1 00:00:05,405 --> 00:00:09,276 私たちが暮らす 日本という国。 2 00:00:09,276 --> 00:00:14,481 その始まりには 大いなる謎があります。 3 00:00:16,583 --> 00:00:22,089 今 古代史のミステリーに迫る新発見が 相次いでいます。 4 00:00:29,897 --> 00:00:32,599 この国の黎明期に 君臨した➡ 5 00:00:32,599 --> 00:00:36,103 邪馬台国の女王 卑弥呼。 6 00:00:36,103 --> 00:00:38,038 まことか? 7 00:00:38,038 --> 00:00:43,744 そして 絶大な権力を誇った… 8 00:00:52,452 --> 00:00:58,125 彼らは いかにして この国をまとめ上げていったのか。 9 00:00:58,125 --> 00:01:00,560 考古学や科学的調査から➡ 10 00:01:00,560 --> 00:01:05,265 日本の起源に迫るシリーズ… 11 00:01:07,334 --> 00:01:11,738 第1集は「謎の女王 卑弥呼」。 12 00:01:11,738 --> 00:01:19,880 最新研究から 知られざる歴史の真相が 明らかになろうとしています。 13 00:01:19,880 --> 00:01:24,418 地中から現れた 傷ついた人骨。 14 00:01:24,418 --> 00:01:28,588 古代の日本で 激しい争いが起きていました。 15 00:01:28,588 --> 00:01:31,625 放て~! 16 00:01:31,625 --> 00:01:38,098 卑弥呼は女王として 争いを終わらせる使命を背負います。 17 00:01:38,098 --> 00:01:41,134 蹴散らせ~! (一同)オ~! 18 00:01:41,134 --> 00:01:46,440 立ちはだかったのは 最強の宿敵。 19 00:01:46,440 --> 00:01:49,109 危機に立たされた卑弥呼の 切り札は➡ 20 00:01:49,109 --> 00:01:53,113 東アジアを舞台にした… 21 00:02:02,656 --> 00:02:06,226 今回 専門家の監修をもとに➡ 22 00:02:06,226 --> 00:02:12,866 激動の時代を駆け抜けた 卑弥呼の闘いを映像化します。 23 00:02:12,866 --> 00:02:15,369 一体 どうなさるおつもりじゃ!? 24 00:02:20,073 --> 00:02:23,744 卑弥呼に迫りくる死期。 25 00:02:23,744 --> 00:02:26,747 下した決断は この国の歴史を➡ 26 00:02:26,747 --> 00:02:29,950 大きく動かしてゆきます。 27 00:02:32,419 --> 00:02:37,758 ミステリーとロマンに満ちた 古代日本の歴史。 28 00:02:37,758 --> 00:02:44,264 私たちの国のルーツをひもとく 壮大な物語が始まります。 29 00:02:54,775 --> 00:02:58,779 (時計の時報) 30 00:02:58,779 --> 00:03:02,849 あの… すみません。 31 00:03:02,849 --> 00:03:06,219 レポートの調べ物しに来たんですけど。 32 00:03:06,219 --> 00:03:10,390 ここ 歴史のことについて 相談に乗ってもらえるって聞いて。 33 00:03:10,390 --> 00:03:13,727 うん… どういうことが知りたいの? 34 00:03:13,727 --> 00:03:19,533 授業で この国のルーツを調べましょう っていう課題が出て…。 35 00:03:19,533 --> 00:03:24,071 じゃあ… まずは 卑弥呼について調べてみたら? 36 00:03:24,071 --> 00:03:30,944 卑弥呼… あの有名な? あっ 確か 邪馬台国の女王。うん。 37 00:03:30,944 --> 00:03:35,682 ちょっと 面白そうな話をしていますねえ。 38 00:03:35,682 --> 00:03:37,617 館長。 39 00:03:37,617 --> 00:03:40,087 卑弥呼が生きたのは 3世紀。 40 00:03:40,087 --> 00:03:42,022 そのころ 日本列島は➡ 41 00:03:42,022 --> 00:03:45,759 大きな転換点を迎えていたんです。 42 00:03:45,759 --> 00:03:47,694 はあ。 43 00:03:47,694 --> 00:03:50,597 そう その時 大事な役割を果たしたのが➡ 44 00:03:50,597 --> 00:03:52,899 卑弥呼だといわれてんの。 45 00:03:52,899 --> 00:03:55,268 卑弥呼。 46 00:03:55,268 --> 00:03:58,105 とっても謎に満ちた人物なんですよ。 47 00:03:58,105 --> 00:04:03,543 謎! 私 ミステリー大好きです! 48 00:04:03,543 --> 00:04:07,214 そう まさにミステリー。 49 00:04:07,214 --> 00:04:11,852 中国の歴史書 「魏志倭人伝」に 登場する卑弥呼。 50 00:04:11,852 --> 00:04:17,657 その実像は多くの謎に 包まれているんです。 51 00:04:17,657 --> 00:04:21,862 例えば 彼女が治めた邪馬台国。 52 00:04:21,862 --> 00:04:26,233 「魏志倭人伝」に記された 距離や方角の解釈がさまざまで➡ 53 00:04:26,233 --> 00:04:28,568 一説によると 邪馬台国は➡ 54 00:04:28,568 --> 00:04:31,238 海の中にあることに!? 55 00:04:31,238 --> 00:04:34,741 本当は どこにあるのか? 56 00:04:36,409 --> 00:04:39,880 続いては 卑弥呼の外交戦略。 57 00:04:39,880 --> 00:04:44,417 絶大な権力を誇った 中国の皇帝に使者を送り➡ 58 00:04:44,417 --> 00:04:47,254 親魏倭王の称号を得ました。 59 00:04:47,254 --> 00:04:51,258 どのように大国と渡り合ったのか? 60 00:04:53,894 --> 00:04:58,098 更に大きな謎は 邪馬台国の女王 卑弥呼と➡ 61 00:04:58,098 --> 00:05:02,369 その死後登場したヤマト王権との つながりです。 