1 00:00:05,663 --> 00:00:09,500 その姿を見た おしんは 身が縮んだ。 2 00:00:09,500 --> 00:00:13,271 「今日 学校へ行った事が知れたら どうしよう…」。 3 00:00:13,271 --> 00:00:17,475 学校へあがる資格のない者が 学校へ行く事を➡ 4 00:00:17,475 --> 00:00:22,775 おしんは ひどく悪い事のような 気がしていたのである。 5 00:00:32,890 --> 00:00:47,738 ♬~ 6 00:00:47,738 --> 00:00:49,674 (泰樹)なつ~! (照男)なっちゃん! (剛男)なっちゃん! 7 00:00:49,674 --> 00:00:51,609 (夕見子)なっちゃん! なつ~! 8 00:00:51,609 --> 00:00:54,212 なっちゃん! 9 00:00:54,212 --> 00:01:00,418 どうしたの? (富士子)私… 自信がない。 10 00:01:00,418 --> 00:01:06,591 えっ? あの子の親になる自信が。 11 00:01:06,591 --> 00:01:10,461 あの子 他人の家族の中にいたら➡ 12 00:01:10,461 --> 00:01:15,933 いつまでたっても 自分の家族を失った悲しみが癒えない。 13 00:01:15,933 --> 00:01:21,433 やっぱり お兄さんたちといるのが 一番なんだわ。 14 00:01:24,242 --> 00:01:29,242 とにかく 今は あの子を見つけることだけ考えなくちゃ。 15 00:01:31,883 --> 00:01:34,683 そだね。 16 00:01:39,056 --> 00:01:43,928 なつ~! なっちゃん! なっちゃ~ん! 17 00:01:43,928 --> 00:01:55,606 ♬~ 18 00:01:55,606 --> 00:02:04,749 ♬「重い扉を押し開けたら 暗い道が続いてて」 19 00:02:04,749 --> 00:02:14,425 ♬「めげずに歩いたその先に 知らなかった世界」 20 00:02:14,425 --> 00:02:23,768 ♬「氷を散らす風すら 味方にもできるんだなあ」 21 00:02:23,768 --> 00:02:33,177 ♬「切り取られることのない 丸い大空の色を」 22 00:02:33,177 --> 00:02:42,553 ♬「優しいあの子にも教えたい」 23 00:02:42,553 --> 00:02:52,353 ♬「ルルル…」 24 00:03:43,881 --> 00:03:52,556 (なつ)「咲太郎 なつ 千遥 お父さんは 今 遠い戦地にいる。➡ 25 00:03:52,556 --> 00:03:58,929 大好きなお母さんと離れて 何よりも大事なお前たちとも離れて…」。 26 00:03:58,929 --> 00:04:03,768 「お前たちを守るために戦っているんだ。➡ 27 00:04:03,768 --> 00:04:08,572 だけど 本当は 毎日 お前たちに会いたくて➡ 28 00:04:08,572 --> 00:04:14,745 戦争を恨んでいる。 チクショー… バカヤロー。➡ 29 00:04:14,745 --> 00:04:19,917 早く お前たちのところに帰らせろって そう思いながら➡ 30 00:04:19,917 --> 00:04:24,755 父さんは いつだって お前たちのことを思って➡ 31 00:04:24,755 --> 00:04:30,094 お前たちと一緒にいるんだ。➡ 32 00:04:30,094 --> 00:04:37,394 そして この手紙を受け取った時には もう この世にはいない」。 33 00:04:42,173 --> 00:04:45,709 「だけど 今も 一緒にいる。➡ 34 00:04:45,709 --> 00:04:49,547 だから 悲しむな。➡ 35 00:04:49,547 --> 00:04:54,718 やっと 父さんは お前たちのそばに戻れたんだ。➡ 36 00:04:54,718 --> 00:04:58,418 今 一緒にいるんだ…」。 37 00:05:00,391 --> 00:05:04,061 「一緒に また 浅草に行こう。➡ 38 00:05:04,061 --> 00:05:08,399 一緒に 神田祭にも行こう。➡ 39 00:05:08,399 --> 00:05:10,734 うちは 商売をしていたから➡ 40 00:05:10,734 --> 00:05:15,906 お祭りに みんなで行くなんて なかったものな。➡ 41 00:05:15,906 --> 00:05:19,706 これからは いつも一緒だ」。 42 00:05:23,414 --> 00:05:38,362 ♬「夕暮れに仰ぎ見る 輝く青空」 43 00:05:38,362 --> 00:05:52,910 ♬「日が暮れて辿るは わが家の細道」 44 00:05:52,910 --> 00:06:01,385 ♬「せまいながらも 楽しいわが家」 45 00:06:01,385 --> 00:06:07,892 ♬「愛の灯影のさすところ」 46 00:06:07,892 --> 00:06:22,740 ♬「恋しい家こそ 私の青空」 47 00:06:22,740 --> 00:06:37,021 ♬「恋しい家こそ 私の青空」 48 00:06:37,021 --> 00:06:51,168 ♬~ 49 00:06:51,168 --> 00:06:56,040 <私は 起きたまま 夢を見ました。