1 00:00:05,041 --> 00:00:10,980 それは 耐えに耐えてきた おしんの最後の意地であった。 2 00:00:10,980 --> 00:00:13,149 …が そのために おしんが➡ 3 00:00:13,149 --> 00:00:17,420 どれほどの大きな代償を 払わなければならないか➡ 4 00:00:17,420 --> 00:00:23,120 その時 まだ おしんには 分かるはずもなかった。 5 00:00:34,303 --> 00:00:36,238 (雪次郎)お待たせしました!➡ 6 00:00:36,238 --> 00:00:38,808 雪月ロールとシュークリーム そして➡ 7 00:00:38,808 --> 00:00:40,743 おバタ餡サンドです。 8 00:00:40,743 --> 00:00:42,678 優ちゃん これはな➡ 9 00:00:42,678 --> 00:00:45,147 粒あんが6 バタークリームが 4の割合で➡ 10 00:00:45,147 --> 00:00:47,083 混ぜてあるんだ。 そこに➡ 11 00:00:47,083 --> 00:00:49,018 焼き塩を 隠し味に使ってる。 12 00:00:49,018 --> 00:00:51,487 (夕見子)そったらこと 優が聞いたって分かるわけないべさ。 13 00:00:51,487 --> 00:00:54,156 分からなくても 手ぇ抜かねえのが雪月の魂だべ。 14 00:00:54,156 --> 00:00:56,092 いい いい。 優 いいから食べな。 15 00:00:56,092 --> 00:00:58,092 (優)頂きます。 16 00:01:05,868 --> 00:01:09,505 (雪見)どう? 優ちゃん うまいかい? 17 00:01:09,505 --> 00:01:11,841 うん おいしい! 18 00:01:11,841 --> 00:01:15,344 よかった。 何で あんたが喜んでんのさ? 19 00:01:15,344 --> 00:01:18,647 そりゃ 雪月の魂 受け継いでるからだべさ。 なあ。 20 00:01:18,647 --> 00:01:21,517 無理に受け継がなくてもいいからね。 21 00:01:21,517 --> 00:01:23,519 雪見の人生は 雪見のもんなんだから。 22 00:01:23,519 --> 00:01:26,856 そんな 雪見に分からんこと言うなや。 (夕見子)分かるべさ。 23 00:01:26,856 --> 00:01:29,658 (なつ)雪見君も大変だね。 24 00:01:29,658 --> 00:01:32,962 えっ? 何さ それ。 25 00:01:32,962 --> 00:01:35,798 ハハ…。 26 00:01:35,798 --> 00:01:39,468 (妙子)なっちゃん いかったわ。 27 00:01:39,468 --> 00:01:41,804 何がですか? 28 00:01:41,804 --> 00:01:44,840 なっちゃんが笑ってて。 29 00:01:44,840 --> 00:01:47,977 お義母さん そったらこと言えば➡ 30 00:01:47,977 --> 00:01:49,912 なつが 無理して笑ってるのが➡ 31 00:01:49,912 --> 00:01:51,847 ばれてしまうでないですか。 32 00:01:51,847 --> 00:01:54,483 ああ… それは悪かったね。 33 00:01:54,483 --> 00:01:56,419 いや いいんですよ。 34 00:01:56,419 --> 00:02:01,357 そんなに無理してないよ 夕見。 そう? 35 00:02:01,357 --> 00:02:06,996 天陽君 ちゃんといたから…。 36 00:02:06,996 --> 00:02:10,332 びっくりするくらい➡ 37 00:02:10,332 --> 00:02:16,138 今でも変わらずに いるような気がする…。 38 00:02:16,138 --> 00:02:19,341 そうかい…。 39 00:02:19,341 --> 00:02:22,178 俺も そうなんだ なっちゃん。 40 00:02:22,178 --> 00:02:27,478 天陽が いなくなったとは どうしても思えねえんだわ…。 41 00:02:34,757 --> 00:02:46,368 ♬~ 42 00:02:46,368 --> 00:02:55,478 ♬「重い扉を押し開けたら 暗い道が続いてて」 43 00:02:55,478 --> 00:03:05,154 ♬「めげずに歩いたその先に 知らなかった世界」 44 00:03:05,154 --> 00:03:14,497 ♬「氷を散らす風すら 味方にもできるんだなあ」 45 00:03:14,497 --> 00:03:24,006 ♬「切り取られることのない 丸い大空の色を」 46 00:03:24,006 --> 00:03:33,282 ♬「優しいあの子にも教えたい」 47 00:03:33,282 --> 00:03:43,082 ♬「ルルル…」 48 00:03:47,796 --> 00:03:50,466 (とよ)あ~れ なっちゃんかい。 