1 00:01:22,218 --> 00:01:24,218 2 00:01:28,091 --> 00:01:48,111 ♬~ 3 00:01:48,111 --> 00:02:08,131 ♬~ 4 00:02:08,131 --> 00:02:28,084 ♬~ 5 00:02:28,084 --> 00:02:48,104 ♬~ 6 00:02:48,104 --> 00:03:08,124 ♬~ 7 00:03:08,124 --> 00:03:28,077 ♬~ 8 00:03:28,077 --> 00:03:48,097 ♬~ 9 00:03:48,097 --> 00:03:58,097 ♬~ 10 00:04:05,114 --> 00:04:09,118 (語り) <頼朝の命により 義経一行は➡ 11 00:04:09,118 --> 00:04:14,123 鎌倉を目前にしながら 立ち入ることを許されなかった> 12 00:04:14,123 --> 00:04:16,125 (義経)それ! 13 00:04:16,125 --> 00:04:20,125 <ついに 弁慶が最も恐れていた 事態が起こったのである> 14 00:04:24,066 --> 00:04:28,070 <厳しい鎌倉勢の監視下➡ 15 00:04:28,070 --> 00:04:32,074 腰越 万福寺に 事実上 監禁されたのである> 16 00:04:32,074 --> 00:04:37,079 <義経は 万福寺の堂に籠もって謹慎した> 17 00:04:37,079 --> 00:04:40,082 <家来たちも それにならった> 18 00:04:40,082 --> 00:04:45,087 <死の恐怖と 隣り合わせの瞑想である> 19 00:04:45,087 --> 00:04:50,092 <しかし 5日たち 7日たっても➡ 20 00:04:50,092 --> 00:04:54,096 鎌倉からは何の沙汰もなかった> 21 00:04:54,096 --> 00:04:58,096 <そして 10日を過ぎた> 22 00:05:05,107 --> 00:05:10,112 (弁慶) 殿 夕餉をお持ちいたしました 23 00:05:10,112 --> 00:05:12,112 よい 24 00:05:14,116 --> 00:05:18,120 お体に障りまするぞ 25 00:05:18,120 --> 00:05:26,062 体など どうなろうと 兄上に心さえ届けば 26 00:05:26,062 --> 00:05:29,062 焦ってはなりません 27 00:05:31,067 --> 00:05:34,070 弁慶 はっ… 28 00:05:34,070 --> 00:05:38,074 わしの気持ち 兄上に… 29 00:05:38,074 --> 00:05:42,074 かなり通じます 必ず 30 00:05:46,082 --> 00:05:49,082 誠 そう思うか? 31 00:05:51,087 --> 00:05:56,087 あっ それよりも まず お召し上がりなされませ 32 00:06:00,096 --> 00:06:02,096 弁慶 はっ! 33 00:06:05,101 --> 00:06:08,104 兄上に文をしたためる 34 00:06:08,104 --> 00:06:12,104 ほう… かしこまって候 35 00:06:32,061 --> 00:06:34,061 もどかしい… 36 00:07:21,110 --> 00:07:25,047 「義経 鎌倉に入れられざるの間➡ 37 00:07:25,047 --> 00:07:30,052 その真意を述ぶるに かなわず いたずらに数日を送る」 38 00:07:30,052 --> 00:07:34,056 「事ここに至りても 兄上の尊顔を拝し奉らず➡ 39 00:07:34,056 --> 00:07:38,060 肉親の情を交わすこと むなしきに似たり」 40 00:07:38,060 --> 00:07:43,060 「運命の窮まるところか 前世からの因縁か」 41 00:07:46,068 --> 00:07:48,068 「悲しきかな」 42 00:07:50,072 --> 00:07:52,072 「悲しきかな」 43 00:07:54,076 --> 00:07:59,081 「悲しきかな 悲しき」… 44 00:07:59,081 --> 00:08:16,098 ♬~ 45 00:08:16,098 --> 00:08:20,102 僭越ながら 御免 46 00:08:20,102 --> 00:08:36,051 ♬~ 47 00:08:36,051 --> 00:08:42,057 《源義経 恐れながら申し上げ候》 48 00:08:42,057 --> 00:08:46,061 《意趣は 御代官の そのひとつに選ばれ➡ 49 00:08:46,061 --> 00:08:51,066 勅宣の御使いとして 朝敵を傾け➡ 50 00:08:51,066 --> 00:08:57,072 累代弓箭の芸を顕し 会稽の恥辱をそそぐ》 51 00:08:57,072 --> 00:09:01,076 《抽賞を行わるべきのところ➡ 52 00:09:01,076 --> 00:09:08,083 思いのほかに 虎口の讒言によって 莫大の勲功を黙止せらる》 53 00:09:08,083 --> 00:09:14,089 《義経 犯すことなくして 咎をこうむる》 54 00:09:14,089 --> 00:09:19,094 <頼朝に ひたすら 恭順の意を表した この手紙こそ➡ 55 00:09:19,094 --> 00:09:23,094 史上 名高い 「腰越状」である> 56 00:09:28,037 --> 00:09:30,037 (時政)いかがかな? 