➡ 50 00:06:56,040 --> 00:07:02,540 それは 自分の想像力で描いた 最初の夢だったかもしれません> 51 00:07:07,384 --> 00:07:11,188 (泰樹)なつ! 52 00:07:11,188 --> 00:07:15,388 なっちゃん。 なっちゃん。 53 00:07:21,565 --> 00:07:28,205 (泣き声) 54 00:07:28,205 --> 00:07:31,005 なっちゃん…。 55 00:07:39,883 --> 00:07:48,859 どうして… どうして 私には 家族がいないの…。 56 00:07:48,859 --> 00:07:53,530 どうして いないの…! 57 00:07:53,530 --> 00:08:00,170 どうして… どうして 私には 家族がいないの…! 58 00:08:00,170 --> 00:08:03,540 もっと怒れ。 59 00:08:03,540 --> 00:08:06,040 怒ればいい。 60 00:08:08,379 --> 00:08:12,182 バカヤロー! チクショー! 61 00:08:12,182 --> 00:08:15,882 バカヤロー…。 62 00:08:23,560 --> 00:08:30,560 お前には もう そばに 家族はおらん。 63 00:08:35,005 --> 00:08:39,510 だが わしらがおる。➡ 64 00:08:39,510 --> 00:08:41,545 一緒に おる。 65 00:08:41,545 --> 00:08:48,018 おじいさん おじいさん…! 66 00:08:48,018 --> 00:09:22,186 ♬~ 67 00:09:22,186 --> 00:09:27,886 おじさん おばさん 皆さん ごめんなさい。 68 00:09:30,894 --> 00:09:37,701 もう 本当に バカなんだから! 69 00:09:37,701 --> 00:09:45,342 今度 黙っていなくなったら 絶対に許さないからね! 分かった? 70 00:09:45,342 --> 00:09:48,011 はい。 71 00:09:48,011 --> 00:09:57,688 ♬~ 72 00:09:57,688 --> 00:10:01,024 よし。 73 00:10:01,024 --> 00:10:03,024 はい。 74 00:10:06,530 --> 00:10:08,866 はい。 75 00:10:08,866 --> 00:10:11,368 帰ろう。 76 00:10:11,368 --> 00:10:26,183 ♬~ 77 00:10:26,183 --> 00:10:28,886 うまい! (雪之助)そうかい。 78 00:10:28,886 --> 00:10:34,057 はい。 今 この瞬間 私は 戦争が終わったと実感しました。 79 00:10:34,057 --> 00:10:36,393 そんなこと思ってくれんのかい お菓子一つで? 80 00:10:36,393 --> 00:10:39,196 はい。 平和の味がします。 81 00:10:39,196 --> 00:10:42,065 (とよ)な~るほど。 あんたが このじいさんと➡ 82 00:10:42,065 --> 00:10:44,968 気が合わねえことは実感したわ。 えっ? 83 00:10:44,968 --> 00:10:47,571 四の五の言わず 食え。 ああ…。 84 00:10:47,571 --> 00:10:50,207 ほらね。 (笑い声) 85 00:10:50,207 --> 00:10:52,910 何よ 「四の五の言わずに」って。 86 00:10:52,910 --> 00:10:54,845 なっちゃん これからは➡ 87 00:10:54,845 --> 00:10:57,781 おじいさんのことは 何でも 私に教えてちょうだい。 88 00:10:57,781 --> 00:11:03,921 おじいさんはね 甘いものを食べる時と 人に甘いことをする時は隠したがるのよ。 89 00:11:03,921 --> 00:11:06,590 うるさい もう…。 いかったね。 90 00:11:06,590 --> 00:11:09,626 あんたのこと よ~く分かってくれる娘さんがいて。 91 00:11:09,626 --> 00:11:13,926 あんたが 一番うるさい! アハハハハハ…。 92 00:11:16,934 --> 00:11:21,438 あっ 夕見子ちゃんが 牛乳食べてる! ん? 93 00:11:21,438 --> 00:11:26,610 それ 牛乳だよ。 牛乳から出来てるんだよ。 94 00:11:26,610 --> 00:11:29,646 だ… だけど これは牛乳じゃないでしょ? 95 00:11:29,646 --> 00:11:33,884 アイスクリームでしょ? 全然違うものじゃない。 96 00:11:33,884 --> 00:11:36,186 (剛男)いいや 牛乳は牛乳だよ。➡ 97 00:11:36,186 --> 00:11:39,089 夕見子も こうすれば 牛乳を頂けるということだ。 