1 00:00:03,170 --> 00:00:08,008 幕府転覆の血判状 「鳴門秘帖」探索のために➡ 2 00:00:08,008 --> 00:00:09,977 ひそかに阿波入りを謀る➡ 3 00:00:09,977 --> 00:00:13,614 法月弦之丞と 見返りお綱だったが➡ 4 00:00:13,614 --> 00:00:18,118 お十夜孫兵衛と旅川周馬に そのたくらみを見破られ➡ 5 00:00:18,118 --> 00:00:22,623 鳴門のうずに飛び込み 生死不明となる。➡ 6 00:00:22,623 --> 00:00:25,659 だが 弦之丞たちが 阿波入りした事を探り出した➡ 7 00:00:25,659 --> 00:00:27,794 竹屋三位卿は➡ 8 00:00:27,794 --> 00:00:31,965 天堂一角らを伴い 剣山の山狩りに赴き➡ 9 00:00:31,965 --> 00:00:35,836 山牢から脱出を計った 甲賀頭領世阿弥を➡ 10 00:00:35,836 --> 00:00:39,139 三位卿の弓矢が襲う。➡ 11 00:00:39,139 --> 00:00:44,945 一方 神出鬼没の弦之丞の手により 一角は命を落とし➡ 12 00:00:44,945 --> 00:00:48,482 怪我をした世阿弥を発見した 周馬も➡ 13 00:00:48,482 --> 00:00:51,818 世阿弥の持つ「鳴門秘帖」を 奪おうとするも➡ 14 00:00:51,818 --> 00:00:56,490 居合わせた お綱の短筒で 大怪我を負う。➡ 15 00:00:56,490 --> 00:01:01,094 お綱が実の娘であると知った 世阿弥は再会を喜び➡ 16 00:01:01,094 --> 00:01:05,766 「鳴門秘帖」を弦之丞に渡すように 伝えて息絶える。➡ 17 00:01:05,766 --> 00:01:07,701 だが 孫兵衛の手により➡ 18 00:01:07,701 --> 00:01:10,270 「鳴門秘帖」ともども お綱も拉致され➡ 19 00:01:10,270 --> 00:01:13,106 それを阻止しようとした 弦之丞は➡ 20 00:01:13,106 --> 00:01:16,977 竹屋三位卿によって捕らえられる。 21 00:01:16,977 --> 00:01:20,447 それとは知らず 世阿弥の娘 千絵は➡ 22 00:01:20,447 --> 00:01:23,116 目明しの万吉を引き連れ➡ 23 00:01:23,116 --> 00:01:26,620 勇躍 阿波へと向かっていた。 24 00:01:26,620 --> 00:01:31,458  心の声  (千絵)弦之丞様 父上 お綱さん➡ 25 00:01:31,458 --> 00:01:35,128 いえ 姉上様➡ 26 00:01:35,128 --> 00:01:37,064 千絵が参ります。➡ 27 00:01:37,064 --> 00:01:41,802 共に戦うため 阿波へ向かっております。 28 00:01:41,802 --> 00:01:46,606 (万吉)千絵様 鳴門のうずです。 29 00:01:52,980 --> 00:01:55,015 <そのころ➡ 30 00:01:55,015 --> 00:01:59,486 徳島城内の牢に幽閉された 弦之丞の前へ➡ 31 00:01:59,486 --> 00:02:02,456 家老 高木龍耳軒が現れた> 32 00:02:02,456 --> 00:02:04,958 法月弦之丞か。 33 00:02:17,971 --> 00:02:20,107 (弦之丞)どなたでござるか。 34 00:02:20,107 --> 00:02:24,611 蜂須賀家筆頭家老 高木龍耳軒。 35 00:02:24,611 --> 00:02:29,950 家老殿が 捕らわれの身の私に 何用でござろう。 36 00:02:29,950 --> 00:02:32,452 ハハッ… 捕らわれの身でありながら➡ 37 00:02:32,452 --> 00:02:34,488 そのふてぶてしき様子。 38 00:02:34,488 --> 00:02:37,791 敵ながら あっぱれじゃ。 39 00:02:37,791 --> 00:02:40,694 世阿弥が買っていた男だけの事は ある。 40 00:02:40,694 --> 00:02:42,662 世阿弥殿? 41 00:02:42,662 --> 00:02:48,301 旗本七千石 大番頭 法月一学の嫡男で➡ 42 00:02:48,301 --> 00:02:52,639 世阿弥の娘と 末を誓った仲でありながら➡ 43 00:02:52,639 --> 00:02:56,309 無住心剣夕雲流を極めんがため➡ 44 00:02:56,309 --> 00:03:00,180 諸国行脚の旅に出たとか。 45 00:03:00,180 --> 00:03:02,115 違うか? 46 00:03:02,115 --> 00:03:06,119 その事を世阿弥殿から? 47 00:03:06,119 --> 00:03:09,256 10年来のつきあいになる。 48 00:03:09,256 --> 00:03:16,029 もっとも 牢の中と外の間柄であったがな。 49 00:03:16,029 --> 00:03:19,599 お主の事を 自慢げに話しておった。 50 00:03:19,599 --> 00:03:23,470 必ず来ると この阿波へな。 51 00:03:23,470 --> 00:03:27,274 たわけた事を申すと 思うておったが➡ 52 00:03:27,274 --> 00:03:32,145 その法月弦之丞が まこと現れた。 53 00:03:32,145 --> 00:03:34,147 愉快じゃ。 54 00:03:34,147 --> 00:03:38,285 まことに愉快じゃ。 ハハハハ…。 55 00:03:38,285 --> 00:03:44,157 世阿弥は死んだが 「鳴門秘帖」は いまだ闇の中。 56 00:03:44,157 --> 00:03:50,630 お主の役目は その「鳴門秘帖」探索のはず。 57 00:03:50,630 --> 00:03:54,134 これから どうする? 法月弦之丞。 58 00:03:54,134 --> 00:03:56,636 それを聞いて どうなさる? 59 00:03:56,636 --> 00:03:58,572 お主のような出来物が➡ 60 00:03:58,572 --> 00:04:02,242 この馬鹿騒ぎに加担して どうなるのじゃ。 61 00:04:02,242 --> 00:04:04,177 馬鹿騒ぎ? 62 00:04:04,177 --> 00:04:07,414 そうよ。 我が殿 重喜公は➡ 63 00:04:07,414 --> 00:04:09,750 出羽の佐竹から➡ 64 00:04:09,750 --> 00:04:14,588 養子として蜂須賀家に迎えられた という事もあり➡ 65 00:04:14,588 --> 00:04:20,393 家臣をまとめようと いささか 功を焦り過ぎてな。 