1 00:02:25,941 --> 00:02:29,945 ・~ 2 00:02:29,945 --> 00:02:33,949 <武蔵は 旅の道中 幾多の敵と剣を交えながら・ 3 00:02:33,949 --> 00:02:36,449 江戸に向かっていた> 4 00:02:38,954 --> 00:02:46,461 < お通も また 険しい山を越え 必死に 旅を続けていた。・ 5 00:02:46,461 --> 00:02:50,465 そして 江戸で 行き倒れとなったところを・ 6 00:02:50,465 --> 00:02:52,968 又八に助けられたのである> 7 00:02:52,968 --> 00:02:58,974 ・~ 8 00:02:58,974 --> 00:03:13,989 ・~(テーマ音楽) 9 00:03:13,989 --> 00:03:37,989 ・~ 10 00:06:02,958 --> 00:06:04,960 (宮本武蔵)どじょうか? 11 00:06:04,960 --> 00:06:07,963 (三之助)そうだ。 12 00:06:07,963 --> 00:06:09,963 たくさん取れるのか? 13 00:06:15,470 --> 00:06:19,975 すまぬが 俺にも 分けてくれぬか? 14 00:06:19,975 --> 00:06:23,475 この手拭いに つかみほど 包んでくれ。 15 00:06:25,914 --> 00:06:28,416 銭は出す。 嫌だ。 16 00:06:28,416 --> 00:06:32,916 このどじょうは お父に 食べさせるから やらないよ。 17 00:06:52,941 --> 00:06:56,444 (又八)風が吹くと あちこち がたがた なるんだ。 18 00:06:56,444 --> 00:07:00,944 それに 部屋が 埃だらけに なってしまうんだ。 19 00:07:03,451 --> 00:07:07,956 「体のほうは 少しずつ 回復していくだろう」って・ 20 00:07:07,956 --> 00:07:09,956 薬師が言うとった。 21 00:07:11,960 --> 00:07:13,962 時がたてば・ 22 00:07:13,962 --> 00:07:15,962 元気になっていくよ。 23 00:07:22,971 --> 00:07:24,906 何か 食うか? 24 00:07:24,906 --> 00:07:26,908 俺が 作ってやる。 25 00:07:26,908 --> 00:07:31,908 ずっと 1人暮らしだ。 食い物を作るのは 慣れてんだ。 26 00:07:34,916 --> 00:07:46,928 ・~ 27 00:07:46,928 --> 00:07:49,431 は~い 丁あがったよ。 28 00:07:49,431 --> 00:07:52,934 (女の声色で)あいよ あんた。 29 00:07:52,934 --> 00:07:54,936 へ… おまちどおさん。 30 00:07:54,936 --> 00:08:08,950 ・~ 31 00:08:08,950 --> 00:08:11,953 俺の作った粥だ。 うまいぞ~ 32 00:08:11,953 --> 00:08:13,955 (お通)あ~っ 33 00:08:13,955 --> 00:08:16,958 あ… あ…。 34 00:08:16,958 --> 00:08:21,958 ・~ 35 00:08:25,400 --> 00:08:27,400 ・(三之助)誰だ・ 36 00:08:32,407 --> 00:08:34,407 どじょうの子か…? 37 00:08:52,927 --> 00:08:57,427 先程 「どじょうをくれ」と 頼んだ者だ。 38 00:09:06,941 --> 00:09:08,941 食うか? 39 00:09:18,953 --> 00:09:21,956 さっき 「どじょうが欲しい」と 言ったろう? 40 00:09:21,956 --> 00:09:25,393 ああ 言った。 41 00:09:25,393 --> 00:09:28,897 食うか? 42 00:09:28,897 --> 00:09:30,899 お父に あげるんじゃ ないのか? 43 00:09:30,899 --> 00:09:33,401 もう あげたから いいんだ。 44 00:09:33,401 --> 00:09:35,401 食うか? 45 00:09:50,919 --> 00:09:52,921 うまかった。 46 00:09:52,921 --> 00:09:54,923 そうか。 47 00:09:54,923 --> 00:09:57,926 礼を述べたい。 この家の主は? 48 00:09:57,926 --> 00:10:00,929 起きてるじゃないか。 49 00:10:00,929 --> 00:10:02,931 どこに? 50 00:10:02,931 --> 00:10:04,931 ここに。 51 00:10:07,435 --> 00:10:09,938 お父が いるんでは? いない。 52 00:10:09,938 --> 00:10:13,441 だが さっき 「どじょうを お父にあげる」と…。 53 00:10:13,441 --> 00:10:15,443 寝るだろう? 54 00:10:15,443 --> 00:10:17,943 もう 油が あまり ないんだ。 55 00:10:34,896 --> 00:10:57,919 ・(物音) 56 00:10:57,919 --> 00:11:56,411 ・~ 57 00:11:56,411 --> 00:11:59,411 (三之助)寝つかれないのかい? お侍さん。 58 00:12:02,917 --> 00:12:05,420 こんな夜更けに・ 59 00:12:05,420 --> 00:12:09,424 なぜ 刃物など 研いでいる? 60 00:12:09,424 --> 00:12:11,926 何を斬るんだ? 