1 00:00:05,939 --> 00:00:07,875 (高田屋嘉兵衛)オロシャは 必ず やって来る。 2 00:00:07,875 --> 00:00:09,810 同じ海で つながっとるんや。 3 00:00:09,810 --> 00:00:13,280 (おふさ)うちが悪い子を産んで…。 4 00:00:13,280 --> 00:00:15,215 恨みたければ恨め。 5 00:00:15,215 --> 00:00:17,618 (弥吉)おとっつぁん! 6 00:00:17,618 --> 00:00:19,953 (高橋三平)日本国のためだ。 7 00:00:19,953 --> 00:00:22,623 日本国のため…。 8 00:00:22,623 --> 00:00:26,960 (北風荘右衛門)お前が定御雇船頭? この国の船頭の大将? 9 00:00:26,960 --> 00:00:32,299 わしはな ガキのころから海に船を走らせて➡ 10 00:00:32,299 --> 00:00:36,169 自由に行きたい所に行く事だけを 考えてきたのよ。 11 00:00:36,169 --> 00:00:38,171 (鉄砲の音) 12 00:00:41,975 --> 00:00:48,849 <文化9年8月14日。 ロシア暦1812年9月7日。➡ 13 00:00:48,849 --> 00:00:53,587 ロシア海軍のピョートル・リコルド少佐を 艦長とするディアナ号は➡ 14 00:00:53,587 --> 00:00:59,326 クナシリ島沖で 高田屋嘉兵衛の船 観世丸を拿捕した。➡ 15 00:00:59,326 --> 00:01:05,132 この背景には 1年前に起こった ゴローニン事件があった。➡ 16 00:01:05,132 --> 00:01:09,603 当時 ディアナ号の艦長だった ワシリー・ゴローニン少佐は➡ 17 00:01:09,603 --> 00:01:15,475 クナシリ島の泊の港で 食糧 水の補給を日本側に求めた。➡ 18 00:01:15,475 --> 00:01:20,247 しかし この5年前に ロシア将校 フヴォストフ大尉らが➡ 19 00:01:20,247 --> 00:01:25,152 千島やエトロフで 略奪 暴行 放火を 繰り返すという事件があり➡ 20 00:01:25,152 --> 00:01:30,290 日本は ロシアに対し 過敏なほど神経をとがらせていた。➡ 21 00:01:30,290 --> 00:01:33,627 泊の港に姿を現したゴローニンは➡ 22 00:01:33,627 --> 00:01:38,966 即座に日本側に捕らえられ 箱館へ護送されたのである。➡ 23 00:01:38,966 --> 00:01:43,303 このゴローニン事件の発生時の ディアナ号の副艦長が➡ 24 00:01:43,303 --> 00:01:46,206 現在の艦長のリコルドである。➡ 25 00:01:46,206 --> 00:01:50,978 リコルドは 上官でもあり親友でもあった ゴローニンを救出するためには➡ 26 00:01:50,978 --> 00:01:54,648 戦闘も辞さない覚悟であった。➡ 27 00:01:54,648 --> 00:01:57,551 日本とロシアは まさに一触即発の状態であり➡ 28 00:01:57,551 --> 00:02:00,921 高田屋嘉兵衛は そのような時に➡ 29 00:02:00,921 --> 00:02:04,591 ロシア側の人質となったのであった> 30 00:02:04,591 --> 00:02:17,938 ♬~ (テーマ音楽) 31 00:02:17,938 --> 00:02:50,937 ♬~ 32 00:02:58,311 --> 00:03:01,214 ここは クナシリの海だ。 33 00:03:01,214 --> 00:03:05,118 クナシリは 日本の領土だ。 34 00:03:05,118 --> 00:03:08,588 何故 このわしを 捕まえたのか。 35 00:03:08,588 --> 00:03:12,926 ナマエ。 名前? 36 00:03:12,926 --> 00:03:16,596 ナマエ。 高田屋嘉兵衛。 37 00:03:16,596 --> 00:03:21,935 タカタイ カヒ。 高田屋嘉兵衛。 38 00:03:21,935 --> 00:03:23,870 シゴトハ? 39 00:03:23,870 --> 00:03:27,808 仕事? 船頭だ。 40 00:03:27,808 --> 00:03:32,946 船持ちの船頭。 シンド・フナモチ? 41 00:03:32,946 --> 00:03:40,821 「シンド」ではない。 船頭だ。 シンド・フナモチ…? 42 00:03:40,821 --> 00:03:46,126 まあ ええ。 何故 このわしを捕まえた? 43 00:03:53,266 --> 00:03:55,268 何やと? 44 00:03:56,970 --> 00:04:02,242 グ ラ ブニン。 45 00:04:02,242 --> 00:04:07,247 「グラブニン」… 何や? それは。 46 00:04:15,255 --> 00:04:18,258 やかましい! どなるな。 47 00:04:49,623 --> 00:04:52,325 タカタイ カヒ。 48 00:05:02,202 --> 00:05:07,507 オロシヤ。 カムチャツカ。 49 00:05:16,583 --> 00:05:21,254 このわしを カムチャツカに 連れて行くと言うのか。 50 00:05:21,254 --> 00:05:26,593 分かった。 わしは オロシャに行く。 51 00:05:26,593 --> 00:05:34,301 そのかわり 決して お前は このわしから離れるな。 いいか? 52 00:05:37,237 --> 00:05:42,142 イッショ? そうや。 一緒や。 53 00:05:42,142 --> 00:05:44,444 約束するか? 54 00:05:51,618 --> 00:05:54,521 ゴニン。 五人? 55 00:05:54,521 --> 00:06:00,427 コレ タカタヤ カヒ。 ゴニン イッショ。 56 00:06:00,427 --> 00:06:04,564 このわしのほかに あと人質を四人 連れて行くというのか。 57 00:06:04,564 --> 00:06:09,569 冗談ではない。 オロシャに行くのは このわし一人で十分や。 58 00:06:13,240 --> 00:06:18,111 わしは オロシャに連れられて行く。 59 00:06:18,111 --> 00:06:23,250 命に別状がなければ 再び日本に戻ってくる。 60 00:06:23,250 --> 00:06:30,123 そして 今日の この悲しみを 昔語りにする日も来よう。 61 00:06:30,123 --> 00:06:36,263 お前達も 身をいたわり 仕事に励んで その日を楽しみに待て。 62 00:06:36,263 --> 00:06:38,598 (一同)大将! 大将…! 63 00:06:38,598 --> 00:06:41,268 <後に リコルドは 手記の中で➡ 64 00:06:41,268 --> 00:06:44,938 「世にも感動的な場面が展開された」と 記している。➡ 65 00:06:44,938 --> 00:06:46,873 嘉兵衛を取り巻く全員が➡ 66 00:06:46,873 --> 00:06:50,810 自分も連れて行ってくれと 必死に頼んだのである> 67 00:06:50,810 --> 00:06:54,614 (文治)大将! 私は どうしても カムサスカに連れて行っていただきます。 68 00:06:54,614 --> 00:06:57,517 (吉蔵) この吉蔵の事は除けんといてください。 69 00:06:57,517 --> 00:07:00,220 (吉三郎)わしも… わしも残るわけにはいきません。 70 00:07:00,220 --> 00:07:03,556 (平蔵)大将! オロシャで わしが お世話を! 71 00:07:03,556 --> 00:07:10,897 <こうして 文治 病の吉蔵 吉三郎 平蔵の4人が決まり➡ 72 00:07:10,897 --> 00:07:14,567 もう一人 すでにディアナ号に捕らえられていた➡ 73 00:07:14,567 --> 00:07:18,438 アイヌのシトカが 一緒に連れて行けと 言って聞かなかった。➡ 74 00:07:18,438 --> 00:07:22,909 これで 人質は嘉兵衛を入れて6名になった> 75 00:07:22,909 --> 00:07:33,253 ♬~ 76 00:07:33,253 --> 00:07:43,263 「拙者儀 このたび 天運尽き候。 