1 00:01:22,166 --> 00:01:24,166 2 00:01:35,046 --> 00:01:39,050 (語り) <古来 数ある英雄伝説の中で➡ 3 00:01:39,050 --> 00:01:42,053 弁慶ほど その生涯が謎に満ちた人物は➡ 4 00:01:42,053 --> 00:01:44,053 ほかに見当たらない> 5 00:01:46,057 --> 00:01:48,059 <弁慶の名を記した➡ 6 00:01:48,059 --> 00:01:52,063 室町時代の物語 『義経記』に その出生をたどれば➡ 7 00:01:52,063 --> 00:01:58,069 関白 藤原道隆の子孫である 熊野の別当 弁昌を父に➡ 8 00:01:58,069 --> 00:02:01,072 二位の大納言の姫君を 母として生まれた➡ 9 00:02:01,072 --> 00:02:04,075 やんごとなき血筋と いうことになる> 10 00:02:04,075 --> 00:02:06,077 <また 一説によれば➡ 11 00:02:06,077 --> 00:02:09,080 義経や頼朝とは いとこの間柄にある➡ 12 00:02:09,080 --> 00:02:13,084 熊野の別当 湛増の子であるといい➡ 13 00:02:13,084 --> 00:02:16,087 あるいは また 歴代の熊野の別当の中に➡ 14 00:02:16,087 --> 00:02:19,090 弁昌なる人物の名が ないことから➡ 15 00:02:19,090 --> 00:02:24,028 弁昌と湛増を同一人物として その子とする説もあるが➡ 16 00:02:24,028 --> 00:02:28,028 いずれも決定的な資料に 欠けていることは否めない> 17 00:02:30,034 --> 00:02:34,038 <ともあれ 熊野は弁慶伝説の故郷であり➡ 18 00:02:34,038 --> 00:02:39,043 800年にわたって 日本人の心の奥底に生き続ける➡ 19 00:02:39,043 --> 00:02:43,047 たぐいまれな スーパーマンであることは確かである> 20 00:02:43,047 --> 00:02:50,047 <果たして 武蔵坊弁慶とは いかなる人物であったのか> 21 00:02:56,060 --> 00:03:01,065 ♪(法師たちの声明) 22 00:03:01,065 --> 00:03:21,085 ♪~ 23 00:03:21,085 --> 00:03:32,029 ♪~ 24 00:03:32,029 --> 00:03:43,040 ♪~ 25 00:03:43,040 --> 00:03:45,040 (義経)弁慶 26 00:03:47,044 --> 00:03:49,044 弁慶は いずこぞ 27 00:03:52,049 --> 00:03:55,049 弁慶ーっ! 28 00:04:04,061 --> 00:04:08,065 弁慶ーっ! 29 00:04:08,065 --> 00:04:12,069 (弁慶)御曹司! 30 00:04:12,069 --> 00:04:15,069 御曹司ーっ! 31 00:04:17,074 --> 00:04:20,074 おお 弁慶! 32 00:04:22,013 --> 00:04:42,033 ♬~ 33 00:04:42,033 --> 00:05:02,053 ♬~ 34 00:05:02,053 --> 00:05:22,006 ♬~ 35 00:05:22,006 --> 00:05:42,026 ♬~ 36 00:05:42,026 --> 00:06:02,046 ♬~ 37 00:06:02,046 --> 00:06:21,999 ♬~ 38 00:06:21,999 --> 00:06:42,019 ♬~ 39 00:06:42,019 --> 00:06:52,019 ♬~ 40 00:06:57,034 --> 00:07:01,038 <播磨国 書写山 円教寺は➡ 41 00:07:01,038 --> 00:07:07,044 西の比叡山と呼ばれる 天台宗の名刹である> 42 00:07:07,044 --> 00:07:21,058 (読経) 43 00:07:21,058 --> 00:07:25,997 <今から812年前の 承安4年 正月> 44 00:07:25,997 --> 00:07:32,003 <この寺に ふらりと姿を現した 旅の荒法師があった> 45 00:07:32,003 --> 00:07:37,008 ♬~ 46 00:07:37,008 --> 00:07:39,010 (弁慶)ハァ… 47 00:07:39,010 --> 00:07:53,024 ♬~ 48 00:07:53,024 --> 00:08:06,037 ♬~ 49 00:08:06,037 --> 00:08:10,041 おお なるほど 比叡山そっくりだ 50 00:08:10,041 --> 00:08:13,044 さすが 元三大師の御御弟子➡ 51 00:08:13,044 --> 00:08:18,049 性空上人が 開いただけのことはある 52 00:08:18,049 --> 00:08:21,986 どれ ひとつ やっかいになるか 53 00:08:21,986 --> 00:08:25,990 いやぁ 結構… うん 結構 結構 54 00:08:25,990 --> 00:08:27,990 ハハハハッ… 55 00:08:56,020 --> 00:09:00,020 ≪(法師たちの話し声) 56 00:09:02,026 --> 00:09:04,026 (法師)おら どけ! (法師)どきな 57 00:09:08,032 --> 00:09:10,032 ハァ~ッ… 58 00:09:19,043 --> 00:09:23,043 (法師) おい おぬし どこから来た? 59 00:09:24,982 --> 00:09:28,986 どこで修行してきたか 聞いているのだ! 60 00:09:28,986 --> 00:09:30,988 叡山だ 61 00:09:30,988 --> 00:09:34,992 (法師)名は? 武蔵坊という 62 00:09:34,992 --> 00:09:37,995 しばらく やっかいになるが よろしく頼む 63 00:09:37,995 --> 00:09:39,997 (法師)俗名は? 64 00:09:39,997 --> 00:09:44,001 チッ… いちいち うるさいのぅ 65 00:09:44,001 --> 00:09:47,004 開祖 性空上人の徳を慕うて まいったんだ 66 00:09:47,004 --> 00:09:49,006 何の誰兵衛でも よかろうが 67 00:09:49,006 --> 00:09:52,009 先輩の法師に向かって うるさいとは なんだ! 68 00:09:52,009 --> 00:09:54,011 このお山に やっかいになりたければ➡ 69 00:09:54,011 --> 00:09:56,013 それ相応の 挨拶のしかたがあろうが! 