1 00:00:02,397 --> 00:00:06,735 冬の早い夕暮れが いつか 吹雪になって➡ 2 00:00:06,735 --> 00:00:10,405 小さな おしんを包んでいた。 3 00:00:10,405 --> 00:00:26,405 ♬~ 4 00:00:33,728 --> 00:00:35,764 (なつ)お願いがあります。 5 00:00:35,764 --> 00:00:38,400 天陽君を助けて下さい。 6 00:00:38,400 --> 00:00:41,903 土に勝たせてあげて下さい! 7 00:00:41,903 --> 00:00:43,939 (泰樹)無理だ。 8 00:00:43,939 --> 00:00:46,241 土が悪すぎる。 9 00:00:46,241 --> 00:00:49,544 天陽君は 一人で頑張ってるの! 10 00:00:49,544 --> 00:00:52,447 一人で 土を耕してるの! 11 00:00:52,447 --> 00:00:57,252 天陽君を 誰が助けてくれるの!? 12 00:00:57,252 --> 00:01:17,939 ♬~ 13 00:01:17,939 --> 00:01:24,813 今日 その… 土 見に行く。 14 00:01:24,813 --> 00:01:26,948 えっ? 15 00:01:26,948 --> 00:01:35,056 ♬~ 16 00:01:35,056 --> 00:01:37,856 ありがとう! おじいさん! 17 00:01:40,528 --> 00:01:43,431 分かったら さっさと働け。 18 00:01:43,431 --> 00:01:47,402 はい! 19 00:01:47,402 --> 00:01:59,247 ♬~ 20 00:01:59,247 --> 00:02:08,256 ♬「重い扉を押し開けたら 暗い道が続いてて」 21 00:02:08,256 --> 00:02:17,933 ♬「めげずに歩いたその先に 知らなかった世界」 22 00:02:17,933 --> 00:02:27,275 ♬「氷を散らす風すら 味方にもできるんだなあ」 23 00:02:27,275 --> 00:02:36,718 ♬「切り取られることのない 丸い大空の色を」 24 00:02:36,718 --> 00:02:46,061 ♬「優しいあの子にも教えたい」 25 00:02:46,061 --> 00:02:55,861 ♬「ルルル…」 26 00:03:11,920 --> 00:03:15,220 おじいさん! (天陽)こんにちは。 27 00:03:17,559 --> 00:03:21,429 どう? やっぱり ダメだ。 28 00:03:21,429 --> 00:03:25,629 この土では いくら耕しても 作物は育たん。 29 00:03:28,303 --> 00:03:31,106 本当に ダメなの? 30 00:03:31,106 --> 00:03:34,709 このままでは ダメだ。 31 00:03:34,709 --> 00:03:38,213 どうすればいいの? 32 00:03:38,213 --> 00:03:42,050 このくらいの土 わしは なんぼでも開墾してきた。 33 00:03:42,050 --> 00:03:45,520 大丈夫よ。 それなら大丈夫よね。 34 00:03:45,520 --> 00:03:48,056 天陽君だって頑張れる。 うん。 35 00:03:48,056 --> 00:03:50,959 まあ 待て。 36 00:03:50,959 --> 00:03:53,659 お前が頑張れても 親は? 37 00:04:00,402 --> 00:04:04,272 今夜 お前の親に会いに来る。 言っておけ。 38 00:04:04,272 --> 00:04:09,072 はい。 おじいさん ありがとう。 39 00:04:11,913 --> 00:04:16,551 搾乳の時間に遅れる。 行くぞ。 はい。 40 00:04:16,551 --> 00:04:20,755 それじゃ 天陽君 今夜 またね。 41 00:04:20,755 --> 00:04:23,425 うん。 42 00:04:23,425 --> 00:04:40,208 ♬~ 43 00:04:40,208 --> 00:04:42,710 何じゃ? 44 00:04:42,710 --> 00:04:46,514 何でもない。 