1 00:02:26,584 --> 00:02:39,597 ・~ 2 00:02:39,597 --> 00:02:41,597 (兵庫助)この地を離れろ。 3 00:02:43,601 --> 00:02:45,603 すぐにだ 4 00:02:45,603 --> 00:02:47,605 (宮本武蔵) そんな事は できぬ。 5 00:02:47,605 --> 00:02:50,608 村の者の命を 救いたければ この地を去れ。 6 00:02:50,608 --> 00:02:54,612 なぜだ 訳など どうでもよい 7 00:02:54,612 --> 00:02:57,615 今 すぐに戻って・ 8 00:02:57,615 --> 00:02:59,617 村から出ろ。 9 00:02:59,617 --> 00:03:14,632 ・~ (テーマ音楽) 10 00:03:14,632 --> 00:03:29,132 ・~ 11 00:05:53,591 --> 00:05:55,593 (権之助)兵庫助殿は・ 12 00:05:55,593 --> 00:05:59,097 柳生の先兵となって 動いている者。 13 00:05:59,097 --> 00:06:02,600 何か 企みが あるのでは…? 14 00:06:02,600 --> 00:06:07,105 (お通)兵庫助様は 企みなど する方では ありません。 15 00:06:07,105 --> 00:06:10,608 しかし 池田輝政公を 亡き者にしたのは・ 16 00:06:10,608 --> 00:06:13,111 柳生兵庫助殿だという噂。 17 00:06:13,111 --> 00:06:17,115 兵庫助様 御自身で お伝え下さったのは・ 18 00:06:17,115 --> 00:06:21,615 よほど 差し迫った訳が あるのだと思います。 19 00:06:26,558 --> 00:06:31,558 (雷鳴) 20 00:06:39,571 --> 00:06:43,575 (三之助)柳生が ここを潰す気なら 気に 攻め込むはずだ。 21 00:06:43,575 --> 00:06:47,579 兵庫助殿が 「村を捨てろ」と 言いに来たのは・ 22 00:06:47,579 --> 00:06:49,581 何か 訳があるはず。 23 00:06:49,581 --> 00:06:53,581 (又八)救いたい者が この村に いるとか…。 24 00:07:02,594 --> 00:07:06,594 兵庫助殿を 信じるか? お通。 25 00:07:08,600 --> 00:07:11,102 はい。 26 00:07:11,102 --> 00:07:14,105 差し迫った 事態だからこそ・ 27 00:07:14,105 --> 00:07:18,105 兵庫助様は ここまで 来て下さったんだと…。 28 00:07:20,612 --> 00:07:23,615 村を捨てよう 武蔵。 29 00:07:23,615 --> 00:07:27,552 お前が この土地を 大事に思う心は 分かる。 30 00:07:27,552 --> 00:07:33,052 しかし ここの者たちの 命が 懸かっているのだぞ。 31 00:07:35,560 --> 00:07:50,575 ・~ 32 00:07:50,575 --> 00:07:52,577 分かった。 33 00:07:52,577 --> 00:07:56,581 せっかく 実りを得るように なったのに・ 34 00:07:56,581 --> 00:07:58,583 村を出ていくのかい? 35 00:07:58,583 --> 00:08:17,101 ・~ 36 00:08:17,101 --> 00:08:20,104 (男1)これから 実りを 得ようとする時に・ 37 00:08:20,104 --> 00:08:22,106 村を 捨てるのですか? 38 00:08:22,106 --> 00:08:24,609 (男2)村を出たって 行く所がねえ。 39 00:08:24,609 --> 00:08:27,045 村を守って 死んだ方がええ 40 00:08:27,045 --> 00:08:32,050 (女)苦労して育てた田畑を 捨てる訳を 聞かせて下され。 41 00:08:32,050 --> 00:08:36,054 何者かが この村を襲う。 42 00:08:36,054 --> 00:08:38,056 (男3)襲うなら 闘えばいい 43 00:08:38,056 --> 00:08:40,058 そのために 柵も作った。 44 00:08:40,058 --> 00:08:42,060 剣の稽古も したでしょう。 