1 00:02:27,150 --> 00:02:30,654 ・~ 2 00:02:30,654 --> 00:02:34,157 (柳生石舟斎) 人を包むものの意味を問い・ 3 00:02:34,157 --> 00:02:37,160 生きる事の喜びを問う 4 00:02:37,160 --> 00:02:40,163 <人は 過去を生きる事は できない。・ 5 00:02:40,163 --> 00:02:43,667 前を向いて 生きていくより ほかはない。・ 6 00:02:43,667 --> 00:02:46,670 しかし 心のどこかで思う…。・ 7 00:02:46,670 --> 00:02:49,673 何のために 生きるのか…。・ 8 00:02:49,673 --> 00:02:55,178 何があっても ひたすら 前に向かって 歩き続ける…。・ 9 00:02:55,178 --> 00:03:00,183 それが 武蔵にとって 「生きる」という事だった> 10 00:03:00,183 --> 00:03:15,198 ・~(テーマ音楽) 11 00:03:15,198 --> 00:03:29,198 ・~ 12 00:04:35,145 --> 00:04:38,145 (雷鳴) 13 00:05:57,160 --> 00:06:01,664 <木曽の山を越えて 江戸に向かう道中で・ 14 00:06:01,664 --> 00:06:06,169 武蔵の足を 止めさせたものがあった。・ 15 00:06:06,169 --> 00:06:11,174 深い山の奥で 木を材料にした日用雑器を作る・ 16 00:06:11,174 --> 00:06:16,179 木地師の家である。・ 17 00:06:16,179 --> 00:06:21,179 武蔵は その巧みな刃さばきに 心を奪われた> 18 00:06:24,187 --> 00:06:28,124 (藤六)いつまでも 見ていないで やってみな。 19 00:06:28,124 --> 00:06:42,138 ・~ 20 00:06:42,138 --> 00:06:45,141 (とめ)ハハハ…。 21 00:06:45,141 --> 00:06:47,143 さ…。 22 00:06:47,143 --> 00:06:51,648 ・~ 23 00:06:51,648 --> 00:06:53,650 さ…。 24 00:06:53,650 --> 00:06:55,650 いくよ。 よし。 25 00:07:01,157 --> 00:07:03,159 (笑い声) 26 00:07:03,159 --> 00:07:06,659 そう たやすく いかないはなあ ハッハッ…。 27 00:07:08,665 --> 00:07:12,168 こんなものに興味を持って ここに住みついたのは・ 28 00:07:12,168 --> 00:07:14,170 お前さんが 初めてだ。 29 00:07:14,170 --> 00:07:16,170 ま… 気長に やってみな。 30 00:07:18,174 --> 00:07:20,176 (宮本武蔵)お願いします。 31 00:07:20,176 --> 00:07:22,176 さ いくよ。 よし 32 00:07:29,119 --> 00:07:32,622 (笑い声) 33 00:07:32,622 --> 00:07:34,622 さ… それ 34 00:07:37,627 --> 00:07:42,132 <方 お通は 城太郎の母の消息を求めて・ 35 00:07:42,132 --> 00:07:45,135 山から山へと歩いた。・ 36 00:07:45,135 --> 00:07:47,137 不思議な事に・ 37 00:07:47,137 --> 00:07:51,137 小さな手がかりが 途切れずに ずっと 続いてきたのである> 38 00:07:55,145 --> 00:07:57,147 (お通)知っているのですか? 39 00:07:57,147 --> 00:07:59,149 (村の女) ああ あの おたみなら・ 40 00:07:59,149 --> 00:08:03,153 この村に働きにきていた 嘉平という男と 緒になって・ 41 00:08:03,153 --> 00:08:06,156 村を出ていった。 「嘉平」? 42 00:08:06,156 --> 00:08:10,160 その人と どこへ行ったか 分かりますか? 43 00:08:10,160 --> 00:08:12,162 さあ…? 44 00:08:12,162 --> 00:08:14,664 あんた 知ってるかい? 45 00:08:14,664 --> 00:08:18,168 (男)嘉平は 「新田を開く」と 言うてたそうやから・ 46 00:08:18,168 --> 00:08:20,170 そこに おるんやないかな? 47 00:08:20,170 --> 00:08:23,173 どこですか? その村は。 48 00:08:23,173 --> 00:08:25,175 なんでも…・ 49 00:08:25,175 --> 00:08:28,611 山2つ 向こうの里だと 聞いたんやけど…・ 50 00:08:28,611 --> 00:08:30,611 後は 分かんねえな。 51 00:08:39,622 --> 00:08:41,622 (城太郎)もう いいよ。 52 00:08:43,626 --> 00:08:45,628 「いい」って? 53 00:08:45,628 --> 00:08:49,632 もう 随分 日が たったよ。 54 00:08:49,632 --> 00:08:52,635 城太郎さん。 55 00:08:52,635 --> 00:08:58,141 ここまで お母さんの行方が 途切れなく つながってきてるの。 56 00:08:58,141 --> 00:09:00,143 糸が つながっているかぎり・ 57 00:09:00,143 --> 00:09:03,146 それを たどるのは 当たり前でしょう? 58 00:09:03,146 --> 00:09:05,148 だって…。 何? 59 00:09:05,148 --> 00:09:11,154 会っても 俺の事なんか 覚えてないかも しれないし…。 60 00:09:11,154 --> 00:09:13,656 いいから 江戸へ行こうよ。 61 00:09:13,656 --> 00:09:15,656 駄目 62 00:09:21,164 --> 00:09:23,166 お通さんのほうが…・ 63 00:09:23,166 --> 00:09:27,604 おっ母さんに 会いたいみたいだね。 