70 00:09:56,013 --> 00:09:59,016 おっ ああ そうか 71 00:09:59,016 --> 00:10:01,018 いやぁ それは悪かった 72 00:10:01,018 --> 00:10:05,022 では 改めて挨拶つかまつる (法師)ああ 73 00:10:05,022 --> 00:10:10,027 我こそは 天児屋命のご苗裔 中の関白 藤原道隆が子孫 74 00:10:10,027 --> 00:10:15,032 熊野の別当 弁昌が一子にして 幼名 鬼若と申す 75 00:10:15,032 --> 00:10:21,038 それ つらつら 我が26年の 過ぎ来し方を振り返り見れば 76 00:10:21,038 --> 00:10:23,974 母の胎内にありしこと 優に3年 77 00:10:23,974 --> 00:10:27,978 髪は黒々 歯は生えそろい 生まれ落ちるが すっくと立ちて➡ 78 00:10:27,978 --> 00:10:32,978 天上天下を指さし 「唯我独尊」と叫びたり 79 00:10:43,994 --> 00:10:47,998 ハァ~ッ… 続き聞きたいか? 80 00:10:47,998 --> 00:10:51,001 聞きたくばな もっと酒を持ってこい 81 00:10:51,001 --> 00:10:53,003 ウワッ! 82 00:10:53,003 --> 00:10:55,005 (信濃坊)武蔵坊とやら 83 00:10:55,005 --> 00:11:00,010 態度も でかいが 舌のほうも達者じゃのぅ 84 00:11:00,010 --> 00:11:02,012 いやぁ それほどでもない 85 00:11:02,012 --> 00:11:05,015 俺は信濃坊海円っていう者だ 86 00:11:05,015 --> 00:11:08,018 おお おぬしか 87 00:11:08,018 --> 00:11:12,022 おお この信濃坊の名は➡ 88 00:11:12,022 --> 00:11:15,025 比叡山にまで 鳴り響いてるものと見えるのぅ 89 00:11:15,025 --> 00:11:17,027 (法師たちの笑い声) 90 00:11:17,027 --> 00:11:19,029 なんの なんの 91 00:11:19,029 --> 00:11:22,032 お山の名を汚す 海円という悪僧がいると➡ 92 00:11:22,032 --> 00:11:24,032 麓で聞いたまで 93 00:11:27,037 --> 00:11:31,041 (信濃坊)口の減らねえ奴! 大言壮語も ほどほどにせえ 94 00:11:31,041 --> 00:11:34,044 書写の法師を甘く見ると 後悔するぞ 95 00:11:34,044 --> 00:11:39,049 いや 誠のことを言うたまでよ 近ごろは どこのお山でも➡ 96 00:11:39,049 --> 00:11:42,052 法衣をまとった ならず者が はびこり➡ 97 00:11:42,052 --> 00:11:46,056 誠の修行者が迷惑をいたしておる 98 00:11:46,056 --> 00:11:51,061 おのれも そのならず者のたぐいであろうが 99 00:11:51,061 --> 00:11:53,063 まあな 100 00:11:53,063 --> 00:11:59,069 おぬしらと志は違うがのぅ 今のところは同じようなもんだな 101 00:11:59,069 --> 00:12:02,072 (笑い声) (信濃坊)それ見ろ 102 00:12:02,072 --> 00:12:04,074 ところで 武蔵坊 103 00:12:04,074 --> 00:12:07,077 馬鹿力がありそうじゃが 何人力じゃ? 104 00:12:07,077 --> 00:12:09,079 俺にも確かなことは分からんが… 105 00:12:09,079 --> 00:12:15,085 そうそう 50人と綱引きをして 勝ったことがあるぞ 106 00:12:15,085 --> 00:12:17,087 相手は二歳童か? 107 00:12:17,087 --> 00:12:20,090 (笑い声) 108 00:12:20,090 --> 00:12:22,026 それなら おぬしにも勝てるのぅ 109 00:12:22,026 --> 00:12:25,029 ハハハハッ… あっ それからな 110 00:12:25,029 --> 00:12:28,032 三井寺の釣り鐘を20~30間 引きずったことがある 111 00:12:28,032 --> 00:12:33,037 あとで聞いたら 500貫あるそうだ 112 00:12:33,037 --> 00:12:35,037 (法師たち)ハハッ… 113 00:12:38,042 --> 00:12:42,046 まあ よかろう そのうち ゆっくり かわいがってやる 114 00:12:42,046 --> 00:12:44,048 のう? (法師たち)おう 115 00:12:44,048 --> 00:12:47,048 ハハハハッ… 116 00:12:53,057 --> 00:12:55,057 ハァ… 117 00:13:14,078 --> 00:13:17,081 <書写山から 20キロほど離れた室の津は➡ 118 00:13:17,081 --> 00:13:21,085 万葉の昔から 日の本の 五泊のひとつとして栄えた➡ 119 00:13:21,085 --> 00:13:24,021 天然の良港である> 120 00:13:24,021 --> 00:13:28,025 <その船着き場に近い 遊び女の館の前に➡ 121 00:13:28,025 --> 00:13:33,025 宿坊を抜け出して遊びに来た 弁慶の姿があった> 122 00:13:39,036 --> 00:13:43,036 (女性の笑い声) 123 00:13:46,043 --> 00:13:50,047 普賢菩薩 普賢菩薩さまは どこじゃ? 124 00:13:50,047 --> 00:13:52,049 普賢… 125 00:13:52,049 --> 00:13:56,053 ≪(女性の笑い声) 126 00:13:56,053 --> 00:14:02,053 (笑い声) 127 00:14:12,069 --> 00:14:17,074 普賢菩薩 普賢菩薩さまは どこじゃ? 128 00:14:17,074 --> 00:14:21,078 (郎党の話し声) (女性)フフッ… 129 00:14:21,078 --> 00:14:25,015 (郎党)何じゃ? こやつ こやつ… 何じゃ? 130 00:14:25,015 --> 00:14:28,018 いやぁ すまん 何しろ こういう所は初めてなもんで➡ 131 00:14:28,018 --> 00:14:30,020 勝手が分からなくて 往生いたしておる 132 00:14:30,020 --> 00:14:33,023 (郎党)馬鹿め 遊び女の館は ここばかりではないわ 133 00:14:33,023 --> 00:14:36,026 ほかを探したらよかろうが (郎党)ああ 134 00:14:36,026 --> 00:14:39,029 さようか ほかをな 行け行け ほら 135 00:14:39,029 --> 00:14:41,029 すまん すまん 136 00:14:47,037 --> 00:14:49,037 (ため息) 137 00:15:01,051 --> 00:15:03,051 ンン… 138 00:15:06,056 --> 00:15:11,061 書写山を開いた性空上人は 神崎の遊び女に➡ 139 