57 00:09:35,044 --> 00:09:39,048 (頼朝) 九郎は真心を尽くしさえすれば➡ 58 00:09:39,048 --> 00:09:44,053 人の心は動くと まだ信じておる 59 00:09:44,053 --> 00:09:46,055 (時政)いやぁ 九郎どのには➡ 60 00:09:46,055 --> 00:09:50,059 謀反の気持ちは 毛頭なきようじゃが 61 00:09:50,059 --> 00:09:53,062 あるなしではない 62 00:09:53,062 --> 00:10:00,069 九郎のような無垢な男は 悪人より始末が悪い 63 00:10:00,069 --> 00:10:05,074 こうと思い込んだら 後先なしに突っ走る 64 00:10:05,074 --> 00:10:12,081 時政どの かえって 決心がつき申した 65 00:10:12,081 --> 00:10:15,084 (時政)では すぐにでも 66 00:10:15,084 --> 00:10:20,089 (頼朝)いや… 待つのじゃ 67 00:10:20,089 --> 00:10:22,024 いつまで? 68 00:10:22,024 --> 00:10:27,029 この頼朝の命が狙われる日まで 69 00:10:27,029 --> 00:10:30,032 なんと! 70 00:10:30,032 --> 00:10:34,036 九郎に心利いたる家人があらば➡ 71 00:10:34,036 --> 00:10:39,036 わしの命を奪って 事の打開を図ろう 72 00:10:42,044 --> 00:10:49,051 九郎を徴するために これ以上 立派な名目はあるまい 73 00:10:49,051 --> 00:11:03,065 ♬~ 74 00:11:03,065 --> 00:11:09,071 <義経は 頼朝の勘気が 解けることを信じていた> 75 00:11:09,071 --> 00:11:14,076 <兄弟が殺し合うことなど 思案のほかである> 76 00:11:14,076 --> 00:11:16,078 <しかし…> 77 00:11:16,078 --> 00:11:20,078 (忠信)いかがでござる? 弁慶どの ご返答は? 78 00:11:22,084 --> 00:11:28,090 「鎌倉どのを討つ」か ああ 陰惨じゃのぅ 79 00:11:28,090 --> 00:11:32,094 賛同も賛成も いたしたくないのぅ 80 00:11:32,094 --> 00:11:35,097 (経春) のんきすぎはせぬか? 弁慶どの 81 00:11:35,097 --> 00:11:39,101 (鷲尾)もはや 鎌倉の出方は見えており申す 82 00:11:39,101 --> 00:11:43,105 (為春)弁慶どの このままでは 座して死を待つのみじゃ 83 00:11:43,105 --> 00:11:45,107 我ら郎党をふた手に分け➡ 84 00:11:45,107 --> 00:11:48,110 一隊は殿をお守りして 腰越より落ち➡ 85 00:11:48,110 --> 00:11:52,114 一隊は ひそかに潜入して 鎌倉どのを 86 00:11:52,114 --> 00:11:55,117 無論 忠信は その先鋒を務める所存でござる 87 00:11:55,117 --> 00:11:57,119 これ 忠信 88 00:11:57,119 --> 00:12:02,119 おぬしは 兄の継信の分まで生きねばならん 89 00:12:06,128 --> 00:12:09,131 おい 三郎 おぬしは どう考える? 90 00:12:09,131 --> 00:12:13,135 (伊勢)俺は死ぬのは ごめんだね 91 00:12:13,135 --> 00:12:18,140 だがよ 仲間に死なれるのは もっとごめんだ 92 00:12:18,140 --> 00:12:22,077 あとは弁慶に任せるよ うむ… 93 00:12:22,077 --> 00:12:24,079 常陸坊は? 94 00:12:24,079 --> 00:12:28,083 (常陸坊) 仏の御心にすがり 経を読む 95 00:12:28,083 --> 00:12:31,086 (伊勢)おいおい そういうことを 坊主が低い声で言うなよ 96 00:12:31,086 --> 00:12:33,088 すまん 97 00:12:33,088 --> 00:12:36,091 亀井 (亀井)忠信どのに同意 98 00:12:36,091 --> 00:12:39,094 行方 (行方)お任せいたしまする 99 00:12:39,094 --> 00:12:41,096 喜三太は? (喜三太)私は何があっても➡ 100 00:12:41,096 --> 00:12:43,098 殿のおそばにいることでござる 101 00:12:43,098 --> 00:12:46,101 それで 武蔵坊の考えは? 102 00:12:46,101 --> 00:12:48,101 わしか? 103 00:12:50,105 --> 00:12:55,110 わしはな 水遊びをする 104 00:12:55,110 --> 00:12:58,113 (伊勢)水遊び!? (ざわめき) 105 00:12:58,113 --> 00:13:03,118 殿はな ひたすら 鎌倉どのに許しを請うておられる 106 00:13:03,118 --> 00:13:07,122 そのためにこそ 文を書いた だからって 水遊びなのかよ? 