66 00:04:20,393 --> 00:04:23,764 藩の借財は 12万両。 67 00:04:23,764 --> 00:04:27,100 まずは これを どうにかせねばならんと➡ 68 00:04:27,100 --> 00:04:30,604 藍玉造りの利権を握る 大坂の問屋を➡ 69 00:04:30,604 --> 00:04:33,507 押しのけようとしたのだが➡ 70 00:04:33,507 --> 00:04:38,945 困惑した あきんどどもが ご公儀に泣きついたのが➡ 71 00:04:38,945 --> 00:04:41,448 事の発端じゃ。➡ 72 00:04:41,448 --> 00:04:43,784 ご公儀は 表向き➡ 73 00:04:43,784 --> 00:04:48,955 木曽川と揖斐川の治水の普請を 我が藩に押しつけてきた。➡ 74 00:04:48,955 --> 00:04:53,293 おかげで 藩の財政は逼迫。➡ 75 00:04:53,293 --> 00:04:57,798 裏では 幕府転覆の血判状と噂され➡ 76 00:04:57,798 --> 00:05:04,237 蜂須賀家に代々伝わる 「鳴門秘帖」の探索を始めた。 77 00:05:04,237 --> 00:05:06,573 時を同じゅうして➡ 78 00:05:06,573 --> 00:05:11,244 京の都で事を起こした 竹屋三位卿なる公家が➡ 79 00:05:11,244 --> 00:05:14,748 殿に いらざる口を挟みだしてな。 80 00:05:14,748 --> 00:05:22,088 殿もまた 「鳴門秘帖」を盾に 幕府転覆を口にし始めた事から➡ 81 00:05:22,088 --> 00:05:25,125 事が大きくなった。 82 00:05:25,125 --> 00:05:30,263 だが その「鳴門秘帖」なるものは➡ 83 00:05:30,263 --> 00:05:33,099 誰も中身を見た者はおらん。 84 00:05:33,099 --> 00:05:35,769 なのに この騒ぎじゃ。 85 00:05:35,769 --> 00:05:40,574 これを馬鹿騒ぎと言わずして 何とする。 86 00:05:46,780 --> 00:05:48,715 驚かぬようじゃな。 87 00:05:48,715 --> 00:05:52,452 以前 同じような お話を 聞かせてくれた➡ 88 00:05:52,452 --> 00:05:54,387 御仁がおりましたから。 89 00:05:54,387 --> 00:05:59,793 それでも この馬鹿騒ぎに加担しに 阿波にやって来たのか。 90 00:05:59,793 --> 00:06:01,761 はい。 91 00:06:01,761 --> 00:06:04,631 世阿弥を救いにか。 92 00:06:04,631 --> 00:06:08,401 ほかにも理由はありますが。 93 00:06:08,401 --> 00:06:11,304 そうか。 94 00:06:11,304 --> 00:06:17,077 とにもかくにも 「鳴門秘帖」は 表に出してはならぬ代物。 95 00:06:17,077 --> 00:06:19,746 誰もが その正体を知らず➡ 96 00:06:19,746 --> 00:06:24,417 ご公儀にとっても あるのか ないのか 薄気味悪く➡ 97 00:06:24,417 --> 00:06:26,453 あれば それだけで➡ 98 00:06:26,453 --> 00:06:30,924 我が蜂須賀家にとって 命綱となる代物。 99 00:06:30,924 --> 00:06:34,127 なぜ その事を私に。 100 00:06:38,798 --> 00:06:43,603 (錠前を開ける音) 101 00:06:47,274 --> 00:06:49,276 出るがよい。 102 00:06:54,781 --> 00:06:57,117 よいか 弦之丞。 103 00:06:57,117 --> 00:07:01,087 「鳴門秘帖」を 必ず その手に取り戻すのだ。 104 00:07:01,087 --> 00:07:04,557 あとは 煮て食おうが焼いて食おうが➡ 105 00:07:04,557 --> 00:07:07,060 お主の勝手じゃ。 106 00:07:08,728 --> 00:07:11,765 よろしいのですか。 107 00:07:11,765 --> 00:07:13,900 かたじけない。 108 00:07:13,900 --> 00:07:15,902 御免。 109 00:07:22,575 --> 00:07:26,246 頼んだぞ。 110 00:07:26,246 --> 00:07:28,748 誰かある! 111 00:07:28,748 --> 00:07:32,085 法月弦之丞が逃げた! 112 00:07:32,085 --> 00:07:34,587 誰かある! 113 00:07:41,428 --> 00:07:43,463 (竹屋三位卿)龍耳軒。 114 00:07:43,463 --> 00:07:47,100 あ~ これは三位様。 115 00:07:47,100 --> 00:07:49,769 あ~ 不覚でござった。 116 00:07:49,769 --> 00:07:54,441 法月弦之丞とか申す男の 口車に乗せられて➡ 117 00:07:54,441 --> 00:07:57,477 牢から出してしもうた。 118 00:07:57,477 --> 00:08:01,047 牢から出したと言わしゃるのか。 119 00:08:01,047 --> 00:08:04,084 あの男 一筋縄ではいかぬ男…。 120 00:08:04,084 --> 00:08:06,219 ああ 頭が…。 121 00:08:06,219 --> 00:08:08,555 原田 早う手当てせぬか。 (原田)はっ。 122 00:08:08,555 --> 00:08:10,590 ああ ご… ごめんくだされ。 123 00:08:10,590 --> 00:08:12,726 ああ…。 124 00:08:12,726 --> 00:08:22,902 ♬~ 125 00:08:22,902 --> 00:08:27,907 <ここは お十夜孫兵衛の実家である> 126 00:08:41,588 --> 00:08:45,792 (物音) 127 00:08:52,298 --> 00:08:56,136 (孫兵衛)目が覚めたか。 128 00:08:56,136 --> 00:09:00,073 おっと 短筒は ここだ。 129 00:09:00,073 --> 00:09:02,375 まあ 欲しかったら持っていろ。 130 00:09:02,375 --> 00:09:05,879 もっとも 弾は抜いてあるがな。 ほれ! 131 00:09:05,879 --> 00:09:07,881 (お綱)あっ…。 132 00:09:10,550 --> 00:09:14,721 はあ はあ…。 