1 00:00:04,201 --> 00:00:10,540 おしんの胸に 久しぶりに 温かい思いが よみがえっていた。 2 00:00:10,540 --> 00:00:16,046 この人たちの中で 誰に遠慮もなく 思いっきり働ける事が➡ 3 00:00:16,046 --> 00:00:19,082 おしんには うれしかった。 4 00:00:19,082 --> 00:00:25,382 ♬~ 5 00:00:36,199 --> 00:00:39,236 ☎ 6 00:00:39,236 --> 00:00:44,875 (剛男)はい はい はい はい はい はい はい はい。 7 00:00:44,875 --> 00:00:47,377 はい もしもし 柴田です。 8 00:00:47,377 --> 00:00:52,716 (なつ)あっ 父さん。 おお なつかい。 元気かい? 9 00:00:52,716 --> 00:00:55,752 ☎うん。 どうした? 10 00:00:55,752 --> 00:00:58,388 千遥のこと…。 11 00:00:58,388 --> 00:01:01,291 おう 千遥ちゃんのことか。 12 00:01:01,291 --> 00:01:05,028 明美からも聞いたよ 元気で働いてるって。 13 00:01:05,028 --> 00:01:11,401 うん… それでね…。 14 00:01:11,401 --> 00:01:15,572 (夕見子)牧場で アイスクリーム屋ね…。 15 00:01:15,572 --> 00:01:22,272 (砂良)普通のミルクと いちごミルクと 小豆ミルクを作ろうと思ってんだわ。 16 00:01:25,248 --> 00:01:30,420 (富士子)ねえ 雪月でも 小豆のアイスは作ってるしょ? 17 00:01:30,420 --> 00:01:34,991 (夕見子)うん。 小豆のほかに 何か入れてるの? 18 00:01:34,991 --> 00:01:39,362 えっ? う~ん… それは➡ 19 00:01:39,362 --> 00:01:41,298 企業秘密だから。 20 00:01:41,298 --> 00:01:44,098 (富士子 砂良)え~! 21 00:01:45,869 --> 00:01:48,772 あっ 父さん。 22 00:01:48,772 --> 00:01:52,375 何だ 夕見子もいたのか。 23 00:01:52,375 --> 00:01:57,881 いや 今 なつから電話があって 千遥ちゃんが離婚するらしい。 24 00:01:57,881 --> 00:01:59,883 離婚? 25 00:01:59,883 --> 00:02:02,385 やっと決心がついたって。 26 00:02:02,385 --> 00:02:06,022 決心? (砂良)それって いいことなんですか? 27 00:02:06,022 --> 00:02:11,228 う~ん… いや それを見届けるために 俺も 東京に行こうと思うんだわ。 28 00:02:11,228 --> 00:02:14,898 はあ? あんたが行って どうなるの? 29 00:02:14,898 --> 00:02:20,698 どうもならんかもしれないけど… 俺には 責任があると思うのさ。 30 00:02:28,411 --> 00:02:37,211 そして なつと咲太郎は 千遥の話し合いの場へ向かいました。 31 00:02:38,855 --> 00:02:50,467 ♬~ 32 00:02:50,467 --> 00:02:59,543 ♬「重い扉を押し開けたら 暗い道が続いてて」 33 00:02:59,543 --> 00:03:09,219 ♬「めげずに歩いたその先に 知らなかった世界」 34 00:03:09,219 --> 00:03:18,562 ♬「氷を散らす風すら 味方にもできるんだなあ」 35 00:03:18,562 --> 00:03:28,038 ♬「切り取られることのない 丸い大空の色を」 36 00:03:28,038 --> 00:03:37,347 ♬「優しいあの子にも教えたい」 37 00:03:37,347 --> 00:03:47,147 ♬「ルルル…」 38 00:03:58,201 --> 00:04:01,237 (千遥)兄と姉です。 39 00:04:01,237 --> 00:04:05,942 この人が 私を育ててくれた 置屋のお母さん。 40 00:04:05,942 --> 00:04:08,545 (なほ子)光山なほ子と申します。 41 00:04:08,545 --> 00:04:12,716 (咲太郎)兄の奥原咲太郎です。 姉のなつです。 42 00:04:12,716 --> 00:04:16,386 千遥を助けて頂き ありがとうございました。 43 00:04:16,386 --> 00:04:18,321 ありがとうございました。 44 00:04:18,321 --> 00:04:26,096 やめて下さいな。 いいんですよ…。 私が 勝手に 千遥を娘にしたんです。 