1 00:02:29,456 --> 00:02:35,962 ・~ 2 00:02:35,962 --> 00:02:37,962 (お通)あ~っ。 3 00:02:40,467 --> 00:02:43,470 あ~ 4 00:02:43,470 --> 00:02:45,470 (新免武蔵)うっ。 5 00:02:49,476 --> 00:02:51,478 逃げて。 逃げて 6 00:02:51,478 --> 00:02:53,480 お通~ 7 00:02:53,480 --> 00:02:55,482 あっ 8 00:02:55,482 --> 00:02:58,485 (木の根が切れる音) 9 00:02:58,485 --> 00:03:02,489 (水音) 10 00:03:02,489 --> 00:03:17,504 ・~(テーマ音楽) 11 00:03:17,504 --> 00:03:30,504 ・~ 12 00:04:37,450 --> 00:04:39,950 (雷鳴) 13 00:06:03,970 --> 00:06:05,972 (軍兵)それ 14 00:06:05,972 --> 00:06:08,975 (青木)新免武蔵 15 00:06:08,975 --> 00:06:10,977 その方 配下の者を傷つけ・ 16 00:06:10,977 --> 00:06:13,980 殺害したる罪 許し難し 17 00:06:13,980 --> 00:06:15,982 お通は どうした? 18 00:06:15,982 --> 00:06:17,982 お通は どこにいる~・ 19 00:06:20,487 --> 00:06:24,491 姫路城主・池田輝政公 じきじきに 御詮議あそばす。 20 00:06:24,491 --> 00:06:26,493 神妙に 縄につけ 21 00:06:26,493 --> 00:06:29,493 あ~ (笑い声) 22 00:06:31,431 --> 00:06:38,438 <姫路城は その優雅な姿から 「白鷺城」とも呼ばれている。・ 23 00:06:38,438 --> 00:06:40,940 「関ヶ原」の手柄で・ 24 00:06:40,940 --> 00:06:47,447 家康から 播磨五十二万石の領主に 任じられた武闘派の池田輝政が・ 25 00:06:47,447 --> 00:06:51,451 まず 手をつけたのが 城の大改築だった。・ 26 00:06:51,451 --> 00:06:55,455 天下を二分した戦いが このままで終わるとは・ 27 00:06:55,455 --> 00:06:59,955 家康も 輝政も 思っていなかったのである> 28 00:07:19,479 --> 00:07:23,483 新免武蔵か? 29 00:07:23,483 --> 00:07:26,486 そうだ。 30 00:07:26,486 --> 00:07:28,486 池田輝政である。 31 00:07:31,424 --> 00:07:34,928 わが家臣を殺した咎により・ 32 00:07:34,928 --> 00:07:36,930 死罪を申しつく。 33 00:07:36,930 --> 00:07:40,930 俺は 向かってくる奴を 斬っただけだ 34 00:07:42,936 --> 00:07:47,440 しかし その方が 伏して望むなら…・ 35 00:07:47,440 --> 00:07:49,442 そなたの命…・ 36 00:07:49,442 --> 00:07:51,442 この者に預けよう。 37 00:07:55,949 --> 00:07:57,951 和尚…。 38 00:07:57,951 --> 00:08:00,954 捕らわれている その方を捜し出し・ 39 00:08:00,954 --> 00:08:03,957 ここに連れてくるように 指図したのも・ 40 00:08:03,957 --> 00:08:07,460 沢庵和尚だ。 41 00:08:07,460 --> 00:08:10,463 輝政公とは 諸国流浪の折に・ 42 00:08:10,463 --> 00:08:12,966 知り合うてな…。 お通は どうした? 43 00:08:12,966 --> 00:08:14,968 お通は どこにいる・ 44 00:08:14,968 --> 00:08:18,471 お通は…・ 45 00:08:18,471 --> 00:08:20,471 死んだ。 46 00:08:24,978 --> 00:08:28,414 お前が 勝手な事を喚いて・ 47 00:08:28,414 --> 00:08:31,918 村から 誘い出したために・ 48 00:08:31,918 --> 00:08:35,418 お通は すべてのものを 失うてしもうた。 49 00:08:50,436 --> 00:08:52,939 手をついて・ 50 00:08:52,939 --> 00:08:55,942 和尚に 命乞いをしろ。 51 00:08:55,942 --> 00:08:57,942 新免武蔵 52 00:09:05,451 --> 00:09:09,455 頭を垂れるという事も…・ 53 00:09:09,455 --> 00:09:11,955 時には 必要な事だぞ。 54 00:09:17,463 --> 00:09:21,467 <奈良から 春日奥山を越えて 12km…・ 55 00:09:21,467 --> 00:09:25,967 そこにある 小さな盆地が 柳生の里である> 56 00:09:29,909 --> 00:09:32,412 (亜矢)京に流行りたるもの…・ 57 00:09:32,412 --> 00:09:35,915 斬り 盗賊 かぶき踊り…・ 58 00:09:35,915 --> 00:09:38,918 それに 妖怪変化。 