1 00:02:26,745 --> 00:02:33,752 ・~ 2 00:02:33,752 --> 00:02:36,254 [ 回想 ] (沢庵) 強いと思うな 武蔵・ 3 00:02:36,254 --> 00:02:41,760 強いと思うと その時に 勢いが止まる 4 00:02:41,760 --> 00:02:44,262 己の弱さを知れ・ 5 00:02:44,262 --> 00:02:47,262 そうせねば お前は 強うなれん 6 00:02:50,769 --> 00:02:57,776 [ 回想 ] (妙秀)あなたの母上も きっと お許しに なりませんよ。・ 7 00:02:57,776 --> 00:03:01,780 あなたが 修羅の道を歩む事を…。 8 00:03:01,780 --> 00:03:07,786 ・~ 9 00:03:07,786 --> 00:03:11,289 [ 回想 ] (沢庵)迷え 武蔵…。・ 10 00:03:11,289 --> 00:03:17,796 迷え… 迷え… 迷え。・ 11 00:03:17,796 --> 00:03:19,798 お通の事で 迷い…・ 12 00:03:19,798 --> 00:03:24,302 剣の事で 迷う…。・ 13 00:03:24,302 --> 00:03:27,802 それが お前の生きる道じゃ。 14 00:03:29,741 --> 00:03:44,756 ・~ (テーマ音楽) 15 00:03:44,756 --> 00:03:59,256 ・~ 16 00:06:15,273 --> 00:06:21,773 <慶長20年 4月… 「大坂夏の陣」の 火ぶたが 切って落とされた> 17 00:06:24,282 --> 00:06:30,782 <徳川勢は 20万人以上といわれる 大軍で 豊臣勢を攻撃した> 18 00:06:36,728 --> 00:06:40,732 <圧倒的な 軍事力を誇る 徳川勢を前に・ 19 00:06:40,732 --> 00:06:44,732 豊臣勢は 敗戦の色を濃くしていた> 20 00:06:48,740 --> 00:06:54,245 ・~ (洋楽合奏) 21 00:06:54,245 --> 00:07:15,266 ・~ 22 00:07:15,266 --> 00:07:20,772 ・~ 23 00:07:20,772 --> 00:07:25,710 ・~ 24 00:07:25,710 --> 00:07:28,713 (使者)申し上げます 25 00:07:28,713 --> 00:07:32,713 大野治房殿 お討ち死に。 26 00:07:35,219 --> 00:07:41,225 真田幸村殿 お討ち死に。 27 00:07:41,225 --> 00:07:46,230 お味方勢 総崩れに ございます 28 00:07:46,230 --> 00:08:10,230 ・~ 29 00:08:34,712 --> 00:08:36,714 (兵)宮本殿 30 00:08:36,714 --> 00:08:39,217 真田大助様からの 御伝言でござる。 31 00:08:39,217 --> 00:08:42,720 柳生宗矩が 岡山より 城に入ったとの事。 32 00:08:42,720 --> 00:08:46,724 (宮本武蔵)「かたじけない」と 大助殿に お伝え下され。 33 00:08:46,724 --> 00:08:49,227 (使者)申し上げます わが方の者が・ 34 00:08:49,227 --> 00:08:51,729 城に 火を 放ったもようです 35 00:08:51,729 --> 00:08:56,234 (淀殿)何? (家臣)徳川方に 寝返った者の仕業でござろう。 36 00:08:56,234 --> 00:08:58,736 もはや これまでじゃ。 37 00:08:58,736 --> 00:09:01,239 皆の者 覚悟を致せ。 38 00:09:01,239 --> 00:09:03,741 (治長)お待ち下さりませ 39 00:09:03,741 --> 00:09:05,743 今更 何を言うのじゃ? 40 00:09:05,743 --> 00:09:11,249 千姫様を 家康の許に お逃がし申しました。 41 00:09:11,249 --> 00:09:15,753 千姫様は 家康にとって 孫に当たられる お方。 42 00:09:15,753 --> 00:09:19,257 家康に お方様と 秀頼様の お命…・ 43 00:09:19,257 --> 00:09:22,760 お助け申すよう お願いしてございます。 44 00:09:22,760 --> 00:09:25,696 家康に 命乞いをしたのか? そなたは。 45 00:09:25,696 --> 00:09:30,701 お二方を お守りするのが 治長の務めにございます。 46 00:09:30,701 --> 00:09:33,704 豊臣家存続のためにも・ 47 00:09:33,704 --> 00:09:37,208 秀頼様の お命は 最後の最後まで・ 48 00:09:37,208 --> 00:09:39,708 守らねばなりませんぞ。 49 00:09:42,713 --> 00:09:45,216 山里廓へ…。 