1 00:00:04,137 --> 00:00:10,277 ♬~ (テーマ音楽) 2 00:00:10,277 --> 00:01:00,961 ♬~ 3 00:01:03,263 --> 00:01:08,769 <昭和21年2月 満州から 引き揚げてきた 律子は➡ 4 00:01:08,769 --> 00:01:12,272 重症の肺結核に かかっていた。➡ 5 00:01:12,272 --> 00:01:15,175 入院しようにも 病院の多くは焼失し➡ 6 00:01:15,175 --> 00:01:19,179 焼け残った所も ベッドは 満員であった> 7 00:01:24,851 --> 00:01:28,655 (律子)面倒かけて すみません。 (かをる)とんでもありません。 8 00:01:30,624 --> 00:01:37,965 私… もう 長くないと思うの。 何を おっしゃるんですか。 9 00:01:37,965 --> 00:01:41,468 せっかく 苦労して 帰ってきたのに…。 10 00:01:41,468 --> 00:01:46,974 自分で分かるのよ。 母と同じ病気だって事…。 11 00:01:49,977 --> 00:01:56,850 ハルピンの収容所で 一度 引き揚げ船の中で 一度➡ 12 00:01:56,850 --> 00:01:58,852 喀血したわ…。 13 00:02:02,923 --> 00:02:10,430 銚子へ たどりついたのが奇跡よ。 死ぬ前に なんとか…。 14 00:02:12,933 --> 00:02:15,435 みんなに会いたいと思って…。 15 00:02:20,440 --> 00:02:22,743 申し訳ありません。 16 00:02:27,781 --> 00:02:33,286 あなただけでも… 生きていてくれて よかった…。 17 00:02:36,289 --> 00:02:43,163 (せきこみ) 18 00:02:43,163 --> 00:02:46,299 今に 小浜さんも 英一郎さんも 帰ってきます。 19 00:02:46,299 --> 00:02:49,136 それまで 生きていられるか どうか…。 20 00:02:49,136 --> 00:02:51,071 安静にしていて下さい。 21 00:02:51,071 --> 00:02:53,774 栄養のつくものを 探してきますから。 22 00:02:58,311 --> 00:03:02,749 あなたは ちっとも変わらないわ。 23 00:03:02,749 --> 00:03:09,423 いつも そうやって… 周りの人のために尽くして…。 24 00:03:09,423 --> 00:03:14,227 いいえ。 私は いつも 時代遅れで。 25 00:03:16,196 --> 00:03:21,435 律子さんのように 世の中を 見つめる事が できなくて…。 26 00:03:21,435 --> 00:03:25,605 私は思い上がっていただけよ。 27 00:03:25,605 --> 00:03:30,277 時代の先端を走ってるつもりで➡ 28 00:03:30,277 --> 00:03:34,448 いつのまにか 時代に 押しつぶされただけ…。 29 00:03:34,448 --> 00:03:38,318 そんな事は ありません。 30 00:03:38,318 --> 00:03:45,125 親の死に目に会えないなんて バチが当たったのよ。 31 00:03:48,962 --> 00:03:53,467 父は 私を 憎んでいたでしょうね。 32 00:03:53,467 --> 00:03:59,673 いいえ 最期まで 律子さんの事を案じていました。 33 00:04:01,908 --> 00:04:03,910 息を引き取るまで…。 34 00:04:10,417 --> 00:04:15,589 お父さんは 私の手を取って…➡ 35 00:04:15,589 --> 00:04:20,293 「律子… よう 帰ってきたな」って。 36 00:04:21,928 --> 00:04:26,433 ♬~ 37 00:04:26,433 --> 00:04:30,771 お父さんに会いたかった…。 38 00:04:30,771 --> 00:04:36,943 会って 今までの事を 謝りたかった。 39 00:04:36,943 --> 00:04:41,815 お父さんに逆らってばっかり いたけど…➡ 40 00:04:41,815 --> 00:04:44,451 私は お父さんを愛していたのよ。 41 00:04:44,451 --> 00:04:49,956 ♬~ 42 00:04:49,956 --> 00:04:58,465 水橋や… 河原畑との恋愛も➡ 43 00:04:58,465 --> 00:05:02,435 小浜との結婚も➡ 44 00:05:02,435 --> 00:05:06,907 心のどこかでは お父さんを 求めていたような気がするわ。 45 00:05:06,907 --> 00:05:09,810 ♬~ 46 00:05:09,810 --> 00:05:18,919 子供の頃 半分は 銚子へ 行ってしまう 父が憎らしくて➡ 47 00:05:18,919 --> 00:05:24,791 恋しくて…。 48 00:05:24,791 --> 00:05:27,093 私は さみしかったのね。 