59 00:09:38,918 --> 00:09:40,920 「妖怪変化」? 60 00:09:40,920 --> 00:09:43,423 滴の水もない場所に・ 61 00:09:43,423 --> 00:09:46,926 丑の刻になると 血の池が現れる…。 62 00:09:46,926 --> 00:09:52,432 何十人の人間が 1か月もの間 踊り狂う音が聞こえ・ 63 00:09:52,432 --> 00:09:54,934 最後には 泣き声に変わった。 64 00:09:54,934 --> 00:09:57,437 くだらん。 65 00:09:57,437 --> 00:09:59,439 (亜矢)このたぐいの話が・ 66 00:09:59,439 --> 00:10:02,942 京では 毎日のように 語られております。 67 00:10:02,942 --> 00:10:04,944 ほう…。 68 00:10:04,944 --> 00:10:06,946 これらの底にあるのは・ 69 00:10:06,946 --> 00:10:11,451 関東の京支配に対する 反感と不満…。 70 00:10:11,451 --> 00:10:13,953 豊臣方に寄せる心情は・ 71 00:10:13,953 --> 00:10:16,956 京では まだまだ強いと思われます。 72 00:10:16,956 --> 00:10:18,956 そうか…。 73 00:10:22,462 --> 00:10:25,465 また 諸国を 巡り歩いてな…・ 74 00:10:25,465 --> 00:10:28,401 いろいろな話を 聞かせてくれ 亜矢。 75 00:10:28,401 --> 00:10:41,914 ・~ 76 00:10:41,914 --> 00:10:46,919 家康も まだまだ 苦労するのう 宗矩。 77 00:10:46,919 --> 00:10:50,423 (宗矩)豊臣は もはや 徳川の敵ではない。 78 00:10:50,423 --> 00:10:54,923 敵は 豊臣を担ごうとする 各地の諸大名。 79 00:10:56,929 --> 00:11:00,433 天下を二分する争いが もう度 起きると・ 80 00:11:00,433 --> 00:11:02,435 私は 見ております。 81 00:11:02,435 --> 00:11:04,437 その時こそ・ 82 00:11:04,437 --> 00:11:07,440 柳生家の名を上げる またとない機会。 83 00:11:07,440 --> 00:11:13,446 私は 柳生新陰流を磨き抜けば それでよいと思うておる。 84 00:11:13,446 --> 00:11:18,451 柳生の名を 天下に轟かせる事など どうでもよい事だ。 85 00:11:18,451 --> 00:11:21,954 この小さな里で満足だと おっしゃるのですか? 86 00:11:21,954 --> 00:11:25,458 美しい里ではないか。 そうは思わぬか? 87 00:11:25,458 --> 00:11:27,894 「美しさ」は 「力」になりません。 88 00:11:27,894 --> 00:11:29,896 そうかな? 89 00:11:29,896 --> 00:11:34,396 お前には 美しいものを愛でる心が ないのではないか? 90 00:11:36,402 --> 00:11:39,405 りんとは 仲よくしておるか? 91 00:11:39,405 --> 00:11:43,910 私たち夫婦の話を しておるのでは ありません 父上。 92 00:11:43,910 --> 00:11:46,412 天下の話を しておるのです。 93 00:11:46,412 --> 00:11:48,915 ああ… お前といると・ 94 00:11:48,915 --> 00:11:53,419 「天下 天下」と うるそうて かなわんわ。 95 00:11:53,419 --> 00:11:55,421 兵庫…・ 96 00:11:55,421 --> 00:11:59,425 お前も諸国を歩いて 何か 面白い話は なかったか? 97 00:11:59,425 --> 00:12:03,930 亜矢が 不思議な男と 緒にいるのを 見かけました。 98 00:12:03,930 --> 00:12:05,932 「不思議な男」? 99 00:12:05,932 --> 00:12:08,935 あかね屋絃三。 100 00:12:08,935 --> 00:12:11,437 あのような男…。 101 00:12:11,437 --> 00:12:13,437 知っておるのか? 102 00:12:15,441 --> 00:12:17,443 「信長と秀吉を・ 103 00:12:17,443 --> 00:12:21,447 離れた場所で 同じ時刻に 殺すのが 最高の望みだ」と・ 104 00:12:21,447 --> 00:12:23,449 大をたたいた男です。 105 00:12:23,449 --> 00:12:25,451 ほう…。 106 00:12:25,451 --> 00:12:29,956 (兵庫助)今は 薬売り。 元は 毒使い そして 幻術師。 107 00:12:29,956 --> 00:12:35,461 争っていた 備前の大名が 2人 同じ時に変死をした事があります。 108 00:12:35,461 --> 00:12:38,464 おそらく 絃三の仕業。 