64 00:09:27,604 --> 00:09:30,106 お通さんは…・ 65 00:09:30,106 --> 00:09:33,106 おっ母さんと どこで 別れたの? 66 00:09:35,111 --> 00:09:39,115 母様は 戦場で捕らえられて・ 67 00:09:39,115 --> 00:09:41,115 売られていったの。 68 00:09:43,119 --> 00:09:47,123 乳飲み子の私は 邪魔になるからと・ 69 00:09:47,123 --> 00:09:51,127 舟に 乗せてもらえなかったんだって。 70 00:09:51,127 --> 00:09:54,627 会いたいかい? おっ母さんに。 71 00:09:56,633 --> 00:09:59,636 私を 産んでくれた人だもの…・ 72 00:09:59,636 --> 00:10:02,636 度は 会ってみたい。 73 00:10:06,142 --> 00:10:14,150 (工事の音) 74 00:10:14,150 --> 00:10:18,154 (男)おい 又八。 75 00:10:18,154 --> 00:10:20,154 (又八)奈良井の…。 歩け。 76 00:10:22,659 --> 00:10:26,095 (絃三)月が替われば 家康は 京に上る。 77 00:10:26,095 --> 00:10:28,097 え? 78 00:10:28,097 --> 00:10:31,601 事は 急を要する。 79 00:10:31,601 --> 00:10:33,601 い~よっ… と 80 00:10:37,106 --> 00:10:41,606 後でな… 柳町の蓬莱屋まで来い。 81 00:10:43,613 --> 00:10:54,624 (はしゃぐ声) 82 00:10:54,624 --> 00:10:57,126 おう 83 00:10:57,126 --> 00:11:01,130 すまねえな みんな… ちょっと 後にしてくれ。 84 00:11:01,130 --> 00:11:03,130 後にしてくれ。 (遊女たち)はい。 85 00:11:16,646 --> 00:11:18,648 ここにな…・ 86 00:11:18,648 --> 00:11:25,648 征夷大将軍・家康様 お手植えの 松の木がある。 87 00:11:28,091 --> 00:11:32,095 その松の根元に 鉄砲が埋めてある。 88 00:11:32,095 --> 00:11:34,097 「鉄砲」・ 89 00:11:34,097 --> 00:11:36,099 それで 家康を撃て。 90 00:11:36,099 --> 00:11:38,101 え~っ・ 91 00:11:38,101 --> 00:11:40,101 分かったな? 92 00:11:44,107 --> 00:11:48,111 今夜はな… せいぜい 楽しんでいきな。 93 00:11:48,111 --> 00:12:02,125 ・~ 94 00:12:02,125 --> 00:12:05,128 おう。あけ 95 00:12:05,128 --> 00:12:08,631 どこでも いいじゃないか。 96 00:12:08,631 --> 00:12:10,633 白粉の匂いがする。 97 00:12:10,633 --> 00:12:12,635 遊びに いってたんじゃねえ 98 00:12:12,635 --> 00:12:15,138 じゃ 何で 白粉の匂いがするの? 99 00:12:15,138 --> 00:12:18,141 お前と俺は 男と女の仲じゃねえんだ。 100 00:12:18,141 --> 00:12:21,144 俺が どこへ行こうと 詮索するな 101 00:12:21,144 --> 00:12:23,146 詮索なんか してない。 102 00:12:23,146 --> 00:12:38,661 ・~ 103 00:12:38,661 --> 00:12:40,663 (ため息) 104 00:12:40,663 --> 00:12:43,666 とんだ事に 巻き込まれちまったよ。 105 00:12:43,666 --> 00:12:45,666 「とんだ事」って? 106 00:12:51,174 --> 00:12:53,176 何? 107 00:12:53,176 --> 00:12:55,178 誰にも言えねえ。 108 00:12:55,178 --> 00:12:58,181 ふ~ん。 言うと 俺は…・ 109 00:12:58,181 --> 00:13:00,183 磔だ。 110 00:13:00,183 --> 00:13:03,186 そんなに 危ない話なの? そうだ。 111 00:13:03,186 --> 00:13:05,186 じゃ 聞かない。 112 00:13:13,196 --> 00:13:15,698 誰にも言うなよ。 113 00:13:15,698 --> 00:13:17,698 言わないよ。 114 00:13:19,702 --> 00:13:22,705 「家康を 鉄砲で撃て」と 言われた。 115 00:13:22,705 --> 00:13:26,642 えっ・ 鉄砲を 城の中に 埋めてあるんだってよ。 116 00:13:26,642 --> 00:13:29,645 又八さん 奈良井大蔵という男と・ 117 00:13:29,645 --> 00:13:31,647 そんなに危ない事を してたの? 118 00:13:31,647 --> 00:13:34,150 しくじったら 磔だろうな。 119 00:13:34,150 --> 00:13:36,152 磔だよ。 でもな…・ 120 00:13:36,152 --> 00:13:38,154 表向きは 家康に従ってるけど・ 121 00:13:38,154 --> 00:13:41,157 裏では よく思ってない大名は 大勢いる。 122 00:13:41,157 --> 00:13:43,159 それが どうしたの? 123 00:13:43,159 --> 00:13:47,163 江戸城の築城で 人と金を 出させられて 不満な大名も多い。 124 00:13:47,163 --> 00:13:49,165 それが 又八さんと 関係あるの? 125 00:13:49,165 --> 00:13:52,168 うまくいったら 俺は 西方で千石 いや…・ 126 00:13:52,168 --> 00:13:54,670 万石の城持ちにだって なれるんだ。 