1 00:00:33,297 --> 00:00:43,297 ♪♪~ 2 00:01:08,332 --> 00:01:11,335 (幸三郎)高原 恭子さんの ことなんだがね→ 3 00:01:11,335 --> 00:01:15,339 俊夫との結婚 認めてやろうと思うんだが。 4 00:01:15,339 --> 00:01:20,344 (文代)言ったはずですよ 私は あなたにお任せしますって。 5 00:01:20,344 --> 00:01:24,348 (幸三郎)そうかい 君が そう言ってくれるんなら。 6 00:01:24,348 --> 00:01:27,351 (文代)俊夫も喜ぶでしょ。→ 7 00:01:27,351 --> 00:01:31,372 でも 急に どうしたんですか? あんなに反対されていたのに。 8 00:01:31,372 --> 00:01:34,291 (幸三郎)昨日 裕二君に説得されてしまってね。 9 00:01:34,291 --> 00:01:36,293 ≪(寺岡)うわ~! 10 00:01:36,293 --> 00:01:38,295 (文代)裕二君の声じゃないかしら。 11 00:01:38,295 --> 00:01:41,298 (幸三郎)ああ 行ってみよう。 12 00:01:41,298 --> 00:01:44,301 (雅彦)お父さん 今の悲鳴は いったい。 13 00:01:44,301 --> 00:01:47,304 (幸三郎)分からん この奥だ。 裕二君 どうした。 14 00:01:47,304 --> 00:01:51,304 (寺岡)あっ あっ あっ あっ あっ。 15 00:02:12,329 --> 00:02:15,332 ≪(猫の鳴き声) (麗子)何なのよ その猫。 16 00:02:15,332 --> 00:02:19,336 (影山)けさ 宝生家の広大なお庭をさまよっていた→ 17 00:02:19,336 --> 00:02:21,338 迷子の迷子の 猫ちゃんでございます。 18 00:02:21,338 --> 00:02:25,342 あなたも暇ね 野良猫の面倒 見るなんて。 19 00:02:25,342 --> 00:02:28,345 お嬢さまこそ のんびりと朝食を楽しんでいて→ 20 00:02:28,345 --> 00:02:30,347 よろしいのでございますか? 21 00:02:30,347 --> 00:02:32,283 えっ? 朝から 藤倉ホテルの→ 22 00:02:32,283 --> 00:02:34,285 創業一族である藤倉家で→ 23 00:02:34,285 --> 00:02:38,289 殺人事件が起きたと マスメディアが報じております。 24 00:02:38,289 --> 00:02:42,293 確か 国立署の管轄内だったはずでございますが。 25 00:02:42,293 --> 00:02:54,305 ♪♪~ 26 00:02:54,305 --> 00:02:58,309 影山 車! 27 00:02:58,309 --> 00:03:01,312 (猫の鳴き声) 28 00:03:01,312 --> 00:03:03,314 <私の名前は 宝生 麗子> 29 00:03:03,314 --> 00:03:06,317 <世界屈指の財閥 宝生グループの総帥→ 30 00:03:06,317 --> 00:03:09,320 宝生 清太郎の一人娘> 31 00:03:09,320 --> 00:03:11,322 <誰もが ひざまずく 私に対し> 『アホでらっしゃいますか?』 32 00:03:11,322 --> 00:03:13,324 『節穴でございますか?』 『引っ込んでおいてくださいますか』 33 00:03:13,324 --> 00:03:15,326 『反省していただけますか?』 『アホでいらっしゃいますね』 34 00:03:15,326 --> 00:03:20,326 <なぜか執事の影山だけは 平気で暴言をぶつけてくる> 35 00:03:24,335 --> 00:03:27,338 いってらっしゃいませ お嬢さま。 36 00:03:27,338 --> 00:03:29,340 <普段は 恭しく振る舞っているくせに→ 37 00:03:29,340 --> 00:03:32,276 まったく 油断も隙もあったもんじゃない> 38 00:03:32,276 --> 00:03:37,281 <そして 今日も私は 財閥の令嬢という身分を隠し→ 39 00:03:37,281 --> 00:03:40,284 国立署の刑事として 凶悪事件に立ち向かうのである> 40 00:03:40,284 --> 00:03:44,284 (風祭)いったい どういうことなんだ! 41 00:03:46,290 --> 00:03:48,292 すみません 警部。 電話 気付かなくって。 42 00:03:48,292 --> 00:03:50,294 あっ おはよう 宝生君。 43 00:03:50,294 --> 00:03:55,299 いや 君のことじゃなくてさ 彼女のことなんだ。 44 00:03:55,299 --> 00:03:57,301 え~と 確か その人は。 45 00:03:57,301 --> 00:04:02,306 僕のハートを奪った ホウ・ショウレイだよ。 46 00:04:02,306 --> 00:04:06,310 <風祭警部は 中堅自動車メーカーの御曹司> 47 00:04:06,310 --> 00:04:08,312 <事件現場で 何度も擦れ違ううちに→ 48 00:04:08,312 --> 00:04:12,316 お嬢さまの私のことを 好きになってしまったんだけど→ 49 00:04:12,316 --> 00:04:16,320 彼女のことを 香港の財閥令嬢 ホウ・ショウレイだと→ 50 00:04:16,320 --> 00:04:18,322 すっかり勘違いしている> 51 00:04:18,322 --> 00:04:21,325 で そのショウレイさんが どうかされたんですか? 52 00:04:21,325 --> 00:04:25,329 おかしいんだ 最近の事件現場には必ず彼女の姿がある。 53 00:04:25,329 --> 00:04:27,331 もしかしたら 犯罪グループと→ 54 00:04:27,331 --> 00:04:29,333 何らかの関係が あるのかもしれない。 55 00:04:29,333 --> 00:04:32,269 はっ? (宗森)警部→ 56 00:04:32,269 --> 00:04:34,271 ミス ショウレイについて 調べたのですが。 57 00:04:34,271 --> 00:04:36,273 うん。 (江尻)入国記録に→ 58 00:04:36,273 --> 00:04:38,275 そのような女性は 見当たりませんでした。 59 00:04:38,275 --> 00:04:44,281 あ~ ミス ショウレイ あなたは いったい。 60 00:04:44,281 --> 00:04:47,281 ハァ 何か ややこしいことになってきた。 61 00:05:03,300 --> 00:05:05,302 美しい。 宝生君→ 62 00:05:05,302 --> 00:05:09,306 こんな かれんな殺人現場は めったにあるもんじゃない。 63 00:05:09,306 --> 00:05:11,308 まるで 絵画のモチーフのようじゃないか。 64 00:05:11,308 --> 00:05:14,311 警部 不謹慎ですよ 美しいだなんて。 65 00:05:14,311 --> 00:05:16,313 人が殺されてるというのに。 66 00:05:16,313 --> 00:05:19,316 誤解だよ 宝生君。 僕は 美しい死体と言ったわけじゃない。 67 00:05:19,316 --> 00:05:22,319 このバラ園を称賛したまでだ。 そうですか。 68 00:05:22,319 --> 00:05:24,321 で この美しい死体は いったい何者なんだい? 69 00:05:24,321 --> 00:05:27,324 結局 美しい死体って 言っちゃってますけど。 70 00:05:27,324 --> 00:05:29,326 (並木)被害者は 高原 恭子 25歳。→ 71 00:05:29,326 --> 00:05:31,345 駅前のクラブで働くホステスで→ 72 00:05:31,345 --> 00:05:35,265 1カ月ほど前から この藤倉家で 居候していたそうです。 73 00:05:35,265 --> 00:05:38,268 (山繁)死亡推定時刻は 昨夜の1時前後。→ 74 00:05:38,268 --> 00:05:41,271 死因は絞殺による窒息死。→ 75 00:05:41,271 --> 00:05:44,274 着衣などに汚れがないので どこか室内で殺害され→ 76 00:05:44,274 --> 00:05:47,277 ぽん 運ばれたものと思われます。 77 00:05:47,277 --> 00:05:50,280 しかし変ですね 何で わざわざ遺体を→ 78 00:05:50,280 --> 00:05:52,282 バラの中に置いたんでしょうか。 79 00:05:52,282 --> 00:05:54,284 (並木)実は警部。 うん。 80 00:05:54,284 --> 00:05:57,287 (山繁)この家の人が言うには たたりではないかと。 81 00:05:57,287 --> 00:05:59,289 たたり。 (並木)ご存じありませんか?→ 82 00:05:59,289 --> 00:06:02,292 藤倉家の あの話。 83 00:06:02,292 --> 00:06:06,296 あっ そうか 紅バラのたたり。 84 00:06:06,296 --> 00:06:09,299 何ですか? 紅バラのたたりって。 85 00:06:09,299 --> 00:06:12,299 はい シュッ。 86 00:06:14,304 --> 00:06:16,306 明治時代 紅子というメードが→ 87 00:06:16,306 --> 00:06:20,310 藤倉家で働いておりました。 88 00:06:20,310 --> 00:06:22,312 気立てのよい娘だったのですが→ 89 00:06:22,312 --> 00:06:27,317 藤倉家の長男と 身分違いの 禁断の恋をしてしまいます。 90 00:06:27,317 --> 00:06:29,319 藤倉家の人間は→ 91 00:06:29,319 --> 00:06:33,257 長男をたぶらかしたと 紅子に激怒しました。 