50 00:09:45,216 --> 00:09:49,216 秀頼様 お方様を 山里廓に お連れ申せ 51 00:10:33,698 --> 00:10:35,698 ・宗矩殿 52 00:10:52,717 --> 00:10:55,720 (宗矩) わしが来ると思ったか? 53 00:10:55,720 --> 00:10:58,889 必ず。 54 00:10:58,889 --> 00:11:01,189 わしが憎いか? 55 00:11:03,728 --> 00:11:06,230 いいえ。 56 00:11:06,230 --> 00:11:09,730 憎しみでも 恨みでも ありません。 57 00:11:12,737 --> 00:11:15,740 私は 剣を手に…・ 58 00:11:15,740 --> 00:11:18,743 人で 生き抜いてきた者。 59 00:11:18,743 --> 00:11:25,182 己人で 生き抜いてきた者の心を…・ 60 00:11:25,182 --> 00:11:29,186 宗矩殿に…・ 61 00:11:29,186 --> 00:11:31,686 お伝えしたいのです。 62 00:11:39,196 --> 00:11:41,196 かまうな 63 00:11:45,703 --> 00:12:19,737 ・~ 64 00:12:19,737 --> 00:12:22,237 (牢人)恩賞ものだぞ 首を取れ 65 00:12:25,743 --> 00:12:30,748 ・~ 66 00:12:30,748 --> 00:12:32,750 来い 武蔵。 67 00:12:32,750 --> 00:12:49,750 ・~ 68 00:14:35,739 --> 00:14:37,739 斬れ 武蔵。 69 00:14:46,750 --> 00:14:48,750 なぜ 斬らぬ? 70 00:15:06,270 --> 00:15:09,773 上に立つ者に おもねず…・ 71 00:15:09,773 --> 00:15:14,778 強い者に 頼らず…・ 72 00:15:14,778 --> 00:15:20,784 己人で 生きてきた者の心は…・ 73 00:15:20,784 --> 00:15:23,784 たやすく 終わりませぬ。 74 00:15:37,735 --> 00:15:49,747 この事を…・ 75 00:15:49,747 --> 00:15:51,747 お忘れなきように。 76 00:15:54,752 --> 00:16:29,219 ・~ 77 00:16:29,219 --> 00:16:33,223 <武蔵との立ち合いが 武芸者としての 宗矩の・ 78 00:16:33,223 --> 00:16:36,727 最後の姿だったかもしれない。・ 79 00:16:36,727 --> 00:16:42,232 「大坂夏の陣」の後 柳生宗矩は 三千石の旗本となり・ 80 00:16:42,232 --> 00:16:47,237 三代にわたって 徳川家に 仕えていく事になる> 81 00:16:47,237 --> 00:17:38,737 ・~ 82 00:18:01,745 --> 00:18:03,745 ・(物音) 83 00:18:08,752 --> 00:18:33,210 ・~ 84 00:18:33,210 --> 00:18:35,212 (銃声) 85 00:18:35,212 --> 00:18:37,712 (悲鳴) 86 00:18:57,735 --> 00:19:00,738 (床上の物音) 87 00:19:00,738 --> 00:19:18,238 ・~ 88 00:19:20,257 --> 00:19:22,259 (銃声) 89 00:19:22,259 --> 00:19:24,259 (お通)あっ 90 00:19:31,702 --> 00:19:33,702 あ~…。 91 00:19:37,708 --> 00:19:43,708 (女たちの悲鳴) 92 00:19:50,721 --> 00:19:52,723 お通…。 93 00:19:52,723 --> 00:20:56,720 ・~ 94 00:20:56,720 --> 00:20:58,722 あ…。 95 00:20:58,722 --> 00:21:01,725 ・~ 96 00:21:01,725 --> 00:21:05,225 エヘヘヘ…。 97 00:21:11,735 --> 00:21:13,735 (突き刺す音) 98 00:21:21,245 --> 00:21:23,247 武蔵? 99 00:21:23,247 --> 00:21:49,206 ・~ 100 00:21:49,206 --> 00:21:51,206 火が来る… 出よう。 101 00:21:53,210 --> 00:21:55,212 町は戦場だ。 102 00:21:55,212 --> 00:22:00,217 命懸けだぞ ここから出るのは。 103 00:22:00,217 --> 00:22:02,219 はい。 104 00:22:02,219 --> 00:22:06,223 ・~ 105 00:22:06,223 --> 00:22:08,225 (兵)女だ。 