1 00:00:07,841 --> 00:00:11,311 戦後最大の謎といわれる➡ 2 00:00:11,311 --> 00:00:15,315 ある事件の極秘資料を 入手した。 3 00:00:20,320 --> 00:00:25,325 今から75年前の7月5日。 4 00:00:29,329 --> 00:00:35,669 日本国有鉄道の総裁 下山定則が行方不明となり➡ 5 00:00:35,669 --> 00:00:40,374 翌日 轢死体となって発見された… 6 00:00:48,849 --> 00:00:53,654 「下山総裁惨死事件は 依然 謎に包まれています」。 7 00:00:56,590 --> 00:01:03,897 日本が 連合国軍の占領下にあった1949年。 8 00:01:05,632 --> 00:01:09,970 国鉄職員 10万人の解雇を巡り➡ 9 00:01:09,970 --> 00:01:14,841 労働組合と経営側で 連日議論が交わされ➡ 10 00:01:14,841 --> 00:01:20,147 下山総裁の責任が 厳しく追及されていた。 11 00:01:23,317 --> 00:01:27,621 自殺か それとも 他殺か。 12 00:01:29,189 --> 00:01:31,191 事件の背後で➡ 13 00:01:31,191 --> 00:01:34,661 さまざまな組織の関与も 疑われ➡ 14 00:01:34,661 --> 00:01:39,333 日本中が くぎづけとなった。 15 00:01:39,333 --> 00:01:45,005 検察は 時効まで 15年にわたり 真相を追い続けたが➡ 16 00:01:45,005 --> 00:01:48,709 解決に至らなかった。 17 00:01:51,678 --> 00:01:59,019 今回 捜査の全容を 記録したとされる 極秘資料を入手。 18 00:01:59,019 --> 00:02:01,621 我々は 他殺と考えています。 19 00:02:01,621 --> 00:02:04,291 第1部のドラマでは➡ 20 00:02:04,291 --> 00:02:12,165 極秘資料に記されていた情報をもとに 捜査の知られざる内幕を描いた。 21 00:02:12,165 --> 00:02:15,168 総裁は どこに連れ去られた? 22 00:02:17,637 --> 00:02:21,508 本郷ハウス。 23 00:02:21,508 --> 00:02:25,812 殺害方法は? 血を抜いて殺した。 24 00:02:28,982 --> 00:02:31,985 事件を担当した… 25 00:02:35,655 --> 00:02:43,363 時効まで 捜査を続けたが 謎を解き明かすことはできなかった。 26 00:02:44,998 --> 00:02:49,002 申し訳ない。 27 00:02:49,002 --> 00:02:52,806 この事件は ここまでです。 28 00:02:55,642 --> 00:03:02,949 第2部のドキュメンタリーでは 事件の鍵を握る人物に迫っていく。 29 00:03:04,484 --> 00:03:08,789 事件への関与を告白した… 30 00:03:13,627 --> 00:03:18,465 その足跡を追うと アメリカとソビエトによる➡ 31 00:03:18,465 --> 00:03:22,269 しれつなスパイ戦の実態が 浮かび上がってきた。 32 00:03:33,947 --> 00:03:40,854 事件の背後で暗躍していた アメリカの諜報部隊。 33 00:03:40,854 --> 00:03:48,995 これまで 誰もたどりつけなかった 中心人物を特定し 消息をつかんだ。 34 00:03:48,995 --> 00:03:56,703 自らの死を前に 下山事件の 核心に触れる言葉を残していた。 35 00:04:07,481 --> 00:04:13,487 75年の時を経て明かされる 新たな事実。 36 00:04:15,155 --> 00:04:23,163 封印されてきた下山事件の真相と 占領期の深き闇に迫る。 37 00:04:35,976 --> 00:04:38,678 東京・足立区。 38 00:04:40,313 --> 00:04:44,117 ここに 75年前に亡くなった➡ 39 00:04:44,117 --> 00:04:49,322 下山定則国鉄総裁の慰霊碑が 建てられている。 40 00:05:13,613 --> 00:05:18,952 60万人の職員を抱える 国鉄トップの死のニュースは➡ 41 00:05:18,952 --> 00:05:23,256 全国に大きな衝撃を与えた。 42 00:05:27,294 --> 00:05:32,632 下山事件が 戦後最大の謎 といわれるのは➡ 43 00:05:32,632 --> 00:05:35,335 その不可解さにある。 