133 00:09:14,721 --> 00:09:16,656 ここは? 134 00:09:16,656 --> 00:09:19,559 俺のうちだ。 135 00:09:19,559 --> 00:09:22,395 昔は 大勢 奉公人もいたが➡ 136 00:09:22,395 --> 00:09:28,735 今は 下男だった年寄りが 時折 掃除をしに来るぐらいだ。 137 00:09:28,735 --> 00:09:33,039 腹が減ったろ。 雑炊を作った。 138 00:09:35,074 --> 00:09:38,411 そば米雑炊といってな➡ 139 00:09:38,411 --> 00:09:41,915 昔 源平の合戦で 逃げ延びた➡ 140 00:09:41,915 --> 00:09:45,785 平家の落人が作ったと されているものだ。 141 00:09:45,785 --> 00:09:50,490 まあ あまり当てにはならんが なかなか うまいぞ。 142 00:09:52,625 --> 00:09:55,462 それにしても よく寝る女だな。 143 00:09:55,462 --> 00:09:58,465 よほど疲れていたのだな。 144 00:09:58,465 --> 00:10:00,934 どうして? 145 00:10:00,934 --> 00:10:02,869 何がだ? 146 00:10:02,869 --> 00:10:06,606 どうして あたしをここへ? 147 00:10:06,606 --> 00:10:08,641 訳などない。 148 00:10:08,641 --> 00:10:12,412 連れてきたかったから 連れてきたまでの事。 149 00:10:12,412 --> 00:10:14,414 ただ それだけだ。 150 00:10:16,616 --> 00:10:19,119 出ていきたかったら 出てくといい。 151 00:10:19,119 --> 00:10:23,990 そのかわり 周りは蜂須賀の家臣だらけだ。 152 00:10:23,990 --> 00:10:28,795 あの男も捕まり 城の牢の中におる。 153 00:10:28,795 --> 00:10:31,130 お前にできる事はない。 154 00:10:31,130 --> 00:10:34,801 弦之丞様が? そうだ。 155 00:10:34,801 --> 00:10:39,973 眠っているお前を盾にしたら 何もできなかったぞ やつは。 156 00:10:39,973 --> 00:10:42,475 卑怯者! 157 00:10:42,475 --> 00:10:46,646 生きるためだ! しかたない。 158 00:10:46,646 --> 00:10:48,681 法月も生きるために➡ 159 00:10:48,681 --> 00:10:52,385 俺の仲間だった天堂一角を 斬り殺した。 160 00:10:58,658 --> 00:11:01,661 冷めてしまうぞ。 早く食え。 161 00:11:03,930 --> 00:11:06,266 痩せても枯れても➡ 162 00:11:06,266 --> 00:11:10,603 裏の稼業じゃ ちょいと名が知れた 見返りお綱さんだ。 163 00:11:10,603 --> 00:11:14,274 旦那の施しなんか受けないよ。 164 00:11:14,274 --> 00:11:17,110 そう つんけんするな。 165 00:11:17,110 --> 00:11:20,947 前にも言ったろ。 俺は お前に惚れておる。 166 00:11:20,947 --> 00:11:24,284 だから 江戸から阿波まで 追ってきたのだ。 167 00:11:24,284 --> 00:11:27,187 ん? 悪いようにはせん。 168 00:11:27,187 --> 00:11:31,958 それに 毒も入っておらん。 169 00:11:31,958 --> 00:11:35,828 <以前 お綱は 下諏訪の料理屋で➡ 170 00:11:35,828 --> 00:11:40,533 孫兵衛に 眠り薬を盛った事があった> 171 00:11:44,671 --> 00:11:47,807 はあ~ うまい! 172 00:11:47,807 --> 00:11:52,011 生まれた土地の食い物は はらわたに染み渡る。 173 00:11:53,613 --> 00:11:56,816 (おなかが鳴る音) 174 00:11:56,816 --> 00:12:01,654 ハハハハ… 体は正直なものだな。 175 00:12:01,654 --> 00:12:03,623 意地を張ってないで食え。 176 00:12:03,623 --> 00:12:06,926 食ったところで 恩に着せたりはせん。 177 00:12:14,234 --> 00:12:16,236 うん! 178 00:12:27,780 --> 00:12:30,450 どうだ うまいだろ。 179 00:12:30,450 --> 00:12:42,261 ♬~ 180 00:12:58,311 --> 00:13:02,181 それにしても お前とは いろいろあった。 181 00:13:02,181 --> 00:13:05,752 そうだ 最初に会ったのは➡ 182 00:13:05,752 --> 00:13:08,588 江戸で辻斬り稼業に精を出し➡ 183 00:13:08,588 --> 00:13:14,093 弦之丞の腰の業物を頂こうとして しくじった時だったな。 184 00:13:14,093 --> 00:13:19,899 女掏摸の見返りお綱とは あたしの事さ! 185 00:13:19,899 --> 00:13:21,834 文句があるんなら➡ 186 00:13:21,834 --> 00:13:29,142 本郷妻恋一丁目 粋な門垣根の 長唄の師匠のうちを訪ねてきな。 187 00:13:30,943 --> 00:13:33,279 あれには参った。 188 00:13:33,279 --> 00:13:37,617 伝法な口調の 鉄火な女に惚れたのも その時だ。 189 00:13:37,617 --> 00:13:39,652 だが そこから…。 190 00:13:39,652 --> 00:13:43,122 さすが 南蛮渡来の眠り薬。 191 00:13:43,122 --> 00:13:45,058 よく効くねぇ。 192 00:13:45,058 --> 00:13:47,994 (孫兵衛) 下諏訪では 眠り薬を盛られ➡ 193 00:13:47,994 --> 00:13:52,298 和蘭歌留多の賭場からも 逃げられ➡ 194 00:13:52,298 --> 00:13:55,601 阿波の海でも これまた…。 195 00:14:00,106 --> 00:14:03,409 江戸から阿波まで 逃げられ続けたが➡ 196 00:14:03,409 --> 00:14:06,112 とうとう捕まえた。 197 00:14:08,247 --> 00:14:12,118 どうだ 俺と手を組まぬか。 