00:15:11,061 --> 00:15:15,065 生き身の普賢菩薩を見て 夜ごと通われたというが 140 00:15:15,065 --> 00:15:19,069 相手がいねえことには どうにもならん 141 00:15:19,069 --> 00:15:24,069 ハァ… まだまだ修行が足りんと いうことかのぅ 武蔵坊 142 00:15:26,009 --> 00:15:29,012 それにしても 俺は女に縁がない 143 00:15:29,012 --> 00:15:34,017 ≪♪(笛の演奏) 144 00:15:34,017 --> 00:15:45,028 ♪~ 145 00:15:45,028 --> 00:15:51,028 ああ 残り物には福とは このことだ 146 00:15:54,037 --> 00:15:57,037 これ (せきばらい) 147 00:15:59,042 --> 00:16:01,042 これ これ! 148 00:16:06,049 --> 00:16:09,052 あっ いやぁ すまん 149 00:16:09,052 --> 00:16:14,052 そなた 誰ぞ待っておるのか? 150 00:16:18,061 --> 00:16:20,063 あっ ハハハッ… 151 00:16:20,063 --> 00:16:25,002 ああ そうか やはりのぅ ハハハハッ… 152 00:16:25,002 --> 00:16:27,002 そうであろうて ハハハッ… 153 00:16:29,006 --> 00:16:31,006 ≪(千載)もし… 154 00:16:37,014 --> 00:16:44,021 (千載)お前さまを お待ち申しておりました 155 00:16:44,021 --> 00:16:46,023 そは誠か? 156 00:16:46,023 --> 00:16:48,023 (ぶつかる音) 157 00:16:50,027 --> 00:16:53,030 ハハハハッ… 158 00:16:53,030 --> 00:16:58,035 ♬~ 159 00:16:58,035 --> 00:17:02,039 さあ もうひとつ 160 00:17:02,039 --> 00:17:04,039 う… うむ… 161 00:17:06,043 --> 00:17:11,048 ところで そなた 名は何という? 162 00:17:11,048 --> 00:17:15,048 千載と申しまする 163 00:17:17,054 --> 00:17:19,056 「せんざい」とは? 164 00:17:19,056 --> 00:17:22,993 「名を千載にとどめる」の 「千載」にござりまする 165 00:17:22,993 --> 00:17:27,998 ああ いい名だ 千載一遇ともいうのぅ 166 00:17:27,998 --> 00:17:31,001 ハハハハッ… 167 00:17:31,001 --> 00:17:35,005 なればこそ こうして➡ 168 00:17:35,005 --> 00:17:40,010 千載一遇の逢瀬を 楽しんでおりまする 169 00:17:40,010 --> 00:17:45,010 ♬~ 170 00:17:47,017 --> 00:17:50,020 さあ もうひとつ 171 00:17:50,020 --> 00:17:54,024 うん? いやぁ どうやら酔うた 172 00:17:54,024 --> 00:17:58,028 一向に そうは見えませぬ いやいや 確かに酔うた 173 00:17:58,028 --> 00:18:03,033 あのな そなたの顔が ほれほれ 三重にも見えるぞ 174 00:18:03,033 --> 00:18:06,036 フフフッ… 175 00:18:06,036 --> 00:18:10,040 お前さまのご身分を 当ててご覧に入れましょうか? 176 00:18:10,040 --> 00:18:13,043 えっ? そんなことが分かるのか? 177 00:18:13,043 --> 00:18:16,046 誠は お坊さまでござりましょう? 178 00:18:16,046 --> 00:18:20,050 ハハハッ… いやぁ うまく 化けたつもりでおったがのぅ 179 00:18:20,050 --> 00:18:23,987 やはり分かるかのぅ ハハハッ… 隠しても分かります 180 00:18:23,987 --> 00:18:26,990 書写山 円教寺の法師どのも➡ 181 00:18:26,990 --> 00:18:30,994 よく この辺りへ お忍びで お見えになられまするゆえ 182 00:18:30,994 --> 00:18:32,996 ほう 何という奴だ? 183 00:18:32,996 --> 00:18:37,000 この間 そこの通りで 遊び女に 逃げられて暴れていたお方は➡ 184 00:18:37,000 --> 00:18:40,003 確か 信濃坊とか 信濃坊? 185 00:18:40,003 --> 00:18:45,008 ハハハハッ… あやつ 普賢菩薩に逃げられおった 186 00:18:45,008 --> 00:18:49,012 (笑い声) 187 00:18:49,012 --> 00:18:51,012 のう? お坊さま 188 00:18:53,016 --> 00:18:57,016 わらわが 菩薩を見せてしんぜましょう 189 00:18:59,022 --> 00:19:03,026 いやぁ 夜も更けてきたせいか 冷えてまいったな 190 00:19:03,026 --> 00:19:07,030 子の刻を過ぎましたやら えっ? そうか 191 00:19:07,030 --> 00:19:10,033 そりゃ そろそろ帰らねばならんな 192 00:19:10,033 --> 00:19:15,038 こんな夜更けに? 帰る どうしても帰る 193 00:19:15,038 --> 00:19:19,042 そんなつれないこと 仰せにならず 194 00:19:19,042 --> 00:19:21,044 ンッ! あっ… 195 00:19:21,044 --> 00:19:25,044 追い剥ぎが出ますぞえ そんな奴は ひねりつぶす! 196 00:19:26,983 --> 00:19:31,988 何ぞ お気に障ることでも? ああ いや 197 00:19:31,988 --> 00:19:35,992 いやぁ そうではないんだ そうではないんだ 198 00:19:35,992 --> 00:19:38,992 そなたが気に入ったから困るんだ 199 00:19:44,000 --> 00:19:49,000 のう? お坊さま 200 00:19:51,007 --> 00:19:53,007 南無三! 201 00:19:55,011 --> 00:19:59,011 普賢菩薩をご覧なされませ 202 00:20:01,017 --> 00:20:05,021 いやいや 見た 見た見た 確かに見た もう十分だ 203 00:20:05,021 --> 00:20:08,024 まだ何も見てはおられませぬ いやいや 見た 204 00:20:08,024 --> 00:20:13,029 ああ それにな 女は少しでいいと お釈迦さまも申しておられる 205 00:20:13,029 --> 00:20:15,031 嘘ばっかり いや 嘘ではないぞ 