:29,342 今日は 遠出ばっかりで 腹が減っちまって。 224 00:18:29,342 --> 00:18:33,146 そうですか。 では 某にも田楽を下さい。 225 00:18:33,146 --> 00:18:35,164 はい。 226 00:18:35,164 --> 00:18:38,851 さあ どうぞ お座り下さいませ。 227 00:18:38,851 --> 00:18:43,306 (彦四郎)いやあ けどさ おれには ちょいと解せねえな。 228 00:18:43,306 --> 00:18:46,008 絵引札を作るなら 絵師が ここにも 1人いるじゃねえか。 229 00:18:46,008 --> 00:18:48,594 しほちゃんだろ。 そうだよね。 230 00:18:48,594 --> 00:18:51,998 話を聞いて 私も そう思ってたとこなのさ。 231 00:18:51,998 --> 00:18:53,983 私は素人です。 232 00:18:53,983 --> 00:18:56,986 絵引札を作るのは 年季の入った 絵師でなきゃ務まりません。 233 00:18:56,986 --> 00:19:00,923 そうかね。 そういうもんかね。 234 00:19:00,923 --> 00:19:03,976 あの… 一体 何の話ですか? 235 00:19:03,976 --> 00:19:08,998 実は うちのが 豊島屋が出来て 200年が近いとか言いだしまして→ 236 00:19:08,998 --> 00:19:12,752 後世に残る 絵引札を作りたいと 飛び回ってるんですよ。 237 00:19:12,752 --> 00:19:17,039 絵引札…。 ああ そういえば 先日→ 238 00:19:17,039 --> 00:19:20,626 清蔵さんを お見かけしました。 引札屋の前で。 239 00:19:20,626 --> 00:19:22,612 へえ そうなんですか? 240 00:19:22,612 --> 00:19:26,582 女の絵師のようでして 大層 おきれいな方でしたが。 241 00:19:26,582 --> 00:19:28,584 えっ…。 242 00:19:28,584 --> 00:19:32,388 (とせ)そりゃあ 女絵師だっているでしょうよ。 243 00:19:32,388 --> 00:19:36,159 そうだよね しほちゃんが いるんだから。 244 00:19:36,159 --> 00:19:38,978 だから 私は違います お内儀さん。 245 00:19:38,978 --> 00:19:42,482 (みつ)ごめん ごめん。 246 00:19:42,482 --> 00:19:45,551 (さえずり) 247 00:19:45,551 --> 00:19:51,474 (もん) お客様の目に付きやすいよう 色使いを多くしてみました。→ 248 00:19:51,474 --> 00:19:54,911 節句にちなんで 桃の花びらを少し大きめに→ 249 00:19:54,911 --> 00:19:57,880 あしらってみたのですが いかがでしょうか? 250 00:19:57,880 --> 00:20:00,183 いやあ すばらしい。 251 00:20:00,183 --> 00:20:04,804 豊島屋創業200年に ふさわしい 引札になりそうだ。 252 00:20:04,804 --> 00:20:06,989 この酒だるなんですが→ 253 00:20:06,989 --> 00:20:12,912 こもかぶりにすることは できますか? はい。 254 00:20:12,912 --> 00:20:16,712 そうですね。 そうすれば…。 255 00:20:25,625 --> 00:20:28,060 親分 大変だ! 256 00:20:28,060 --> 00:20:30,279 (下駄貫) うるせえな。 静かにしろ! 257 00:20:30,279 --> 00:20:33,483 (宗五郎)どうした? 仲蔵には 別に女がいたんですよ。 258 00:20:33,483 --> 00:20:37,954 浅草寺御用の建具屋 丸兼親方の 出戻り娘で 名前は おいち。 259 00:20:37,954 --> 00:20:42,124 丸兼親方の所は 華平親方の所とは 違って大所帯です。 260 00:20:42,124 --> 00:20:44,927 仲蔵は おえみから乗り換える 算段があったのかもしれません。 261 00:20:44,927 --> 00:20:48,314 (下駄貫)政次よ。 得意顔して しゃべってるけどな→ 262 00:20:48,314 --> 00:20:50,683 そんなことは はなから 承知なんだよ こっちは。 263 00:20:50,683 --> 00:20:53,786 (八百亀) 仲蔵には 吉原にも女がいた。→ 264 00:20:53,786 --> 00:20:56,255 その女郎に 得意顔で→ 265 00:20:56,255 --> 00:20:58,758 丸兼の おいちのことを しゃべってたそうだ。→ 266 00:20:58,758 --> 00:21:03,095 おいちと一緒になった暁には 身請けして囲ってやるとな。 267 00:21:03,095 --> 00:21:06,782 (下駄貫)あの のっぺり野郎 とんでもねえ女たらしってことだ。 