109 00:12:38,464 --> 00:12:40,967 (女)はい お待たせ致しました。 110 00:12:40,967 --> 00:12:43,970 酒が ないぞ。 111 00:12:43,970 --> 00:12:46,472 今 お持ち致しました。 112 00:12:46,472 --> 00:12:49,976 これかな? さようで ございます。 113 00:12:49,976 --> 00:12:53,479 空だろうが? 114 00:12:53,479 --> 00:13:00,486 ほれ ほれ ほれ…。 115 00:13:00,486 --> 00:13:04,490 アッハッハッハッ…。 116 00:13:04,490 --> 00:13:06,492 ・~(歌声) 117 00:13:06,492 --> 00:13:09,495 (阿国)諸国で大評判の 阿国座が・ 118 00:13:09,495 --> 00:13:11,998 花の都に 上ってきたよ 119 00:13:11,998 --> 00:13:14,500 北野神社に 小屋掛けして・ 120 00:13:14,500 --> 00:13:18,500 目も綾なる舞台を 京の人に お見せする 121 00:13:20,506 --> 00:13:25,511 さあ 御期待 御期待~ 122 00:13:25,511 --> 00:13:29,449 ・~(歌) 123 00:13:29,449 --> 00:13:34,454 (拍手) 124 00:13:34,454 --> 00:13:45,465 ・~(鳴り物) 125 00:13:45,465 --> 00:14:50,463 ・~ 126 00:14:50,463 --> 00:14:52,465 (扇を飛ばす音) 127 00:14:52,465 --> 00:15:01,465 ・~ 128 00:15:05,478 --> 00:15:09,982 お通は どこで死んだ? 129 00:15:09,982 --> 00:15:13,986 どこで 死んだんだ お通は。 130 00:15:13,986 --> 00:15:16,489 あの村が・ 131 00:15:16,489 --> 00:15:20,493 お通にとって どれほど 大切なものであったか・ 132 00:15:20,493 --> 00:15:23,496 分かるか? お前に。 133 00:15:23,496 --> 00:15:29,435 すべてを失うた お通の気持が 分かっておるのか? 134 00:15:29,435 --> 00:15:32,438 ぐだぐだ 理屈ばかり言うな 135 00:15:32,438 --> 00:15:35,441 この くそ坊主 136 00:15:35,441 --> 00:15:40,441 すぐに 大声で喚く。 人に つっかかる…。 137 00:15:42,949 --> 00:15:45,451 それで お前…・ 138 00:15:45,451 --> 00:15:49,451 何かと闘うとる つもりなのか? 武蔵。 139 00:15:51,457 --> 00:15:59,465 ・~ 140 00:15:59,465 --> 00:16:02,468 千利休にとって・ 141 00:16:02,468 --> 00:16:07,473 茶を点てる 小さな庵が 闘いの場だった。 142 00:16:07,473 --> 00:16:09,475 「茶を点てる」…・ 143 00:16:09,475 --> 00:16:11,978 その事だけで 利休は・ 144 00:16:11,978 --> 00:16:14,478 太閤・秀吉とも闘うた。 145 00:16:17,984 --> 00:16:21,487 飲んでみ 武蔵。 146 00:16:21,487 --> 00:16:24,991 「静」の中の 「動」を知る…・ 147 00:16:24,991 --> 00:16:26,993 それも 大切な事ぞ。 148 00:16:26,993 --> 00:16:45,945 ・~ 149 00:16:45,945 --> 00:16:48,948 これでいいか 和尚。 150 00:16:48,948 --> 00:16:51,951 茶の味さえ 分かれば・ 151 00:16:51,951 --> 00:16:54,954 どんな飲み方でもよい。 152 00:16:54,954 --> 00:17:14,473 ・~ 153 00:17:14,473 --> 00:17:16,976 ・(おかみ)お通さん。 154 00:17:16,976 --> 00:17:19,478 はい。 155 00:17:19,478 --> 00:17:22,481 お城に いい人でも おるんかえ? 156 00:17:22,481 --> 00:17:24,483 いいえ。 157 00:17:24,483 --> 00:17:27,920 あんたを連れてきた あの坊さんかえ? 158 00:17:27,920 --> 00:17:29,922 違いますよ 159 00:17:29,922 --> 00:17:51,444 ・~ 160 00:17:51,444 --> 00:17:55,448 わしが どこに打ち込んでくるか 考えたであろう? 161 00:17:55,448 --> 00:17:59,452 相手の太刀に 心が止まれば そこに 隙ができる。 162 00:17:59,452 --> 00:18:02,955 打ち込んでくる太刀には 間髪を入れず 応えねばならん。 163 00:18:02,955 --> 00:18:05,955 どこにも 心を 止めては ならん 164 00:18:08,461 --> 00:18:13,461 何かに心を止める事を 仏法では 「煩悩」という。 