1 00:02:28,720 --> 00:02:34,726 ・~ 2 00:02:34,726 --> 00:02:37,729 (宮本武蔵)承知致しました。 3 00:02:37,729 --> 00:02:41,733 (備前)小次郎の剣は 刀身 3尺1寸余り…・ 4 00:02:41,733 --> 00:02:47,733 「物干し竿」と呼ばれるほどの 長い剣を 自在に操る。 5 00:02:51,743 --> 00:02:55,247 (小次郎) 武蔵に 伝えてほしい事がある。 6 00:02:55,247 --> 00:02:59,251 「勝負に勝った者を・ 7 00:02:59,251 --> 00:03:04,756 亡き者に しようとする動きがある。・ 8 00:03:04,756 --> 00:03:07,256 くれぐれも 油断するな」と。 9 00:03:09,261 --> 00:03:11,763 (又八) お通が 作った物だ。 10 00:03:11,763 --> 00:03:14,763 美作で お前を 待っている。 11 00:03:19,271 --> 00:03:22,774 お通に 伝えてくれ…。 12 00:03:22,774 --> 00:03:26,278 「俺は…・ 13 00:03:26,278 --> 00:03:29,715 生きて 必ず…・ 14 00:03:29,715 --> 00:03:31,717 お前の所へ行く」。 15 00:03:31,717 --> 00:03:46,732 ・~ (テーマ音楽) 16 00:03:46,732 --> 00:04:01,232 ・~ 17 00:06:19,751 --> 00:06:23,255 <武蔵は 決闘に沸き立つ小倉を 離れ・ 18 00:06:23,255 --> 00:06:25,757 対岸の下関に 来た。・ 19 00:06:25,757 --> 00:06:31,757 そして 偶然 見つけた 櫂で 闘う事を 心に決めた> 20 00:06:33,699 --> 00:06:40,706 <しかし この櫂を 手と体と なって 自在に扱えなければ・ 21 00:06:40,706 --> 00:06:45,706 小次郎の長剣に 刀のもとに 斬り捨てられる…> 22 00:06:58,223 --> 00:07:25,751 ・~ 23 00:07:25,751 --> 00:07:29,688 (お杉)どこへ 行っておった? お通。 24 00:07:29,688 --> 00:07:32,691 (お通)手を合わせて 参りました。 25 00:07:32,691 --> 00:07:36,194 祈る事でも あるのか? 26 00:07:36,194 --> 00:07:38,196 武蔵様が・ 27 00:07:38,196 --> 00:07:41,700 豊前で 立ち合いを されると 聞きました。 28 00:07:41,700 --> 00:07:45,203 勝たれますようにと お祈りしたのです。 29 00:07:45,203 --> 00:07:52,711 お前は まだ あの男の事を 思うておるのか? 30 00:07:52,711 --> 00:07:54,713 はい。 31 00:07:54,713 --> 00:07:56,713 はあ…。 32 00:07:58,717 --> 00:08:02,721 蓬を入れた粥でも お作りしましょうか? 33 00:08:02,721 --> 00:08:05,223 そんなもの…。 食べませんか? 34 00:08:05,223 --> 00:08:07,225 いや 食べる。 35 00:08:07,225 --> 00:08:09,227 早うせえ お通。 36 00:08:09,227 --> 00:08:12,731 さっきから 腹が空いて たまらんのじゃ。 37 00:08:12,731 --> 00:08:17,235 はい はい。 「はい」は つでよい。 38 00:08:17,235 --> 00:08:19,235 はい。 39 00:08:32,184 --> 00:08:34,686 船が 出たぞ~。 40 00:08:34,686 --> 00:08:37,189 (朱実)乗っていかなくても 大丈夫? 41 00:08:37,189 --> 00:08:39,191 弥七に任せとけば 安心だ。 42 00:08:39,191 --> 00:08:42,694 お前 「大坂や京へ 行きたい」と言ってたろう? 43 00:08:42,694 --> 00:08:45,197 私のために 残ってくれたの? 44 00:08:45,197 --> 00:08:47,199 え…? 