268 00:21:06,782 --> 00:21:12,882 (八百亀)仲蔵なら おえみに偽の 手紙を渡して龍閑橋に呼び出し…。 269 00:21:18,044 --> 00:21:20,062 うっ…。 270 00:21:20,062 --> 00:21:22,048 (亮吉)あの野郎 やっぱり…。 271 00:21:22,048 --> 00:21:24,050 (常丸)おえみも 和吉もな→ 272 00:21:24,050 --> 00:21:26,352 周りの話を聞くと どうも ほれ合ってた節がある。 273 00:21:26,352 --> 00:21:29,956 ただ 華平の親方が 仲蔵へ嫁にやろうと→ 274 00:21:29,956 --> 00:21:31,958 勝手に決めちまったらしい。 275 00:21:31,958 --> 00:21:34,577 だったら 何で和吉と おえみさんは そのことを親方に? 276 00:21:34,577 --> 00:21:39,615 亮吉 世間には お前みたいに胸の 内を ベラベラ しゃべくるやつと→ 277 00:21:39,615 --> 00:21:43,019 それが できねえやつが いるんだよ! よく覚えとけ! 278 00:21:43,019 --> 00:21:46,322 (亮吉)そっくり返しますっての。 (下駄貫)何か 言ったか 亮吉! 279 00:21:46,322 --> 00:21:49,642 (みつ)やめなよ 2人とも!→ 280 00:21:49,642 --> 00:21:54,096 それにしたって 男と女ってのは いろいろ あるからね。 281 00:21:54,096 --> 00:21:57,850 あっ おまんま出来たよ。 いつでも いいからね。 282 00:21:57,850 --> 00:22:04,357 恐らく和吉は 誰が おえみを 殺したか承知してるはずだ。 283 00:22:04,357 --> 00:22:07,627 まあ 姿を現した時が勝負だ。 284 00:22:07,627 --> 00:22:12,632 じゃあ 和吉は仲蔵を狙ってる? 285 00:22:12,632 --> 00:22:18,332 (八百亀) 仲蔵には今 伝次と波太郎を はりつけてありやす。 286 00:22:20,823 --> 00:22:24,994 (宗五郎)今のままじゃ にらめっこのままだ。→ 287 00:22:24,994 --> 00:22:31,784 政次。 伝次と波太郎に 戻るように伝えろ。 分かるな? 288 00:22:31,784 --> 00:22:33,784 はい。 289 00:22:35,554 --> 00:22:38,891 いや けど それじゃ 和吉が…。 290 00:22:38,891 --> 00:22:43,779 そうよ。 出てきやすいように してやるのよ。 291 00:22:43,779 --> 00:22:51,187 <そして 建具師の 寄り合いがあった日…> 292 00:22:51,187 --> 00:22:54,273 じゃ 行ってくるからよ 後を頼むぜ。 293 00:22:54,273 --> 00:22:56,573 はい。 294 00:23:08,054 --> 00:23:11,607 (彦四郎) 御免よ。 仲蔵さんかい? 295 00:23:11,607 --> 00:23:13,626 ああ。 296 00:23:13,626 --> 00:23:18,631 こいつを人に頼まれた。 確かに渡したぜ。 297 00:23:18,631 --> 00:23:22,131 おい! 298 00:23:40,152 --> 00:23:58,821 ♪♪~ 299 00:23:58,821 --> 00:24:04,326 (和吉)どうした? 仏様にでも すがる気になったか。 300 00:24:04,326 --> 00:24:07,763 (仲蔵)てめえ おえみさんを殺しておいて→ 301 00:24:07,763 --> 00:24:09,982 よくも しゃあしゃあとした 顔してやがんな。 302 00:24:09,982 --> 00:24:14,587 何言ってやがる! おえみさんを 殺したのは 兄さん あんただ! 303 00:24:14,587 --> 00:24:17,456 あんたは おれに 盗みの疑いをかけて遠ざけ→ 304 00:24:17,456 --> 00:24:20,893 牢から出たのを利用して おれの 名で おえみさんを呼び出して→ 305 00:24:20,893 --> 00:24:23,446 やっちまったんだ。 306 00:24:23,446 --> 00:24:25,464 何 寝ぼけてやがる。 307 00:24:25,464 --> 00:24:27,450 あんたは知らねえだろうが→ 308 00:24:27,450 --> 00:24:29,985 丸兼の おいちとの一件は おえみさんも知ってたんだぜ。→ 309 00:24:29,985 --> 00:24:37,993 殺すことはなかったんだ! そうかい。 知ってたのか。 310 00:24:37,993 --> 00:24:41,680 だがな そうもいくめえ。 311 00:24:41,680 --> 00:24:45,117 同業の娘を捨てた うわさが広がれば→ 312 00:24:45,117 --> 00:24:50,439 丸兼だって おれを婿にとは 言いださねえだろうぜ。 