165 00:18:15,468 --> 00:18:19,472 どこかに 心が止まれば・ 166 00:18:19,472 --> 00:18:22,475 耳に聞こえるものも 聞こえん。 167 00:18:22,475 --> 00:18:24,475 目に見えるものも 見えん。 168 00:18:26,479 --> 00:18:31,417 人も空 己も空…。 169 00:18:31,417 --> 00:18:35,417 敵を打つ手も 打つ太刀も 切が空。 170 00:18:37,423 --> 00:18:39,425 その時にこそ…・ 171 00:18:39,425 --> 00:18:42,425 心も 体も 自在に動く。 172 00:18:49,435 --> 00:18:52,938 「また 坊主が 屁理屈を こねておる」…・ 173 00:18:52,938 --> 00:18:54,938 そういう顔じゃの。 174 00:18:58,944 --> 00:19:01,447 かかってこい 武蔵。 175 00:19:01,447 --> 00:19:05,451 木刀は…・ 176 00:19:05,451 --> 00:19:07,453 命取りに なるぞ。 177 00:19:07,453 --> 00:19:13,459 茶の心も 「静の中の動」も 知らんような奴に・ 178 00:19:13,459 --> 00:19:15,961 負けたりはせんぞ わしは。 179 00:19:15,961 --> 00:19:25,461 ・~ 180 00:19:32,411 --> 00:19:34,411 やあ~ 181 00:19:36,415 --> 00:19:38,415 や~っ 182 00:19:41,921 --> 00:19:45,424 野盗を 何人か 斬ったぐらいで・ 183 00:19:45,424 --> 00:19:47,924 「強い」と 思うなよ 武蔵。 184 00:19:51,430 --> 00:19:53,430 (木刀を捨てる音) 185 00:19:55,434 --> 00:20:07,446 (ざわめき) 186 00:20:07,446 --> 00:20:09,446 (門弟)若先生 まあ 杯。 187 00:20:11,951 --> 00:20:13,951 飲め。 188 00:20:15,955 --> 00:20:17,957 若…。 189 00:20:17,957 --> 00:20:20,960 その女は いくら飲ませても 酔いませぬぞ。 190 00:20:20,960 --> 00:20:25,464 私は すぐ 酔うけどね 藤次さん。 191 00:20:25,464 --> 00:20:28,400 (朱実)又八さん 飲む? 192 00:20:28,400 --> 00:20:30,402 いらん。 193 00:20:30,402 --> 00:20:34,406 おい お甲の「いろ」とやら… どうだ 杯? 194 00:20:34,406 --> 00:20:36,408 いい。 195 00:20:36,408 --> 00:20:38,410 酒の勧めを むげに断ると・ 196 00:20:38,410 --> 00:20:41,413 ただじゃ すまん事もあるぞ。 197 00:20:41,413 --> 00:20:43,415 酒なら 自分で飲む。 198 00:20:43,415 --> 00:20:46,418 ハッハッハッ…。 199 00:20:46,418 --> 00:20:50,422 (植田)京八流の わが吉岡清十郎先生を除いて・ 200 00:20:50,422 --> 00:20:53,926 天下に 剣の分かる奴が 匹でもいるか? 201 00:20:53,926 --> 00:20:56,428 いたら お目に かかりたいものだ。 202 00:20:56,428 --> 00:20:59,932 植田…。 吉岡門が 随ではないぞ。 203 00:20:59,932 --> 00:21:04,436 この都だけでもな… 黒谷には 越前の 富田勢源の門がある。 204 00:21:04,436 --> 00:21:08,440 お主は 門下にいながら 吉岡憲法流を くさすのか・ 205 00:21:08,440 --> 00:21:11,443 独り善がりは 通用せぬと 言ってるだけだ。 206 00:21:11,443 --> 00:21:14,947 よせ 藤次。 今日は 剣の話はよせ。 207 00:21:14,947 --> 00:21:35,901 ・~(お囃子) 208 00:21:35,901 --> 00:21:40,406 (拍手) 209 00:21:40,406 --> 00:21:45,411 <男装の阿国が扮した侍が 茶屋の女と戯れる。・ 210 00:21:45,411 --> 00:21:48,414 踊りに 男と女のドラマを持ち込んだのは・ 211 00:21:48,414 --> 00:21:51,417 出雲の阿国が 初めてだった。・ 212 00:21:51,417 --> 00:21:56,422 客席の真ん中から 登場するという 趣向も 阿国が始めたもので・ 213 00:21:56,422 --> 00:22:01,422 のちに 歌舞伎の花道を 生んだのだという説もある> 214 00:22:05,431 --> 00:22:07,433 (下男)うっ…。 