107 00:13:07,122 --> 00:13:12,127 わしはな 紙に文字を 書くことだけが文ではないと思う 108 00:13:12,127 --> 00:13:14,129 我らの振る舞いも文字になる 109 00:13:14,129 --> 00:13:17,132 我ら ひとりびとりが 殿の文字となって➡ 110 00:13:17,132 --> 00:13:22,070 殿の純粋無垢な お心を 鎌倉どのに訴えるのだ 111 00:13:22,070 --> 00:13:25,070 その前に… (忠信)その前に? 112 00:13:32,080 --> 00:13:34,082 みんな ひげをそれ 113 00:13:34,082 --> 00:13:39,087 純真無垢が そんなむさい顔では 具合が悪かろうが 114 00:13:39,087 --> 00:13:49,087 (笑い声) 115 00:13:52,100 --> 00:13:54,102 ウワーッ! 116 00:13:54,102 --> 00:13:58,106 (騒ぎ声) 117 00:13:58,106 --> 00:14:00,106 そ~れ! 118 00:14:03,111 --> 00:14:06,114 ≪(伊勢)みんな ついてこ~い! 119 00:14:06,114 --> 00:14:11,119 (はしゃぎ声) 120 00:14:11,119 --> 00:14:13,119 弁慶どの! 弁慶どの! 121 00:14:16,124 --> 00:14:19,127 よ~し… ウワッ! 122 00:14:19,127 --> 00:14:21,129 ウワッ! 123 00:14:21,129 --> 00:14:31,073 ♬~ 124 00:14:31,073 --> 00:14:34,073 どうだ! (経春)ウワッ! 125 00:14:37,079 --> 00:14:39,079 (鳥の鳴き声) 126 00:14:41,083 --> 00:14:45,087 (笑い声) 127 00:14:45,087 --> 00:14:47,089 こっそり見てまいった 128 00:14:47,089 --> 00:14:52,094 ああ やはり見張りの者の 申すとおりでござったわ ハハッ… 129 00:14:52,094 --> 00:14:54,096 (政子) 例の水遊びでございますか? 130 00:14:54,096 --> 00:14:57,099 おお まるで子供の遊びのように➡ 131 00:14:57,099 --> 00:15:00,102 喜々として遊んでおったわ ハハハッ… 132 00:15:00,102 --> 00:15:03,105 ハァ… しかし この非常の時に➡ 133 00:15:03,105 --> 00:15:08,110 あれは不謹慎なのか 大胆不敵なのか 134 00:15:08,110 --> 00:15:10,112 それとも単なる馬鹿なのか 135 00:15:10,112 --> 00:15:14,116 (政子)どちらにしろ 坂東武者には思いもつかぬ遊び心 136 00:15:14,116 --> 00:15:17,119 誰が 思いついたのでございましょう 137 00:15:17,119 --> 00:15:21,123 (時政)九郎どのの軍師は ほれ あの武蔵坊弁慶とやら申す… 138 00:15:21,123 --> 00:15:23,058 (政子)ああ 139 00:15:23,058 --> 00:15:27,058 京で噂の力自慢の大男でしたな 140 00:15:39,074 --> 00:15:45,080 (頼朝) 人の読みを外し 敵意を鈍らせる 141 00:15:45,080 --> 00:15:48,083 憎い奴じゃ 142 00:15:48,083 --> 00:15:53,083 (政子)この勝負 佐殿の負けじゃな 143 00:15:56,091 --> 00:16:02,091 ひとまず その弁慶とやらに花を持たせるか 144 00:16:05,100 --> 00:16:10,100 (笑い声) 145 00:16:14,109 --> 00:16:16,111 (亀井)いやぁ なかなかね 146 00:16:16,111 --> 00:16:20,115 <京に戻るよう 鎌倉から沙汰があったのは➡ 147 00:16:20,115 --> 00:16:22,050 その翌日のことである> 148 00:16:22,050 --> 00:16:24,052 やったー! (家臣)やった? 149 00:16:24,052 --> 00:16:28,056 帰れる 帰れる帰れる 都に帰れる! 150 00:16:28,056 --> 00:16:30,058 (忠信)本当か? おい 151 00:16:30,058 --> 00:16:36,064 <死を覚悟していた家来にとっては 正に奇跡の生還だった> 152 00:16:36,064 --> 00:16:38,066 <だが…> 153 00:16:38,066 --> 00:16:58,086 ♬~ 154 00:16:58,086 --> 00:17:10,098 ♬~ 155 00:17:10,098 --> 00:17:12,100 殿… 156 00:17:12,100 --> 00:17:21,109 ♬~ 157 00:17:21,109 --> 00:17:25,047 わしが甘かった 158 00:17:25,047 --> 00:17:31,047 <義経の兄弟愛は いつしか憎しみに変わっていた> 159 00:17:35,057 --> 00:17:37,059 (せみの鳴き声) 160 00:17:37,059 --> 00:17:40,062 (八条女院)それにしても ほんに➡ 161 00:17:40,062 --> 00:17:46,068 よう生きて 京に帰ってこられたものじゃ 162 00:17:46,068 --> 00:17:53,075 あの頼朝が いったん罠に かかった獲物をよくぞ手放した 163 00:17:53,075 --> 00:17:59,081 フフフッ… さぞかし そちが機転を利かせたのであろう 164 00:17:59,081 --> 00:18:02,084 いやぁ 機転も何も 165 00:18:02,084 --> 00:18:07,089 我らが腰越で いたしたことは 水遊びだけでござった 166 00:18:07,089 --> 00:18:10,092 水遊び? はっ… 167 00:18:10,092 --> 00:18:14,096 いやぁ あまり待たされるので もう それがしなどは➡ 168 00:18:14,096 --> 00:18:17,099 釣り三昧の毎日でござった ハハハッ… 169 00:18:17,099 --> 00:18:20,102 おお そうか 170 00:18:20,102 --> 00:18:25,040 無策の策ほど最上の策という フフッ… 171 00:18:25,040 --> 00:18:30,045 武蔵坊は 究極の知恵者じゃのぅ 172 00:18:30,045 --> 00:18:33,048 フフフフッ… 173 00:18:33,048 --> 00:18:37,052 いやぁ 過分のお言葉 恐れ入りまする 174 00:18:37,052 --> 00:18:40,055 これから九郎は どうする? 175 00:18:40,055 --> 00:18:45,060 鎌倉と 事を構えるための戦支度か? 