45 00:08:42,060 --> 00:08:44,062 宮本様とも あろうお方が・ 46 00:08:44,062 --> 00:08:48,566 やすやすと 村を捨てるなんて 合点が いきませぬ 47 00:08:48,566 --> 00:08:51,069 武蔵にとって…・ 48 00:08:51,069 --> 00:08:53,571 武蔵様にとって…・ 49 00:08:53,571 --> 00:08:57,075 この村は 命よりも 大切なものです。 50 00:08:57,075 --> 00:09:01,079 その村を 捨てようと 決意されたのは よほどの事。 51 00:09:01,079 --> 00:09:04,582 ここは 武蔵様の言う事を 聞いて下さい。 52 00:09:04,582 --> 00:09:06,584 (男2)聞けねえ 53 00:09:06,584 --> 00:09:10,088 (男1)わしらも この田畑は 命懸けで 守りたい 54 00:09:10,088 --> 00:09:12,090 何があるか 分からぬが・ 55 00:09:12,090 --> 00:09:16,094 わしらは ここで 闘って死ぬぞ 56 00:09:16,094 --> 00:09:21,599 (男4)こんな時に なぜ 宮本様は 先に立って 下さらんのだ 57 00:09:21,599 --> 00:09:24,602 (男5)命が 惜しくなったのか 宮本武蔵 58 00:09:24,602 --> 00:09:29,540 (男6)武蔵様が いなくなっても 俺らは この地を出ぬぞ 59 00:09:29,540 --> 00:09:32,543 (抗議の声) 60 00:09:32,543 --> 00:09:34,545 (金具をたたく音) 61 00:09:34,545 --> 00:09:37,548 俺は 命が惜し~い 62 00:09:37,548 --> 00:09:41,552 田畑のために 命を捨てるなんて まっぴら ごめんだ 63 00:09:41,552 --> 00:09:43,554 土地は ここだけじゃねえ 64 00:09:43,554 --> 00:09:45,554 俺は ここを出るぞ 65 00:09:50,561 --> 00:09:52,563 この村を出るぞ おふくろ。 66 00:09:52,563 --> 00:09:54,565 (お杉)何の騒ぎじゃ? 67 00:09:54,565 --> 00:09:56,567 ここにいると 命が 危ない。 68 00:09:56,567 --> 00:09:58,569 早く 支度をしてくれ。 69 00:09:58,569 --> 00:10:00,569 ちょっと 待って…。 70 00:10:03,074 --> 00:10:05,576 俺は ここを出るぞ 71 00:10:05,576 --> 00:10:12,083 戦が終われば また ここに戻ってくれば いいんだ 72 00:10:12,083 --> 00:10:14,085 命が 大事なら・ 73 00:10:14,085 --> 00:10:17,085 早く 用意をして ここを出ろ 74 00:10:19,590 --> 00:10:21,590 早く 75 00:10:34,038 --> 00:10:36,038 又八さん 76 00:10:38,543 --> 00:10:41,546 ありがとう 又八さん。 何が? 77 00:10:41,546 --> 00:10:45,550 又八さんの お陰で 村の者が 動いてくれた。 78 00:10:45,550 --> 00:10:47,552 俺は… 命が惜しいだけだよ。 79 00:10:47,552 --> 00:10:50,555 又八さんは いつも そんなふうに言う。 80 00:10:50,555 --> 00:10:52,557 「そんなふう」って? 81 00:10:52,557 --> 00:10:56,561 「俺のしている事は 大した事じゃねえ」って。 82 00:10:56,561 --> 00:10:58,563 そんな俺が…・ 83 00:10:58,563 --> 00:11:00,565 好きでたまらぬか? お通。 84 00:11:00,565 --> 00:11:03,568 大丈夫ですか? おふくろ様。 85 00:11:03,568 --> 00:11:07,572 又八の親孝行が どこまで続くか…・ 86 00:11:07,572 --> 00:11:11,576 わしゃ 背中で 楽しみなんじゃよ。 87 00:11:11,576 --> 00:11:14,579 大坂の天満に 俺の家がある。 88 00:11:14,579 --> 00:11:18,082 行く所がなければ 武蔵と 大坂まで来い。 89 00:11:18,082 --> 00:11:20,084 ありがとう。 90 00:11:20,084 --> 00:11:22,084 じゃな。 91 00:11:25,022 --> 00:11:27,525 (お甲) お通さん…。 