49 00:05:27,093 --> 00:05:30,430 ♬~ 50 00:05:30,430 --> 00:05:32,365 律子さん…。 51 00:05:32,365 --> 00:05:40,874 ♬~ 52 00:05:43,944 --> 00:05:46,446 <やがて 春が来た。➡ 53 00:05:46,446 --> 00:05:49,349 梅木の消息は 依然として 不明であり➡ 54 00:05:49,349 --> 00:05:51,952 律子の病状も 思わしくなかった。➡ 55 00:05:51,952 --> 00:05:56,456 そして 食糧難は 相変わらず続いていた> 56 00:05:56,456 --> 00:05:59,960 (神山)かをるさん! 57 00:05:59,960 --> 00:06:02,863 英一郎さん 帰ってきたど! え~っ! 58 00:06:02,863 --> 00:06:04,865 赤川も一緒だ。 早く 早く! 59 00:06:20,914 --> 00:06:23,950 英一郎さん…。 (英一郎)姉さん ただいま。 60 00:06:23,950 --> 00:06:27,787 (昭彦)叔父さん お帰りなさい! 2人とも おっきくなったなあ。 61 00:06:27,787 --> 00:06:31,925 (赤川)赤川次郎 ただいま 帰還いたしました。 62 00:06:31,925 --> 00:06:35,262 よく 帰った! 赤川…。 63 00:06:35,262 --> 00:06:41,935 姉さん 僕が帰ってこられたのは 分隊長殿の おかげなんです。 64 00:06:41,935 --> 00:06:46,439 ありがとうございました。 いえ 分隊長ではありません。 65 00:06:46,439 --> 00:06:49,342 「入兆」へ帰れば 若旦那と 奉公人であります。 66 00:06:49,342 --> 00:06:53,146 とんでもない。 分隊長殿は 命の恩人であります。 67 00:06:54,948 --> 00:06:56,983 さっ 中へ入りましょう。 68 00:06:56,983 --> 00:06:59,819 律子さんも 満州から 引き揚げていらしたのよ。 69 00:06:59,819 --> 00:07:01,755 そうだってねえ。 70 00:07:01,755 --> 00:07:07,894 旦那様と 奥様の事は… 頭から 伺いました。 71 00:07:07,894 --> 00:07:10,397 お悔やみ申し上げます。 72 00:07:15,769 --> 00:07:21,908 ほんとに 丸焼けだなあ。 これほどとは思わなかったよ。 73 00:07:21,908 --> 00:07:25,412 みんなで 再建しましょう。 74 00:07:25,412 --> 00:07:27,914 「入兆」の天然醸造を 復活させるんだ。 75 00:07:30,917 --> 00:07:33,219 ちょっと 手 貸してくれないか。 76 00:07:41,928 --> 00:07:43,863 どうしたの!? 77 00:07:43,863 --> 00:07:46,599 残念ながら 一発 食らっちまってね。 78 00:07:46,599 --> 00:07:51,271 大腿部貫通銃創であります。 危ないところでした。 79 00:07:51,271 --> 00:08:25,972 ♬~ 80 00:08:33,847 --> 00:08:44,357 お父さん… 僕は もう一度 お父さんに しかられたかったよ。 81 00:08:47,927 --> 00:08:54,434 「親から もらった脚を 撃たれるとは何事か!」って。 82 00:08:56,436 --> 00:09:10,950 (ツエの しのび泣き) 83 00:09:14,821 --> 00:09:19,559 食べてごらんなさい。 うちの庭で とれた お芋よ。 84 00:09:19,559 --> 00:09:22,395 天才だな… かをる姉さんは。 85 00:09:22,395 --> 00:09:26,066 戦地では どんなもの 食べてたの? 86 00:09:26,066 --> 00:09:29,936 食べるものなんて ないよ。 たまに コーリャンのだんごかな。 87 00:09:29,936 --> 00:09:33,940 よく 生きてたわね。 姉さんこそ しぶといじゃないか。 88 00:09:33,940 --> 00:09:38,578 ウフフ よかったわ。 ここで 待ってたかいがあって。 89 00:09:38,578 --> 00:09:43,450 銚子は全滅だって聞いて あきらめてたんだよ。 90 00:09:43,450 --> 00:09:46,453 よかったわね。 91 00:09:46,453 --> 00:09:52,158 曲がりなりにも 姉弟3人 こうして 会えて…。 92 00:09:56,596 --> 00:10:01,468 樽清さんは どうしてる? 焼け出されたけど 無事です。 93 00:10:01,468 --> 00:10:07,106 高神の 叔母さんは? おととし 風邪をこじらせて➡ 94 00:10:07,106 --> 00:10:11,111 亡くなりました。 そう…。 95 00:10:13,613 --> 00:10:18,451 銚子は すっかり 変わったなあ。 