1 00:00:05,205 --> 00:00:11,378 私たちが暮らす国 日本のルーツに 秘められた謎。 2 00:00:11,378 --> 00:00:17,084 今 古代史の空白に迫る発見が 相次いでいます。 3 00:00:18,852 --> 00:00:21,388 (拍手) 4 00:00:21,388 --> 00:00:24,691 古墳から見つかったのは…。 5 00:00:26,860 --> 00:00:33,233 これまで例のない 盾の形をした銅鏡。 6 00:00:33,233 --> 00:00:40,040 そして 古代東アジア最大という 巨大な鉄剣です。 7 00:00:46,246 --> 00:00:52,452 古代日本で 史上空前の技術革新が 起きていたのです。 8 00:00:54,121 --> 00:01:02,195 謎に満ちた 私たちの国の起源に迫る シリーズ「古代史ミステリー」。 9 00:01:02,195 --> 00:01:06,533 第1集では 邪馬台国の女王 卑弥呼が➡ 10 00:01:06,533 --> 00:01:11,338 争いで乱れた国を立て直す挑戦を 描きました。 11 00:01:16,243 --> 00:01:18,545 今回は 卑弥呼の死後➡ 12 00:01:18,545 --> 00:01:22,416 史上初となる統一国家 ヤマト王権を率いた➡ 13 00:01:22,416 --> 00:01:25,619 倭の五王の物語です。 14 00:01:33,860 --> 00:01:38,231 韓国で 驚きを巻き起こした発見。 15 00:01:38,231 --> 00:01:43,737 日本にしかないと 考えられてきた前方後円墳です。 16 00:01:45,973 --> 00:01:53,714 見えてきたのは 倭の五王が描いた 壮大なグローバル戦略。 17 00:01:53,714 --> 00:01:56,750 資源なき小国だった古代日本は➡ 18 00:01:56,750 --> 00:02:00,020 重要物資だった鉄を獲得するため➡ 19 00:02:00,020 --> 00:02:03,023 東アジアに進出します。 20 00:02:04,691 --> 00:02:09,696 その前に 立ちはだかる 強大な宿敵。 21 00:02:13,033 --> 00:02:17,904 専門家の考証をもとに 危機に直面した倭の五王の闘いを➡ 22 00:02:17,904 --> 00:02:20,607 映像化します。 23 00:02:28,849 --> 00:02:33,720 最新研究が明かす ヤマト王権の秘策。 24 00:02:33,720 --> 00:02:37,858 変化を恐れない ダイナミックな国家戦略は➡ 25 00:02:37,858 --> 00:02:42,729 その後の歴史を 大きく動かします。 26 00:02:42,729 --> 00:02:48,068 壮大なミステリーと ロマンに満ちた古代史。 27 00:02:48,068 --> 00:02:54,074 空白の世紀の真実に迫る 冒険の始まりです。 28 00:03:01,681 --> 00:03:05,552 ここは不思議なミュージアム。 29 00:03:05,552 --> 00:03:10,323 私は学校で出された課題のため 日本という国が➡ 30 00:03:10,323 --> 00:03:15,028 どうやって生まれたのか 調べることになったんだけど…。 31 00:03:15,028 --> 00:03:18,365 はい これ。 ありがとうございます。 32 00:03:18,365 --> 00:03:23,236 日本のルーツといえば 邪馬台国の女王 卑弥呼。 33 00:03:23,236 --> 00:03:25,238 前回 分かったでしょ? はい。 34 00:03:25,238 --> 00:03:31,378 中国の魏に使いを送って 危機を乗り越えようとした姿➡ 35 00:03:31,378 --> 00:03:34,214 かっこよかったね…。 36 00:03:34,214 --> 00:03:38,552 いやいや 今回こそがクライマックス! 37 00:03:38,552 --> 00:03:40,487 ヤマト王権の時代。 38 00:03:40,487 --> 00:03:43,056 ここからが面白いんです! 39 00:03:43,056 --> 00:03:47,394 ヤマト王権… 教科書で見たような…。 40 00:03:47,394 --> 00:03:54,568 日本の歴史 始まって以来の すごい王権だったんです。 41 00:03:54,568 --> 00:04:00,006 ヤマト王権のすごさを示すのが 前方後円墳。 42 00:04:00,006 --> 00:04:07,013 鍵穴のような形をした日本独自のお墓で ヤマト王権のシンボルです。 43 00:04:10,684 --> 00:04:15,822 前方後円墳は 近畿地方から日本列島各地に拡大。 44 00:04:15,822 --> 00:04:21,027 大王を中心とする 有力豪族の連合政権だったヤマト王権は➡ 45 00:04:21,027 --> 00:04:25,699 史上初めて 統一国家を築きます。 46 00:04:25,699 --> 00:04:27,701 すごいでしょ。 47 00:04:29,703 --> 00:04:36,710 カギを握るのは 中国の歴史書 「『宋書』倭国伝」に登場する5人の王。 48 00:04:36,710 --> 00:04:40,547 その名は 讃 珍 済 興 武。 49 00:04:40,547 --> 00:04:44,718 いわゆる 倭の五王です。 50 00:04:44,718 --> 00:04:49,856 天皇の系図を遡ると その祖先にあたるという王たちですが➡ 51 00:04:49,856 --> 00:04:54,060 実像は 謎に包まれているんです。 52 00:04:58,598 --> 00:05:05,338 このヤマト王権 邪馬台国に負けないぐらい謎だらけ。 53 00:05:05,338 --> 00:05:10,043 倭の五王が活躍したのが 5世紀。 54 00:05:11,678 --> 00:05:17,350 覚えてる? 卑弥呼が活躍したのは 3世紀。 55 00:05:17,350 --> 00:05:20,387 あれ… 間の4世紀は? 56 00:05:20,387 --> 00:05:23,156 そう。 歴史書に記録がないことから➡ 57 00:05:23,156 --> 00:05:26,059 空白の4世紀と呼ばれている。 