92 00:06:33,257 --> 00:06:36,260 そして 紅子が かわいがっていた黒猫を→ 93 00:06:36,260 --> 00:06:38,262 殺してしまったのです。 94 00:06:38,262 --> 00:06:40,264 すると失意の紅子は→ 95 00:06:40,264 --> 00:06:44,268 大切に育てていたバラ園で 自殺をしてしまいました。 96 00:06:44,268 --> 00:06:48,272 ところが その後 不幸が起こった。(太鼓の音) 97 00:06:48,272 --> 00:06:52,276 バラのとげでケガをした 藤倉家の奥さまが 謎の病で病死。 98 00:06:52,276 --> 00:06:56,280 不吉に思った家の人たちは バラ園を解体しようとしたが→ 99 00:06:56,280 --> 00:07:00,284 職人たちが次々とケガをして 誰もやらなくなったのです。 100 00:07:00,284 --> 00:07:03,287 それ以来 藤倉家のバラ園に 手を出した者には→ 101 00:07:03,287 --> 00:07:08,292 たたりがあるといわれているとさ。 102 00:07:08,292 --> 00:07:11,295 シュッ。 しかし知らないとは驚きだな。 103 00:07:11,295 --> 00:07:14,298 国立七不思議の1つとして 小学生でも知ってるよ 宝生君。 104 00:07:14,298 --> 00:07:16,300 そんな くだらない噂が→ 105 00:07:16,300 --> 00:07:18,302 他に6つもあることの方が 驚きです。 106 00:07:18,302 --> 00:07:22,306 しっ。 宝生君 くだらないなんて 言ったら たたりに遭うよ。 107 00:07:22,306 --> 00:07:25,309 見たまえ このバラには 確かに怨念めいたものが。 108 00:07:25,309 --> 00:07:27,311 しっかりしてください 警部。 109 00:07:27,311 --> 00:07:31,311 か~ 刺さった。 110 00:07:34,251 --> 00:07:37,254 血が 血が。 111 00:07:37,254 --> 00:07:40,257 家の人たちに 話を聞いてみましょう。 112 00:07:40,257 --> 00:07:43,257 宝生君 血が。 113 00:07:51,268 --> 00:07:54,271 (猫の鳴き声) 114 00:07:54,271 --> 00:07:56,273 奇麗なバラね。 115 00:07:56,273 --> 00:07:59,276 しかしながら どれほど美しいバラとて→ 116 00:07:59,276 --> 00:08:01,278 お嬢さまの美しさの前では→ 117 00:08:01,278 --> 00:08:03,280 色あせて見えることで ございましょう。 118 00:08:03,280 --> 00:08:07,284 まあ 影山ったら正直者なんだから。 119 00:08:07,284 --> 00:08:09,286 ところで お嬢さま。 何やら こよいは→ 120 00:08:09,286 --> 00:08:11,288 不可解な事件にお悩みのご様子。 121 00:08:11,288 --> 00:08:13,290 いかがでございましょう→ 122 00:08:13,290 --> 00:08:16,293 ご気分が良くなったところで この影山に詳しくお話を。 123 00:08:16,293 --> 00:08:19,296 何それ。 もしかして あなた→ 124 00:08:19,296 --> 00:08:22,296 捜査情報が知りたくて 私をおだてたの? 125 00:08:25,302 --> 00:08:29,306 それにつけても お嬢さまの 美しさの前では どんなバラも。 126 00:08:29,306 --> 00:08:31,325 あなた 私のことバカにしてるでしょ。 127 00:08:31,325 --> 00:08:34,244 そんなことはございません。 正直に おっしゃい。 128 00:08:34,244 --> 00:08:36,244 あなた何が望みなのよ。 129 00:08:41,251 --> 00:08:45,255 お嬢さま 国立七不思議の謎を解くことは→ 130 00:08:45,255 --> 00:08:48,258 私の幼いころよりの 夢だったのでございます。 131 00:08:48,258 --> 00:08:50,260 はっ? 中でも→ 132 00:08:50,260 --> 00:08:55,265 藤倉家の紅バラのたたりといえば ミステリーファン垂ぜんの逸品。 133 00:08:55,265 --> 00:08:59,269 身分違いの恋 非業の自殺 一族の悲劇 バラ 黒猫 怨念→ 134 00:08:59,269 --> 00:09:02,272 まさに そこには 推理小説に欠かせない要素が→ 135 00:09:02,272 --> 00:09:04,274 凝縮されているのでございます。 136 00:09:04,274 --> 00:09:08,278 その紅バラのたたりが絡んだ 殺人事件が起きたのでございます。 137 00:09:08,278 --> 00:09:11,281 これを解かずして 果たして この世に生をうけた意味が→ 138 00:09:11,281 --> 00:09:14,284 ございましょうか。 そこまで言う? 139 00:09:14,284 --> 00:09:17,287 どうか この影山に 解かせてはいただけませんか→ 140 00:09:17,287 --> 00:09:20,290 紅バラの謎を。 141 00:09:20,290 --> 00:09:23,290 嫌だ。 絶対 嫌。 142 00:09:28,298 --> 00:09:30,300 あなたの力なんか借りなくても→ 143 00:09:30,300 --> 00:09:33,236 このぐらいの事件 私たちで解決するわよ。 144 00:09:33,236 --> 00:09:35,238 だって こっちは プロなんですもの。 145 00:09:35,238 --> 00:09:38,241 分かりました。 では謎解きは→ 146 00:09:38,241 --> 00:09:40,243 プロの警察に お任せいたしましょう。 147 00:09:40,243 --> 00:09:43,246 分かればいいのよ 分かれば。 148 00:09:43,246 --> 00:09:46,249 何しろ 日本の警察は優秀でございます。 149 00:09:46,249 --> 00:09:48,251 関係者の事情聴取と 周辺の聞き込みを→ 150 00:09:48,251 --> 00:09:50,253 何百回も繰り返し→ 151 00:09:50,253 --> 00:09:53,256 市民から寄せられる 数百件の情報を吟味し→ 152 00:09:53,256 --> 00:09:57,260 現場から採取した証拠を 何十日もかけて科学的に分析し→ 153 00:09:57,260 --> 00:09:59,262 調べて 調べて 調べ抜いて→ 154 00:09:59,262 --> 00:10:02,265 いつの日か 真実に たどりつくかもしれません。 155 00:10:02,265 --> 00:10:05,268 確かに 私のような素人が出る幕では。 156 00:10:05,268 --> 00:10:08,268 詳しく話すから よく聞きなさい。 157 00:10:17,280 --> 00:10:19,282 ありがたき幸せ。 158 00:10:19,282 --> 00:10:23,286 まずは 現場にいた4人から話を聞いたの。 159 00:10:23,286 --> 00:10:27,290 この屋敷のあるじ 藤倉 幸三郎 その妻 文代。 160 00:10:27,290 --> 00:10:29,292 もっとも幸三郎は婿養子で→ 161 00:10:29,292 --> 00:10:33,296 文代の方が 藤倉家の本流らしいけど。 162 00:10:33,296 --> 00:10:36,299 そして 娘婿の 藤倉 雅彦と→ 163 00:10:36,299 --> 00:10:39,302 藤倉家の親戚筋に当たる 寺岡 裕二。 164 00:10:39,302 --> 00:10:41,304 彼が第一発見者よ。 165 00:10:41,304 --> 00:10:46,309 (寺岡)《この屋敷に来たのは もう10年ぶりくらいだったので→ 166 00:10:46,309 --> 00:10:51,314 久しぶりにバラ園が見たくなって 朝 1人で来たんです》→ 167 00:10:51,314 --> 00:10:53,316 《そうしたら》 《ちなみにバラ園の手入れは→ 168 00:10:53,316 --> 00:10:56,319 いつも どなたが》 (幸三郎)《私です》 169 00:10:56,319 --> 00:10:59,322 《バラが趣味で いつも 傷だらけになって手入れを》 170 00:10:59,322 --> 00:11:02,325 《けさ 何か いつもと違った点は》 171 00:11:02,325 --> 00:11:07,330 《いや 死体がある以外は いつもどおりだったと》 172 00:11:07,330 --> 00:11:12,335 《なぜ犯人は このバラの場所に 遺体を置いたのでしょうか》 173 00:11:12,335 --> 00:11:15,338 《何か心当たりはありますか》 174 00:11:15,338 --> 00:11:17,338 《それは》 175 00:11:22,345 --> 00:11:28,351 《やっぱり バラのたたりなのよ》 176 00:11:28,351 --> 00:11:32,289 《それは 紅バラのたたりのことですか?》 