45 00:04:46,514 --> 00:04:50,385 <私は このころから おじいさんのそばにいると➡ 46 00:04:50,385 --> 00:04:56,585 何も話さなくても 何となく 誇らしい気持ちになるのでした> 47 00:05:02,964 --> 00:05:10,405 そして なつたちは その夜 天陽君の家に集まりました。 48 00:05:10,405 --> 00:05:12,907 (富士子)あの~ 奥さん➡ 49 00:05:12,907 --> 00:05:15,743 これ ちょこっとだけど➡ 50 00:05:15,743 --> 00:05:21,916 ニシンの干物と ジャガイモと 自家製のバターです。 51 00:05:21,916 --> 00:05:25,253 (タミ)どうも すいません。 ありがとうございます。 52 00:05:25,253 --> 00:05:29,090 助かります。 53 00:05:29,090 --> 00:05:31,993 ほんのちょこっとで ごめんなさいね。 54 00:05:31,993 --> 00:05:34,362 バターは たまたま作っただけで。➡ 55 00:05:34,362 --> 00:05:38,199 ジャガイモゆでて それにつけて食べてみて下さい。 56 00:05:38,199 --> 00:05:41,102 おいしいよ とっても。 うん。 57 00:05:41,102 --> 00:05:47,876 (剛男)あの~ 東京から来て こっちの冬は こたえましたでしょう。➡ 58 00:05:47,876 --> 00:05:52,747 こう言っては なんですが この家で よく我慢なさいましたね。 59 00:05:52,747 --> 00:05:55,617 あなた方は 強い。 60 00:05:55,617 --> 00:05:58,219 (正治)河原で 石を拾ってきて➡ 61 00:05:58,219 --> 00:06:04,526 それを焼いて ぼろきれで包んで 抱いて眠りました。 62 00:06:04,526 --> 00:06:10,231 そうですか…。 それでも 背中は 凍るように冷たくて➡ 63 00:06:10,231 --> 00:06:17,405 実際 起きると 子どもの背中に 雪が積もっていたことがあります。 64 00:06:17,405 --> 00:06:23,205 (剛男)ああ…。 (正治)もう あんな思いはさせられません。 65 00:06:25,747 --> 00:06:32,187 今年が ダメなら ここを離れるしかありません。 66 00:06:32,187 --> 00:06:35,089 (剛男)どうです? 牛飼いは考えませんか? 67 00:06:35,089 --> 00:06:37,992 牛飼い? (剛男)酪農です。➡ 68 00:06:37,992 --> 00:06:42,830 今 こっちでは 農業と酪農の 両方やってる人が増えてるんです。 69 00:06:42,830 --> 00:06:45,733 牛の糞尿が いい肥料になりますし➡ 70 00:06:45,733 --> 00:06:50,872 どっちかが ダメな年でも どっちかで補えるようにしてるんです。 71 00:06:50,872 --> 00:06:58,513 それは分かりますが でも どうやって 牛を 手に入れればいいんですか? 72 00:06:58,513 --> 00:07:02,050 それは…。 73 00:07:02,050 --> 00:07:05,887 うちの息子が お宅のお嬢さんに 何を言ったか…。➡ 74 00:07:05,887 --> 00:07:08,523 ここに… ここにいたいと 言ったかもしれませんが➡ 75 00:07:08,523 --> 00:07:12,894 それは 子ども同士の話ですよ。➡ 76 00:07:12,894 --> 00:07:16,764 我々が 真剣に話すことではないでしょう。 77 00:07:16,764 --> 00:07:19,534 なぜ 真剣に話してはならん? 78 00:07:19,534 --> 00:07:22,237 父さん。 79 00:07:22,237 --> 00:07:26,908 わしは ここにいる なつに言われて ここに来た。➡ 80 00:07:26,908 --> 00:07:31,879 この子に言われなければ 動きはせんかった。 81 00:07:31,879 --> 00:07:35,483 だから何です? それは そちらの事情でしょう。 82 00:07:35,483 --> 00:07:38,353 そうですよ お義父さん。 