215 00:22:07,433 --> 00:22:10,436 ・~(お囃子) 216 00:22:10,436 --> 00:22:14,440 (笑い声) 217 00:22:14,440 --> 00:22:18,944 ・~ 218 00:22:18,944 --> 00:22:22,448 (笑い声) 219 00:22:22,448 --> 00:22:25,451 ・~ 220 00:22:25,451 --> 00:22:28,954 (笑い声) 221 00:22:28,954 --> 00:22:35,461 ・~ 222 00:22:35,461 --> 00:22:37,463 (お篠)あっ。 223 00:22:37,463 --> 00:22:41,467 ・~ 224 00:22:41,467 --> 00:22:43,469 続けよ 225 00:22:43,469 --> 00:22:47,473 ・~ 226 00:22:47,473 --> 00:22:49,473 何だ あの男は? 227 00:22:52,478 --> 00:22:56,482 ・~ 228 00:22:56,482 --> 00:22:58,484 (小次郎) 追われてるのか? 229 00:22:58,484 --> 00:23:00,984 あなたも 追われてるんでしょう? 230 00:23:03,989 --> 00:23:05,991 何者だ? 231 00:23:05,991 --> 00:23:07,993 伊達の 黒脛巾衆。 232 00:23:07,993 --> 00:23:09,995 「伊達」? 233 00:23:09,995 --> 00:23:11,997 伊達政宗。 234 00:23:11,997 --> 00:23:14,500 独眼竜に 追われてるのか? 235 00:23:14,500 --> 00:23:25,010 ・~ 236 00:23:25,010 --> 00:23:27,010 あの 太刀さばきは…? 237 00:23:28,947 --> 00:23:32,951 [ 場内騒然 ] 238 00:23:32,951 --> 00:23:37,956 およしよ。 あんたが行っても 何の役にも立たないよ。 朱実。 239 00:23:37,956 --> 00:23:40,456 (清十郎)この勝負 吉岡が受けるぞ 240 00:23:44,463 --> 00:23:46,463 ともに逃げるか? 241 00:23:49,468 --> 00:23:51,970 明日の夕刻…・ 242 00:23:51,970 --> 00:23:53,970 裏の竹林。 243 00:23:55,974 --> 00:23:58,977 引け 244 00:23:58,977 --> 00:24:00,977 ハッハッハッ…。 245 00:24:03,482 --> 00:24:05,984 (藤次)待て。 246 00:24:05,984 --> 00:24:07,984 お主… 名は? 247 00:24:10,989 --> 00:24:12,991 伊達政宗。 248 00:24:12,991 --> 00:24:14,991 何? 249 00:24:19,998 --> 00:24:21,998 何で こうなった? 250 00:24:24,002 --> 00:24:26,002 ただの お芝居。 251 00:24:27,940 --> 00:24:31,440 ふざけたをきくと ただではすまんぞ。 252 00:24:42,454 --> 00:24:46,959 (掛け声) 253 00:24:46,959 --> 00:24:48,959 (沢庵)待った~ 254 00:24:51,964 --> 00:24:53,964 武蔵…。 255 00:24:55,968 --> 00:25:02,474 最初の者に どう打ちかかろうかと 思うたであろう? 256 00:25:02,474 --> 00:25:08,974 お前は 1人2人の者に 心を止めてしもうておる。 257 00:25:11,984 --> 00:25:19,491 1本の木の 1枚の葉に 心が囚われれば・ 258 00:25:19,491 --> 00:25:21,991 木全体を 見る事はできん。 259 00:25:23,996 --> 00:25:30,936 10人の敵を相手に 誰人に 心を止める事はせず・ 260 00:25:30,936 --> 00:25:33,438 ただ 全体として見れば・ 261 00:25:33,438 --> 00:25:35,938 何人の敵とでも 闘える。 262 00:25:40,445 --> 00:25:42,445 えや~ 263 00:25:44,950 --> 00:25:46,950 参った~ 264 00:25:49,454 --> 00:25:51,454 やあ~ 265 00:25:57,462 --> 00:25:59,462 あ~っ。 266 00:26:03,468 --> 00:26:05,470 参った 267 00:26:05,470 --> 00:26:13,979 ・~ 268 00:26:13,979 --> 00:26:16,982 ありがとう ございました。 269 00:26:16,982 --> 00:26:18,984 お気を付けて。 270 00:26:18,984 --> 00:26:40,939 ・~ 271 00:26:40,939 --> 00:26:42,939 ・(子猫の鳴き声) 272 00:26:45,444 --> 00:26:47,444 ・(子猫の鳴き声) 273 00:26:48,981 --> 00:26:50,981 ・(子猫の鳴き声) 274 00:26:53,952 --> 00:26:55,952 ・(子猫の鳴き声) 275 00:27:02,461 --> 00:27:04,461 (子猫の鳴き声) 276 00:27:10,969 --> 00:27:12,971 (子猫の鳴き声) 277 00:27:12,971 --> 00:27:24,471 ・~ 278 00:27:36,428 --> 00:27:38,930 お篠さん お行き。 