58 00:05:26,059 --> 00:05:32,365 もしかして またミステリーですか…? 楽しみ! 59 00:05:32,365 --> 00:05:37,237 史上初の統一国家となるヤマト王権。 60 00:05:37,237 --> 00:05:41,708 その最盛期を リードしていたという 倭の五王。 61 00:05:41,708 --> 00:05:47,214 ヤマトは 更なる高みを目指す。 62 00:05:47,214 --> 00:05:54,554 これは 倭の五王の一人 倭王珍ともいわれる仁徳天皇の陵墓。 63 00:05:54,554 --> 00:05:59,993 全長は 486m。 64 00:05:59,993 --> 00:06:03,496 そのスケールは エジプトのピラミッドや➡ 65 00:06:03,496 --> 00:06:07,300 中国の始皇帝陵をもしのぎます。 66 00:06:10,670 --> 00:06:17,677 倭の五王は なぜ これほど 巨大な力を持つようになったのか? 67 00:06:20,180 --> 00:06:24,351 手がかりは 倭の五王が登場する直前➡ 68 00:06:24,351 --> 00:06:29,656 謎に包まれた空白の4世紀にあります。 69 00:06:31,524 --> 00:06:35,028 4世紀後半に造られた… 70 00:06:40,233 --> 00:06:48,074 1,700年近い時を経て 発掘調査が行われました。 71 00:06:48,074 --> 00:06:53,780 ここで 古代史を塗り替える大発見が あったのです。 72 00:07:05,525 --> 00:07:09,262 前例のない 盾の形をした銅鏡。 73 00:07:09,262 --> 00:07:14,501 鏡は円いという常識を覆しました。 74 00:07:14,501 --> 00:07:17,404 長さは 64cm。 75 00:07:17,404 --> 00:07:21,374 史上空前の巨大な鏡です。 76 00:07:21,374 --> 00:07:26,212 空想上の獣 だ龍が彫られています。 77 00:07:26,212 --> 00:07:30,350 世界に類を見ない独自のデザイン。 78 00:07:30,350 --> 00:07:37,057 ヤマト王権が成立した 日本列島で作られたと推定されました。 79 00:07:39,526 --> 00:07:46,833 更なる驚きを呼んだのは 一緒に埋葬されていた巨大な鉄剣です。 80 00:07:46,833 --> 00:07:50,704 全長2m37cm。 81 00:07:50,704 --> 00:07:56,710 蛇のように うねった形から 蛇行剣と呼ばれています。 82 00:08:16,796 --> 00:08:20,500 一説では ヤマト王権の安泰を願って➡ 83 00:08:20,500 --> 00:08:23,303 埋められたという蛇行剣。 84 00:08:25,005 --> 00:08:28,341 当初 あまりの大きさに 研究者は➡ 85 00:08:28,341 --> 00:08:33,346 複数の剣が 重なっているのではないかと考えました。 86 00:08:35,115 --> 00:08:40,053 ところが X線撮影を行った結果 間違いなく➡ 87 00:08:40,053 --> 00:08:45,058 巨大な1本の剣であることが 明らかになったのです。 88 00:09:03,777 --> 00:09:08,148 東アジアの先進地域 中国の鉄剣。 89 00:09:08,148 --> 00:09:11,785 そのサイズは1m前後です。 90 00:09:11,785 --> 00:09:18,324 一方 蛇行剣は2m37cmと2倍以上。 91 00:09:18,324 --> 00:09:23,029 古代東アジア最大の鉄剣でした。 92 00:09:29,502 --> 00:09:37,010 これまでの常識を覆す技術革新が 古代日本で起きていたと考えています。 93 00:10:04,337 --> 00:10:10,643 鉄の技術を駆使して 国づくりを 推し進めていたヤマト王権。 94 00:10:12,378 --> 00:10:19,052 金属を加工する鍛冶の技術は 大陸から日本列島に伝わりました。 95 00:10:19,052 --> 00:10:24,557 それを どのように改良したのか? 96 00:10:24,557 --> 00:10:30,763 蛇行剣の秘密に迫ろうとしている 村上恭通教授です。 97 00:10:47,780 --> 00:10:54,554 ヤマト王権が 空白の4世紀に起こした 鉄の技術革新。 98 00:10:54,554 --> 00:10:59,359 専門家の監修の下 実験で検証しました。 99 00:11:01,394 --> 00:11:07,700 まずは 鉄の塊を熱し 柔らかくする炉を再現。 100 00:11:07,700 --> 00:11:13,506 熱が逃げないように穴を掘り 木炭を燃やします。 101 00:11:13,506 --> 00:11:17,210 温度を上げる上で 重要な役割を果たすのが➡ 102 00:11:17,210 --> 00:11:20,713 風を送る ふいごです。 103 00:11:29,556 --> 00:11:33,393 炉の表面が 1,000度に達しました。 104 00:11:33,393 --> 00:11:39,065 鉄を柔らかくするために 十分な温度です。 105 00:11:39,065 --> 00:11:42,936 注目は 高温となる範囲。 106 00:11:42,936 --> 00:11:50,677 4世紀の炉では 直径15cmにわたり 1,000度を記録しました。 107 00:11:50,677 --> 00:11:56,983 それ以前 3世紀の炉と比べると 差は歴然でした。 108 00:12:07,827 --> 00:12:11,030 カギを握るのは ふいごの先端で➡ 109 00:12:11,030 --> 00:12:14,834 風の通り道となる羽口。 110 00:12:14,834 --> 00:12:20,373 もともとは 大陸で 編み出された仕組みです。 111 00:12:20,373 --> 00:12:25,545 それが 日本で改良され 4世紀に大型化。 112 00:12:25,545 --> 00:12:28,047 より大きな鉄の塊を熱し➡ 113 00:12:28,047 --> 00:12:31,050 加工できるようになります。 