106 00:22:08,225 --> 00:22:12,729 ・~ 107 00:22:12,729 --> 00:22:14,731 お通 来い 108 00:22:14,731 --> 00:22:33,250 ・~ 109 00:22:33,250 --> 00:22:35,250 おい 女だ 110 00:22:37,754 --> 00:22:39,756 きゃ~ 111 00:22:39,756 --> 00:22:51,768 ・~ 112 00:22:51,768 --> 00:22:53,770 大丈夫か? お通。 113 00:22:53,770 --> 00:23:05,770 ・~ 114 00:23:15,792 --> 00:23:17,794 (治長)千姫様は・ 115 00:23:17,794 --> 00:23:21,294 徳川の陣所に お入りになりました。 116 00:23:23,300 --> 00:23:26,236 「今すぐ ここを出れば…・ 117 00:23:26,236 --> 00:23:30,741 お方様 秀頼様のお命だけは お助け申す」…・ 118 00:23:30,741 --> 00:23:33,241 そう 家康が言うております。 119 00:23:35,245 --> 00:23:38,749 ここを お出になられませ。 120 00:23:38,749 --> 00:23:42,252 (秀頼)治長…。 121 00:23:42,252 --> 00:23:44,752 私は どこにも行かぬぞ。 122 00:23:49,259 --> 00:23:52,262 火薬を持て。 123 00:23:52,262 --> 00:23:54,262 母とともに逝く。 124 00:24:07,778 --> 00:24:11,278 火を放たれよ… 治長。 125 00:24:13,283 --> 00:24:15,283 (治長)ははあ。 126 00:24:19,790 --> 00:24:22,292 私も…・ 127 00:24:22,292 --> 00:24:24,792 お供をさせて頂きます。 128 00:24:49,252 --> 00:24:51,252 (爆発音) 129 00:25:11,274 --> 00:25:16,780 <大坂城を焼き尽くした紅蓮の炎が 空を 赤く染めた。・ 130 00:25:16,780 --> 00:25:21,280 それは 京からも見えたと いわれている> 131 00:25:24,788 --> 00:25:30,227 (読経) 132 00:25:30,227 --> 00:25:34,231 <この年 幕府は 寺院の統制を強めるため・ 133 00:25:34,231 --> 00:25:37,234 「寺院法度」を出した。・ 134 00:25:37,234 --> 00:25:42,734 そして 沢庵は 再び 権勢に 巻き込まれる事になる> 135 00:25:47,244 --> 00:25:49,246 <沢庵の生は・ 136 00:25:49,246 --> 00:25:54,251 権力の中で いかに 己の自由を貫いて生きるか…・ 137 00:25:54,251 --> 00:25:59,251 それに迷い 苦悩し続けた生であった> 138 00:26:18,275 --> 00:26:20,777 お通…。 139 00:26:20,777 --> 00:26:22,777 はい。 140 00:26:24,781 --> 00:26:30,720 城の中に いた時にな…・ 141 00:26:30,720 --> 00:26:35,725 お前の言った言葉…・ 142 00:26:35,725 --> 00:26:37,725 思い出していた。 143 00:26:44,234 --> 00:26:50,240 「二人とも 己の力を信じて…・ 144 00:26:50,240 --> 00:26:54,244 誰にも頼らずに…・ 145 00:26:54,244 --> 00:26:57,747 生き抜いてきた…。 146 00:26:57,747 --> 00:27:01,251 だからこそ…・ 147 00:27:01,251 --> 00:27:05,255 こんなに強い絆で…・ 148 00:27:05,255 --> 00:27:08,255 結ばれる事ができた」と。 149 00:27:11,261 --> 00:27:14,764 あの言葉を 修羅の中で・ 150 00:27:14,764 --> 00:27:17,764 何度も 思い出していた。 151 00:27:23,273 --> 00:27:27,210 私は…・ 152 00:27:27,210 --> 00:27:29,710 信じていました。 153 00:27:32,716 --> 00:27:37,220 武蔵が 生きて 必ず…・ 154 00:27:37,220 --> 00:27:40,220 私の所へ 帰ってくると。 155 00:27:48,732 --> 00:27:55,238 ・~ 156 00:27:55,238 --> 00:27:57,240 これから…・ 157 00:27:57,240 --> 00:27:59,740 落ち武者狩りが 始まる。 158 00:28:04,247 --> 00:28:06,750 俺は…・ 159 00:28:06,750 --> 00:28:11,755 何があっても…・ 160 00:28:11,755 --> 00:28:14,755 お前と生き抜いていく。 161 00:28:17,761 --> 00:28:19,763 はい。 