62 00:05:02,369 --> 00:05:07,207 卑弥呼は 日本の歴史に どのような影響を与えたのか。 63 00:05:07,207 --> 00:05:11,011 分からないことだらけなんです。 64 00:05:12,712 --> 00:05:15,715 卑弥呼さん 謎だらけですね。 うん。 65 00:05:15,715 --> 00:05:20,053 この時代 日本では 文字の記録が見つかっていないからね。 66 00:05:20,053 --> 00:05:22,956 手がかりは 限られてる。 67 00:05:22,956 --> 00:05:25,392 えっ!? 68 00:05:25,392 --> 00:05:29,863 これは 中国の歴史書「魏志倭人伝」。 69 00:05:29,863 --> 00:05:32,766 ここにも 当時の日本について書かれているのは➡ 70 00:05:32,766 --> 00:05:34,734 2,000文字にも満たない。 71 00:05:34,734 --> 00:05:37,571 だから 分からないことが多いんだ。 72 00:05:37,571 --> 00:05:40,240 でも 卑弥呼と邪馬台国の謎が➡ 73 00:05:40,240 --> 00:05:44,878 最新の研究で 今 続々と明らかになっているの。 74 00:05:44,878 --> 00:05:48,081 最初の謎… 75 00:05:51,418 --> 00:05:53,887 江戸時代から論争が交わされ➡ 76 00:05:53,887 --> 00:05:57,424 多くの候補地が挙げられてきました。 77 00:05:57,424 --> 00:06:00,193 有力な説とされているのが➡ 78 00:06:00,193 --> 00:06:03,697 九州と近畿です。 79 00:06:03,697 --> 00:06:08,568 九州説の候補地の一つ 吉野ヶ里遺跡。 80 00:06:08,568 --> 00:06:14,074 弥生時代の集落跡としては 国内最大規模です。 81 00:06:15,842 --> 00:06:19,145 10年ぶりの発掘調査。 82 00:06:22,616 --> 00:06:28,054 報道陣が固唾をのんで見守る中 土の中から現れたのは…。 83 00:06:28,054 --> 00:06:34,394 上げ~ 上げ~ 上げ~。 84 00:06:34,394 --> 00:06:36,696 石の棺… 85 00:06:40,734 --> 00:06:46,239 研究者たちは 棺の蓋に目を奪われました。 86 00:06:47,874 --> 00:06:51,745 石に刻まれた無数の線刻。 87 00:06:51,745 --> 00:06:54,648 何らかの規則性があると見られ➡ 88 00:06:54,648 --> 00:06:58,652 宗教儀式との関連が 指摘されています。 89 00:07:00,353 --> 00:07:04,524 邪馬台国について記した「魏志倭人伝」。 90 00:07:04,524 --> 00:07:10,330 そこには 卑弥呼が行った 宗教儀式について記されています。 91 00:07:12,265 --> 00:07:16,236 「鬼道」 呪術の一つです。 92 00:07:16,236 --> 00:07:19,706 卑弥呼は巫女として 神の意志を聞き➡ 93 00:07:19,706 --> 00:07:24,911 その権威を背景に 政治をつかさどったと されています。 94 00:07:32,218 --> 00:07:36,089 太陽が隠れ➡ 95 00:07:36,089 --> 00:07:41,561 底知れぬ闇が この世を覆う。 96 00:07:41,561 --> 00:07:47,067 大地は荒れ果て 民は飢えに苦しむ。 97 00:07:50,737 --> 00:07:55,442 この国は 一体どうなるのか…。 98 00:07:58,411 --> 00:08:03,016 当時 中国では 道教が 鬼道と呼ばれ➡ 99 00:08:03,016 --> 00:08:07,020 同じような儀式をしていたとも いわれています。 100 00:08:26,840 --> 00:08:30,377 地中から現れた石棺墓。 101 00:08:30,377 --> 00:08:35,882 真相を解き明かすため 調査は 今も続いています。 102 00:08:39,052 --> 00:08:42,722 邪馬台国の謎に迫る試み。 103 00:08:42,722 --> 00:08:47,927 新たな進展は 近畿説の舞台でも起きています。 104 00:08:50,063 --> 00:08:54,401 奈良県 纒向遺跡です。 105 00:08:54,401 --> 00:09:01,908 200回を超える発掘調査で 巨大な都市が 築かれていたことが判明しています。 106 00:09:05,812 --> 00:09:11,618 東西2キロメートル 南北1.5キロメートル。 107 00:09:11,618 --> 00:09:18,825 その中心には 宮殿と見られる建造物が 建てられていました。 108 00:09:18,825 --> 00:09:22,529 果たして そこに住んでいた権力者こそが➡ 109 00:09:22,529 --> 00:09:25,331 卑弥呼なのでしょうか。 110 00:09:28,201 --> 00:09:35,208 纒向遺跡が作られた時期を探り 核心に迫る研究が始まっています。 111 00:09:40,914 --> 00:09:45,718 名古屋大学の中塚 武教授です。 112 00:09:45,718 --> 00:09:50,590 これまでよりも精密な 年代測定法を開発。 113 00:09:50,590 --> 00:09:55,595 1年単位で年代を割り出すことを 可能にしました。 114 00:09:58,264 --> 00:10:03,870 都の建築資材として 使われたと見られる木材です。 115 00:10:03,870 --> 00:10:09,876 その年代を特定することで 卑弥呼とのつながりを探ります。 116 00:10:12,412 --> 00:10:17,083 「魏志倭人伝」によると 卑弥呼が 中国の皇帝から➡ 117 00:10:17,083 --> 00:10:24,424 親魏倭王の称号を得たと されるのは 239年。 118 00:10:24,424 --> 00:10:29,262 纒向遺跡の木材が もし その年代と近ければ➡ 119 00:10:29,262 --> 00:10:33,466 ここに卑弥呼がいた可能性が 高まります。 