異国に参り候。➡ 77 00:07:43,263 --> 00:07:52,939 そのほう 両人 なおまた 弥吉 そのほかの者へも案じ候事無用。➡ 78 00:07:52,939 --> 00:08:00,947 これは 拙者 いにしえの約束事と 諦め申し候」。 79 00:08:05,218 --> 00:08:11,891 「この上は 両国和平の儀 相願い 何分にも➡ 80 00:08:11,891 --> 00:08:17,197 よろしく取り計らい申したき心底に 御座候」。 81 00:08:21,234 --> 00:08:23,169 <嘉兵衛拿捕の知らせは➡ 82 00:08:23,169 --> 00:08:26,172 すぐに 箱館の高田屋に届いた> 83 00:08:46,459 --> 00:08:53,166 病人というものは 元気な者より ずっと➡ 84 00:08:53,166 --> 00:08:59,606 世間の気配を鋭く感じるものですよ。 85 00:08:59,606 --> 00:09:07,614 嘉兵衛に何かあったのではないかと思い 店の者を問い詰めました。 86 00:09:10,884 --> 00:09:16,890 オロシャの船に捕まったと聞きました。 87 00:09:19,225 --> 00:09:25,532 それは 嘉兵衛からの便りですね。 88 00:09:38,244 --> 00:09:44,951 <前の年 箱館に出てきていたおふさは 胸の病を患っていた> 89 00:09:47,587 --> 00:09:52,459 (金兵衛)兄やん カムサスカに行き➡ 90 00:09:52,459 --> 00:10:01,134 我が国とオロシャの間が 平らかになるよう働くと申して…。 91 00:10:01,134 --> 00:10:04,604 こういう時になると➡ 92 00:10:04,604 --> 00:10:10,310 必ず 物事を 良いほうへ良いほうへ 考えるお方なのです。 93 00:10:17,183 --> 00:10:23,189 高田屋は金兵衛さんに任せると 書いてありますね。 94 00:10:34,601 --> 00:10:37,971 義姉さん。 95 00:10:37,971 --> 00:10:41,841 うち 巡礼に出る。 96 00:10:41,841 --> 00:10:45,311 巡礼? むちゃな事を その体で。 97 00:10:45,311 --> 00:10:48,314 むちゃでも何でも…。 98 00:10:50,183 --> 00:10:53,987 嘉兵衛を無事に帰してくれるんやったら➡ 99 00:10:53,987 --> 00:10:59,325 うちの命を仏さんにあげると お願いしに行くんやわ。 100 00:10:59,325 --> 00:11:10,336 ♬~ 101 00:11:12,272 --> 00:11:16,142 <ディアナ号は クナシリ島の南方海域に出ると➡ 102 00:11:16,142 --> 00:11:18,144 大きく針路を変え➡ 103 00:11:18,144 --> 00:11:21,948 カムチャツカ半島に向かって 直進するコースを取った。➡ 104 00:11:21,948 --> 00:11:24,284 急がなくてはならない。➡ 105 00:11:24,284 --> 00:11:28,955 この季節になると 日ごとに 海域の様子が悪くなる。➡ 106 00:11:28,955 --> 00:11:31,624 暴風 波浪 濃霧という➡ 107 00:11:31,624 --> 00:11:36,329 船のためには悪魔ともいうべき事柄が 群がり起こるのだ> 108 00:11:56,316 --> 00:11:59,652 まったく! 船の下手な連中や! 109 00:11:59,652 --> 00:12:04,924 (文治)大将! 長い事 船に乗ってて 難破もした事ないのに➡ 110 00:12:04,924 --> 00:12:08,595 オロシャ船に乗って二日目に 天運が尽きたら たまらんで! 111 00:12:08,595 --> 00:12:12,465 心配するな わしが教えるわい! 頼むぞ! 112 00:12:12,465 --> 00:12:17,604 大将! 帆や! 帆を下ろすんや! わしに手伝わせてくれ! 113 00:12:17,604 --> 00:12:23,276 分かっとるわい…! わしに任せろ! 114 00:12:23,276 --> 00:12:26,613 大将! 115 00:12:26,613 --> 00:12:29,282 リコルド! リコルド! このまま行くとな…! 116 00:12:29,282 --> 00:12:31,618 ⚟うわ~! 117 00:12:31,618 --> 00:12:35,922 リコルド! このまま行くとな 島に ぶつかるんだよ! 分かるか? 118 00:12:41,628 --> 00:12:44,530 リコルド! このまま行くと 島に ぶつかっちまうんだ! 119 00:12:44,530 --> 00:12:48,301 死んじまうんだぞ! 分かってるのか この野郎! 120 00:12:48,301 --> 00:12:51,971 分かってるのか ちくしょう! ⚟大将! 121 00:12:51,971 --> 00:12:58,845 ♬~ 122 00:12:58,845 --> 00:13:02,582 帆を畳むんや! 帆を畳め! 123 00:13:02,582 --> 00:13:08,254 帆を畳むんや! 帆を畳め! 前も後ろもや! 124 00:13:08,254 --> 00:13:11,591 <不思議な事に その言葉が通じた> 125 00:13:11,591 --> 00:13:15,461 帆を畳むんや! 帆を畳め! 126 00:13:15,461 --> 00:13:22,235 前も後ろもや! 前の帆を畳め! 帆を畳むんや! 127 00:13:22,235 --> 00:13:26,939 前も後ろも! はよ畳め! 128 00:13:26,939 --> 00:13:32,645 文治! いかりじゃ! いかりを入れるんじゃ! 急げ! 129 00:13:36,616 --> 00:13:41,487 この海底は砂地や! 岩を見つけて引っ掛けるんや! 130 00:13:41,487 --> 00:13:51,497 ♬~ 131 00:13:56,636 --> 00:14:03,242 リコルド よく聞け! 海はな 船のうまいやつが船頭になるんや! 132 00:14:03,242 --> 00:14:05,578 この ど下手め! 133 00:14:05,578 --> 00:14:16,589 ♬~ 134 00:14:16,589 --> 00:14:22,261 文治 ようやった! ようやったぞ! 135 00:14:22,261 --> 00:14:44,250 ♬~ 136 00:14:51,290 --> 00:14:55,161 わしは 捕虜ではない。 137 00:14:55,161 --> 00:15:00,900 捕虜というのは 自分の意思に反して 捕らえられた者の事をいう。 138 00:15:00,900 --> 00:15:05,605 わしは オロシャには承知で行くのや。 139 00:15:12,245 --> 00:15:17,550 わしはな 日本国の船持ち船頭なんや。 140 00:15:24,590 --> 00:15:30,263 お前さんが間違った男なら いつでも死ぬ覚悟はできている。 141 00:15:30,263 --> 00:15:32,198 お前さんと副長を殺し➡ 142 00:15:32,198 --> 00:15:35,134 船に乗ってる者すべてに その訳を話し➡ 143 00:15:35,134 --> 00:15:39,438 わしも 腹を切って死ぬつもりや。 144 00:15:42,275 --> 00:15:46,145 お前さんは なかなかの人のようだ。 145 00:15:46,145 --> 00:15:51,284 このわしに縄もかけずに 自分の部屋に泊めておる。 146 00:15:51,284 --> 00:15:54,187 わしは お前さんと一緒に➡ 147 00:15:54,187 --> 00:15:59,192 今の日本とオロシャの問題を 解決したいと思う。 148 00:16:16,442 --> 00:16:19,445 「グラブニン」…? 149 00:16:19,445 --> 00:16:22,748 分からん。 ⚟(ノック) 150 00:17:01,087 --> 00:17:03,222 ゴローニン。 151 00:17:03,222 --> 00:17:06,125 「ゴローニン」? ヤーヤー ゴローニン。 152 00:17:06,125 --> 00:17:09,095 グラブニン。 