198 00:14:12,118 --> 00:14:14,921 旦那と? 199 00:14:14,921 --> 00:14:20,226 一角の悲願であった「鳴門秘帖」 今は 俺の手にある。 200 00:14:32,271 --> 00:14:34,574 そう せくな。 201 00:14:55,294 --> 00:14:58,197 あ~ うまい! 202 00:14:58,197 --> 00:15:03,102 「鳴門秘帖」を手に入れて飲む酒は 格別だ。 203 00:15:03,102 --> 00:15:06,906 いいんですか。 何がだ? 204 00:15:06,906 --> 00:15:12,712 あの秘帖 蜂須賀の殿様が 探してるものなんでしょ? 205 00:15:12,712 --> 00:15:18,918 旦那の懐にしまい込んじまったら 切腹ものじゃありませんか。 206 00:15:18,918 --> 00:15:21,420 たった一日だ。 207 00:15:21,420 --> 00:15:25,258 たった一日だけ 俺のものとして置いておく。 208 00:15:25,258 --> 00:15:29,562 いや 一角のものとしてな。 209 00:15:35,268 --> 00:15:43,009 あとは 俺の金づるとなる 千両か2千両か。 210 00:15:43,009 --> 00:15:48,514 これで 俺も 阿波での暮らしが 立つというものよ。 211 00:15:51,717 --> 00:15:55,588 ここらで安穏な暮らしに戻るのも 悪くない。 212 00:15:55,588 --> 00:15:59,458 旦那が? そうだ。 213 00:15:59,458 --> 00:16:04,430 妻を迎え 2人で この家の畑を耕し➡ 214 00:16:04,430 --> 00:16:07,900 近所の子に手習いを教え➡ 215 00:16:07,900 --> 00:16:10,803 その女が子を宿したあとは➡ 216 00:16:10,803 --> 00:16:16,576 その子が大きくなるのを夢みて 暮らすのだ。 217 00:16:16,576 --> 00:16:20,913 どうだ 俺とここで暮らさぬか。 218 00:16:20,913 --> 00:16:23,249 フッ…。 219 00:16:23,249 --> 00:16:27,920 けど 随分と のんきな事を お言いじゃないか 旦那。 220 00:16:27,920 --> 00:16:31,624 江戸で辻斬り稼業をしていた あんたには似合わないね。 221 00:16:33,259 --> 00:16:35,194 どういう意味だ。 222 00:16:35,194 --> 00:16:37,597 えっ? 223 00:16:37,597 --> 00:16:40,266 生まれた時から 辻斬り稼業をしている輩が➡ 224 00:16:40,266 --> 00:16:42,935 どこにいると思う!? 225 00:16:42,935 --> 00:16:47,773 この俺にも武士として 蜂須賀の原士の子として➡ 226 00:16:47,773 --> 00:16:51,444 普通の暮らしをしていた時も あった。 227 00:16:51,444 --> 00:16:56,616 だが 俺が9歳になったばかりの頃➡ 228 00:16:56,616 --> 00:17:00,887 父が 外に女を作った。 229 00:17:00,887 --> 00:17:03,723 そこから 母が おかしくなった。 230 00:17:03,723 --> 00:17:07,393 天にまします 我らの父よ。 231 00:17:07,393 --> 00:17:11,898 (孫兵衛)気付いた時 母は 隠れキリシタンとなっていた。➡ 232 00:17:11,898 --> 00:17:15,768 神とやらに すがったのだ。➡ 233 00:17:15,768 --> 00:17:18,070 それが間違いだったのよ。 234 00:17:20,239 --> 00:17:22,575 いい加減にしろ! 235 00:17:22,575 --> 00:17:28,748 (孫兵衛)事の露見を恐れた父が 夜ごと母を殴り 酒に狂い➡ 236 00:17:28,748 --> 00:17:31,784 母は母で ますます のめり込んだ。➡ 237 00:17:31,784 --> 00:17:36,489 いつしか 母は 俺にまでキリシタンになれと➡ 238 00:17:36,489 --> 00:17:40,927 毎夜毎夜 ささやくようになり…。 239 00:17:40,927 --> 00:17:44,263 そんな ある夜の事だ。➡ 240 00:17:44,263 --> 00:17:50,603 寝ていた俺が目を覚ますと 傍らに母が座っていた。 241 00:17:50,603 --> 00:17:54,407 孫兵衛 起きなさい。 242 00:18:02,715 --> 00:18:06,419 ううっ うううっ…。 243 00:18:12,425 --> 00:18:17,897 うっ ううっ ううう…。 244 00:18:17,897 --> 00:18:21,567 (孫兵衛)俺が こんな お十夜頭巾をかぶっているのは➡ 245 00:18:21,567 --> 00:18:23,903 あの夜のせいよ。 246 00:18:23,903 --> 00:18:42,088 ♬~ 247 00:18:42,088 --> 00:18:46,258 この事があったから いつしか 母の事も露見し➡ 248 00:18:46,258 --> 00:18:51,964 とうとう 父は 母を殺し 自害し果てた。 249 00:18:58,270 --> 00:19:03,242 どんな人にも いろいろあるんだね。 250 00:19:03,242 --> 00:19:05,945 あたしだって…。 251 00:19:07,947 --> 00:19:11,951 世阿弥の妾の子だったな。 苦労したのか。 252 00:19:14,553 --> 00:19:19,358 旦那ほどじゃないけどね。 人並みにはさ。 253 00:19:21,327 --> 00:19:25,064 そうか。 254 00:19:25,064 --> 00:19:28,100 だが もう それも しまいよ。 255 00:19:28,100 --> 00:19:30,870 「鳴門秘帖」が この手にある。 256 00:19:30,870 --> 00:19:33,773 天下を揺るがす事ができる代物だ。 257 00:19:33,773 --> 00:19:35,775 分かるか お綱。 258 00:19:35,775 --> 00:19:40,246 今の俺は 天下を握ってるも同然なのよ! 259 00:19:40,246 --> 00:19:43,916 フハハハ…。 260 00:19:43,916 --> 00:19:45,851 だから 俺と手を組め。 