わしの事情ではない。 83 00:07:38,353 --> 00:07:42,023 なつの事情だと言っとるんだ。 84 00:07:42,023 --> 00:07:46,494 それを 真剣に聞いてやることが なぜ いかん。➡ 85 00:07:46,494 --> 00:07:51,332 同じように あんたの息子にも 事情があるだろう。➡ 86 00:07:51,332 --> 00:07:57,138 それを 真剣に聞いてやれと そう言っとるんじゃ。 87 00:07:57,138 --> 00:08:00,041 (正治)何を言いたいんですか? 88 00:08:00,041 --> 00:08:02,377 ここの土は ダメだ。 89 00:08:02,377 --> 00:08:06,214 今年も 作物は育たんだろう。 90 00:08:06,214 --> 00:08:09,050 来年も ダメじゃ。 91 00:08:09,050 --> 00:08:12,887 ちょっとやそっとのことで 土は よくならん。 92 00:08:12,887 --> 00:08:15,923 お義父さん 本当に 何が言いたいんですか? 93 00:08:15,923 --> 00:08:18,059 そんなに落ち込ませて! 94 00:08:18,059 --> 00:08:22,730 それでも やる気があるなら 手はある。➡ 95 00:08:22,730 --> 00:08:27,402 3年か… 5年は かかるかもしれん。➡ 96 00:08:27,402 --> 00:08:30,738 それでも やる気はあるか? 97 00:08:30,738 --> 00:08:32,707 むちゃを言わないで下さい…。 98 00:08:32,707 --> 00:08:40,014 僕はやりたい! お父さん それでも 僕はやりたいよ! 99 00:08:40,014 --> 00:08:43,885 僕が頑張るから お父さんは 今の仕事を続けてていいよ。 100 00:08:43,885 --> 00:08:45,887 僕がやる! 101 00:08:45,887 --> 00:08:48,356 天陽 みんなの事情も考えろ。 102 00:08:48,356 --> 00:08:52,226 事情なんか くそ食らえだ! 103 00:08:52,226 --> 00:08:57,865 大人の事情で この子らはどうなった? 104 00:08:57,865 --> 00:09:02,165 この子らに 何をやったんだ 大人は! 105 00:09:06,507 --> 00:09:11,379 今は せめて この子らが 何をやりたいのか➡ 106 00:09:11,379 --> 00:09:15,249 子どもの話だと思わず そのことを➡ 107 00:09:15,249 --> 00:09:20,088 今こそ きちんと 大人が聞いてやるべきだろう。 108 00:09:20,088 --> 00:09:30,531 ♬~ 109 00:09:30,531 --> 00:09:34,335 父さん…。 110 00:09:34,335 --> 00:09:38,206 (陽平)お父さん 天陽は 本当に 農業がやりたいんだよ。 111 00:09:38,206 --> 00:09:44,011 馬が死んだ時 一番悲しんだのは天陽なんだ。 112 00:09:44,011 --> 00:09:52,186 あなた… あなただって 本当は ここにいたいのよね? 113 00:09:52,186 --> 00:09:56,023 離れたくはないのよね? 114 00:09:56,023 --> 00:10:02,523 私たち家族のために 諦めようとしてくれてたのよね? 115 00:10:05,733 --> 00:10:12,039 あれだけの覚悟をして ここまで来たんだもの! 116 00:10:12,039 --> 00:10:29,339 ♬~ 117 00:10:43,004 --> 00:10:49,544 皆さん どうか よろしくお願いします! 118 00:10:49,544 --> 00:10:54,749 まずは あの切り株を取り除く。 119 00:10:54,749 --> 00:11:02,623 それから 川上から水を引いて この土の酸を洗い流す。 120 00:11:02,623 --> 00:11:06,623 まあ それには 何年もかかるだろう。 121 00:11:08,930 --> 00:11:16,437 何年かかっても ここを 豊かな土地に生まれ変わらせる! 