153 00:17:09,095 --> 00:17:13,566 ゴローニンなら知っとる。 あんたらの大将や。 154 00:17:13,566 --> 00:17:19,906 今 松前におる。 グラブニン イキル? 155 00:17:19,906 --> 00:17:23,576 生きとる。 156 00:17:23,576 --> 00:17:30,583 アリガト! 何をするんや。 苦しい。 157 00:17:32,251 --> 00:17:34,186 <ウルップ島を過ぎた時➡ 158 00:17:34,186 --> 00:17:38,591 嘉兵衛にとって 初めての海と島々を見る事になった。➡ 159 00:17:38,591 --> 00:17:41,928 嘉兵衛は 日中 ほとんど甲板上に出て➡ 160 00:17:41,928 --> 00:17:45,231 潮を見 島を見ていた> 161 00:17:49,268 --> 00:17:52,605 <リコルドに 海図を見せてもらった。➡ 162 00:17:52,605 --> 00:17:55,942 カムチャツカの状況次第では いつ何時➡ 163 00:17:55,942 --> 00:17:59,245 日本人だけで帰るようになるとも かぎらない> 164 00:18:01,747 --> 00:18:11,223 ♬~ 165 00:18:11,223 --> 00:18:15,227 <パラムシル島を通り過ぎて3日後> 166 00:18:17,563 --> 00:18:22,234 (リコルド)カムチャツカ。 富士のお山が いっぱいあるのう。 167 00:18:22,234 --> 00:18:32,244 ♬~ 168 00:18:32,244 --> 00:18:35,147 (文治)恐ろしい所でございますなあ! 169 00:18:35,147 --> 00:18:40,586 これは とても帰れんわ。 170 00:18:40,586 --> 00:18:45,925 泣くな! オロシャ人の前で。 日本人の恥になる! 171 00:18:45,925 --> 00:18:48,828 へい…! 172 00:18:48,828 --> 00:19:00,873 〽 吹いた東風なら 加太まで通せ 173 00:19:00,873 --> 00:19:12,885 〽 加太の瀬戸から雨山背風 174 00:19:12,885 --> 00:19:28,234 ♬~ 175 00:19:28,234 --> 00:19:34,240 <ロシア暦10月3日 ペトロパブロフスク湾に入った> 176 00:20:01,600 --> 00:20:06,906 何や? 猿を見るような目で見るな。 177 00:20:27,293 --> 00:20:31,163 (笑い声) 何や? 日本人の悪口を言うとんのか! 178 00:20:31,163 --> 00:20:34,867 カヒ。 ⚟(ノック) 179 00:20:51,517 --> 00:20:57,656 私は オリーカです。 リコルド艦長の所で働いています。 180 00:20:57,656 --> 00:21:01,260 日本の言葉が しゃべれるのか? 181 00:21:01,260 --> 00:21:06,599 私は 高田屋嘉兵衛だ。 この男に伝えてくれ。 182 00:21:06,599 --> 00:21:11,270 この港には さまざまな国の船が入ってくる。 183 00:21:11,270 --> 00:21:15,274 (ロシア語) 184 00:21:17,610 --> 00:21:20,279 私は 日本から来た日本人である。 185 00:21:20,279 --> 00:21:24,150 あなたの態度は 日本人の この私を➡ 186 00:21:24,150 --> 00:21:26,619 まるで 虫けらのように思ってるとしか思えん。 187 00:21:26,619 --> 00:21:29,955 今 この場で正してもらいたい。 188 00:21:29,955 --> 00:21:32,858 伝えてくれ。 189 00:21:32,858 --> 00:21:36,295 僕は 長官に そんな事 言えないんです。 190 00:21:36,295 --> 00:21:38,597 何でや? 191 00:22:00,252 --> 00:22:03,255 まだ話は終わっとらん! 192 00:22:23,275 --> 00:22:25,611 お前は 年は いくつだ? 193 00:22:25,611 --> 00:22:30,482 十一です。 春になると 十二です。 194 00:22:30,482 --> 00:22:37,957 そうか。 カムサスカに来て お前に会って ほっとしたよ。 195 00:22:37,957 --> 00:22:41,660 なんとか生きていけそうな気がする。 196 00:22:43,629 --> 00:22:45,965 カムサスカは 寒い。 197 00:22:45,965 --> 00:22:52,304 冬 いっぱい凍って 死ぬよ。 198 00:22:52,304 --> 00:22:55,307 覚悟の上じゃ。 199 00:23:01,113 --> 00:23:08,254 <10月12日 嘉兵衛達は カムチャツカの大地を踏んだ。➡ 200 00:23:08,254 --> 00:23:11,590 カムチャツカは もう冬であった> 201 00:23:11,590 --> 00:23:34,280 ♬~ 202 00:23:36,282 --> 00:23:54,967 ♬~ 203 00:23:54,967 --> 00:23:57,870 オリーカ 「美しい女子」を何と言う? 204 00:23:57,870 --> 00:23:59,838 (オリーカ)クラシーワャ。 うん? 205 00:23:59,838 --> 00:24:02,241 クラシーワャ。 「クラシーワャ」。 206 00:24:02,241 --> 00:24:08,113 クラシーワャ クラシーワャ…。 クラシーワャ! 207 00:24:08,113 --> 00:24:11,583 何や? ソフィアは まだ子どもです。➡ 208 00:24:11,583 --> 00:24:15,287 子どもに そういう事を言っちゃいけません。 209 00:24:40,279 --> 00:24:44,616 <リコルドは 嘉兵衛を 自分と同じ部屋にした。➡ 210 00:24:44,616 --> 00:24:48,921 大きな部屋で 合わせて25畳くらいあった> 211 00:24:54,293 --> 00:24:59,298 アナタニ。 私に? すまん。 212 00:25:01,100 --> 00:25:04,903 あったかそうやの。(ロシア語) 213 00:25:04,903 --> 00:25:07,239 (風の音まね) 214 00:25:07,239 --> 00:25:09,908 吹雪か? 215 00:25:09,908 --> 00:25:12,578 サムイ? 216 00:25:12,578 --> 00:25:15,280 うん 寒い。 217 00:25:17,249 --> 00:25:23,589 オリーカ オホーツクノヒト。 チチ イナイ。 218 00:25:23,589 --> 00:25:27,926 オホーツク…。 父親がいない…。 219 00:25:27,926 --> 00:25:32,798 オリーカ。 お前は オホーツクの生まれなのか? 220 00:25:32,798 --> 00:25:35,501 先ほどの女子は母ではないのか? 221 00:25:43,275 --> 00:25:45,611 オリーカ。 222 00:25:45,611 --> 00:25:49,314 茶をありがとう。 いいえ。 223 00:25:57,222 --> 00:26:07,533 「火気 座中に満ち ペーチカにより 襦袢一枚にて相凌ぎおり候」。 224 00:26:09,234 --> 00:26:15,908 「五人は 窓三つほどある広き部屋に寝起きせり。➡ 225 00:26:15,908 --> 00:26:23,248 吉蔵 病のため 望郷の思い強く 食細し。➡ 226 00:26:23,248 --> 00:26:27,119 捕らわれし時に 観世丸より➡ 227 00:26:27,119 --> 00:26:33,592 米四十二俵 味噌 醤油を ディアナ号に積み➡ 228 00:26:33,592 --> 00:26:36,929 ペトロパブロフスクの倉に蓄えて➡ 229 00:26:36,929 --> 00:26:45,270 およそ二年分の備蓄なるが いつ 日本へ戻れるや 計り難し。➡ 230 00:26:45,270 --> 00:26:51,143 カムサスカの冬の厳しさ 人知を超えると聞く。➡ 231 00:26:51,143 --> 00:26:56,882 果たして 春を見る事 かなうや。