206 00:20:15,031 --> 00:20:19,035 それが証拠に 女偏に少しと書いて 「妙」と読む 207 00:20:19,035 --> 00:20:22,973 すなわち 妙法とは 女は少しでよいということ 208 00:20:22,973 --> 00:20:25,973 いいや 逃しませぬ ウフッ… 209 00:20:27,978 --> 00:20:29,980 オン サンマヤ サトバン 210 00:20:29,980 --> 00:20:34,980 オン サンマヤ サトバン オン サンマヤ サトバン 211 00:20:36,987 --> 00:20:40,991 オン サンマヤ サトバン オン サンマヤ サトバン 212 00:20:40,991 --> 00:20:42,993 オン サンマヤ サトバン 213 00:20:42,993 --> 00:20:46,997 普賢菩薩が見たくなったら また おいでなされませ 214 00:20:46,997 --> 00:20:52,002 (笑い声) 215 00:20:52,002 --> 00:20:59,009 ああ 顔に似合わず うぶなお坊さまじゃ フフッ… 216 00:20:59,009 --> 00:21:02,009 好いたらしいやのぅ フフッ… 217 00:21:08,018 --> 00:21:10,018 お頭 218 00:21:12,022 --> 00:21:18,028 (太平)頑入が来たら 馬鹿な夢は捨てろと言え 219 00:21:18,028 --> 00:21:20,028 弟が何ぞ? 220 00:21:24,034 --> 00:21:29,034 そう言えば分かる よいのぅ? 221 00:21:34,044 --> 00:21:37,047 ハハハッ… 222 00:21:37,047 --> 00:21:41,047 (鳥の鳴き声) 223 00:21:51,061 --> 00:21:53,063 ああ 我としたことが 224 00:21:53,063 --> 00:21:56,066 つい長居をして 勤行に遅れてしもうた 225 00:21:56,066 --> 00:22:00,070 だらしがないぞ 武蔵坊 226 00:22:00,070 --> 00:22:03,070 (読経) ≪(信濃坊)武蔵坊! 227 00:22:07,077 --> 00:22:10,080 なんだ おぬしたちか 228 00:22:10,080 --> 00:22:19,089 (読経) 229 00:22:19,089 --> 00:22:24,027 (信濃坊)宿坊を抜け出して どこへ行ってきた? 230 00:22:24,027 --> 00:22:27,030 夢ん中に 普賢菩薩さまが現れてのぅ 231 00:22:27,030 --> 00:22:31,034 「ついてまいれ」と申されるから ついてったら 道に迷ってしもうた 232 00:22:31,034 --> 00:22:34,037 嘘をつけい! 233 00:22:34,037 --> 00:22:38,041 おおかた どこぞの郎党にでも 成り済まして➡ 234 00:22:38,041 --> 00:22:41,044 室の津辺りへ 遊びに行ったのであろうが 235 00:22:41,044 --> 00:22:43,046 (笑い声) 236 00:22:43,046 --> 00:22:49,052 あっ おぬし 遊び女に逃げられて 暴れたそうだな 237 00:22:49,052 --> 00:22:52,055 なんじゃと? そのときの女がな 238 00:22:52,055 --> 00:22:55,058 「すまぬことをした」と わびておったぞ 239 00:22:55,058 --> 00:22:57,060 おのれ! 240 00:22:57,060 --> 00:23:00,060 ウワッ… やれ! 241 00:23:03,066 --> 00:23:05,068 ウワーッ! 242 00:23:05,068 --> 00:23:07,070 (ぶつかる音) 痛え! 243 00:23:07,070 --> 00:23:10,073 くそ… やれ おら! 244 00:23:10,073 --> 00:23:12,075 (法師たちの力み声) 245 00:23:12,075 --> 00:23:14,077 ンッ! ンンッ! 246 00:23:14,077 --> 00:23:17,080 (法師たち)ウワーッ! 247 00:23:17,080 --> 00:23:20,083 ヤーッ! ウワッ! 248 00:23:20,083 --> 00:23:23,083 そ~れ! ウワーッ! 249 00:23:26,022 --> 00:23:29,025 エーイッ! ウワッ! 250 00:23:29,025 --> 00:23:31,027 そ~れ! ウワーッ! 251 00:23:31,027 --> 00:23:34,030 (ぶつかる音) ウッ! ウウッ… 252 00:23:34,030 --> 00:23:36,030 ヤーッ! 253 00:23:40,036 --> 00:23:43,039 (法師)ウワーッ! 254 00:23:43,039 --> 00:23:45,039 (ぶつかる音) 255 00:23:52,048 --> 00:23:54,050 ヤーッ! 256 00:23:54,050 --> 00:23:57,053 ウワッ! ウワッ! 257 00:23:57,053 --> 00:23:59,055 そ~れ! ウワーッ! 258 00:23:59,055 --> 00:24:02,058 ウワッ! イッテ! 259 00:24:02,058 --> 00:24:04,060 くそがー! 260 00:24:04,060 --> 00:24:08,064 どうだ? 信濃坊 今度は おぬしの番だ 261 00:24:08,064 --> 00:24:11,067 ああ いや いやいやいや 冗談じゃ 冗談じゃ 262 00:24:11,067 --> 00:24:16,072 ちょいと おぬしの力を 試してみたまでじゃ なっ? 263 00:24:16,072 --> 00:24:20,072 おい 者ども 引き揚げるぞ 264 00:24:23,013 --> 00:24:27,017 ハハッ… 口ほどにもない奴だな 265 00:24:27,017 --> 00:24:31,021 ≪ 若! 若! 266 00:24:31,021 --> 00:24:33,023 誰だ!? 267 00:24:33,023 --> 00:24:38,028 鬼若 久しぶりじゃのぅ 268 00:24:38,028 --> 00:24:42,032 その声は 播磨の太平か? 269 00:24:42,032 --> 00:24:46,032 (笑い声) 270 00:24:48,038 --> 00:24:52,042 やっぱり太平か 271 00:24:52,042 --> 00:24:54,044 鬼若 272 00:24:54,044 --> 00:24:58,048 もう鬼若ではない 武蔵坊弁慶だー! 