177 00:11:32,289 --> 00:11:39,296 《お恥ずかしい話ですが あの逸話は事実です》 178 00:11:39,296 --> 00:11:44,301 《紅子さんは このバラのある場所で→ 179 00:11:44,301 --> 00:11:46,303 首をつったと 伝え聞いております》 180 00:11:46,303 --> 00:11:48,305 《何と》 181 00:11:48,305 --> 00:11:51,308 《それに 先日 恭子さんは→ 182 00:11:51,308 --> 00:11:55,312 たたりのことを知らずに バラを切ってしまったんです》 183 00:11:55,312 --> 00:12:00,317 《恭子さん あなた何てことを》 184 00:12:00,317 --> 00:12:05,322 《では やはり これは 紅バラのたたり》 185 00:12:05,322 --> 00:12:09,326 《前に雅彦君が バラを摘み取ってしまい→ 186 00:12:09,326 --> 00:12:12,329 肝を冷やしたが→ 187 00:12:12,329 --> 00:12:15,332 まさか今回 こんなことになるとは》 188 00:12:15,332 --> 00:12:17,334 (雅彦)《私は婿養子で→ 189 00:12:17,334 --> 00:12:19,336 紅子さんの話を 知らなかったものですから》 190 00:12:19,336 --> 00:12:21,338 《困ったな これは》 191 00:12:21,338 --> 00:12:23,340 《たたりとなると→ 192 00:12:23,340 --> 00:12:26,343 もう われわれ警察の捜査じゃ 太刀打ちできないぞ》 193 00:12:26,343 --> 00:12:28,345 《いいえ これは殺人事件です》 194 00:12:28,345 --> 00:12:31,364 《彼女は何者かに首を絞められ 殺害されたんです》 195 00:12:31,364 --> 00:12:33,283 《だがね 宝生君》 《何でしょう》 196 00:12:33,283 --> 00:12:35,285 《とげの傷 血が止まらないんだ》 197 00:12:35,285 --> 00:12:37,287 《しっかりしてください 警部》 198 00:12:37,287 --> 00:12:39,289 《犯人を見つけるのが われわれ警察の役目です》 199 00:12:39,289 --> 00:12:41,291 《おっ ああ》 200 00:12:41,291 --> 00:12:43,293 《われわれが犯人を逮捕しないで 誰が→ 201 00:12:43,293 --> 00:12:45,295 高原 恭子さんの無念を 晴らすんですか》 202 00:12:45,295 --> 00:12:47,297 《そうだ そうだよ 犯人を挙げる》 203 00:12:47,297 --> 00:12:51,301 《それが われわれの仕事だ》 204 00:12:51,301 --> 00:12:54,304 《はい はい はい はい》 205 00:12:54,304 --> 00:12:58,308 《人知を超えた超常現象と掛けて 殺人事件と解く その心は→ 206 00:12:58,308 --> 00:13:01,311 どちらも 僕の推理力には勝てない》 207 00:13:01,311 --> 00:13:04,314 《根本的に 謎掛けになってないですけど→ 208 00:13:04,314 --> 00:13:06,316 続きをどうぞ》 《思い付いてしまったよ→ 209 00:13:06,316 --> 00:13:10,320 簡単に犯人を見つける方法がね》 210 00:13:10,320 --> 00:13:14,324 《犯人は 高原 恭子さんを バラの上に乗せた》 211 00:13:14,324 --> 00:13:16,326 《ならば 必ずバラのとげによって→ 212 00:13:16,326 --> 00:13:19,329 手に何らかの傷が 残っているはずです》 213 00:13:19,329 --> 00:13:22,332 《さてさて 誰が犯人でしょうね》 214 00:13:22,332 --> 00:13:25,332 《とくと見せていただきましょうかあなた方の手を》 215 00:13:32,275 --> 00:13:34,277 《警部》 《ワオ》 216 00:13:34,277 --> 00:13:37,280 《待ってくれ 刑事さん これは誤解だ》 217 00:13:37,280 --> 00:13:39,282 《彼女を下ろしてあげようと しただけです》 218 00:13:39,282 --> 00:13:41,284 (寺岡)《バラのつるが 絡まったままでは→ 219 00:13:41,284 --> 00:13:43,286 彼女が かわいそうな気がして つい》 220 00:13:43,286 --> 00:13:46,289 《しかし途中で これは 殺人事件かもしれないから→ 221 00:13:46,289 --> 00:13:48,291 動かさない方がいいかも しれないと気付いて》 222 00:13:48,291 --> 00:13:52,295 《なるほど。 ところで 高原 恭子さんは→ 223 00:13:52,295 --> 00:13:54,297 最近 この家に やって来たそうですね》 224 00:13:54,297 --> 00:13:56,299 《彼女が 寝泊まりをしていた場所を→ 225 00:13:56,299 --> 00:14:00,303 教えてくれませんか》 226 00:14:00,303 --> 00:14:02,305 《恭子さんは 離れで暮らしていました》 227 00:14:02,305 --> 00:14:05,308 (雅彦)《この奥の建物です》 228 00:14:05,308 --> 00:14:08,311 《被害者は ナイトドレスを着ていました》 229 00:14:08,311 --> 00:14:10,313 《寝室が 殺害現場かもしれませんね》 230 00:14:10,313 --> 00:14:12,315 《はい 見に行ってみよう》 231 00:14:12,315 --> 00:14:15,318 《お気を付けて》 232 00:14:15,318 --> 00:14:17,320 《お気を付けてとは》 233 00:14:17,320 --> 00:14:22,325 《実は私 恭子さんが来てから あの離れに近づくと→ 234 00:14:22,325 --> 00:14:27,330 せきが出たり 頭が痛くなったり 具合が悪くなるんです》 235 00:14:27,330 --> 00:14:32,330 《やはり あらがえないのかもしれません》 236 00:14:34,271 --> 00:14:36,271 《バラのたたりには》 237 00:14:46,283 --> 00:14:50,287 ちなみに私も お嬢さまを陰ながら見守っていたのでございますが→ 238 00:14:50,287 --> 00:14:54,291 何しろ あの 紅バラのたたりで有名な→ 239 00:14:54,291 --> 00:14:57,294 藤倉邸に せっかく入れたということで。 240 00:14:57,294 --> 00:14:59,296 切ったの? 241 00:14:59,296 --> 00:15:02,296 はい 記念に。 駄目でしょ。 242 00:15:04,301 --> 00:15:07,301 まさか そのバラって。 243 00:15:10,307 --> 00:15:13,310 そんなことしたら それこそ たたりが。 244 00:15:13,310 --> 00:15:17,310 はっ 影山! 245 00:15:19,316 --> 00:15:21,316 お嬢さま。 246 00:15:26,323 --> 00:15:29,326 失礼いたしました うっかりボタンを。 247 00:15:29,326 --> 00:15:32,326 あなた楽しんでるでしょ。 248 00:15:36,266 --> 00:15:40,270 《はい はい はい はい はい》 249 00:15:40,270 --> 00:15:42,272 《ここは やめておこうか 宝生君》 250 00:15:42,272 --> 00:15:44,274 《何 言ってるんですか 警部。 行きますよ》 251 00:15:44,274 --> 00:15:47,277 《もう知らないよ どうなっても》 252 00:15:47,277 --> 00:15:49,279 《見たまえ 宝生君》 253 00:15:49,279 --> 00:15:53,283 《ええ 見ています 警部》 《こっ これは》 254 00:15:53,283 --> 00:15:58,288 《どうやら ここで誰かが 争ったとみていいようですね》 255 00:15:58,288 --> 00:16:01,291 《となると 犯人は ここで 高原 恭子を殺害し→ 256 00:16:01,291 --> 00:16:04,294 バラ園まで 運んだということでしょうか?》 257 00:16:04,294 --> 00:16:07,297 《いいや》 258 00:16:07,297 --> 00:16:11,297 《紅子の亡霊が入ってきて》 259 00:16:13,303 --> 00:16:19,309 《全て たたりの仕業なのかもしれない》 260 00:16:19,309 --> 00:16:23,313 《自分で言いながら怖がるの やめてください》 261 00:16:23,313 --> 00:16:25,315 《おっ 落ち着こう うん あっ こういうときはね→ 262 00:16:25,315 --> 00:16:27,315 何か食べるといいんだよ》 263 00:16:33,256 --> 00:16:35,258 (ため息) 264 00:16:35,258 --> 00:16:39,262 私も お嬢さまをお守りするため すぐ隣に。 265 00:16:39,262 --> 00:16:41,264 いたの? 266 00:16:41,264 --> 00:16:43,266 同じクッキーを 見つけたのですが→ 267 00:16:43,266 --> 00:16:46,269 やはり クッキーはティータイムだろうと。 268 00:16:46,269 --> 00:16:48,271 しまうな。 269 00:16:48,271 --> 00:16:52,275 で 事件当時 屋敷にいた人たちに 話を聞いたの。 270 00:16:52,275 --> 00:16:54,277 ここで初めて会ったのが→ 271 00:16:54,277 --> 00:16:58,281 藤倉家の長女であり 雅彦の妻 美奈子。 272 00:16:58,281 --> 00:17:02,285 そして美奈子の弟で 藤倉家の長男俊夫よ。 