176 00:18:45,060 --> 00:18:47,062 めっそうもござりません 177 00:18:47,062 --> 00:18:53,068 戦などと 我が主に限って 毛頭 考えておりません 178 00:18:53,068 --> 00:18:55,068 ほう 勝てぬからか? 179 00:18:58,073 --> 00:19:06,081 いや… 勝てるとか勝てぬと いうことではございません 180 00:19:06,081 --> 00:19:11,086 この度の争いは いわば兄弟喧嘩 181 00:19:11,086 --> 00:19:17,092 たかが兄弟喧嘩に 何百何千という兵の血を流し➡ 182 00:19:17,092 --> 00:19:24,032 何万何十万という無辜の民を 塗炭の苦しみに追いやることなど 183 00:19:24,032 --> 00:19:28,036 到底 許されることではございません 184 00:19:28,036 --> 00:19:34,042 あっぱれ! 九郎は日本一の武将じゃ 185 00:19:34,042 --> 00:19:40,042 されど 向こうが戦を望めば どうする? 弁慶 186 00:19:43,051 --> 00:19:51,059 それがし 腰越で ひらめという魚をよく釣り申した 187 00:19:51,059 --> 00:19:54,062 ひらめは敵に襲われると➡ 188 00:19:54,062 --> 00:20:01,069 海の底に じ~っと横になって 待っているのだそうでござります 189 00:20:01,069 --> 00:20:03,071 なるほど 190 00:20:03,071 --> 00:20:09,077 …とはいえ 海の上のことも 細かく知りたいのが➡ 191 00:20:09,077 --> 00:20:12,077 ひらめの気持ちかと存じます 192 00:20:15,083 --> 00:20:18,086 相分かった 193 00:20:18,086 --> 00:20:23,024 海の上のことは これまで以上に逐一 194 00:20:23,024 --> 00:20:29,030 わらわが 海の底のひらめに教えて進ぜよう 195 00:20:29,030 --> 00:20:34,030 はっ… 何とぞ よしなに 196 00:20:41,042 --> 00:20:44,042 静! ≪(静)はい 197 00:20:51,052 --> 00:20:55,056 静は いつか わしに➡ 198 00:20:55,056 --> 00:20:58,059 「この世で確かに信じられるのは➡ 199 00:20:58,059 --> 00:21:02,063 血のつながりだけじゃ」と 申したことがあったのぅ 200 00:21:02,063 --> 00:21:05,066 (静)はい 201 00:21:05,066 --> 00:21:10,066 今でも そう思うているか? (静)はい 202 00:21:14,075 --> 00:21:21,082 わしが もし 血のつながりなど 全く信ぜぬ男になったら➡ 203 00:21:21,082 --> 00:21:23,082 そなた どうする? 204 00:21:26,087 --> 00:21:28,087 静は かまいませぬ 205 00:21:33,094 --> 00:21:37,094 弁慶は どうであろうのぅ 206 00:21:41,102 --> 00:21:46,102 それは お悲しみでござりましょう 207 00:22:00,121 --> 00:22:02,121 (義経)これを 208 00:22:08,129 --> 00:22:10,131 (静)ご返事は? 209 00:22:10,131 --> 00:22:15,131 要らぬ 燃やせと申せ 210 00:22:17,138 --> 00:22:20,138 (ひぐらしの鳴き声) 211 00:22:22,077 --> 00:22:28,083 <右京大夫は京郊外の西山にいた> 212 00:22:28,083 --> 00:22:33,088 <都には近いが 草深い田舎である> 213 00:22:33,088 --> 00:22:36,091 <そこへ訪ねて来た 弁慶の使いの者に➡ 214 00:22:36,091 --> 00:22:40,091 右京大夫は小さな嘘をついた> 215 00:22:45,100 --> 00:22:49,104 (小玉虫)のう かかさま あのお方 216 00:22:49,104 --> 00:22:52,107 ひょっとして ととさまの お使いではありませぬか? 217 00:22:52,107 --> 00:22:56,111 (玉虫) ああ ならばよいが 違いましょう 218 00:22:56,111 --> 00:23:00,115 ととさまの使いの者ならば 私たちに会わずに帰りますまい 219 00:23:00,115 --> 00:23:02,115 さあ… 220 00:23:09,124 --> 00:23:11,126 (亀井)武蔵坊どの 221 00:23:11,126 --> 00:23:14,129 おお どうであった? 