1 00:00:35,006 --> 00:00:42,197 これが 江戸で初めてという 石町の「時の鐘」です。 2 00:00:42,197 --> 00:00:46,735 この鐘の音が 時を知る たよりでした。 3 00:00:46,735 --> 00:00:51,423 この鐘の音が聞こえる範囲に住む 町の人々から→ 4 00:00:51,423 --> 00:00:57,523 1か月 1文ずつ 取り立てたという話です。 毎度。 5 00:01:03,735 --> 00:01:09,524 (鐘の音) 6 00:01:09,524 --> 00:01:20,168 ♪♪~ 7 00:01:20,168 --> 00:01:30,529 (清蔵の歌声) 8 00:01:30,529 --> 00:01:36,802 これは失礼。 豊島屋の清蔵でございます。 9 00:01:36,802 --> 00:01:41,706 私 町で偶然 引札屋の おもんさんという→ 10 00:01:41,706 --> 00:01:46,027 女の人に出会ってしまいまして。 11 00:01:46,027 --> 00:01:51,927 恥ずかしながら 恋に落ちちゃった みたいなんです。 ハッハッハッハッ! 12 00:01:59,891 --> 00:02:03,391 (もん)描いたばかりのものですが。 13 00:02:06,565 --> 00:02:09,701 これは… よう出来ました。 14 00:02:09,701 --> 00:02:12,988 もう これ以上 削ることも描き込むこともない→ 15 00:02:12,988 --> 00:02:17,192 いい按配の品です。 上出来ですよ。 16 00:02:17,192 --> 00:02:19,861 うれしゅうございます。 17 00:02:19,861 --> 00:02:24,232 おもんさん そのような…。 頭を上げなさい。 18 00:02:24,232 --> 00:02:29,237 これは お代です。 良い仕事をしたんです。 19 00:02:29,237 --> 00:02:32,137 胸を張って受け取りなさい。 20 00:02:38,396 --> 00:02:46,204 あっ… これは失礼。 年がいもないことをしてしまった。 21 00:02:46,204 --> 00:02:49,604 謝ります。 このとおり! 22 00:02:57,999 --> 00:03:01,199 お顔を上げて下さい。 23 00:03:06,808 --> 00:03:09,408 おもんさん…。 24 00:03:18,220 --> 00:03:29,197 おもんさん… いいのかい。 もし冗談なら…。 25 00:03:29,197 --> 00:03:34,603 私は出戻った女です。 26 00:03:34,603 --> 00:03:37,505 それでも よろしければ→ 27 00:03:37,505 --> 00:03:46,231 だんな様には お店の 後見人をお願いしとうございます。 28 00:03:46,231 --> 00:03:55,307 うれしいよ。 私は もう いつ死んだって構いやしない。 29 00:03:55,307 --> 00:03:58,310 ありがとう。 30 00:03:58,310 --> 00:04:04,399 私も うれしゅうございます。 31 00:04:04,399 --> 00:04:08,099 ああ… やった!  心の声  32 00:04:14,459 --> 00:04:19,831 (亮吉) きれいだなあ。 満開だってのに 清蔵だんなは 今日もいねえのか。 33 00:04:19,831 --> 00:04:22,300 (彦四郎)らしいな。 34 00:04:22,300 --> 00:04:26,571 (政次)しほちゃん 今度の引札屋は いつもと違うんだって? 35 00:04:26,571 --> 00:04:29,174 (しほ)女絵師の人がやってる 引札屋で見かけたと→ 36 00:04:29,174 --> 00:04:31,159 辰一郎様が おっしゃってました。 37 00:04:31,159 --> 00:04:35,730 何でも すげえ きれいな人って 話じゃねえか。 おい まさか…。 38 00:04:35,730 --> 00:04:37,732 まさかって何だよ。 39 00:04:37,732 --> 00:04:40,819 だからよ 来年の引札を今から作る なんて おかしいじゃねえか。 40 00:04:40,819 --> 00:04:44,689 つうことは それを口実に…。 そんなことは ありません! 41 00:04:44,689 --> 00:04:46,708 相手が きれいな人だからって→ 42 00:04:46,708 --> 00:04:51,563 すぐ 変なふうに考えるのは 亮吉さんだけよ。 知らない! 43 00:04:51,563 --> 00:04:56,935 (彦四郎)触らぬ神に祟りなしだぜ。 (亮吉)もう 祟ってんだろうがよ! 44 00:04:56,935 --> 00:04:59,135 ぷっ! (笑い声) 45 00:05:01,423 --> 00:05:07,312 (松六)実はな 清蔵さんのことなんだよ。 