273 00:17:02,285 --> 00:17:04,287 《まず 高原 恭子さんが→ 274 00:17:04,287 --> 00:17:07,290 藤倉家の離れに 住むようになった理由を→ 275 00:17:07,290 --> 00:17:11,294 教えていただけませんか?》 276 00:17:11,294 --> 00:17:14,297 (俊夫)《恭子は 僕と結婚するはずでした》→ 277 00:17:14,297 --> 00:17:17,300 《それで 家族に紹介するつもりで連れてきたんです》 278 00:17:17,300 --> 00:17:19,302 《恭子さんとは どのように お知り合いに?》 279 00:17:19,302 --> 00:17:24,307 (俊夫)《それは いとこの裕二の紹介で》 280 00:17:24,307 --> 00:17:28,311 《もともと彼女は 僕の学生時代の後輩なんです》 281 00:17:28,311 --> 00:17:30,313 《それで 俊夫も一緒に遊ぶようになって》 282 00:17:30,313 --> 00:17:33,249 《しかし見知らぬ女性を いきなり家に連れてきたのでは→ 283 00:17:33,249 --> 00:17:36,252 ご家族の反発も あったのではありませんか?》 284 00:17:36,252 --> 00:17:38,254 《それは まあ》 285 00:17:38,254 --> 00:17:41,257 《でも 一緒に住めば 分かってもらえると思って→ 286 00:17:41,257 --> 00:17:46,262 離れに住むように 僕が彼女を強引に説得して》 287 00:17:46,262 --> 00:17:48,264 (美奈子)《そんなこと言って あんたたち ホントは→ 288 00:17:48,264 --> 00:17:51,267 藤倉家を乗っ取るつもり だったんじゃないの?》 289 00:17:51,267 --> 00:17:54,270 《ずっと実家から離れてたくせに 急に帰ってきたりして》 290 00:17:54,270 --> 00:17:56,272 《美奈子》 (俊夫)《別に俺は お兄さんが→ 291 00:17:56,272 --> 00:17:58,274 藤倉ホテルの跡取りで 文句はないよ》→ 292 00:17:58,274 --> 00:18:00,276 《その話と恭子は関係ないだろ》 293 00:18:00,276 --> 00:18:03,279 《はい はい はい はい はい》 294 00:18:03,279 --> 00:18:07,283 《で 皆さん 恭子さんと この1カ月ほど暮らしてみて→ 295 00:18:07,283 --> 00:18:09,285 いかがでしたか》 296 00:18:09,285 --> 00:18:12,288 《私は すぐに なじみましたよ》 297 00:18:12,288 --> 00:18:15,291 《彼女は気さくで とてもいい人でした》 298 00:18:15,291 --> 00:18:19,295 《ただ 他の人たちは》 299 00:18:19,295 --> 00:18:21,297 《無理もないでしょう 刑事さん》 300 00:18:21,297 --> 00:18:25,301 《素性の知れない女性が いきなり藤倉家に やって来たんです》 301 00:18:25,301 --> 00:18:27,303 《おいそれと 結婚を認めるわけには→ 302 00:18:27,303 --> 00:18:30,306 いかないですよ。 お父さんも そうですよね》 303 00:18:30,306 --> 00:18:33,243 《ああ 最初は反対だった》 304 00:18:33,243 --> 00:18:37,247 《しかし 彼女の人柄に 触れるうちに 許す気になってね》 305 00:18:37,247 --> 00:18:40,250 《それで ゆうべ裕二君の話を聞いて→ 306 00:18:40,250 --> 00:18:42,252 2人の結婚を認めようと 決めていたんだが》 307 00:18:42,252 --> 00:18:45,255 《裕二君の話とは?》 308 00:18:45,255 --> 00:18:49,259 《実は ここにいる男4人で マージャンをしたんです》 309 00:18:49,259 --> 00:18:51,261 《そこで裕二に 援護射撃をしてもらって》 310 00:18:51,261 --> 00:18:55,265 (寺岡)《おじさんと雅彦さんに 彼女の人となりを話しました》 311 00:18:55,265 --> 00:18:57,267 《別に嘘は言っていません》 312 00:18:57,267 --> 00:19:00,270 《夜の仕事をしているという 偏見を除けば→ 313 00:19:00,270 --> 00:19:02,272 彼女は すてきな女性でしたから》 314 00:19:02,272 --> 00:19:05,275 (文代)《本当に かわいらしいお嬢さんだったわ》 315 00:19:05,275 --> 00:19:09,279 《なるほど では皆さんにお聞きしましょう》 316 00:19:09,279 --> 00:19:14,284 《昨夜の午前1時ごろ どこで何をされていましたか?》 317 00:19:14,284 --> 00:19:16,286 (幸三郎)《マージャンは 11時ぐらいまでで→ 318 00:19:16,286 --> 00:19:19,289 裕二君には お客さん用の部屋に 泊まってもらいました》→ 319 00:19:19,289 --> 00:19:22,292 《1時なら みんな 自分の寝室に いたんじゃないかな》 320 00:19:22,292 --> 00:19:24,294 《皆さん お一人でしたか?》 321 00:19:24,294 --> 00:19:28,298 《ええ 寝室は みんな別々です》 322 00:19:28,298 --> 00:19:33,236 《美奈子は娘と寝ているので 私も1人で》 323 00:19:33,236 --> 00:19:37,240 《あのさ お母さんに ちょっと 聞きたいことがあるんだけど》 324 00:19:37,240 --> 00:19:39,242 《何かしら?》 325 00:19:39,242 --> 00:19:43,246 《お母さん 昨日の深夜 庭を散歩してなかった?》 326 00:19:43,246 --> 00:19:46,249 《お父さんと一緒に》 327 00:19:46,249 --> 00:19:48,251 《まさか》 328 00:19:48,251 --> 00:19:51,254 《ああ そんな時間に 散歩なんかするはずがない》 329 00:19:51,254 --> 00:19:53,256 《あっ そっか》 330 00:19:53,256 --> 00:19:55,256 《美奈子さんは なぜ そんなことを?》 331 00:19:57,260 --> 00:19:59,262 (美奈子)《誰かが 車椅子 押しながら→ 332 00:19:59,262 --> 00:20:03,266 温室の方へ向かう姿が 見えたんです》→ 333 00:20:03,266 --> 00:20:06,269 《てっきり お母さんかと思ったんだけど》 334 00:20:06,269 --> 00:20:10,273 《それは何時ごろですか?》 《確か1時すぎかと》 335 00:20:10,273 --> 00:20:13,276 《死亡推定時刻と一致します》 《ということは?》 336 00:20:13,276 --> 00:20:17,280 《犯人が 遺体を運んでたってこと?》 337 00:20:17,280 --> 00:20:21,284 《その時間 車椅子は?》 (文代)《私のベッドの脇に》 338 00:20:21,284 --> 00:20:24,287 《眠っている間に 何者かが あなたの寝室に侵入して→ 339 00:20:24,287 --> 00:20:27,290 車椅子を持ち出すことは 可能だったんでしょうか》 340 00:20:27,290 --> 00:20:29,292 (文代)《何とも 言えませんわね》→ 341 00:20:29,292 --> 00:20:34,297 《誰かが車椅子を持ち出せば 目が覚めると思いますけど》 342 00:20:34,297 --> 00:20:36,299 《この屋敷に他に車椅子は?》 343 00:20:36,299 --> 00:20:38,301 《ありません これ1台です》 344 00:20:38,301 --> 00:20:42,305 《じゃ 美奈子さんが見たのは 何だというんですか》 345 00:20:42,305 --> 00:20:46,305 《もしかしたら 紅子さん》 346 00:20:52,315 --> 00:20:56,319 (文代)《紅子さんなら 車椅子を持ち出すことも》 347 00:20:56,319 --> 00:21:02,319 《つまり美奈子さんが見たのは 遺体を運ぶ紅子さんだったと?》 348 00:21:14,337 --> 00:21:16,337 それとも たたり? 349 00:22:52,301 --> 00:22:54,303 高原 恭子が働いていた スナックに行ったの。 350 00:22:54,303 --> 00:22:56,305 (辻本)《恭子ちゃん モテるのよ》→ 351 00:22:56,305 --> 00:23:02,311 《あれも あれも あれも 全部 恭子ちゃんへのプレゼント》→ 352 00:23:02,311 --> 00:23:09,318 《まあ 私も こう見えて 昔は グラビアやってたんだけどさ》 353 00:23:09,318 --> 00:23:11,320 《そうですか》 (辻本)《うん》 354 00:23:11,320 --> 00:23:15,324 《あの 恭子さんに誰か 特別な お客さんとかは?》 355 00:23:15,324 --> 00:23:18,327 《うん 3年くらい前は→ 356 00:23:18,327 --> 00:23:21,330 妻子持ちの男に 入れ揚げちゃってたんだけどね→ 357 00:23:21,330 --> 00:23:23,332 捨てられちゃって→ 358 00:23:23,332 --> 00:23:26,335 落ち込んでたところで 俊夫さんと出会ったのよ》 359 00:23:26,335 --> 00:23:31,340 《それからは俊夫さん一筋》 ≪(トイレの水を流す音) 360 00:23:31,340 --> 00:23:33,342 《警部 大丈夫ですか?》 