222 00:23:14,129 --> 00:23:16,131 はっ… お風邪を お召しのようでございました 223 00:23:16,131 --> 00:23:18,133 お風邪を? 224 00:23:18,133 --> 00:23:22,070 まあ 大したことはないと おお そうか うん 225 00:23:22,070 --> 00:23:26,074 …で ほかに何か おっしゃってはおらなんだか? 226 00:23:26,074 --> 00:23:30,078 特には何も うむ… 227 00:23:30,078 --> 00:23:34,078 いや ご苦労であったな はっ… 228 00:23:40,088 --> 00:23:47,088 そうか 右京大夫さまのもとへも まいっておらなんだか 229 00:23:50,098 --> 00:23:52,098 (ため息) 230 00:23:57,105 --> 00:23:59,107 (常陸坊)おお 遅かったのぅ 231 00:23:59,107 --> 00:24:03,111 女院さまに 無心のことは切り出せなんだ 232 00:24:03,111 --> 00:24:06,114 すまん! いや もういいのだ 233 00:24:06,114 --> 00:24:10,118 実はのぅ 金売りの吉次から これが届いた 234 00:24:10,118 --> 00:24:12,120 来たか! ああ 235 00:24:12,120 --> 00:24:18,126 やれ助かった! (2人の笑い声) 236 00:24:18,126 --> 00:24:22,063 のう 常陸坊 これで我らは いつまで食える? 237 00:24:22,063 --> 00:24:26,067 まあ 半年だな 1年分 貸せと頼んだんだが 238 00:24:26,067 --> 00:24:28,069 いやぁ まあ それは しかたがあるまい 239 00:24:28,069 --> 00:24:31,072 吉次もな 奥州の手の者という立場もある 240 00:24:31,072 --> 00:24:34,075 そうそう我らに 肩入れせよとは申せまい 241 00:24:34,075 --> 00:24:37,078 しかし 兵糧を絶つとは➡ 242 00:24:37,078 --> 00:24:40,081 鎌倉も陰険なことをする まったくのぅ 243 00:24:40,081 --> 00:24:45,086 殿には ご自分の領地がない 鎌倉の仕送りだけが頼りだった 244 00:24:45,086 --> 00:24:50,091 それを今後一切 行わぬなどと 嫌がらせにしても愛嬌がない 245 00:24:50,091 --> 00:24:52,093 そうやのぅ うむ… 246 00:24:52,093 --> 00:24:55,096 ≪(家臣たちの笑い声) 247 00:24:55,096 --> 00:24:59,100 おお 屈託がないのぅ ハハハッ… あれか 248 00:24:59,100 --> 00:25:02,103 若の前さまは歌をよくする 249 00:25:02,103 --> 00:25:04,105 …で 今日から 手の空いてる郎党どもが➡ 250 00:25:04,105 --> 00:25:07,108 歌をお習いすることに なったのじゃ 251 00:25:07,108 --> 00:25:09,110 ふ~ん… 誰が言いだした? 252 00:25:09,110 --> 00:25:12,113 伊勢三郎 三郎が? 253 00:25:12,113 --> 00:25:14,115 (笑い声) 254 00:25:14,115 --> 00:25:23,057 (若の前) 「身にしみて 思う心の年ふれば➡ 255 00:25:23,057 --> 00:25:30,057 ついに色にも 出でぬべきかな 出でぬべきかな」 256 00:25:32,066 --> 00:25:34,068 (若の前)経春さま (経春)はっ! 257 00:25:34,068 --> 00:25:38,072 この歌をお作りになったのは? 258 00:25:38,072 --> 00:25:40,072 あっあっ… 259 00:25:42,076 --> 00:25:44,078 権の中納言 敦忠でござる 260 00:25:44,078 --> 00:25:48,082 はい よくできました (経春)はい 261 00:25:48,082 --> 00:25:51,085 (若の前)三郎さま (伊勢)はっ! 262 00:25:51,085 --> 00:25:54,088 フフッ… 三郎さま (伊勢)はい 263 00:25:54,088 --> 00:25:56,090 これを歌うてみてくださいませ 264 00:25:56,090 --> 00:25:58,092 (笑い声) 265 00:25:58,092 --> 00:26:02,096 身にしみて… 身にしみて 266 00:26:02,096 --> 00:26:07,101 お硬くならずに どうぞ 267 00:26:07,101 --> 00:26:12,106 身にしみて… 出でぬべきかな 268 00:26:12,106 --> 00:26:15,109 (笑い声) 269 00:26:15,109 --> 00:26:19,113 若の前さま 未熟をおわびいたします 270 00:26:19,113 --> 00:26:23,051 ああ 気にしてはなりませぬ 271 00:26:23,051 --> 00:26:30,058 あっ さあ これを 今の歌が書いてございます 272 00:26:30,058 --> 00:26:32,060 はっ… 273 00:26:32,060 --> 00:26:35,063 ちょ ごめん ごめんな 274 00:26:35,063 --> 00:26:37,063 どうぞ (伊勢)はい 275 00:26:44,072 --> 00:26:48,076 フフッ… 「身にしみて」… 276 00:26:48,076 --> 00:26:51,076 フフッ… ハハッ… 277 00:26:54,082 --> 00:27:00,088 うん? こら重いのぅ どこの払いだ? 