61 00:12:11,926 --> 00:12:16,931 これで 人間の胴が 二つに斬れると思う? 62 00:12:16,931 --> 00:12:19,931 誰を… 斬るんだ? 63 00:12:22,937 --> 00:12:24,937 俺の お父。 64 00:12:33,948 --> 00:12:35,948 戯れで言ったのか? 65 00:12:39,454 --> 00:12:41,456 おい…。 66 00:12:41,456 --> 00:12:43,458 戯れなんか言うもんか。 67 00:12:43,458 --> 00:12:47,462 父を斬るために それを 研いでいるのか? そうだよ。 68 00:12:47,462 --> 00:12:51,966 そんなに憎い…・ 69 00:12:51,966 --> 00:12:53,968 父なのか? 70 00:12:53,968 --> 00:12:57,472 憎くはないけど…・ 71 00:12:57,472 --> 00:13:00,472 斬らないと 運べないんだ。 72 00:13:18,493 --> 00:13:32,941 ・~ 73 00:13:32,941 --> 00:13:36,945 いつ… 亡くなったんだ? 74 00:13:36,945 --> 00:13:39,447 日暮れ時に。 75 00:13:39,447 --> 00:13:41,449 近くに 寺は あるか? 76 00:13:41,449 --> 00:13:43,449 半里ほど先にある。 77 00:13:45,954 --> 00:13:49,457 俺が 緒に 運んでやる。 78 00:13:49,457 --> 00:13:51,459 銭が ないもの。 79 00:13:51,459 --> 00:13:59,968 ・~ 80 00:13:59,968 --> 00:14:01,970 いらない。 81 00:14:01,970 --> 00:14:05,974 お父は 人から 物を 恵まれるのが嫌いだった。 82 00:14:05,974 --> 00:14:08,476 俺が 裏山に埋めるんだ 83 00:14:08,476 --> 00:14:24,425 ・~ 84 00:14:24,425 --> 00:14:27,428 ありがとう…。 85 00:14:27,428 --> 00:14:29,928 運ぶのを 手伝ってくれて。 86 00:14:32,433 --> 00:14:34,936 これから どうする・ 87 00:14:34,936 --> 00:14:36,938 分からん。 88 00:14:36,938 --> 00:14:43,444 ・~ 89 00:14:43,444 --> 00:14:46,948 どこかへ行くのなら…・ 90 00:14:46,948 --> 00:14:48,950 送ってってやるぞ。 91 00:14:48,950 --> 00:14:50,952 いい。 92 00:14:50,952 --> 00:14:55,456 ・~ 93 00:14:55,456 --> 00:14:58,459 あの家で…・ 94 00:14:58,459 --> 00:15:00,461 独りで暮らすのか? 95 00:15:00,461 --> 00:15:20,461 ・~ 96 00:15:26,921 --> 00:15:28,923 仕事に行ってくるぞ。 97 00:15:28,923 --> 00:15:34,423 水を売って 元手が出来たから 新しい商いを考えてんだ。 98 00:15:36,431 --> 00:15:38,433 帰ってくるまで・ 99 00:15:38,433 --> 00:15:40,933 どこへも 行くんじゃないぞ。 100 00:15:42,937 --> 00:15:45,940 では… よろしく 見てやって下さい。 101 00:15:45,940 --> 00:15:48,943 あいよ。 又八さん…。 え? 102 00:15:48,943 --> 00:15:52,447 私も 近所の者も どこへも行かないように・ 103 00:15:52,447 --> 00:15:54,447 しっかり見張ってるから。 104 00:15:57,452 --> 00:15:59,952 じゃ 行ってくるぞ お通 105 00:16:05,460 --> 00:16:07,460 じゃ 気を付けてね。 106 00:16:19,474 --> 00:16:22,477 お前も知っておろうが・ 107 00:16:22,477 --> 00:16:25,413 連れ合いが死んでからは・ 108 00:16:25,413 --> 00:16:32,420 本位田の本家に わしは 随分と いじめられたんじゃ。 109 00:16:32,420 --> 00:16:37,920 「里へ帰れ」と あしざまに 言われた事もある。 110 00:16:39,927 --> 00:16:44,432 わしは ずっと 伜・又八を・ 111 00:16:44,432 --> 00:16:48,432 本位田家の跡継ぎにしようと 頑張った。 112 00:16:50,438 --> 00:16:52,440 でもな…・ 113 00:16:52,440 --> 00:16:54,942 又八が あんな具合だから・ 114 00:16:54,942 --> 00:16:56,942 その望みも消えた。 115 00:16:58,946 --> 00:17:01,949 やっと 目が覚めたか。 116 00:17:01,949 --> 00:17:06,954 百叩きに遭うている 又八を見てたら・ 117 00:17:06,954 --> 00:17:10,954 憑き物が落ちたように 目が覚めた。 118 00:17:12,960 --> 00:17:15,960 それで よかったんだよ お杉婆。 119 00:17:17,965 --> 00:17:22,470 お前は 体の具合が ようなったら・ 120 00:17:22,470 --> 00:17:26,908 わしに かまわず 村に戻ってくれ。 