92 00:11:27,525 --> 00:11:31,028 私 又八と緒に 行ってるから。 93 00:11:31,028 --> 00:11:33,028 お気を付けて。 94 00:11:35,533 --> 00:12:05,062 ・~ 95 00:12:05,062 --> 00:12:08,065 権之助…。 96 00:12:08,065 --> 00:12:11,068 先の者を 守ってくれ。 97 00:12:11,068 --> 00:12:13,068 かしこまりました。 98 00:12:17,074 --> 00:12:19,074 三之助…。 99 00:12:25,583 --> 00:12:27,585 頼んだぞ。 はい。 100 00:12:27,585 --> 00:13:13,631 ・~ 101 00:13:13,631 --> 00:13:16,131 行くぞ… お通。 102 00:13:19,637 --> 00:13:21,639 はい。 103 00:13:21,639 --> 00:14:00,639 ・~ 104 00:14:08,619 --> 00:14:13,124 (お杉)本位田の家に 戻りたい 又八。 105 00:14:13,124 --> 00:14:15,126 宮本村は 逆の道だ。 106 00:14:15,126 --> 00:14:19,130 戻ったところで 住む所が ないだろう? 107 00:14:19,130 --> 00:14:23,634 本位田の家を 見たいんじゃ 又八。 108 00:14:23,634 --> 00:14:29,073 もう 二度と戻れぬ あの家を 見たい 109 00:14:29,073 --> 00:14:31,075 どうしたんだい? 110 00:14:31,075 --> 00:14:34,578 おふくろが わがままを言うてのう。 111 00:14:34,578 --> 00:14:38,582 「本位田の家を 見たい」と 言うてるだけじゃ 112 00:14:38,582 --> 00:14:40,584 分かったよ もう…。 113 00:14:40,584 --> 00:14:42,586 村の者と 行ってくれ。 114 00:14:42,586 --> 00:14:45,589 本位田の家を見せたら すぐに戻る。 115 00:14:45,589 --> 00:14:48,592 分かったよ。 116 00:14:48,592 --> 00:14:50,592 よいしょ 117 00:15:26,564 --> 00:15:47,585 ・~ 118 00:15:47,585 --> 00:15:49,587 やあ~っ あ~っ 119 00:15:49,587 --> 00:15:54,592 ・~ 120 00:15:54,592 --> 00:15:56,594 やあ~っ あっ 121 00:15:56,594 --> 00:16:04,602 ・~ 122 00:16:04,602 --> 00:16:07,104 朱実…。 123 00:16:07,104 --> 00:16:09,106 どこに いるんだい? 124 00:16:09,106 --> 00:16:11,106 あ…。 125 00:16:29,560 --> 00:16:31,562 来るな。 126 00:16:31,562 --> 00:17:15,606 ・~ 127 00:17:15,606 --> 00:17:17,608 (男)武蔵~ 128 00:17:17,608 --> 00:17:38,562 ・~ 129 00:17:38,562 --> 00:17:40,564 やあ~っ 130 00:17:40,564 --> 00:17:45,569 ・~ 131 00:17:45,569 --> 00:17:47,571 権之助 宮本様 132 00:17:47,571 --> 00:17:55,579 ・~ 133 00:17:55,579 --> 00:17:57,581 権之助 134 00:17:57,581 --> 00:17:59,581 権之助…。 135 00:18:06,590 --> 00:18:08,592 えいっ。 136 00:18:08,592 --> 00:18:10,594 しっかりしろ…。 137 00:18:10,594 --> 00:18:12,596 権之助 138 00:18:12,596 --> 00:18:15,599 権之助 139 00:18:15,599 --> 00:18:17,599 ・(女)武蔵 140 00:18:34,551 --> 00:18:37,051 お前が 襲わせたのか? 141 00:18:42,559 --> 00:18:45,562 なぜ こんな事をする? 142 00:18:45,562 --> 00:18:48,062 (亜矢)なぜ 政に かかわった? 