162 00:28:19,763 --> 00:28:24,763 ・~ 163 00:28:28,705 --> 00:28:42,705 ・~ 164 00:29:37,707 --> 00:29:49,719 ・~ 165 00:29:49,719 --> 00:29:51,721 [ 回想 ] 待って 武蔵・ 166 00:29:51,721 --> 00:29:53,723 又八さん 待って~ 167 00:29:53,723 --> 00:30:15,745 ・~(笛) 168 00:30:15,745 --> 00:30:18,748 [ 回想 ] (お杉)いい気味じゃ 武蔵 169 00:30:18,748 --> 00:30:22,752 お役人様が 今に お前を成敗にくる 170 00:30:22,752 --> 00:30:26,752 俺を おびき寄せるために 笛を吹いたのか 171 00:30:28,691 --> 00:30:30,691 あっ…。 172 00:30:33,196 --> 00:30:35,196 あ~っ 173 00:30:39,702 --> 00:30:41,702 武蔵…。 174 00:30:50,713 --> 00:30:52,715 あ~っ。 175 00:30:52,715 --> 00:30:54,717 お通 176 00:30:54,717 --> 00:31:03,226 ・~ 177 00:31:03,226 --> 00:31:05,228 来い 178 00:31:05,228 --> 00:31:11,734 ・~ 179 00:31:11,734 --> 00:31:13,736 あ~っ 180 00:31:13,736 --> 00:31:25,181 ・~ 181 00:31:25,181 --> 00:31:27,183 え~いっ 182 00:31:27,183 --> 00:31:29,185 俺は 城を出る~ 183 00:31:29,185 --> 00:31:38,695 ・~ 184 00:31:38,695 --> 00:31:40,697 (沢庵)待て 武蔵 185 00:31:40,697 --> 00:31:43,199 お通は 生きとる~ 186 00:31:43,199 --> 00:31:46,202 お前が 本当に 強うなるのを・ 187 00:31:46,202 --> 00:31:48,202 待っておる。 188 00:31:50,206 --> 00:31:52,709 俺は 強い 189 00:31:52,709 --> 00:31:54,711 強いんだ~ 弱い 190 00:31:54,711 --> 00:31:57,714 もっと もっと 強くなって 会いに行く 191 00:31:57,714 --> 00:32:01,217 お通が 生きているなら そう伝えてくれ~ 192 00:32:01,217 --> 00:32:04,721 武蔵 人では 強うなれん 193 00:32:04,721 --> 00:32:07,223 人では 強うなれんぞ 194 00:32:07,223 --> 00:32:09,726 ありがとうございました。 195 00:32:09,726 --> 00:33:15,291 ・~ 196 00:33:15,291 --> 00:33:17,794 [ 回想 ] 私は…・ 197 00:33:17,794 --> 00:33:22,298 ずっと…・ 198 00:33:22,298 --> 00:33:24,298 武蔵を 捜してたの。 199 00:33:26,235 --> 00:33:28,738 今は 会えん。 200 00:33:28,738 --> 00:33:30,740 お通~ 201 00:33:30,740 --> 00:33:34,740 ・~ 202 00:33:37,747 --> 00:33:39,747 [ 回想 ] ・(男)武蔵だ~ 203 00:33:51,260 --> 00:33:53,260 や~っ 204 00:33:57,767 --> 00:34:10,279 ・~ 205 00:34:10,279 --> 00:34:12,782 あっ…。 206 00:34:12,782 --> 00:34:14,784 あ~っ 207 00:34:14,784 --> 00:34:42,284 ・~ 208 00:34:45,248 --> 00:34:47,750 <「大坂夏の陣」が終わると・ 209 00:34:47,750 --> 00:34:52,755 すぐさま 幕府は 豊臣方の残党狩りを 始めた。・ 210 00:34:52,755 --> 00:34:58,761 老若男女を問わず 豊臣方に 加担した者たちを 厳しく追及し・ 211 00:34:58,761 --> 00:35:01,761 その首は はねられた> 212 00:35:39,235 --> 00:35:47,243 [ お甲が 赤ん坊をあやす ] 213 00:35:47,243 --> 00:35:52,749 (朱実)武蔵さんも お通さんも 大坂に いるんだろう。 214 00:35:52,749 --> 00:35:56,252 無事でいてくれれば いいんだけど…。 215 00:35:56,252 --> 00:35:59,756 (お甲)そうだね…。 