45 00:08:47,199 --> 00:08:50,702 武蔵が… 武蔵が・ 46 00:08:50,702 --> 00:08:55,207 豊前で 佐々木小次郎と 立ち合いをするそうだ。 47 00:08:55,207 --> 00:08:57,709 立ち合えば ただでは すまない…。 48 00:08:57,709 --> 00:08:59,711 武蔵も そう思っているらしい。 49 00:08:59,711 --> 00:09:02,214 勝てるの? 武蔵さん。 50 00:09:02,214 --> 00:09:04,716 「勝ってみせる」と 言ってた。 51 00:09:04,716 --> 00:09:07,219 そう…。 52 00:09:07,219 --> 00:09:10,222 俺は 武蔵が 「強くなりたい」と・ 53 00:09:10,222 --> 00:09:15,227 ただ それだけを思って 生きてきたのが 分からなかった。 54 00:09:15,227 --> 00:09:19,231 強くなる… 人と闘って勝つ…・ 55 00:09:19,231 --> 00:09:23,735 それが そんなに 大事なのかと 思ってた。 56 00:09:23,735 --> 00:09:26,738 でも 商いをして よく分かった。 57 00:09:26,738 --> 00:09:29,174 俺を潰そうとする奴がいる。 58 00:09:29,174 --> 00:09:34,679 大きなものに寄りかかり 俺から 財を取り上げようとする奴がいる。 59 00:09:34,679 --> 00:09:37,182 強くならないと 生きていけねえ。 60 00:09:37,182 --> 00:09:41,186 武蔵も ずっと そう思って 生きてきたんだ。 61 00:09:41,186 --> 00:09:44,189 でも なぜ 小次郎と闘うの? 62 00:09:44,189 --> 00:09:48,193 武蔵は 小次郎に 自分と同じものを 感じてるんだ。 63 00:09:48,193 --> 00:09:52,697 だからこそ どちらが強いか 試してみたいんだ。 64 00:09:52,697 --> 00:09:58,203 戦国の世は 強い者が 残り そうでない者は 潰れていった。 65 00:09:58,203 --> 00:10:03,208 でも 今は 徳川様に 取り入る事の うまい奴が残り 66 00:10:03,208 --> 00:10:05,210 そうでない者は 潰れる。 67 00:10:05,210 --> 00:10:07,212 商人も そうだ。 68 00:10:07,212 --> 00:10:12,717 徳川様に へつらう事のうまい奴は どんどん 大きくなっていく。 69 00:10:12,717 --> 00:10:18,723 己の才覚だけじゃ 生きていけない世になっていく。 70 00:10:18,723 --> 00:10:20,725 武蔵も 小次郎も 71 00:10:20,725 --> 00:10:24,229 「そうじゃねえだろう」と 言いたいんだ。 72 00:10:24,229 --> 00:10:29,668 「己の力を信じて 己の力で 生きてみせる。 73 00:10:29,668 --> 00:10:33,672 俺は 戦国の世で 生きてきた者だ」… 74 00:10:33,672 --> 00:10:36,675 そう言いたいんだ。 75 00:10:36,675 --> 00:10:39,678 俺も 今 そう言いたい。 76 00:10:39,678 --> 00:10:41,680 「己の力で… 77 00:10:41,680 --> 00:10:46,685 己の才覚で 大きくなっていってみせる。 78 00:10:46,685 --> 00:10:51,690 俺も 戦国の世で 生きてきた者だ」…。 79 00:10:51,690 --> 00:10:53,690 そう言いたい。 80 00:10:55,694 --> 00:10:57,696 宮本武蔵より 81 00:10:57,696 --> 00:10:59,698 書状が参りました。 82 00:10:59,698 --> 00:11:01,700 (忠興) どこに おるのだ? 83 00:11:01,700 --> 00:11:03,702 下関の宿に。 84 00:11:03,702 --> 00:11:07,706 「立ち合いの日には 必ず 参上致しますので 85 00:11:07,706 --> 00:11:12,706 どうか お捜しにならぬよう お願い致します」と…。 86 00:11:19,217 --> 00:11:23,722 下関に渡ったのには 何か 訳があるのか? 