143 00:18:50,067 --> 00:18:53,570 なぜ 真田幸村を 九度山から 逃がした? 144 00:18:53,570 --> 00:18:55,572 それが どうした? 145 00:18:55,572 --> 00:18:58,075 徳川の旗の下ではなく・ 146 00:18:58,075 --> 00:19:02,579 もうつの旗の下に 人が 集まるという事は・ 147 00:19:02,579 --> 00:19:05,582 徳川様にとっては 許されぬ事。 148 00:19:05,582 --> 00:19:12,089 俺は ただ 田畑を 耕していただけだ。 149 00:19:12,089 --> 00:19:17,089 それが なぜ 徳川の差し障りになる? 150 00:19:21,598 --> 00:19:24,601 「政」とは…・ 151 00:19:24,601 --> 00:19:26,601 そういうもの。 152 00:19:48,559 --> 00:20:18,589 ・~ 153 00:20:18,589 --> 00:20:20,591 えいっ 154 00:20:20,591 --> 00:21:05,591 ・~ 155 00:21:38,535 --> 00:21:40,535 やめて 武蔵 156 00:21:44,041 --> 00:21:46,041 斬らないで。 157 00:21:51,048 --> 00:21:53,550 (亜矢)斬れ。 158 00:21:53,550 --> 00:21:55,550 斬れ。 159 00:21:57,554 --> 00:22:00,557 武蔵 私を斬れ。 160 00:22:00,557 --> 00:22:02,559 斬らないで。 161 00:22:02,559 --> 00:22:04,561 斬れ。 162 00:22:04,561 --> 00:22:07,561 斬れ 斬れ~ 163 00:22:47,604 --> 00:22:49,604 行け。 164 00:23:00,617 --> 00:23:02,617 行け 165 00:23:53,103 --> 00:23:55,103 あ~っ 166 00:25:00,604 --> 00:25:17,621 ・~ 167 00:25:17,621 --> 00:25:22,626 三之助さんは…・ 168 00:25:22,626 --> 00:25:26,563 この子たちを 守ろうとしたのですね。 169 00:25:26,563 --> 00:25:50,087 ・~ 170 00:25:50,087 --> 00:25:52,089 すまぬ…。 171 00:25:52,089 --> 00:26:22,619 ・~ 172 00:26:22,619 --> 00:26:24,621 (太鼓の音) 173 00:26:24,621 --> 00:26:28,058 (淀殿)そなたは 本気で そのような事を・ 174 00:26:28,058 --> 00:26:30,060 秀頼に 言うておるのか? 175 00:26:30,060 --> 00:26:32,062 (且元)はい。 176 00:26:32,062 --> 00:26:36,566 家康公の御意向も 考慮し われらが 取るべき道は・ 177 00:26:36,566 --> 00:26:39,569 今 申し上げたほか ないと思われます。 178 00:26:39,569 --> 00:26:43,073 もう度 言うてみい。 179 00:26:43,073 --> 00:26:48,578 つは 恐れながら 秀頼様 または お方様が・ 180 00:26:48,578 --> 00:26:52,582 人質として 江戸へ 向かわれる事。 181 00:26:52,582 --> 00:26:55,085 もうつの道は・ 182 00:26:55,085 --> 00:26:59,089 城を 明け渡し 他国に 領地を請う事です。 183 00:26:59,089 --> 00:27:05,595 家康公が 且元殿に そう言われたのだな? はい。 184 00:27:05,595 --> 00:27:10,100 そなた 本当に 家康に 会うたのか? 185 00:27:10,100 --> 00:27:12,102 は…? 186 00:27:12,102 --> 00:27:15,105 治長の母 大蔵局は・ 187 00:27:15,105 --> 00:27:17,105 駿府に 行った。 188 00:27:20,610 --> 00:27:23,613 わが母の言うところでは・ 189 00:27:23,613 --> 00:27:27,613 「且元殿 家康公に 拝謁 叶わず」と。 