216 00:35:59,756 --> 00:36:02,258 又八さんも・ 217 00:36:02,258 --> 00:36:06,262 「戦なんか 何でもない」…・ 218 00:36:06,262 --> 00:36:10,767 そう言って 二人を ここへ 連れてくるような気がする。 219 00:36:10,767 --> 00:36:12,769 又八も…・ 220 00:36:12,769 --> 00:36:16,272 お前に この子を産んでもらって・ 221 00:36:16,272 --> 00:36:18,272 きっと 喜んでるよ。 222 00:36:29,719 --> 00:36:31,719 ほら…。 223 00:36:37,226 --> 00:36:40,229 ずっと泣いてる あんたを見て…・ 224 00:36:40,229 --> 00:36:43,229 私は うらやましかったんだよ。 225 00:36:45,234 --> 00:36:48,738 あんた…・ 226 00:36:48,738 --> 00:36:51,741 幸せだったんだよ。 227 00:36:51,741 --> 00:36:54,241 本気で 惚れた男がいて…。 228 00:36:58,247 --> 00:37:01,250 私もね…・ 229 00:37:01,250 --> 00:37:05,254 人に 惚れてみたかった…。 230 00:37:05,254 --> 00:37:07,254 そう思ったよ。 231 00:37:14,263 --> 00:37:19,763 (掛け声) 232 00:37:21,771 --> 00:37:26,709 <戦が終わると 鉦や太鼓を 打ち鳴らして踊る民たちが・ 233 00:37:26,709 --> 00:37:29,212 全国に あふれ出た。・ 234 00:37:29,212 --> 00:37:32,715 それは 太閤秀吉の七回忌に・ 235 00:37:32,715 --> 00:37:38,221 京の町衆が踊った光景を 思い出させるものであった。・ 236 00:37:38,221 --> 00:37:41,724 徳川幕府は こうした 町衆の熱狂ぶりを・ 237 00:37:41,724 --> 00:37:45,228 後々まで 忌み嫌う事になる> 238 00:37:45,228 --> 00:37:49,728 (掛け声) 239 00:37:51,734 --> 00:37:53,736 (兵)待て 240 00:37:53,736 --> 00:38:00,236 (掛け声) 241 00:38:02,745 --> 00:38:04,747 待て~っ 242 00:38:04,747 --> 00:38:16,747 (掛け声) 243 00:38:20,763 --> 00:38:23,766 <激しく熱狂する踊りは・ 244 00:38:23,766 --> 00:38:27,703 己を信じて 己の力で 生き抜いてきた…・ 245 00:38:27,703 --> 00:38:35,711 武蔵と お通に ふさわしい 守り神だったかもしれない> 246 00:38:35,711 --> 00:38:40,211 (掛け声) 247 00:39:33,703 --> 00:39:37,203 [ お通の声 ] 本当に よく 鳥を描きますね。 248 00:39:40,710 --> 00:39:44,714 「人で 生き抜く強さが あればこそ・ 249 00:39:44,714 --> 00:39:49,719 鳥は 天高く飛ぶ事が できるのだ」と・ 250 00:39:49,719 --> 00:39:52,719 いつも 言っていましたね。 251 00:39:56,726 --> 00:39:59,729 あなたと暮らした日々…・ 252 00:39:59,729 --> 00:40:01,729 幸せでした。 253 00:40:05,234 --> 00:40:09,238 どんな時も あなたが いたから・ 254 00:40:09,238 --> 00:40:12,238 私は 生きてこられたのです。 255 00:40:17,747 --> 00:40:22,752 「人は 人では生きていけない」・ 256 00:40:22,752 --> 00:40:27,690 私は その事を あなたに伝え・ 257 00:40:27,690 --> 00:40:30,693 あなたから・ 258 00:40:30,693 --> 00:40:33,693 人を信じる心を 教わりました。 259 00:40:37,700 --> 00:40:39,700 ありがとう。 260 00:41:09,732 --> 00:41:12,735 ・~ 261 00:41:12,735 --> 00:41:14,737 [ 回想 ] (清十郎)新免武蔵か? 262 00:41:14,737 --> 00:41:16,739 そうだ 263 00:41:16,739 --> 00:41:20,743 当主 吉岡清十郎だ。 264 00:41:20,743 --> 00:41:23,245 お手合わせ 願いたい。 265 00:41:23,245 --> 00:41:26,182 ・~ 266 00:41:26,182 --> 00:41:28,184 やっ や~っ 267 00:41:28,184 --> 00:41:37,693 ・~ 268 00:41:37,693 --> 00:41:39,695 や~っ 269 00:41:39,695 --> 00:41:45,701 ・~ 270 00:41:45,701 --> 00:41:48,201 や~っ や~っ 271 00:41:57,213 --> 00:41:59,213 (清十郎)吉岡を なめるな 272 00:42:01,217 --> 00:42:04,220 (伝七郎)吉岡の力が 分かっただろう。 