121 00:17:26,908 --> 00:17:30,912 お前には 苦労をかけた。 122 00:17:30,912 --> 00:17:36,918 お杉婆に そんな優しい言葉を かけられると 気色悪いな。 123 00:17:36,918 --> 00:17:38,918 ・おっ母 権爺 いるか? 124 00:17:41,422 --> 00:17:43,424 具合は どうだ? 権爺。 125 00:17:43,424 --> 00:17:45,424 まあまあじゃ。 126 00:17:47,428 --> 00:17:49,430 何をしている? 127 00:17:49,430 --> 00:17:51,432 写経じゃよ。 128 00:17:51,432 --> 00:17:54,936 ここの荒くれどもが 「お経が読みたい」ってんで・ 129 00:17:54,936 --> 00:17:56,938 お杉婆が 書いてやってるんだ。 130 00:17:56,938 --> 00:18:00,942 「荒くれどもは 字が 読めん者が多いから・ 131 00:18:00,942 --> 00:18:06,447 仮名を振ってやってくれ」と 弥次兵衛さんから頼まれたんじゃ。 132 00:18:06,447 --> 00:18:08,950 これ… 権爺に 食わせてやってくれ。 133 00:18:08,950 --> 00:18:10,952 何じゃ? これは。 134 00:18:10,952 --> 00:18:13,955 上総の漁師から仕入れた 鰯の干した物だ。 135 00:18:13,955 --> 00:18:15,957 明日には 荷車いっぱい届く。 136 00:18:15,957 --> 00:18:18,960 これからは これで 商いをするんだ。 137 00:18:18,960 --> 00:18:20,962 「鰯の干した物」? 138 00:18:20,962 --> 00:18:23,464 江戸の海では たくさん 魚が取れるが・ 139 00:18:23,464 --> 00:18:26,400 武家に買い上げられて 下々には回ってこない。 140 00:18:26,400 --> 00:18:28,903 そうじゃ。 ところが 上総のほうじゃ・ 141 00:18:28,903 --> 00:18:30,905 鰯が取れすぎて 余ってるそうだ。 142 00:18:30,905 --> 00:18:34,408 しかし 江戸には持ってこない。 腐っちまうからな。 143 00:18:34,408 --> 00:18:36,410 そこで 考えた…。 144 00:18:36,410 --> 00:18:41,415 上総の鰯の天日干しを 安く買ってきて 江戸で 145 00:18:41,415 --> 00:18:44,919 高く売る どうだ いい考えだろう? 146 00:18:44,919 --> 00:18:47,919 うん…? こりゃ うまいぞ。 147 00:18:49,924 --> 00:18:53,928 又八には 商いの才が あるのかもしれんな。 148 00:18:53,928 --> 00:18:55,930 どうだか…? 149 00:18:55,930 --> 00:18:57,932 俺は 剣の才は なかったが 150 00:18:57,932 --> 00:19:00,434 銭儲けの才は あるような気がするぞ。 151 00:19:00,434 --> 00:19:03,938 さ どうぞ 食べてくれ。 弥次兵衛さんたちにも あげてな。 152 00:19:03,938 --> 00:19:06,941 これは お通に 持ってってやらなきゃ。 153 00:19:06,941 --> 00:19:08,943 「お通」? 154 00:19:08,943 --> 00:19:10,945 あ~っ 155 00:19:10,945 --> 00:19:14,949 お通が いるのか? 156 00:19:14,949 --> 00:19:17,451 いる。 どこに? 157 00:19:17,451 --> 00:19:19,451 俺の家だ。 158 00:19:29,897 --> 00:19:32,400 帰ったぞ お通…。 159 00:19:32,400 --> 00:19:34,400 お通 160 00:19:36,404 --> 00:19:39,907 お通…。 ああ お通 161 00:19:39,907 --> 00:19:41,907 お通…。 162 00:19:51,419 --> 00:19:53,421 おふくろ様…。 163 00:19:53,421 --> 00:19:55,423 分かるのか? お通。 164 00:19:55,423 --> 00:19:58,426 え~っ おふくろが 分かるのか 165 00:19:58,426 --> 00:20:00,426 おふくろ様…。 166 00:20:02,430 --> 00:20:04,432 ああ おふくろ様…。 167 00:20:04,432 --> 00:20:06,434 かか様 168 00:20:06,434 --> 00:20:08,436 (お杉)気色が悪い 169 00:20:08,436 --> 00:20:10,438 よしよし…。 170 00:20:10,438 --> 00:20:13,941 江戸に来る道中で さんざ 怖い目に 遭うたらしくて 171 00:20:13,941 --> 00:20:15,943 尋常な様では ないんだよ。 172 00:20:15,943 --> 00:20:19,947 この女は お前を捨てた女子だぞ 173 00:20:19,947 --> 00:20:21,949 そんな女を どうして かまう? 174 00:20:21,949 --> 00:20:25,386 俺しか おらんからだ。 かもうてやれる者が。 175 00:20:25,386 --> 00:20:28,389 さっさと追い出せ。 