96 00:10:18,451 --> 00:10:21,120 僕は まるで 浦島太郎だ。 97 00:10:21,120 --> 00:10:23,456 玉手箱を持ってきた? 98 00:10:23,456 --> 00:10:26,960 玉手箱より もっと すごいもの 持ってきた。 99 00:10:26,960 --> 00:10:28,995 戦争には 負けたけど➡ 100 00:10:28,995 --> 00:10:32,298 僕は 醤油のすばらしさを 改めて 悟ったよ。 101 00:10:32,298 --> 00:10:36,469 醤油は どんな調味料より すぐれてるって事が分かったんだ。 102 00:10:36,469 --> 00:10:40,807 将来は 天然醸造の味と香りを 世界中に 広めたいと思う。 103 00:10:40,807 --> 00:10:43,843 お父さんが聞いたら 喜ぶわ。 104 00:10:43,843 --> 00:10:48,148 どなられるよ。 「西洋人に 醤油が分かってたまるか!」。 105 00:10:48,148 --> 00:10:50,483 そうかしら。 106 00:10:50,483 --> 00:10:54,320 だけど 醤油は魚だけじゃなくて 肉にも合うんだ。 107 00:10:54,320 --> 00:10:56,656 その事を 外国人にも教えてやりたい。 108 00:10:56,656 --> 00:11:00,159 日本人だけが使うのは もったいないからね。 109 00:11:00,159 --> 00:11:03,062 英一郎さん たくましくなったわ。 110 00:11:03,062 --> 00:11:05,965 え? 目が輝いてるもの…。 111 00:11:05,965 --> 00:11:08,968 ウフフ 冷やかさないでよ。 112 00:11:08,968 --> 00:11:11,971 (かをると律子の笑い声) 113 00:11:17,577 --> 00:11:21,114 (豊子)はい 次! 114 00:11:21,114 --> 00:11:24,617 明日は雑炊にするから 休まないでね。 115 00:11:24,617 --> 00:11:27,520 (神山)休んだやつは 二度と使わねえ。 116 00:11:27,520 --> 00:11:30,523 (ヒロミ)お代わり あるんですか? (神山)あるもんか! 117 00:11:34,127 --> 00:11:37,630 (昭彦)お母さん! 伯母さんが 血を吐いた! 118 00:11:37,630 --> 00:11:39,632 えっ!? 何だって!? 119 00:11:47,140 --> 00:11:50,043 律子さん… 律子さん! 120 00:11:50,043 --> 00:11:53,012 どうしましょう!? お医者様を。はい! 121 00:11:53,012 --> 00:11:57,150 律子さん…。 しっかりして下さい! 律子さん。 122 00:11:57,150 --> 00:11:59,152 律子さん! 123 00:12:09,095 --> 00:12:12,098 「お姉さん」と言って…。 124 00:12:14,968 --> 00:12:23,977 あなた… 一度も 「お姉さん」と 言ってくれなかった。 125 00:12:32,118 --> 00:12:34,120 お姉さん…。 126 00:12:44,631 --> 00:12:46,566 お姉さん! 127 00:12:46,566 --> 00:12:52,505 (かをるの しのび泣き) 128 00:12:52,505 --> 00:12:54,507 姉さん! 129 00:12:59,145 --> 00:13:03,916 姉さん! 英一郎…。 130 00:13:03,916 --> 00:13:08,121 死ぬなよ 姉さん。 死ぬな…。 131 00:13:15,528 --> 00:13:21,534 2人とも… ありがとう…。 132 00:13:29,075 --> 00:13:31,577 ごめんなさい…。 133 00:13:37,116 --> 00:13:47,427 もし… 小浜が… 帰ってきたら…。 134 00:13:54,133 --> 00:13:58,004 ♬~ 135 00:13:58,004 --> 00:14:01,941 (英一郎)姉さん! 136 00:14:01,941 --> 00:14:03,943 お姉さん! 137 00:14:03,943 --> 00:14:06,079 姉さん! 138 00:14:06,079 --> 00:14:08,581 ♬~ 139 00:14:08,581 --> 00:14:11,084 お姉さん! 140 00:14:11,084 --> 00:14:13,019 (英一郎)姉さん 死ぬな! 141 00:14:13,019 --> 00:14:23,096 ♬~ 142 00:14:23,096 --> 00:14:25,031 (泣き声で)お姉さん…。 143 00:14:25,031 --> 00:14:34,607 (泣き声) 144 00:14:34,607 --> 00:14:36,542 お姉さん…。 145 00:14:36,542 --> 00:14:41,280 ♬~ 146 00:14:41,280 --> 00:14:54,293 (かをるの泣き声)