120 00:10:36,035 --> 00:10:38,438 これまで 中塚さんは➡ 121 00:10:38,438 --> 00:10:43,910 日本列島の木材に含まれる 酸素の同位体比を調べることで➡ 122 00:10:43,910 --> 00:10:50,450 古代に遡って 気候の変化を突き止めてきました。 123 00:10:50,450 --> 00:10:53,920 既に年代が分かっている このパターンと➡ 124 00:10:53,920 --> 00:10:57,790 纒向の木材から分かるパターンを 比べることで➡ 125 00:10:57,790 --> 00:11:01,594 年代を 特定しようというのです。 126 00:11:07,066 --> 00:11:09,769 …というふうに我々は考えています。 127 00:11:27,887 --> 00:11:32,425 纒向の木材から分かる 1年ごとの気候の変化は➡ 128 00:11:32,425 --> 00:11:35,328 このとおりになりました。 129 00:11:35,328 --> 00:11:39,098 それが 古代から現代までのパターンの➡ 130 00:11:39,098 --> 00:11:42,001 どこに当てはまるのか。 131 00:11:42,001 --> 00:11:45,872 一致したのは 3世紀。 132 00:11:45,872 --> 00:11:51,678 その終わりは 木材が伐採された年を表します。 133 00:11:51,678 --> 00:11:54,447 231年。 134 00:11:54,447 --> 00:11:58,952 卑弥呼が親魏倭王となる 8年前です。 135 00:12:02,855 --> 00:12:07,060 卑弥呼が生きていた時代と合致します。 136 00:12:07,060 --> 00:12:13,266 このころ 纒向遺跡の建設は 本格的に進んでいました。 137 00:12:17,704 --> 00:12:22,241 もし 纒向が 邪馬台国の本拠地だったならば➡ 138 00:12:22,241 --> 00:12:27,447 卑弥呼は その死後 どこに葬られたのでしょうか。 139 00:12:29,983 --> 00:12:33,686 纒向遺跡の南側にある… 140 00:12:35,421 --> 00:12:38,324 全長280メートル。 141 00:12:38,324 --> 00:12:41,227 長方形と円形を 組み合わせた➡ 142 00:12:41,227 --> 00:12:44,931 巨大な前方後円墳です。 143 00:12:48,434 --> 00:12:52,105 「魏志倭人伝」によると 卑弥呼は➡ 144 00:12:52,105 --> 00:12:56,909 大きく盛り上がった墓に眠ると されています。 145 00:12:56,909 --> 00:12:59,445 そして 亡くなったのは➡ 146 00:12:59,445 --> 00:13:02,448 250年ごろ。 147 00:13:04,284 --> 00:13:09,856 近年 箸墓古墳の出土物などから 年代測定が行われ➡ 148 00:13:09,856 --> 00:13:16,663 240年から260年ごろに造られたと 推定されています。 149 00:13:18,398 --> 00:13:24,203 年代や大きさなど 複数の条件から 箸墓古墳は➡ 150 00:13:24,203 --> 00:13:28,908 卑弥呼の墓ではないかとも 考えられているのです。 151 00:13:43,623 --> 00:13:46,926 それは文字どおり… 152 00:13:49,762 --> 00:13:52,432 …というのが非常に可能性としては➡ 153 00:13:52,432 --> 00:13:55,435 クローズアップされてくるんじゃないかと。 154 00:13:57,603 --> 00:14:00,373 なるほど! 調査が進んで➡ 155 00:14:00,373 --> 00:14:04,243 邪馬台国の謎が どんどん 解き明かされようと されてるんですね。 156 00:14:04,243 --> 00:14:08,848 そう この国のルーツに迫る上で 目が離せないの。 157 00:14:08,848 --> 00:14:10,783 あっ 質問いいですか? 158 00:14:10,783 --> 00:14:16,055 私 卑弥呼さんといえば巫女 みたいな イメージがあるんですけど➡ 159 00:14:16,055 --> 00:14:20,393 まじないで 国を治めることが できるのかな? 160 00:14:20,393 --> 00:14:23,863 どんな人だったんだろう…。 えっ 興味 持ってくれたの? 161 00:14:23,863 --> 00:14:25,932 はい! うれしい~。 162 00:14:25,932 --> 00:14:30,069 卑弥呼が どんな人物で 一体 何を目指していたのか➡ 163 00:14:30,069 --> 00:14:34,407 新しいことが分かってきてるよ。 へえ~。 164 00:14:34,407 --> 00:14:39,245 「魏志倭人伝」によると 当時 倭国と呼ばれた日本は➡ 165 00:14:39,245 --> 00:14:44,751 小国に分かれ それぞれに 王がいたことが分かっています。 166 00:14:46,419 --> 00:14:51,124 そうした王たちが共に立てたのが 卑弥呼です。 167 00:14:55,428 --> 00:14:59,298 各地で力を振るった王たち。 168 00:14:59,298 --> 00:15:05,304 なぜ卑弥呼を女王として 擁立することになったのでしょうか? 169 00:15:07,373 --> 00:15:09,709 謎を解く手がかりが➡ 170 00:15:09,709 --> 00:15:14,013 卑弥呼の生きた時代に栄えた 集落にありました。 171 00:15:17,383 --> 00:15:22,255 鳥取 青谷上寺地遺跡。 172 00:15:22,255 --> 00:15:27,560 日本海に通じる港があり 交易の拠点でした。 173 00:15:36,402 --> 00:15:40,873 去年 発掘調査で見つかった人骨。 174 00:15:40,873 --> 00:15:46,379 埋葬されることなく 大量に散乱していました。 175 00:16:03,229 --> 00:16:07,533 高精細8Kカメラで 人骨を撮影。 176 00:16:07,533 --> 00:16:13,840 骨に刻まれた痕跡から 当時 何が起きていたのかを探ります。 177 00:16:16,709 --> 00:16:20,213 これは顎の骨。 