273 00:24:58,048 --> 00:25:05,055 何を偉そうに わしから見れば 悪ガキの鬼若よ 274 00:25:05,055 --> 00:25:08,058 ハハハハッ… 275 00:25:08,058 --> 00:25:11,061 来るか~! ハハハハッ… 276 00:25:11,061 --> 00:25:13,063 ンンッ! 277 00:25:13,063 --> 00:25:16,066 ンン… やりおったな 278 00:25:16,066 --> 00:25:22,005 鬼若 ここじゃ ここじゃ ハハハハッ… 279 00:25:22,005 --> 00:25:26,009 相変わらず神出鬼没じゃのぅ 280 00:25:26,009 --> 00:25:29,012 <不思議な術を使うこの男> 281 00:25:29,012 --> 00:25:33,016 <傀儡の群れの棟梁で 播磨の太平といった> 282 00:25:33,016 --> 00:25:37,020 <その昔 悪さが過ぎて 山へ追われた鬼若を引き取り➡ 283 00:25:37,020 --> 00:25:41,024 比叡山に入るまで面倒を見たのは この男である> 284 00:25:41,024 --> 00:25:43,026 <いわば 弁慶にとっては➡ 285 00:25:43,026 --> 00:25:47,026 育ての親ともいうべき 懐かしい存在であった> 286 00:25:50,033 --> 00:25:54,037 どうじゃ? 太平 仲間は みんな達者か? 287 00:25:54,037 --> 00:25:57,040 近ごろの若い奴らは➡ 288 00:25:57,040 --> 00:26:02,045 傀儡の暮らしを嫌うて 群れを離れていくので困る 289 00:26:02,045 --> 00:26:08,051 おぬしは知るまいが 吹き矢を使う頑入という男なぞ➡ 290 00:26:08,051 --> 00:26:12,055 平知盛の下人に堕落しよった 291 00:26:12,055 --> 00:26:17,060 ハハハハッ… 播磨の棟梁から見れば➡ 292 00:26:17,060 --> 00:26:21,998 今を時めく平家に 仕えるのさえ 「堕落」か ハハッ… 293 00:26:21,998 --> 00:26:24,000 当たり前よ 294 00:26:24,000 --> 00:26:31,007 入道相国は 娘を帝に押しつけて 天下を取った気でいるが… 295 00:26:31,007 --> 00:26:36,012 傀儡は この大和島根 全てが己の土地じゃ 296 00:26:36,012 --> 00:26:41,017 なにが平氏よ なにが公達よ 297 00:26:41,017 --> 00:26:43,019 ハハハハッ… 298 00:26:43,019 --> 00:26:47,023 ところで じい 娘は… ほくろは どうしてる? 299 00:26:47,023 --> 00:26:51,027 俺が いたころ まだ こんなもんだったかな 300 00:26:51,027 --> 00:26:53,029 のう 鬼若 うん? 301 00:26:53,029 --> 00:26:56,032 もう一度 わしらの仲間に入らぬか? 302 00:26:56,032 --> 00:27:02,038 おぬしのような力持ちが いてくれると助かるんじゃがのぅ 303 00:27:02,038 --> 00:27:05,041 すまんが その気はない 304 00:27:05,041 --> 00:27:09,045 どうするんじゃ? これから うん? 305 00:27:09,045 --> 00:27:13,049 いやぁ 俺にも分からんがな 306 00:27:13,049 --> 00:27:19,055 何か こう… 大きなことをしてみたいのよ 307 00:27:19,055 --> 00:27:21,991 胸が張り裂けるほど こう わくわくするようなな 308 00:27:21,991 --> 00:27:27,997 命懸けで 己の生涯を懸けても なお余りある何かだな 309 00:27:27,997 --> 00:27:30,997 やはり 傀儡は あかんか 310 00:27:33,002 --> 00:27:38,007 太平 ハハハッ… 気にするな 鬼若 311 00:27:38,007 --> 00:27:42,011 ため息交じり 誘うてみたまでじゃ 312 00:27:42,011 --> 00:27:45,014 それはそうと おぬし 313 00:27:45,014 --> 00:27:49,018 玉虫という娘を覚えているか? 314 00:27:49,018 --> 00:27:51,020 うん? 315 00:27:51,020 --> 00:27:56,025 それ わしらが 熊野で暮らしていた時分➡ 316 00:27:56,025 --> 00:28:00,029 後白河上皇が熊野へ参詣に 見えられたことがあったじゃろう 317 00:28:00,029 --> 00:28:03,032 おお 覚えてるぞ あれは確か➡ 318 00:28:03,032 --> 00:28:07,036 わしが叡山を抜け出して 熊野に戻ったときであった 319 00:28:07,036 --> 00:28:10,039 権中納言 清盛の娘の 供をしてきていた➡ 320 00:28:10,039 --> 00:28:14,043 乙女子を山賊の手から 助けたことがあったのぅ 321 00:28:14,043 --> 00:28:19,048 それよ それ その乙女子が玉虫というてのぅ 322 00:28:19,048 --> 00:28:23,987 おお 確か 玉虫とか申しておったな 323 00:28:23,987 --> 00:28:26,990 その玉虫がのぅ 324 00:28:26,990 --> 00:28:30,994 去年の秋 熊野へ訪ねて来て➡ 325 00:28:30,994 --> 00:28:37,000 「あのとき わらわを助けてくれた 強い法師どのは おられぬのか」と 326 00:28:37,000 --> 00:28:41,004 もう それはそれは 美しい娘に成人しておった 327 00:28:41,004 --> 00:28:48,011 ふ~ん そうか 玉虫が 俺を訪ねてまいったか 328 00:28:48,011 --> 00:28:53,016 にたにたするな よだれが垂れるぞ 329 00:28:53,016 --> 00:28:55,018 ハハッ… ハハハハッ… 330 00:28:55,018 --> 00:28:58,021 いや いやいや だんだん思い出してまいった 331 00:28:58,021 --> 00:29:00,023 いや そういえばな 332 00:29:00,023 --> 00:29:04,027 わしが山賊どもを片端から こう 谷底へ投げ飛ばすとな 333 00:29:04,027 --> 00:29:07,030 小さなまん丸い目に 涙いっぱいためて➡ 334 00:29:07,030 --> 00:29:10,030 「お法師さまは お強いのぅ」 335 00:29:12,035 --> 00:29:15,035 かわいい子であったな 336 00:29:19,042 --> 00:29:23,980 (玉虫)((お法師は いずこの寺におじゃるのかえ?)) 337 00:29:23,980 --> 00:29:26,983 ((俺は叡山の荒法師)) 338 00:29:26,983 --> 00:29:29,986 ((わらわの名は 玉虫)) 339 00:29:29,986 --> 00:29:33,990 ((俺は… 俺は鬼若)) 340 00:29:33,990 --> 00:29:36,993 ((フフッ…)) 341 00:29:36,993 --> 00:29:38,995 ((ハハッ… な… 何がおかしい?)) 