114 00:12:33,553 --> 00:12:36,589 東アジア最大の蛇行剣。 115 00:12:36,589 --> 00:12:44,731 それは 貪欲に技術を吸収し 独自の工夫を積み重ねた成果でした。 116 00:12:44,731 --> 00:12:50,036 ヤマト王権の力の秘密が 見えてきたのです。 117 00:13:07,954 --> 00:13:16,663 空白の4世紀 優れた鉄の技術を 手にしていたヤマト王権。 118 00:13:19,532 --> 00:13:26,205 そして 5世紀 ついに倭の五王の時代が幕を開けます。 119 00:13:26,205 --> 00:13:29,042 いかがでしょう? 120 00:13:29,042 --> 00:13:32,845 よい出来だ。 はっ。 121 00:13:32,845 --> 00:13:37,216 倭の五王 最初の一人 倭王讃。 122 00:13:37,216 --> 00:13:42,522 第15代 応神天皇にあたるとも いわれています。 123 00:13:45,725 --> 00:13:50,063 大阪にある応神天皇の陵墓です。 124 00:13:50,063 --> 00:13:53,866 全長425m。 125 00:13:53,866 --> 00:13:58,071 圧倒的なスケールの前方後円墳を築き➡ 126 00:13:58,071 --> 00:14:03,776 有力豪族から成る連合政権の基盤を 固めます。 127 00:14:05,345 --> 00:14:13,519 生き残るためになすべきは 強い国づくりだ。 128 00:14:13,519 --> 00:14:17,356 中国の歴史書に名を残す倭王讃は➡ 129 00:14:17,356 --> 00:14:22,061 東アジア情勢に目を向けた リーダーでした。 130 00:14:23,696 --> 00:14:32,004 ヤマト王権は 倭王讃の下 激動の世界と 対峙していくことになります。 131 00:14:34,841 --> 00:14:37,210 なるほど~! 132 00:14:37,210 --> 00:14:40,246 まさか 古代に あんな技術革新があったとは…。 133 00:14:40,246 --> 00:14:46,219 ヤマト王権のもとで 鉄を 自由自在に加工できるようになってたの。 134 00:14:46,219 --> 00:14:53,526 古代東アジア最大の鉄剣を作れるほど 技術が進んでたってことだね。 135 00:14:55,228 --> 00:14:57,163 武器だけじゃない。 136 00:14:57,163 --> 00:15:02,034 農地を広げるための道具や 魚をたくさん取るための道具。 137 00:15:02,034 --> 00:15:06,172 そして 巨大な建物を造るための道具。 138 00:15:06,172 --> 00:15:11,344 鉄こそが 強大なヤマト王権の力の源だったんだ。 139 00:15:11,344 --> 00:15:14,380 だから 大王たちは あんなに大きな古墳…➡ 140 00:15:14,380 --> 00:15:17,884 前方後円墳を 造れるようになったんですね! 141 00:15:25,825 --> 00:15:30,530 倭王讃 見参! 142 00:15:30,530 --> 00:15:33,032 館長…!? 143 00:15:34,700 --> 00:15:39,839 でね この前方後円墳についても 新たな発見が続いてるの。 144 00:15:39,839 --> 00:15:44,043 そこから 今 ヤマト王権の知られざる一面➡ 145 00:15:44,043 --> 00:15:46,712 グローバルな動きが見え始めてる。 146 00:15:46,712 --> 00:15:50,383 グローバル…? 147 00:15:50,383 --> 00:15:58,691 倭の五王をはじめ ヤマト王権歴代の 王や有力者が眠る 前方後円墳。 148 00:16:01,494 --> 00:16:07,800 今 海を隔てた意外な場所で 発見が相次いでいます。 149 00:16:23,749 --> 00:16:30,022 韓国南部で見つかった前方後円墳。 150 00:16:30,022 --> 00:16:37,697 2022年11月 高速道路の 建設工事のさなかに発見され➡ 151 00:16:37,697 --> 00:16:41,400 大きな注目を集めました。 152 00:16:44,837 --> 00:16:50,543 これまで 韓国で 確認されたのは 合計15基。 153 00:16:50,543 --> 00:16:54,847 なぜヤマト王権のシンボルで あるはずの前方後円墳が➡ 154 00:16:54,847 --> 00:16:58,651 朝鮮半島に存在するのか。 155 00:17:02,588 --> 00:17:06,325 当初 前方後円墳という形は➡ 156 00:17:06,325 --> 00:17:12,632 朝鮮半島で生み出され 日本列島に 伝わったという説が浮上します。 157 00:17:15,034 --> 00:17:17,937 真相を突き止める手がかりは➡ 158 00:17:17,937 --> 00:17:24,343 前方後円墳に収められた副葬品に ありました。 159 00:17:24,343 --> 00:17:26,679 例えば この刀。 160 00:17:26,679 --> 00:17:32,685 持ち手部分を見ると 棒をねじったような飾りがあります。 161 00:17:35,388 --> 00:17:41,193 当時 倭国と呼ばれていた 古代日本で流行していました。 162 00:17:45,831 --> 00:17:52,605 更に 韓国南西部の古墳からは 倭国のものと よく似た甲冑や➡ 163 00:17:52,605 --> 00:17:56,309 鉄の矢じりなども見つかっています。 164 00:18:26,172 --> 00:18:32,345 韓国で見つかった前方後円墳に 倭人が眠っていたとするならば➡ 165 00:18:32,345 --> 00:18:36,048 なぜ この場所に葬られたのか。 166 00:18:38,818 --> 00:18:43,656 実は ヤマト王権は 東アジアの動乱に巻き込まれ➡ 167 00:18:43,656 --> 00:18:47,660 重大な危機に直面していました。 168 00:18:51,697 --> 00:18:59,038 中国では 「三国志」の時代を経て 群雄割拠の乱世に突入。 