45 00:04:26,096 --> 00:04:30,734 私を恨んでないんですか? 46 00:04:30,734 --> 00:04:32,969 千遥が結婚する時に➡ 47 00:04:32,969 --> 00:04:38,508 昔の家族とは縁を切らなくてはいけないと 言ったのは 私なんです。 48 00:04:38,508 --> 00:04:42,979 いえ それも 千遥のためを思ってのことですから。 49 00:04:42,979 --> 00:04:48,685 あなたに出会えて 千遥が どれほど救われたか…。 50 00:04:48,685 --> 00:04:52,989 そのことは 私たちが 一番よく分かります。 51 00:04:52,989 --> 00:04:55,892 まあ… ありがとう。 52 00:04:55,892 --> 00:05:03,366 けど… 千遥の決心を聞いて 私も 本当に責任を感じました。 53 00:05:03,366 --> 00:05:07,537 全ては 私のうそから 始まったことですからね。 54 00:05:07,537 --> 00:05:10,206 お母さんのせいなんてことは ないから…。 55 00:05:10,206 --> 00:05:12,142 (戸が開く音) 56 00:05:12,142 --> 00:05:15,545 あっ 女将さん。➡ 57 00:05:15,545 --> 00:05:18,014 清二さんも お久しぶりです。 58 00:05:18,014 --> 00:05:21,217 (清二)どうも。 59 00:05:21,217 --> 00:05:25,889 初めまして。 千遥の兄の奥原咲太郎です。 60 00:05:25,889 --> 00:05:28,391 姉の なつです。 61 00:05:28,391 --> 00:05:33,963 (雅子)千遥さん これは一体 どういうことなんです? 62 00:05:33,963 --> 00:05:37,463 申し訳ありません。 63 00:05:41,705 --> 00:05:48,978 私の父は戦死して 母は空襲で亡くなりました。 64 00:05:48,978 --> 00:05:54,350 空襲で母を亡くしたあとは 家も焼け出されて➡ 65 00:05:54,350 --> 00:06:01,124 私たちは 子どもだけで 生きなければなりませんでした。 66 00:06:01,124 --> 00:06:06,529 終戦の頃は 上野の地下道で暮らしていました。 67 00:06:06,529 --> 00:06:09,999 浮浪児だったの? あなた。 68 00:06:09,999 --> 00:06:11,999 はい。 69 00:06:14,871 --> 00:06:18,208 それから 孤児院に送られたんです。 70 00:06:18,208 --> 00:06:23,079 そこで 千遥だけ なんとか連絡のついた 親戚の家に預けました。 71 00:06:23,079 --> 00:06:25,715 まだ 千遥が5歳の時です。 72 00:06:25,715 --> 00:06:32,822 その親戚の家で 千遥は つらい目に遭ったらしく➡ 73 00:06:32,822 --> 00:06:37,160 6歳の時 そこから家出をしたんです。 74 00:06:37,160 --> 00:06:39,860 家出? 75 00:06:41,498 --> 00:06:45,668 千遥は 見ず知らずの復員兵に拾われて➡ 76 00:06:45,668 --> 00:06:49,506 その人が うちの置屋に 千遥を連れてきたんです。 77 00:06:49,506 --> 00:06:54,377 私は そんな千遥を育てるうちに かわいくなって…➡ 78 00:06:54,377 --> 00:06:59,983 それで身寄りのない子として届け出を出し 自分の養子にしたんです。 79 00:06:59,983 --> 00:07:05,522 あのころは そういうことも たくさんあったので…。 80 00:07:05,522 --> 00:07:10,022 それで 私は救われたんです。 81 00:07:11,694 --> 00:07:19,202 つまり そういうことを隠して うちの嫁になったということね? 82 00:07:19,202 --> 00:07:22,105 どうでもいいでしょう そんなことは…。 83 00:07:22,105 --> 00:07:24,874 母さんだって分かっていたことだろう。 84 00:07:24,874 --> 00:07:27,777 分かっていたんですか? 85 00:07:27,777 --> 00:07:31,681 (雅子)それは 何かあるとはね…。 86 00:07:31,681 --> 00:07:35,151 うちだって商売をしてますから➡ 87 00:07:35,151 --> 00:07:42,892 結婚する時に あなたが置屋に 売られたことぐらいは調べましたよ。