342 00:29:38,995 --> 00:29:42,999 ((フフフッ… これで18とはのぅ)) 343 00:29:42,999 --> 00:29:47,003 ((ほんに 「鬼若」ぞ)) ((余計なお世話だ)) 344 00:29:47,003 --> 00:29:51,007 ((のう 鬼若どの 京に上ったら 遊びに来てたもれ)) 345 00:29:51,007 --> 00:29:54,010 ((皆に お法師どのの力を 見せてやりたいのじゃ)) 346 00:29:54,010 --> 00:29:58,014 ((驚くであろうのぅ)) ((なに あんなのは小手先だ)) 347 00:29:58,014 --> 00:30:01,017 ((100貫の石だって 放り投げてみせるぞ)) 348 00:30:01,017 --> 00:30:05,021 ((わあ 100貫の石をかえ?)) ((おう 力だけではないぞ)) 349 00:30:05,021 --> 00:30:08,024 ((叡山の学僧と論議したって 負けたことはないぞ)) 350 00:30:08,024 --> 00:30:12,028 ((まあ!)) ((それにな 足だって速いぞ)) 351 00:30:12,028 --> 00:30:14,030 ((俺が走ると 嵐が巻き起こる)) 352 00:30:14,030 --> 00:30:19,035 ((のう 見せてたもう 嵐が見たい 嵐が見たい!)) 353 00:30:19,035 --> 00:30:21,037 ((のう?)) ((ハハハハッ…)) 354 00:30:21,037 --> 00:30:23,973 ((そんなに見たいか?)) ((うん)) 355 00:30:23,973 --> 00:30:29,979 ((よし 振り落とされぬように しっかり背中につかまっておれ)) 356 00:30:29,979 --> 00:30:31,981 ((あい)) 357 00:30:31,981 --> 00:30:34,984 ((よ~し いくぞ)) 358 00:30:34,984 --> 00:30:37,987 ((ほっ… ヤーッ!)) 359 00:30:37,987 --> 00:30:41,991 ((わあ~! 速い速い)) 360 00:30:41,991 --> 00:30:47,997 (2人の笑い声) 361 00:30:47,997 --> 00:30:52,001 ((オリャー! ヤーッ!)) 362 00:30:52,001 --> 00:30:57,006 (笑い声) 363 00:30:57,006 --> 00:31:01,010 ((あっあっ 目が回る 目が回る!)) 364 00:31:01,010 --> 00:31:04,013 ((ハハハハッ… ドウドウ!)) 365 00:31:04,013 --> 00:31:07,013 ((目が回る 目が回る!)) 366 00:31:09,018 --> 00:31:13,022 ハァ… そうか 367 00:31:13,022 --> 00:31:17,022 あの玉虫が わしを訪ねてのぅ 368 00:31:19,028 --> 00:31:23,032 …で その玉虫は今どこに? 369 00:31:23,032 --> 00:31:26,035 中宮 徳子の女房で➡ 370 00:31:26,035 --> 00:31:31,040 右京大夫とやらに仕えているとか 371 00:31:31,040 --> 00:31:36,045 京にいるのか ほどほどにせえよ 鬼若 372 00:31:36,045 --> 00:31:39,048 幼い日の礼に来たとて➡ 373 00:31:39,048 --> 00:31:43,052 おぬしに恋い焦がれて来たと 思うたら とんだ恥をかくぞ 374 00:31:43,052 --> 00:31:49,058 がっかりさせるな せっかく知らぬが仏でいたものを 375 00:31:49,058 --> 00:31:53,062 女は ちんちろりんの ちろちろじゃ 376 00:31:53,062 --> 00:31:58,067 何だ? そら おぬし 時々 分からぬこと言うな 377 00:31:58,067 --> 00:32:01,070 触れれば ちろりんと鳴り➡ 378 00:32:01,070 --> 00:32:06,075 触れざれば ちろちろと泣く 魔性の器ということよ 379 00:32:06,075 --> 00:32:11,080 なに? 触れれば ちろりんで 触れざれば ちろちろ? 380 00:32:11,080 --> 00:32:16,085 フッ… 触れてみなきゃ 魔性かどうか分からんではないか 381 00:32:16,085 --> 00:32:19,088 それで 室の津へ遊びに行ったのか 382 00:32:19,088 --> 00:32:22,024 …で どうであった? 383 00:32:22,024 --> 00:32:26,028 何もせずに帰ってきた 384 00:32:26,028 --> 00:32:32,034 あの髪の油のにおいが たまらん いまだに この辺りで におってる 385 00:32:32,034 --> 00:32:35,037 鬼若 うん? 386 00:32:35,037 --> 00:32:39,041 女は遠くで見るものぞ えっ? 387 00:32:39,041 --> 00:32:42,044 さらば 388 00:32:42,044 --> 00:32:46,044 おい 待て待て おい 太平 おい じい 389 00:32:51,053 --> 00:32:56,058 ケッ… 勝手なことばかり言いおって 390 00:32:56,058 --> 00:33:00,058 な~にが ちんちろりんの ちろちろだ 391 00:33:10,072 --> 00:33:14,076 ≪(常陸坊) 武蔵坊! 武蔵坊は いずこぞ 392 00:33:14,076 --> 00:33:19,081 ≪ 武蔵坊! 武蔵坊は ここだ! 393 00:33:19,081 --> 00:33:24,020 (常陸坊)おう ここであったか 何事だ? 394 00:33:24,020 --> 00:33:28,024 何でもいいから これを着けろ 395 00:33:28,024 --> 00:33:31,027 戦でも始まんのか? 396 00:33:31,027 --> 00:33:35,031 信濃坊たちが おぬしを 八つ裂きにすると いきまいてる 397 00:33:35,031 --> 00:33:39,035 チッ… なにぃ? 398 00:33:39,035 --> 00:33:43,039 したが おぬし なんで俺に そう かまうんだ? 399 00:33:43,039 --> 00:33:46,042 馬鹿を見殺しにはできまいが 400 00:33:46,042 --> 00:33:48,042 うん? 401 00:33:50,046 --> 00:33:53,046 ンン… 402 00:33:55,051 --> 00:33:57,051 のう 武蔵坊 403 00:34:00,056 --> 00:34:03,056 ちんちろりんの ちろちろ 404 00:34:05,061 --> 00:34:07,061 何だ? そりゃ 405 00:34:27,016 --> 00:34:30,019 (信濃坊)よいか! 406 00:34:30,019 --> 00:34:33,022 まだ その辺りに 潜んでいるはずじゃ! 