279 00:27:38,930 --> 00:27:42,934 だけど みんなに 迷惑を かけてしまいます。 280 00:27:42,934 --> 00:27:45,437 せっかく 舞台が受けているのに…。 281 00:27:45,437 --> 00:27:47,439 そんな事 いいんだよ。 282 00:27:47,439 --> 00:27:52,444 私らはね いろんな所で 荒くれどもの相手をしてきた。 283 00:27:52,444 --> 00:27:55,944 少々の事じゃ へこたれや しないんだよ。 284 00:27:57,949 --> 00:28:00,452 私は…・ 285 00:28:00,452 --> 00:28:03,952 男の人の約束なんか 信じてないから。 286 00:28:05,957 --> 00:28:08,460 「信じてみようかな」…・ 287 00:28:08,460 --> 00:28:10,960 半分は そう思ってるだろう? 288 00:28:12,964 --> 00:28:15,964 「その気持に 賭けてみようかな」と…。 289 00:28:23,975 --> 00:28:26,478 人生はね 丁半博打。 290 00:28:26,478 --> 00:28:29,478 私らは それで 生き抜いてきたんだよ。 291 00:29:06,451 --> 00:29:08,954 なぜ 俺をつける? 292 00:29:08,954 --> 00:29:11,456 (武士)佐々木小次郎殿だな? 293 00:29:11,456 --> 00:29:13,458 名乗れ。 294 00:29:13,458 --> 00:29:17,462 堀井伝右衛門が家臣 桜田三郎。 295 00:29:17,462 --> 00:29:21,967 主の仇を 取りにきたのか? 296 00:29:21,967 --> 00:29:27,906 越前領主が 代わり 家臣は皆 国払いとなった。 297 00:29:27,906 --> 00:29:30,409 主が誰に斬られようと・ 298 00:29:30,409 --> 00:29:33,409 もはや 何の関係もない事だ。 299 00:29:35,414 --> 00:29:39,918 ならば なぜ 俺をつける? 300 00:29:39,918 --> 00:29:43,422 会わせたい人がいる。 301 00:29:43,422 --> 00:29:45,424 「会わせたい人」? 302 00:29:45,424 --> 00:31:14,424 ・~ 303 00:31:16,448 --> 00:31:19,951 (お甲)吉岡には 金が うんと あるんだよ。 304 00:31:19,951 --> 00:31:25,457 先代の先生は 室町将軍の剣術指南役だったし・ 305 00:31:25,457 --> 00:31:29,394 弟子の数も 天下なんだってよ。 306 00:31:29,394 --> 00:31:32,397 おまけに あの清十郎は 独り者だし・ 307 00:31:32,397 --> 00:31:35,400 どう転んだって 悪い話じゃないんだよ。 308 00:31:35,400 --> 00:31:37,402 好きじゃない。 309 00:31:37,402 --> 00:31:42,407 お前が 清十郎を好きかどうか そんな事 どっちでもいいの。 310 00:31:42,407 --> 00:31:44,910 吉岡は 剣で のし上がってきた。 311 00:31:44,910 --> 00:31:48,410 女は… これで のし上がる。 312 00:31:50,415 --> 00:31:53,418 お前 器量よしじゃないけど・ 313 00:31:53,418 --> 00:31:56,421 男好きする体を してるんだよ。 314 00:31:56,421 --> 00:31:58,423 これを道具にすれば・ 315 00:31:58,423 --> 00:32:01,927 吉岡の剣にだって 勝つ事ができる。 316 00:32:01,927 --> 00:32:04,930 げすな話は よせ 317 00:32:04,930 --> 00:32:06,932 「げす」…? 318 00:32:06,932 --> 00:32:10,435 私らはね… 落ちるか 上がるしか ないんだよ。 319 00:32:10,435 --> 00:32:13,435 男は 力で上がる。 女は これで上がる 320 00:32:15,440 --> 00:32:20,440 あんたは 何で のし上がるの? 見かけ倒しの又八さん…。 321 00:32:22,447 --> 00:32:25,450 お前の 言うとおりだったね。 322 00:32:25,450 --> 00:32:28,450 私には 男を見る目が ないんだよ。 323 00:32:31,957 --> 00:32:44,970 [ 遊女が客を呼ぶ ] 324 00:32:44,970 --> 00:32:48,974 (男)又八さん… 又八さんじゃないか? 325 00:32:48,974 --> 00:32:50,976 弥二郎・ 326 00:32:50,976 --> 00:32:54,980 生きてたのか 又八さん…。 327 00:32:54,980 --> 00:32:57,980 京で 何してるんだ? お前。 