46 00:05:07,312 --> 00:05:12,317 (宗五郎) ご隠居の耳にも届きましたか。 47 00:05:12,317 --> 00:05:16,271 いや 専らのうわさだ。 48 00:05:16,271 --> 00:05:23,361 いやな 清蔵さんほどの年になると 先が見えてくるもんなんだよ。 49 00:05:23,361 --> 00:05:27,465 そんな時に ふと魔が差して 老いに あらがうように→ 50 00:05:27,465 --> 00:05:32,520 若い娘に入れ込んだりすることも あったりするもんだ。 51 00:05:32,520 --> 00:05:34,639 ご隠居も その口で? 52 00:05:34,639 --> 00:05:42,347 えっ? ハッハッ。 昔の話だよ。 ハッハッハッ。 53 00:05:42,347 --> 00:05:45,867 ただ どういう女か気になってね。 54 00:05:45,867 --> 00:05:50,939 実は うちの おみつも 心配してましてね。 55 00:05:50,939 --> 00:05:56,461 清蔵さんには悪いが 八百亀に ちょいと探らせたんです。 56 00:05:56,461 --> 00:05:58,463 相手の名は おもん。 57 00:05:58,463 --> 00:06:02,784 元は 御家人の娘で 一度 嫁入りしたらしいんですが→ 58 00:06:02,784 --> 00:06:06,371 2年もたたないうちに 亭主と死に別れ→ 59 00:06:06,371 --> 00:06:11,943 貧乏な実家に戻るわけにもいかず 絵が描けるのを幸いに→ 60 00:06:11,943 --> 00:06:16,931 引札屋に弟子入りし 商いを覚えたようです。 61 00:06:16,931 --> 00:06:22,837 近所では しっかり者 よくできた人だと評判だそうで。 62 00:06:22,837 --> 00:06:25,440 そうかい。 63 00:06:25,440 --> 00:06:32,063 清蔵さんが うぶな人なら おもんさんは一途と見た。 64 00:06:32,063 --> 00:06:36,963 今は 見守るしか手立てがないか。 65 00:06:38,603 --> 00:06:43,103 (清蔵の歌声) 66 00:06:47,245 --> 00:06:50,465 (清蔵の歌声) 67 00:06:50,465 --> 00:06:53,935 おまちどおさまです。 68 00:06:53,935 --> 00:06:56,938 (とせ)お出かけですか? 69 00:06:56,938 --> 00:07:02,026 あっ いやいや 違うんだ。 ちょいと 出かけてくる。 70 00:07:02,026 --> 00:07:04,145 はい。 行ってらっしゃい。 71 00:07:04,145 --> 00:07:07,165 何だか この辺りが ツンと痛くてな。 72 00:07:07,165 --> 00:07:10,001 (さえずり) 73 00:07:10,001 --> 00:07:13,171  心の声  くわばら くわばら。 74 00:07:13,171 --> 00:07:19,527 (歌声) 75 00:07:19,527 --> 00:07:21,927 (ため息) 76 00:07:26,101 --> 00:07:30,205 (寺坂毅一郎)こちらは 寺社奉行 松平周防守様のご家臣で→ 77 00:07:30,205 --> 00:07:32,905 小検使を務めておられる 飯干正太郎殿だ。 78 00:07:35,860 --> 00:07:37,862 飯干でござる。 79 00:07:37,862 --> 00:07:40,598 宗五郎と申しやす。 80 00:07:40,598 --> 00:07:45,753 (飯干正太郎)某 小検使を 拝命したはいいが探索は素人でな。 81 00:07:45,753 --> 00:07:51,559 寺坂殿にお頼みして おぬしの 知恵を借りに来たというわけだ。 82 00:07:51,559 --> 00:07:55,430 あっしに できることなら 何でも お申しつけ下さいやし。 83 00:07:55,430 --> 00:08:00,068 助かる。 実は 千社札の一件なのだ。 84 00:08:00,068 --> 00:08:02,854 (宗五郎)千社札? 85 00:08:02,854 --> 00:08:06,574 (亮吉)千社札って あれか。 自分の名前や屋号を…? 86 00:08:06,574 --> 00:08:11,663 ああ。 寺や神社に納めて 家内安全 商売繁盛を願う札だ。 87 00:08:11,663 --> 00:08:13,781 (下駄貫)こいつのことだろ? 88 00:08:13,781 --> 00:08:15,767 はっ?! (常丸)兄貴 こんなもの いつ? 89 00:08:15,767 --> 00:08:19,571 へえ! これが粋ってもんよ。 お前らには分かんねえだろ。 