127 00:13:54,670 --> 00:13:57,173 なれる訳ない。 128 00:13:57,173 --> 00:14:00,173 なれる訳ないでしょう? 129 00:14:03,179 --> 00:14:05,181 いや 130 00:14:05,181 --> 00:14:07,183 俺は やる。 131 00:14:07,183 --> 00:14:09,185 か八かの 大勝負だ 132 00:14:09,185 --> 00:14:11,687 度は そんな事でもやらねえと・ 133 00:14:11,687 --> 00:14:14,690 俺は 生きてる目当てを 無くしちまう。 134 00:14:14,690 --> 00:14:17,693 「又八さんが 張り切ると ろくな事はない」って・ 135 00:14:17,693 --> 00:14:19,695 おっ母さんが 言ってたよ。 136 00:14:19,695 --> 00:14:23,199 磔だよ。 137 00:14:23,199 --> 00:14:26,135 「磔」が どうした? 138 00:14:26,135 --> 00:14:28,137 男は 度ぐらい…・ 139 00:14:28,137 --> 00:14:32,137 命懸けの事を やらなきゃ ならねえんだ 140 00:14:38,648 --> 00:14:40,648 (掛け声) 141 00:14:43,653 --> 00:14:47,156 (小次郎)俺は 師の 尺八寸の小太刀に対して・ 142 00:14:47,156 --> 00:14:51,160 三尺余りの 大太刀を持って 稽古代を務めていた。 143 00:14:51,160 --> 00:14:55,164 師・鐘巻自斎の太刀は 鋭くてな…。 144 00:14:55,164 --> 00:14:57,667 それを やっているうちに・ 145 00:14:57,667 --> 00:15:02,167 技が進んで 師に 打ち勝つように なったのだ。 来い 146 00:15:04,674 --> 00:15:09,679 (弥次兵衛)お杉さんたちが 飯を賄うようになってから・ 147 00:15:09,679 --> 00:15:14,684 うちに身を寄せる 荒くれどもが 随分 おとなしくなりましたよ。 148 00:15:14,684 --> 00:15:18,688 (お杉)何もしないで 住まわせて もらうのは 心苦しゅうての。 149 00:15:18,688 --> 00:15:22,191 (権六)お杉婆あは もともと 身を動かすのが 好きでの。 150 00:15:22,191 --> 00:15:25,191 はい 持っておいき。 へい 頂きます 151 00:15:27,630 --> 00:15:34,136 佐々木小次郎という侍の 素性を御存じかな? 152 00:15:34,136 --> 00:15:37,139 うちは どんな素性なのか…・ 153 00:15:37,139 --> 00:15:40,643 どこから来たのかは 切 聞かん。 154 00:15:40,643 --> 00:15:47,149 ただ ここにいるかぎりは ここの決まりを守ってもらう。 155 00:15:47,149 --> 00:15:50,152 随分 いわくありげな お侍だな。 156 00:15:50,152 --> 00:15:53,652 いわくのない者は 江戸には来ねえよ。 157 00:15:57,159 --> 00:16:00,159 余計な事 言ってないで 手伝え。 158 00:16:02,164 --> 00:16:06,168 お前が 佐々木小次郎の事を 妙に 黙っているからだ。 159 00:16:06,168 --> 00:16:09,672 又八はな… 小次郎の印可状を盗んで・ 160 00:16:09,672 --> 00:16:14,176 佐々木小次郎に なりすまして おった事が あったのだ。 161 00:16:14,176 --> 00:16:16,846 覚えてる。 そんな事が知れたら・ 162 00:16:16,846 --> 00:16:19,181 又八の身に よからぬ事が起きるかも…。 163 00:16:19,181 --> 00:16:24,186 又八が 江戸へ来るか どうか 分からんだろうが? 164 00:16:24,186 --> 00:16:26,122 おる。 165 00:16:26,122 --> 00:16:29,125 あれは きっと 江戸におる。 166 00:16:29,125 --> 00:16:31,625 (剣術の掛け声) 167 00:16:35,131 --> 00:16:37,133 遅い 168 00:16:37,133 --> 00:16:40,136 (村田)どけ 169 00:16:40,136 --> 00:16:42,136 (綾部)あの男だ。 170 00:16:46,642 --> 00:16:54,150 ・~ 171 00:16:54,150 --> 00:16:57,153 (村田)俺を 覚えてるか? 172 00:16:57,153 --> 00:17:00,156 ああ。 人足相手に 剣術を教えて・ 173 00:17:00,156 --> 00:17:02,158 師範面を しているようだが・ 174 00:17:02,158 --> 00:17:05,161 俺たちにも 稽古を つけてもらおうか。 175 00:17:05,161 --> 00:17:07,663 食うために やっている事だ。 176 00:17:07,663 --> 00:17:11,167 お主らが 稽古を つけてほしいと言うのなら・ 177 00:17:11,167 --> 00:17:13,169 つけてやらない事もない。 178 00:17:13,169 --> 00:17:16,172 大山勘兵衛先生の門下に その言葉は 何だ・ 179 00:17:16,172 --> 00:17:18,674 そんな物で 相手をするというのか・ 180 00:17:18,674 --> 00:17:20,674 これが ここの稽古だ。 181 00:17:22,678 --> 00:17:25,178 銭は ちゃんと 払ってもらうぞ。 182 00:17:27,116 --> 00:17:29,118 どうする? 183 00:17:29,118 --> 00:17:36,118 ・~ 184 00:17:42,131 --> 00:17:44,133 やっ 185 00:17:44,133 --> 00:17:57,146 ・~ 186 00:17:57,146 --> 00:17:59,148 あっ 187 00:17:59,148 --> 00:18:01,150 村田もん 100文。 