そうは いかん。 176 00:20:28,389 --> 00:20:30,391 ほかの男を 追いかけて 177 00:20:30,391 --> 00:20:32,393 正気を失うた女に 178 00:20:32,393 --> 00:20:34,395 どうして かまう? 179 00:20:34,395 --> 00:20:36,397 お前は 阿呆じゃ 180 00:20:36,397 --> 00:20:38,399 俺も そう思う。 181 00:20:38,399 --> 00:20:40,901 俺も 阿呆だと 思うけど 182 00:20:40,901 --> 00:20:42,903 ほうり出す訳には いかん。 183 00:20:42,903 --> 00:20:45,406 お前は 本当の阿呆じゃ 184 00:20:45,406 --> 00:21:00,921 ~ 185 00:21:00,921 --> 00:21:02,923 嫌っ 186 00:21:02,923 --> 00:21:05,426 あ~っ お通…。 187 00:21:05,426 --> 00:21:07,428 嫌~っ 何をするの 188 00:21:07,428 --> 00:21:09,430 お通… お通。 189 00:21:09,430 --> 00:21:20,441 [ お通の悲鳴が続く ] 190 00:21:20,441 --> 00:21:30,941 ~ 191 00:21:52,907 --> 00:21:54,909 どこへ行く? 192 00:21:54,909 --> 00:21:56,911 知り合いの家だ。 193 00:21:56,911 --> 00:21:58,913 あの家は どうした? 194 00:21:58,913 --> 00:22:01,916 焼いた。 195 00:22:01,916 --> 00:22:03,918 「焼いた」? 196 00:22:03,918 --> 00:22:07,421 「誰かが住みついて 悪さをすると いけないから 197 00:22:07,421 --> 00:22:10,424 俺が死んだら 焼け」と お父が 言い残したんだ。 198 00:22:10,424 --> 00:22:13,928 知り合いとは どこだ? 俺が 送ってってやる。 199 00:22:13,928 --> 00:22:17,431 いい。 200 00:22:17,431 --> 00:22:19,433 人で 大丈夫なのか? 201 00:22:19,433 --> 00:22:21,433 大丈夫だ。 202 00:22:23,938 --> 00:22:26,941 行けよ。 何…? 203 00:22:26,941 --> 00:22:29,441 俺は 武芸者が嫌いなんだ。 204 00:22:41,956 --> 00:22:44,959 (男たちの笑い声) 205 00:22:44,959 --> 00:22:48,963 (男たち)何が 入ってんだ? これは 何だ? 206 00:22:48,963 --> 00:22:54,969 (男たちの悲鳴) 207 00:22:54,969 --> 00:23:03,477 ~ 208 00:23:03,477 --> 00:23:05,479 大丈夫か? 209 00:23:05,479 --> 00:23:09,979 これを よこせと言うから 叩きのめしてやったんだ。 210 00:23:11,986 --> 00:23:13,988 剣術は 誰に習った? 211 00:23:13,988 --> 00:23:15,990 死んだ お父だ。 212 00:23:15,990 --> 00:23:20,995 ・~ 213 00:23:20,995 --> 00:23:22,997 行けよ。 214 00:23:22,997 --> 00:23:34,942 ・~ 215 00:23:34,942 --> 00:23:37,442 (掛け声) 216 00:23:46,954 --> 00:23:48,956 (男)参った 217 00:23:48,956 --> 00:23:50,956 (小次郎)次 218 00:23:55,963 --> 00:23:57,963 (男)参った (小次郎)次 219 00:24:07,975 --> 00:24:09,977 (勘兵衛)「勝てぬ」? 220 00:24:09,977 --> 00:24:12,479 「勝てぬ」と申すか? (新蔵)はい。 221 00:24:12,479 --> 00:24:15,482 (余五郎)何のために 修行を積んできたのだ・ 222 00:24:15,482 --> 00:24:19,486 修行を積んだ身であればこそ 相手の技量が分かるのです。 223 00:24:19,486 --> 00:24:22,489 このままでは 大山門は・ 224 00:24:22,489 --> 00:24:25,926 ただ 滅びの道を進むだけだ。 225 00:24:25,926 --> 00:24:31,932 大山門には 気骨のある門人は 人もおらん。 226 00:24:31,932 --> 00:24:35,932 世間に そう思われても よいのか? 新蔵 227 00:24:41,942 --> 00:24:43,944 (弥次兵衛)先生…。 228 00:24:43,944 --> 00:24:48,449 大山勘兵衛の所から 果たし状が来た。 229 00:24:48,449 --> 00:24:53,454 明後日 明け六ツ。 場所は 浅草寺の裏だそうだ。 230 00:24:53,454 --> 00:24:56,457 (菰の十郎)勘兵衛の門人を 斬ったのか? 先生。 231 00:24:56,457 --> 00:24:59,460 襲ってきたから 斬っただけだ。 232 00:24:59,460 --> 00:25:01,460 どうする? 233 00:25:10,471 --> 00:25:13,971 斬った 斬られた… それの 繰り返しだ。 