44 00:05:36,970 --> 00:05:40,273 まず問題となったのは… 45 00:05:45,979 --> 00:05:48,281 始まりは… 46 00:05:59,926 --> 00:06:08,635 運転手が 店に入る姿を見た後 下山は こつ然と姿を消した。 47 00:06:11,271 --> 00:06:17,143 そして 翌日の午前0時26分ごろ。 48 00:06:17,143 --> 00:06:21,848 9キロ北上した足立区の線路上。 49 00:06:23,617 --> 00:06:28,955 下山は 変わり果てた姿で発見された。 50 00:06:28,955 --> 00:06:32,959 列車に轢かれ 轢死体となっていたのだ。 51 00:06:34,628 --> 00:06:38,298 警視庁は 特別捜査本部を設置。 52 00:06:38,298 --> 00:06:43,637 総勢150名以上で 大がかりな捜査を続けたが➡ 53 00:06:43,637 --> 00:06:47,340 決定的な証拠は見つからなかった。 54 00:07:05,592 --> 00:07:08,928 自殺説の根拠となったのは➡ 55 00:07:08,928 --> 00:07:14,935 轢断現場付近で 下山を目撃したという証言だった。 56 00:07:17,070 --> 00:07:22,609 「事件の当時 下山氏らしい人物が休んだ という現場近くの末広旅館。➡ 57 00:07:22,609 --> 00:07:26,613 これが 自殺説の 有力な根拠となっています」。 58 00:07:28,281 --> 00:07:30,617 末広旅館のおかみは➡ 59 00:07:30,617 --> 00:07:37,624 午後2時から5時半ごろまで 上品な男が休憩していたと証言。 60 00:07:39,626 --> 00:07:44,297 ねずみ色の背広や チョコレート色の靴など➡ 61 00:07:44,297 --> 00:07:49,602 男の身なりを 事細かく警察に説明していた。 62 00:07:51,171 --> 00:08:00,180 おかみが語った特徴は 実際に 下山が身に着けていた服装と 一致した。 63 00:08:01,781 --> 00:08:06,553 その後 午後11時半までの間➡ 64 00:08:06,553 --> 00:08:10,924 似た人物が 現場付近を徘徊する姿を➡ 65 00:08:10,924 --> 00:08:14,928 10人の通行人が目撃していた。 66 00:08:17,797 --> 00:08:27,273 捜査一課は 国鉄の人員整理に悩む下山が 現場付近をさまよっていたと推察。 67 00:08:27,273 --> 00:08:30,977 自殺を裏付ける根拠とした。 68 00:08:33,947 --> 00:08:38,818 一方 捜査二課と検察が主張した他殺説。 69 00:08:38,818 --> 00:08:43,523 その根拠は 遺体の傷跡の分析だった。 70 00:08:50,964 --> 00:08:55,635 …のが 医学の常識とされている。 71 00:08:55,635 --> 00:09:00,039 しかし 下山の遺体の断面には➡ 72 00:09:00,039 --> 00:09:05,545 自殺であれば見られるはずの 皮下出血がなかった。 73 00:09:09,249 --> 00:09:14,921 こうした状況から 東京大学法医学教室では➡ 74 00:09:14,921 --> 00:09:19,225 「死後に轢かれたものである」と 鑑定した。 75 00:09:27,934 --> 00:09:34,808 捜査本部でも 自殺と他殺で 見解が分かれていた下山事件。 76 00:09:34,808 --> 00:09:38,945 その裏で 日本政府とアメリカは➡ 77 00:09:38,945 --> 00:09:43,950 早くから 他殺として 結論づけようとしていた。 78 00:09:47,287 --> 00:09:50,990 事件から2年後。 79 00:09:53,159 --> 00:09:56,296 当時 首相だった 吉田 茂が➡ 80 00:09:56,296 --> 00:09:59,632 日本の占領政策終結に向け➡ 81 00:09:59,632 --> 00:10:02,335 ダレス特使と会談した。 82 00:10:04,104 --> 00:10:10,910 この時 吉田は 事件の犯人について言及していたという。 83 00:10:34,200 --> 00:10:42,909 政府が 下山事件の犯人と断定した 韓国人とは 何者なのか? 84 00:10:45,678 --> 00:10:50,850 この謎に 光を当てる極秘資料を入手した。 