➡ 232 00:26:56,882 --> 00:27:04,756 毎年 必ず 十月十七日より吹雪くと聞く」。 233 00:27:04,756 --> 00:27:11,430 ええか わしらの ここでの仕事はのう 体に気をつける事だけでええ。 234 00:27:11,430 --> 00:27:17,202 そして 元気で日本に帰れれば それでええんじゃい。 235 00:27:17,202 --> 00:27:19,138 のう? 236 00:27:19,138 --> 00:27:21,440 さあ 食おう。 237 00:27:28,580 --> 00:27:32,284 文治 食え。 238 00:27:43,128 --> 00:27:45,130 シトカ。 239 00:27:47,266 --> 00:27:51,570 お前は根室に残っておれば よかったのに。 240 00:27:55,140 --> 00:28:02,548 「吹雪のやみし日 町へ出づ。 人家三十余戸。 よろず屋もあり。➡ 241 00:28:02,548 --> 00:28:05,450 時の鐘 日々打ち鳴らさる」。 242 00:28:05,450 --> 00:28:08,220 (鐘の音) 243 00:28:08,220 --> 00:28:12,224 ⚟(大砲の音) 244 00:28:14,092 --> 00:28:16,094 何だ? 245 00:28:26,572 --> 00:28:30,242 (大砲の音) 246 00:28:30,242 --> 00:28:34,580 何のために撃ってるんだ? (ロシア語) 247 00:28:34,580 --> 00:28:37,482 (ロシア語) 248 00:28:37,482 --> 00:28:40,452 (オリーカ)日本が攻めてくるからだって。 249 00:28:40,452 --> 00:28:45,591 何を言ってるんだ。 なぜ日本が ここに攻めてこなければならないんだ! 250 00:28:45,591 --> 00:28:50,462 この土地には 食う物もないし 奪ったところで いくらにもならん。 251 00:28:50,462 --> 00:28:56,235 それに 今の日本は 異国のものを奪う事は 禁じられているんだ。 252 00:28:56,235 --> 00:29:02,874 次々と自分の領地にしてしまう よその国とは そこが全然違うんだ! 253 00:29:02,874 --> 00:29:05,177 (大砲の音) 254 00:29:08,213 --> 00:29:14,886 リコルド。 わしは武士ではなく 金銀を扱う商人やから➡ 255 00:29:14,886 --> 00:29:17,789 戦の事は よう分からんが➡ 256 00:29:17,789 --> 00:29:20,225 あのように大砲を撃ってるのを見ると➡ 257 00:29:20,225 --> 00:29:23,562 また 第二のフヴォストフが 出てくるような気がする。 258 00:29:23,562 --> 00:29:27,432 「日本が攻めてくるかもしれない。 日本は敵だ」と➡ 259 00:29:27,432 --> 00:29:31,436 毎日 兵達の頭に たたき込んでるんだからな。 260 00:29:31,436 --> 00:29:36,575 そういう事が 間違った考えの者を生むとは思わんか。 261 00:29:36,575 --> 00:29:39,578 オリーカ 伝えてくれ。 262 00:29:42,914 --> 00:29:48,253 オリーカ。 リコルド少佐に 今の話をしても➡ 263 00:29:48,253 --> 00:29:50,589 聞かないでしょう。 何でや? 264 00:29:50,589 --> 00:29:54,459 (オリーカ)日本は グラブニンを連れて行ったからです。 265 00:29:54,459 --> 00:30:00,265 日本人は オロシャ人を攻撃してこない というのは誤りです。 266 00:30:00,265 --> 00:30:02,567 日本は 決して そのような事はせぬ。 267 00:30:06,138 --> 00:30:10,142 オリーカ… オリーカ! 268 00:30:32,197 --> 00:30:34,199 おう。 269 00:30:40,305 --> 00:30:42,607 おう。 270 00:30:44,176 --> 00:30:46,478 器用じゃのう。 271 00:30:57,322 --> 00:31:04,129 おふさに よう似とるわ。 これを一つ くれ。 272 00:31:04,129 --> 00:31:11,269 日本の銭しかないがのう。 銀じゃ。 どうや? 一つ 売ってくれんか。 273 00:31:11,269 --> 00:31:14,272 銀じゃぞ。 274 00:31:20,946 --> 00:31:24,616 何や? 275 00:31:24,616 --> 00:31:27,919 何や… 駄目か。 276 00:31:31,289 --> 00:31:35,160 何や… 蝦夷錦やないか! 277 00:31:35,160 --> 00:31:38,163 懐かしいのう! 278 00:31:40,298 --> 00:31:45,170 わしが若いころ 妻のおふさが その蝦夷錦を このわしにくれてのう。 279 00:31:45,170 --> 00:31:48,640 分かるか? おふさは妻の名前や。 280 00:31:48,640 --> 00:31:51,977 まだ 話は途中や。 281 00:31:51,977 --> 00:31:57,315 何や… 聞いてくれ。 282 00:31:57,315 --> 00:32:04,022 わしが若いころ 妻のおふさが この蝦夷錦を わしにくれてな。 283 00:32:08,260 --> 00:32:12,264 オリーカ 伝えてくれ。 オリーカ! 284 00:32:15,133 --> 00:32:21,273 分かるか? わしはな その蝦夷錦で 日本から持ってきた人形に➡ 285 00:32:21,273 --> 00:32:24,943 着物を作りたいんや。 分かるか? 286 00:32:24,943 --> 00:32:29,815 日本から持ってきた人形に その蝦夷錦で 着物を作りたいんや! 287 00:32:29,815 --> 00:32:32,818 分かってくれ! なあ! 288 00:32:35,287 --> 00:32:37,956  回想 布になったらええんやわ。 289 00:32:37,956 --> 00:32:42,627 布が 海を渡って 異国へ来れるんやったら➡ 290 00:32:42,627 --> 00:32:47,299 何で 人が 海を渡って 異国に行けんのやろ? 291 00:32:47,299 --> 00:32:54,973 どこへでも行けるわ。 どこにも人はおるし 生きていけるわ。 292 00:32:54,973 --> 00:33:04,249 わしは おふさに励まされて 淡路を捨てて 船に乗った。 293 00:33:04,249 --> 00:33:09,120 日本に帰る日まで おふさと思って持ってきた人形に➡ 294 00:33:09,120 --> 00:33:15,260 その蝦夷錦で着物を作って つらいわしの心を励ましたいんや! 295 00:33:15,260 --> 00:33:19,264 頼む 売ってくれ。 頼む! 296 00:33:25,270 --> 00:33:31,276 売ってくれるのか? 日本の銭しかないが いいか? 297 00:33:39,284 --> 00:33:42,621 くれるのか? くれるのか? 298 00:33:42,621 --> 00:33:47,325 お金は要らないって。 何やて? お金は要らないって。 299 00:33:48,960 --> 00:33:51,296 ありがとう。 300 00:33:51,296 --> 00:33:53,632 オリーカ。 「ありがとう」って 何て言うんや? 301 00:33:53,632 --> 00:33:58,303 スパシーバ。 えっ? スパシーバ。 スパシーベ…? 302 00:33:58,303 --> 00:34:03,909 スパシーベ! スパシーベ! スパシーベ! 303 00:34:03,909 --> 00:34:07,612 ハハハ…! スパシーベ! 304 00:34:09,581 --> 00:34:16,254 (文治)大将 着物が出来たら 「曽根崎心中」でも聴かせてください。 305 00:34:16,254 --> 00:34:20,559 今 聴かせてやる。 待ってろ。 306 00:35:33,264 --> 00:35:35,266 ⚟(ノック) 307 00:35:37,135 --> 00:35:41,139 オリーカ。 