234 00:25:15,976 --> 00:25:20,981 そういう世から 離れて暮らしたいのだ。 235 00:25:20,981 --> 00:25:23,984 俺は 今の暮らしが 気に入っている。 236 00:25:23,984 --> 00:26:09,984 ・~ 237 00:26:18,972 --> 00:26:23,977 大山勘兵衛の門人 北見新蔵だ。 238 00:26:23,977 --> 00:26:25,977 書状は届いたな? 239 00:26:27,915 --> 00:26:29,917 破り捨てた。 240 00:26:29,917 --> 00:26:31,919 何? 241 00:26:31,919 --> 00:26:33,919 俺は 無用の争いはせぬ。 242 00:26:38,926 --> 00:26:40,928 待て 243 00:26:40,928 --> 00:26:42,930 俺には 無用の争いではない。 244 00:26:42,930 --> 00:26:46,934 よしたほうがよい。 そうはいかぬ 245 00:26:46,934 --> 00:26:48,934 お主は脅えている。 246 00:26:52,439 --> 00:26:54,942 俺には勝てぬ。 247 00:26:54,942 --> 00:26:56,942 それが 顔に出ている。 248 00:26:58,946 --> 00:27:00,946 命を大事にしろ。 249 00:27:07,955 --> 00:27:09,955 小次郎~っ 250 00:27:28,909 --> 00:27:32,913 義とは何か 仁とは何か…。 251 00:27:32,913 --> 00:27:37,417 それを 己の心の中で 深く考える事こそが・ 252 00:27:37,417 --> 00:27:40,417 剣を持って 生きる者の道理。 253 00:27:42,923 --> 00:27:44,925 さすがだ 和尚。 254 00:27:44,925 --> 00:27:47,928 和尚の 禅の心と 俺の 剣の心が・ 255 00:27:47,928 --> 00:27:50,430 深いところで つになっている。 256 00:27:50,430 --> 00:27:54,935 (沢庵)「義のため 仁のためには 命を捨てろ」…。 257 00:27:54,935 --> 00:27:57,938 徳川に取り入ろうとする 坊主どもが・ 258 00:27:57,938 --> 00:28:01,942 軽々しく そう言うのが わしの気に入らんのです。 259 00:28:01,942 --> 00:28:05,445 人の命は そんなに 軽いものでは ござらん。 260 00:28:05,445 --> 00:28:07,447 だからこそ 俺は・ 261 00:28:07,447 --> 00:28:10,951 剣を納める心… みだりに刃を交えぬ心を・ 262 00:28:10,951 --> 00:28:12,953 人に説きたいのだ。 263 00:28:12,953 --> 00:28:15,956 剣は 人に説くものでは ござらん。 264 00:28:15,956 --> 00:28:19,960 己の心に説くもの。 何? 265 00:28:19,960 --> 00:28:23,964 石舟斎殿なら きっと そう言われる。 266 00:28:23,964 --> 00:28:29,903 ・~ 267 00:28:29,903 --> 00:28:34,408 「宗矩殿の所に 行ってやってくれ」…。 268 00:28:34,408 --> 00:28:39,913 そう言われたのは 石舟斎殿なんです。 269 00:28:39,913 --> 00:28:41,915 父上が? 270 00:28:41,915 --> 00:28:46,420 「和尚とは 対極の生き方を しようとしておる。・ 271 00:28:46,420 --> 00:28:48,920 度 訪ねてやってくれ」と。 272 00:28:50,924 --> 00:28:56,930 「子は 父の背中を 見て育つというが・ 273 00:28:56,930 --> 00:29:01,935 あれも そうして 生きてきたのであろうか」と。 274 00:29:01,935 --> 00:29:03,935 宗矩殿…。 275 00:29:06,940 --> 00:29:12,946 柳生の小さな里を守って 生きようとする石舟斎殿の心は・ 276 00:29:12,946 --> 00:29:15,446 決して 小さくは ござらん。 277 00:29:17,451 --> 00:29:20,954 俺に 「権勢に近づくな」と 言うのか? 和尚。 278 00:29:20,954 --> 00:29:25,392 権勢に近づき 己までが 偉うなった 力を持った…・ 279 00:29:25,392 --> 00:29:29,396 そう考え違いしてる坊主を 私は 何人も知っております。 280 00:29:29,396 --> 00:29:31,398 俺が その坊主と同じだと? 281 00:29:31,398 --> 00:29:36,403 そうなってほしくないために この書を 書いておるのです。 282 00:29:36,403 --> 00:29:39,907 この書は 万人のためではなく・ 283 00:29:39,907 --> 00:29:43,410 宗矩殿のためにのみ 書いております。 284 00:29:43,410 --> 00:29:46,914 ・~ 285 00:29:46,914 --> 00:29:48,916 (石舟斎) 「宗矩が・ 286 00:29:48,916 --> 00:29:52,419 伊賀の者たちを 江戸に集めておる」と? はい。 287 00:29:52,419 --> 00:29:54,421 大殿に 何の相談もなく・ 288 00:29:54,421 --> 00:29:58,425 叔父上は 秘かに そんな事をしているのか。 