49 00:03:50,466 --> 00:03:52,401 とよばあちゃん。 50 00:03:52,401 --> 00:03:56,605 相変わらず めんこいね なっちゃんは。 51 00:03:56,605 --> 00:03:59,475 えっ… とよばあちゃん? 52 00:03:59,475 --> 00:04:02,378 あっ なっちゃんは こっちか。 53 00:04:02,378 --> 00:04:04,980 え…。 (夕見子 雪次郎)ばあちゃん。 54 00:04:04,980 --> 00:04:09,318 もう… やだ 心臓が止まるかと思った! 55 00:04:09,318 --> 00:04:11,987 何で あんたらが びっくりしてんの? 56 00:04:11,987 --> 00:04:14,823 やだ もう そったら冗談やめて下さいよ!➡ 57 00:04:14,823 --> 00:04:17,726 冗談になりませんから! (雪之助)お~ なっちゃん いらっしゃい。 58 00:04:17,726 --> 00:04:20,329 あっ おじさん ご無沙汰してます。 59 00:04:20,329 --> 00:04:22,364 優ちゃんか。 いらっしゃい。 60 00:04:22,364 --> 00:04:26,502 ごぶさたしてます。 ハハハハ…。 61 00:04:26,502 --> 00:04:29,338 なっちゃん ちょっとね➡ 62 00:04:29,338 --> 00:04:31,273 なっちゃんに 見てほしいもんあんだわ。 63 00:04:31,273 --> 00:04:35,110 何ですか? あれね。 64 00:04:35,110 --> 00:04:39,949 いや… まだ それは早いんでねえか? 何でよ? 65 00:04:39,949 --> 00:04:43,586 いや それ見たら なっちゃん 泣くべや。 えっ? 66 00:04:43,586 --> 00:04:46,288 泣くと思う。 何? 67 00:04:46,288 --> 00:04:49,191 いやね…➡ 68 00:04:49,191 --> 00:04:53,462 亡くなる前の天陽君に 頼んでたんだわ。 69 00:04:53,462 --> 00:04:59,602 この店の… 雪月のね 包装紙を描いてくんないかって。 70 00:04:59,602 --> 00:05:02,102 包装紙? (雪之助)うん。 71 00:05:07,977 --> 00:05:12,977 それがね これなんだ。 72 00:05:16,986 --> 00:05:23,859 ♬~ 73 00:05:23,859 --> 00:05:31,934 (雪之助)この絵をさ 夜遅くにね 天陽君が ここに持ってきてくれたんだ。 74 00:05:31,934 --> 00:05:35,134 すばらしいな…。 75 00:05:37,272 --> 00:05:43,472 この女の子はさ ひょっとして なっちゃんかい? 76 00:05:45,147 --> 00:05:49,284 (天陽)なっちゃんみたいな人が この十勝には➡ 77 00:05:49,284 --> 00:05:53,589 いや 北海道には たくさんいるでしょう。 うん。 78 00:05:53,589 --> 00:06:00,129 自然に 開拓者精神を受け継いで たくましく生きてる人が…。 79 00:06:00,129 --> 00:06:03,165 そだね…。 80 00:06:03,165 --> 00:06:09,471 僕の十勝も そういうなっちゃんから 始まってるんですよ。 81 00:06:09,471 --> 00:06:14,343 (雪之助)これは そのころの なっちゃんなんだね…。 82 00:06:14,343 --> 00:06:20,043 そういう出会いを 雪月のお菓子にも 込めたいと思ったんです。 83 00:06:21,817 --> 00:06:25,688 うれしいね それは ハハハ…。 84 00:06:25,688 --> 00:06:31,427 いや なっちゃんも それ聞いたら喜ぶだろうね。 85 00:06:31,427 --> 00:06:36,932 したら お菓子を送ってあげて下さい。 うん? 86 00:06:36,932 --> 00:06:38,867 東京に…。 87 00:06:38,867 --> 00:06:43,806 もし なっちゃんが 何かに くじけそうになった時には➡ 88 00:06:43,806 --> 00:06:49,945 それで 雪月のお菓子を包んで 送ってあげて下さい。 