169 00:18:59,038 --> 00:19:03,009 朝鮮半島では 高句麗が勢力を拡大し➡ 170 00:19:03,009 --> 00:19:06,779 新羅や加耶諸国を圧迫。 171 00:19:06,779 --> 00:19:11,784 倭国と同盟を結ぶ 百済を脅かしていました。 172 00:19:14,487 --> 00:19:19,659 この危機に立ち向かったのが ヤマト王権を率いる倭の五王➡ 173 00:19:19,659 --> 00:19:26,165 最初の一人 讃です。 174 00:19:26,165 --> 00:19:28,100 高句麗軍が南進。 175 00:19:28,100 --> 00:19:31,003 百済の10余りの城を 攻略したとのことにございます。 176 00:19:31,003 --> 00:19:34,874 何っ!?大陸の情勢は 緊迫の度を加えております。 177 00:19:34,874 --> 00:19:37,877 高句麗の野望 見過ごすわけにはゆかぬかと…。 178 00:19:37,877 --> 00:19:41,514 今は 百済を支援すべきです。 179 00:19:41,514 --> 00:19:44,817 う~ん…。 180 00:19:44,817 --> 00:19:52,024 これは 奈良 石上神宮に伝わる国宝の七支刀。 181 00:19:52,024 --> 00:19:56,028 木の枝のように分かれた鉄剣です。 182 00:19:57,697 --> 00:20:01,534 記されていたのは 百済➡ 183 00:20:01,534 --> 00:20:05,705 そして 倭王の文字。 184 00:20:05,705 --> 00:20:09,708 百済の王が倭国の王に救援を求める際に➡ 185 00:20:09,708 --> 00:20:12,711 贈ったものだといわれています。 186 00:20:16,348 --> 00:20:18,284 う~ん…。 187 00:20:18,284 --> 00:20:22,154 百済の次に狙われるのは 我らヤマトかもしれぬ。 188 00:20:22,154 --> 00:20:26,992 今回の動乱も 決して ひと事ではない。 189 00:20:26,992 --> 00:20:33,232 倭王讃の宿敵となる高句麗。 190 00:20:33,232 --> 00:20:41,040 広開土王は 若くして即位した後 巧みな戦略で 勝利を重ねてきました。 191 00:20:42,942 --> 00:20:47,580 新羅は 早々に我々の軍門にくだった。 192 00:20:47,580 --> 00:20:50,783 百済も時間の問題であろう。 193 00:20:53,252 --> 00:20:58,124 倭国の軍が襲来! 百済に加勢したとの報告が! 194 00:20:58,124 --> 00:21:01,360 倭国だと…!? はっ。 195 00:21:01,360 --> 00:21:07,700 百済め 勝ち目がないと見て 倭国と通じておったか。 196 00:21:07,700 --> 00:21:11,704 フフフフッ 面白い。 197 00:21:11,704 --> 00:21:15,574 握り潰してくれるわ! 198 00:21:15,574 --> 00:21:20,045 倭の王よ 知るがいい。 199 00:21:20,045 --> 00:21:24,750 どんな兵も蹴散らす 圧倒的な力を。 200 00:21:27,720 --> 00:21:31,724 広開土王の業績を記した石碑。 201 00:21:31,724 --> 00:21:35,594 いくつも現れる「倭」の文字。 202 00:21:35,594 --> 00:21:40,900 描かれていたのは 倭国とのしれつな戦いです。 203 00:22:02,021 --> 00:22:08,360 ヤマト王権が 高句麗と戦った真の理由は何か。 204 00:22:08,360 --> 00:22:14,066 実は ある重要資源がカギを握っていました。 205 00:22:18,037 --> 00:22:21,073 ヤマト王権の秘められたねらいが➡ 206 00:22:21,073 --> 00:22:25,878 考古学的な研究から 明らかになってきています。 207 00:22:43,195 --> 00:22:47,566 最重要の戦略物資だった鉄。 208 00:22:47,566 --> 00:22:54,773 当時 倭国では鉄が採れず 朝鮮半島からの輸入に頼っていました。 209 00:22:56,275 --> 00:23:02,081 しかし 高句麗の勢力拡大によって 鉄の産地が脅かされ➡ 210 00:23:02,081 --> 00:23:07,686 ヤマト王権は 危機に直面します。 211 00:23:07,686 --> 00:23:10,522 鉄資源が確保できなければ➡ 212 00:23:10,522 --> 00:23:15,327 権力の基盤を維持できないおそれが あったのです。 213 00:23:35,714 --> 00:23:38,918 (鐘の音) 214 00:23:41,487 --> 00:23:44,223 よ~し。 215 00:23:44,223 --> 00:23:48,560 今こそ 我らの強さを天下に示す時だ! 216 00:23:48,560 --> 00:23:53,432 敵を蹴散らせ! 出陣! 217 00:23:53,432 --> 00:23:55,868 (一同)オ~! 218 00:23:55,868 --> 00:23:59,071 者ども 迎え撃て~! 219 00:23:59,071 --> 00:24:02,074 (一同)オ~! 220 00:24:08,747 --> 00:24:17,456 ヤマト王権を率いる倭王讃は 存亡をかけて 朝鮮半島に進出。 221 00:24:17,456 --> 00:24:23,963 東アジアの動乱に 身を投じていくことになったのです。 222 00:24:32,071 --> 00:24:37,910 ヤマト王権 想像以上にグローバル…。 223 00:24:37,910 --> 00:24:41,547 鉄を求めて 海を渡ったヤマト王権だったけど➡ 224 00:24:41,547 --> 00:24:45,217 東アジアは動乱の時代を迎えていた。 225 00:24:45,217 --> 00:24:50,856 特に台風の目となっていたのが 朝鮮半島北部にあった高句麗。 226 00:24:50,856 --> 00:24:54,226 強大な軍事国家を 築き上げてた。 227 00:24:54,226 --> 00:24:56,161 高句麗…。 