289 00:29:58,425 --> 00:30:00,427 亜矢…。 290 00:30:00,427 --> 00:30:02,429 お主は どうする? 291 00:30:02,429 --> 00:30:05,432 技を 高く 買ってくれるところなら・ 292 00:30:05,432 --> 00:30:09,436 東であろうと 西であろうと 己を売る…。 293 00:30:09,436 --> 00:30:13,440 それが 伊賀者でございます。 294 00:30:13,440 --> 00:30:16,443 大殿を 裏切ると いうのか? お前は。 295 00:30:16,443 --> 00:30:20,948 裏切るとか 裏切らぬとか そのような事ではない。 296 00:30:20,948 --> 00:30:22,950 しかし この女は・ 297 00:30:22,950 --> 00:30:25,886 さんざん 大殿の 世話になっておいて…。 298 00:30:25,886 --> 00:30:27,888 今も 言うたではないか。 299 00:30:27,888 --> 00:30:32,893 「技を買うてくれる ところならば どこへでも 己を売る」…。 300 00:30:32,893 --> 00:30:34,895 それが 伊賀者じゃ。 301 00:30:34,895 --> 00:30:36,897 「誰かに 仕えている」…・ 302 00:30:36,897 --> 00:30:41,902 さような気持は 亜矢は さらさら 持っては おらぬぞ。 303 00:30:41,902 --> 00:30:47,407 ・~ 304 00:30:47,407 --> 00:30:50,907 そんな女を なぜ この屋敷へ 入れるのです? 305 00:30:52,913 --> 00:30:57,417 亜矢。 時々 ここへ戻ってな…・ 306 00:30:57,417 --> 00:31:01,421 宗矩の様子など 聞かせてくれ… うん。 307 00:31:01,421 --> 00:31:03,421 大殿・ 308 00:31:11,431 --> 00:31:14,431 わしも お前を 高く買うておるのじゃ。 309 00:31:24,378 --> 00:31:26,380 あの女 310 00:31:26,380 --> 00:31:29,383 宗矩も なかなか 考えておるな。 311 00:31:29,383 --> 00:31:31,383 え? 312 00:31:33,387 --> 00:31:38,392 江戸に 屋敷を構える大名は 伊達も 福島も 細川も・ 313 00:31:38,392 --> 00:31:41,895 表向きは 家康に 仕えるような顔を しておるが・ 314 00:31:41,895 --> 00:31:44,898 裏では 何を 考えておるか 分からぬ。 315 00:31:44,898 --> 00:31:47,401 伊賀者を使うて その動静を探る…・ 316 00:31:47,401 --> 00:31:53,407 それこそ あの家康の 最も 好むところであろうよ。 317 00:31:53,407 --> 00:31:59,407 (兵庫助)叔父上は 権勢に近づく 事しか 考えておられないのです。 318 00:32:03,417 --> 00:32:09,423 わしは まだまだ お前に 教える事がある。 はい。 319 00:32:09,423 --> 00:32:12,926 柳生新陰流の奥義を 極め・ 320 00:32:12,926 --> 00:32:16,430 本の太刀と 権勢と どちらが強いか・ 321 00:32:16,430 --> 00:32:20,934 いつか 宗矩に 知らせてやって ほしいのじゃ。 322 00:32:20,934 --> 00:32:22,934 はい。 323 00:32:50,464 --> 00:32:52,464 や~っ 324 00:33:05,979 --> 00:34:01,468 ・~ 325 00:34:01,468 --> 00:34:07,974 [ 街の賑わい ] 326 00:34:07,974 --> 00:34:10,974 (商人1)おねえさん いかがですか? 327 00:34:19,986 --> 00:34:21,988 (商人2) いらっしゃい。 328 00:34:21,988 --> 00:34:25,926 (琴)これは? これは 赤唐黍と いって・ 329 00:34:25,926 --> 00:34:30,426 軒に吊るしておくと 雷よけになるんじゃよ。 330 00:34:32,933 --> 00:34:35,435 (弥次兵衛) 先生も 隅に置けねえな。 331 00:34:35,435 --> 00:34:39,439 これが ゆうべ 柳町の蓬莱屋に 行ったら・ 332 00:34:39,439 --> 00:34:42,442 「先生を 知ってる」という 女郎が いたんだってよ。 333 00:34:42,442 --> 00:34:44,444 人違いだろう。 334 00:34:44,444 --> 00:34:46,947 俺は 江戸に 見知った人間は いない。 335 00:34:46,947 --> 00:34:49,449 それが 人違えじゃ ねえんですよ。 336 00:34:49,449 --> 00:34:53,954 「佐々木小次郎という 長い刀を 持った侍を 知っていた」って・ 337 00:34:53,954 --> 00:34:56,957 その女郎は はっきり 言ったんですよ。 338 00:34:56,957 --> 00:34:58,959 行ってみましょうや 先生。 339 00:34:58,959 --> 00:35:01,962 俺たちも お供する。 340 00:35:01,962 --> 00:35:05,465 (男)お上がりだよ ごめんよ 341 00:35:05,465 --> 00:35:07,467 先生…。 