皆々様に 日本の人形浄瑠璃というものを見せたい。 308 00:35:41,139 --> 00:35:44,142 伝えてくれないか。 309 00:35:52,283 --> 00:35:56,154 私が生まれたのは 日本の小さな島で➡ 310 00:35:56,154 --> 00:35:59,157 淡路という島だ。 (ロシア語) 311 00:35:59,157 --> 00:36:01,092 <このころ ロシア軍の中では➡ 312 00:36:01,092 --> 00:36:04,863 ゴローニンの生存を信じていない人間が 多かった。➡ 313 00:36:04,863 --> 00:36:08,233 そのうえ ルダコフは オリーカに頼んで➡ 314 00:36:08,233 --> 00:36:11,569 ゴローニンほか 七名のロシア兵は 殺されているという➡ 315 00:36:11,569 --> 00:36:13,905 うそを流したのである> 316 00:36:13,905 --> 00:36:19,577 私は その小さな島の 貧乏な百姓の子どもであった。 317 00:36:19,577 --> 00:36:23,248 (ロシア語) 318 00:36:23,248 --> 00:36:28,119 見て分かると思うが わしは変わった顔をしておる。 319 00:36:28,119 --> 00:36:30,588 (ロシア語) 320 00:36:30,588 --> 00:36:33,258 (笑い声) 321 00:36:33,258 --> 00:36:38,596 こういう顔だから 子どものころから誰にも好かれず➡ 322 00:36:38,596 --> 00:36:45,470 毎日 いじめられた。 悲しい時は いつも 海を眺めた。 323 00:36:45,470 --> 00:36:48,273 船に乗って 海を渡り➡ 324 00:36:48,273 --> 00:36:52,277 誰もいじめる者のいない場所に 行きたいと願った。 325 00:36:53,945 --> 00:37:02,220 二十歳を過ぎたころ 好きな女子が出来た。 網屋の娘で 名は おふさ。 326 00:37:02,220 --> 00:37:11,229 網屋というのは 漁師の親分の事だ。 私は 貧乏な百姓の倅だ。 327 00:37:11,229 --> 00:37:19,104 誰もが反対をし 中には このわしを殺そうとする者もいた。 328 00:37:19,104 --> 00:37:23,575 わしは諦めかけた。 329 00:37:23,575 --> 00:37:29,247 いくら好きでも この狭い淡路にいるかぎり➡ 330 00:37:29,247 --> 00:37:34,586 網屋の娘との恋など かなうはずはない。 331 00:37:34,586 --> 00:37:37,489 ある月の美しい晩➡ 332 00:37:37,489 --> 00:37:42,193 おふさが わしに 蝦夷錦をくれた。 333 00:37:45,230 --> 00:37:48,600 こういう布やった。 334 00:37:48,600 --> 00:37:55,940 そして おふさは➡ 335 00:37:55,940 --> 00:37:59,244 私を励ましてくれた。 336 00:38:00,778 --> 00:38:06,885 この蝦夷錦は 唐の国で作られて オロシャに渡り➡ 337 00:38:06,885 --> 00:38:09,554 オロシャから 蝦夷の国を経て➡ 338 00:38:09,554 --> 00:38:16,427 遠い日本の真ん中の小さな淡路まで やって来たんやろう。 339 00:38:16,427 --> 00:38:22,133 「あなたも この蝦夷錦のようになる」と。 340 00:38:22,133 --> 00:38:27,572 そして 「この狭い淡路の島を捨て➡ 341 00:38:27,572 --> 00:38:32,911 私と一緒に 海に生きる人になろう。➡ 342 00:38:32,911 --> 00:38:38,583 生きるも一緒 死ぬのも一緒や」。 343 00:38:38,583 --> 00:38:41,252 おふさは そう言って➡ 344 00:38:41,252 --> 00:38:47,125 わしに 浄瑠璃の一節を謡ってくれとせがんだ。 345 00:38:47,125 --> 00:38:52,130 近松門左衛門という名高い人が作った 『曽根崎心中』の一節を。 346 00:38:54,599 --> 00:39:07,178 〽 この世のなごり 347 00:39:07,178 --> 00:39:16,221 〽 世のなごり 348 00:39:16,221 --> 00:39:35,240 〽 死にに行く身を たとふれば 349 00:39:35,240 --> 00:39:52,257 〽 あだしが原の道の霜 350 00:39:52,257 --> 00:40:08,806 〽 一足づゝに消えて行く 351 00:40:08,806 --> 00:40:28,493 〽 夢の夢こそ あはれなれ 352 00:40:35,300 --> 00:40:49,314 〽 我と そなたは女夫星 必ず添うと すがり寄り 353 00:40:49,314 --> 00:41:03,261 〽 二人が中に 降る涙 354 00:41:03,261 --> 00:41:22,246 〽 川の水嵩も まさるべし 355 00:41:32,957 --> 00:41:35,626 (拍手) 356 00:41:35,626 --> 00:41:43,301 (歓声と拍手) 357 00:41:43,301 --> 00:41:47,305 大将! 大将! 358 00:41:51,976 --> 00:41:56,848 ♬~ 359 00:41:56,848 --> 00:42:01,252 おふさ… 見ろ。 360 00:42:01,252 --> 00:42:04,255 (拍手) 361 00:42:07,925 --> 00:42:16,267 ♬~ 362 00:42:16,267 --> 00:42:20,605 おふさ… おふさ…。 363 00:42:20,605 --> 00:42:28,946 ♬~ 364 00:42:28,946 --> 00:42:31,249 ⚟(いななき) 365 00:42:51,202 --> 00:42:55,640 リコルド…。タイショウ ゴメンナサイ オキタ? 366 00:42:55,640 --> 00:43:01,913 オリーカ! 表に馬車が止まっとるが リコルドは どこか遠出をするのか? 367 00:43:01,913 --> 00:43:06,217 大将 おはよう。 もうすぐ お茶が入るから 一緒にどう? 368 00:43:12,256 --> 00:43:20,131 リコルド 約束を忘れては困る。 君は 決して私から離れないと約束した。 369 00:43:20,131 --> 00:43:23,267 だから 私は カムサスカに来た。 370 00:43:23,267 --> 00:43:30,274 (ロシア語) 371 00:44:02,907 --> 00:44:05,610 私を信用してくれ。 372 00:44:13,251 --> 00:44:15,553 それは 何日かかる? 373 00:44:17,588 --> 00:44:19,924 ひとつき…。 374 00:44:19,924 --> 00:44:22,260 それは長すぎる。 375 00:44:22,260 --> 00:44:25,263 我々が無事にいられるとはかぎらない。 376 00:44:27,598 --> 00:44:30,501 そのルダコフが 一番危ないんや。 377 00:44:30,501 --> 00:44:34,272 あの男は わしらを嫌っとる。 378 00:44:34,272 --> 00:44:36,941 それに ゴローニンが生きておるという事を➡ 379 00:44:36,941 --> 00:44:39,243 決して信用しようとはしない。 380 00:44:49,287 --> 00:44:58,296 すまなかった。 私は 君を信用する。 381 00:45:02,233 --> 00:45:05,536 一つ 頼みがある。 (ロシア語) 382 00:45:08,105 --> 00:45:13,244 イルクーツクの総督に 日本に対する詫び状をもらってほしい。 383 00:45:13,244 --> 00:45:22,253 (ロシア語) 384 00:45:22,253 --> 00:45:26,924 (ロシア語) 何でですか? 385 00:45:26,924 --> 00:45:31,596 事の発端はフヴォストフの乱暴狼藉から 始まったのだ。 