178 00:16:20,213 --> 00:16:26,552 刃物でつけられたとも思われる 傷痕が見つかりました。 179 00:16:26,552 --> 00:16:29,856 こちらは骨盤の一部。 180 00:16:29,856 --> 00:16:35,561 骨を貫いていたのは 金属の矢じりでした。 181 00:16:37,396 --> 00:16:41,267 こうした人骨は各地で見つかっています。 182 00:16:41,267 --> 00:16:46,272 大きな争乱があったことが 浮かび上がってきたのです。 183 00:16:48,407 --> 00:16:52,912 争いの原因の一つと 考えられるのが… 184 00:16:54,580 --> 00:16:56,883 これは 古代の木材から➡ 185 00:16:56,883 --> 00:17:00,686 気候の変化を分析した データです。 186 00:17:00,686 --> 00:17:04,023 激しく上下するグラフ。 187 00:17:04,023 --> 00:17:07,894 干ばつや洪水など 異常気象が頻発していた➡ 188 00:17:07,894 --> 00:17:10,596 可能性を示します。 189 00:17:13,366 --> 00:17:18,204 この時代 食糧を巡る争いが 起きていたのではないかと➡ 190 00:17:18,204 --> 00:17:22,375 考えられています。 191 00:17:22,375 --> 00:17:25,044 放て~! 192 00:17:25,044 --> 00:17:28,848 日本列島で巻き起こった争乱。 193 00:17:28,848 --> 00:17:31,551 未曽有の危機を打開することが➡ 194 00:17:31,551 --> 00:17:35,054 各地の王たちに求められました。 195 00:17:38,057 --> 00:17:40,560 あっ ああ…。 196 00:17:40,560 --> 00:17:44,363 その時 生まれたのが… 197 00:17:46,065 --> 00:17:52,238 小国が政治連合を組み 卑弥呼を女王として擁立しました。 198 00:17:52,238 --> 00:17:57,076 その勢力範囲は 日本列島の西側に広がっていたとも➡ 199 00:17:57,076 --> 00:17:59,378 いわれています。 200 00:18:01,914 --> 00:18:09,422 一説では 邪馬台国連合のシンボルが 前方後円墳ともいわれています。 201 00:18:32,712 --> 00:18:39,585 王たちの間に緊張関係が残る中 女王となった卑弥呼。 202 00:18:39,585 --> 00:18:47,059 国を一つにまとめるための 困難な闘いが始まりました。 203 00:18:47,059 --> 00:18:49,729 最近 鉄や銅といった資源を➡ 204 00:18:49,729 --> 00:18:52,064 独り占めにしようとする クニがあると聞く。 205 00:18:52,064 --> 00:18:54,400 わしも聞いたぞ。 206 00:18:54,400 --> 00:18:58,738 黒幕は お前じゃろう! フッ 何を言うておる。 207 00:18:58,738 --> 00:19:05,177 お前こそ 乱を起こそうと 企てているのではないのか? 208 00:19:05,177 --> 00:19:08,014 お黙りなさい! 209 00:19:08,014 --> 00:19:11,350 だが…! 210 00:19:11,350 --> 00:19:18,824 よいか 皆の者。 我らは 力を合わせて国をつくらねばならん。 211 00:19:18,824 --> 00:19:22,028 かような いさかいをしている時ではない! 212 00:19:32,371 --> 00:19:35,074 この お飾りが。 213 00:19:36,842 --> 00:19:40,713 卑弥呼は祭り上げられた立場。 214 00:19:40,713 --> 00:19:45,217 王たちを抑え込むのは 容易ではありません。 215 00:19:47,586 --> 00:19:52,291 そこに 大きな試練が重なります。 216 00:20:00,066 --> 00:20:04,937 大きな災いがやって来る。 災い? 217 00:20:04,937 --> 00:20:08,741 狗奴国。 218 00:20:08,741 --> 00:20:11,744 長い争いになるだろう。 219 00:20:16,082 --> 00:20:18,984 蹴散らせ~! (一同)オ~! 220 00:20:18,984 --> 00:20:24,990 「魏志倭人伝」に記されている 卑弥呼の宿敵 狗奴国。 221 00:20:27,426 --> 00:20:34,200 その実像が 考古学的研究から分かり始めています。 222 00:20:34,200 --> 00:20:40,973 これは 狗奴国のシンボルとされる前方後方墳。 223 00:20:40,973 --> 00:20:45,678 大小2つの四角形を組み合わせた お墓です。 224 00:20:48,280 --> 00:20:52,451 その分布から 狗奴国の勢力範囲は➡ 225 00:20:52,451 --> 00:20:57,456 日本列島の東側に広がっていたとも いわれています。 226 00:21:16,642 --> 00:21:19,612 前方後方墳が広がる地域では➡ 227 00:21:19,612 --> 00:21:24,617 特有の文化圏が築かれていた証拠が 見つかっています。 228 00:21:26,752 --> 00:21:28,754 こちらの土器ですね。 229 00:21:28,754 --> 00:21:34,560 その一つが 鮮やかな色彩が特徴の土器。 230 00:21:37,897 --> 00:21:44,203 こちらの土器には 顔に入れ墨をした人物が描かれています。 231 00:21:52,111 --> 00:21:59,285 女王 卑弥呼? フフッ 笑わせるな。 232 00:21:59,285 --> 00:22:04,123 やつの指図など受けぬわ。 233 00:22:04,123 --> 00:22:09,094 皆の者 いくぞ~! (一同)オ~! 234 00:22:09,094 --> 00:22:12,731 日本列島に巻き起こる争乱。 235 00:22:12,731 --> 00:22:18,037 卑弥呼は 難局を どう乗り切ってゆくのでしょうか? 236 00:22:23,876 --> 00:22:27,746 卑弥呼さん 大変そうですね。 