90 00:08:19,571 --> 00:08:21,723 下駄貫が粋なのかい? 91 00:08:21,723 --> 00:08:23,892 (笑い声) 92 00:08:23,892 --> 00:08:25,910 何が おかしいんだよ! バカ野郎! 93 00:08:25,910 --> 00:08:28,510 (八百亀)てめえら 静かにしろ! 94 00:08:30,431 --> 00:08:34,385 申し訳ございません。 (飯干)にぎやかで結構。 でだ→ 95 00:08:34,385 --> 00:08:37,922 近ごろでは 千社参りを行うと 称して 金を集め→ 96 00:08:37,922 --> 00:08:43,127 むやみに寺や神社に 札を ベタベタと はり歩く商売まで現れ→ 97 00:08:43,127 --> 00:08:47,832 挙げ句に 増上寺の天井近くに札を はろうとした鳶が落っこちて→ 98 00:08:47,832 --> 00:08:50,134 死ぬという騒ぎまであってな。 99 00:08:50,134 --> 00:08:53,504 そんな折も折 つい8日ほど前…。→ 100 00:08:53,504 --> 00:08:56,875 所もあろうに 将軍家ゆかり→ 101 00:08:56,875 --> 00:09:03,064 小石川 安寿院の本殿の扉にある 葵のご紋の上に 「佃屋与五郎」と→ 102 00:09:03,064 --> 00:09:06,534 名入りの札が はられた。→ 103 00:09:06,534 --> 00:09:10,371 すぐ我らが 魚河岸の佃屋に走ったが→ 104 00:09:10,371 --> 00:09:13,975 知らぬ存ぜぬの一点張り。→ 105 00:09:13,975 --> 00:09:15,960 しかし ことがことだ。→ 106 00:09:15,960 --> 00:09:19,364 佃屋には謹慎を命じ 商いを禁じておる。 107 00:09:19,364 --> 00:09:22,517 (八百亀)それじゃ 佃屋さんも 商売あがったりだ。 108 00:09:22,517 --> 00:09:25,787 金座裏 この一件 どう見る? 109 00:09:25,787 --> 00:09:29,390 その安寿院にはられた札は お持ちですかね? 110 00:09:29,390 --> 00:09:32,790 寺坂殿に言われて そっと持って参った。 111 00:09:36,931 --> 00:09:39,767 (宗五郎) 名入りの札を 葵のご紋の上に→ 112 00:09:39,767 --> 00:09:42,737 てめから はるバカは いませんぜ だんな。→ 113 00:09:42,737 --> 00:09:49,310 誰かの いたずらか 裏に隠された何かがあるか…。 114 00:09:49,310 --> 00:09:52,797 それを探ってほしいのだ。 115 00:09:52,797 --> 00:09:55,967 豊島屋 行って しほ 呼んでこい。 こいつを描かせるんだ。 116 00:09:55,967 --> 00:10:00,521 (八百亀)へい。 おい 誰か。 (亮吉)へい! 117 00:10:00,521 --> 00:10:02,521 あっしが行ってきやす。 118 00:10:07,362 --> 00:10:09,364 何か心当たりはありませんか? 119 00:10:09,364 --> 00:10:14,369 人に恨みなんか持たれるような 生き方 しちゃいねえよ。 120 00:10:14,369 --> 00:10:19,574 首 くくりてえよ 店が開けられないんじゃ…。 121 00:10:19,574 --> 00:10:21,659 だったら 誰が こんなまねを…。 122 00:10:21,659 --> 00:10:24,159 おれが聞きてえよ! 123 00:10:33,705 --> 00:10:38,826 (市岡幸兵衛) 船頭 昌平橋の袂までだ。 124 00:10:38,826 --> 00:10:40,928 (彦四郎)へい。 125 00:10:40,928 --> 00:10:43,698 (市岡)殿 懐も あたたかくなりました。 126 00:10:43,698 --> 00:10:46,901 お屋敷に戻って 一献 傾けましょうぞ。 127 00:10:46,901 --> 00:10:49,901 (北村季唯)うむ。 そうだな。 128 00:10:51,773 --> 00:10:53,973 出しますぜ だんな。 129 00:10:56,728 --> 00:10:59,828 あっ! 危ない 危ない。 130 00:11:04,202 --> 00:11:07,802 船頭 早くいたさぬか。 へい…。 131 00:11:11,242 --> 00:11:16,130 (市岡)何をしておる。 へい。 132 00:11:16,130 --> 00:11:19,967 ありがとうございました。 (亮吉)おかしな うわさ? 133 00:11:19,967 --> 00:11:22,537 魚河岸や日本橋の お店の何軒かが→ 134 00:11:22,537 --> 00:11:25,890 お寺に札をはるぞと おどしを かけられてるって。 