87 00:11:23,722 --> 00:11:28,159 考え あっての事で ござりましょう。 88 00:11:28,159 --> 00:11:32,664 忠利が 立ち合いの場を 船島にしたのは 89 00:11:32,664 --> 00:11:38,670 何か 企み事が あるのではと 申す者もおるが 90 00:11:38,670 --> 00:11:40,672 心当たりが あるか? 91 00:11:40,672 --> 00:11:47,672 恐らく 幕府より 何らかの お達しが あったのでは…? 92 00:11:50,682 --> 00:11:54,686 強い者が 強い者と 雌雄を決する…。 93 00:11:54,686 --> 00:11:58,686 何故 幕府に 憚らねば ならんのだ? 94 00:12:01,693 --> 00:12:04,696 武蔵が 姿を消したそうだな? 95 00:12:04,696 --> 00:12:07,198 (亜矢)はい。 96 00:12:07,198 --> 00:12:10,702 「小次郎を 恐れて逃げた」という噂など 97 00:12:10,702 --> 00:12:13,705 わしは 信じておらぬが…。 98 00:12:13,705 --> 00:12:16,708 そのような者で ない事は 99 00:12:16,708 --> 00:12:19,708 宗矩様も 御存じのはず。 100 00:12:21,713 --> 00:12:27,218 武蔵も 小次郎も わしにとっては 取るに足らぬ者。 101 00:12:27,218 --> 00:12:32,724 だが 武蔵と 小次郎が 闘ったのち… 102 00:12:32,724 --> 00:12:38,229 それを崇める民が 出てきた時に… どうするかだ。 103 00:12:38,229 --> 00:12:41,733 民というのは 方で 平穏を望み… 104 00:12:41,733 --> 00:12:43,735 また 片方で 105 00:12:43,735 --> 00:12:47,238 血の たぎる 面白おかしい世を望む。 106 00:12:47,238 --> 00:12:50,241 それを 煽る者が 出てくれば 107 00:12:50,241 --> 00:12:53,741 気に 平穏な世などは壊れていく。 108 00:12:55,747 --> 00:13:00,251 己の力のみを 信ずる者が いるかぎり… 109 00:13:00,251 --> 00:13:02,251 戦いは 終わらぬ。 110 00:13:04,255 --> 00:13:07,759 だが これからはな… 111 00:13:07,759 --> 00:13:09,761 周りの事を顧みず 112 00:13:09,761 --> 00:13:14,766 己の力 気持のみを 信ずる世ではなく… 113 00:13:14,766 --> 00:13:18,269 己を超える 大きなものを信じ 114 00:13:18,269 --> 00:13:20,769 それに従う世になるのだ。 115 00:13:24,275 --> 00:13:28,213 ところで 亜矢…。 116 00:13:28,213 --> 00:13:32,713 武蔵と 小次郎… どちらが 勝つと思う? 117 00:13:35,220 --> 00:13:39,224 武蔵に 勝ってほしいと思っています。 118 00:13:39,224 --> 00:13:42,224 ほう… 何故に? 119 00:13:44,229 --> 00:13:47,232 武蔵と闘いたい…。 120 00:13:47,232 --> 00:13:52,232 それが 私の 長年の望みです。 121 00:13:55,740 --> 00:13:57,742 (忠利)「勝った者を 斬る」? 122 00:13:57,742 --> 00:13:59,744 はい。 123 00:13:59,744 --> 00:14:02,247 船島の隣の 彦島に 124 00:14:02,247 --> 00:14:04,249 手の者を 伏せておきます。 125 00:14:04,249 --> 00:14:06,751 なぜ そのような事をする? 126 00:14:06,751 --> 00:14:11,256 宗矩殿より 「そうせよ」との お達しが きております。 127 00:14:11,256 --> 00:14:14,259 「双方 相打ち という事にせよ」と。 128 00:14:14,259 --> 00:14:16,761 柳生宗矩が? 