386 00:45:31,596 --> 00:45:36,267 日本は それを オロシャが 日本国を 攻め落とす前触れではないかと疑い➡ 387 00:45:36,267 --> 00:45:38,202 ゴローニンを拿捕した。 388 00:45:38,202 --> 00:45:43,140 ゴローニンの口から フヴォストフの狼藉が➡ 389 00:45:43,140 --> 00:45:49,614 私利私欲からか それとも オロシャ国の命令によるものか➡ 390 00:45:49,614 --> 00:45:52,283 その ただ一点を聞き出したいんだ。 391 00:45:52,283 --> 00:45:56,988 それは 日本国の安否に関わる問題だからだ。 392 00:46:04,228 --> 00:46:06,230 そのとおりだ。 393 00:46:19,243 --> 00:46:22,913 そうか。 394 00:46:22,913 --> 00:46:28,219 道中の無事を心より祈っておる。 395 00:46:53,277 --> 00:46:55,279 オリーカ。 396 00:46:56,947 --> 00:47:01,952 オロシャの国の人間として あなたに謝らなければ。 397 00:47:03,554 --> 00:47:09,226 何を謝るんだ? 私の父は 漁師をしていました。 398 00:47:09,226 --> 00:47:15,566 荒れた海で 船がひっくり返って 日本の船に助けられて➡ 399 00:47:15,566 --> 00:47:18,235 そのまま戻ってきません。 400 00:47:18,235 --> 00:47:22,573 しばらくたって 殺されたらしい噂を聞きました。 401 00:47:22,573 --> 00:47:26,911 父と一緒に乗っていた人は 帰ってきました。 402 00:47:26,911 --> 00:47:32,249 でも 父は… 帰ってきませんでした。 403 00:47:32,249 --> 00:47:41,258 ♬~ 404 00:47:41,258 --> 00:47:44,929 私 父の事を知るために➡ 405 00:47:44,929 --> 00:47:47,598 日本の言葉を習いました。 406 00:47:47,598 --> 00:47:53,270 ♬~ 407 00:47:53,270 --> 00:47:59,143 オリーカ。 お前は 日本人が嫌いか? 408 00:47:59,143 --> 00:48:02,880 はい。 409 00:48:02,880 --> 00:48:07,752 それで リコルドに うそを教えました。 410 00:48:07,752 --> 00:48:13,224 「あなた達が ゴローニンが もう死んでいると➡ 411 00:48:13,224 --> 00:48:19,096 ひそひそ しゃべってた」と。 ごめんなさい。 412 00:48:19,096 --> 00:48:23,567 もし ここが日本なら…。 413 00:48:23,567 --> 00:48:25,903 お前の首は 斬られてるところだ。 414 00:48:25,903 --> 00:48:28,205 許してください! 415 00:48:30,241 --> 00:48:35,112 よし。 許してやる。 416 00:48:35,112 --> 00:48:41,252 そのかわり 今日から俺に オロシャの言葉を教えるか? 417 00:48:41,252 --> 00:48:47,591 はい。 一生懸命教えますから 首を斬らないで。 418 00:48:47,591 --> 00:48:49,894 よし…! 419 00:48:52,263 --> 00:48:54,932 <時の将軍・徳川家斉は➡ 420 00:48:54,932 --> 00:48:59,603 江戸湾沿岸砲台を修築。 外国の脅威に備えていた。➡ 421 00:48:59,603 --> 00:49:05,309 このころの老中首座は 松平伊豆守信明である> 422 00:49:07,211 --> 00:49:12,082 秋に オロシャ船に捕らえられ 連れ去られた➡ 423 00:49:12,082 --> 00:49:15,886 高田屋嘉兵衛の消息は? 424 00:49:15,886 --> 00:49:20,558 (高橋)無事にいるものと存じます。 なぜならば ゴローニンの申すには➡ 425 00:49:20,558 --> 00:49:25,229 高田屋を捕らえたリコルドと申す者 まこと正義の人にて➡ 426 00:49:25,229 --> 00:49:29,567 故なく人を殺すような男ではなく いずれ 氷のとけるころ➡ 427 00:49:29,567 --> 00:49:33,437 高田屋ほか 五名の日本人を連れて クナシリに現れ➡ 428 00:49:33,437 --> 00:49:38,576 ゴローニン達と 交換の交渉をいたすものと。 429 00:49:38,576 --> 00:49:41,245 また来るか。 430 00:49:41,245 --> 00:49:44,582 はっ。 必ず。 431 00:49:44,582 --> 00:49:48,919 来たら… どうするつもりじゃ? 432 00:49:48,919 --> 00:49:53,791 高田屋達と ゴローニン達を 将棋の駒のごとく ただ交換するでは➡ 433 00:49:53,791 --> 00:49:57,928 我が国の威信に関わるものと 存じ上げます。➡ 434 00:49:57,928 --> 00:50:02,266 元はと申せば フヴォストフと申す オロシャ海軍の者が➡ 435 00:50:02,266 --> 00:50:08,138 我が国の領地を侵略いたし 略奪 放火をいたしたのが事の発端。 436 00:50:08,138 --> 00:50:11,609 正式な オロシャ皇帝の詫び状がなければ➡ 437 00:50:11,609 --> 00:50:15,279 交渉を始めるわけにはまいりません。 438 00:50:15,279 --> 00:50:22,620 次に来る時 オロシャは それを所持して来るであろうか? 439 00:50:22,620 --> 00:50:28,292 高田屋が それをいたさせるものと存じます。 440 00:50:28,292 --> 00:50:30,961 そうか。 441 00:50:30,961 --> 00:50:42,306 しかし 一介の商人に そのような大役が 務まるであろうかのう。 442 00:50:42,306 --> 00:50:45,209 おそれながら 高田屋は➡ 443 00:50:45,209 --> 00:50:48,979 日本とオロシャの間の争いを 解決するために➡ 444 00:50:48,979 --> 00:50:53,317 異国に行くと申しておりました。 445 00:50:53,317 --> 00:50:57,655 並大抵の男では ござりませぬ。 446 00:50:57,655 --> 00:51:08,265 ♬~ 447 00:51:08,265 --> 00:51:11,602 <晴れた日には 町を散歩した。➡ 448 00:51:11,602 --> 00:51:14,939 吉蔵は もう ベッドから立てなかった。➡ 449 00:51:14,939 --> 00:51:19,810 文治とシトカも 日ごとに痩せてきた。➡ 450 00:51:19,810 --> 00:51:23,614 日のさす日は ほとんどなかった。➡ 451 00:51:23,614 --> 00:51:28,485 その日は 12月28日だった> 452 00:51:28,485 --> 00:51:32,289 ⚟(ロシア語) 453 00:51:32,289 --> 00:51:34,224 (ロシア語) 454 00:51:34,224 --> 00:51:37,227 オリーカ。 ちょっと待ってて。 455 00:51:41,298 --> 00:51:46,003 何ですかね。 わしらに悪い知らせかのう。 456 00:51:50,307 --> 00:51:52,242 何と言ってる? 457 00:51:52,242 --> 00:51:56,547 みんな フランスの悪口を言っています。 フランス? 458 00:52:05,789 --> 00:52:10,260 ナポレオンが モスクワを攻め落とした。 オロシャが消えるかもしれない。 459 00:52:10,260 --> 00:52:14,131 日本人どころじゃないって。 オロシャが なくなる…? 460 00:52:14,131 --> 00:52:18,602 大将! リコルドは戻ってくるんですか? 461 00:52:18,602 --> 00:52:21,939 オロシャが消えたら わしらは どうなるんです? 462 00:52:21,939 --> 00:52:27,244 国へ戻る話は 誰とするんです? 大将! 