85 00:10:50,850 --> 00:10:57,657 検察が 捜査の全容を記したとされる 膨大な記録だ。 86 00:10:59,359 --> 00:11:03,630 事件の主任検事だった… 87 00:11:03,630 --> 00:11:06,533 捜査本部が解散したあとも➡ 88 00:11:06,533 --> 00:11:10,236 ひそかに事件を追い続けていた。 89 00:11:11,971 --> 00:11:20,280 下山事件の発生から時効までの15年に及ぶ 700ページ余りの資料。 90 00:11:22,315 --> 00:11:27,654 大物政治家や国鉄関係者の供述調書など➡ 91 00:11:27,654 --> 00:11:33,660 検察の捜査の詳細が判明したのは 初めてのことだ。 92 00:11:39,265 --> 00:11:42,669 この資料を分析していく中で➡ 93 00:11:42,669 --> 00:11:45,338 当時の吉田首相が名指しした➡ 94 00:11:45,338 --> 00:11:50,343 韓国人と見られる人物が 浮かび上がってきた。 95 00:11:53,012 --> 00:11:56,015 男の名は… 96 00:11:58,885 --> 00:12:03,089 総裁暗殺のいきさつは ソ連本国への報告書で知った。 97 00:12:03,089 --> 00:12:06,292 待ってくれ。 記録を取る。 98 00:12:06,292 --> 00:12:08,227 第1部のドラマで➡ 99 00:12:08,227 --> 00:12:12,532 検察が捜査を尽くせなかった人物だ。 100 00:12:19,639 --> 00:12:22,475 入手した資料によると➡ 101 00:12:22,475 --> 00:12:24,510 李中煥の出生地は➡ 102 00:12:24,510 --> 00:12:28,514 韓国中部の忠清南道。 103 00:12:31,651 --> 00:12:38,658 小学校を卒業した1932年に 東京・神田へ移住。 104 00:12:40,660 --> 00:12:44,998 その後 学生時代の友人の影響で➡ 105 00:12:44,998 --> 00:12:48,668 共産主義を信奉。 106 00:12:48,668 --> 00:12:54,974 ソビエトにある モスクワ共産大学政治学科へ進学した。 107 00:12:57,010 --> 00:13:03,616 大学卒業後 ソビエト共産党 政治局諜報部に入り➡ 108 00:13:03,616 --> 00:13:06,319 暗号化係へ配属。 109 00:13:07,954 --> 00:13:14,827 その後 日本へ戻り モスクワから来る暗号指令を翻訳。 110 00:13:14,827 --> 00:13:19,966 対日理事会 ソビエト代表の デレビヤンコ中将へ➡ 111 00:13:19,966 --> 00:13:22,969 情報を渡していたという。 112 00:13:25,638 --> 00:13:28,975 検察が特に注目していたのが➡ 113 00:13:28,975 --> 00:13:34,681 下山総裁の死について語った 李の供述だった。 114 00:13:38,651 --> 00:13:45,324 李によると ソビエトから 下山と接触するよう指令が来たのは➡ 115 00:13:45,324 --> 00:13:49,028 事件の3か月前だった。 116 00:14:22,161 --> 00:14:26,466 そして 事件の5日前の… 117 00:14:30,303 --> 00:14:39,011 共産党関係の情報を提供するとして ソビエトの駐日幹部が 下山に接触。 118 00:14:40,813 --> 00:14:42,849 その日の夜。 119 00:14:42,849 --> 00:14:48,554 モスクワから 下山の暗殺が指示されたという。 120 00:15:13,813 --> 00:15:19,118 李は 事件当日についても供述している。 121 00:15:31,631 --> 00:15:34,667 4人の男が 下山総裁を➡ 122 00:15:34,667 --> 00:15:41,474 大使館の本館裏のプールの端近くにある 3号館に抱え込んだ。 123 00:15:54,320 --> 00:15:59,492 その部屋には 長さ180センチ➡ 124 00:15:59,492 --> 00:16:03,462 幅100センチくらいの木の台が 置いてあり➡ 125 00:16:03,462 --> 00:16:06,466 ゴム布を敷いてあった。 126 00:16:31,490 --> 00:16:40,199 更に 李は 轢断現場付近で 目撃されていた人物についても言及した。 