122 00:11:16,437 --> 00:11:20,775 この荒れ地を 我々の子孫に誇れる➡ 123 00:11:20,775 --> 00:11:24,946 美しい我が里の風景に変えんじゃ! 124 00:11:24,946 --> 00:11:27,281 (一同)オ~! 125 00:11:27,281 --> 00:11:47,902 ♬~ 126 00:11:47,902 --> 00:11:51,739 起こせ! 起こせ! 起こせ! 127 00:11:51,739 --> 00:11:54,439 そ~りゃ! 128 00:11:57,078 --> 00:11:59,413 そ~りゃ! 129 00:11:59,413 --> 00:12:02,113 頑張って! 頑張れ~! 130 00:12:05,553 --> 00:12:08,456 そ~りゃ! 131 00:12:08,456 --> 00:12:11,759 そ~りゃ! 132 00:12:11,759 --> 00:12:16,459 天陽! ううっ… そ~りゃ! 133 00:12:18,432 --> 00:12:22,436 そ~りゃ! 134 00:12:22,436 --> 00:12:25,940 そ~りゃ! 動いた! 135 00:12:25,940 --> 00:12:31,712 <私には まるで その人たちが 歌っているかのように見えました。➡ 136 00:12:31,712 --> 00:12:38,052 開拓者の力強い歌が 聞こえてくるようでした> 137 00:12:38,052 --> 00:12:40,052 そ~りゃ! 起こせ! 138 00:12:42,523 --> 00:12:45,726 そ~りゃ! 139 00:12:45,726 --> 00:12:50,531 もっとだ! もっと引け! もっと! 140 00:12:50,531 --> 00:12:52,731 そ~りゃ! 141 00:12:54,902 --> 00:13:13,202 ♬~ 142 00:13:17,758 --> 00:13:20,094 うわっ…。 143 00:13:20,094 --> 00:13:23,764 馬小屋は片づけたか? はい! 144 00:13:23,764 --> 00:13:27,568 これが お前の馬だ。➡ 145 00:13:27,568 --> 00:13:32,707 畑が出来上がる頃には よく働くようになるべさ。 146 00:13:32,707 --> 00:13:34,642 お金は? 147 00:13:34,642 --> 00:13:39,342 お前が この馬を育てて 稼いだら 返せばいい。 148 00:13:41,716 --> 00:13:43,716 はい! 149 00:13:46,520 --> 00:13:48,889 おい… どうした? なつ。 150 00:13:48,889 --> 00:13:52,760 おじいちゃん 大好き。 151 00:13:52,760 --> 00:13:54,762 フフフ。 152 00:13:54,762 --> 00:13:56,764 ハハハハ…。 153 00:13:56,764 --> 00:14:22,556 ♬~ 154 00:14:22,556 --> 00:14:26,927 そして 9年の月日がたちました。 155 00:14:26,927 --> 00:14:37,371 ♬~ 156 00:14:37,371 --> 00:14:39,874 天陽君! 157 00:14:39,874 --> 00:14:43,174 おう なっちゃん! 158 00:14:47,048 --> 00:14:50,885 なつの人生は まだまだ これから。 159 00:14:50,885 --> 00:14:55,389 今は 青い春を迎えたばかりです。 160 00:14:55,389 --> 00:15:00,895 ああ なつよ 大いに生きよ。 161 00:15:00,895 --> 00:15:04,595 来週に 続けよ。 162 00:15:33,327 --> 00:15:36,927 鴨川の流れる… 163 00:15:41,736 --> 00:15:44,605 あ~ 気持ちいい。 164 00:15:44,605 --> 00:15:49,009 いいね。 鳥の鳴き声に…。 165 00:15:49,009 --> 00:15:52,109 あ まだ つぼみが… いいな~。 166 00:15:54,548 --> 00:15:58,448 鴨川沿いは 桜の名所。