188 00:18:01,150 --> 00:18:03,652 おのれ~ 189 00:18:03,652 --> 00:18:05,652 えいやっ 190 00:18:10,659 --> 00:18:12,661 200文 もらおうか。 191 00:18:12,661 --> 00:18:14,663 真剣で 勝負をしろ 192 00:18:14,663 --> 00:18:31,614 ・~ 193 00:18:31,614 --> 00:18:34,116 お引き取り願いたい。 194 00:18:34,116 --> 00:18:36,118 (綾部)お主は 何だ・ 195 00:18:36,118 --> 00:18:42,124 この家の主 半瓦の弥次兵衛と申す者。 196 00:18:42,124 --> 00:18:46,128 この お方に 文句があるなら 私が 受けましょう。 197 00:18:46,128 --> 00:18:48,130 どけ どきませぬ。 198 00:18:48,130 --> 00:18:50,132 どかないと・ 199 00:18:50,132 --> 00:18:52,134 斬る 200 00:18:52,134 --> 00:18:56,138 私を斬ったら どういう事になるか…・ 201 00:18:56,138 --> 00:18:59,138 試してもらいましょうか? 202 00:19:02,144 --> 00:19:04,144 刀を 納めて頂きたい。 203 00:19:13,155 --> 00:19:16,158 俺たちは 大山勘兵衛の門人だ 204 00:19:16,158 --> 00:19:18,160 よく覚えておけ 205 00:19:18,160 --> 00:19:28,160 ・~ 206 00:19:30,105 --> 00:19:36,111 大山勘兵衛は 江戸では 名の知られた軍学者だが・ 207 00:19:36,111 --> 00:19:42,117 近頃は 柳生門に押されて 廃れてきている。 208 00:19:42,117 --> 00:19:48,117 番弟子・北見新蔵以外は ろくな人間は いないんだ。 209 00:19:51,126 --> 00:19:53,126 そうか。 210 00:19:56,131 --> 00:19:58,631 気を付けて下さいよ 先生。 211 00:20:00,636 --> 00:20:02,636 ああ。 212 00:20:05,641 --> 00:20:08,644 (琴)申し訳ありません。 213 00:20:08,644 --> 00:20:11,146 何が? 214 00:20:11,146 --> 00:20:15,150 黙って 外から のぞいたりして。 215 00:20:15,150 --> 00:20:18,654 お前が 表に出る気に なってくれた事が 216 00:20:18,654 --> 00:20:20,654 俺には うれしい。 217 00:20:24,159 --> 00:20:29,098 こんな暮らしが できるとは 思っては いませんでした。 218 00:20:29,098 --> 00:20:31,100 「こんな暮らし」とは? 219 00:20:31,100 --> 00:20:33,602 小次郎様と二人で 220 00:20:33,602 --> 00:20:38,107 何の心配もなく 町を歩くなどと…。 221 00:20:38,107 --> 00:20:43,612 こんな暮らしが できるとは… 222 00:20:43,612 --> 00:20:46,112 俺も 思わなかった。 223 00:20:49,118 --> 00:20:56,125 「己人で 生きているのではない」…。 224 00:20:56,125 --> 00:21:00,129 お前が 俺に そう教えてくれた。 225 00:21:00,129 --> 00:21:02,131 「教える」なんて…。 226 00:21:02,131 --> 00:21:05,134 いや 教えてくれたのだ。 227 00:21:05,134 --> 00:21:25,154 ~ 228 00:21:25,154 --> 00:21:29,091 顔に 傷をつくった事が… 229 00:21:29,091 --> 00:21:32,094 今では うれしく思えます。 230 00:21:32,094 --> 00:21:43,094 ~ 231 00:21:45,607 --> 00:21:48,610 (朱実)どうか 又八さんを お救い下さい。 232 00:21:48,610 --> 00:21:51,613 伜・又八に ぜひとも 会わせて下さい。 233 00:21:51,613 --> 00:21:54,616 又八さんが 磔になります。 どうか お知恵を…。 234 00:21:54,616 --> 00:21:59,121 又八の無事な旅を こうやって 手を合わせて…。 235 00:21:59,121 --> 00:22:01,123 この 年寄りの願いを…。 236 00:22:01,123 --> 00:22:04,126 又八さんが 無事で ありますように…。 237 00:22:04,126 --> 00:22:06,128 私の願いを…。 238 00:22:06,128 --> 00:22:08,130 なむあみだぶつ。 なむあみだぶつ。 239 00:22:08,130 --> 00:22:10,130 (同時に)なむあみだぶつ。 240 00:22:12,134 --> 00:22:16,138 今 「又八」と 言うてなかったか? 241 00:22:16,138 --> 00:22:18,140 そちらも? 242 00:22:18,140 --> 00:22:22,144 知り合いに 「又八」という者でも? 243 00:22:22,144 --> 00:22:24,146 はい。 244 00:22:24,146 --> 00:22:26,148 それは 奇遇だな。 245 00:22:26,148 --> 00:22:28,150 はい。 246 00:22:28,150 --> 00:22:30,150 ではな。 247 00:22:36,158 --> 00:22:40,662 江戸にも 「又八」という名は おるらしいの。 248 00:22:40,662 --> 00:22:42,664 そりゃ おるであろうな。 