大将! 463 00:52:42,960 --> 00:52:46,263 (播州はん)こいさん! 触らんといて。 464 00:52:47,831 --> 00:52:52,636 巡礼は 人の手を借りたらあかんのやろ…。 465 00:52:52,636 --> 00:52:54,571 へい…。 466 00:52:54,571 --> 00:53:17,594 ♬~ 467 00:53:17,594 --> 00:53:24,268 <年が明けても リコルドは戻らず 陰うつな日々が続いた> 468 00:53:24,268 --> 00:53:30,140  心の声 わしが もし このまま 日本へ帰れなかったら➡ 469 00:53:30,140 --> 00:53:34,278 おふさ… 弥吉の事は頼んだぞ。 470 00:53:34,278 --> 00:53:36,580  回想 おとっつぁん! 471 00:53:39,149 --> 00:53:42,619 (笑い声) 472 00:53:42,619 --> 00:53:44,955 (弥吉)そうですか! オロシャの女子いうんは➡ 473 00:53:44,955 --> 00:53:48,826 そないに べっぴんさんが多いですか。 ハハハハ…! 474 00:53:48,826 --> 00:53:52,629 あっ 叔父さん おかえりなさい。 475 00:53:52,629 --> 00:53:57,301 (金兵衛)あんたは 誰や? 弥吉ですがな。 476 00:53:57,301 --> 00:54:01,171 弥吉です。 分かりまへんか。 嘉兵衛の息子の…。 477 00:54:01,171 --> 00:54:03,574 お母はんから お父はんが オロシャに連れて行かれたって➡ 478 00:54:03,574 --> 00:54:05,509 便りが来ましてん。 そうか。 479 00:54:05,509 --> 00:54:07,511 おかえりなさいませ! 480 00:54:09,246 --> 00:54:11,915 お前 今 何してるんや? 481 00:54:11,915 --> 00:54:14,818 へい! 京のお茶の問屋で働いてます。 482 00:54:14,818 --> 00:54:18,789 真面目にやってますわ。 真面目にやってるんやったらな➡ 483 00:54:18,789 --> 00:54:23,260 店先で ちゃらちゃらと オロシャの娘の話などするもんやない。 484 00:54:23,260 --> 00:54:26,930 違いますがな 違います! お父はんが 寂しいやろと思うて話してましたんや。 485 00:54:26,930 --> 00:54:29,833 そしたら あの人達が オロシャの女子の事を…。 486 00:54:29,833 --> 00:54:32,603 弥吉! 487 00:54:32,603 --> 00:54:36,273 兄やんは まだ きちんと お前の勘当を許したわけやない。 488 00:54:36,273 --> 00:54:40,577 きちんとしてろ。 蔵の荷運びでも手伝え! 489 00:54:45,282 --> 00:54:48,285 何 怒ってんのや? 490 00:54:54,291 --> 00:54:59,963 <吉蔵は重症の脚気 文治は労咳だった> 491 00:54:59,963 --> 00:55:03,233 (せきこみ) 492 00:55:03,233 --> 00:55:09,540 <そして シトカと吉三郎は 壊血病にかかっていた> 493 00:55:16,580 --> 00:55:19,917 (ロシア語) 494 00:55:19,917 --> 00:55:22,252 カヒ その薬のめって言ってるよ。 495 00:55:22,252 --> 00:55:24,955 このわしに 先にのめと言うのか。 496 00:55:40,604 --> 00:55:47,277 オリーカ。 この男は 今 これが毒で わしが仲間を殺し➡ 497 00:55:47,277 --> 00:55:50,180 日本が オロシャとの交渉に応じない事を 望んどると言ったんやろ? 498 00:55:50,180 --> 00:55:53,183 そうやな? 499 00:55:58,622 --> 00:56:02,226 のめ! 500 00:56:02,226 --> 00:56:07,097 人を疑うな! 疑えば こっちも疑う。 信じろ! 501 00:56:07,097 --> 00:56:09,566 ⚟(鈴の音) 502 00:56:09,566 --> 00:56:12,469 そりの鈴だ! リコルドだ! 503 00:56:12,469 --> 00:56:16,240 リコルドが帰った…? リコルド…! 504 00:56:16,240 --> 00:56:47,204 ♬~ 505 00:56:47,204 --> 00:56:52,142 カヒ。 カエッタ。 506 00:56:52,142 --> 00:56:54,444 (ロシア語で) 507 00:57:11,428 --> 00:57:14,898 (せきこみ) 508 00:57:14,898 --> 00:57:17,601 文治…。 509 00:57:23,240 --> 00:57:26,910 オロシャは わしらを➡ 510 00:57:26,910 --> 00:57:29,813 ずっと ここに閉じ込めておくつもりや。 511 00:57:29,813 --> 00:57:34,584 そうや。 ナポレオンってやつに負けて➡ 512 00:57:34,584 --> 00:57:38,255 日本に構ってる時やないんや きっと。 513 00:57:38,255 --> 00:57:40,257 ⚟(ノック) 514 00:57:47,264 --> 00:57:56,606 タイショウ。 ワタシ カナラズ ミナサン ニッポン カエラス。 515 00:57:56,606 --> 00:58:01,878 オホーツクの長官に話したそうです。 すべて分かってくれた。 516 00:58:01,878 --> 00:58:06,550 近いうちに 詫び状を持って ペトロパブロフスクに来ます。 517 00:58:06,550 --> 00:58:16,226 フネ デマス。 コオリ トケタトキ クナシリ イキマス。 518 00:58:16,226 --> 00:58:23,567 日本への船出は春 氷がとけ次第…。 そうだな 大将。 519 00:58:23,567 --> 00:58:26,470 ソウデス。 520 00:58:26,470 --> 00:58:30,907 みんな… 日本に帰れる事が決まったぞ! 521 00:58:30,907 --> 00:58:35,245 大将…!うわ~! 文治! 522 00:58:35,245 --> 00:58:39,249 日本に帰れるんや! 523 00:58:54,264 --> 00:58:57,167 金兵衛はんの文に➡ 524 00:58:57,167 --> 00:59:01,538 「占いの よう当たる坊さんに 見てもろたら➡ 525 00:59:01,538 --> 00:59:07,210 旦那はんは 必ず無事に戻ってくる」て➡ 526 00:59:07,210 --> 00:59:10,213 書いてありましたなあ。 527 00:59:23,226 --> 00:59:25,162 文治…。 528 00:59:25,162 --> 00:59:30,467 <2月24日の朝 文治に死なれた> 529 00:59:42,579 --> 00:59:45,282 大将…。 530 00:59:53,590 --> 01:00:00,263 <3月23日に シトカが とけるように息を引き取り➡ 531 01:00:00,263 --> 01:00:05,936 その翌日 吉蔵が これ以上 痩せようもない姿のまま➡ 532 01:00:05,936 --> 01:00:09,272 死骸になった> 533 01:00:09,272 --> 01:00:43,173 ♬~ 534 01:00:43,173 --> 01:00:46,476 カヒ。 535 01:00:54,317 --> 01:00:56,253 (ロシア語で) 536 01:00:56,253 --> 01:01:37,561 ♬~ 537 01:02:39,289 --> 01:02:42,192 (吉三郎)や~っ! 538 01:02:42,192 --> 01:02:46,630 万が一➡ 539 01:02:46,630 --> 01:02:55,338 日本に帰る事ができなくても 決して オロシャの民にはならんぞ。 540 01:02:57,273 --> 01:03:01,911 わしらを ここまで連れて来た オロシャ人を➡ 541 01:03:01,911 --> 01:03:05,215 斬って斬って 斬りまくり…。 