278 00:27:00,088 --> 00:27:04,092 (常陸坊)静どのへの お手当じゃ 279 00:27:04,092 --> 00:27:08,096 ああ なるほど ハハッ… 重いはずじゃのぅ 280 00:27:08,096 --> 00:27:12,100 鎌倉からの仕送りが 絶たれたのを知りながら 281 00:27:12,100 --> 00:27:16,104 殿は 暮らし向きに無頓着すぎる 282 00:27:16,104 --> 00:27:20,108 ハハハッ… まあ そう言うな 283 00:27:20,108 --> 00:27:26,047 無頓着であればこそ あれだけ純真無垢でおわすのだ 284 00:27:26,047 --> 00:27:30,051 わしは そこに惚れて家人になった 285 00:27:30,051 --> 00:27:34,051 暮らし向きのことなど 気にする殿の姿など見とうもない 286 00:27:40,061 --> 00:27:45,066 いやぁ まあ 弱気を出すな 今はな ひらめでいるときなのじゃ 287 00:27:45,066 --> 00:27:47,068 ひらめ? 288 00:27:47,068 --> 00:27:50,071 そうじゃ ひらめじゃ のう? 289 00:27:50,071 --> 00:27:53,074 ほれ そ~れ ひらめじゃ ひらめじゃ ひらめじゃ 290 00:27:53,074 --> 00:27:55,076 ハハハハッ… 291 00:27:55,076 --> 00:27:59,080 そ~れ ひらめじゃ! ハハハハッ… 292 00:27:59,080 --> 00:28:02,083 (時政)九郎どのの日干しが 食膳に上るのは➡ 293 00:28:02,083 --> 00:28:04,085 もそっと日時が かかりそうじゃな 294 00:28:04,085 --> 00:28:07,088 今 向こうの出費は どのように? 295 00:28:07,088 --> 00:28:11,092 (時政)うむ… 例の弁慶が 兵糧集めに飛び回っておるらしい 296 00:28:11,092 --> 00:28:16,097 いやぁ 借受の署名が 「源頼朝」と書いてあるそうな 297 00:28:16,097 --> 00:28:20,097 (政子と時政の笑い声) 298 00:28:23,037 --> 00:28:30,044 弁慶とは 稀に見る豪傑 会うてみたかった 299 00:28:30,044 --> 00:28:34,044 (頼朝)いずれ追い詰められて 拳を突き出してくる 300 00:28:36,050 --> 00:28:40,054 佐殿は腰越で 弁慶の奇策に不覚を取ったが➡ 301 00:28:40,054 --> 00:28:44,058 よほど 腹に据えかねると見えまする 302 00:28:44,058 --> 00:28:48,058 こたびも追い詰められねば いかがなさる? 303 00:28:51,065 --> 00:28:53,065 いかがするかな 304 00:28:57,071 --> 00:28:59,073 ハアッ! ヤッ! 305 00:28:59,073 --> 00:29:01,075 おお 忠信 306 00:29:01,075 --> 00:29:04,078 あっ 今宵は宿直であったな はい 307 00:29:04,078 --> 00:29:10,084 実は 告げ口めくのですが… うん? 何だ? 申してみよ 308 00:29:10,084 --> 00:29:12,086 このところ 殿は➡ 309 00:29:12,086 --> 00:29:15,089 連夜 静どののもとに お泊まりでございますな 310 00:29:15,089 --> 00:29:20,094 おう それが? その殿を毎夜こっそり… 311 00:29:20,094 --> 00:29:24,031 うん? 誰か訪ねて来るのか? はい 312 00:29:24,031 --> 00:29:28,031 誰だ? 新宮十郎行家どの 313 00:29:30,037 --> 00:29:32,039 まさか 314 00:29:32,039 --> 00:29:35,042 間違いはござらん 喜三太が確かに見たと 315 00:29:35,042 --> 00:29:40,047 それで 喜三太も 随分 悩んだあげく 拙者に 316 00:29:40,047 --> 00:29:47,054 <新宮十郎行家は 義経の叔父だが 節操のある人物とはいえない> 317 00:29:47,054 --> 00:29:51,058 <木曽義仲も この行家に裏切られている> 318 00:29:51,058 --> 00:29:53,060 (十郎)上総の上総介 319 00:29:53,060 --> 00:29:58,065 下総の下河辺 相模の波多野 320 00:29:58,065 --> 00:30:02,069 こちらに寝返る手はずと相なった 321 00:30:02,069 --> 00:30:07,074 (十郎) 頼朝が びっくり仰天しようぞ 322 00:30:07,074 --> 00:30:12,074 どうじゃ? 我が兵法に抜かりはあるまいが 323 00:30:14,081 --> 00:30:18,085 あとは 鎌倉追討の院宣でござりまするな 324 00:30:18,085 --> 00:30:22,023 院宣のことも それがしに任せておけ 325 00:30:22,023 --> 00:30:29,030 それより おぬし 弁慶に事を打ち明けたのか? 326 00:30:29,030 --> 00:30:32,033 今日明日にも 327 00:30:32,033 --> 00:30:35,036 そう言って 何日になる? 