129 00:14:16,761 --> 00:14:18,763 察するところ…・ 130 00:14:18,763 --> 00:14:21,263 家康公の 御内意かと。 131 00:14:24,769 --> 00:14:26,771 わしは どうなる…? 132 00:14:26,771 --> 00:14:30,208 父上と競うために 小次郎を 探し出したんだ。 133 00:14:30,208 --> 00:14:32,210 家康公は・ 134 00:14:32,210 --> 00:14:37,715 忠利様を 細川家の 跡継ぎにと お望みです。 135 00:14:37,715 --> 00:14:42,720 それならば 立ち合いを やめれば よい事だ。 136 00:14:42,720 --> 00:14:49,220 二人の立ち合いは 広く 世に 知られたところと なっています。 137 00:14:51,729 --> 00:14:56,234 それゆえ 「双方 相打ち」という事になれば・ 138 00:14:56,234 --> 00:15:00,738 武芸者同士の 立ち合いなど 虚しいものだと・ 139 00:15:00,738 --> 00:15:04,242 世に 知らしめる事が できるのです。 140 00:15:04,242 --> 00:15:13,251 ・~ 141 00:15:13,251 --> 00:15:15,253 (旅人1) まことか? 142 00:15:15,253 --> 00:15:18,756 (旅人2)天下に名の轟いた二人の 立ち合いで・ 143 00:15:18,756 --> 00:15:21,259 豊前は 沸き立っておろうのう。 144 00:15:21,259 --> 00:15:25,263 あの二人の立ち合いならば ぜひとも 見たい。 145 00:15:25,263 --> 00:15:29,763 わしらも 腕を磨いて 世に 名を知らしめたいものじゃ。 146 00:15:31,703 --> 00:15:36,207 <沢庵にも 武蔵の気持は よく分かっていた。・ 147 00:15:36,207 --> 00:15:41,212 武蔵も 小次郎も 剣つで 必死に 生きてきたのだ。・ 148 00:15:41,212 --> 00:15:44,716 いつかは 相対する運命になるのは・ 149 00:15:44,716 --> 00:15:48,720 武蔵にも 小次郎にも 分かっていただろう。・ 150 00:15:48,720 --> 00:15:51,723 己の腕を信じて 生きてきた者が・ 151 00:15:51,723 --> 00:15:57,729 同じ生き方をしてきた者と 度は 雌雄を決してみたい…。・ 152 00:15:57,729 --> 00:16:02,233 相手の腕を尊ぶ 澄んだ気持しかない事は・ 153 00:16:02,233 --> 00:16:05,737 沢庵にも 分かっていた。・ 154 00:16:05,737 --> 00:16:10,742 できる事なら 二人とも 生きていてほしいと・ 155 00:16:10,742 --> 00:16:12,742 沢庵は 祈った> 156 00:16:17,749 --> 00:16:22,253 <武蔵と小次郎が 立ち合う事になった 船島は・ 157 00:16:22,253 --> 00:16:26,257 関門海峡に浮かぶ 小さな島である。・ 158 00:16:26,257 --> 00:16:30,695 かつて 源氏と平氏の 最後の戦いで知られた壇の浦は・ 159 00:16:30,695 --> 00:16:33,698 この海峡の事である。・ 160 00:16:33,698 --> 00:16:37,201 激流が 潮の満ち引きで 向きを変え・ 161 00:16:37,201 --> 00:16:42,206 潮の流れに乗らなければ 船の通行は 容易ではない。・ 162 00:16:42,206 --> 00:16:48,706 源氏は その流れを利用して 平氏に 打ち勝ったのである> 163 00:16:50,715 --> 00:16:55,720 (役人)「明日は いかなる船も 海に出る事を 堅く禁ずる。・ 164 00:16:55,720 --> 00:16:58,222 もし 船を出したる者があれば・ 165 00:16:58,222 --> 00:17:02,226 厳しい罰を受ける事を 覚悟せよ」との お達しだ。 166 00:17:02,226 --> 00:17:04,729 (小次郎)篠。 167 00:17:04,729 --> 00:17:06,729 (お篠)はい。 168 00:17:08,733 --> 00:17:13,237 今日中に 船を雇って 彦島へ渡れ。 