127 00:17:03,256 --> 00:17:07,760 李の話す 極めて具体的な内容は➡ 128 00:17:07,760 --> 00:17:12,265 犯人しか知りえない 秘密の暴露に見えた。 129 00:17:17,270 --> 00:17:23,943 しかし 検察が李を捜査する新聞記事が 世に出たことをきっかけに➡ 130 00:17:23,943 --> 00:17:28,948 李の供述の信ぴょう性が 揺らぐことになる。 131 00:17:31,817 --> 00:17:34,820 これを読みました。 132 00:17:59,645 --> 00:18:02,548 名は 渡辺修二。 133 00:18:02,548 --> 00:18:05,918 日本秘密探偵社に勤め➡ 134 00:18:05,918 --> 00:18:11,924 かつて 李と共に 諜報活動に関わったことがあった。 135 00:19:02,575 --> 00:19:05,911 じゃあ この李の供述は 何なんだ!? 136 00:19:05,911 --> 00:19:12,785 李の供述の真偽を巡って 混乱していった検察。 137 00:19:12,785 --> 00:19:20,092 事件の核心がつかめないまま 李の捜査は 終わりを迎えた。 138 00:19:23,462 --> 00:19:27,767 検察の捜査中 アメリカの管理下で➡ 139 00:19:27,767 --> 00:19:31,971 刑務所に収容されていた李中煥。 140 00:19:33,572 --> 00:19:38,577 韓国に強制送還されることが 決まっていた。 141 00:19:44,216 --> 00:19:50,956 アメリカの意向で打ち切られた李の捜査。 142 00:19:50,956 --> 00:19:55,828 実は 検察が ソビエトだけでなく➡ 143 00:19:55,828 --> 00:20:01,834 李とアメリカのつながりを 探ろうとしていたことが明らかになった。 144 00:20:04,503 --> 00:20:13,212 極秘資料には 李が情報を渡していたと 見られる人物の名前が記されていたのだ。 145 00:20:20,953 --> 00:20:26,959 GHQの傘下で 諜報活動を担当していた。 146 00:20:28,661 --> 00:20:32,131 ソビエトのスパイを名乗っていた李が➡ 147 00:20:32,131 --> 00:20:37,937 なぜ アメリカの諜報機関と つながっていたのか? 148 00:20:37,937 --> 00:20:40,940 その謎を追った。 149 00:20:44,677 --> 00:20:50,349 李が 情報を渡していたという ビクター・マツイ。 150 00:20:50,349 --> 00:20:54,019 所属していたのは GHQの➡ 151 00:20:54,019 --> 00:20:59,725 G2 参謀第二部の傘下にある 諜報機関だった。 152 00:21:03,829 --> 00:21:09,301 マツイの親族や関係者を当たったが 既に亡くなり➡ 153 00:21:09,301 --> 00:21:13,305 本人に関する文書も見つからなかった。 154 00:21:18,978 --> 00:21:23,649 だが 今回 長期にわたる取材の末➡ 155 00:21:23,649 --> 00:21:30,956 マツイが アメリカの議会図書館の インタビューに答える映像に たどりついた。 156 00:21:36,662 --> 00:21:44,670 マツイは 占領期の日本で 何をしていたか詳細に語っていた。 157 00:22:37,323 --> 00:22:43,996 マツイが語っていたのは 日本での秘密工作の実態。 158 00:22:43,996 --> 00:22:48,500 国鉄内部の共産主義者の情報を得るため➡ 159 00:22:48,500 --> 00:22:52,304 二重スパイを使っていたというのだ。 160 00:22:56,675 --> 00:23:00,980 下山事件が起きた1949年。 161 00:23:02,481 --> 00:23:07,186 米ソの覇権争いが激化していた。 162 00:23:11,957 --> 00:23:17,630 この年 ソビエトは 核実験を成功させ➡ 163 00:23:17,630 --> 00:23:21,333 共産主義勢力の拡大を目指していた。 164 00:23:25,304 --> 00:23:31,644 一方 アメリカは 日本を反共の砦にすべく➡ 165 00:23:31,644 --> 00:23:33,946 動いていた時代だった。 166 00:24:25,297 --> 00:24:30,803 二重スパイを使い 反共工作を主導していたのは➡ 167 00:24:30,803 --> 00:24:35,975 Z機関 通称 キャノン機関。 