228 00:24:56,161 --> 00:25:01,800 高句麗 歴代の王の中で 英雄と言われたのが… 229 00:25:01,800 --> 00:25:07,005 その名のとおり 領土を飛躍的に広げた人物。 230 00:25:08,674 --> 00:25:10,809 館長…!? 231 00:25:10,809 --> 00:25:13,712 すなわち 我が宿命のライバル。 232 00:25:13,712 --> 00:25:17,583 広開土王…! 233 00:25:17,583 --> 00:25:23,288 ヤマト王権と高句麗の戦い どうなっちゃうの? 234 00:25:25,391 --> 00:25:35,000 朝鮮半島を舞台に繰り広げられた ヤマト王権率いる倭国と高句麗の激戦。 235 00:25:35,000 --> 00:25:38,704 高句麗側の記録によれば 倭軍は➡ 236 00:25:38,704 --> 00:25:42,374 鉄の産地として知られた 加耶諸国を拠点に➡ 237 00:25:42,374 --> 00:25:45,377 進軍したとされています。 238 00:25:47,546 --> 00:25:51,216 一方の高句麗軍。 239 00:25:51,216 --> 00:25:54,119 切り札となる部隊を投入します。 240 00:25:54,119 --> 00:25:59,558 な… 何だ あれは…。 241 00:25:59,558 --> 00:26:03,262 (いななき) 242 00:26:05,330 --> 00:26:09,501 現れたのは 騎馬軍団。 243 00:26:09,501 --> 00:26:14,506 馬は この時代 最先端の軍事兵器でした。 244 00:26:16,175 --> 00:26:21,680 中国の歴史書によれば 倭国には「馬なし」。 245 00:26:21,680 --> 00:26:26,518 もともと日本列島にいなかった馬は 倭国の兵士にとって➡ 246 00:26:26,518 --> 00:26:30,322 見慣れぬ存在だったと考えられます。 247 00:26:34,693 --> 00:26:39,832 ウォ~! 248 00:26:39,832 --> 00:26:48,040 韓国・ソウルに築かれた 高句麗の軍事拠点 夢村土城。 249 00:26:48,040 --> 00:26:55,347 近年の発掘調査で 馬の骨や歯が 数多く見つかっています。 250 00:26:58,717 --> 00:27:02,154 丁重に埋葬された様子から➡ 251 00:27:02,154 --> 00:27:05,791 高句麗躍進の 原動力だった馬が➡ 252 00:27:05,791 --> 00:27:10,496 国の宝として 扱われていたことがうかがえます。 253 00:27:23,008 --> 00:27:24,943 (いななき) 254 00:27:24,943 --> 00:27:28,881 馬は いかに強力な兵器だったのか。 255 00:27:28,881 --> 00:27:33,352 古代の馬に 遺伝的に近いという在来馬を使って➡ 256 00:27:33,352 --> 00:27:37,055 機動力や攻撃力を検証します。 257 00:27:38,690 --> 00:27:41,994 まずは 機動力。 258 00:27:53,839 --> 00:28:01,313 人間を超える抜群のスピードに加え 馬はスタミナにも優れていました。 259 00:28:01,313 --> 00:28:07,619 2日間で 200km以上の長距離を 移動できたという記録もあります。 260 00:28:10,022 --> 00:28:16,161 圧倒的な機動力は 戦いで有利に働きます。 261 00:28:16,161 --> 00:28:22,668 素早い作戦行動を可能にし 敵の先手を取ることができるからです。 262 00:28:24,670 --> 00:28:27,573 続いては 攻撃力。 263 00:28:27,573 --> 00:28:29,541 高句麗の古墳には➡ 264 00:28:29,541 --> 00:28:33,845 騎馬軍団が得意とした 戦法が描かれています。 265 00:28:37,249 --> 00:28:42,821 走る馬から矢を放ち 高い精度で的に当てる。 266 00:28:42,821 --> 00:28:48,026 その威力は 戦況を一変させたといいます。 267 00:29:12,851 --> 00:29:16,555 ウォ~! (いななき) 268 00:29:21,159 --> 00:29:27,332 フフフフ… やつらは 見たこともない光景だったに違いない。 269 00:29:27,332 --> 00:29:33,005 我らとの力の差 身をもって思い知ったことであろう。 270 00:29:33,005 --> 00:29:36,808 ハハハハハ…! 271 00:29:36,808 --> 00:29:45,317 高句麗の強力な騎馬軍団を前にして 倭国は 手痛い敗北を喫しました。 272 00:29:50,822 --> 00:29:54,026 危機に陥った倭王讃。 273 00:29:54,026 --> 00:29:58,363 起死回生の秘策を打ち出します。 274 00:29:58,363 --> 00:30:05,837 かつて 卑弥呼という女王が 魏に使いを送り 皇帝の後ろ盾を得て➡ 275 00:30:05,837 --> 00:30:09,708 乱れた国を 一つにまとめたと聞く。 276 00:30:09,708 --> 00:30:13,512 女王のひそみに倣うとしよう。 277 00:30:17,049 --> 00:30:21,053 およそ150年ぶりとなる… 278 00:30:23,722 --> 00:30:30,729 群雄割拠の中 勢力を伸ばしていた宋に 狙いを定めます。 279 00:30:33,865 --> 00:30:39,571 高句麗は百済を侵し 虎視眈々と勢力拡大をねらっております。 280 00:30:39,571 --> 00:30:46,878 半島の安定を取り戻すため どうか 我らの王に軍事権を賜りたい。 281 00:30:46,878 --> 00:30:53,652 倭国の王は長い間 使者をよこさず 皇帝陛下の恩顧に背を向けてきた。 282 00:30:53,652 --> 00:30:57,422 なのに なんと虫のよい…。 283 00:30:57,422 --> 00:31:00,225 時期尚早じゃ! 