261 00:19:45,851 --> 00:19:48,587 手を組んで 天下を➡ 262 00:19:48,587 --> 00:19:51,424 富と名声を 手に入れようではないか。 263 00:19:51,424 --> 00:19:53,926 ハハハハ…。 264 00:19:53,926 --> 00:19:58,597  心の声 それは違うよ 旦那。➡ 265 00:19:58,597 --> 00:20:05,404 旦那の事は分かったけど そこんとこだけは ちょいと違う。 266 00:20:28,594 --> 00:20:30,663 分かったよ 旦那。 267 00:20:30,663 --> 00:20:34,300 あたしも女だ。 腹くくったよ。 268 00:20:34,300 --> 00:20:38,804 今日は とことん飲もうじゃないか。 269 00:20:38,804 --> 00:20:41,474 また何か たくらんでるんじゃないだろうな。 270 00:20:41,474 --> 00:20:45,678 たくらんでなんかいないよ。 さっ ついでおくれな。 271 00:20:47,646 --> 00:20:49,582 よし。 272 00:20:49,582 --> 00:21:12,605 ♬~ 273 00:21:12,605 --> 00:21:16,108 (周馬)あっ… おいおい 穏やかじゃないな。 274 00:21:16,108 --> 00:21:18,043 (孫兵衛)何をしに来た? 275 00:21:18,043 --> 00:21:19,979 一角に線香をあげに来たのだ。➡ 276 00:21:19,979 --> 00:21:23,282 お主の事だ。 位牌ぐらい作ったのであろう。 277 00:21:32,291 --> 00:21:37,997 ほ~う とんだ珍客がいたもんだ。 278 00:21:40,633 --> 00:21:43,536 その節は世話になったな。 279 00:21:43,536 --> 00:21:45,971 おかげで 足は このざまだ。 280 00:21:45,971 --> 00:21:47,907 父親を殺されそうに なっているのを➡ 281 00:21:47,907 --> 00:21:50,843 黙って見ている馬鹿が どこにいるんだい。 282 00:21:50,843 --> 00:21:53,712 うわ~! 283 00:21:53,712 --> 00:21:55,681 んっ んっ…。 284 00:21:55,681 --> 00:21:59,518 やはり お前は 世阿弥の妾の子だったか。 285 00:21:59,518 --> 00:22:02,755 ほう 感づいていたのか。 286 00:22:02,755 --> 00:22:04,690 江戸の賭場で出会った折➡ 287 00:22:04,690 --> 00:22:08,093 この女の手の甲の痣に気付いた。 288 00:22:08,093 --> 00:22:13,966 千絵と同じ痣だったからな もしやと思ったまでの事さ。 289 00:22:13,966 --> 00:22:16,669 しかし 親子とはな。 290 00:22:23,108 --> 00:22:25,945 (周馬)一角も不運な男だったな。 291 00:22:25,945 --> 00:22:30,115 最初から 法月弦之丞と対しておきながら➡ 292 00:22:30,115 --> 00:22:33,619 最後の最後に 勝負に負けちまった。 293 00:22:33,619 --> 00:22:37,323 で 「鳴門秘帖」は どこだ? 294 00:22:40,960 --> 00:22:44,296 何の話だ。 とぼけるな。 295 00:22:44,296 --> 00:22:46,232 どういう いきさつで➡ 296 00:22:46,232 --> 00:22:48,801 お主たち2人が ここにおるのかは 知らんが➡ 297 00:22:48,801 --> 00:22:51,470 世阿弥は 確かに あの時➡ 298 00:22:51,470 --> 00:22:56,675 「鳴門秘帖」が入った箱を 持っていた。 だろ? 299 00:22:58,644 --> 00:23:02,514 お主たちは まだ 中身を見ておらんはずだ。 300 00:23:02,514 --> 00:23:04,450 あの箱は 船を作る際に使う➡ 301 00:23:04,450 --> 00:23:07,086 にかわで のり付けされておるとの事。 302 00:23:07,086 --> 00:23:11,757 しかも 世阿弥の手によって 更に甲賀の秘法を施してあるはず。 303 00:23:11,757 --> 00:23:15,928 そう たやすく剥がす事はできん。 304 00:23:15,928 --> 00:23:22,268 だが 俺なら そのにかわを剥がす やり方を知っておるぞ。 305 00:23:22,268 --> 00:23:24,203 見て どうなるってんだい。 306 00:23:24,203 --> 00:23:26,138 何? 307 00:23:26,138 --> 00:23:28,140 あたしたちが 「鳴門秘帖」を見たところで➡ 308 00:23:28,140 --> 00:23:30,976 どうなるってもんじゃないだろ。 309 00:23:30,976 --> 00:23:36,615 金になるか ならないか。 違うかい? 孫の旦那。 310 00:23:36,615 --> 00:23:40,286 ああ そういう事だ。 311 00:23:40,286 --> 00:23:42,788 箱の中身が偽物だったら どうする気だ。 312 00:23:42,788 --> 00:23:44,723 偽物? 313 00:23:44,723 --> 00:23:48,127 そうよ あの世阿弥の事だ。 314 00:23:48,127 --> 00:23:50,062 たとえ 我が子だろうと➡ 315 00:23:50,062 --> 00:23:52,965 偽物をつかませる事ぐらい 訳はない。 316 00:23:52,965 --> 00:23:57,469 偽物を高う売ったと分かったら お主たちは ただでは済まぬぞ。 317 00:23:57,469 --> 00:23:59,405 父上は そんな人じゃない! 318 00:23:59,405 --> 00:24:01,340 じゃ 出してみろ! 319 00:24:01,340 --> 00:24:04,343 中を調べたら分かる事だ。 320 00:24:07,279 --> 00:24:09,281 そこにあるのだな。 321 00:24:21,593 --> 00:24:24,496 ハッハッ 孫兵衛 女が逃げたぞ! 322 00:24:24,496 --> 00:24:26,799 んっ! お綱! 323 00:24:28,467 --> 00:24:30,469 どこへ行く! 324 00:24:36,141 --> 00:24:38,143 え~いっ! 325 00:24:38,143 --> 00:24:41,914 姉上様 お助け致します! ち… 千絵様!? 326 00:24:41,914 --> 00:24:43,849 え~いっ! 327 00:24:43,849 --> 00:24:46,552 こざかしいまねをしおって! 