168 00:24:35,975 --> 00:24:39,311 この諜報機関を 率いていたのが➡ 169 00:24:39,311 --> 00:24:42,314 ジャック・キャノン少佐 だった。 170 00:24:45,184 --> 00:24:51,991 占領下の日本で 旧陸軍の出身者や 警察組織と深くつながり➡ 171 00:24:51,991 --> 00:24:55,794 さまざまな反共工作を行っていた。 172 00:24:58,997 --> 00:25:03,602 キャノン機関が活動していた1949年には➡ 173 00:25:03,602 --> 00:25:07,606 鉄道が絡む怪事件が相次いでいた。 174 00:25:12,611 --> 00:25:15,280 「車庫に入っていた電車が 突如 走り出し…」。 175 00:25:15,280 --> 00:25:17,950 下山事件の10日後➡ 176 00:25:17,950 --> 00:25:22,621 三鷹駅構内で 無人電車が 突然 暴走し➡ 177 00:25:22,621 --> 00:25:27,926 6人の死者を出す大惨事となった 三鷹事件。 178 00:25:30,496 --> 00:25:35,634 その1か月後 機関車が脱線転覆し➡ 179 00:25:35,634 --> 00:25:40,639 乗務員3人が亡くなった 松川事件。 180 00:25:43,509 --> 00:25:46,645 後に キャノン機関が➡ 181 00:25:46,645 --> 00:25:51,350 一連の事件に絡んでいる という疑惑も報じられた。 182 00:25:56,321 --> 00:26:01,593 キャノン本人は 生前 NHKのインタビューに答え➡ 183 00:26:01,593 --> 00:26:04,596 関わりを否定していた。 184 00:26:49,308 --> 00:26:51,310 ノー。 185 00:27:31,950 --> 00:27:38,457 下山事件との関わりを 否定していたキャノン。 186 00:27:38,457 --> 00:27:45,797 その下で 反共工作を行っていたマツイ。 187 00:27:45,797 --> 00:27:49,468 そして ソビエトのスパイを 名乗りながら➡ 188 00:27:49,468 --> 00:27:54,640 マツイに情報を 渡していたとされる 李。 189 00:27:54,640 --> 00:27:59,144 どう関わっていたのか? 190 00:28:05,751 --> 00:28:09,621 今回 アメリカの公文書館で➡ 191 00:28:09,621 --> 00:28:16,328 3人がつながっていたことを示す 決定的な文書を発見した。 192 00:28:18,063 --> 00:28:21,934 キャノンとマツイが李の能力を見込んで➡ 193 00:28:21,934 --> 00:28:25,737 利用していたという記録が 残されていたのだ。 194 00:28:31,443 --> 00:28:35,781 これは キャノン自らが記した報告書。 195 00:28:35,781 --> 00:28:38,817 作成されたのは 布施検事が➡ 196 00:28:38,817 --> 00:28:42,621 李を取り調べる 半月前だった。 197 00:28:45,457 --> 00:28:48,493 報告書によると 李を➡ 198 00:28:48,493 --> 00:28:55,500 東京神奈川CICで雇ったのは 1948年の夏。 199 00:29:11,617 --> 00:29:16,755 幅広い諜報活動を 実行していたCIC。 200 00:29:16,755 --> 00:29:19,925 東京神奈川CICには➡ 201 00:29:19,925 --> 00:29:24,062 10名の工作員が 所属していた。 202 00:29:24,062 --> 00:29:28,900 その下で合計100名の 協力者を管理し➡ 203 00:29:28,900 --> 00:29:33,705 共産主義者についての 情報を提供させていた。 204 00:29:39,277 --> 00:29:44,783 下山事件が起きる2週間前。 205 00:29:54,826 --> 00:30:01,633 キャノンは 李という人物を 次のように評価していた。 206 00:30:46,011 --> 00:30:50,015 李は アメリカが利用する 二重スパイだったことが➡ 207 00:30:50,015 --> 00:30:54,019 明らかになったのだ。 208 00:30:57,155 --> 00:31:00,158 しかし 李とキャノンが➡ 209 00:31:00,158 --> 00:31:03,628 下山事件の前に 接触していたという記述は➡ 210 00:31:03,628 --> 00:31:06,431 削除されていた。 