328 00:30:35,036 --> 00:30:39,036 まさか まだ迷っているのではあるまいな 329 00:30:41,042 --> 00:30:44,045 迷いは腰越の海に捨ててまいった 330 00:30:44,045 --> 00:30:46,045 フフッ… 331 00:31:03,064 --> 00:31:06,064 (玉虫)お方さま 何か? 332 00:31:09,070 --> 00:31:15,070 (右京大夫)先ほどの男は 弁慶どのの使いの者です 333 00:31:17,078 --> 00:31:19,080 (右京大夫) わらわは嘘をつきました 334 00:31:19,080 --> 00:31:22,083 気づいておったに 335 00:31:22,083 --> 00:31:25,083 ああ お方さま 336 00:31:27,088 --> 00:31:32,093 親子3人 仲むつまじく暮らすため➡ 337 00:31:32,093 --> 00:31:37,098 そなたと小玉虫は去っていく 338 00:31:37,098 --> 00:31:45,106 それに引き換え わらわは このあばら家に たったひとり 339 00:31:45,106 --> 00:31:52,113 待つ人も 待ってくれる人もいない 340 00:31:52,113 --> 00:31:55,116 そう思うと➡ 341 00:31:55,116 --> 00:32:00,121 寂しくて むなしくて 342 00:32:00,121 --> 00:32:05,126 ハァ… 恥ずかしいことをしました 343 00:32:05,126 --> 00:32:09,130 このまま絶えてしまいたい (玉虫)お方さま 344 00:32:09,130 --> 00:32:15,136 ♬~ 345 00:32:15,136 --> 00:32:21,142 どうぞ そんなに ご自分をお責めくださいますな 346 00:32:21,142 --> 00:32:26,080 ♬~ 347 00:32:26,080 --> 00:32:31,085 堀川の 義経どのの館におるそうじゃ 348 00:32:31,085 --> 00:32:37,085 さあ 小玉虫を起こして すぐに出かけなされ 349 00:32:39,093 --> 00:32:42,096 離れた暮らしのほうが ずっと長く 350 00:32:42,096 --> 00:32:47,101 すぐに会わねば困るという事情も ございませぬ 351 00:32:47,101 --> 00:32:52,101 互いの無事さえ分かっておれば それでよいのでございます 352 00:32:54,108 --> 00:32:58,108 お行きなさい 早く 何をぐずぐずしておるのじゃ 353 00:33:00,114 --> 00:33:04,118 もはや夜 夜道は危のうござる 354 00:33:04,118 --> 00:33:09,118 そなたたちの思いが 夜道を明るく照らすはず 355 00:33:12,126 --> 00:33:17,131 明日の朝 早くにたち 夕刻には戻りまする 356 00:33:17,131 --> 00:33:20,134 戻らずともよい 戻ってきてくれるな 357 00:33:20,134 --> 00:33:22,069 お方さま 358 00:33:22,069 --> 00:33:33,080 ♬~ 359 00:33:33,080 --> 00:33:43,080 ♬~ 360 00:33:54,101 --> 00:33:56,103 (十郎)弁慶 361 00:33:56,103 --> 00:34:01,103 行家どの お久しゅうござる ハハハハッ… 362 00:34:04,111 --> 00:34:10,117 いやぁ このような所で お会いできるとは奇遇でござるな 363 00:34:10,117 --> 00:34:13,120 こんな所で何をしておる? 月見か? 364 00:34:13,120 --> 00:34:16,120 いや 花見でござる はぁ? 365 00:34:18,125 --> 00:34:23,064 行家どの とくとご覧なされ 366 00:34:23,064 --> 00:34:27,068 可憐なものではござらぬか 367 00:34:27,068 --> 00:34:29,070 この可憐な花を➡ 368 00:34:29,070 --> 00:34:35,070 毒虫に食い荒らされたくないとは 思われぬか? 369 00:34:37,078 --> 00:34:43,084 行家どの それがしの心情… 370 00:34:43,084 --> 00:34:48,089 とくと お分かりいただけまするな? 371 00:34:48,089 --> 00:34:54,089 (うめき声) 372 00:34:56,097 --> 00:35:01,102 イテッ… 分かる! 373 00:35:01,102 --> 00:35:04,105 ハァハァハァ… 374 00:35:04,105 --> 00:35:09,105 なれば よろしゅうお願いいたします 375 00:35:21,122 --> 00:35:25,122 キーッ! 分からぬわ! 376 00:35:47,081 --> 00:35:50,084 話がある 377 00:35:50,084 --> 00:35:52,084 それがしにも 378 00:35:57,091 --> 00:35:59,093 (玉虫)あっ これ こんな所で 379 00:35:59,093 --> 00:36:01,095 かかさま 眠とうございまする 380 00:36:01,095 --> 00:36:05,099 では 歩きながら お眠りなさい (小玉虫)無理です そんなことは 381 00:36:05,099 --> 00:36:10,099 やってみなければ分かりませぬ ほれ 382 00:36:21,115 --> 00:36:24,115 なぜ承知してくれぬ? 