328 00:24:49,621 --> 00:24:51,557 親分! おう! 329 00:24:51,557 --> 00:24:53,959 城を見張ってたら この男が現れたんで➡ 330 00:24:53,959 --> 00:24:56,462 後をつけたって寸法よ! 331 00:24:59,465 --> 00:25:01,400 弦之丞!? 332 00:25:01,400 --> 00:25:03,402 弦之丞様! 333 00:25:09,908 --> 00:25:12,244 千絵殿 お綱 大事ないか! 334 00:25:12,244 --> 00:25:14,246 (2人)はい! (孫兵衛)はっ! 335 00:25:17,750 --> 00:25:19,952 おい お綱 こっちだ! 336 00:25:22,921 --> 00:25:25,958 弦之丞様 お会いしとうございました。 337 00:25:25,958 --> 00:25:28,427 今は この場を。 はい。 338 00:25:28,427 --> 00:25:31,230 お前がいると お綱が ものにならん! 339 00:25:38,937 --> 00:25:42,775 千絵! よくも俺の邪魔をしてくれたな! 340 00:25:42,775 --> 00:25:45,444 周馬 お主だけは許さん! 341 00:25:45,444 --> 00:25:48,347 私を欺き続けた事 生涯 許さない! 342 00:25:48,347 --> 00:25:50,349 ほざくな! 343 00:25:58,957 --> 00:26:01,760 いかん この家を燃やす訳にはいかん! 344 00:26:03,729 --> 00:26:06,565 千絵殿! はい! 345 00:26:06,565 --> 00:26:11,403 おい 孫兵衛! 逃げるぞ やつらが! 346 00:26:11,403 --> 00:26:13,405 孫兵衛! 347 00:26:15,274 --> 00:26:17,276 <羽があるのなら➡ 348 00:26:17,276 --> 00:26:20,579 このまま どこか遠くへと 飛んでいきたい。➡ 349 00:26:20,579 --> 00:26:26,251 千絵は そう思っていた> 350 00:26:26,251 --> 00:26:29,154 (重喜)龍耳軒。➡ 351 00:26:29,154 --> 00:26:31,590 愚か者めが!➡ 352 00:26:31,590 --> 00:26:34,626 法月弦之丞を逃がすとは何事か! 353 00:26:34,626 --> 00:26:40,265 この高木龍耳軒 一生の不覚。 354 00:26:40,265 --> 00:26:43,936 ですが 殿 たかが ねずみ一匹➡ 355 00:26:43,936 --> 00:26:48,440 そう騒がしゅうせずとも よろしいのではござりませぬか。 356 00:26:48,440 --> 00:26:50,375 何を言う! 357 00:26:50,375 --> 00:26:53,278 そのねずみに 天堂一角をはじめ➡ 358 00:26:53,278 --> 00:26:56,615 幾人もの原士たちが 斬り殺されたのじゃ! 359 00:26:56,615 --> 00:26:58,550 それもこれも➡ 360 00:26:58,550 --> 00:27:01,386 「鳴門秘帖」なるものが あるがため。 361 00:27:01,386 --> 00:27:03,322 (重喜)何? 362 00:27:03,322 --> 00:27:08,160 この際 あの秘帖は なかった事にしてしまうのも➡ 363 00:27:08,160 --> 00:27:10,095 手ではないかと。 364 00:27:10,095 --> 00:27:12,998 何を言わしゃる。 気でも違うたか! 365 00:27:12,998 --> 00:27:14,933 黙らっしゃい! 366 00:27:14,933 --> 00:27:16,935 ここは 蜂須賀家の居城。 367 00:27:16,935 --> 00:27:21,440 ご主君と臣下の話に 口を挟まれるでない。 368 00:27:24,076 --> 00:27:26,011 殿。 369 00:27:26,011 --> 00:27:28,947 殿の一挙手一投足に➡ 370 00:27:28,947 --> 00:27:32,251 蜂須賀家 七千有余名の家臣と➡ 371 00:27:32,251 --> 00:27:35,921 その家族の首が かかっておりまする。 372 00:27:35,921 --> 00:27:38,824 蜂須賀家は 決して➡ 373 00:27:38,824 --> 00:27:43,662 殿お一人のものでは ござりません。 374 00:27:43,662 --> 00:27:46,932 秘帖なきものとなれば➡ 375 00:27:46,932 --> 00:27:52,237 ご公儀とて 動く気遣いはござりません。 376 00:27:58,544 --> 00:28:00,479 世阿弥様。 377 00:28:00,479 --> 00:28:03,415 この石が墓石代わりでございます。 378 00:28:03,415 --> 00:28:07,719 成仏なすって下せえ。 379 00:28:31,410 --> 00:28:34,413 父上…。 380 00:28:38,584 --> 00:28:44,389 ごめんなさい。 あたしだけが最後に…。 381 00:28:44,389 --> 00:28:47,593 よいのです。 382 00:28:47,593 --> 00:28:55,334 最後に姉上様に会えた父は 喜んでいると思います。 383 00:28:55,334 --> 00:28:59,605 ほんとに そう思って下さいますか。 384 00:28:59,605 --> 00:29:01,607 はい。 385 00:29:08,413 --> 00:29:11,249 父上様。 386 00:29:11,249 --> 00:29:15,954 ようやく 千絵様にお会いできました。 387 00:29:17,723 --> 00:29:21,893 喜んで… 下さい。 388 00:29:21,893 --> 00:29:27,065 姉上様。 389 00:29:27,065 --> 00:29:31,370 千絵と呼んで下さい。 390 00:29:33,939 --> 00:29:39,645 千絵… さん。 391 00:29:39,645 --> 00:29:42,547 これで精いっぱい。 392 00:29:42,547 --> 00:29:44,549 姉上様。 