361 00:23:33,342 --> 00:23:37,346 《あの離れに行ってから 何か おなかの調子が》 362 00:23:37,346 --> 00:23:40,349 《やはり 本当に たたりが》 《大丈夫ですか?》 363 00:23:40,349 --> 00:23:44,353 私も ちょうど ティータイムでございましたので。 364 00:23:44,353 --> 00:23:46,355 何 カクテルなんて作ってるのよ。 365 00:23:46,355 --> 00:23:49,358 いえ ロイヤルミルクティーを。 366 00:23:49,358 --> 00:23:51,294 普通に混ぜなさい 普通に。 367 00:23:51,294 --> 00:23:54,297 で 現場周辺で聞き込みをしていた捜査員が→ 368 00:23:54,297 --> 00:23:59,302 昨日 高原 恭子を見たという 目撃証言を拾ってきたの。 369 00:23:59,302 --> 00:24:02,305 《急に笑いだした》 《ええ》 370 00:24:02,305 --> 00:24:08,311 (恭子の笑い声) 371 00:24:08,311 --> 00:24:12,315 (店員)《急に 何かに取りつかれたみたいに》 372 00:24:12,315 --> 00:24:14,317 《何かに取りつかれた?》 《たたりか》 373 00:24:14,317 --> 00:24:20,323 ≪(男性の笑い声) 374 00:24:20,323 --> 00:24:22,325 《何だ?》 375 00:24:22,325 --> 00:24:24,327 《気味が悪いですね》 376 00:24:24,327 --> 00:24:28,331 《まずいよ 宝生君。 これは 本当に たたりじゃ》 377 00:24:28,331 --> 00:24:30,333 《たたりじゃって》 378 00:24:30,333 --> 00:24:32,333 ≪(物音) 379 00:24:34,337 --> 00:24:38,341 《なっ 何か 中で音がしたようだね 宝生君》 380 00:24:38,341 --> 00:24:42,345 《のっ のぞいてきたまえ》 《警部が見てくださいよ》 381 00:24:42,345 --> 00:24:46,345 《怖いのかい? こっ こんなものはね》 382 00:24:53,289 --> 00:24:55,291 《ギャー! こっ 子供》 383 00:24:55,291 --> 00:24:57,293 《子供?》 《紅子だよ 紅子》 384 00:24:57,293 --> 00:24:59,293 《えっ えっ?》 385 00:25:14,310 --> 00:25:17,313 《この家の子?》 386 00:25:17,313 --> 00:25:22,318 《そういえば 美奈子さんには 娘さんがいるって》 387 00:25:22,318 --> 00:25:24,320 《何をしてるんだい? そんな所で》 388 00:25:24,320 --> 00:25:27,323 (里香)《治療》 《治療?》 389 00:25:27,323 --> 00:25:29,325 ≪(猫の鳴き声) 390 00:25:29,325 --> 00:25:31,327 《あっ 黒猫》 391 00:25:31,327 --> 00:25:35,331 《わっ まさか》 392 00:25:35,331 --> 00:25:38,334 《そうだよ 紅子は飼っていた黒猫を殺され→ 393 00:25:38,334 --> 00:25:40,336 自殺した》 394 00:25:40,336 --> 00:25:43,339 《じゃ この猫は》 395 00:25:43,339 --> 00:25:47,343 《まずいよ 宝生君。 このままじゃわれわれにも たたりが》 396 00:25:47,343 --> 00:25:51,280 《えっ?》 《里香 こんな所にいたの?》 397 00:25:51,280 --> 00:25:54,283 《駄目 触っちゃ。 おじいちゃんが困るでしょ》 398 00:25:54,283 --> 00:25:57,286 《あっ あの こっ こっ この猫は?》 399 00:25:57,286 --> 00:26:01,290 《知りません。 昨日 見たときは いませんでした》 400 00:26:01,290 --> 00:26:03,292 《何で こんな日に黒猫が。 気味が悪い》 401 00:26:03,292 --> 00:26:09,298 《ニャーニャー 声がして 里香 ドアを開けて中に入ったの》 402 00:26:09,298 --> 00:26:12,301 《そしたら猫ちゃんの脚が》 403 00:26:12,301 --> 00:26:19,308 《んっ? あっ 血が出てる?》 404 00:26:19,308 --> 00:26:22,308 《ニャー!》 《あっ 警部》 405 00:26:24,313 --> 00:26:28,317 《今日は おしまい。 お疲れちゃん》 406 00:26:28,317 --> 00:26:31,320 《あっ》 407 00:26:31,320 --> 00:26:35,324 で 今日のところは 捜査終了になったってわけ。 408 00:26:35,324 --> 00:26:38,327 どう? 影山 紅バラの謎は解けそう? 409 00:26:38,327 --> 00:26:41,330 残念ながら 紅バラのたたりの真相には→ 410 00:26:41,330 --> 00:26:43,332 たどりつけそうもありません。 411 00:26:43,332 --> 00:26:45,334 やっぱり そうよね。 さすがのあなたでも→ 412 00:26:45,334 --> 00:26:48,337 たたりの謎までは 解決できるわけないわよね。 413 00:26:48,337 --> 00:26:50,356 あっ いいえ そういう意味ではなく→ 414 00:26:50,356 --> 00:26:52,274 今回の事件は たたりとは まったく→ 415 00:26:52,274 --> 00:26:54,276 無関係だという意味でございます。 416 00:26:54,276 --> 00:26:56,278 無関係? はい。 417 00:26:56,278 --> 00:27:00,282 高原 恭子さんは たたりなどで 死んだのではありません。 418 00:27:00,282 --> 00:27:03,285 これは 実在の人間が起こした→ 419 00:27:03,285 --> 00:27:06,288 殺人事件に すぎないのでございます。 420 00:27:06,288 --> 00:27:09,291 何ですって? じゃ 真犯人がいるってこと? 421 00:27:09,291 --> 00:27:11,293 もちろんでございます。 じゃ なぜ犯人は→ 422 00:27:11,293 --> 00:27:13,295 遺体をバラ園に運んだのよ。 423 00:27:13,295 --> 00:27:18,300 お嬢さま 注目すべきポイントは なぜ運んだのかではなく→ 424 00:27:18,300 --> 00:27:22,304 なぜバラという花を選んだのか ということでございます。 425 00:27:22,304 --> 00:27:25,307 選んだ? で どういうこと? 426 00:27:25,307 --> 00:27:28,310 ご覧ください お嬢さま。 この温室には→ 427 00:27:28,310 --> 00:27:31,313 バラ以外にも 様々な花が咲き誇っております。 428 00:27:31,313 --> 00:27:35,317 そんな中 なぜ犯人は他の花壇ではなく→ 429 00:27:35,317 --> 00:27:38,320 わざわざ 入り口から一番奥にある→ 430 00:27:38,320 --> 00:27:40,322 バラを 選んだのでございましょうか。 431 00:27:40,322 --> 00:27:44,326 確かに そうね。 他の花でもいいかも。 432 00:27:44,326 --> 00:27:48,330 そこには どうしても バラでなければならない理由が→ 433 00:27:48,330 --> 00:27:51,267 あったはずでございます。 それは→ 434 00:27:51,267 --> 00:27:55,271 紅バラのたたりで 捜査を混乱させるためじゃない? 435 00:27:55,271 --> 00:27:57,273 まともな犯人であれば→ 436 00:27:57,273 --> 00:27:59,275 たたりに 警察が振り回されるなどと→ 437 00:27:59,275 --> 00:28:02,278 考えるわけがございません。 悪かったわね 振り回されて。 438 00:28:02,278 --> 00:28:04,280 これは失礼。 439 00:28:04,280 --> 00:28:07,283 じゃ 何で犯人は バラに こだわったのよ。 440 00:28:07,283 --> 00:28:09,285 他の花にはなくて→ 441 00:28:09,285 --> 00:28:11,287 バラにだけあるものといえば 何でございましょう。 442 00:28:11,287 --> 00:28:16,287 他の花にはなくて バラにだけあるもの。 443 00:28:18,294 --> 00:28:20,296 分かった 情熱よ。 444 00:28:20,296 --> 00:28:25,301 熱く燃える情熱の赤 身も心も焼き尽くす愛の炎だわ。 445 00:28:25,301 --> 00:28:27,303 犯人は 高原 恭子を愛していた。 446 00:28:27,303 --> 00:28:31,307 だから その死体を バラのベッドに寝かせたのよ。 447 00:28:31,307 --> 00:28:34,310 ということは犯人は 高原 恭子を愛していた人物→ 448 00:28:34,310 --> 00:28:37,313 つまり 藤倉 俊夫ね。 449 00:28:37,313 --> 00:28:40,313 何てロマンチックな 殺人なのかしら。 