弁慶 383 00:36:28,055 --> 00:36:33,060 大義なき戦は起こすべきにあらず 384 00:36:33,060 --> 00:36:36,063 それでは鎌倉に後れを取る! 385 00:36:36,063 --> 00:36:42,069 その後れを取ると焦る心が 向こうの思うつぼでござるぞ 386 00:36:42,069 --> 00:36:46,073 では このまま 野たれ死にせよと言うか!? 387 00:36:46,073 --> 00:36:51,078 逆風も やがては順風に変わります 388 00:36:51,078 --> 00:36:56,078 何とぞ しばらくのご辛抱のほどを 389 00:36:59,086 --> 00:37:01,086 では どうあっても… 390 00:37:04,091 --> 00:37:09,091 はい 不承知でござる 391 00:37:11,098 --> 00:37:13,100 三郎 392 00:37:13,100 --> 00:37:16,103 殿と弁慶どのの様子がおかしい (伊勢)放っとけよ 393 00:37:16,103 --> 00:37:19,106 嫌な予感がするのじゃ (伊勢)いいから放っとけって 394 00:37:19,106 --> 00:37:21,108 だが… (伊勢)あの2人には➡ 395 00:37:21,108 --> 00:37:24,108 2人にしか 分からねえことがあるんだよ 396 00:37:39,059 --> 00:37:42,059 (ため息) 397 00:37:47,067 --> 00:37:53,073 殿 いっそ… 398 00:37:53,073 --> 00:37:59,073 いっそ 都も鎌倉も 全て捨てませぬか? 399 00:38:03,083 --> 00:38:06,083 今の殿のお姿は… 400 00:38:08,088 --> 00:38:12,092 弁慶には痛々しゅうござる 401 00:38:12,092 --> 00:38:18,098 殿が ご自分を変えようとせずとも 生きられる所が➡ 402 00:38:18,098 --> 00:38:23,037 この世の中には 必ず どこかにあるはずでござる 403 00:38:23,037 --> 00:38:26,040 たとえ… 黙れ! 404 00:38:26,040 --> 00:38:28,042 わしは鎌倉との戦に➡ 405 00:38:28,042 --> 00:38:31,045 承知か不承知かだけを 聞いておる! 406 00:38:31,045 --> 00:38:39,053 ♬~ 407 00:38:39,053 --> 00:38:42,056 不承知と申し上げました 408 00:38:42,056 --> 00:38:45,059 ならば… 409 00:38:45,059 --> 00:38:48,062 何となさる? 410 00:38:48,062 --> 00:38:50,064 暇を取らせる! 411 00:38:50,064 --> 00:38:57,071 何と申されようとも 不承知は不承知でござる 412 00:38:57,071 --> 00:39:04,071 ♬~ 413 00:39:25,032 --> 00:39:28,035 この義経が 一時の気の迷いで➡ 414 00:39:28,035 --> 00:39:31,035 そちに暇を取らせると 口走ったと思うのか! 415 00:39:38,045 --> 00:39:41,048 わしはな 416 00:39:41,048 --> 00:39:43,048 わしは… 417 00:39:45,052 --> 00:39:48,052 いつまでも 弁慶あっての義経ではいたくない 418 00:39:54,061 --> 00:39:56,061 弁慶 419 00:39:58,065 --> 00:40:03,070 そちは いつも わしの前に立ちふさがる 420 00:40:03,070 --> 00:40:05,070 息苦しい! 421 00:40:11,078 --> 00:40:18,085 わしは のびのびと息がしたいのじゃ 422 00:40:18,085 --> 00:40:33,033 ♬~ 423 00:40:33,033 --> 00:40:47,047 ♬~ 424 00:40:47,047 --> 00:40:52,052 では お暇つかまつる 425 00:40:52,052 --> 00:41:12,072 ♬~ 426 00:41:12,072 --> 00:41:32,092 ♬~ 427 00:41:32,092 --> 00:41:49,109 ♬~ 428 00:41:49,109 --> 00:42:07,127 ♬~ 429 00:42:07,127 --> 00:42:09,127 (泣き声) 430 00:42:13,133 --> 00:42:15,133 ≪(戸の開閉音) 431 00:42:54,107 --> 00:42:56,107 玉虫 432 00:43:35,082 --> 00:43:41,088 (泣き声) 433 00:43:41,088 --> 00:43:43,088 玉虫! 434 00:43:49,096 --> 00:44:09,116 ♬~ 435 00:44:09,116 --> 00:44:29,069 ♬~ 436 00:44:29,069 --> 00:44:45,085 ♬~ 437 00:44:45,085 --> 00:44:47,087 さあ… 438 00:44:47,087 --> 00:44:53,093 ♬~ 439 00:44:53,093 --> 00:44:59,099 <別れと出会い その悲しみと喜び> 440 00:44:59,099 --> 00:45:03,103 <そして 妻と娘> 441 00:45:03,103 --> 00:45:07,107 <そのいずれをも 両肩に振り分けながら➡ 442 00:45:07,107 --> 00:45:13,107 この朝 弁慶は いずこともなく去っていった>