135 00:11:25,890 --> 00:11:29,694 けっ そんなことして 何が面白いんだか。 136 00:11:29,694 --> 00:11:31,979 狙いは金じゃないでしょうか。 137 00:11:31,979 --> 00:11:36,317 佃屋は 商いを8日も休んで つぶれかけてる。 138 00:11:36,317 --> 00:11:40,872 そこに お前のところの札も はるぞと脅かす。 139 00:11:40,872 --> 00:11:42,857 佃屋の二の舞は ごめんだと→ 140 00:11:42,857 --> 00:11:45,209 金を払う連中がいても おかしくはありません。 141 00:11:45,209 --> 00:11:47,795 そうか。 その手があったか。 142 00:11:47,795 --> 00:11:50,698 けっ いい加減なこと 言ってんじゃねえぞ。 143 00:11:50,698 --> 00:11:52,884 ですが 調べてみた方が。 144 00:11:52,884 --> 00:11:56,854 何だよ。 お前 おれに 口答えすんのか! あっ?! 145 00:11:56,854 --> 00:11:59,957 (常丸)兄貴。 ここは一つ 確かめた方が。 146 00:11:59,957 --> 00:12:03,644 そうかい。 勝手にしろ。→ 147 00:12:03,644 --> 00:12:06,864 あばよ。 148 00:12:06,864 --> 00:12:11,936 (亮吉)相変わらずだな 下駄貫の兄貴はよ。 そう言うな。 149 00:12:11,936 --> 00:12:15,206 ところで しほちゃん 今日も だんなは いねえのかい? 150 00:12:15,206 --> 00:12:18,793 ほんとに 引札 作ってんだか! ヒッヒッヒッヒッ。 151 00:12:18,793 --> 00:12:21,429 おい。 152 00:12:21,429 --> 00:12:26,634 亮吉。 引札が どうかしましたか? 153 00:12:26,634 --> 00:12:28,936 いやあ 別に。 154 00:12:28,936 --> 00:12:32,457 (松六) おや 清蔵さん。 お戻りかい。 155 00:12:32,457 --> 00:12:34,475 これはこれは ご隠居。 156 00:12:34,475 --> 00:12:39,197 おとせさんを置いてきぼりにして 出歩いてんだってな。 157 00:12:39,197 --> 00:12:43,197 長年 連れ添った女房が かわいそうだよ。 158 00:12:47,405 --> 00:12:52,160 いやあ 冗談だよ 冗談。 159 00:12:52,160 --> 00:12:55,160 じゃあな 清蔵さん。 160 00:13:00,034 --> 00:13:04,872 おとせ ご隠居は 何か用事があったのかい? 161 00:13:04,872 --> 00:13:13,131 いいえ。 何だかのついでですって。 さあさあ 忙しい 忙しい。 162 00:13:13,131 --> 00:13:15,933 おい 政次。 さっ おれたちも行こう! 163 00:13:15,933 --> 00:13:20,933 おい 亮吉。 しほ…。 いらっしゃいまし! 164 00:13:23,825 --> 00:13:27,829 豆腐! 豆腐! 165 00:13:27,829 --> 00:13:32,400 (みつ)そうかい。 ゆうべ 見ちまったのかい 例の二人。 166 00:13:32,400 --> 00:13:35,169 (彦四郎)やけに 仲むつまじそうでした。 167 00:13:35,169 --> 00:13:37,905 私 どうしたらいいのか 分からなくて→ 168 00:13:37,905 --> 00:13:42,076 それで お内儀さんに 相談しようって。 169 00:13:42,076 --> 00:13:45,229 いいかい。 誰にも言っちゃいけないよ。 170 00:13:45,229 --> 00:13:47,231 このことは ほうっておく。 171 00:13:47,231 --> 00:13:49,984 うちの人とも そうしようって 決めたところなんだからさ。 172 00:13:49,984 --> 00:13:52,503 でも 豊島屋のお女将さんが…。 173 00:13:52,503 --> 00:13:54,489 おとせさんなら平気さ。 174 00:13:54,489 --> 00:13:57,992 そんじょそこらの 出来の悪い 女房とは違うんだから。→ 175 00:13:57,992 --> 00:14:00,711 しほちゃん 今日は もう戻んなくて いいんだろ。 176 00:14:00,711 --> 00:14:03,831 一緒に おまんま食べていきな。 彦も。 177 00:14:03,831 --> 00:14:05,831 ありがとうございます。 178 00:14:23,334 --> 00:14:26,804 おもんってのは お前さんかい? そうですが。 