393 00:29:47,252 --> 00:29:49,187 <姉と妹➡ 394 00:29:49,187 --> 00:29:54,893 初めて 温かい何かが通った 瞬間であった> 395 00:30:00,599 --> 00:30:03,435 そうでした。 396 00:30:03,435 --> 00:30:05,771 昔…➡ 397 00:30:05,771 --> 00:30:10,609 昔 父がおっしゃった事が ございます。 398 00:30:10,609 --> 00:30:13,278 この空のどこか下に➡ 399 00:30:13,278 --> 00:30:17,449 お前とつながる者が もう一人いると。 400 00:30:17,449 --> 00:30:20,485 えっ? 401 00:30:20,485 --> 00:30:25,791 (世阿弥)この続く 空のどこかにいるんだ。➡ 402 00:30:25,791 --> 00:30:29,127 覚えておきなさい。 403 00:30:29,127 --> 00:30:33,465 お空の向こう? ああ そうだ。 404 00:30:33,465 --> 00:30:37,135 死んでしまった人なの? 405 00:30:37,135 --> 00:30:41,306 死んではいない。 406 00:30:41,306 --> 00:30:45,010 だが 会えぬ。 407 00:30:49,815 --> 00:30:53,652 父上様が そのような事を。 408 00:30:53,652 --> 00:30:56,154 はい。 409 00:30:56,154 --> 00:31:03,462 父上は いつも 姉上様の事を 心配なすっていたんだと思います。 410 00:31:07,265 --> 00:31:09,935 父上様…。 411 00:31:09,935 --> 00:31:12,771 よかったじゃねえか お綱。 412 00:31:12,771 --> 00:31:15,273 世阿弥様は死んじまったが➡ 413 00:31:15,273 --> 00:31:19,478 おめえの事は 片ときも 忘れちゃいなかったんだ。 414 00:31:23,615 --> 00:31:27,119  心の声 世阿弥殿…。 415 00:31:27,119 --> 00:31:50,809 ♬~ 416 00:31:50,809 --> 00:31:54,146 お綱よ。 417 00:31:54,146 --> 00:31:57,983 千絵様と姉妹の契りをしたんだ。 418 00:31:57,983 --> 00:32:00,252 こっからは弦之丞様の事は…。 419 00:32:00,252 --> 00:32:02,921 分かってるよ 親分。 420 00:32:02,921 --> 00:32:06,425 つらいところだろうけどよ。 421 00:32:06,425 --> 00:32:09,461 つらいよ。 422 00:32:09,461 --> 00:32:12,764 つらすぎて 涙も出やしないよ。 423 00:32:17,068 --> 00:32:20,272 お久しゅうございました。 424 00:32:20,272 --> 00:32:22,207 すまぬ。 425 00:32:22,207 --> 00:32:24,609 何を謝っておられます。 426 00:32:24,609 --> 00:32:30,415 江戸に戻っておったというのに すぐ会いに行けなかった。 427 00:32:30,415 --> 00:32:34,119 その事 恨んでおりました。 428 00:32:34,119 --> 00:32:36,054 千絵殿。 429 00:32:36,054 --> 00:32:39,291 フッ… 嘘でございます。 430 00:32:39,291 --> 00:32:43,962 私も周馬の甘言に弄され 屋敷から一歩も外へと出ず➡ 431 00:32:43,962 --> 00:32:47,632 法月のおじ様さえ 避けておりましたから。 432 00:32:47,632 --> 00:32:52,470 父には 心配をかけ続けていた。 433 00:32:52,470 --> 00:32:56,341 ご苦労なすったのでしょう。 434 00:32:56,341 --> 00:33:00,912 剣とは 所詮 人を斬る道具。 435 00:33:00,912 --> 00:33:08,653 剣の道は 人でなしの道だと教わった。 436 00:33:08,653 --> 00:33:16,261 剣の道に戸惑い 迷うたまま 私は江戸に戻るしかなかった。 437 00:33:16,261 --> 00:33:19,931 そんな私を なぜ そなたに➡ 438 00:33:19,931 --> 00:33:22,601 会いに行ってやらないのかと 叱ってくれたのが➡ 439 00:33:22,601 --> 00:33:25,937 銀五郎という男だ。 440 00:33:25,937 --> 00:33:28,273 銀五郎? 441 00:33:28,273 --> 00:33:33,111 万吉の一の子分でな➡ 442 00:33:33,111 --> 00:33:36,615 よい男であった。 443 00:33:36,615 --> 00:33:40,785 「であった」とは? 444 00:33:40,785 --> 00:33:46,091 殺された。 旅川周馬の策に はまってな。 445 00:33:49,294 --> 00:33:51,329 (銀五郎)このままじゃ➡ 446 00:33:51,329 --> 00:33:57,168 死んでも死にきれねえ…。 447 00:33:57,168 --> 00:34:01,740 分かった 銀五郎…。 448 00:34:01,740 --> 00:34:05,610 いまわの際に よう聞いておけ! 449 00:34:05,610 --> 00:34:11,249 お前の頼み 今 確かに受け止めた。 450 00:34:11,249 --> 00:34:15,120 必ず 千絵殿を 骨身にかけて救ってみせる。 451 00:34:15,120 --> 00:34:19,424 その事があって 縁あった お綱とともに➡ 452 00:34:19,424 --> 00:34:21,726 甲賀屋敷に踏み入り…。 453 00:34:26,932 --> 00:34:30,235 弦之丞様! 千絵殿! 454 00:34:32,437 --> 00:34:34,439 弦之丞様! 455 00:34:36,942 --> 00:34:40,278 仲間を何人殺す! 許せぬ! 456 00:34:40,278 --> 00:34:42,280 うわ~! 457 00:34:48,453 --> 00:34:51,756 多市には かわいそうな事をしました。 458 00:34:54,626 --> 00:34:56,661 許せ。 459 00:34:56,661 --> 00:35:01,733 あのあと 私は 周馬の手によって あちらこちらと連れ出され➡ 460 00:35:01,733 --> 00:35:04,235 とうとう 大坂で➡ 461 00:35:04,235 --> 00:35:10,108 夢うつつの中 あなた様と まみえたような気がしております。 