249 00:22:42,664 --> 00:22:44,666 「本位田又八」…。 250 00:22:44,666 --> 00:22:48,170 そんな いい名前は まず おらん。 251 00:22:48,170 --> 00:22:51,170 「本位田… 又八」 252 00:22:53,175 --> 00:22:55,177 うむ…? 253 00:22:55,177 --> 00:22:59,681 ~ 254 00:22:59,681 --> 00:23:06,188 <最初は 木に刃が当たる技に 興味を持った武蔵だったが 255 00:23:06,188 --> 00:23:13,195 しだいに この夫婦の 息の合った 仕事ぶりに 惹かれていった。 256 00:23:13,195 --> 00:23:19,701 回すほうと 削るほうが ぴたりと 合わないかぎり 木は削れない。 257 00:23:19,701 --> 00:23:24,206 人は 人で 生きているのではない。 258 00:23:24,206 --> 00:23:30,206 木地師夫婦の仕事ぶりが 武蔵に それを教えたのだ> 259 00:23:35,150 --> 00:23:39,154 「嘉平さん」という方を 知っていますか? (老人)はあ? 260 00:23:39,154 --> 00:23:43,659 「嘉平さん」という方を 知っていますか? はあ? 261 00:23:43,659 --> 00:23:45,661 (女)じっちゃん え? 262 00:23:45,661 --> 00:23:48,163 「嘉平さん」て人を 知ってるかい 263 00:23:48,163 --> 00:23:51,166 「嘉平」…? 264 00:23:51,166 --> 00:23:55,170 (大声で)北谷村から 戻ってきて… 265 00:23:55,170 --> 00:24:00,175 「こちらで 新田を開く」と 言っていたそうです 266 00:24:00,175 --> 00:24:03,679 ああ あの嘉平か。 267 00:24:03,679 --> 00:24:05,681 知ってるんですか? 268 00:24:05,681 --> 00:24:08,684 はあ…? 269 00:24:08,684 --> 00:24:12,187 「たみさん」という 女の方も 270 00:24:12,187 --> 00:24:15,190 緒に来たそうですが…? 271 00:24:15,190 --> 00:24:17,693 あ… 間違いねえ。 272 00:24:17,693 --> 00:24:21,693 この先に 家を建てて 住んでるよ。 273 00:24:55,664 --> 00:24:58,164 「お母さん」かもしれない。 274 00:25:03,172 --> 00:25:06,172 「お母さん」かも しれないのよ。 275 00:25:36,138 --> 00:25:38,140 お尋ね致します。 276 00:25:38,140 --> 00:25:41,643 (女)はい? 277 00:25:41,643 --> 00:25:45,147 「たみさん」ですか? 278 00:25:45,147 --> 00:25:47,147 はい。 279 00:25:49,151 --> 00:25:51,153 何か…? 280 00:25:51,153 --> 00:25:54,153 この子に 見覚えありませんか? 281 00:26:01,163 --> 00:26:03,165 (子供たち)おっ母 282 00:26:03,165 --> 00:26:05,165 家に入ってな 283 00:26:24,186 --> 00:26:26,186 城太郎…? 284 00:26:29,625 --> 00:26:32,628 城太郎。 285 00:26:32,628 --> 00:26:36,131 覚えているんですか? 286 00:26:36,131 --> 00:26:38,634 時も…・ 287 00:26:38,634 --> 00:26:40,634 忘れた事はねえ。 288 00:26:42,638 --> 00:26:44,638 城太郎さん。 289 00:26:49,645 --> 00:26:53,148 どうしたの? 城太郎さん。 290 00:26:53,148 --> 00:26:56,652 (たみ) 戦があって…・ 291 00:26:56,652 --> 00:27:00,152 城から 村から 全部 火をつけられた。 292 00:27:02,658 --> 00:27:09,164 連れ合いは… 斬られて 死んでしもうて…。 293 00:27:09,164 --> 00:27:14,664 わしは 三人の子供を抱えて 必死で 逃げたんじゃ。 294 00:27:16,672 --> 00:27:20,676 あの村まで来て…・ 295 00:27:20,676 --> 00:27:24,680 「もう 歩けねえ」と思った時に…・ 296 00:27:24,680 --> 00:27:27,616 「お前だけなら 置いていってもいい」と…・ 297 00:27:27,616 --> 00:27:32,621 あの家の主が言うてくれたんじゃ。 298 00:27:32,621 --> 00:27:36,124 お前が かわいくなくて・ 299 00:27:36,124 --> 00:27:39,124 置いてきた訳じゃねえ…。 300 00:27:42,631 --> 00:27:44,631 許してくれ。 301 00:27:47,135 --> 00:27:49,137 許してくれ。 302 00:27:49,137 --> 00:27:51,139 許してくれ…。 303 00:27:51,139 --> 00:27:55,644 ・~ 304 00:27:55,644 --> 00:27:57,646 (嘉平)どうした? 305 00:27:57,646 --> 00:27:59,648 あんた…。 306 00:27:59,648 --> 00:28:04,152 これが いつか話した 城太郎だ。 307 00:28:04,152 --> 00:28:08,657 戦から逃げる時に 手放した 上の子だ。 308 00:28:08,657 --> 00:28:11,159 訪ねてきたのか…。 309 00:28:11,159 --> 00:28:13,161 よう 来てくれたの。 310 00:28:13,161 --> 00:28:15,161 城太郎…。 