450 00:28:43,319 --> 00:28:46,322 お嬢さま 私は情熱や愛などという→ 451 00:28:46,322 --> 00:28:48,324 観念的な話を しているのではなく→ 452 00:28:48,324 --> 00:28:51,260 もっと具体的な話を しているのでございます。 453 00:28:51,260 --> 00:28:53,262 何だ 違うの? 454 00:28:53,262 --> 00:28:57,266 せっかくロマンチックな事件に なりかけてたのに。 455 00:28:57,266 --> 00:28:59,266 じゃ いったい どういうことなのよ。 456 00:29:04,273 --> 00:29:07,276 失礼ながら お嬢さま。 457 00:29:07,276 --> 00:29:10,279 こんな簡単なことも お分かりにならないなんて→ 458 00:29:10,279 --> 00:29:13,282 それでも お嬢さまは プロの刑事でございますか? 459 00:29:13,282 --> 00:29:18,282 正直 ずぶの素人より レベルが低くていらっしゃいます。 460 00:29:24,293 --> 00:29:27,296 今回は素人以下発言か。 461 00:29:27,296 --> 00:29:29,298 さすがの私も学習しているのよ。 462 00:29:29,298 --> 00:29:32,301 あなたの たわ言ぐらい 軽く 受け流せばいいじゃないってね。 463 00:29:32,301 --> 00:29:34,303 でも いきなり ぶっ込んでくる。 464 00:29:34,303 --> 00:29:37,306 あの お怒りになられたのなら 申し訳ございません。 465 00:29:37,306 --> 00:29:41,310 ただ 私 正直者でございまして。 466 00:29:41,310 --> 00:29:43,312 正直に言っていいことと 悪いことがあるっつうの。 467 00:29:43,312 --> 00:29:45,314 確かにデリカシーのない 発言でありました。 468 00:29:45,314 --> 00:29:48,317 しかしながら お嬢さまの勘の鈍さは→ 469 00:29:48,317 --> 00:29:51,253 いかんともし難く。 いちいち かちんとくることを。 470 00:29:51,253 --> 00:29:53,255 もうクビ! ていうか あなたなんて→ 471 00:29:53,255 --> 00:29:55,257 バラのとげに刺されて 呪われちゃえばいいのよ。 472 00:29:55,257 --> 00:29:57,259 ほう。 473 00:29:57,259 --> 00:30:00,262 おっ? とげ? 474 00:30:00,262 --> 00:30:03,265 そうか あなたの言ってた バラにしかないものって→ 475 00:30:03,265 --> 00:30:06,268 とげでしょ。 さようでございます。 476 00:30:06,268 --> 00:30:08,270 まさに バラに とげがあったからこそ→ 477 00:30:08,270 --> 00:30:12,274 犯人は遺体を バラ園に運んだのでございます。 478 00:30:12,274 --> 00:30:15,277 どういうことよ。 479 00:30:15,277 --> 00:30:19,281 ここからは 少々長くなります故→ 480 00:30:19,281 --> 00:30:22,281 謎解きは ディナーの後にいたしましょう。 481 00:31:56,312 --> 00:31:58,314 そもそも今回の事件は たたりを連想させる→ 482 00:31:58,314 --> 00:32:00,316 不可解な現象が 偶然 重なったが故に→ 483 00:32:00,316 --> 00:32:03,319 捜査が混乱してしまったように 思われます。 484 00:32:03,319 --> 00:32:06,322 でも ホントに何だか不気味なことが→ 485 00:32:06,322 --> 00:32:09,325 たくさんあったのよ。 ええ しかし→ 486 00:32:09,325 --> 00:32:13,329 世の中の怪奇現象の ほとんどが そうであるように→ 487 00:32:13,329 --> 00:32:15,331 今回の事件にまつわる 不可解な現象も→ 488 00:32:15,331 --> 00:32:19,335 全て理屈で説明することが できるのでございます。 489 00:32:19,335 --> 00:32:21,337 それは無理よ。 だって 高原 恭子が→ 490 00:32:21,337 --> 00:32:25,341 突然 何かに取りつかれたように 商店街で笑い始めた理由なんて→ 491 00:32:25,341 --> 00:32:27,343 分かりっこないでしょ? 492 00:32:27,343 --> 00:32:31,347 あれは 私も思わず笑ってしまいました。 493 00:32:31,347 --> 00:32:37,353 (笑い声) 494 00:32:37,353 --> 00:32:41,357 あなただったの? ポスターを見て思わず。 495 00:32:41,357 --> 00:32:44,360 んっ? 普通のポスターじゃない。 496 00:32:44,360 --> 00:32:47,360 いいえ よくご覧ください。 497 00:32:50,366 --> 00:32:54,386 辻本 郁子? あっ。 498 00:32:54,386 --> 00:32:56,305 思い出しましたか お嬢さま。 499 00:32:56,305 --> 00:32:59,308 そうです スナックのママでございます。 500 00:32:59,308 --> 00:33:04,313 《私も こう見えて 昔は グラビアやってたんだけどさ》 501 00:33:04,313 --> 00:33:09,318 (恭子の笑い声) 502 00:33:09,318 --> 00:33:12,321 ママの自慢のグラビアの正体が これだった。 503 00:33:12,321 --> 00:33:15,324 だから彼女は 突然 笑ったのでございましょう。 504 00:33:15,324 --> 00:33:18,327 そういうこと。 でも待って→ 505 00:33:18,327 --> 00:33:22,331 じゃ あの物置小屋にいた 不気味な黒猫は? 506 00:33:22,331 --> 00:33:24,333 事件の日に 血を流した猫がいるなんて→ 507 00:33:24,333 --> 00:33:27,336 偶然にしては出来過ぎてる。 確かに偶然ではありません。 508 00:33:27,336 --> 00:33:32,341 あれは おそらく 高原 恭子さんの飼い猫でございましょう。 509 00:33:32,341 --> 00:33:35,344 はっ? ずいぶん勝手に決め付けるわね。 510 00:33:35,344 --> 00:33:37,346 高原 恭子が 猫を飼っていたかどうかなんか→ 511 00:33:37,346 --> 00:33:39,348 分からないでしょ? いいえ→ 512 00:33:39,348 --> 00:33:42,351 間違いなく 高原 恭子さんは 猫を飼っておりました。 513 00:33:42,351 --> 00:33:44,351 どうして そんなことが言えるのよ。 514 00:33:48,357 --> 00:33:52,361 これでございます。 これは離れにあったクッキー? 515 00:33:52,361 --> 00:33:56,361 はい しかし 単なるクッキーでは ございませんでした。 516 00:34:03,305 --> 00:34:05,307 あっ。 はい→ 517 00:34:05,307 --> 00:34:08,310 これは猫用の餌でございます。 518 00:34:08,310 --> 00:34:11,313 あの薬屋さんでも 売っておりました。 519 00:34:11,313 --> 00:34:15,317 じゃ 高原 恭子は 猫の餌を買いに行ってたのか。 520 00:34:15,317 --> 00:34:19,321 もしかして 風祭警部は。 521 00:34:19,321 --> 00:34:23,325 はい 警部の腹痛の原因は たたりではなく→ 522 00:34:23,325 --> 00:34:27,329 猫の餌を ばくばく 食べたからでございましょう。 523 00:34:27,329 --> 00:34:31,333 でも1カ月も一緒にいて 藤倉家の人間は→ 524 00:34:31,333 --> 00:34:35,337 高原 恭子が猫を飼っていることを知らなかったのかしら。 525 00:34:35,337 --> 00:34:38,340 恭子さんは 猫を隠していたのでございます。 526 00:34:38,340 --> 00:34:40,342 何で隠すの? 527 00:34:40,342 --> 00:34:42,344 藤倉 幸三郎が→ 528 00:34:42,344 --> 00:34:45,347 猫アレルギーだからでございます。猫アレルギー? 529 00:34:45,347 --> 00:34:47,349 覚えてらっしゃいますか お嬢さま。 530 00:34:47,349 --> 00:34:49,351 娘の里香ちゃんが 猫を触ったときの→ 531 00:34:49,351 --> 00:34:52,354 藤倉 美奈子の言葉を。 532 00:34:52,354 --> 00:34:57,292 《駄目 触っちゃ。 おじいちゃんが困るでしょ》 533 00:34:57,292 --> 00:34:59,294 あのとき 藤倉 美奈子は→ 534 00:34:59,294 --> 00:35:02,297 「おじいちゃんが困るでしょ」と 言っておりました。 535 00:35:02,297 --> 00:35:06,301 よく考えれば変ね 何が困るのかしら。 536 00:35:06,301 --> 00:35:10,305 そして 藤倉 幸三郎は こう言っておりました。 537 00:35:10,305 --> 00:35:15,310 《実は私 恭子さんが来てから あの離れに近づくと→ 538 00:35:15,310 --> 00:35:20,315 せきが出たり 頭が痛くなったり 具合が悪くなるんです》 539 00:35:20,315 --> 00:35:23,318 もしかして あれって たたりじゃなくて。 