179 00:14:26,804 --> 00:14:31,025 金座裏で御用をつとめる 宗五郎って者だ。 180 00:14:31,025 --> 00:14:34,078 金流しの親分さん…。 181 00:14:34,078 --> 00:14:37,431 ほう。 知っててもらえたのかい。 182 00:14:37,431 --> 00:14:41,953 はい。 おなじみのお方から お名前だけは。 183 00:14:41,953 --> 00:14:49,694 そうかい。 そいつは ともかく こいつを ちょっと見てくれ。 184 00:14:49,694 --> 00:14:52,930 写しなんだが この文字を描いた書家か絵師→ 185 00:14:52,930 --> 00:14:55,750 あるいは 摺り師に 見当はつかないかい? 186 00:14:55,750 --> 00:14:57,750 失礼いたします。 187 00:15:10,831 --> 00:15:15,002 親分さん。 絵師と摺り師は 分かりませんが→ 188 00:15:15,002 --> 00:15:19,924 書家は 恐らく 神楽坂の町村秀草様かと。 189 00:15:19,924 --> 00:15:26,397 そいつは助かった。 遠出してきた かいが あったってもんだ。 190 00:15:26,397 --> 00:15:29,233 邪魔した。 191 00:15:29,233 --> 00:15:32,503 親分さん。 192 00:15:32,503 --> 00:15:37,858 御用は このことだけに ございますか? 193 00:15:37,858 --> 00:15:42,296 おれたちの御用は やぼ用ばかりよ。 194 00:15:42,296 --> 00:15:45,496 おもんさん ありがとうよ。 195 00:15:48,235 --> 00:16:01,265 ♪♪~ 196 00:16:01,265 --> 00:16:04,652 どうしたらいい…。 197 00:16:04,652 --> 00:16:08,152 この先 どうしたら…。 198 00:16:11,826 --> 00:16:16,464 驚いた。 声をかけるがいいじゃないか。 199 00:16:16,464 --> 00:16:20,267 何だか 物思いに ふけってるようでしたから。 200 00:16:20,267 --> 00:16:22,303 そんなことありませんよ。 201 00:16:22,303 --> 00:16:25,723 (とせ)たまには物思いにでも ふけらなきゃ→ 202 00:16:25,723 --> 00:16:30,061 男の人は やってけませんよね。 えっ? 203 00:16:30,061 --> 00:16:35,761 いいんですよ。 私は いつも ここに いますから。 204 00:16:43,491 --> 00:16:46,091 おとせ…。 205 00:16:49,730 --> 00:16:53,134 (宗五郎)脅しかけられ むしり取られた お店があったか。 206 00:16:53,134 --> 00:16:57,505 はい。 安針町の大伊豆や 本船町の房州屋など→ 207 00:16:57,505 --> 00:17:00,841 都合6軒で 600両 ゆすられていました。 208 00:17:00,841 --> 00:17:03,928 いきなり 店に押しかけ 屋号入りの札を ちらつかせ→ 209 00:17:03,928 --> 00:17:06,864 「我ら 千社お参りを忙しき人物に 成り代わって→ 210 00:17:06,864 --> 00:17:10,267 参拝することにいたした。 ついては そなたの札も→ 211 00:17:10,267 --> 00:17:17,491 三縁山増上寺の東照大権現に おこもりさせよう!」。 212 00:17:17,491 --> 00:17:19,543 役者か お前は! 213 00:17:19,543 --> 00:17:22,430 (笑い声) 214 00:17:22,430 --> 00:17:25,866 で 困った相手に 札を買い取らせるって寸法でして。 215 00:17:25,866 --> 00:17:27,868 しかも 10枚 100両。 216 00:17:27,868 --> 00:17:30,621 法外だが 佃屋みてえになるより ましってわけです。 217 00:17:30,621 --> 00:17:32,790 (伝次)どうやら 押し出しの 立派な武家だってんですよ。 218 00:17:32,790 --> 00:17:35,726 (波太郎)しかも そこそこの 旗本みてえな 2人組らしいんで。 219 00:17:35,726 --> 00:17:39,163 そうか やはり旗本か。 220 00:17:39,163 --> 00:17:41,198 何か分かったんですか? 221 00:17:41,198 --> 00:17:47,972 おお。 例の札から書家が分かった。 八百亀。 へい。 