190 00:27:29,553 --> 00:27:34,057 先程 言うた事は 家康の意向ではなく・ 191 00:27:34,057 --> 00:27:37,060 そなたの考えでは ないのか? 192 00:27:37,060 --> 00:27:39,563 (秀頼) 家康の意を 汲んでの…。 193 00:27:39,563 --> 00:27:44,067 私は 私なりに 秀頼様の行く末を案じ・ 194 00:27:44,067 --> 00:27:47,070 あのような事を のむならば・ 195 00:27:47,070 --> 00:27:52,576 家康公も 豊臣家の断絶するような 事は なさるまいと思うたのです。 196 00:27:52,576 --> 00:27:57,080 そなたは 秀頼の使いか それとも 家康の使いなのか? 197 00:27:57,080 --> 00:28:03,587 私は 秀頼様を お救いしたいと 願うておるのです。 198 00:28:03,587 --> 00:28:06,590 豊臣には 豊臣の意地がある…・ 199 00:28:06,590 --> 00:28:11,595 そんな事を 言うてる時ではないと 私は 思うております。 200 00:28:11,595 --> 00:28:13,597 下がれ 且元 201 00:28:13,597 --> 00:28:17,601 即刻 この城から出て・ 202 00:28:17,601 --> 00:28:21,601 秀頼の前に 二度と 顔を見せるなよ 且元。 203 00:28:23,607 --> 00:28:27,544 何… 片桐且元が追い出されたと? 204 00:28:27,544 --> 00:28:32,549 先程 京の板倉殿より 書状が 届きました。 205 00:28:32,549 --> 00:28:35,552 そうか… そうか。 206 00:28:35,552 --> 00:28:39,556 戦じゃ。 戦じゃ 正信 207 00:28:39,556 --> 00:28:47,564 ・~ 208 00:28:47,564 --> 00:28:51,067 <この時 家康 73歳…。・ 209 00:28:51,067 --> 00:28:55,572 且元追放を 知り 戦を決意したと いわれている> 210 00:28:55,572 --> 00:28:59,572 ・~ 211 00:29:17,093 --> 00:29:19,093 では…。 212 00:29:23,099 --> 00:29:25,099 無念で ございます。 213 00:29:58,568 --> 00:30:02,072 峠を下れば 宮本村だぞ おふくろ。 214 00:30:02,072 --> 00:30:06,576 いくつに なっても ふるさとを 見たいのか? 215 00:30:06,576 --> 00:30:11,076 ガキみたいだな いい年をして… え? 216 00:30:14,584 --> 00:30:16,584 おふくろ…。 217 00:30:18,588 --> 00:30:20,588 おふくろ…? 218 00:30:25,528 --> 00:30:27,528 おふくろ…。 219 00:30:30,033 --> 00:30:37,040 ~ 220 00:30:37,040 --> 00:30:41,544 もうすぐ 宮本村だぞ おふくろ。 221 00:30:41,544 --> 00:30:47,550 俺に おぶわれて ふるさとに 戻りたかったか…。 222 00:30:47,550 --> 00:30:52,555 俺も おふくろを おぶって ふるさとに 戻りたかったぞ。 223 00:30:52,555 --> 00:30:57,555 おふくろとともに ふるさとに戻れて 幸せだぞ。 224 00:31:00,563 --> 00:31:04,067 俺の背で 死んでくれて… 225 00:31:04,067 --> 00:31:06,067 俺は うれし~いっ 226 00:31:09,572 --> 00:31:13,576 宮本村が 見えてきたぞ おふくろ。 227 00:31:13,576 --> 00:31:16,079 おふくろが 帰りたかった… 228 00:31:16,079 --> 00:31:18,081 ふるさとだ 229 00:31:18,081 --> 00:31:20,583 本位田の家も… 230 00:31:20,583 --> 00:31:23,086 もう すぐ そこだぞ~ 231 00:31:23,086 --> 00:31:28,525 ~ 232 00:31:28,525 --> 00:31:32,529 <背中で 息を引き取っていった お杉のお陰で 233 00:31:32,529 --> 00:31:38,535 自分の命が 救われた事を 又八は 知らなかった。 