462 00:35:10,108 --> 00:35:13,111 ようやく会えた…。 463 00:35:19,718 --> 00:35:21,653 千絵殿。 464 00:35:21,653 --> 00:35:24,956 弦之丞様。 465 00:35:34,099 --> 00:35:37,936 それが 今 こうして…。 466 00:35:37,936 --> 00:35:43,274 はい。 ようやく…。 467 00:35:43,274 --> 00:35:46,311 会いたかった。 468 00:35:46,311 --> 00:35:48,613 千絵も。 469 00:35:53,451 --> 00:35:58,623 世阿弥殿の事 間に合わなかった。 470 00:35:58,623 --> 00:36:00,558 許せ。 471 00:36:00,558 --> 00:36:04,229 弦之丞様…。 472 00:36:04,229 --> 00:36:15,573 ♬~ 473 00:36:15,573 --> 00:36:17,876 弦之丞様! 474 00:36:21,446 --> 00:36:23,448 千絵! はい! 475 00:36:23,448 --> 00:36:26,918 この野郎! くっ! うっ! 476 00:36:26,918 --> 00:36:29,754 お前たち やめぬか! 小谷! 木下! 477 00:36:29,754 --> 00:36:31,689 甲賀頭領の娘である 私の言う事が➡ 478 00:36:31,689 --> 00:36:33,625 聞けぬのですか! (小谷)千絵様! 479 00:36:33,625 --> 00:36:36,094 お前たちは 旅川に だまされておるのだ。 480 00:36:36,094 --> 00:36:38,029 それが分からぬのですか! 481 00:36:38,029 --> 00:36:40,031 (木下)御免! 482 00:36:43,601 --> 00:36:45,603 お綱。 はい。 483 00:36:49,941 --> 00:36:52,277 お綱! はい! 484 00:36:52,277 --> 00:37:06,558 ♬~ 485 00:37:06,558 --> 00:37:08,493 万吉さん! へい! 486 00:37:08,493 --> 00:37:10,495 あっ! 487 00:37:16,267 --> 00:37:18,269 (銃声) 488 00:37:18,269 --> 00:37:33,651 ♬~ 489 00:37:33,651 --> 00:37:38,089 お主たち 命を惜しむなら すぐ この場を立ち去れ! 490 00:37:38,089 --> 00:37:40,091 うわ~! うっ…。 491 00:37:47,265 --> 00:37:51,436 弦之丞様 ここは危のうございます。 492 00:37:51,436 --> 00:37:54,272 孫兵衛や周馬も おっつけ来るはず。 493 00:37:54,272 --> 00:37:56,274 どうします。 494 00:37:57,942 --> 00:37:59,878 (龍耳軒)よいか 弦之丞。 495 00:37:59,878 --> 00:38:04,215 「鳴門秘帖」を 必ず その手に取り戻すのだ。 496 00:38:04,215 --> 00:38:07,719 あとは 煮て食おうが焼いて食おうが➡ 497 00:38:07,719 --> 00:38:09,721 お主の勝手じゃ。 498 00:38:15,226 --> 00:38:17,228 弦之丞様。 499 00:38:23,101 --> 00:38:25,403 真打ち登場ですぜ。 500 00:38:25,403 --> 00:38:30,074 お綱! 弦之丞! 「鳴門秘帖」を返さぬか! 501 00:38:30,074 --> 00:38:32,577 おあいにく様だね 旦那。 502 00:38:32,577 --> 00:38:35,914 こいつは 旦那の手に余る代物だよ。 503 00:38:35,914 --> 00:38:38,816 諦めておくんなさいよ。 黙らぬか! 504 00:38:38,816 --> 00:38:42,086 俺の気持ちを知っておいて よく そんな事が言えるな! 505 00:38:42,086 --> 00:38:44,756 所詮 あの女は その程度の女よ。 506 00:38:44,756 --> 00:38:47,592 周馬 姉上様に向かって なんて口をきくのですか! 507 00:38:47,592 --> 00:38:49,527 お前は知らんのだ! 508 00:38:49,527 --> 00:38:52,764 その女は 見返りお綱という 二つ名を持つ 女掏摸よ!➡ 509 00:38:52,764 --> 00:38:56,634 賭場にでも出入りするような 性悪女だ!周馬! 510 00:38:56,634 --> 00:39:00,205 弾は2発しかないんだろ。 511 00:39:00,205 --> 00:39:02,140 孫兵衛 やれ! 512 00:39:02,140 --> 00:39:06,377 おう。 さあ 来い! 弦之丞! 513 00:39:06,377 --> 00:39:34,372 ♬~ 514 00:39:47,018 --> 00:39:49,721 これは俺のもんだ! 515 00:39:51,956 --> 00:39:53,958 お主の負けだ! 516 00:39:59,597 --> 00:40:01,532 そんな…。 517 00:40:01,532 --> 00:40:03,835 やられちまった…。 518 00:40:11,776 --> 00:40:14,279 弦之丞様…。 519 00:40:22,954 --> 00:40:28,293 <再び「鳴門秘帖」を握った お十夜孫兵衛と旅川周馬は➡ 520 00:40:28,293 --> 00:40:34,465 その足で 秘帖を 蜂須賀重喜のもとへと届けた> 521 00:40:34,465 --> 00:40:39,304 関谷孫兵衛 旅川周馬 ようやった! 522 00:40:39,304 --> 00:40:41,973 存分に褒美を取らせようぞ! 523 00:40:41,973 --> 00:40:44,475 はっ! 524 00:40:44,475 --> 00:40:51,182 阿波殿 これで我が方の勝利 間違いなしでおじゃりまするぞ! 525 00:40:53,151 --> 00:41:27,018 ♬~ 526 00:41:27,018 --> 00:41:34,459  心の声 弦之丞 間に合わずか。 527 00:41:34,459 --> 00:42:29,280 ♬~ 528 00:42:29,280 --> 00:42:32,116 <旅川周馬 どうする気なのか!> 529 00:42:32,116 --> 00:42:35,119 次回 最終回。