273 00:42:04,220 --> 00:42:06,220 帰れっ 274 00:42:11,227 --> 00:42:17,233 回想 (亜矢)世の中には まだまだ 強い者が いるんだよ。 275 00:42:17,233 --> 00:42:20,236 今の あんたは…・ 276 00:42:20,236 --> 00:42:22,738 吉岡には 勝てない。 277 00:42:22,738 --> 00:42:24,740 どこに行けば・ 278 00:42:24,740 --> 00:42:27,243 強い者がいる? 279 00:42:27,243 --> 00:42:29,245 どこに行けば? 280 00:42:29,245 --> 00:42:32,248 奈良 宝蔵院の 胤舜…。 281 00:42:32,248 --> 00:42:35,251 柳生の石舟斎。 282 00:42:35,251 --> 00:42:37,253 行ってみな。 283 00:42:37,253 --> 00:42:52,768 ・~ 284 00:42:52,768 --> 00:42:54,770 (阿厳)う~む 285 00:42:54,770 --> 00:43:04,280 ・~ 286 00:43:04,280 --> 00:43:06,280 え~いや~ 287 00:43:08,284 --> 00:43:10,286 え~や~ 288 00:43:10,286 --> 00:43:30,239 ・~ 289 00:43:30,239 --> 00:43:32,241 え~いや~ や~っ 290 00:43:32,241 --> 00:43:34,243 あ~っ…。 291 00:43:34,243 --> 00:43:38,747 ・~ 292 00:43:38,747 --> 00:43:41,250 あの落書を 書いたのは・ 293 00:43:41,250 --> 00:43:43,252 俺じゃない 294 00:43:43,252 --> 00:43:47,256 立ち合ってくれた宝蔵院に 感謝こそすれ・ 295 00:43:47,256 --> 00:43:49,256 恨みは ない 296 00:44:03,272 --> 00:44:08,277 回想 (半兵衛)武蔵…。 297 00:44:08,277 --> 00:44:10,779 「闘う」というのはな…・ 298 00:44:10,779 --> 00:44:15,284 敵の刃が 己を貫いた その刹那でさえ…・ 299 00:44:15,284 --> 00:44:19,788 生きる…。 300 00:44:19,788 --> 00:44:21,790 最後の最後まで・ 301 00:44:21,790 --> 00:44:24,793 どんなに 追い詰められても 302 00:44:24,793 --> 00:44:27,229 「生きよう」と思え。 303 00:44:27,229 --> 00:44:29,231 (槍が刺さる音) 304 00:44:29,231 --> 00:44:32,234 死ぬな 305 00:44:32,234 --> 00:44:35,237 生きろ 306 00:44:35,237 --> 00:44:37,239 生きろ…。 307 00:44:37,239 --> 00:44:40,242 生きろ。 308 00:44:40,242 --> 00:44:42,242 生きろ…。 309 00:44:44,747 --> 00:44:46,747 生きる 310 00:44:48,751 --> 00:44:50,753 やあ~っ 311 00:44:50,753 --> 00:45:38,734 ~ 312 00:45:38,734 --> 00:45:42,738 (胤舜) 力だけでは 勝てんぞ 新免武蔵 313 00:45:42,738 --> 00:45:57,753 ~ 314 00:45:57,753 --> 00:45:59,753 [ 回想 ] 頼も~う 315 00:46:03,258 --> 00:46:05,260 (石舟斎)どうした? 316 00:46:05,260 --> 00:46:09,264 立ち合いが しとうて ここへ来たのでは ないのか? 317 00:46:09,264 --> 00:46:24,279 ~ 318 00:46:24,279 --> 00:46:26,215 うわ~っ 319 00:46:26,215 --> 00:46:34,223 ~ 320 00:46:34,223 --> 00:46:37,726 勝つ事は 人を止める。 321 00:46:37,726 --> 00:46:41,730 負ける事は 人を進める。 322 00:46:41,730 --> 00:46:44,733 お主が 宝蔵院で 勝った事が 323 00:46:44,733 --> 00:46:47,736 己の太刀筋を決め 324 00:46:47,736 --> 00:46:51,240 それを わしに読まれた。 