284 00:31:02,394 --> 00:31:11,703 高句麗に対抗するため 大国だった宋を 味方につけようとした倭王讃。 285 00:31:11,703 --> 00:31:16,842 そこには 東アジアを見据えた グローバル戦略があったと➡ 286 00:31:16,842 --> 00:31:20,345 森 公章教授は言います。 287 00:31:49,241 --> 00:31:57,449 このころ 中国では 北の北魏と南の宋が 覇権を争っていました。 288 00:32:00,685 --> 00:32:04,556 もし 強大な騎馬軍団を擁する 高句麗が➡ 289 00:32:04,556 --> 00:32:06,825 北魏と手を結べば➡ 290 00:32:06,825 --> 00:32:12,197 宋にとって 軍事的な脅威となりえます。 291 00:32:12,197 --> 00:32:15,834 一方 倭国が 高句麗を撃破すれば➡ 292 00:32:15,834 --> 00:32:20,672 その脅威は低下すると 考えられます。 293 00:32:20,672 --> 00:32:25,510 我らの王は 必ずや高句麗軍を討ち負かします。 294 00:32:25,510 --> 00:32:31,716 皇帝陛下のご威光を 地の果てまでも あまねく広げましょうぞ。 295 00:32:54,873 --> 00:33:01,346 遠方より忠誠の志はよろしく 称賛に値する。 296 00:33:01,346 --> 00:33:07,052 それに応えるために 将軍号を授けよう。 297 00:33:11,523 --> 00:33:15,026 倭国の王が 皇帝から得たのは➡ 298 00:33:15,026 --> 00:33:18,897 安東将軍の称号。 299 00:33:18,897 --> 00:33:22,367 更に 加耶諸国や新羅など➡ 300 00:33:22,367 --> 00:33:26,872 朝鮮半島南部の軍事権も 与えられました。 301 00:33:28,540 --> 00:33:35,347 皇帝の後ろ盾を得て 高句麗に対抗しようとした倭王讃。 302 00:33:38,850 --> 00:33:46,358 果たして ヤマト王権は 危機を 乗り越えることができるのでしょうか? 303 00:33:49,060 --> 00:33:52,097 ヤマト王権 大変でしたね…。 304 00:33:52,097 --> 00:33:56,568 騎馬軍団びっくりしたでしょうね。 305 00:33:56,568 --> 00:34:00,539 騎馬軍団…! 306 00:34:00,539 --> 00:34:05,277 それにしても大ピンチだったヤマト王権の 巻き返しが始まりましたね。 307 00:34:05,277 --> 00:34:07,212 うん。 そう! 308 00:34:07,212 --> 00:34:11,216 ヤマト王権の 驚くべき グローバル戦略があったんだ! 309 00:34:11,216 --> 00:34:13,818 戻ってる…! 310 00:34:13,818 --> 00:34:16,721 当時の歴史書によると 倭王讃は➡ 311 00:34:16,721 --> 00:34:20,525 中国系渡来人のブレーンを 抱えてたんだって。 312 00:34:20,525 --> 00:34:24,696 宋の皇帝のもとに派遣されて 外交交渉にあたったのも➡ 313 00:34:24,696 --> 00:34:26,631 そんな人物だったらしい。 314 00:34:26,631 --> 00:34:28,566 そうなんだ。 315 00:34:28,566 --> 00:34:31,836 ヤマト王権には 国際情報網があった。 316 00:34:31,836 --> 00:34:35,040 高句麗の動きなど 東アジアの情勢の変化に➡ 317 00:34:35,040 --> 00:34:36,975 目を光らせていたんだ。 318 00:34:36,975 --> 00:34:38,910 すごい! 319 00:34:38,910 --> 00:34:43,381 倭王の切り札は 国際情報網だけじゃない。 320 00:34:43,381 --> 00:34:48,887 巻き返しを図るヤマト王権には 更なる秘策があったの。 321 00:34:50,555 --> 00:34:57,862 倭国が高句麗に 大敗を喫してから およそ70年余り。 322 00:34:57,862 --> 00:35:00,765 この時 ヤマト王権を率いていたのは➡ 323 00:35:00,765 --> 00:35:06,271 倭の五王最後の一人 倭王武でした。 324 00:35:08,540 --> 00:35:12,344 倭王武が葬られたという古墳。 325 00:35:12,344 --> 00:35:18,350 歴代の天皇の中で 雄略天皇にあたると考えられています。 326 00:35:20,018 --> 00:35:24,356 別名 ワカタケル大王。 327 00:35:24,356 --> 00:35:26,691 関東と九州の古墳から➡ 328 00:35:26,691 --> 00:35:30,695 その名を刻んだ鉄剣が 見つかっています。 329 00:35:33,832 --> 00:35:38,637 強力な支配体制を築いた リーダーでした。 330 00:35:40,538 --> 00:35:46,044 最高の武器を手に入れ 屈強な軍団もそろった。 331 00:35:46,044 --> 00:35:53,351 今が その時 高句麗軍を倒すのだ! 332 00:35:56,688 --> 00:35:59,391 一方の高句麗。 333 00:35:59,391 --> 00:36:07,799 老練な軍事手腕で知られる長寿王が 広開土王の跡を継いでいました。 334 00:36:07,799 --> 00:36:12,671 倭国が 百済 新羅らと結び 我らに対抗しようとしています。 335 00:36:12,671 --> 00:36:15,173 面白い。 336 00:36:15,173 --> 00:36:22,881 倭王の挑戦 受けて立とうではないか。 ハッハッハッハ…。 337 00:36:24,816 --> 00:36:28,186 今日こそは 我々が勝ってやる…。 338 00:36:28,186 --> 00:36:31,990 皆の者 行くぞ~! 339 00:36:34,959 --> 00:36:39,764 再び 高句麗に戦いを挑んだ倭国。 340 00:36:44,202 --> 00:36:49,507 倭王武に どのような秘策があったのか? 