222 00:17:47,972 --> 00:17:54,028 そいつの話によるとな 直参旗本と その用人の2人が現れ→ 223 00:17:54,028 --> 00:17:58,399 佃屋以外に 10枚の札を 作ってくれと頼まれたそうだ。 224 00:17:58,399 --> 00:18:00,399 それが これだ。 225 00:18:05,322 --> 00:18:11,195 大伊豆 房州屋 馬込屋。 226 00:18:11,195 --> 00:18:15,933 脅された6軒が皆 あります。 227 00:18:15,933 --> 00:18:17,933 松阪屋?! 228 00:18:19,770 --> 00:18:23,741 (宗五郎)やつらは 松阪屋も狙ってるってわけだ。 229 00:18:23,741 --> 00:18:25,893 (八百亀)その旗本だがな→ 230 00:18:25,893 --> 00:18:31,398 羽織の紋が 鍋の釣のような ものだったってことだ。 231 00:18:31,398 --> 00:18:35,653 鍋釣の家紋…。 おれ見たな。 232 00:18:35,653 --> 00:18:37,671 いつだ 彦。 いつ見た?! 233 00:18:37,671 --> 00:18:40,708 だから ゆうべ。 稲荷堀近くで乗せた御武家が→ 234 00:18:40,708 --> 00:18:44,028 確か そんな珍しい紋所の 提灯でさ。→ 235 00:18:44,028 --> 00:18:47,631 昌平橋まで乗せたんだけどさ そん時に豊島屋の…。 236 00:18:47,631 --> 00:18:52,937 彦四郎さん! ハッハッハッ…。 237 00:18:52,937 --> 00:18:57,908 その旗本は 幽霊坂の 旗本五百石の北村様ですよ。 238 00:18:57,908 --> 00:18:59,927 (みつ) それにしても あきれるね。→ 239 00:18:59,927 --> 00:19:05,399 直参旗本が仕組んだ金もうけかい。 ずうずうしいにも程があるよ。 240 00:19:05,399 --> 00:19:09,069 まあ ここまでくりゃ あとは寺社方に任せよう。 241 00:19:09,069 --> 00:19:13,390 だが 松阪屋さんはじめ 残ったお店に→ 242 00:19:13,390 --> 00:19:18,162 いつ 手が伸びるとも限らねえ。 みんな よく見張ってくれ。 243 00:19:18,162 --> 00:19:20,164 (一同)へい! 244 00:19:20,164 --> 00:19:23,564 そうとなったら おまんまだよ。 245 00:19:26,637 --> 00:19:30,157 ほら 詰めろ 詰めろ お前! 246 00:19:30,157 --> 00:19:32,343 すまねえ。 えっ? 247 00:19:32,343 --> 00:19:34,795 ほっておくと言ったものの→ 248 00:19:34,795 --> 00:19:40,117 御用に かこつけて おもんさんに会っちまった。→ 249 00:19:40,117 --> 00:19:43,854 余計なことをしたような 気がするな…。 250 00:19:43,854 --> 00:19:49,426 そう。 金流しの十手も 色恋には役に立たないってわけか。 251 00:19:49,426 --> 00:19:51,428 っせえ バカ野郎。 252 00:19:51,428 --> 00:19:53,428 おお 怖い 怖い。 253 00:20:14,101 --> 00:20:17,037 (由左衛門)10枚で 100両?! 254 00:20:17,037 --> 00:20:19,840 そっ そんな べらぼうな! 255 00:20:19,840 --> 00:20:27,331 それならば 我らが代わって 東照大権現に参って進ぜよう。 256 00:20:27,331 --> 00:20:32,219 それだけは ご勘弁下さい。 お父っつぁん お父っつぁん! 257 00:20:32,219 --> 00:20:36,023 落ち着きなさい 由左衛門。 ハッハッハッハッ。 258 00:20:36,023 --> 00:20:39,660 良いところに お目を 付けられましたな 御武家様。 259 00:20:39,660 --> 00:20:43,264 日本橋界わいの大店ならば 話の分かる者もあろうかと→ 260 00:20:43,264 --> 00:20:46,333 目を付けたのが そなたら 10軒だ。 261 00:20:46,333 --> 00:20:52,539 そのうちの1軒に入ったとは 有り難いことでございます。 なあ。 262 00:20:52,539 --> 00:20:58,739 さすがは 松阪屋の隠居 話が早い。 フッフッフッフッ。 263 00:21:02,866 --> 00:21:05,966 (れん)政次! 264 00:21:09,707 --> 00:21:15,396 (飯干) 松阪屋由左衛門。 寺社奉行支配下 小検使 飯干正太郎である。