211 00:31:11,803 --> 00:31:17,008 占領期の日本で暗躍していた キャノン機関。 212 00:31:18,677 --> 00:31:22,881 その最後の生き証人がいると聞き 訪ねた。 213 00:31:24,816 --> 00:31:26,818 ドウゾ。 214 00:31:31,690 --> 00:31:34,326 キャノンの側近として➡ 215 00:31:34,326 --> 00:31:40,031 日本で行っていた反共工作の 内幕を明かした。 216 00:33:23,468 --> 00:33:26,271 (せきこみ) 217 00:33:28,306 --> 00:33:33,111 それ以上語ることはなかったシャタック。 218 00:33:33,111 --> 00:33:36,014 このインタビューの5か月後➡ 219 00:33:36,014 --> 00:33:40,819 キャノン機関の最後の証言者は 亡くなった。 220 00:33:54,833 --> 00:34:01,640 「下山事件は ソビエトの仕業である」。 221 00:34:01,640 --> 00:34:09,447 そう語る李中煥から 詳細な供述をとっていた 布施検事。 222 00:34:14,319 --> 00:34:19,958 その捜査内容が アメリカ側に筒抜けだったことも➡ 223 00:34:19,958 --> 00:34:23,261 今回 明らかになった。 224 00:34:26,631 --> 00:34:31,336 アメリカ公文書館に残されていた 機密文書。 225 00:35:07,072 --> 00:35:13,611 1950年4月13日 李は アメリカによって➡ 226 00:35:13,611 --> 00:35:18,116 韓国 釜山へ強制送還された。 227 00:35:21,086 --> 00:35:27,392 その後の足取りを取材したが 行方は分からなかった。 228 00:35:35,667 --> 00:35:39,871 下山事件と同時期に繰り広げられていた… 229 00:35:48,179 --> 00:35:54,486 その闇を追い続けた ジャーナリストがいた。 230 00:36:01,259 --> 00:36:04,062 満州で終戦を迎えたあと➡ 231 00:36:04,062 --> 00:36:06,765 シベリア抑留を経験し➡ 232 00:36:06,765 --> 00:36:11,569 1949年に日本へ帰国した。 233 00:36:15,273 --> 00:36:19,077 その後 読売新聞の 記者となり➡ 234 00:36:19,077 --> 00:36:22,881 アメリカ軍などの 取材を担当していた。 235 00:36:25,450 --> 00:36:32,957 下山事件を追い続け 独自の情報をつかんでいたとされる鎗水。 236 00:36:35,960 --> 00:36:41,466 仲間の記者に こう語っていた。 237 00:37:15,600 --> 00:37:20,472 「李は犯人ではない」と鎗水は見ていた。 238 00:37:20,472 --> 00:37:23,942 共産主義者による他殺と 信じ込ませるために➡ 239 00:37:23,942 --> 00:37:28,446 利用されただけだというのだ。 240 00:37:30,615 --> 00:37:33,451 鎗水のこうした考えには➡ 241 00:37:33,451 --> 00:37:39,257 ある男の存在が影響していたという。 242 00:37:39,257 --> 00:37:43,461 今回 極秘資料の中で その人物が➡ 243 00:37:43,461 --> 00:37:47,298 下山事件について供述していたことが➡ 244 00:37:47,298 --> 00:37:52,103 初めて明らかになった。 245 00:37:52,103 --> 00:37:55,006 戦後最大のフィクサーと言われる➡ 246 00:37:55,006 --> 00:37:58,309 児玉誉士夫。 247 00:37:58,309 --> 00:38:02,046 戦時中に培った人脈を生かし➡ 248 00:38:02,046 --> 00:38:09,554 政財界から裏社会まで あらゆる情報に通じているとされていた。 249 00:38:58,469 --> 00:39:01,372 児玉と深いつながりを持ち➡ 250 00:39:01,372 --> 00:39:08,279 情報を得ていたとされる 鎗水。 251 00:39:08,279 --> 00:39:11,482 児玉は… 252 00:39:15,420 --> 00:39:19,424 …と語っていたのだ。 253 00:39:22,293 --> 00:39:27,999 10万人の解雇を GHQから求められていた下山。 