341 00:36:51,843 --> 00:36:53,778 最新研究から➡ 342 00:36:53,778 --> 00:37:00,485 ヤマト王権のダイナミックな国家戦略が 明らかになろうとしています。 343 00:37:02,153 --> 00:37:07,459 その一つが 鉄製の甲冑です。 344 00:37:09,494 --> 00:37:14,999 今回 倭軍の甲冑を 3次元で精密に解析したところ➡ 345 00:37:14,999 --> 00:37:19,003 思わぬ事実が浮かび上がってきました。 346 00:37:22,507 --> 00:37:28,680 それぞれ 異なる古墳から 出土したパーツが ぴたりと一致。 347 00:37:28,680 --> 00:37:31,983 同じ形をしていたのです。 348 00:37:49,701 --> 00:37:55,039 そもそも 朝鮮半島で発達した鉄製の甲冑。 349 00:37:55,039 --> 00:37:59,878 画期的な防具だったものの 高度な加工技術が必要で➡ 350 00:37:59,878 --> 00:38:04,716 量産しにくいという弱点がありました。 351 00:38:04,716 --> 00:38:08,987 そこで 倭国では 精密な設計図を作るという➡ 352 00:38:08,987 --> 00:38:12,323 革新的な手法を採用。 353 00:38:12,323 --> 00:38:18,029 甲冑を量産する体制を 築いていたと考えられるのです。 354 00:38:21,666 --> 00:38:26,337 高句麗に対抗しようとした ヤマト王権。 355 00:38:26,337 --> 00:38:32,010 更に 驚くべき秘策がありました。 356 00:38:32,010 --> 00:38:35,680 よう参られた。 357 00:38:35,680 --> 00:38:43,421 それは かつて倭国を 窮地に追い込んだ馬です。 358 00:38:43,421 --> 00:38:46,624 見事な馬じゃ。 359 00:38:48,693 --> 00:38:56,834 最強の兵器であり 同時に 最高の軍事機密でもあった馬。 360 00:38:56,834 --> 00:39:01,973 倭王武が生きた5世紀 近畿地方の遺跡からは➡ 361 00:39:01,973 --> 00:39:06,644 馬の骨がいくつも見つかっています。 362 00:39:06,644 --> 00:39:11,983 実は ヤマト王権は 同盟国の百済から馬を手に入れ➡ 363 00:39:11,983 --> 00:39:15,987 騎馬軍団の育成に取り組んでいたのです。 364 00:39:18,656 --> 00:39:23,661 一体 どのような戦略があったのか? 365 00:39:26,164 --> 00:39:32,804 最新の科学で 実態に迫る研究が進んでいます。 366 00:39:32,804 --> 00:39:37,342 馬の歯に含まれる炭素の同位体を分析。 367 00:39:37,342 --> 00:39:42,213 食べていたエサを突き止めます。 368 00:39:42,213 --> 00:39:47,018 その結果 牧草に加えて アワやヒエなど➡ 369 00:39:47,018 --> 00:39:52,690 雑穀を与えていたことが 明らかになりました。 370 00:39:52,690 --> 00:39:55,593 より多くの栄養素を取り入れ➡ 371 00:39:55,593 --> 00:40:01,599 健康で 強い軍馬を育てようとしたと 考えられています。 372 00:40:04,702 --> 00:40:10,842 更に 研究者は 馬の歯に残された ストロンチウムの同位体から➡ 373 00:40:10,842 --> 00:40:15,146 生まれ育った場所の特定にも挑みました。 374 00:40:16,714 --> 00:40:23,054 驚くことに 馬の成育地は 東日本でした。 375 00:40:23,054 --> 00:40:28,760 そこから ヤマト王権の本拠地まで 大移動していたのです。 376 00:40:49,580 --> 00:40:54,752 涼しい気候で 草原が広がる東日本。 377 00:40:54,752 --> 00:41:01,025 その地の利を生かし 馬の数を増やしていきました。 378 00:41:01,025 --> 00:41:06,197 我が国でも 馬の量産が軌道に乗りつつあります。 379 00:41:06,197 --> 00:41:10,034 一騎当千とは よく言ったものだ。 380 00:41:10,034 --> 00:41:13,538 時は満ちた。 381 00:41:13,538 --> 00:41:17,041 高句麗軍を倒すのだ。 382 00:41:20,311 --> 00:41:23,715 皆の者 行くぞ~! 383 00:41:23,715 --> 00:41:26,718 (一同)オ~! 384 00:41:26,718 --> 00:41:31,389 騎馬軍団を擁する倭王の軍勢。 385 00:41:31,389 --> 00:41:38,696 歴史書「日本書紀」には 敵を大いに破ったと記されています。 386 00:41:44,936 --> 00:41:48,406 さまざまな戦略を繰り出した倭国。 387 00:41:48,406 --> 00:41:54,412 高句麗に 一矢報いることに成功したと 考えられています。 388 00:41:56,881 --> 00:42:02,687 戦いの一方 ヤマト王権は 朝鮮半島で手に入れた鉄資源や➡ 389 00:42:02,687 --> 00:42:09,494 さまざまな技術を用いて 国内の統一事業を進めていきます。 390 00:42:17,201 --> 00:42:21,039 東日本へと拡大するヤマト王権。 391 00:42:21,039 --> 00:42:26,377 その強い影響下にあったと 考えられています。 392 00:42:26,377 --> 00:42:34,118 地中から現れたのは 鉄の甲を着たまま亡くなった武人です。 393 00:42:34,118 --> 00:42:39,924 その すぐそばでは 3頭の馬の骨が見つかりました。 394 00:42:43,227 --> 00:42:50,568 ヤマト王権は 史上初めて 日本列島の広大な地域を手中に収め➡ 395 00:42:50,568 --> 00:42:55,073 統一政権を樹立します。 