うん。 237 00:22:27,746 --> 00:22:34,086 各地の政治勢力 つまり 小さな国が集まって出来た邪馬台国連合。 238 00:22:34,086 --> 00:22:36,755 王たちは それぞれ 勢力範囲を持ち➡ 239 00:22:36,755 --> 00:22:39,425 ユニークな形の お墓を造っていた。 240 00:22:39,425 --> 00:22:43,095 例えば キャンディー形や➡ 241 00:22:43,095 --> 00:22:46,765 四隅が突き出たお墓など。 242 00:22:46,765 --> 00:22:51,437 一説によると これらの墓の形を 組み合わせて出来たのが➡ 243 00:22:51,437 --> 00:22:53,372 前方後円墳。 244 00:22:53,372 --> 00:22:57,109 邪馬台国連合のシンボルではと いわれてる。へえ~。 245 00:22:57,109 --> 00:23:00,546 卑弥呼は 王たちの調整に苦労したはずだ。 246 00:23:00,546 --> 00:23:05,050 うん。 それに 最大のライバル 狗奴国。 247 00:23:05,050 --> 00:23:09,255 前方後方墳がシンボルではと いわれてる。 248 00:23:14,727 --> 00:23:20,866 あの王たち それに狗奴国…。 249 00:23:20,866 --> 00:23:22,801 えっ!? 250 00:23:22,801 --> 00:23:28,407 うん? どうしたの? どんどん質問して。 251 00:23:28,407 --> 00:23:33,245 あ… 卑弥呼さんは このピンチを どうやって乗り越えたんですかね? 252 00:23:33,245 --> 00:23:37,049 手がかりは 「魏志倭人伝」にある。 253 00:23:39,051 --> 00:23:43,589 この「親魏倭王」という言葉に注目して。 254 00:23:43,589 --> 00:23:45,624 授業で習ったことあります! 255 00:23:45,624 --> 00:23:48,761 確か 中国の魏に使いを送ったんですよね。 256 00:23:48,761 --> 00:23:51,764 そう! ここに卑弥呼の知られざる➡ 257 00:23:51,764 --> 00:23:55,901 グローバル戦略があったことが 分かってきてるんです。 258 00:23:55,901 --> 00:23:59,104 卑弥呼さん 世界に? 259 00:24:01,040 --> 00:24:05,210 卑弥呼が中国の魏に使者を送った当時➡ 260 00:24:05,210 --> 00:24:12,217 東アジアを揺るがす大変動があったことが 最新研究から分かってきています。 261 00:24:16,722 --> 00:24:22,061 国立科学博物館で 古代の人骨のDNAを研究している➡ 262 00:24:22,061 --> 00:24:25,731 神澤秀明さんです。 263 00:24:25,731 --> 00:24:30,602 卑弥呼の時代の集落 青谷上寺地遺跡の人骨から➡ 264 00:24:30,602 --> 00:24:33,806 思わぬ発見がありました。 265 00:24:48,420 --> 00:24:51,090 これは 東アジアの人々の➡ 266 00:24:51,090 --> 00:24:53,993 遺伝上の近さを 表したグラフ。 267 00:24:53,993 --> 00:24:59,431 中央は中国人 左上が縄文人です。 268 00:24:59,431 --> 00:25:03,402 青谷上寺地は 双方の間にあり➡ 269 00:25:03,402 --> 00:25:07,906 海を越えて 混血が進んだことを示しています。 270 00:25:10,376 --> 00:25:15,714 混血の人の割合は 実に9割。 271 00:25:15,714 --> 00:25:18,550 卑弥呼の時代 日本は➡ 272 00:25:18,550 --> 00:25:23,355 世界と深くつながっていたことが 分かってきました。 273 00:25:25,324 --> 00:25:28,260 その原因の一つといわれるのが➡ 274 00:25:28,260 --> 00:25:31,063 中国の戦乱です。 275 00:25:31,063 --> 00:25:33,732 大帝国だった漢が衰退し➡ 276 00:25:33,732 --> 00:25:37,603 「三国志」の時代に突入。 277 00:25:37,603 --> 00:25:42,908 戦火を逃れようとする難民たちが 大量にいました。 278 00:26:18,243 --> 00:26:22,848 この時 日本列島に大きな変化が起きたことが➡ 279 00:26:22,848 --> 00:26:26,385 考古学的に分かってきています。 280 00:26:26,385 --> 00:26:32,691 大陸から鉄などが持ち込まれ 最新の武器が作られたのです。 281 00:26:34,259 --> 00:26:38,730 これは 武器の威力を検証するための実験。 282 00:26:38,730 --> 00:26:40,732 それまでの日本列島では➡ 283 00:26:40,732 --> 00:26:44,536 石を用いた弓矢が 主流でした。 284 00:26:48,874 --> 00:26:52,077 威力の違いは歴然。 285 00:26:52,077 --> 00:26:57,783 鉄製の矢じりは 金属の板を容易に貫通しました。 286 00:27:01,887 --> 00:27:05,023 蹴散らせ~! (一同)オ~! 287 00:27:05,023 --> 00:27:08,060 大陸から伝わった武器が導入され➡ 288 00:27:08,060 --> 00:27:14,566 卑弥呼と狗奴国の争いは 熾烈を極めたと考えられています。 289 00:27:26,845 --> 00:27:31,383 このまま 狗奴国との争いが長引けば➡ 290 00:27:31,383 --> 00:27:36,855 ますます 民は飢え 国は荒れる。 291 00:27:36,855 --> 00:27:39,391 わしは もう嫌じゃ。 292 00:27:39,391 --> 00:27:43,862 いさかいのない国をつくると言ったのは 卑弥呼様じゃないのか? 293 00:27:43,862 --> 00:27:47,065 なのに このざまだ…。 294 00:27:47,065 --> 00:27:51,069 卑弥呼様 一体どうなさるおつもりじゃ!? 