98 00:11:39,089 --> 00:11:42,559 そだね。 こういうものを作って売れば➡ 99 00:11:42,559 --> 00:11:45,596 牛乳は もっと たくさんの人に 喜ばれるってことよね。 100 00:11:45,596 --> 00:11:49,066 (妙子)あら 奥さん それは うちの商売ですから。 101 00:11:49,066 --> 00:11:51,001 あら そうね。 はい。 102 00:11:51,001 --> 00:11:54,571 甘いものは うちに任せて下さいね。 103 00:11:54,571 --> 00:11:56,907 しかし これからのお菓子には➡ 104 00:11:56,907 --> 00:12:00,410 ますます 牛乳は 欠かせないもんになんだろうね。 105 00:12:00,410 --> 00:12:04,748 牛乳の方は よろしくお願いします。 106 00:12:04,748 --> 00:12:07,217 (雪次郎)よし 僕が 夕見子ちゃんのために➡ 107 00:12:07,217 --> 00:12:10,587 おいしい牛乳のお菓子を たくさん作るよ! 108 00:12:10,587 --> 00:12:12,923 いらないわよ 別に。 109 00:12:12,923 --> 00:12:20,430 ♬~ 110 00:12:20,430 --> 00:12:25,302 じいちゃん 俺にも 搾乳 教えて下さい! 111 00:12:25,302 --> 00:12:27,802 何だよ 急に。 112 00:12:30,107 --> 00:12:32,407 いいだろう。 113 00:12:34,945 --> 00:12:38,382 ついでに 夕見子もやるか? 114 00:12:38,382 --> 00:12:40,317 絶対に やだ! 115 00:12:40,317 --> 00:12:44,254 私を巻き込んだら 家出するから。 116 00:12:44,254 --> 00:12:48,725 なんてこと言うの! (笑い声) 117 00:12:48,725 --> 00:13:00,904 ♬~ 118 00:13:00,904 --> 00:13:06,710 こうして なつにとって その日は 夢のような一日になりました。 119 00:13:06,710 --> 00:13:14,451 なつよ 私は 約束どおり 今も お前と一緒にいるよ。 120 00:13:14,451 --> 00:13:17,454 (菊介)いかった いかった とにかく無事で。 121 00:13:17,454 --> 00:13:20,223 おやっさんが 搾乳の時間に➡ 122 00:13:20,223 --> 00:13:22,159 この牛舎を空けるなんて➡ 123 00:13:22,159 --> 00:13:24,761 めったにないことだ。 124 00:13:24,761 --> 00:13:30,634 それが どういうことか分かるべ なっちゃん? 125 00:13:30,634 --> 00:13:36,406 悠吉さん 菊介さん 心配かけて ごめんなさい。 126 00:13:36,406 --> 00:13:40,243 なんもだ。 俺たちは仲間だべ。 127 00:13:40,243 --> 00:13:43,146 (鳴き声) 128 00:13:43,146 --> 00:13:45,549 はい。 129 00:13:45,549 --> 00:13:50,249 何もないけど 飯食ってってくれや。 ああ…。 130 00:13:57,160 --> 00:13:59,160 ただいま! 131 00:14:03,900 --> 00:14:06,100 ごめんね。 132 00:14:08,071 --> 00:14:14,578 私が大丈夫なら きっと お兄ちゃんや千遥も大丈夫。 133 00:14:14,578 --> 00:14:18,081 そうよね? そう思うでしょ? 134 00:14:18,081 --> 00:14:20,751 だから 大丈夫。 135 00:14:20,751 --> 00:14:23,551 私は ここにいる。 136 00:14:25,222 --> 00:14:29,092 いても いいよね? 137 00:14:29,092 --> 00:14:32,696 なつ。 はい。 138 00:14:32,696 --> 00:14:34,896 ちょっと来てみろ。 139 00:14:52,049 --> 00:14:53,984 ハハハハ…。 140 00:14:53,984 --> 00:14:56,920 これは 何? 141 00:14:56,920 --> 00:14:59,620 わしの夢じゃ。 142 00:15:01,558 --> 00:15:04,194 バターチャーンだ。 143 00:15:04,194 --> 00:15:06,129 バターチャーン? 144 00:15:06,129 --> 00:15:09,566 牛乳から バターを作る道具じゃ。 145 00:15:09,566 --> 00:15:14,071 日本一の… いや いや いや…➡ 146 00:15:14,071 --> 00:15:16,573 世界一のバターを作るんじゃ。 147 00:15:16,573 --> 00:15:19,373 世界一のバター!?