542 01:03:07,250 --> 01:03:12,122 館に火を放って 切腹するんや。 543 01:03:12,122 --> 01:03:15,125 はい。 544 01:03:15,125 --> 01:03:18,128 や~っ! わあ~っ! 545 01:03:21,264 --> 01:03:23,566 何しに来た? 546 01:03:27,137 --> 01:03:31,274 文治と吉蔵とシトカの葬式だ! 547 01:03:31,274 --> 01:03:37,981 日本ではな 親しい友が死ぬと 後を追って死ぬという風習があるんだ! 548 01:03:39,616 --> 01:03:42,952 死んでやる! 大将! 549 01:03:42,952 --> 01:04:08,111 ♬~ 550 01:04:08,111 --> 01:04:11,114 刑場か…。 551 01:04:22,258 --> 01:04:26,563 リコルド。 カヒ。 552 01:04:30,934 --> 01:04:36,940 サア イッショ ハイロウ。 553 01:04:39,275 --> 01:04:45,582 ゴカイ ナクス。 ユウジョウ。 554 01:04:47,150 --> 01:04:49,619 ユウジョウ。 555 01:04:49,619 --> 01:05:05,935 ♬~(歌声) 556 01:05:23,253 --> 01:05:28,558 タイショウ。 ハイ。 妻は いるか? 557 01:05:30,593 --> 01:05:33,496 イナイ。 558 01:05:33,496 --> 01:05:36,499 コンヤクシャ イル。 559 01:05:38,935 --> 01:05:43,807 アナスタシア。 アナスタシア? 560 01:05:43,807 --> 01:05:54,951 カヒ ニッポン カエシタラ ケッコン。 ワタシ タノシミ。 561 01:05:54,951 --> 01:06:06,663 (ロシア語で) 562 01:06:12,435 --> 01:06:15,138 タイショウ。 563 01:06:17,574 --> 01:06:28,284 (ロシア語で) 564 01:06:39,262 --> 01:06:41,931 こいさん! あかん! 565 01:06:41,931 --> 01:06:44,234 へい…。 566 01:06:48,271 --> 01:06:51,274 春やわ。 567 01:06:55,144 --> 01:07:01,217 わて えろう不思議でならん事が ありますのやわ。 568 01:07:01,217 --> 01:07:07,090 こいさん 嘉兵衛様のどこに惚れなされました? 569 01:07:07,090 --> 01:07:12,228 この年になっても それが不思議でなりません。 570 01:07:12,228 --> 01:07:15,131 赤い糸やろ。 571 01:07:15,131 --> 01:07:20,103 赤い糸… さようでござりますなあ。 572 01:07:20,103 --> 01:07:28,244 けど 来世では うち 嘉兵衛とは夫婦にはならへんわ。 573 01:07:28,244 --> 01:07:31,247 これはまた…。 574 01:07:34,584 --> 01:07:43,593 あの人 自分一人で 異国へ行って。 575 01:07:46,596 --> 01:07:55,605 うち 嘉兵衛が無事に戻ったら離縁してもらう。 576 01:07:55,605 --> 01:08:00,443 ええっ…? 何ですって? 577 01:08:00,443 --> 01:08:04,213 仏さんに頼んだんや。 578 01:08:04,213 --> 01:08:12,088 仏様に「無事戻ったら 別れる」ってですか? 579 01:08:12,088 --> 01:08:16,225 冗談や。 行こか。 580 01:08:16,225 --> 01:08:24,100 ♬~ 581 01:08:24,100 --> 01:08:27,570 <おふさは 心を病んでいた。➡ 582 01:08:27,570 --> 01:08:33,242 嘉兵衛のいない不安と 寂しさの故であった。➡ 583 01:08:33,242 --> 01:08:38,915 この氷に閉ざされた僻地で 人々の心に喜びを与えたものは➡ 584 01:08:38,915 --> 01:08:42,251 オホーツクからの そりであった。➡ 585 01:08:42,251 --> 01:08:46,923 手紙を積み 食糧や日用品を運んでくる> 586 01:08:46,923 --> 01:08:48,858 大将! 大将! 587 01:08:48,858 --> 01:08:51,861 大将! 大将! 588 01:08:54,263 --> 01:08:56,199 どうした? 589 01:08:56,199 --> 01:09:00,536 カムサスカの長官が 詫び状 持って来たらしいで。 590 01:09:00,536 --> 01:09:04,207 ほんまか? ルダコフが➡ 591 01:09:04,207 --> 01:09:07,543 センブリのんだみたいな苦い顔で そう言うたで。 592 01:09:07,543 --> 01:09:09,879 ⚟(オリーカ)カヒ! 593 01:09:09,879 --> 01:09:13,549 日本に帰れる! 来たよ 来たよ! 594 01:09:13,549 --> 01:09:15,551 オリーカ。 595 01:09:17,420 --> 01:09:22,125 ⚟(礼砲の音) 596 01:09:27,096 --> 01:09:32,101 まだ どうなるか分からん。 えっ? 597 01:09:34,237 --> 01:09:40,109 「どうなるか分からん」って 大将…。 598 01:09:40,109 --> 01:09:46,249 まだ分からん。 まだ分からん。 599 01:09:46,249 --> 01:09:51,254 人の運命は 分からん。 600 01:09:57,260 --> 01:10:04,967 すまん! すまん! 許してくれ! 601 01:10:08,271 --> 01:10:16,612 文治 吉蔵 シトカ➡ 602 01:10:16,612 --> 01:10:20,950 許してくれ! 603 01:10:20,950 --> 01:10:43,639 ♬~ 604 01:10:45,174 --> 01:10:47,977 夢にまで見た日本じゃないかいのう。 605 01:10:47,977 --> 01:10:51,647 (歓声) 606 01:10:51,647 --> 01:10:55,318 あほかいな あんた! はよ 弥吉 呼んどいで! 607 01:10:55,318 --> 01:11:00,156 (一同)ウラァ タイショウ! ウラァ! ウラァ! 608 01:11:00,156 --> 01:12:28,144 ♬~ 609 01:12:30,613 --> 01:12:35,284 ♬~ 610 01:12:35,284 --> 01:12:40,156 <4,000m級の山々の連なる カムチャツカ半島。➡ 611 01:12:40,156 --> 01:12:44,627 嘉兵衛達が連行された ペトロパブロフスクは➡ 612 01:12:44,627 --> 01:12:49,332 今では 人口30万人のカムチャツカ州の州都です> 613 01:12:53,302 --> 01:12:59,642 <この街は 帝政ロシアの時代から 極東における軍事上の拠点であり➡ 614 01:12:59,642 --> 01:13:01,577 クリミア戦争時には➡ 615 01:13:01,577 --> 01:13:06,282 イギリスやフランスと 激戦が繰り広げられました> 616 01:13:10,253 --> 01:13:13,923 <ペトロパブロフスクの街の ほぼ中央に➡ 617 01:13:13,923 --> 01:13:18,227 嘉兵衛達は抑留されていました> 618 01:13:20,263 --> 01:13:24,133 <今では ビルの立ち並ぶ この一角から➡ 619 01:13:24,133 --> 01:13:30,139 嘉兵衛は 遠い日本に 思いをはせていたのでしょうか> 620 01:13:37,280 --> 01:13:40,182 <ソビエト連邦崩壊後 ここ カムチャツカにも➡ 621 01:13:40,182 --> 01:13:45,154 自由主義経済の波が押し寄せています。➡ 622 01:13:45,154 --> 01:13:48,624 淡路から はるか3,000km➡ 623 01:13:48,624 --> 01:13:54,931 カムチャツカの冬は 氷点下20度を超える厳しさです>