311 00:28:17,165 --> 00:28:19,167 城太郎さん 312 00:28:19,167 --> 00:29:11,667 ・~ 313 00:29:14,156 --> 00:29:17,156 産まれる 産まれる…。 314 00:29:19,161 --> 00:29:21,161 産まれた 315 00:29:23,165 --> 00:29:25,167 (組頭)おい 316 00:29:25,167 --> 00:29:27,602 「本位田又八というのは お前か? 317 00:29:27,602 --> 00:29:29,604 (役人) 本位田又八だな? 318 00:29:29,604 --> 00:29:31,606 そうです。 319 00:29:31,606 --> 00:29:33,606 捕らえろ (小者たち)はっ。 320 00:29:35,610 --> 00:29:38,113 何するんだ 321 00:29:38,113 --> 00:29:41,616 ・~ 322 00:29:41,616 --> 00:29:44,119 やはり…。 連れていけ 323 00:29:44,119 --> 00:29:46,121 (小者たち)はっ 324 00:29:46,121 --> 00:30:02,137 ・~ 325 00:30:02,137 --> 00:30:04,637 俺は 何も していない…。 326 00:30:08,143 --> 00:30:11,643 俺は 何も していないんだよ~ 327 00:30:14,149 --> 00:30:16,151 本位田又八。 328 00:30:16,151 --> 00:30:18,153 俺は 何も していない。 329 00:30:18,153 --> 00:30:20,155 な~んにも していないんだよ~。 330 00:30:20,155 --> 00:30:22,657 城の絵図を 隠し持っていた事を・ 331 00:30:22,657 --> 00:30:24,657 どう 申し開く・ 332 00:30:26,595 --> 00:30:28,595 出せい (小者たち)はっ 333 00:30:30,599 --> 00:30:33,101 どこへ行くんだ? 334 00:30:33,101 --> 00:30:35,103 どこへ行くの? 335 00:30:35,103 --> 00:30:37,606 仕置き場だ。 「仕置き場」・ 336 00:30:37,606 --> 00:30:39,608 お前の しようとした事は・ 337 00:30:39,608 --> 00:30:41,610 磔 打ち首に 値する事だ 338 00:30:41,610 --> 00:30:44,112 「磔」? 「打ち首」? 339 00:30:44,112 --> 00:30:46,112 引っ立てろ 340 00:31:01,630 --> 00:31:05,133 (役人)本位田又八 341 00:31:05,133 --> 00:31:08,133 返事をしろ 本位田又八。 342 00:31:11,139 --> 00:31:13,141 はい。 343 00:31:13,141 --> 00:31:16,144 不敵にも お城に忍び込み・ 344 00:31:16,144 --> 00:31:21,149 上様 お手植えの 松の木を 盗み出そうとした罪…。 え…? 345 00:31:21,149 --> 00:31:24,653 到底 許し難き ところではあるが・ 346 00:31:24,653 --> 00:31:27,589 この度は 母の訴えにより・ 347 00:31:27,589 --> 00:31:30,592 罪を 前もって 防ぐ事ができた。 348 00:31:30,592 --> 00:31:33,094 「母の訴え」? 349 00:31:33,094 --> 00:31:35,597 「愚かな息子が・ 350 00:31:35,597 --> 00:31:38,099 母を喜ばせるために 城に・ 351 00:31:38,099 --> 00:31:42,604 家康様が お植えになった松の木を 盗みに入ろうとしている。・ 352 00:31:42,604 --> 00:31:46,608 止めて下され」という訴えが 奉行所に届いたのだ。 353 00:31:46,608 --> 00:31:48,608 え~っ・ 354 00:31:51,613 --> 00:31:53,615 おふくろ…。 355 00:31:53,615 --> 00:31:55,615 おふくろ 356 00:31:59,120 --> 00:32:02,123 子を思う 母の心…。 357 00:32:02,123 --> 00:32:06,127 母を思う 子の心を 酌量して・ 358 00:32:06,127 --> 00:32:09,631 今回は 格別の計らいとして・ 359 00:32:09,631 --> 00:32:12,131 「百叩きの刑」に処す。 360 00:32:14,135 --> 00:32:17,639 身に加えられる痛みを 忘れる事なく・ 361 00:32:17,639 --> 00:32:22,639 以後は 性根を改めて 善行に励めよ。 362 00:32:28,650 --> 00:32:30,650 ひと~つ 363 00:32:33,154 --> 00:32:35,154 ふた~つ 364 00:32:37,659 --> 00:32:39,659 み~っつ 365 00:32:41,663 --> 00:32:43,665 よ~っつ 366 00:32:43,665 --> 00:32:46,167 お前さんが 知らせてくれたお陰で・ 367 00:32:46,167 --> 00:32:48,169 これだけで すんだんじゃ。 368 00:32:48,169 --> 00:32:50,171 いつ~つ 369 00:32:50,171 --> 00:32:52,173 なむあみだぶつ…。 370 00:32:52,173 --> 00:32:54,175 む~っつ 371 00:32:54,175 --> 00:32:56,177 母の鞭じゃよ。 372 00:32:56,177 --> 00:32:58,179 母の鞭じゃと思えば…。 373 00:32:58,179 --> 00:33:00,179 なな~つ 374 00:33:02,183 --> 00:33:04,185 や~っつ 375 00:33:04,185 --> 00:33:08,189 痛かろうの 又八。 376 00:33:08,189 --> 00:33:10,692 痛かろうの…。 