→ 265 00:21:15,396 --> 00:21:18,098 この者たちが 千社札を悪用し→ 266 00:21:18,098 --> 00:21:21,535 そなたから 大金をゆすり取ろうと したのは確かじゃな? 267 00:21:21,535 --> 00:21:25,306 はい。 そのとおりでございます。 268 00:21:25,306 --> 00:21:29,927 (飯干)旗本小普請組支配 北村帯刀殿でござるな。 269 00:21:29,927 --> 00:21:35,132 左様だが 某 寺社方に 嫌疑をかけられる いわれはない。 270 00:21:35,132 --> 00:21:41,221 手元不如意ゆえ 松阪屋に千社札の 買い取りを申し入れたまで。 271 00:21:41,221 --> 00:21:44,291 北村殿 既に調べはついておる。 272 00:21:44,291 --> 00:21:49,496 そもそも 佃屋の札を安寿院に はったのも覚えがあろう。→ 273 00:21:49,496 --> 00:21:52,299 すべて お目付けにも お伝えしてある。 274 00:21:52,299 --> 00:21:54,499 己! 275 00:21:56,203 --> 00:22:14,788 ♪♪~ 276 00:22:14,788 --> 00:22:18,559 (飯干)北村帯刀 寺社奉行 召し捕りにいたす! 277 00:22:18,559 --> 00:22:22,129 ご隠居 お騒がせして 申し訳ございません。 278 00:22:22,129 --> 00:22:27,568 (松六)政次 いいものを見せてもらったよ。 279 00:22:27,568 --> 00:22:31,605 どうだ? おれん。 政次は頼もしくなったろう。 280 00:22:31,605 --> 00:22:35,605 えっ? あ… はい。 281 00:23:03,187 --> 00:23:07,458  回想  この酒だるなんですが こもかぶり にすることは できますか? 282 00:23:07,458 --> 00:23:10,160 はい。 283 00:23:10,160 --> 00:23:17,760 うれしいよ。 私は もう いつ死んだって構いやしない。 284 00:23:30,380 --> 00:23:32,780 (さえずり) 285 00:23:38,455 --> 00:23:44,762 (さえずり) 286 00:23:44,762 --> 00:23:48,065 (笠売り) 豊島屋の だんなさんですか? 287 00:23:48,065 --> 00:23:50,067 そうだが。 288 00:23:50,067 --> 00:23:53,871 おもんさんから 手紙を言づかってます。 289 00:23:53,871 --> 00:23:57,374 おもんさんから? 290 00:23:57,374 --> 00:24:00,374 すまねえ。 291 00:24:05,866 --> 00:24:09,002 (もん)「豊島屋 清蔵様。→ 292 00:24:09,002 --> 00:24:13,974 あれほど お世話になりながら ひと言の あいさつもなく→ 293 00:24:13,974 --> 00:24:18,112 お店を畳む ご無礼を お許し下さい。→ 294 00:24:18,112 --> 00:24:23,934 今 思えば 楽しい引札作りでは ございましたが→ 295 00:24:23,934 --> 00:24:27,504 だんな様のご親切 ご同情に支えられての→ 296 00:24:27,504 --> 00:24:30,908 お仕事でございました。→ 297 00:24:30,908 --> 00:24:37,598 このままでは だんな様に 迷惑をかけるばかり。→ 298 00:24:37,598 --> 00:24:45,439 もんは京に上り 絵の修業をし直す 決心をいたしました。→ 299 00:24:45,439 --> 00:24:48,308 ただ一つの心残りは→ 300 00:24:48,308 --> 00:24:53,630 だんな様のお許しも得ずに 旅立つことにございます。→ 301 00:24:53,630 --> 00:25:02,272 ですが お顔を見たら 情が残ります。 決心が鈍ります。→ 302 00:25:02,272 --> 00:25:10,472 どうか どうか お許し下さい。 もん」。 303 00:25:12,866 --> 00:25:14,868 おもんさん…。 304 00:25:14,868 --> 00:25:22,543 (泣き声) 305 00:25:22,543 --> 00:25:25,729 (亮吉)どうしたんだよ だんな。 変じゃねえか? 306 00:25:25,729 --> 00:25:27,731 何かあったのかしら。 307 00:25:27,731 --> 00:25:33,131 (彦四郎)例の女とか。 田楽が冷めるぜ。 308 00:25:36,540 --> 00:25:39,540 (泣き声) 309 00:25:42,396 --> 00:25:46,133 うん。 それにしてもだ 今回の一件じゃ→ 310 00:25:46,133 --> 00:25:48,802 政次も 松阪屋さんに 恩返しができたってことだな。 