え? 169 00:17:13,237 --> 00:17:18,743 明日になれば 海に 無用な船は 出せぬ。 170 00:17:18,743 --> 00:17:20,743 彦島で 俺を待て。 171 00:17:24,749 --> 00:17:27,185 立ち合いが 終われば・ 172 00:17:27,185 --> 00:17:29,685 俺は すぐに 彦島に渡る。 173 00:17:32,690 --> 00:17:34,692 篠…。 174 00:17:34,692 --> 00:17:37,195 はい。 175 00:17:37,195 --> 00:17:39,195 そこで 俺を待っててくれ。 176 00:17:41,699 --> 00:17:44,202 はい。 177 00:17:44,202 --> 00:18:45,202 ・~ 178 00:19:00,211 --> 00:19:03,211 (門人)岩間様が 船で お待ちです。 179 00:19:14,225 --> 00:19:16,225 参るか。 180 00:19:37,181 --> 00:19:40,184 ・(宿の主人)宮本様。 181 00:19:40,184 --> 00:19:43,184 ・そろそろ… 辰の刻ですが。 182 00:19:45,690 --> 00:19:48,192 潮の流れは? 183 00:19:48,192 --> 00:19:50,695 ・上から下へ。 184 00:19:50,695 --> 00:19:53,197 流れが変わるのは いつだ? 185 00:19:53,197 --> 00:19:56,200 ・巳の刻で ございます。 186 00:19:56,200 --> 00:20:01,205 船頭に 流れが変わったら 知らせるように言ってくれ。 187 00:20:01,205 --> 00:20:04,208 ・よいのですか? 何が? 188 00:20:04,208 --> 00:20:08,208 ・立ち合いの刻限に 遅れますが…。 189 00:20:11,215 --> 00:20:13,718 この下関からは・ 190 00:20:13,718 --> 00:20:19,724 上への流れに乗らぬと船は走らぬ。 191 00:20:19,724 --> 00:20:22,727 立ち合いに遅れるのも・ 192 00:20:22,727 --> 00:20:24,729 しかたなかろう。 193 00:20:24,729 --> 00:20:26,731 ・ですが…。 194 00:20:26,731 --> 00:20:30,168 船頭に そう言えばよいのだ。 195 00:20:30,168 --> 00:20:32,168 ・はい。 196 00:20:34,172 --> 00:21:08,706 ・~ 197 00:21:08,706 --> 00:21:10,706 (家臣) まだ 現れませぬ。 198 00:21:13,711 --> 00:21:17,711 (角兵衛)立ち合いの時は すでに 過ぎましたぞ。 199 00:21:19,717 --> 00:21:25,723 「武蔵は 小次郎を恐れて 姿を くらました」という噂があるが・ 200 00:21:25,723 --> 00:21:28,659 よもや まことでは あるまいな? 201 00:21:28,659 --> 00:21:32,163 武蔵は そのような者では ござらぬ。 202 00:21:32,163 --> 00:21:35,666 では なぜ 来ぬ? 203 00:21:35,666 --> 00:21:40,171 私には 分かりかね申す。 204 00:21:40,171 --> 00:21:47,178 武蔵は 吉岡との立ち合いの時も わざと 時を遅らせて・ 205 00:21:47,178 --> 00:21:51,182 相手の いらだつを 待ったといわれておるが・ 206 00:21:51,182 --> 00:21:55,686 そのような卑怯な手を ここでも 用いるつもりかな? 207 00:21:55,686 --> 00:22:00,191 (岡谷)立ち合いの時を お決めに なったのは 岩間様でしょう? 208 00:22:00,191 --> 00:22:03,694 その時に 参上せぬのは 岩間様のみならず・ 209 00:22:03,694 --> 00:22:07,198 細川忠利様をも 愚弄するという事。 210 00:22:07,198 --> 00:22:10,201 いま少し 待ちて 現れぬ場合は・ 211 00:22:10,201 --> 00:22:14,705 逃亡したとみるが それで よろしいかな? 