396 00:42:55,073 --> 00:42:59,410 それを示すのが ヤマト王権のシンボルである➡ 397 00:42:59,410 --> 00:43:02,914 前方後円墳です。 398 00:43:07,685 --> 00:43:13,191 前方後円墳は 北は東北から 南は九州まで➡ 399 00:43:13,191 --> 00:43:16,694 各地に広がっていきました。 400 00:43:16,694 --> 00:43:23,701 地方の有力豪族が支配体制に組み込まれ ネットワークが築かれます。 401 00:43:25,403 --> 00:43:30,842 馬は 軍事目的だけでなく 移動手段としても用いられ➡ 402 00:43:30,842 --> 00:43:37,348 日本列島を一つに結ぶ 重要なインフラとなっていきます。 403 00:44:03,508 --> 00:44:08,813 海外から貪欲に技術を吸収し それを改良して➡ 404 00:44:08,813 --> 00:44:13,017 国内の統一に生かしたヤマト王権。 405 00:44:15,019 --> 00:44:19,524 変化を恐れない ダイナミックな国家戦略によって➡ 406 00:44:19,524 --> 00:44:25,730 日本という国の礎が 形づくられていったのです。 407 00:44:29,700 --> 00:44:34,539 日本という国のルーツ 知らないことばかりでした。 408 00:44:34,539 --> 00:44:38,042 卑弥呼さんや倭の五王が 世界に目を向け➡ 409 00:44:38,042 --> 00:44:42,380 東アジアと深く関わりながら 国の原型をつくっていったんですね。 410 00:44:42,380 --> 00:44:45,283 そう。 卑弥呼のグローバル戦略。 411 00:44:45,283 --> 00:44:50,254 「三国志」の魏と呉を天秤にかけて 危機を乗り切ろうとした。 412 00:44:50,254 --> 00:44:54,725 まあ 見事な外交手腕だったね。 413 00:44:54,725 --> 00:44:59,397 そして 倭の五王のダイナミックな国家戦略。 414 00:44:59,397 --> 00:45:02,366 日本にいなかった馬を手に入れ 繁殖に成功した。 415 00:45:02,366 --> 00:45:04,368 鉄も そうだ。 416 00:45:04,368 --> 00:45:07,138 ヤマト王権は 目覚ましい技術革新を成し遂げ➡ 417 00:45:07,138 --> 00:45:10,041 国の礎をつくった。 418 00:45:10,041 --> 00:45:14,345 うん… いいレポートが書けそうです。 419 00:45:14,345 --> 00:45:17,381 ありがとうございました! 420 00:45:17,381 --> 00:45:26,824 ♬~ 421 00:45:26,824 --> 00:45:31,629 東アジア最大という 鉄剣が見つかった… 422 00:45:37,034 --> 00:45:43,374 今年2月 地中に埋められた 木製の棺の発掘調査が行われ➡ 423 00:45:43,374 --> 00:45:48,379 次々と新たな副葬品が見つかりました。 424 00:45:52,550 --> 00:45:55,553 あっ! あっ そうですね…。 425 00:45:57,722 --> 00:46:02,660 姿を現したのは 青銅製の鏡。 426 00:46:02,660 --> 00:46:07,164 当時 鏡は ヤマト王権の有力者が用い➡ 427 00:46:07,164 --> 00:46:11,669 権威の証しとして尊ばれていました。 428 00:46:14,805 --> 00:46:18,175 くし出た! 竪櫛。 429 00:46:18,175 --> 00:46:23,514 髪飾りとして使ったという 木製の竪櫛。 430 00:46:23,514 --> 00:46:27,718 極めて珍しい出土品でした。 431 00:46:29,687 --> 00:46:34,025 大変だ。 いや~ 大変なことになってまいりました。 432 00:46:34,025 --> 00:46:39,530 この場所に葬られたのは どのような人物だったのか。 433 00:46:39,530 --> 00:46:45,336 また一つ 古代史の謎が 浮かび上がってきました。 434 00:46:47,204 --> 00:46:53,077 ヤマト王権を率いた 倭の五王の時代から50年余り。 435 00:46:53,077 --> 00:46:56,714 戦乱が続いていた朝鮮半島から➡ 436 00:46:56,714 --> 00:47:01,018 新たな時代を告げるものが やって来ます。 437 00:47:03,487 --> 00:47:05,523 これは? 438 00:47:05,523 --> 00:47:09,360 御仏の像です。 439 00:47:09,360 --> 00:47:12,496 仏教の伝来。 440 00:47:12,496 --> 00:47:18,002 同盟を結んでいた百済の王から 伝えられたものでした。 441 00:47:19,670 --> 00:47:26,811 戦乱に終止符を打つには 人の心を変えねばならぬ。 442 00:47:26,811 --> 00:47:32,316 私は この仏にかけてみたい。 443 00:47:38,556 --> 00:47:43,694 東アジアで信仰を集めたブッダの教え。 444 00:47:43,694 --> 00:47:51,402 仏教の経典と共に 漢字をはじめ 新たな知識が日本に広まりました。 445 00:47:53,204 --> 00:48:01,412 木造建築技術の粋を集めた寺院も 続々と誕生します。 446 00:48:04,482 --> 00:48:07,985 それとともに姿を消していったのが➡ 447 00:48:07,985 --> 00:48:13,691 ヤマト王権のシンボルである 前方後円墳でした。 448 00:48:19,663 --> 00:48:26,670 古代の日本で 群雄割拠の動乱を 乗り越えようとしたリーダーたち。 449 00:48:26,670 --> 00:48:35,379 激動の世界と対峙しながら 壮大な戦略で国の礎を築きました。 450 00:48:38,382 --> 00:48:41,218 彼らが切り開いた道は➡ 451 00:48:41,218 --> 00:48:48,526 今 私たちが暮らす日本へと 続いています。