313 00:24:50,439 --> 00:24:53,526 だから だから おれの仕業に見せかけて→ 314 00:24:53,526 --> 00:24:56,195 おえみさんを殺そうとしたのか? 315 00:24:56,195 --> 00:25:03,786 そうだよ。 おえみはよ おいらが 後ろから抱きすくめたら→ 316 00:25:03,786 --> 00:25:06,806 一瞬 お前だと思って 喜んだんだぜ。 317 00:25:06,806 --> 00:25:11,206 (和吉) 許せねえ! おえみさんの敵だ! 318 00:25:13,295 --> 00:25:19,685 おもしれえ! やってやろうじゃねえか。 319 00:25:19,685 --> 00:25:24,440 (八百亀) おっと そこまでだ。 和吉さんよ 後は もち屋に任せねえ。 320 00:25:24,440 --> 00:25:26,992 (常丸)全部 聞かせてもらったぜ 仲蔵よ! 321 00:25:26,992 --> 00:25:30,262 (亮吉)もう逃げ場はねえぜ! 神妙にしやがれ! 322 00:25:30,262 --> 00:25:33,082 (仲蔵)わ~! 323 00:25:33,082 --> 00:25:36,352 畜生! おい! 324 00:25:36,352 --> 00:25:44,977 ♪♪~ 325 00:25:44,977 --> 00:25:50,115 おやめなせえ! 気持ちは分かるが おやめなせえ! 326 00:25:50,115 --> 00:25:55,715 おえみさん! おえみ~! 327 00:25:58,741 --> 00:26:14,341 (泣き声) 328 00:26:17,042 --> 00:26:22,464 悲しい話ね。 最期の時 おえみさん 笑ってた。 329 00:26:22,464 --> 00:26:26,552 政次さんのこと 和吉さんだと思ったのよね。 330 00:26:26,552 --> 00:26:29,252  回想  和吉さん…。 331 00:26:36,195 --> 00:26:40,015 (亮吉)男と女ってのは いろいろ あるもんなんだよ。 332 00:26:40,015 --> 00:26:42,017 何言ってんだよ 一丁前に。 333 00:26:42,017 --> 00:26:46,088 ハッハッハッ! ああ ところで 清蔵だんなは いねえのかい? 334 00:26:46,088 --> 00:26:49,875 引札作りだって。 今日も出かけてるのよ。 335 00:26:49,875 --> 00:26:52,995 ≪御免よ。 はい いらっしゃいまし。 336 00:26:52,995 --> 00:26:57,883 引札作りねえ。 337 00:26:57,883 --> 00:27:00,483 田楽 2本! 338 00:27:02,454 --> 00:27:07,493 そうですか。 もう 元図が出来ましたか。 339 00:27:07,493 --> 00:27:12,448 それでは おもんさんのご苦労を 慰労するついでに→ 340 00:27:12,448 --> 00:27:16,852 見せて頂きましょうかね。 えっ? 341 00:27:16,852 --> 00:27:22,675 たまには 大川に舟でも 浮かばせてみようかと思いまして。 342 00:27:22,675 --> 00:27:26,929 あっ いや 下心があって 言ってるわけではございません。 343 00:27:26,929 --> 00:27:30,449 はい。 344 00:27:30,449 --> 00:27:34,949 参ります だんな様。 345 00:27:39,208 --> 00:27:42,208 お茶 かえましょう。 346 00:27:45,814 --> 00:27:48,951  心の声  ああ… やった~! 347 00:27:48,951 --> 00:27:56,951 (さえずり) 348 00:27:59,345 --> 00:28:04,116 (宗五郎)清蔵さんが うぶな人なら おもんさんは一途と見た。 349 00:28:04,116 --> 00:28:06,785 (みつ)ゆうべ 見ちまったのかい? 例の人。→ 350 00:28:06,785 --> 00:28:08,771 誰にも言っちゃいけないよ。→ 351 00:28:08,771 --> 00:28:11,323 うちの人とも そうしようって 決めたところなんだからさ。 352 00:28:11,323 --> 00:28:15,711 (とせ)いいんですよ 私は いつも ここに いますから。 353 00:28:15,711 --> 00:28:18,547 おもんさん…。 354 00:28:18,547 --> 00:28:22,785 私は もう いつ死んだって 構いやしない。 355 00:28:22,785 --> 00:29:26,785 ♪♪~ 356 00:30:38,253 --> 00:30:46,095 アルプスに囲まれた 草原の先に連なる赤い屋根。 357 00:30:46,095 --> 00:30:52,918 ドイツ ロマンチック街道に程近い 人口5,000人の村です。 358 00:30:52,918 --> 00:30:58,757 メルヘンの薫り漂う この村に 押し寄せる 人 人 人!