89 00:06:49,945 --> 00:06:55,284 雪月のお菓子が たくさんの人を喜ばせるように➡ 90 00:06:55,284 --> 00:07:02,157 今のなっちゃんも たくさんの人を 喜ばせなくちゃならないでしょ。 91 00:07:02,157 --> 00:07:05,857 きっと それを感じてくれますよ。 92 00:07:10,132 --> 00:07:19,632 天陽君は 子どもの頃の思いを ず~っと大切にしてたんだね。 93 00:07:22,144 --> 00:07:26,482 (雪之助) それは なっちゃんも おんなじだべ? 94 00:07:26,482 --> 00:07:37,126 ♬~ 95 00:07:37,126 --> 00:07:40,929 ほれ あんた… これを。 96 00:07:40,929 --> 00:07:43,629 はい。 はい はい。 97 00:07:51,106 --> 00:07:54,443 なっちゃん➡ 98 00:07:54,443 --> 00:08:04,586 残された者は つらいけどさ その分 強くもなれるべさ。 99 00:08:04,586 --> 00:08:12,327 ならないば 先に逝った者に恥ずかしいからね。 100 00:08:12,327 --> 00:08:19,327 大切な思い出に 恥ずかしくないように生きないば。 101 00:08:21,470 --> 00:08:26,608 はい… とよばあちゃん。 102 00:08:26,608 --> 00:08:28,544 (雪之助)なっちゃん➡ 103 00:08:28,544 --> 00:08:33,749 これ 東京への土産に持ってって。 104 00:08:33,749 --> 00:08:36,652 え…。 105 00:08:36,652 --> 00:08:43,652 はい。 東京のなっちゃんさ。 106 00:08:45,360 --> 00:08:48,564 ありがとうございます…。 107 00:08:48,564 --> 00:09:01,864 ♬~ 108 00:09:31,273 --> 00:09:34,109 ただいま。 ただいま。 109 00:09:34,109 --> 00:09:37,246 (富士子)お帰り。 (砂良)お帰り。 110 00:09:37,246 --> 00:09:39,748 よいしょ。 あっ あんたも来たの。 111 00:09:39,748 --> 00:09:42,551 うん。 なつと優を 車で送ってきたの。 112 00:09:42,551 --> 00:09:46,755 あっ 弥市郎さん。 113 00:09:46,755 --> 00:09:48,955 (弥市郎)おお…。 114 00:09:52,628 --> 00:09:59,935 天陽の人生には 長いも短いもない…。 115 00:09:59,935 --> 00:10:02,771 そこにあるだけだ。 116 00:10:02,771 --> 00:10:05,807 天陽の人生は ただ そこにある。➡ 117 00:10:05,807 --> 00:10:09,945 それは なんと美しいことか…。➡ 118 00:10:09,945 --> 00:10:18,120 あいつは あいつの作品そのものになったんだ。 119 00:10:18,120 --> 00:10:22,420 俺は 羨ましいとさえ思う。 120 00:10:23,992 --> 00:10:30,132 俺は… 天陽になり損ねて 生きてるだけだ。 121 00:10:30,132 --> 00:10:33,432 (剛男)そうかもしれませんね。 122 00:10:35,304 --> 00:10:37,339 あ? 123 00:10:37,339 --> 00:10:40,976 あ いや… 弥市郎さんのことではなくて➡ 124 00:10:40,976 --> 00:10:44,012 天陽君は 家族にとって➡ 125 00:10:44,012 --> 00:10:48,617 いや その作品のように 永遠に生き続けるものだと教えたくて➡ 126 00:10:48,617 --> 00:10:53,989 病院を抜け出して 家に 帰ってきたのかもしれないなと思って…。 127 00:10:53,989 --> 00:10:58,493 それでも やっぱり悲しいわよ 家族は…。 128 00:10:58,493 --> 00:11:03,999 (照男)悲しいのは当たり前だべ。 天陽も それは よく分かってたんだ。 129 00:11:03,999 --> 00:11:09,504 したから 最後に会いたかったんだべさ。 130 00:11:09,504 --> 00:11:18,513 悲しみが大きい分だけ 家族には 大きな幸せも残るんでないのかい。 131 00:11:18,513 --> 00:11:22,351 (地平)死に方まで かっこいいもな 山田天陽は。 132 00:11:22,351 --> 00:11:27,189 お前 そう軽々しく言うな。 