234 00:31:38,535 --> 00:31:44,035 母は 死の間際まで 息子を 守っていたのだ> 235 00:31:50,046 --> 00:32:00,056 ~(琴) 236 00:32:00,056 --> 00:32:05,556 <その頃 りんは 家康の側室 お六を訪ねていた> 237 00:32:09,065 --> 00:32:14,571 <お六は 家康が 晩年になってから 召し上げた 若い側室で 238 00:32:14,571 --> 00:32:17,574 家康が 75歳で死んだ時に 239 00:32:17,574 --> 00:32:21,578 お六は まだ 20歳であったという> 240 00:32:21,578 --> 00:32:31,588 ~(琴) 241 00:32:31,588 --> 00:32:34,591 堺で いい海苔が あがりました。 242 00:32:34,591 --> 00:32:39,596 堺の海苔は お六様の 御好物だと お聞きしましたので 243 00:32:39,596 --> 00:32:43,596 お召し上がり頂きたいと 持参 致しました。 244 00:32:46,102 --> 00:32:48,104 ありがとう。 245 00:32:48,104 --> 00:32:54,604 ~ 246 00:33:02,118 --> 00:33:06,122 (家臣)本多正信様から 書状が 参りました。 247 00:33:06,122 --> 00:33:08,122 (宗矩)何…? 248 00:33:19,636 --> 00:33:21,638 (家臣)何か…? 249 00:33:21,638 --> 00:33:27,076 「即刻 共に 駿府へ出仕せよ」との お達しだ。 250 00:33:27,076 --> 00:33:29,078 支度を致せ。 251 00:33:29,078 --> 00:33:31,078 はっ。 252 00:33:37,587 --> 00:33:41,591 久しぶりだのう 宗矩。 253 00:33:41,591 --> 00:33:43,593 はっ。 254 00:33:43,593 --> 00:33:46,095 「そなたの顔を 見る事ができず 255 00:33:46,095 --> 00:33:49,098 寂しい思いを しておった」と 256 00:33:49,098 --> 00:33:51,601 大御所様は 仰せであった。 257 00:33:51,601 --> 00:33:53,603 かたじけない お言葉… 258 00:33:53,603 --> 00:33:55,605 恐悦至極に 存じます。 259 00:33:55,605 --> 00:34:00,105 そちが 崇伝に言うた事は 正論じゃ。 260 00:34:03,112 --> 00:34:07,116 「姑息な実で 戦を始めるのは 261 00:34:07,116 --> 00:34:11,621 徳川の名を汚す」と言うた事じゃ。 262 00:34:11,621 --> 00:34:18,127 家臣の中に 正論を曲げぬ者が おった事を 263 00:34:18,127 --> 00:34:21,130 わしは うれしく思うぞ。 264 00:34:21,130 --> 00:34:23,132 ははっ。 265 00:34:23,132 --> 00:34:25,568 されど 今は 266 00:34:25,568 --> 00:34:30,573 何よりも 戦を始める事が 肝要なのじゃ。 267 00:34:30,573 --> 00:34:32,575 はっ。 268 00:34:32,575 --> 00:34:38,081 わしのために 働いてくれ 宗矩。 269 00:34:38,081 --> 00:34:41,584 ありがたき幸せで ございます。 270 00:34:41,584 --> 00:34:47,090 そちの妻も 大層 心配しておる様子と 271 00:34:47,090 --> 00:34:49,090 聞き及んでおる。 272 00:34:51,094 --> 00:34:54,094 大事にしてやれよ 宗矩。 273 00:34:59,602 --> 00:35:01,602 ははっ。 274 00:35:08,611 --> 00:35:10,611 お帰りなさいませ。 275 00:35:12,615 --> 00:35:15,115 そなたに 聞きたい事がある。 276 00:35:30,566 --> 00:35:34,570 そなたが わしの事を 心配していたと 277 00:35:34,570 --> 00:35:38,574 大御所様が 仰せになった。 278 00:35:38,574 --> 00:35:40,574 どういう事だ? りん。 279 00:35:42,578 --> 00:35:44,578 言うてみよ。 