407 00:34:33,022 --> 00:34:37,026 あのような破戒坊主を 生かしておいては➡ 408 00:34:37,026 --> 00:34:40,029 書写山 円教寺の恥ぞ 409 00:34:40,029 --> 00:34:44,029 草の根分けても捜し出せ! (法師たち)おう! 410 00:34:56,045 --> 00:34:58,047 (法師)いたか? (法師)いや 411 00:34:58,047 --> 00:35:01,050 捜せ! (法師)はっ! 412 00:35:01,050 --> 00:35:06,055 ハハハハッ… おお やっとんのぅ ああ 勇ましや 勇ましや 413 00:35:06,055 --> 00:35:09,058 たったひとりに この騒ぎだ ハハハハッ… 414 00:35:09,058 --> 00:35:11,060 (法師)いたぞー! (法師)待てー! 415 00:35:11,060 --> 00:35:14,063 (法師)待てー! (法師たち)待てー! 416 00:35:14,063 --> 00:35:17,066 (関節の鳴る音) 常陸坊 見てろ 417 00:35:17,066 --> 00:35:20,069 よっ… あっ 武蔵坊 418 00:35:20,069 --> 00:35:22,004 (法師たち)おおっ… 419 00:35:22,004 --> 00:35:24,006 (法師)ヤーッ! (払いのける音) 420 00:35:24,006 --> 00:35:26,006 (法師たち)ウワーッ! 421 00:35:32,014 --> 00:35:34,014 ウワーッ! 422 00:35:39,021 --> 00:35:41,021 アアーッ! 423 00:35:43,025 --> 00:35:46,025 (法師たち)おおっ… 424 00:35:49,031 --> 00:35:53,031 (法師たちの悲鳴) 425 00:35:56,038 --> 00:36:01,038 信濃坊! 信濃坊! 426 00:36:03,045 --> 00:36:05,045 信濃坊! 427 00:36:14,056 --> 00:36:26,001 (鐘の音) 428 00:36:26,001 --> 00:36:30,005 ≪(鐘の音) 429 00:36:30,005 --> 00:36:34,009 何じゃ? あの早鐘は (法師)一山招集の合図じゃ 430 00:36:34,009 --> 00:36:38,013 誰が そのような命令を出した? (法師)ひょっとして彼奴が? 431 00:36:38,013 --> 00:36:41,016 身の程知らずめが! 432 00:36:41,016 --> 00:36:43,016 急げ! (法師たち)はっ! 433 00:36:45,020 --> 00:36:51,026 (鐘の音) 434 00:36:51,026 --> 00:36:53,028 (覚証)そこな法師 435 00:36:53,028 --> 00:36:56,031 お山を騒がせるのも ほどほどにせぬか 436 00:36:56,031 --> 00:37:01,036 おお そういう御仁は 当山の学頭 覚証どの 437 00:37:01,036 --> 00:37:06,041 まずは それにござって 武蔵坊の大掃除をご覧なされ 438 00:37:06,041 --> 00:37:10,045 (覚証) 無駄な争いは慎まれよ やめんか! 439 00:37:10,045 --> 00:37:13,045 (法師)待てー! (法師たち)待てー! 440 00:37:15,050 --> 00:37:19,054 (信濃坊) おのれ 武蔵坊 何の真似だ? 441 00:37:19,054 --> 00:37:21,054 下りてこ~い! 442 00:37:22,992 --> 00:37:28,998 来たな 信濃坊 旅の客僧 修行者を侮り➡ 443 00:37:28,998 --> 00:37:33,002 これを辱めて悔いることなき おのれのような悪僧は➡ 444 00:37:33,002 --> 00:37:35,004 当山の恥だ! 445 00:37:35,004 --> 00:37:41,010 不動明王に成り代わり この武蔵坊が成敗してくれるわ 446 00:37:41,010 --> 00:37:47,016 黙れ 武蔵坊! おのれこそ 当山を汚す悪僧じゃわ 447 00:37:47,016 --> 00:37:52,021 それ! そこな比叡の大猿をふん縛れ! 448 00:37:52,021 --> 00:37:54,023 (法師たち)おう! 449 00:37:54,023 --> 00:37:58,027 おら 下りてこい! (法師たち)下りてこい! 450 00:37:58,027 --> 00:38:01,027 (突き飛ばす音) (法師たち)ウワーッ! 451 00:38:04,033 --> 00:38:06,035 邪魔するな 452 00:38:06,035 --> 00:38:12,041 目指すは信濃坊 ただ一人 けがをしたくなければ のけい! 453 00:38:12,041 --> 00:38:14,043 ヤーッ! (法師たち)ウオッ… 454 00:38:14,043 --> 00:38:25,988 ♬~ 455 00:38:25,988 --> 00:38:27,990 (信濃坊)おい かかれー! 456 00:38:27,990 --> 00:38:33,996 ♬~ 457 00:38:33,996 --> 00:38:35,998 (殴る音) アアッ! 458 00:38:35,998 --> 00:38:43,005 ♬~ 459 00:38:43,005 --> 00:38:46,008 <弁慶にしてみれば ほんの憂さ晴らしに➡ 460 00:38:46,008 --> 00:38:50,012 信濃坊を懲らしめようと 思ったのかもしれない> 461 00:38:50,012 --> 00:38:54,016 <ところが そこに 悪僧の汚名を天下にとどろかす➡ 462 00:38:54,016 --> 00:38:58,020 全く予想だにしなかった 落とし穴があった> 463 00:38:58,020 --> 00:39:00,020 (殴る音) ウワッ! 464 00:39:03,025 --> 00:39:05,027 この… 465 00:39:05,027 --> 00:39:11,033 ♬~ 466 00:39:11,033 --> 00:39:13,035 ヤーッ! 467 00:39:13,035 --> 00:39:16,038 クッ… 武蔵坊め 468 00:39:16,038 --> 00:39:18,038 やれ! (法師たち)はっ! 469 00:39:32,988 --> 00:39:34,988 (法師)ハハハハッ… 470 00:39:47,002 --> 00:39:52,007 者ども ひるむな! 捕らえい! やっつけてしまえ! 