軽々しくなんか言ってねえわ。 133 00:11:27,189 --> 00:11:32,027 あんたのラブレター熊に つきあってくれた時の 天陽君も かっこよかったもね。 134 00:11:32,027 --> 00:11:34,296 その話はするな。 135 00:11:34,296 --> 00:11:36,331 (泰樹)なつ…。 うん? 136 00:11:36,331 --> 00:11:39,031 お前は大丈夫なのか? 137 00:11:41,069 --> 00:11:45,607 うん… 大丈夫。 138 00:11:45,607 --> 00:11:54,616 じいちゃん… やっぱり 天陽君は すごいわ。 うん。 139 00:11:54,616 --> 00:12:00,916 こうして 今でも みんなの中に生きてる。 140 00:12:03,358 --> 00:12:09,498 きっと… それが答えだね 天陽君の。 141 00:12:09,498 --> 00:12:11,998 うん。 142 00:12:17,239 --> 00:12:20,142 「あるものといっては➡ 143 00:12:20,142 --> 00:12:26,048 風の吹くままに 明るくなったり かげったりしながら➡ 144 00:12:26,048 --> 00:12:28,517 波うつ草ばかりの➡ 145 00:12:28,517 --> 00:12:33,288 とめどなくつづく広い大草原と➡ 146 00:12:33,288 --> 00:12:38,960 その上に広がる大きな大きな青い空と➡ 147 00:12:38,960 --> 00:12:41,296 草原から飛び立ち➡ 148 00:12:41,296 --> 00:12:47,969 のぼっていく太陽に よろこびの歌を うたっている鳥たちだけでした。➡ 149 00:12:47,969 --> 00:12:51,606 これだけ広い土地と空のなかに➡ 150 00:12:51,606 --> 00:12:58,380 小さな幌馬車が ぽつんと ひとつ立っているのです。➡ 151 00:12:58,380 --> 00:13:00,580 そして…」。 152 00:13:11,493 --> 00:13:13,995 <「父さんと母さん➡ 153 00:13:13,995 --> 00:13:18,333 メアリィとローラとキャリーがすわり…」> 154 00:13:18,333 --> 00:14:08,483 ♬~ 155 00:14:08,483 --> 00:14:10,986 ママ! ママ! 156 00:14:10,986 --> 00:14:12,921 うう…。 157 00:14:12,921 --> 00:14:16,491 どうしたの? 優。 158 00:14:16,491 --> 00:14:20,996 ママ すごい! えっ? 159 00:14:20,996 --> 00:14:23,632 これ ママが描いたんでしょ? 160 00:14:23,632 --> 00:14:26,132 昨日のお話でしょ? これ。 161 00:14:31,373 --> 00:14:35,373 見たい! 優ちゃん これ見たいよ ママ! 162 00:14:37,946 --> 00:14:43,451 見たいの? 優 これ見たい? 163 00:14:43,451 --> 00:14:45,954 うん 見たい! 164 00:14:45,954 --> 00:14:54,296 ♬~ 165 00:14:54,296 --> 00:14:56,231 母さん! 166 00:14:56,231 --> 00:14:59,467 あっ おはよう。 おはよう。 167 00:14:59,467 --> 00:15:04,806 ちょっと東京に… 電話 借りていい? 168 00:15:04,806 --> 00:15:07,309 なんも いいけど どしたの? 169 00:15:07,309 --> 00:15:09,344 ちょっと…。 170 00:15:09,344 --> 00:15:17,619 ♬~ 171 00:15:17,619 --> 00:15:24,419 なつよ… それが 君の答えか。 172 00:15:33,401 --> 00:15:38,139 「グレートトラバース3」! 173 00:15:38,139 --> 00:15:42,477 日本を代表する三百の頂。 174 00:15:42,477 --> 00:15:46,815 その全てを自らの足だけで踏破する➡ 175 00:15:46,815 --> 00:15:50,685 前代未聞の挑戦だ。 176 00:15:50,685 --> 00:15:53,685 挑むのは… 177 00:15:55,523 --> 00:15:58,493 (田中)フォ~! 178 00:15:58,493 --> 00:16:05,693 今回の舞台は 愛媛と高知にまたがる 三百名山…