342 00:35:07,467 --> 00:35:09,970 (女)お上がりなんし 343 00:35:09,970 --> 00:35:12,472 (甚内)はいはい… いらっしゃいませ 344 00:35:12,472 --> 00:35:14,474 ゆうべも来たぜ。 345 00:35:14,474 --> 00:35:17,477 それは それは… ありがとうございます。 346 00:35:17,477 --> 00:35:19,479 (稚児の小六) 私たちの武芸の先生。 347 00:35:19,479 --> 00:35:21,982 (甚内)「武芸」? 348 00:35:21,982 --> 00:35:23,984 さようで ございますか。 349 00:35:23,984 --> 00:35:28,421 むさ苦しい所ですが どうぞ 御ひいきに…。 350 00:35:28,421 --> 00:35:30,423 花桐とやらを 呼んでくれ。 351 00:35:30,423 --> 00:35:33,927 (甚内)「花桐」を? 後は 誰でもいい。 352 00:35:33,927 --> 00:35:35,927 (女)どうぞ。 353 00:35:44,437 --> 00:35:46,437 雨 来ますかね? 354 00:35:55,949 --> 00:35:57,951 (雷鳴) 355 00:35:57,951 --> 00:36:11,965 ・~ 356 00:36:11,965 --> 00:36:13,967 (お篠) おまちどおさま。 357 00:36:13,967 --> 00:36:27,914 ・~ 358 00:36:27,914 --> 00:36:31,918 (雷鳴) 359 00:36:31,918 --> 00:36:36,923 ・~ 360 00:36:36,923 --> 00:36:39,926 雷さんに さけてもらっておくれね。 361 00:36:39,926 --> 00:36:51,438 ・~ 362 00:36:51,438 --> 00:36:53,440 どうぞ。 363 00:36:53,440 --> 00:36:59,946 ・~ 364 00:36:59,946 --> 00:37:02,449 お酒を もうつ。 365 00:37:02,449 --> 00:37:18,465 ・~ 366 00:37:18,465 --> 00:37:21,465 (雷鳴) 367 00:37:28,408 --> 00:37:31,911 江戸には 風呂屋というのが 出来ていてな…・ 368 00:37:31,911 --> 00:37:33,913 繁盛してんだよ。 369 00:37:33,913 --> 00:37:37,917 (さと)そう 蒸し風呂でね… 体も温まるし 気分も よくなるよ。 370 00:37:37,917 --> 00:37:41,421 さとさんが 緒だから さっぱりしてこい。 371 00:37:41,421 --> 00:37:44,421 俺が 先に出たら 表で待ってるから。 372 00:37:46,926 --> 00:37:50,930 ほら… 俺が買ってきた着物だ。 373 00:37:50,930 --> 00:37:53,933 風呂から上がったら 着せてやってくれ。 374 00:37:53,933 --> 00:37:56,436 きれいな着物。 375 00:37:56,436 --> 00:38:00,436 これを着れば 気分も よくなるよ お通さん。 376 00:38:08,448 --> 00:38:12,448 ・(鐘の音) 377 00:38:19,459 --> 00:38:22,462 お通…。 378 00:38:22,462 --> 00:38:25,899 気持よかったねえ。 379 00:38:25,899 --> 00:38:28,902 おとなしく 体を 洗わせてくれたよ。 380 00:38:28,902 --> 00:38:30,904 それは よかった。 381 00:38:30,904 --> 00:38:34,407 じゃ 私は お先に。 ありがとう さとさん。 382 00:38:34,407 --> 00:38:36,407 いい人だねえ…。 なあ。 383 00:38:39,412 --> 00:38:41,412 きれいになったぞ お通…。 384 00:38:43,917 --> 00:38:45,917 俺たちも 行こうか? 385 00:38:50,423 --> 00:38:53,927 痛っ (女)あっ… すみません。 386 00:38:53,927 --> 00:38:55,929 朱実…・ 387 00:38:55,929 --> 00:38:57,931 又八さん…。 388 00:38:57,931 --> 00:38:59,933 何してんだ? お前。 389 00:38:59,933 --> 00:39:02,933 ここで 働いてんだよ。 ここで? 390 00:39:06,439 --> 00:39:10,443 又八さんが 京を出る時に 緒に いた人? 391 00:39:10,443 --> 00:39:12,443 お通だ。 392 00:39:14,948 --> 00:39:16,948 この人が 「お通さん」? 393 00:39:20,453 --> 00:39:23,957 今 ちょっと… 具合が悪いんだ。 394 00:39:23,957 --> 00:39:26,392 そう…。 395 00:39:26,392 --> 00:39:29,896 この人が 「お通さん」…。 396 00:39:29,896 --> 00:39:33,900 お前… 湯女をしてるんじゃ ないだろうな? 397 00:39:33,900 --> 00:39:35,902 「湯女」…? 398 00:39:35,902 --> 00:39:39,405 昼に 客の髪を梳いたり 垢取りをしてた女が・ 399 00:39:39,405 --> 00:39:41,908 夜になると 酒の相手もし・ 400 00:39:41,908 --> 00:39:44,410 枕を交わすという 噂じゃないか 401 00:39:44,410 --> 00:39:47,413 そんなもの ここには ないよ。 