471 00:39:52,007 --> 00:39:54,007 おのれ 勝負だー! 472 00:39:59,014 --> 00:40:02,017 おのれー! 473 00:40:02,017 --> 00:40:04,019 トーッ! (突く音) 474 00:40:04,019 --> 00:40:11,026 (信濃坊)アアッ! 火だ火だ! 武蔵坊が寺に火を放ったぞ! 475 00:40:11,026 --> 00:40:13,026 なに!? 476 00:40:16,031 --> 00:40:18,033 なんということだ 477 00:40:18,033 --> 00:40:23,973 武蔵坊 仏罰を恐れず お山を焼き払う気か! 478 00:40:23,973 --> 00:40:26,976 違う! 火を放ったのは わしではない 479 00:40:26,976 --> 00:40:28,976 馬鹿め! 480 00:40:30,980 --> 00:40:34,984 喧嘩は あとだ! 殺せ! 481 00:40:34,984 --> 00:40:37,984 御仏をお助け申すが先じゃ! 482 00:40:39,989 --> 00:40:41,991 待てー! 483 00:40:41,991 --> 00:40:43,993 (法師たち)ウワーッ! 484 00:40:43,993 --> 00:40:58,007 ♬~ 485 00:40:58,007 --> 00:41:00,007 アア… 486 00:41:03,012 --> 00:41:08,017 (読経) 487 00:41:08,017 --> 00:41:12,021 (信濃坊)だまされるなー! 火をかけたのは彼奴だ 488 00:41:12,021 --> 00:41:16,025 (読経) 489 00:41:16,025 --> 00:41:18,025 (刺さる音) アアッ! 490 00:41:21,030 --> 00:41:26,030 若 ここは わしらに任せて逃げろ 491 00:41:28,037 --> 00:41:33,042 かけたのは わしではないぞー! 492 00:41:33,042 --> 00:41:40,049 いやしくも僧たる身が なんで 仏法の道場に火を放とう? 493 00:41:40,049 --> 00:41:43,052 断じて わしではない! 494 00:41:43,052 --> 00:41:45,052 (叫び声) 495 00:41:47,056 --> 00:41:49,056 (刺す音) アアッ! 496 00:41:51,060 --> 00:41:53,060 (徳)ほくろ! 497 00:41:58,067 --> 00:42:00,069 ヤーッ! ウワッ! 498 00:42:00,069 --> 00:42:02,071 ウワーッ! 499 00:42:02,071 --> 00:42:04,073 ≪(常陸坊)武蔵坊! 500 00:42:04,073 --> 00:42:08,077 おぬしは 信濃坊に はめられたのじゃ 501 00:42:08,077 --> 00:42:11,077 火をつけたは奴らの仕業じゃ 502 00:42:13,082 --> 00:42:17,086 誠か? おう! 503 00:42:17,086 --> 00:42:21,086 おのれ 信濃坊… 504 00:42:26,028 --> 00:42:28,028 あっあっ… 505 00:42:31,033 --> 00:42:35,037 信濃坊 おのれも あっぱれ悪僧ならば➡ 506 00:42:35,037 --> 00:42:41,043 せめてもの償いに この弁慶に討たれて成仏しろ 507 00:42:41,043 --> 00:42:47,049 ほざくな 武蔵坊 成仏するのは おのれじゃ! 508 00:42:47,049 --> 00:42:49,049 くたばれー! 509 00:42:52,054 --> 00:42:54,056 (信濃坊)ウッ! 510 00:42:54,056 --> 00:42:57,059 ウワッ! アアーッ! 511 00:42:57,059 --> 00:43:00,062 (悲鳴) 512 00:43:00,062 --> 00:43:06,068 (振り回す音) (悲鳴) 513 00:43:06,068 --> 00:43:10,072 地獄へ落ちろ! アアッ… 514 00:43:10,072 --> 00:43:16,072 (悲鳴) 515 00:43:40,035 --> 00:43:45,035 オン サルバシチケイ ビシュダラニ ソワカ 516 00:43:47,042 --> 00:43:51,042 オン サルバシチケイ ビシュダラニ ソワカ 517 00:43:53,048 --> 00:43:56,048 オン サルバシチケイ ビシュダラニ ソワカ 518 00:43:58,053 --> 00:44:02,053 オン サルバシチケイ ビシュダラニ ソワカ 519 00:44:05,060 --> 00:44:09,060 (ほくろ)鬼若 何を泣くぞ? 520 00:44:12,067 --> 00:44:15,070 無念なり 武蔵坊 521 00:44:15,070 --> 00:44:22,070 汝 ついに仏法の仇となるか 522 00:44:25,013 --> 00:44:28,016 オン サルバシチケイ ビシュダラニ ソワカ 523 00:44:28,016 --> 00:44:32,016 オン サルバシチケイ ビシュダラニ ソワカ… 524 00:44:35,023 --> 00:44:37,023 鬼若 525 00:44:39,027 --> 00:44:42,027 オン サルバシチケイ ビシュダラニ ソワカ 526 00:44:44,032 --> 00:44:48,032 オン サルバシチケイ ビシュダラニ ソワカ 527 00:44:50,038 --> 00:44:53,038 オン サルバシチケイ ビシュダラニ ソワカ 528 00:44:55,043 --> 00:44:58,046 オン サルバシチケイ ビシュダラニ ソワカ 529 00:44:58,046 --> 00:45:04,052 <このとき 武蔵坊弁慶 26歳> 530 00:45:04,052 --> 00:45:10,052 <惜しむらくは いまだ人生の目的を持たなかった> 531 00:45:12,060 --> 00:45:15,060 オン サルバシチケイ ビシュダラニ ソワカ 532 00:56:12,153 --> 00:56:13,021 533 00:56:13,021 --> 00:56:17,025 「時代劇専門チャンネル」の 全てが分かる番組情報誌 534 00:56:17,025 --> 00:56:19,025 『時代劇専門チャンネルガイド』 535 00:56:25,033 --> 00:56:27,035 番組表・コラム 536 00:56:27,035 --> 00:56:31,039 時代劇クロスワードなど読み応え十分! 537 00:56:31,039 --> 00:56:33,039 更に… 538 00:56:36,044 --> 00:56:38,044 いま お問い合わせ いただくと… 539 00:57:06,074 --> 00:57:08,076 そして もうひとつは ホームページ 540 00:57:08,076 --> 00:57:11,076 お申し込み お待ちしております