212 00:22:14,705 --> 00:22:16,705 (小次郎)来る 213 00:22:19,210 --> 00:22:21,710 武蔵は 必ず 来る。 214 00:22:23,714 --> 00:22:29,220 姿を見せぬという事は 何か 訳がある。 215 00:22:29,220 --> 00:22:31,722 いたずらに いらだつより・ 216 00:22:31,722 --> 00:22:33,724 それを 知る事こそ・ 217 00:22:33,724 --> 00:22:35,724 立ち合いに必要な事。 218 00:22:37,728 --> 00:22:40,731 <武蔵が この宿に 身を隠したのは・ 219 00:22:40,731 --> 00:22:44,735 どんな得物で立ち合うか 知られないためであった。・ 220 00:22:44,735 --> 00:22:46,737 勝負は 瞬で決まる。・ 221 00:22:46,737 --> 00:22:52,737 己が どんな闘いをするか 相手に知られては 勝算はない> 222 00:23:52,236 --> 00:23:55,236 ・(鳶の鳴き声) 223 00:23:58,242 --> 00:24:00,242 (鳶の鳴き声) 224 00:24:16,761 --> 00:24:19,764 (佐助)そろそろ 引き潮に なります。 225 00:24:19,764 --> 00:24:21,764 分かった。 226 00:24:25,269 --> 00:24:27,705 宮本様…。 227 00:24:27,705 --> 00:24:29,707 ・どうぞ。 228 00:24:29,707 --> 00:24:31,707 失礼致します。 229 00:24:54,732 --> 00:24:59,732 「そろそろ 引き潮になる」と 船頭が 申しております。 230 00:25:36,207 --> 00:26:25,756 ・~ 231 00:26:25,756 --> 00:26:27,691 参ろう。 232 00:26:27,691 --> 00:26:29,693 (佐助)へい。 233 00:26:29,693 --> 00:26:56,720 ・~ 234 00:26:56,720 --> 00:26:59,223 潮の流れが 変わりました。 235 00:26:59,223 --> 00:27:04,728 もはや 小倉から こちらへ 渡る事は 容易ではございませぬ。 236 00:27:04,728 --> 00:27:08,728 武蔵は やはり 逃げ出したのだ。 237 00:27:11,735 --> 00:27:13,737 角兵衛殿…。 238 00:27:13,737 --> 00:27:20,737 「立ち合いに勝った者を 亡き者に する」という噂は まことか? 239 00:27:39,697 --> 00:27:50,207 ・~ 240 00:27:50,207 --> 00:27:52,710 [ 回想 ] (小次郎)篠…・ 241 00:27:52,710 --> 00:27:55,212 立ち合いが 終われば・ 242 00:27:55,212 --> 00:27:58,215 俺は すぐに 彦島に渡る。・ 243 00:27:58,215 --> 00:28:00,718 そこで 俺を待っててくれ。 244 00:28:00,718 --> 00:28:42,718 ・~ 245 00:29:17,227 --> 00:29:20,731 佐助…。 へい。 246 00:29:20,731 --> 00:29:24,234 目につかぬ所で 待っていてくれ。 247 00:29:24,234 --> 00:29:26,737 闘いが すんだら 彦島に渡る。 248 00:29:26,737 --> 00:29:29,673 へい。 249 00:29:29,673 --> 00:29:33,177 もし…・ 250 00:29:33,177 --> 00:29:36,680 もし 戻らぬ時には・ 251 00:29:36,680 --> 00:29:39,683 そのまま 行ってよい。 252 00:29:39,683 --> 00:29:41,683 承知しました。 253 00:29:56,700 --> 00:30:45,182 ・~ 254 00:30:45,182 --> 00:30:48,185 武蔵…。 255 00:30:48,185 --> 00:30:53,190 俺は 初めて お前と 心をつにした。 256 00:30:53,190 --> 00:30:56,193 「己の力を 信じて・ 257 00:30:56,193 --> 00:31:00,197 己の力で 生き抜いてみせる」。 