280 00:35:46,582 --> 00:35:53,089 大御所様の御側室 お六様の所へ 参上しました。 281 00:35:53,089 --> 00:35:58,594 お六様は ほかの御側室の方々とは 年が離れているゆえに・ 282 00:35:58,594 --> 00:36:02,098 寂しい思いを されていると 聞きました。 283 00:36:02,098 --> 00:36:05,601 お訪ねになる方も あまり おられぬと。 284 00:36:05,601 --> 00:36:12,608 それで 好物だとお聞きした 堺の海苔を持って 参上しました。 285 00:36:12,608 --> 00:36:16,612 殿のお耳に お入れしようと 思いましたが・ 286 00:36:16,612 --> 00:36:21,612 そうすれば きっと お怒りになるであろうと…。 287 00:36:24,120 --> 00:36:27,056 その折に 「殿が 屋敷にこもって・ 288 00:36:27,056 --> 00:36:30,059 寂しい思いを…」と 申し上げたのです。 289 00:36:30,059 --> 00:36:32,061 「政」というのは・ 290 00:36:32,061 --> 00:36:34,564 女子が かかわる事ではない。 291 00:36:34,564 --> 00:36:38,067 わしは わしの信念を 貫こうとしただけだ。 292 00:36:38,067 --> 00:36:42,572 差し出がましい事をして 申し訳ございません。 下がれ。 293 00:36:42,572 --> 00:37:13,102 ・~ 294 00:37:13,102 --> 00:37:16,105 どうなさいました? りん様。 295 00:37:16,105 --> 00:37:20,109 殿の御機嫌を 損ねてしまいました。 296 00:37:20,109 --> 00:37:22,612 何か あったのですか? 297 00:37:22,612 --> 00:37:33,556 ・~ 298 00:37:33,556 --> 00:37:36,059 秀忠様にも 大御所様から・ 299 00:37:36,059 --> 00:37:42,065 「大坂への出陣に備えよ」との 命が下されたと 聞きました。 300 00:37:42,065 --> 00:37:46,069 このような時に ただ じっと 屋敷にいるのは・ 301 00:37:46,069 --> 00:37:49,572 どんなに つらい事であるかと…。 302 00:37:49,572 --> 00:37:53,572 それで お六様の所へ 参上したのです。 303 00:37:56,079 --> 00:37:59,582 叔父上は りん様の お父上の お陰で・ 304 00:37:59,582 --> 00:38:03,086 徳川家に つながりを持てた事を・ 305 00:38:03,086 --> 00:38:06,089 ずっと 気になさっていた。 306 00:38:06,089 --> 00:38:10,093 今 また りん様のお陰で 出仕が叶うた事を・ 307 00:38:10,093 --> 00:38:12,095 心苦しく思われ…。 308 00:38:12,095 --> 00:38:14,097 兵庫助様。 309 00:38:14,097 --> 00:38:16,099 はい。 310 00:38:16,099 --> 00:38:19,102 私は 宗矩様の妻でございます。 311 00:38:19,102 --> 00:38:34,050 ・~ 312 00:38:34,050 --> 00:38:38,054 (乳母)殿が 「七郎様を お連れせよ」との仰せです。 313 00:38:38,054 --> 00:38:56,054 ・~ 314 00:39:14,590 --> 00:39:18,594 そなたの とりなしで 出仕が叶う事を・ 315 00:39:18,594 --> 00:39:21,594 わしが 望んでいたと 思うか? 316 00:39:25,535 --> 00:39:27,537 私は…・ 317 00:39:27,537 --> 00:39:30,537 あなた様の 妻でございます。 318 00:39:32,542 --> 00:39:35,044 このままでは 終わりたくない…・ 319 00:39:35,044 --> 00:39:38,047 そう思っておられる お心は・ 320 00:39:38,047 --> 00:39:41,547 誰よりも 分かっているつもりです。 321 00:39:43,553 --> 00:39:45,555 だから 私も…・ 322 00:39:45,555 --> 00:39:50,055 じっとしては おられなかったのです。 