325 00:46:51,240 --> 00:46:53,742 竹刀を構えている時に 326 00:46:53,742 --> 00:46:55,744 鳥の声が 聞こえたか? 327 00:46:55,744 --> 00:46:59,748 勝負の最中に 風の音を聴け… 328 00:46:59,748 --> 00:47:04,253 わが師に そう教わった。 329 00:47:04,253 --> 00:47:07,756 わしが あの時 負けておらねば 330 00:47:07,756 --> 00:47:15,756 師の言葉の意味を 心の底から 理解する事は できなかったろう。 331 00:47:18,267 --> 00:47:24,273 風の音 鳥の声 水の味…。 332 00:47:24,273 --> 00:47:26,708 それを 知らずして 333 00:47:26,708 --> 00:47:32,214 ただ 剣の腕だけを磨いても 無意味だぞ 新免武蔵。 334 00:47:32,214 --> 00:47:38,714 ~ 335 00:47:51,733 --> 00:47:54,236 [ 回想 ] (清十郎)二の太刀は 無用。 336 00:47:54,236 --> 00:47:56,738 これが 「吉岡憲法」の流儀だ 337 00:47:56,738 --> 00:47:59,741 や~っ 338 00:47:59,741 --> 00:48:01,741 え~いっ 339 00:48:06,748 --> 00:48:08,748 これまで~っ 340 00:48:10,752 --> 00:48:14,256 [ 回想 ] (伝七郎)武蔵か 341 00:48:14,256 --> 00:48:17,259 遅い 342 00:48:17,259 --> 00:48:19,759 俺をなめるのか 武蔵。 343 00:48:29,705 --> 00:48:31,705 やっ 344 00:48:38,213 --> 00:48:40,213 あっ 345 00:48:43,218 --> 00:48:49,725 ~ 346 00:48:49,725 --> 00:48:54,730 [ 回想 ] 刀を 研いで頂きたいのですが。 347 00:48:54,730 --> 00:48:57,230 (光悦) 何のための刀です? 348 00:49:00,235 --> 00:49:02,738 私が研いでも お役に立ちません。 349 00:49:02,738 --> 00:49:04,740 なぜですか? 350 00:49:04,740 --> 00:49:09,244 闘うための刀を 研ぐ気がないからです。 351 00:49:09,244 --> 00:49:12,247 刀というものは 352 00:49:12,247 --> 00:49:14,750 闘うためのものです。 353 00:49:14,750 --> 00:49:17,252 戦とは 無縁の… 354 00:49:17,252 --> 00:49:22,758 戯れ者の言葉と お受け取り下さい。 355 00:49:22,758 --> 00:49:25,193 人を殺めるのではなく 356 00:49:25,193 --> 00:49:27,696 人の心を打つ… 357 00:49:27,696 --> 00:49:30,699 そんな刀を 作り上げたい。 358 00:49:30,699 --> 00:49:33,201 刀に美しさを与え 359 00:49:33,201 --> 00:49:37,205 人を斬る事を 拒ませる…。 360 00:49:37,205 --> 00:49:41,209 それが 私の 目指すところなのです。 361 00:49:41,209 --> 00:49:44,713 ~ 362 00:49:44,713 --> 00:49:49,217 回想 (田玄竜)己人で 生きていくというのは 363 00:49:49,217 --> 00:49:54,717 蓑もなしに 雨に打たれ続けて 生きていくようなものだぞ 364 00:49:57,225 --> 00:50:01,229 蓑 欲しさに 365 00:50:01,229 --> 00:50:05,233 己の誇りを 捨てようとは 思いません 366 00:50:05,233 --> 00:50:07,736 俺の蓑だけではない。 367 00:50:07,736 --> 00:50:11,740 妻の 娘の 息子の蓑を・ 368 00:50:11,740 --> 00:50:14,740 俺は 必要としたのだ 369 00:50:16,745 --> 00:50:19,748 私は…・ 370 00:50:19,748 --> 00:50:24,252 私の武芸で 生きていきます。 371 00:50:24,252 --> 00:50:27,189 大樹の陰で…・ 372 00:50:27,189 --> 00:50:30,692 風を避けようとは 思いません。 373 00:50:30,692 --> 00:50:33,195 やせ我慢をするな 374 00:50:33,195 --> 00:50:37,699 己の武芸など たかが知れたものだ 375 00:50:37,699 --> 00:50:40,702 生~…・ 376 00:50:40,702 --> 00:50:45,707 蓑もなしに 雨に 打たれ続けるつもりか? 