254 00:39:27,999 --> 00:39:34,806 国鉄のトップとして 厳しい判断を迫られていた。 255 00:39:34,806 --> 00:39:38,076 その時の様子を 副総裁が➡ 256 00:39:38,076 --> 00:39:41,880 次のように 供述したと記されている。 257 00:40:08,072 --> 00:40:13,378 元運輸次官で下山と懇意だった… 258 00:40:17,115 --> 00:40:21,819 GHQの方針に賛成していた 日本政府との関係を➡ 259 00:40:21,819 --> 00:40:25,623 次のように供述していた。 260 00:40:51,349 --> 00:40:58,856 技術畑を歩み 国鉄の労働者に 理解を示していたとされる下山。 261 00:40:58,856 --> 00:41:05,863 人員整理について 自らの判断を 優先する姿勢を見せていた。 262 00:41:08,533 --> 00:41:15,740 こうした下山の動向を アメリカの諜報部隊がマークしていた。 263 00:41:18,810 --> 00:41:22,647 東京神奈川CIC。 264 00:41:22,647 --> 00:41:25,983 二重スパイ 李中煥を利用し➡ 265 00:41:25,983 --> 00:41:28,786 情報を得ていた組織だ。 266 00:41:33,491 --> 00:41:39,797 CICに所属していたのは 多くが日系2世。 267 00:41:42,834 --> 00:41:47,705 下山事件のあと ほとんどがアメリカに帰国し➡ 268 00:41:47,705 --> 00:41:53,010 組織の実態を語らぬまま亡くなっていた。 269 00:41:56,014 --> 00:42:00,818 東京神奈川CICの 中心人物と見られていたのが… 270 00:42:05,623 --> 00:42:10,495 下山の身辺を調べ 行方不明になった当日も➡ 271 00:42:10,495 --> 00:42:16,701 三越に呼び出していたという情報が 捜査で浮上していた。 272 00:42:21,172 --> 00:42:27,311 フジナミこそが 事件の真相を知っているのではないか? 273 00:42:27,311 --> 00:42:30,982 検察やジャーナリストも 足取りを追ったが➡ 274 00:42:30,982 --> 00:42:34,485 誰もたどりつくことができなかった。 275 00:42:38,723 --> 00:42:47,331 今回 1年にわたって 日系2世の退役軍人の関係者を徹底調査。 276 00:42:47,331 --> 00:42:54,539 初めて アーサー・フジナミの 遺族の所在を突き止めた。 277 00:42:58,509 --> 00:43:01,712 ナイス トゥ ミート ユー。 278 00:43:06,784 --> 00:43:12,990 フジナミは 2020年に 101歳で亡くなっていた。 279 00:43:16,294 --> 00:43:21,099 だが 娘のナオミさんは 父が亡くなる前に➡ 280 00:43:21,099 --> 00:43:24,001 日本で何をしていたのか聞き取り➡ 281 00:43:24,001 --> 00:43:27,505 詳細なメモを残していた。 282 00:44:03,074 --> 00:44:09,614 CICは 下山総裁が共産主義側につく可能性を➡ 283 00:44:09,614 --> 00:44:12,917 疑っていたというのだ。 284 00:44:17,955 --> 00:44:21,159 そして…。 285 00:44:52,490 --> 00:44:58,663 下山は暗殺されたと語っていた アーサー・フジナミ。 286 00:44:58,663 --> 00:45:04,969 しかし 実行犯が誰なのかは 言い残していなかった。 287 00:45:07,939 --> 00:45:13,444 (汽笛) 288 00:45:20,518 --> 00:45:25,289 記者の鎗水 徹は 取材源の児玉誉士夫から➡ 289 00:45:25,289 --> 00:45:29,293 更なる情報を得ようとしていた。 290 00:45:31,462 --> 00:45:36,267 息子の洋さんが 初めて取材に応じた。 291 00:45:37,969 --> 00:45:44,308 児玉は鎗水に これこそが下山殺害の真相だと➡ 292 00:45:44,308 --> 00:45:48,012 語り残していたことがあったという。 293 00:46:11,068 --> 00:46:16,607 児玉が語った事件の黒幕は アメリカ➡ 294 00:46:16,607 --> 00:46:22,913 そして ある有事が絡んでいるというのだ。 