540 00:35:23,318 --> 00:35:26,321 猫アレルギーの症状で ございましょう。 541 00:35:26,321 --> 00:35:28,323 なるほどね。 542 00:35:28,323 --> 00:35:33,328 確かに いろんな不思議な現象は 理屈で説明できそうね。 543 00:35:33,328 --> 00:35:35,330 やっぱり たたりじゃないみたい。 544 00:35:35,330 --> 00:35:40,335 はい。 では ここで もう一度 最初の疑問に戻ります。 545 00:35:40,335 --> 00:35:45,340 なぜ犯人は恭子さんの遺体を バラ園に置いたのか。 546 00:35:45,340 --> 00:35:49,344 とげがあるからって ことだったでしょ? 547 00:35:49,344 --> 00:35:51,346 バラのとげが どうだっていうの? 548 00:35:51,346 --> 00:35:54,366 バラのとげが 今回 どのような役割を果たしたのか。 549 00:35:54,366 --> 00:35:57,286 それは 1つのことしかございません。 550 00:35:57,286 --> 00:35:59,288 果たした役割。 551 00:35:59,288 --> 00:36:03,292 バラのとげは 死体を発見した 男性たちの手の甲に→ 552 00:36:03,292 --> 00:36:06,295 引っかき傷を付けた。 553 00:36:06,295 --> 00:36:08,297 これだけでございます。 554 00:36:08,297 --> 00:36:11,300 じゃ 意味ないじゃない。 いいえ→ 555 00:36:11,300 --> 00:36:14,303 それこそが 犯人の 狙いだったものと思われます。 556 00:36:14,303 --> 00:36:18,307 どういうこと? 私が思いますに これは→ 557 00:36:18,307 --> 00:36:22,311 バラのとげを利用した 巧妙な カムフラージュでございます。 558 00:36:22,311 --> 00:36:24,313 カムフラージュ? おそらく犯人は→ 559 00:36:24,313 --> 00:36:27,316 手の甲に 人に知られたくない傷があった。 560 00:36:27,316 --> 00:36:32,321 そこで一計を案じ 死体を バラのベッドに運んだのです。 561 00:36:32,321 --> 00:36:36,325 そして翌朝 犯人は死体を動かすふりをして→ 562 00:36:36,325 --> 00:36:40,329 わざとバラのとげで 手の甲に傷を付けた。 563 00:36:40,329 --> 00:36:45,334 そうすれば もともとあった傷は 目立たなくなるからでございます。 564 00:36:45,334 --> 00:36:49,338 何なのよ その 犯人の手の甲に もともとあった→ 565 00:36:49,338 --> 00:36:52,341 人に知られたくない 傷っていうのは。 566 00:36:52,341 --> 00:36:54,309 当然のことながら→ 567 00:36:54,309 --> 00:36:57,179 それは バラのとげで できる傷と よく似た傷。 568 00:36:57,179 --> 00:37:00,182 そして その人物が 殺害現場にいたことを→ 569 00:37:00,182 --> 00:37:03,185 証明する傷でございます。 570 00:37:03,185 --> 00:37:07,189 殺害現場にいたことを 証明する傷? 571 00:37:07,189 --> 00:37:11,189 お嬢さまも今日 ご覧になっているはずですが。 572 00:37:13,195 --> 00:37:15,197 あっ。 573 00:37:15,197 --> 00:37:18,200 《ニャー!》 《あっ 警部》 574 00:37:18,200 --> 00:37:21,203 猫の引っかき傷? 575 00:37:21,203 --> 00:37:26,208 はい 犯人は 犯行時に 猫に引っかかれたのでございます。 576 00:37:26,208 --> 00:37:30,212 そのとき猫もケガをしたのね。 577 00:37:30,212 --> 00:37:33,215 男性たちは前日に マージャンをしておりました。 578 00:37:33,215 --> 00:37:37,219 翌日 手の甲に新たな傷が できていたとするなら→ 579 00:37:37,219 --> 00:37:40,222 怪しまれることは 間違いございません。 580 00:37:40,222 --> 00:37:42,224 それを隠すために→ 581 00:37:42,224 --> 00:37:45,227 バラのとげで似たような傷を つくったってことか。 582 00:37:45,227 --> 00:37:48,230 いい推理だわ 影山。 恐れ入ります。 583 00:37:48,230 --> 00:37:51,233 じゃ 容疑者は 手の甲に傷がある男3人。 584 00:37:51,233 --> 00:37:56,271 藤倉 幸三郎 藤倉 雅彦 寺岡 裕二ね。 585 00:37:56,271 --> 00:37:58,273 で 真犯人は誰なのよ。 586 00:37:58,273 --> 00:38:00,275 まず 藤倉 幸三郎は→ 587 00:38:00,275 --> 00:38:03,278 犯人ではございません。 何でよ。 588 00:38:03,278 --> 00:38:07,282 《バラが趣味で いつも 傷だらけになって手入れを》 589 00:38:07,282 --> 00:38:12,287 幸三郎はバラの栽培が趣味で 手には もともと傷がありました。 590 00:38:12,287 --> 00:38:15,290 だとすれば 猫に引っかかれたところで→ 591 00:38:15,290 --> 00:38:19,294 その傷は さほど 目立つことはなかったでしょう。 592 00:38:19,294 --> 00:38:25,300 そっか。 じゃ 犯人は 藤倉 雅彦か 寺岡 裕二ね。 593 00:38:25,300 --> 00:38:27,302 お分かりにならないので ございますか お嬢さま。 594 00:38:27,302 --> 00:38:30,305 う~ん 犯人は遺体の運搬に→ 595 00:38:30,305 --> 00:38:33,308 文代の車椅子を 使ったみたいだから→ 596 00:38:33,308 --> 00:38:35,310 体力差は意味を持たないし。 597 00:38:35,310 --> 00:38:39,314 そう まさしく その点でございます。 598 00:38:39,314 --> 00:38:43,318 犯人は本当に 藤倉 文代の車椅子を→ 599 00:38:43,318 --> 00:38:45,320 死体の運搬に 利用したのでございましょうか。 600 00:38:45,320 --> 00:38:48,323 それは間違いないわ。 美奈子の証言があるし→ 601 00:38:48,323 --> 00:38:51,326 あのお屋敷には 車椅子が 1つしかなかったんですもの。 602 00:38:51,326 --> 00:38:55,263 しかし 藤倉 美奈子は 真夜中にベランダから→ 603 00:38:55,263 --> 00:38:58,266 車椅子を見たと 言っているにすぎません。 604 00:38:58,266 --> 00:39:01,269 その証言には曖昧さが残ります。 605 00:39:01,269 --> 00:39:03,271 それは そうだけど。 606 00:39:03,271 --> 00:39:06,274 じゃ もしかして あなたまで 紅子の亡霊だったとでも言うの? 607 00:39:06,274 --> 00:39:11,279 いいえ 犯人は 藤倉 文代の車椅子ではなく→ 608 00:39:11,279 --> 00:39:14,282 別の物で死体を運搬したと 思うだけでございます。 609 00:39:14,282 --> 00:39:16,284 何を使ったのよ。 610 00:39:16,284 --> 00:39:22,290 その謎を解く鍵も また 例の黒猫なのでございます。 611 00:39:22,290 --> 00:39:25,293 里香ちゃんは このように証言しておりました。 612 00:39:25,293 --> 00:39:31,299 《ニャーニャー 声がして 里香 ドアを開けて中に入ったの》 613 00:39:31,299 --> 00:39:34,302 《そしたら猫ちゃんの脚が》 614 00:39:34,302 --> 00:39:36,304 つまり あの猫は→ 615 00:39:36,304 --> 00:39:40,308 密室状態で物置の中にいた ということでございます。 616 00:39:40,308 --> 00:39:42,310 そういえば そうね。 617 00:39:42,310 --> 00:39:46,314 では 黒猫は どうやって 物置小屋に入ったのでしょうか。 618 00:39:46,314 --> 00:39:48,316 それは こう 自分で引き戸をくいっと。 619 00:39:48,316 --> 00:39:50,318 いや そんなわけはございません。 あら 分からないわよ。 620 00:39:50,318 --> 00:39:53,321 賢い猫は自分の力で 器用に戸を開けたりするって→ 621 00:39:53,321 --> 00:39:56,321 よくテレビの暇ネタで 見掛けるじゃない。 622 00:39:58,260 --> 00:40:03,265 お嬢さま 黒猫は脚を ケガしていたのでございますよ。 623 00:40:03,265 --> 00:40:05,267 どうやって器用に 戸を開けたりできましょうか。 624 00:40:05,267 --> 00:40:07,269 そんなことも見抜けない ようだから お嬢さまは→ 625 00:40:07,269 --> 00:40:11,273 「それでもプロの刑事か この ど素人め」などと侮辱され→ 626 00:40:11,273 --> 00:40:13,275 不愉快な思いを。 