➡ 88 00:07:42,892 --> 00:07:49,499 私は反対したけど この子が ほれていたし➡ 89 00:07:49,499 --> 00:07:54,337 うちの人が そんなことは気にするなと言ってね。 90 00:07:54,337 --> 00:07:56,973 親方が? (清二)僕より➡ 91 00:07:56,973 --> 00:08:00,343 千遥のことを 一番かわいがっていたのは おやじだったからな。 92 00:08:00,343 --> 00:08:03,179 そのおやじが亡くなった今➡ 93 00:08:03,179 --> 00:08:06,683 千遥が この店にいる理由が なくなったのも 無理はないよ。 94 00:08:06,683 --> 00:08:09,519 何を言うの。 だけど➡ 95 00:08:09,519 --> 00:08:12,856 よく この店を やめる決心をしたな。 96 00:08:12,856 --> 00:08:16,860 君さえよければ 僕は いつ別れてもいいと思ってたんだ。 97 00:08:16,860 --> 00:08:21,364 それは ただの無責任じゃありませんか。 なつ…。 98 00:08:21,364 --> 00:08:24,164 分かってますよ。 99 00:08:28,705 --> 00:08:35,812 千遥さんは この店を潰してもいいんですか? 100 00:08:35,812 --> 00:08:38,012 はい…。 101 00:08:44,821 --> 00:08:47,657 すみません…。 102 00:08:47,657 --> 00:08:49,959 養育費も 何も要りません。 103 00:08:49,959 --> 00:08:53,496 千夏といられたら それだけでいいんです。 104 00:08:53,496 --> 00:08:56,833 そうはいきませんよ。 105 00:08:56,833 --> 00:09:01,704 千夏は うちの大事な孫ですからね。 106 00:09:01,704 --> 00:09:07,844 ここを出て あなたが 一体 どうやって育てていけるというの? 107 00:09:07,844 --> 00:09:10,847 仕事は すぐに見つけます。 108 00:09:10,847 --> 00:09:15,718 それに 私たちがいます。 109 00:09:15,718 --> 00:09:19,856 家族がいます。 110 00:09:19,856 --> 00:09:25,528 どうか 千遥から 千夏ちゃんを 奪うようなことだけはしないで下さい。 111 00:09:25,528 --> 00:09:29,866 これからは 家族が 必ず支えていきます。 112 00:09:29,866 --> 00:09:33,066 千夏は ちゃんと育てます。 113 00:09:35,672 --> 00:09:38,474 女将さん…➡ 114 00:09:38,474 --> 00:09:46,149 実は 千遥の… 我々の戦死した父も 料理人だったんです。 115 00:09:46,149 --> 00:09:49,953 えっ? 日本橋で 小さな料理屋をしていました。 116 00:09:49,953 --> 00:09:52,322 その前は 浅草の料亭にいて➡ 117 00:09:52,322 --> 00:09:56,492 そこで 女中をしていた母と知り合って 独立したんです。 118 00:09:56,492 --> 00:09:59,829 2人とも 子どもの頃から 奉公に出されて➡ 119 00:09:59,829 --> 00:10:02,332 頼れる人は少なかったと 言っていましたが➡ 120 00:10:02,332 --> 00:10:10,032 その小さな店で 本当に 私たち家族は幸せだったんです。 121 00:10:13,343 --> 00:10:16,843 戦争さえなければ…。 122 00:10:19,849 --> 00:10:24,721 その店を 私が再建したいと思っています。 123 00:10:24,721 --> 00:10:29,559 千遥には いずれ その店を継がせたいと思います。 124 00:10:29,559 --> 00:10:31,861 だから 安心して下さい。 125 00:10:31,861 --> 00:10:34,764 ちょっと お待ちなさい。 126 00:10:34,764 --> 00:10:45,375 今 お父様が浅草の料亭にいたって 言ったけど 何ていうお店? 127 00:10:45,375 --> 00:10:49,175 さあ 名前までは…。 128 00:10:51,881 --> 00:11:00,023 亡くなったうちの人も 若い頃は 浅草の料亭で 修業をしていたんですよ。 129 00:11:00,023 --> 00:11:02,823 (千遥)親方も? 130 00:11:04,861 --> 00:11:09,565 はあ… もしかしたら➡ 131 00:11:09,565 --> 00:11:17,865 そのころから あなたと うちの人は 縁があったのかもしれないわね。 