258 00:31:00,197 --> 00:31:02,197 その心が 分かる。 259 00:31:06,703 --> 00:31:09,706 生きて お通の所に戻れよ。 260 00:31:09,706 --> 00:31:47,678 ・~ 261 00:31:47,678 --> 00:31:50,180 (家臣)船が来たぞ~ 262 00:31:50,180 --> 00:31:52,683 船が見えました 岩間様 263 00:31:52,683 --> 00:31:54,685 (備前)控えよ 264 00:31:54,685 --> 00:31:56,687 静かに致せ。 265 00:31:56,687 --> 00:32:01,687 ・~ 266 00:32:40,731 --> 00:33:01,251 ・~ 267 00:33:01,251 --> 00:33:04,254 よう見ておけよ 三之助。 268 00:33:04,254 --> 00:33:07,257 武蔵殿が 命を賭して・ 269 00:33:07,257 --> 00:33:10,260 そちに 伝授してくれると思うて・ 270 00:33:10,260 --> 00:33:13,764 今日は しかと見ておくのだぞ。 271 00:33:13,764 --> 00:33:15,766 はい。 272 00:33:15,766 --> 00:33:48,766 ・~ 273 00:33:56,740 --> 00:34:00,740 武蔵… 待ちかねたぞ。 274 00:34:03,246 --> 00:34:05,749 そんな物で・ 275 00:34:05,749 --> 00:34:08,749 俺を倒せると思っているのか 276 00:34:13,256 --> 00:34:17,260 小次郎…・ 277 00:34:17,260 --> 00:34:20,263 敗れたり。 278 00:34:20,263 --> 00:34:22,265 何? 279 00:34:22,265 --> 00:34:25,769 勝つ身であれば・ 280 00:34:25,769 --> 00:34:28,205 なぜ 鞘を捨てた? 281 00:34:28,205 --> 00:34:31,208 そなたに勝てば・ 282 00:34:31,208 --> 00:34:33,708 この刀など もう無用だ。 283 00:34:35,712 --> 00:34:39,716 そなたを斬った刀を・ 284 00:34:39,716 --> 00:34:41,716 俺は 二度と使わぬ。 285 00:34:45,222 --> 00:34:48,725 来い。 286 00:34:48,725 --> 00:34:50,725 武蔵 287 00:36:28,692 --> 00:36:30,692 ・~ 288 00:37:28,185 --> 00:37:32,689 見事だ…・ 289 00:37:32,689 --> 00:37:34,689 武蔵。 290 00:37:37,194 --> 00:37:39,194 小次郎…。 291 00:37:43,700 --> 00:37:45,700 行け 292 00:37:48,705 --> 00:37:58,715 ・~ 293 00:37:58,715 --> 00:38:00,715 おさらば。 294 00:38:02,719 --> 00:38:04,721 武蔵~っ 295 00:38:04,721 --> 00:38:12,729 ・~ 296 00:38:12,729 --> 00:38:14,731 出せ。 (佐助)へい。 297 00:38:14,731 --> 00:40:29,731 ・~ 298 00:40:34,671 --> 00:40:36,671 世話になった。 299 00:41:34,164 --> 00:41:53,683 ・~ 300 00:41:53,683 --> 00:41:55,685 小次郎様…。 301 00:41:55,685 --> 00:42:29,185 ・~ 302 00:42:40,230 --> 00:42:42,230 や~っ 303 00:42:47,237 --> 00:42:49,237 や~っ 304 00:42:52,742 --> 00:42:54,744 お通…。 305 00:42:54,744 --> 00:43:05,755 ・~ 306 00:43:05,755 --> 00:43:07,757 どけ。 307 00:43:07,757 --> 00:43:14,264 ・~ 308 00:43:14,264 --> 00:43:16,264 どけ 309 00:43:19,269 --> 00:43:21,269 どけ~っ