311 00:25:48,802 --> 00:25:52,322 (亮吉)松阪屋のお嬢さんも 政次に ほれ直したみたいだしよ。 312 00:25:52,322 --> 00:25:54,408 そうなの? 政次さん。 313 00:25:54,408 --> 00:25:56,727 いや… さあ。 314 00:25:56,727 --> 00:26:00,497 やだやだ! いい男は つらいよなってか? 315 00:26:00,497 --> 00:26:02,499 そのうち 清蔵だんなみてえに→ 316 00:26:02,499 --> 00:26:06,069 金座裏を抜け出して ふらふらと出歩いたりしてな。 317 00:26:06,069 --> 00:26:10,207 亮吉! 私が どうしたって? 318 00:26:10,207 --> 00:26:14,478 私が留守の間 ただで飲み食い してたんじゃないだろうね。 319 00:26:14,478 --> 00:26:20,334 何だよ 何だよ! ハトが豆鉄砲 食らったような面しやがって。 320 00:26:20,334 --> 00:26:23,403 私が元気だったら おかしいみてえじゃねえか。 321 00:26:23,403 --> 00:26:26,123 やせても枯れても 豊島屋の清蔵。 322 00:26:26,123 --> 00:26:28,675 お前たちから 情けをかけられるほど→ 323 00:26:28,675 --> 00:26:30,661 落ちぶれちゃいねえや。 324 00:26:30,661 --> 00:26:34,998 政次。 今度は松阪屋さんで 大暴れしたそうじゃねえか。 325 00:26:34,998 --> 00:26:38,235 ちゃんと聞かせておくれよ。 はい。 326 00:26:38,235 --> 00:26:41,405 そうとなったら 亮吉様の出番だぜ! 327 00:26:41,405 --> 00:26:43,457 よっ 待ってました こまねずみ! 328 00:26:43,457 --> 00:26:47,494 さあさあ お集まりの皆々様 そもそもの始まりは→ 329 00:26:47,494 --> 00:26:54,868 小石川 安寿院 葵のご紋の上で 千社札をはった者が現れた! 330 00:26:54,868 --> 00:26:57,254 その先 聞きてえねえ! 聞きてえねえ! 331 00:26:57,254 --> 00:27:00,991 さてさて その札には 佃屋与五郎と名が書いてあって→ 332 00:27:00,991 --> 00:27:03,460 その佃屋は すぐに謹慎となっちまった。 333 00:27:03,460 --> 00:27:05,462 その先 どうした こまねずみ! 334 00:27:05,462 --> 00:27:08,298 (亮吉)それを怪しいと思った 宗五郎親分は→ 335 00:27:08,298 --> 00:27:13,170 その札を描いた絵師を 捜し回ったのでございます!→ 336 00:27:13,170 --> 00:27:16,857 さて よくよく調べたところ…。 337 00:27:16,857 --> 00:27:43,500 ♪♪~ 338 00:27:43,500 --> 00:27:49,800  心の声  いい夢を見ました…。 339 00:28:01,568 --> 00:28:05,022 あんたが悪いんだよ! 幸せになるんだよ 私は! 340 00:28:05,022 --> 00:28:07,040 (八百亀)胸を一突きだ。 341 00:28:07,040 --> 00:28:09,026 (下駄貫)見てきたみてえに 言うじゃねえか 政次。→ 342 00:28:09,026 --> 00:28:11,044 自分の考え ひけらかしてんじゃねえぞ! 343 00:28:11,044 --> 00:28:13,030 (お夏世)いい加減にしたら? お父っつぁん。 344 00:28:13,030 --> 00:28:15,482 分かってたまるか~! 345 00:28:15,482 --> 00:28:17,634 しまにとって ようやく つかんだ幸せなんです。 346 00:28:17,634 --> 00:28:20,237 なまはんかなことじゃ 殺しを認めるわけがありません。 347 00:28:20,237 --> 00:28:23,457 てめえ! 348 00:28:23,457 --> 00:29:27,957 ♪♪~ 349 00:30:35,005 --> 00:30:37,491 問題です。 パイナップルの香り。 350 00:30:37,491 --> 00:30:39,993 トマトのヘタのニオイ。 351 00:30:39,993 --> 00:30:42,829 シャクヤクの香り。 352 00:30:42,829 --> 00:30:45,332 コケのニオイ。 353 00:30:45,332 --> 00:30:48,168 カブトムシのニオイ。 354 00:30:48,168 --> 00:30:51,368 猫のおしっこのニオイ。