323 00:39:52,061 --> 00:39:57,567 宗矩様と 心をつにして 生きていきたい…・ 324 00:39:57,567 --> 00:40:00,067 そう思うておりました。 325 00:40:02,071 --> 00:40:06,576 「差し出がましい事をした」と お思いならば・ 326 00:40:06,576 --> 00:40:09,576 どうか お許し下さりませ。 327 00:40:21,591 --> 00:40:24,091 七郎を これへ。 328 00:40:57,560 --> 00:41:00,060 よろしく お願い致します。 329 00:41:04,567 --> 00:41:06,567 (宗矩)りん。 330 00:41:08,571 --> 00:41:10,573 はい。 331 00:41:10,573 --> 00:41:14,577 七郎の食は 進んでいるか? 332 00:41:14,577 --> 00:41:16,577 はい。 333 00:41:20,082 --> 00:41:22,585 よし よし よし…。 334 00:41:22,585 --> 00:41:34,030 ・~ 335 00:41:34,030 --> 00:41:36,532 <「時が夫婦にする」…・ 336 00:41:36,532 --> 00:41:41,037 柳生石舟斎が 生前に よく言っていた言葉を・ 337 00:41:41,037 --> 00:41:45,041 りんは その時 思い出していた…> 338 00:41:45,041 --> 00:41:56,541 ・~ 339 00:42:01,557 --> 00:42:07,063 <「戦が始まる」という噂が流れると 大坂の町人や商人は・ 340 00:42:07,063 --> 00:42:11,067 自分たちの財産を 町から 運び出そうとした。・ 341 00:42:11,067 --> 00:42:16,067 そうした混乱の中 武蔵と お通は 大坂に入った…> 342 00:42:20,576 --> 00:42:25,576 本当に 戦が 始まるのですね…。 343 00:42:39,095 --> 00:42:43,599 戦が始まれば…・ 344 00:42:43,599 --> 00:42:46,099 柳生も 大坂に来る。 345 00:42:50,106 --> 00:42:53,609 俺は…・ 346 00:42:53,609 --> 00:42:57,113 柳生宗矩に会いたい。 347 00:42:57,113 --> 00:42:59,615 そして…・ 348 00:42:59,615 --> 00:43:03,619 問うてみたい。 349 00:43:03,619 --> 00:43:07,123 「なぜ 村を潰したのか」と。 350 00:43:07,123 --> 00:43:12,623 命を懸ける事になりますよ 武蔵。 351 00:43:14,630 --> 00:43:17,633 俺の命は…・ 352 00:43:17,633 --> 00:43:21,133 お前と始めた あの村だった。 353 00:43:23,139 --> 00:43:25,074 あの村は…・ 354 00:43:25,074 --> 00:43:30,574 俺が 命を捨ててでも 守ろうと 思ったものだった。 355 00:43:34,083 --> 00:43:38,587 あの村の 人人が…・ 356 00:43:38,587 --> 00:43:40,587 俺に 命を預けた。 357 00:43:42,591 --> 00:43:46,595 俺の命は…・ 358 00:43:46,595 --> 00:43:49,095 俺だけの ものではない。 359 00:43:52,101 --> 00:43:58,107 武蔵の命が なくなれば…・ 360 00:43:58,107 --> 00:44:01,610 私も その時に…・ 361 00:44:01,610 --> 00:44:03,610 命を捨てます。 362 00:44:08,117 --> 00:44:12,121 私の命も…・ 363 00:44:12,121 --> 00:44:15,124 私だけのものでは ないのですよ。 364 00:44:15,124 --> 00:44:22,631 ・~ 365 00:44:30,573 --> 00:44:33,075 大丈夫だ。 366 00:44:33,075 --> 00:44:35,077 <慶長19年…・ 367 00:44:35,077 --> 00:44:39,582 この年 大坂では 度々 大きな地震があった。・ 368 00:44:39,582 --> 00:44:44,587 そして その年の 11月19日…・ 369 00:44:44,587 --> 00:44:48,587 「大坂冬の陣」が始まるのである…>