377 00:33:10,692 --> 00:33:12,692 ここ~のつ 378 00:33:14,696 --> 00:33:16,698 (群衆)九十七 379 00:33:16,698 --> 00:33:18,700 (役人) 加減 致すな 380 00:33:18,700 --> 00:33:22,203 九十八 381 00:33:22,203 --> 00:33:25,640 九十九 382 00:33:25,640 --> 00:33:27,642 百 383 00:33:27,642 --> 00:33:34,149 (ねぎらいの声) 384 00:33:34,149 --> 00:33:36,151 もう よいか? 385 00:33:36,151 --> 00:33:38,151 よかろう。 386 00:33:43,158 --> 00:33:47,162 「放免してよし」と お役人が言ってる。 387 00:33:47,162 --> 00:33:51,162 傍に行って 水でも 飲ませてやりなされ。 388 00:33:57,172 --> 00:33:59,174 大丈夫か? 389 00:33:59,174 --> 00:34:01,174 又八…。 390 00:34:07,182 --> 00:34:09,184 おふくろ…。 391 00:34:09,184 --> 00:34:13,188 弥次兵衛さんが 掛け合うて くれなかったら・ 392 00:34:13,188 --> 00:34:16,191 こんな事では すまなかったぞ。 393 00:34:16,191 --> 00:34:19,694 おふくろさんが 知る事がなかったら・ 394 00:34:19,694 --> 00:34:23,698 お前は とんでもない事に なっておったんだぞ。 395 00:34:23,698 --> 00:34:26,134 はい。 396 00:34:26,134 --> 00:34:30,138 誰が おふくろに 知らせた? 397 00:34:30,138 --> 00:34:32,638 朱実という女子じゃ。 398 00:34:38,646 --> 00:34:41,649 朱実…。 399 00:34:41,649 --> 00:34:43,651 ごめん…。 400 00:34:43,651 --> 00:34:45,651 又八さん ごめん。 401 00:34:58,666 --> 00:35:00,666 お通さん 402 00:35:02,670 --> 00:35:06,174 俺も行くよ お通さん。 403 00:35:06,174 --> 00:35:08,176 何を言ってるの? 城太郎さん。 404 00:35:08,176 --> 00:35:12,180 お通さん人で 行かせる訳にはいかない 405 00:35:12,180 --> 00:35:14,682 おっ母さんに 会えたのよ? 406 00:35:14,682 --> 00:35:16,684 だって…・ 407 00:35:16,684 --> 00:35:18,684 知らない人なんだよ。 408 00:35:20,688 --> 00:35:23,691 「時も 忘れた事は なかった」って・ 409 00:35:23,691 --> 00:35:26,628 おっ母さんが 言ってくれてるのよ。 410 00:35:26,628 --> 00:35:29,130 お通さんと 緒に行く 411 00:35:29,130 --> 00:35:31,132 緒に行く・ 412 00:35:31,132 --> 00:35:33,132 城太郎 413 00:35:36,137 --> 00:35:38,640 何のために… 何日もかけて・ 414 00:35:38,640 --> 00:35:42,143 村から村へ 歩いてきたと思ってるの・ 415 00:35:42,143 --> 00:35:44,145 お通さんのほうが・ 416 00:35:44,145 --> 00:35:47,148 おっ母さんを 捜したかったんだろう? 417 00:35:47,148 --> 00:35:51,152 そうよ… 私は 母様を 捜したかった。 418 00:35:51,152 --> 00:35:54,155 手がかりが 少しでも あるのなら・ 419 00:35:54,155 --> 00:35:57,158 母様を 捜して歩きたかった。 420 00:35:57,158 --> 00:36:00,161 でも 私の母様は・ 421 00:36:00,161 --> 00:36:03,665 どこにいるのか 何をしてるのか…・ 422 00:36:03,665 --> 00:36:05,665 何も 分からない。 423 00:36:14,175 --> 00:36:16,175 お行き 城太郎。 424 00:36:19,180 --> 00:36:21,680 おっ母さんの所へ お行き。 425 00:36:26,120 --> 00:36:28,120 行きなさい 城太郎。 426 00:36:30,625 --> 00:36:32,627 行きなさい 427 00:36:32,627 --> 00:36:41,135 ・~ 428 00:36:41,135 --> 00:36:43,137 お通さん…。 429 00:36:43,137 --> 00:36:45,137 人で 大丈夫かい? 430 00:36:48,643 --> 00:36:51,145 大丈夫。 431 00:36:51,145 --> 00:36:54,148 人じゃ 江戸へ 行けないよ。 432 00:36:54,148 --> 00:36:58,152 ・~ 433 00:36:58,152 --> 00:37:02,657 私の事は…・ 434 00:37:02,657 --> 00:37:05,159 心配しなくていいの。 435 00:37:05,159 --> 00:37:07,161 でも…。 436 00:37:07,161 --> 00:37:22,677 ・~ 437 00:37:22,677 --> 00:37:26,114 さよなら…。 438 00:37:26,114 --> 00:37:28,116 城太郎。 439 00:37:28,116 --> 00:38:14,162 ・~ 440 00:38:14,162 --> 00:38:16,164 お通さん 441 00:38:16,164 --> 00:38:21,169 ・~ 442 00:38:21,169 --> 00:38:23,171 お通さん 443 00:38:23,171 --> 00:38:30,111 ・~ 444 00:38:30,111 --> 00:38:32,113 お通さん 445 00:38:32,113 --> 00:38:40,613 ・~ 446 00:38:50,631 --> 00:38:54,135 痛いのは 当然の事じゃ。 