132 00:11:29,252 --> 00:11:34,524 あなたたちの気持ちは よく分かりました。 133 00:11:34,524 --> 00:11:39,695 夫婦の関係に関しては こっちが悪いんでしょうから➡ 134 00:11:39,695 --> 00:11:43,395 離婚は認めます。 135 00:11:46,569 --> 00:11:50,769 いいわね? はい。 136 00:11:54,544 --> 00:11:59,044 (雅子)だけどね 千遥さん…。 137 00:12:00,883 --> 00:12:05,555 あなたは 何か 思い違いをしているようだけど➡ 138 00:12:05,555 --> 00:12:12,428 この店は 今 あなたがいないと やっていけないのよ。 139 00:12:12,428 --> 00:12:16,928 この店の味は あなたの味なの。 140 00:12:20,903 --> 00:12:27,603 あなたは うちの人が見込んだ料理人なのよ。 141 00:12:29,912 --> 00:12:37,720 私はね… うちの人が残した この店を➡ 142 00:12:37,720 --> 00:12:42,492 できれば続けたいの。 143 00:12:42,492 --> 00:12:50,533 離婚しても… この店は やってもらえないかしら? 144 00:12:50,533 --> 00:12:52,568 えっ? 145 00:12:52,568 --> 00:12:59,542 (雅子)清二にも 父親としての責任は残りますからね。 146 00:12:59,542 --> 00:13:08,251 まあ どんな形にせよ この店は あなたが受け継いで➡ 147 00:13:08,251 --> 00:13:14,451 千夏も ここで 安心して暮らせる方がいいでしょう。 148 00:13:17,093 --> 00:13:24,233 お義母さん… 本当に それでいいんですか? 149 00:13:24,233 --> 00:13:27,233 引き受けてもらえる? 150 00:13:30,573 --> 00:13:32,573 はい…。 151 00:13:34,544 --> 00:13:36,844 (なほ子)女将さん…。 152 00:13:38,981 --> 00:13:41,350 さすが 母さんだ。 153 00:13:41,350 --> 00:13:44,854 お前が言うな! 154 00:13:44,854 --> 00:13:49,854 そうですね はい…。 155 00:13:51,527 --> 00:13:56,866 あ~ これで すっきりしたわね。 156 00:13:56,866 --> 00:14:00,870 (笑い声) 157 00:14:00,870 --> 00:14:18,888 ♬~ 158 00:14:18,888 --> 00:14:26,229 お兄ちゃん お姉ちゃん 本当にありがとう。 159 00:14:26,229 --> 00:14:30,099 よかったね 千遥。 160 00:14:30,099 --> 00:14:35,838 千遥は 本当に 親方から愛されていたんだよ。 161 00:14:35,838 --> 00:14:40,176 うん… やっぱり そうだ。 絶対に そうだよ。 162 00:14:40,176 --> 00:14:43,846 千遥の親方と 俺たちの親は 同じ浅草の料亭にいたんだ。 163 00:14:43,846 --> 00:14:46,182 そこで 同じダシのとり方を覚えた。 164 00:14:46,182 --> 00:14:49,382 だから 千遥は 同じ天丼が作れたんだ! 165 00:14:51,687 --> 00:14:55,358 もし そうなら… うれしいけど。 絶対に そうだよ! 166 00:14:55,358 --> 00:15:03,866 ♬~ 167 00:15:03,866 --> 00:15:07,366 ここか…。 168 00:15:09,205 --> 00:15:14,877 あれ… もしかして 千夏ちゃん? 169 00:15:14,877 --> 00:15:16,812 (千夏)はい。 170 00:15:16,812 --> 00:15:20,016 やっぱり 千夏ちゃんかい! 171 00:15:20,016 --> 00:15:26,516 やっぱり 柴田君 心配で来てくれたんだね。 172 00:15:37,199 --> 00:15:41,871 オーストラリアの草原を 軽やかに跳び回る動物。 173 00:15:41,871 --> 00:15:44,871 オオカンガルーです。 174 00:15:46,542 --> 00:15:51,414 おなかの袋で 子どもを大切に育てます。 175 00:15:51,414 --> 00:15:55,885 まさしく 平和で おとなしい生き物➡ 176 00:15:55,885 --> 00:15:59,221 …と思ったら 大間違い。