295 00:27:56,408 --> 00:28:02,214 女王として 国をまとめる使命を帯びた卑弥呼。 296 00:28:02,214 --> 00:28:05,517 新たな策を打ち出します。 297 00:28:08,020 --> 00:28:15,327 もう このままでは… 配下の王たちを まとめることはできませぬ。 298 00:28:19,631 --> 00:28:23,368 魏に使者を送る。 299 00:28:23,368 --> 00:28:30,242 皇帝が後ろ盾になれば 王たちの不満も不安も消える。 300 00:28:30,242 --> 00:28:35,247 魏は 必ずや 味方についてくれる。 301 00:28:37,216 --> 00:28:43,722 魏は 「三国志」の英雄 曹操が 礎を築いた大国。 302 00:28:43,722 --> 00:28:51,430 三国の中で 最大の人口を擁し 強大な軍隊を誇っていました。 303 00:28:55,067 --> 00:29:00,806 魏の王宮 漢魏洛陽城の遺跡です。 304 00:29:00,806 --> 00:29:05,177 倭国から 2,300キロ離れた この場所に➡ 305 00:29:05,177 --> 00:29:08,880 卑弥呼は使者を送っていました。 306 00:29:30,335 --> 00:29:33,839 倭とは どのような国か? 307 00:29:33,839 --> 00:29:37,709 王の名は… 卑弥呼。 308 00:29:37,709 --> 00:29:42,848 鬼道につかえ よく衆を惑わすと。 309 00:29:42,848 --> 00:29:48,220 我が国を 謀ろうというのではあるまいな? 310 00:29:48,220 --> 00:29:50,722 めっそうもございませぬ。 311 00:29:50,722 --> 00:29:54,426 その力を我らにお貸し願いたい。 312 00:29:56,061 --> 00:30:01,400 邪馬台国と比べると 魏は桁違いの大国。 313 00:30:01,400 --> 00:30:08,907 この国と どのような交渉をして 親魏倭王の称号を得たのでしょうか? 314 00:30:13,879 --> 00:30:16,415 「三国志」の最新研究から➡ 315 00:30:16,415 --> 00:30:20,085 卑弥呼の知られざる外交戦略に 迫ろうというのが➡ 316 00:30:20,085 --> 00:30:24,756 復旦大学の戴燕教授です。 317 00:30:24,756 --> 00:30:30,562 卑弥呼は 魏 呉 蜀 三国の対立関係を➡ 318 00:30:30,562 --> 00:30:34,266 巧みに利用したと考えています。 319 00:30:56,788 --> 00:31:02,794 カギを握るのは 呉を率いた孫権。 320 00:31:05,397 --> 00:31:13,205 魏の曹操を 赤壁の戦いで打ち破るなど 勢力を拡大していました。 321 00:31:16,408 --> 00:31:21,880 呉の歴史書には 孫権が魏を海上から攻めようとする➡ 322 00:31:21,880 --> 00:31:26,084 壮大な計画が 記されていました。 323 00:31:29,755 --> 00:31:33,625 大量の船と兵士を動員するためには➡ 324 00:31:33,625 --> 00:31:37,362 補給基地が 必要不可欠でした。 325 00:31:37,362 --> 00:31:43,568 その際 呉は倭国に接近したと 考えられています。 326 00:32:18,737 --> 00:32:23,875 これは 兵庫県で出土した呉の鏡。 327 00:32:23,875 --> 00:32:27,412 鏡は 倭国の有力者たちが用い➡ 328 00:32:27,412 --> 00:32:31,216 権威の証として尊ばれてきました。 329 00:32:35,887 --> 00:32:40,258 倭国に接近しようとする呉。 330 00:32:40,258 --> 00:32:45,130 その状況こそが 卑弥呼が 魏との交渉を有利に進める➡ 331 00:32:45,130 --> 00:32:49,134 突破口だったと 考えられています。 332 00:32:56,441 --> 00:33:00,846 聡明な皆様には お分かりかと。 333 00:33:00,846 --> 00:33:03,748 よくお考えください。 334 00:33:03,748 --> 00:33:10,589 貴国の宿敵 呉の背後を討ち 挟み撃ちにできるは 我が倭のみ! 335 00:33:10,589 --> 00:33:13,859 どうじゃ? 336 00:33:13,859 --> 00:33:19,865 あやつの言っていることは 理にかなっているかと。 337 00:33:23,068 --> 00:33:25,103 魏の立場からすれば➡ 338 00:33:25,103 --> 00:33:31,409 もし 呉と倭国が手を結べば 不利な状況に置かれます。 339 00:33:31,409 --> 00:33:38,416 逆に 魏と倭国が結べば 呉をけん制することも可能です。 340 00:33:53,098 --> 00:33:57,903 倭の女王 卑弥呼➡ 341 00:33:57,903 --> 00:34:01,773 汝をもって親魏倭王となす。 342 00:34:01,773 --> 00:34:07,045 我が国が 汝をいとおしんでいることを 周知せよ。 343 00:34:07,045 --> 00:34:09,347 ありがとうございます! 344 00:34:12,384 --> 00:34:16,855 魏から 破格の待遇を受けた卑弥呼。 345 00:34:16,855 --> 00:34:23,662 そして贈られたのが 親魏倭王の称号を刻んだ金印です。 346 00:34:31,069 --> 00:34:34,739 皆の者。 347 00:34:34,739 --> 00:34:39,077 皇帝は 私を選んだのだ。 348 00:34:39,077 --> 00:34:41,012 (一同)おお…。 349 00:34:41,012 --> 00:34:48,019 あの魏の皇帝が 卑弥呼様を 倭を代表する王と認めたのだぞ。 350 00:34:53,091 --> 00:34:55,894 はっ…。 351 00:34:55,894 --> 00:35:01,399 私も 卑弥呼様をお支え申し上げまする。 352 00:35:25,857 --> 00:35:30,695 「三国志」と卑弥呼さん つながってたんだ! うん。 353 00:35:30,695 --> 00:35:35,900 …で それで うまく 倭国をまとめ上げたっていうわけですね。 