447 00:38:54,135 --> 00:38:57,138 当然の事じゃ おふくろ。 448 00:38:57,138 --> 00:38:59,640 痛うて 当然の事じゃ。 449 00:38:59,640 --> 00:39:01,642 お前は 阿呆じゃ。 450 00:39:01,642 --> 00:39:03,644 俺は 阿呆じゃ。 451 00:39:03,644 --> 00:39:08,649 お前は わしがいないと 生きては いけん…。 452 00:39:08,649 --> 00:39:11,652 それが よう分かったであろう 453 00:39:11,652 --> 00:39:15,656 俺は おふくろがいないと 生きては いけん…。 454 00:39:15,656 --> 00:39:18,159 それが よう分かった。 455 00:39:18,159 --> 00:39:21,662 鞭打たれて おかしくなったか? 456 00:39:21,662 --> 00:39:25,600 鞭打たれて おかしくなったか… あれ? 457 00:39:25,600 --> 00:39:29,103 わしの言う事が よう分かったか? 458 00:39:29,103 --> 00:39:31,606 うわの空で 言うてただけじゃ。 459 00:39:31,606 --> 00:39:35,109 何・ 今は 何も分からない。 460 00:39:35,109 --> 00:39:39,113 背中の傷が 痛いだけだよ。 461 00:39:39,113 --> 00:39:42,116 又八 何だ? 462 00:39:42,116 --> 00:39:46,120 あの 朱実という女子を 嫁にせい。 463 00:39:46,120 --> 00:39:48,122 何・ 464 00:39:48,122 --> 00:39:50,124 あの女子が おらんかったら・ 465 00:39:50,124 --> 00:39:52,627 お前の命は 救えなかった。・ 466 00:39:52,627 --> 00:39:56,130 あの女子は 命の恩人だぞ。・ 467 00:39:56,130 --> 00:39:58,132 わしが許す。・ 468 00:39:58,132 --> 00:40:01,636 あの女子を 嫁にしてもよい。 469 00:40:01,636 --> 00:40:04,138 ・俺は もう…・ 470 00:40:04,138 --> 00:40:07,141 おふくろの 言いなりには ならん 471 00:40:07,141 --> 00:40:10,144 何? 472 00:40:10,144 --> 00:40:12,647 俺は…・ 473 00:40:12,647 --> 00:40:16,150 俺で 生きていく。 474 00:40:16,150 --> 00:40:18,152 ・又八 475 00:40:18,152 --> 00:40:20,154 俺は もう…・ 476 00:40:20,154 --> 00:40:23,654 誰の言いなりにも ならん あ~っ。 477 00:40:38,106 --> 00:40:40,108 アチ アチ アチ…。 478 00:40:40,108 --> 00:40:43,108 フ~フ~して…。 いいよ 俺が やる。 479 00:40:50,118 --> 00:40:55,123 京の ろうそくの明かりは 柔らかくて いいね。 480 00:40:55,123 --> 00:40:59,127 こんな あばら屋には ぜいたくだよ。 481 00:40:59,127 --> 00:41:03,631 ぜたいくをすれば 願いが 叶うかなって思ったの。 482 00:41:03,631 --> 00:41:05,631 叶ったのか? 483 00:41:09,137 --> 00:41:12,640 半分は。 484 00:41:12,640 --> 00:41:14,640 「半分」って? 485 00:41:17,145 --> 00:41:19,145 もう いい? 486 00:41:26,087 --> 00:41:30,587 俺は 小さな頃から 武蔵と競い合ってきた。 487 00:41:32,593 --> 00:41:36,597 年下の武蔵を 庇ってるつもりが いつか…・ 488 00:41:36,597 --> 00:41:39,600 「あいつに 負けてるんじゃないか」…・ 489 00:41:39,600 --> 00:41:43,604 そんな事ばかり 思うようになっていた。 490 00:41:43,604 --> 00:41:47,604 年上のくせに 引け目を感じてばかりいた。 491 00:41:49,610 --> 00:41:52,613 お通が 俺を好きだと言った時も・ 492 00:41:52,613 --> 00:41:54,613 本気にしなかった。 493 00:41:57,618 --> 00:42:01,122 本当に大切なものは…・ 494 00:42:01,122 --> 00:42:04,622 なくしてから 初めて気づくものなんだ。 495 00:42:08,629 --> 00:42:23,144 ・~ 496 00:42:23,144 --> 00:42:25,146 あ… 雪。 497 00:42:25,146 --> 00:42:41,162 ・~ 498 00:42:41,162 --> 00:42:45,666 私が いなくなったら…・ 499 00:42:45,666 --> 00:42:50,671 大切だって 気が付いてくれる? 又八さん。 500 00:42:50,671 --> 00:43:47,662 ・~ 501 00:43:47,662 --> 00:43:52,166 < お通は また 人になった。・ 502 00:43:52,166 --> 00:43:56,170 「私には もう 武蔵の所しか 行く所はない。・ 503 00:43:56,170 --> 00:44:01,676 武蔵も きっと 私の所しか 来る所はない」…・ 504 00:44:01,676 --> 00:44:07,181 それを信じて お通は 寒さに耐えて歩いた> 505 00:44:07,181 --> 00:44:20,181 ・~