295 00:47:08,592 --> 00:47:12,396 児玉が語った殺害の理由。 296 00:47:15,366 --> 00:47:19,370 …というのは事実なのか? 297 00:47:22,773 --> 00:47:26,077 この証言をもとに取材を進めたところ➡ 298 00:47:26,077 --> 00:47:29,947 下山事件の3か月前に作成されていた➡ 299 00:47:29,947 --> 00:47:33,651 アメリカの機密文書に行き着いた。 300 00:47:42,093 --> 00:47:47,898 中央情報局 CIAの報告書。 301 00:47:59,310 --> 00:48:03,013 …になると分析していた。 302 00:48:07,752 --> 00:48:12,256 だが 日本の鉄道を軍事利用するため➡ 303 00:48:12,256 --> 00:48:16,427 下山総裁に圧力をかけたという 記述は見つからず➡ 304 00:48:16,427 --> 00:48:21,132 真相は分からなかった。 305 00:48:26,604 --> 00:48:28,906 鎗水が… 306 00:48:36,280 --> 00:48:39,950 記者として疑惑を追及していた鎗水に➡ 307 00:48:39,950 --> 00:48:44,955 えたいの知れない圧力が かかっていたという。 308 00:49:24,061 --> 00:49:32,436 その後 疑惑について書くことなく 記者を辞めた鎗水。 309 00:49:32,436 --> 00:49:37,274 2017年 96歳で亡くなるまで➡ 310 00:49:37,274 --> 00:49:45,149 下山事件の核心について 公には語ろうとしなかった。 311 00:49:45,149 --> 00:50:00,097 ♬~ 312 00:50:00,097 --> 00:50:02,967 アメリカがソビエトと対立し➡ 313 00:50:02,967 --> 00:50:06,270 反共工作を推し進める中で起きた… 314 00:50:11,675 --> 00:50:15,679 下山総裁の死後… 315 00:50:23,654 --> 00:50:27,491 およそ1年後に始まる朝鮮戦争で➡ 316 00:50:27,491 --> 00:50:35,366 国鉄は 直後から 軍事物資や兵士の輸送などに協力した。 317 00:50:35,366 --> 00:50:41,505 その車両の数は 2週間で1万2,000両を突破。 318 00:50:41,505 --> 00:50:46,310 国鉄の軍事輸送史上 最高を記録した。 319 00:50:49,380 --> 00:50:54,885 朝鮮戦争が勃発して 更に1年後。 320 00:50:57,521 --> 00:51:01,525 「いよいよ早期講和を巡り 3者会談が始まりました」。 321 00:51:03,627 --> 00:51:06,664 当時 首相だった吉田 茂は➡ 322 00:51:06,664 --> 00:51:09,967 アメリカのダレス特使と会談。 323 00:51:16,340 --> 00:51:20,144 …だと断定したとされる。 324 00:51:30,654 --> 00:51:37,161 アメリカが関与していたという疑惑に 光が当てられることはなく… 325 00:51:38,829 --> 00:51:43,834 …事件として 幕引きが図られた。 326 00:51:49,006 --> 00:51:52,676 キャノン機関で二重スパイを使い➡ 327 00:51:52,676 --> 00:51:55,179 反共工作を行っていた… 328 00:52:00,417 --> 00:52:04,088 占領期 共産主義者の排除に向け➡ 329 00:52:04,088 --> 00:52:06,991 日本政府と共闘したことが➡ 330 00:52:06,991 --> 00:52:12,296 今の日米関係につながっていると 振り返っていた。 331 00:52:58,008 --> 00:53:05,315 占領期 下山事件の背後で渦巻いていた謀略。 332 00:53:09,286 --> 00:53:12,956 一人の人物の死の真相は➡ 333 00:53:12,956 --> 00:53:17,628 日本の手綱を握ろうとする 巨大な力を前に➡ 334 00:53:17,628 --> 00:53:22,132 闇の中へと消えていった。 335 00:53:25,102 --> 00:53:30,307 そして 事件のあとに敷かれたレールの先で➡ 336 00:53:30,307 --> 00:53:35,646 今の日本社会が形づくられている。 337 00:53:35,646 --> 00:53:54,331 ♬~