354 00:35:38,236 --> 00:35:41,272 あれ? いや 残念ながら➡ 355 00:35:41,272 --> 00:35:43,408 そうはいかなかったんだ。 356 00:35:43,408 --> 00:35:49,881 卑弥呼が 魏から倭王と認められても 狗奴国との争いは止まらなかった。 357 00:35:49,881 --> 00:35:53,752 狗奴国…! 358 00:35:53,752 --> 00:35:57,088 また!? 359 00:35:57,088 --> 00:36:01,359 (せきばらい) しかも この争いの結末は➡ 360 00:36:01,359 --> 00:36:06,031 「魏志倭人伝」にも書かれておらず 謎に包まれている。 361 00:36:06,031 --> 00:36:09,534 しかし このあと 日本列島は➡ 362 00:36:09,534 --> 00:36:12,437 一つの国へと まとまっていくことになるの。 363 00:36:12,437 --> 00:36:14,706 来ましたね ミステリー! それで➡ 364 00:36:14,706 --> 00:36:18,710 そこに卑弥呼さんは どういうふうに関わっていくんですか? 365 00:36:23,048 --> 00:36:27,919 (泣き声) 366 00:36:27,919 --> 00:36:33,224 卑弥呼と狗奴国の争いの行方。 367 00:36:33,224 --> 00:36:36,061 その謎に迫る手がかりが➡ 368 00:36:36,061 --> 00:36:40,065 邪馬台国連合のシンボルともいわれる… 369 00:36:46,704 --> 00:36:51,076 今 前方後円墳の分布を調べることで➡ 370 00:36:51,076 --> 00:36:56,381 争いの行方を解明しようとする研究が 進んでいます。 371 00:36:58,817 --> 00:37:03,822 用いるのは AI 人工知能です。 372 00:37:05,590 --> 00:37:09,194 詳細な地形データを 分析することで➡ 373 00:37:09,194 --> 00:37:13,064 木々や土に埋もれて 分かりにくい 前方後円墳を➡ 374 00:37:13,064 --> 00:37:16,267 探し出すことが 可能です。 375 00:37:35,053 --> 00:37:39,858 今回 AIで調べたのは東北地方。 376 00:37:41,726 --> 00:37:46,397 これまで東北では 狗奴国のシンボルとも考えられている➡ 377 00:37:46,397 --> 00:37:50,702 前方後方墳が 多く造られてきました。 378 00:37:53,271 --> 00:37:57,876 卑弥呼と対立する狗奴国の勢力圏。 379 00:37:57,876 --> 00:38:00,345 その場所に AIは➡ 380 00:38:00,345 --> 00:38:05,650 多数の前方後円墳の 候補を示しました。 381 00:38:09,053 --> 00:38:15,860 1月 AIが示した場所に 実地調査に向かいました。 382 00:38:17,695 --> 00:38:22,200 訪ねたのは福島県 小野町。 383 00:38:22,200 --> 00:38:26,004 市街地から程近い山林です。 384 00:38:29,073 --> 00:38:33,278 オホホホホ… 385 00:38:36,214 --> 00:38:39,717 僅かに地面が膨らんだ場所。 386 00:38:39,717 --> 00:38:42,420 ここが候補地です。 387 00:38:44,589 --> 00:38:51,296 3次元スキャナーを用いて 更に細かい地面の凹凸を分析します。 388 00:39:03,041 --> 00:39:05,243 …に見えるね。 389 00:39:08,179 --> 00:39:10,515 現地調査の結果➡ 390 00:39:10,515 --> 00:39:15,720 未知の前方後円墳である 可能性が見えてきました。 391 00:39:21,025 --> 00:39:24,362 狗奴国の勢力圏と考えられ➡ 392 00:39:24,362 --> 00:39:30,168 前方後方墳が築かれてきた東海や東北。 393 00:39:30,168 --> 00:39:34,038 考古学的研究から 前方後円墳が➡ 394 00:39:34,038 --> 00:39:39,344 卑弥呼の時代以後 増えていくことが分かってきました。 395 00:39:58,229 --> 00:40:02,567 謎に包まれていた狗奴国との争い。 396 00:40:02,567 --> 00:40:07,238 前方後円墳をシンボルとする勢力が 圧倒していったことが➡ 397 00:40:07,238 --> 00:40:10,441 浮かび上がってきました。 398 00:40:12,076 --> 00:40:17,415 その明暗を分けたのは 何だったのか。 399 00:40:17,415 --> 00:40:22,420 手がかりの一つは 卑弥呼の墓ともいわれている… 400 00:40:29,894 --> 00:40:34,098 土木考古学の専門家 青木 敬教授は➡ 401 00:40:34,098 --> 00:40:38,403 古墳の高度な技術に 注目しています。 402 00:40:44,442 --> 00:40:51,215 1,700年たった今も その原形をとどめている箸墓古墳。 403 00:40:51,215 --> 00:40:54,919 巨大で堅牢な古墳を造る技術は➡ 404 00:40:54,919 --> 00:40:59,223 それまでの日本列島では 見られないものでした。 405 00:41:18,076 --> 00:41:22,780 卑弥呼が使者を送った 魏の洛陽城です。 406 00:41:24,949 --> 00:41:27,752 巨大な城を支えるため➡ 407 00:41:27,752 --> 00:41:32,256 盛土という技術が 用いられていました。 408 00:41:50,008 --> 00:41:56,314 我らは 魏と結んだことで 進んだ技術を手に入れた。 409 00:41:58,616 --> 00:42:01,619 その力を生かせ。 410 00:42:04,389 --> 00:42:08,726 古墳に導入されたという盛土技術。 411 00:42:08,726 --> 00:42:12,730 その秘められた力を検証します。 412 00:42:16,868 --> 00:42:22,373 粘土や真砂土などの層を重ね サンプルを作製。 