328 00:33:02,988 --> 00:33:05,490 武蔵を捜している。 329 00:33:05,490 --> 00:33:07,492 「武蔵」? 330 00:33:07,492 --> 00:33:10,495 美作に帰らなかったのか? 武蔵は。 331 00:33:10,495 --> 00:33:15,000 武蔵は 兄者を殺して お通を連れて 逃げた。 332 00:33:15,000 --> 00:33:17,002 何・ 333 00:33:17,002 --> 00:33:21,506 俺は 兄者の仇を取るんだ。 334 00:33:21,506 --> 00:33:25,510 「武蔵が… お通と逃げた」・ 335 00:33:25,510 --> 00:33:54,472 ・~ 336 00:33:54,472 --> 00:33:56,474 ありがとう ございました。 337 00:33:56,474 --> 00:33:58,977 また お越し。 338 00:33:58,977 --> 00:34:00,977 ここは いいから…。 339 00:34:09,487 --> 00:34:11,489 みい…。 340 00:34:11,489 --> 00:34:14,492 みい みい…。 341 00:34:14,492 --> 00:34:22,992 ・~ 342 00:34:36,448 --> 00:34:38,448 やあ~っ 343 00:34:43,955 --> 00:34:45,955 やあ~っ 344 00:34:49,461 --> 00:34:51,461 え~っ 345 00:34:53,465 --> 00:34:55,465 やあ~っ 346 00:34:58,970 --> 00:35:00,972 うわ~っ 347 00:35:00,972 --> 00:35:02,972 とっ 348 00:35:09,481 --> 00:35:12,984 強いと思うな 武蔵 349 00:35:12,984 --> 00:35:16,484 強いと思うと その時に 勢いは止まる 350 00:35:20,492 --> 00:35:23,495 強いと思うておるのか? 351 00:35:23,495 --> 00:35:26,498 それで 強いと思うておるのか? 352 00:35:26,498 --> 00:35:28,498 (木刀で叩く音) 353 00:35:30,435 --> 00:35:32,437 弱い。 354 00:35:32,437 --> 00:35:34,439 お前は弱い 355 00:35:34,439 --> 00:35:36,441 (木刀で叩く音) 356 00:35:36,441 --> 00:35:45,450 ・~ 357 00:35:45,450 --> 00:35:47,952 (無二斎)強いと思ってるのか 358 00:35:47,952 --> 00:35:49,954 (叩く音) あっ 359 00:35:49,954 --> 00:35:51,956 あっ 360 00:35:51,956 --> 00:35:53,958 (叩く音) 361 00:35:53,958 --> 00:35:55,960 それでも 強いつもりか 362 00:35:55,960 --> 00:35:57,962 (叩く音) 363 00:35:57,962 --> 00:35:59,964 強いと思ってるのか 364 00:35:59,964 --> 00:36:04,469 (叩く音) 365 00:36:04,469 --> 00:36:06,471 強いのか 366 00:36:06,471 --> 00:36:17,982 ~ 367 00:36:17,982 --> 00:36:21,486 己の弱さを知れ 368 00:36:21,486 --> 00:36:24,489 そうせねば お前は 強うなれん 369 00:36:24,489 --> 00:36:33,489 ~ 370 00:36:43,441 --> 00:36:45,443 (祐筆)まず 形じゃ。 371 00:36:45,443 --> 00:36:49,948 形を覚える事が 肝要なんじゃ。 372 00:36:49,948 --> 00:36:53,952 形には おのおの 心があって 373 00:36:53,952 --> 00:36:56,454 何度も 書く事によって 374 00:36:56,454 --> 00:36:59,454 その心が 分かってくる。 375 00:37:01,459 --> 00:37:03,459 さ… 書いてみなされ。 376 00:37:05,463 --> 00:37:07,465 さあ…。 377 00:37:07,465 --> 00:37:10,465 遠慮はいらん さあ。 378 00:37:22,981 --> 00:37:24,983 え~い 379 00:37:24,983 --> 00:37:26,983 俺は 城を出る 380 00:37:28,920 --> 00:37:30,920 新免 381 00:37:43,935 --> 00:37:45,935 (侍)おい 待たれい 382 00:37:47,939 --> 00:37:49,939 やあ~ 383 00:37:51,943 --> 00:37:53,943 武蔵 384 00:38:03,454 --> 00:38:05,456 待て 武蔵 385 00:38:05,456 --> 00:38:07,456 お通は 生きとる 386 00:38:09,961 --> 00:38:12,961 お通は すぐ傍におる。 387 00:38:16,467 --> 00:38:20,967 お前が 本当に強くなるのを 待っておる。 