377 00:50:45,707 --> 00:50:55,217 ・~ 378 00:50:55,217 --> 00:51:01,723 己の心を 曲げるぐらいなら・ 379 00:51:01,723 --> 00:51:04,726 生…・ 380 00:51:04,726 --> 00:51:07,726 雨に打たれて 生きていきます。 381 00:51:43,699 --> 00:51:47,703 <武蔵が編み出した 「二天流」の流儀は・ 382 00:51:47,703 --> 00:51:52,708 数々の闘いの中から生まれ 完成したものである。・ 383 00:51:52,708 --> 00:51:57,713 その極意は 自然の中に身を置き・ 384 00:51:57,713 --> 00:52:02,718 雑念を捨てて 無の境地に 達する事が・ 385 00:52:02,718 --> 00:52:07,718 闘いを制する道に 通ずると いうものである> 386 00:52:26,241 --> 00:52:30,741 [ 回想 ] (小次郎) 武蔵… 待ちかねたぞ。 387 00:52:32,748 --> 00:52:35,250 そんな物で…・ 388 00:52:35,250 --> 00:52:38,754 俺を 倒せると思っているのか 389 00:52:38,754 --> 00:52:42,758 小次郎…・ 390 00:52:42,758 --> 00:52:44,758 敗れたり。 391 00:52:47,763 --> 00:52:51,767 こい…。 392 00:52:51,767 --> 00:52:53,767 武蔵 393 00:53:44,753 --> 00:53:47,753 ・~ 394 00:54:30,732 --> 00:54:35,237 見事だ…・ 395 00:54:35,237 --> 00:54:37,237 武蔵。 396 00:54:39,241 --> 00:54:41,241 小次郎…。 397 00:54:43,245 --> 00:54:45,247 行け 398 00:54:45,247 --> 00:55:13,275 ・~ 399 00:55:13,275 --> 00:55:16,778 <剣と心の修行を 続けながら・ 400 00:55:16,778 --> 00:55:23,785 武蔵は 六十余度の立ち合いに 挑んだ。・ 401 00:55:23,785 --> 00:55:28,723 その闘いの中で 相手の魂を 受け継ぎ・ 402 00:55:28,723 --> 00:55:32,727 大きく 成長していったのである> 403 00:55:32,727 --> 00:56:34,222 ・~ 404 00:56:34,222 --> 00:56:40,228 <晩年 武蔵は 熊本の西にある 金峰山の麓…・ 405 00:56:40,228 --> 00:56:48,737 霊巌洞という洞窟に籠り ただ人 「五輪書」を書き続けた。・ 406 00:56:48,737 --> 00:56:55,744 病をおして 死の寸前まで 書き続けたと いわれている。・ 407 00:56:55,744 --> 00:57:07,255 「地の巻」 「水の巻」 「火の巻」 「風の巻」 「空の巻」…・ 408 00:57:07,255 --> 00:57:12,761 5巻から成る 「五輪書」は 師を持たず ただ人で・ 409 00:57:12,761 --> 00:57:18,767 剣を磨いてきた 宮本武蔵に ふさわしい剣の書であり・ 410 00:57:18,767 --> 00:57:21,770 生き方の書なのである> 411 00:57:21,770 --> 00:57:25,707 ・~ 412 00:57:25,707 --> 00:57:29,210 <「五輪書」の中に 武蔵は・ 413 00:57:29,210 --> 00:57:34,716 後世の人々に 教えを垂れるような 事は 書いていない。・ 414 00:57:34,716 --> 00:57:41,723 経験に則して 合理的に 諸芸の 実用に 役立つよう 書いている。・ 415 00:57:41,723 --> 00:57:49,230 その根底には 大きなものに頼らず 強い者に おもねず・ 416 00:57:49,230 --> 00:57:55,730 己の力だけで 生き抜いてきた 武蔵の精神が 息づいている> 417 00:57:58,239 --> 00:58:03,745 <人で闘い抜くには 己の弱さを 克服し・ 418 00:58:03,745 --> 00:58:09,250 自分を 磨かねば 生きていけないのだ。・ 419 00:58:09,250 --> 00:58:14,756 「五輪書」が 主に 技術論として書かれているのは・ 420 00:58:14,756 --> 00:58:17,759 そのためかもしれない> 421 00:58:17,759 --> 00:58:45,220 ・~ 422 00:58:45,220 --> 00:58:55,230 <「五輪書」を書き終えた後 武蔵は 62年の生涯を閉じる。・ 423 00:58:55,230 --> 00:59:03,238 剣に生きた その人生は 今もなお 我々の心を 揺さぶり続ける> 424 00:59:03,238 --> 00:59:14,238 ・~