じゃ 何してんだ 402 00:39:47,413 --> 00:39:50,416 下働きだよ 403 00:39:50,416 --> 00:39:53,920 私は 湯女なんかに ならない。 404 00:39:53,920 --> 00:39:55,922 湯女になんか ならないよ 405 00:39:55,922 --> 00:40:29,922 ・~ 406 00:40:49,909 --> 00:40:52,909 その着物 よう似合うぞ お通。 407 00:40:59,419 --> 00:41:02,922 笑うたか? 408 00:41:02,922 --> 00:41:04,922 笑うてくれたか? お通。 409 00:41:08,928 --> 00:41:14,928 江戸で お前と つ屋根の下で 暮らすとは 思わなかったよ。 410 00:41:17,937 --> 00:41:21,941 俺は やっぱり…・ 411 00:41:21,941 --> 00:41:23,941 お前が好きだ。 412 00:41:29,882 --> 00:41:32,385 関ヶ原の戦が 終わって…・ 413 00:41:32,385 --> 00:41:35,388 まっすぐに 美作に 帰っていたら・ 414 00:41:35,388 --> 00:41:38,891 お前と 離れ離れに なる事も なかった。 415 00:41:38,891 --> 00:41:41,891 俺は いつも 道を間違える。 416 00:41:43,896 --> 00:41:45,898 目先の欲に とらわれて・ 417 00:41:45,898 --> 00:41:48,901 右に行けば いいものを 左に行く。 418 00:41:48,901 --> 00:41:52,405 左に行かなければ ならないのに 右に行く。 419 00:41:52,405 --> 00:41:54,405 そんな事の 繰り返しだ。 420 00:41:56,909 --> 00:41:58,911 江戸で 百叩きに遭うて・ 421 00:41:58,911 --> 00:42:01,914 俺も 目覚めたんだ。 422 00:42:01,914 --> 00:42:05,918 俺は 商いをする事を 思いついた。 423 00:42:05,918 --> 00:42:08,921 道を 間違えてばかりいた俺が・ 424 00:42:08,921 --> 00:42:11,921 やっと 行くべき道を 見つけたんだ。 425 00:42:14,927 --> 00:42:17,930 自信というものを 持ったのは・ 426 00:42:17,930 --> 00:42:20,933 生まれて初めてかも しれない。 427 00:42:20,933 --> 00:42:22,935 でもな…・ 428 00:42:22,935 --> 00:42:26,939 今まで やってきた事も 無駄ではなかったんだよ。 429 00:42:26,939 --> 00:42:29,442 伏見城の普請場に 行かなかったら・ 430 00:42:29,442 --> 00:42:31,944 水を売るなんて事 思いつかなかった。 431 00:42:31,944 --> 00:42:33,946 水を売らなければ あの時…・ 432 00:42:33,946 --> 00:42:37,450 町の人に 呼び止められる事もなかった。 433 00:42:37,450 --> 00:42:42,450 お前は あのまま 野たれ死にしてたかもしれない。 434 00:42:45,958 --> 00:42:50,463 お前と 俺との縁が 切れていなかったんだと・ 435 00:42:50,463 --> 00:42:52,463 あの時 思うたよ。 436 00:42:54,467 --> 00:42:57,970 本の細い糸が・ 437 00:42:57,970 --> 00:43:01,974 お前と俺を つないでいた。 438 00:43:01,974 --> 00:43:04,477 お前と俺…・ 439 00:43:04,477 --> 00:43:06,979 俺と武蔵…・ 440 00:43:06,979 --> 00:43:09,479 武蔵とお前…。 441 00:43:11,484 --> 00:43:14,487 小さい時から・ 442 00:43:14,487 --> 00:43:17,990 本の糸で つながってきたような気がする。 443 00:43:17,990 --> 00:43:23,996 ・~ 444 00:43:23,996 --> 00:43:26,933 武蔵は きっと 江戸に来る。 445 00:43:26,933 --> 00:43:31,938 ・~ 446 00:43:31,938 --> 00:43:35,441 きっと 江戸に来るぞ お通。 447 00:43:35,441 --> 00:43:37,443 お通…? 448 00:43:37,443 --> 00:43:41,447 ・~ 449 00:43:41,447 --> 00:43:44,450 涙が出るようになったか お通。 450 00:43:44,450 --> 00:43:48,955 ・~ 451 00:43:48,955 --> 00:43:51,958 笑顔と涙を 思い出したか? 452 00:43:51,958 --> 00:44:12,478 ・~ 453 00:44:12,478 --> 00:44:17,984 <又八に そして お通に 必ず会える…・ 454 00:44:17,984 --> 00:44:22,989 武蔵は そう信じて ひたすら歩いた。・ 455 00:44:22,989 --> 00:44:25,925 江戸は もう すぐそこである> 456 00:44:25,925 --> 00:44:28,925 ・~