388 00:38:23,975 --> 00:38:26,475 しばらく ここで修行せい 389 00:38:28,413 --> 00:38:31,913 万巻の書を読み 茶の心を知れ 390 00:38:33,918 --> 00:38:38,918 そうすれば 本当の強さとは 何なのか 分かってくる 391 00:38:40,925 --> 00:38:43,428 俺は強い。 392 00:38:43,428 --> 00:38:45,430 強いんだ 弱い 393 00:38:45,430 --> 00:38:48,433 もっと もっと 強くなって 会いに行く 394 00:38:48,433 --> 00:38:50,435 お通が生きているなら 395 00:38:50,435 --> 00:38:52,437 そう伝えてくれ~ 396 00:38:52,437 --> 00:38:55,440 武蔵 1人では強うなれん 397 00:38:55,440 --> 00:38:57,940 1人では 強うなれんぞ 398 00:39:00,445 --> 00:39:02,445 待てっ 399 00:39:05,950 --> 00:39:07,952 行かせてやれ。 400 00:39:07,952 --> 00:39:20,965 ~ 401 00:39:20,965 --> 00:39:23,468 ありがとう ございました。 402 00:39:23,468 --> 00:39:39,468 ~ 403 00:40:05,443 --> 00:40:10,448 自分の弱さを認めたら それで おしまいになる。 404 00:40:10,448 --> 00:40:15,453 自分の事を 弱いと思ったら 生きてはいけない…。 405 00:40:15,453 --> 00:40:21,453 そんなつらさに 武蔵は 何度も出会ってきたんです。 406 00:40:23,461 --> 00:40:27,465 「俺は強い」… 407 00:40:27,465 --> 00:40:30,902 武蔵が そう言うと 408 00:40:30,902 --> 00:40:33,402 私には 悲鳴に聞こえる。 409 00:40:37,408 --> 00:40:39,410 それゆえ… 410 00:40:39,410 --> 00:40:42,914 「本当の強さを知れ」と 言うたんじゃが…。 411 00:40:42,914 --> 00:40:44,914 急には 強くなれない。 412 00:40:51,422 --> 00:40:53,925 人は… 413 00:40:53,925 --> 00:40:55,925 急には 強くなれません。 414 00:40:57,929 --> 00:41:01,929 それを分かっているから 私は ついてきたんです。 415 00:41:04,936 --> 00:41:07,438 それを… 416 00:41:07,438 --> 00:41:10,438 沢庵様にも 分かってほしかった。 417 00:41:13,444 --> 00:41:15,446 分かってほしかった…。 418 00:41:15,446 --> 00:41:47,411 ~ 419 00:41:47,411 --> 00:41:50,911 拙僧の心に 奢りがありました。 420 00:41:52,917 --> 00:41:55,917 「己の力で 人を変えてみせる」と。 421 00:41:58,422 --> 00:42:02,927 万巻の書を読み 修行を積んだ身でも 422 00:42:02,927 --> 00:42:06,430 1人の女子に 及ばなかった。 423 00:42:06,430 --> 00:42:08,432 いかなる名僧も 424 00:42:08,432 --> 00:42:11,435 女子には かなわぬものだよ。 425 00:42:11,435 --> 00:42:16,435 殊に 男に すべてを 賭けた女子にはな。 426 00:42:19,944 --> 00:42:24,444 ああ… 勢いがあるなあ。 427 00:42:26,450 --> 00:42:28,452 若い頃は 428 00:42:28,452 --> 00:42:32,452 「勢い」を 「強さ」と 勘違いするものです。 429 00:43:05,489 --> 00:43:08,492 宮本村の武蔵…。 430 00:43:08,492 --> 00:43:10,995 あの男が 仕官してきたら 431 00:43:10,995 --> 00:43:14,495 わしは この名を 与えるつもりであった。 432 00:43:18,502 --> 00:43:22,006 「宮本武蔵」。 433 00:43:22,006 --> 00:43:24,508 この名の似合う 434 00:43:24,508 --> 00:43:29,008 立派で 強い武士に なってもらいたいな。 435 00:43:31,449 --> 00:43:34,952 それまで 生きておれば…。 436 00:43:34,952 --> 00:43:36,954 うん…? 437 00:43:36,954 --> 00:43:39,457 ハッハッハッ…。 438 00:43:39,457 --> 00:44:02,980 ~ 439 00:44:02,980 --> 00:44:05,983 <武蔵は 京に向かった。 440 00:44:05,983 --> 00:44:10,988 「強くなりたい」… 武蔵の心には それしかなかった> 441 00:44:10,988 --> 00:44:17,988 ~