413 00:42:25,877 --> 00:42:31,582 強度試験として 鉄球を3メートルの高さから投下します。 414 00:42:33,251 --> 00:42:36,954 その衝撃で加わる重さは およそ… 415 00:42:40,992 --> 00:42:47,765 盛土と比較するのは 一種類の土を固めたサンプルです。 416 00:42:47,765 --> 00:42:52,570 鉄球の威力に耐え切れずに 崩れてしまいました。 417 00:42:54,439 --> 00:42:57,141 一方の盛土。 418 00:43:00,711 --> 00:43:03,915 その姿を とどめました。 419 00:43:06,050 --> 00:43:11,856 土は種類によって 衝撃力の伝わり方が異なります。 420 00:43:11,856 --> 00:43:16,060 層を重ねることで 衝撃を拡散。 421 00:43:16,060 --> 00:43:19,363 強度を上げたと考えられます。 422 00:43:23,401 --> 00:43:29,574 更に 実験では 放水装置を使い 悪天候を再現。 423 00:43:29,574 --> 00:43:33,077 水への耐久性を調べました。 424 00:43:35,079 --> 00:43:37,982 弥生時代は 気候変動が激しく➡ 425 00:43:37,982 --> 00:43:41,686 水害が多発したと いわれています。 426 00:43:44,422 --> 00:43:49,594 一種類の土で作ったサンプルは 水の勢いに耐え切れず➡ 427 00:43:49,594 --> 00:43:53,097 すぐに 崩壊してしまいました。 428 00:43:54,899 --> 00:43:57,268 一方の盛土。 429 00:43:57,268 --> 00:44:02,039 水に強い粘土層と 水はけのよい層➡ 430 00:44:02,039 --> 00:44:07,745 異なる層を重ねることで 崩壊を免れていました。 431 00:44:10,381 --> 00:44:16,721 もし 卑弥呼の時代 水害に強い土木技術を持っていたならば➡ 432 00:44:16,721 --> 00:44:21,225 勢力を拡大する上で 有利に働いたと➡ 433 00:44:21,225 --> 00:44:24,028 考えられるのです。 434 00:44:53,090 --> 00:44:59,797 とこしえに栄える 豊かな国をつくるのだ。 435 00:45:02,700 --> 00:45:05,002 はい。 436 00:45:06,571 --> 00:45:15,279 太陽よ ずっと この国を照らしておくれ…。 437 00:45:20,051 --> 00:45:24,855 卑弥呼は 3世紀半ばに亡くなります。 438 00:45:29,060 --> 00:45:31,562 最後に残された謎は➡ 439 00:45:31,562 --> 00:45:36,734 卑弥呼と その後の歴史が どうつながっているか。 440 00:45:36,734 --> 00:45:41,238 卑弥呼の死後 この国を治めたのが… 441 00:45:45,743 --> 00:45:51,249 世界遺産に登録された ヤマト王権のお墓。 442 00:45:51,249 --> 00:45:54,885 天皇家のルーツとされる 歴代の王たちは➡ 443 00:45:54,885 --> 00:45:58,689 前方後円墳に葬られました。 444 00:46:04,362 --> 00:46:11,702 卑弥呼の墓といわれる箸墓古墳も 前方後円墳です。 445 00:46:11,702 --> 00:46:16,040 そこから 卑弥呼とヤマト王権を結び付ける➡ 446 00:46:16,040 --> 00:46:19,744 大胆な仮説が唱えられています。 447 00:46:48,939 --> 00:46:52,810 卑弥呼様が ヤマト王権の最初の王様!? うん。 448 00:46:52,810 --> 00:46:56,580 謎に包まれた古代史が 一本の線で結ばれていく感じが➡ 449 00:46:56,580 --> 00:46:58,516 もうワクワクします! 450 00:46:58,516 --> 00:47:02,019 どう? 卑弥呼のすごさ 魅力 分かってくれた? 451 00:47:02,019 --> 00:47:04,021 はい! 452 00:47:07,892 --> 00:47:15,533 王たちをまとめ 外交にも力を入れ➡ 453 00:47:15,533 --> 00:47:23,040 国の礎を築くのに 本当に苦労したのだ。 454 00:47:23,040 --> 00:47:26,844 さあ いいレポートが書けそうだな~。 455 00:47:26,844 --> 00:47:29,747 いいや 待たれい! えっ!? 456 00:47:29,747 --> 00:47:37,855 次回は ヤマト王権を率いた 大王たちの物語じゃ! 457 00:47:37,855 --> 00:47:43,561 去年 日本のルーツに迫る 新たな発見がありました。 458 00:47:45,396 --> 00:47:48,866 3世紀後半の前方後円墳に➡ 459 00:47:48,866 --> 00:47:53,404 膨大な数の銅鏡があったことが 確認されたのです。 460 00:47:53,404 --> 00:47:57,074 その数 100枚以上。 461 00:47:57,074 --> 00:48:03,280 金属を精巧に加工し 量産する技術がありました。 462 00:48:13,524 --> 00:48:18,696 卓越した技術革新を成し遂げた ヤマト王権。 463 00:48:18,696 --> 00:48:20,698 それを牽引していったのは➡ 464 00:48:20,698 --> 00:48:25,035 「倭の五王」と呼ばれる リーダーでした。 465 00:48:25,035 --> 00:48:31,709 生き残るためになすべきは 強い国づくりだ。 466 00:48:31,709 --> 00:48:36,914 日本独自の前方後円墳を韓国で発見。 467 00:48:39,383 --> 00:48:43,854 ヤマト王権は 資源を求めて進出した朝鮮半島で➡ 468 00:48:43,854 --> 00:48:47,391 危機に直面します。 469 00:48:47,391 --> 00:48:51,562 東アジアの動乱の中 国づくりを進めた➡ 470 00:48:51,562 --> 00:48:55,766 ヤマトの王たちの実像に迫ります。