私を不愉快にさせてるのは→ 627 00:40:13,275 --> 00:40:15,277 あなただっつうの。 それは ともかく。 628 00:40:15,277 --> 00:40:18,280 スルー。 猫は自分では物置には入りません。 629 00:40:18,280 --> 00:40:21,283 となると 誰かが閉じ込めたか→ 630 00:40:21,283 --> 00:40:26,288 あるいは 誰かが出入りする隙に 勝手に進入したか→ 631 00:40:26,288 --> 00:40:28,290 どちらかだと思われます。 632 00:40:28,290 --> 00:40:30,292 お仕置きで 閉じ込めるわけないわよね。 633 00:40:30,292 --> 00:40:35,297 私も そう思います。 つまり 誰かが物置を開けた際→ 634 00:40:35,297 --> 00:40:38,300 猫が自ら進入したのでございます。 635 00:40:38,300 --> 00:40:41,303 じゃ 夜中に物置を訪れた誰かがいた。 636 00:40:41,303 --> 00:40:44,306 それは犯人ということね。 637 00:40:44,306 --> 00:40:47,309 でも 犯人は なぜ物置に行ったのかしら。 638 00:40:47,309 --> 00:40:51,313 おそらく 物置には 死体運搬に利用できる ある物が→ 639 00:40:51,313 --> 00:40:53,315 存在していたものと思われます。 640 00:40:53,315 --> 00:40:55,250 犯人の狙いは それかと。 641 00:40:55,250 --> 00:40:58,250 えっ? そんな物あったかしら。 642 00:41:01,256 --> 00:41:05,260 ここには 里香ちゃんが 小さかったときに使っていた→ 643 00:41:05,260 --> 00:41:08,263 おもちゃやベビーベッドなどが 山積みになっております。 644 00:41:08,263 --> 00:41:11,266 それが どうしたの? ということは→ 645 00:41:11,266 --> 00:41:14,269 この奥には 必ず あれもあることかと。 646 00:41:14,269 --> 00:41:17,272 あれって? 647 00:41:17,272 --> 00:41:22,272 子供が小さいときに使っていた こちらでございます。 648 00:41:24,279 --> 00:41:26,281 ベビーカー? 649 00:41:26,281 --> 00:41:28,283 じゃ 美奈子が見たのは→ 650 00:41:28,283 --> 00:41:31,286 犯人がベビーカーに 高原 恭子を乗せて→ 651 00:41:31,286 --> 00:41:34,289 バラ園に運ぶ 場面だったってこと? 652 00:41:34,289 --> 00:41:41,296 はい。 暗闇の中 ましてや美奈子は普段 車椅子を見慣れています。 653 00:41:41,296 --> 00:41:43,298 ベビーカーのシルエットが 車椅子のように見えたのも→ 654 00:41:43,298 --> 00:41:45,300 無理はございません。 655 00:41:45,300 --> 00:41:48,303 なるほどね。 で 結局 犯人は誰なのよ。 656 00:41:48,303 --> 00:41:52,307 寺岡 裕二は 屋敷を訪れるのは久しぶりです。 657 00:41:52,307 --> 00:41:54,309 ベビーカーの保管場所を 知っていたとは思えません。 658 00:41:54,309 --> 00:41:58,313 ということは 犯人は 藤倉 雅彦ね。 659 00:41:58,313 --> 00:42:00,315 彼なら娘が使っていた→ 660 00:42:00,315 --> 00:42:02,317 ベビーカーの在りかを 知っていたはず。 661 00:42:02,317 --> 00:42:04,319 だから とっさに物置に取りに行った。 662 00:42:04,319 --> 00:42:07,322 おっしゃるとおりでございます お嬢さま。 663 00:42:07,322 --> 00:42:10,325 でも 殺害の動機は何だったのかしら。 664 00:42:10,325 --> 00:42:13,328 影山にも さすがに それは分からないわよね。 665 00:42:13,328 --> 00:42:16,331 大方の予想は ついているのでございますが→ 666 00:42:16,331 --> 00:42:21,331 やはり ここは 本人に 直接 確認するのが 確実かと。 667 00:42:25,340 --> 00:42:29,344 影山 出掛けるわよ。 668 00:42:29,344 --> 00:42:31,344 かしこまりました。 669 00:44:06,307 --> 00:44:08,309 雅彦さんは いらっしゃいますか?ええ。 670 00:44:08,309 --> 00:44:12,313 失礼いたします。 671 00:44:12,313 --> 00:44:15,313 えっ ちょっ ちょっとお待ちを。 672 00:44:21,322 --> 00:44:23,324 (雅彦)何だ 君たちは。 673 00:44:23,324 --> 00:44:25,326 (文代)何事です? 674 00:44:25,326 --> 00:44:28,329 藤倉 雅彦さん→ 675 00:44:28,329 --> 00:44:32,329 高原 恭子さんを殺害したのは あなたですね。 676 00:44:37,338 --> 00:44:39,340 何 言ってるんだ あんた。 677 00:44:39,340 --> 00:44:41,342 正直に おっしゃってください。 678 00:44:41,342 --> 00:44:45,346 あなたは殺害時 猫に手を引っかかれ→ 679 00:44:45,346 --> 00:44:47,348 その傷を隠すために→ 680 00:44:47,348 --> 00:44:50,348 恭子さんの遺体をバラ園に 置いたのではありませんか? 681 00:44:55,356 --> 00:44:57,358 (ため息) 682 00:44:57,358 --> 00:45:00,361 (雅彦)意味が分からないね。→ 683 00:45:00,361 --> 00:45:04,382 だいたい私に あの女を殺す理由なんてないだろ。 684 00:45:04,382 --> 00:45:07,302 理由はございます。 685 00:45:07,302 --> 00:45:09,304 あなたは3年ほど前→ 686 00:45:09,304 --> 00:45:12,307 妻子ある身でありながら 高原 恭子さんと→ 687 00:45:12,307 --> 00:45:14,307 交際していたのでは ありませんか? 688 00:45:19,314 --> 00:45:22,317 何を証拠に。 689 00:45:22,317 --> 00:45:26,321 バラでございます。 バラ? 690 00:45:26,321 --> 00:45:30,325 スカーレットナイトの 変種でございます。 691 00:45:30,325 --> 00:45:32,327 はっ? 692 00:45:32,327 --> 00:45:36,331 スカーレットナイトは バラの品種の1つです。 693 00:45:36,331 --> 00:45:39,334 黒と赤を混ぜたような→ 694 00:45:39,334 --> 00:45:42,337 ミステリアスな深い色彩で 知られるバラでございます。 695 00:45:42,337 --> 00:45:46,341 しかも藤倉家には そこに 白のグラデーションが入った→ 696 00:45:46,341 --> 00:45:49,344 変種が存在するのです。 697 00:45:49,344 --> 00:45:54,349 (文代)ええ 世界的にも珍しいバラとして→ 698 00:45:54,349 --> 00:45:57,352 代々 受け継がれています。 699 00:45:57,352 --> 00:46:01,356 あなたは3年ほど前 その スカーレットナイトの変種を→ 700 00:46:01,356 --> 00:46:04,325 摘み取ってしまったのでは ありませんか? 701 00:46:04,325 --> 00:46:07,195 (幸三郎)《前にも雅彦君が バラを摘み取ってしまい→ 702 00:46:07,195 --> 00:46:09,195 肝を冷やしたが》 703 00:46:11,199 --> 00:46:14,199 (文代)そのとおりですが なぜ それを? 704 00:46:16,204 --> 00:46:18,206 写真で見たのです。 705 00:46:18,206 --> 00:46:23,211 高原 恭子さんが勤めていた スナックに→ 706 00:46:23,211 --> 00:46:25,211 飾ってあった写真で。 707 00:46:35,223 --> 00:46:37,225 (美奈子)あなた どういうこと? 708 00:46:37,225 --> 00:46:40,225 兄さん ちゃんと答えてくれよ。 709 00:46:42,230 --> 00:46:46,234 あなたは かつて捨てた女性が 藤倉家に来たのを見て→ 710 00:46:46,234 --> 00:46:50,238 自分への復讐に来たのだと考えた。 711 00:46:50,238 --> 00:46:55,243 ただただ恐怖だけが膨らみ 疑心暗鬼の果てに彼女を。 712 00:46:55,243 --> 00:46:57,245 (猫の鳴き声) 713 00:46:57,245 --> 00:46:59,245 《うっ うっ》 714 00:47:04,252 --> 00:47:08,289 ただ それは あなたの勘違いでございます。 715 00:47:08,289 --> 00:47:11,292 高原 恭子さんは→ 716 00:47:11,292 --> 00:47:14,295 純粋に俊夫さんのことを 愛していたそうです。 717 00:47:14,295 --> 00:47:20,295 つまり あなたのことなど どうでもよかったのです。 718 00:47:23,304 --> 00:47:27,308 知らない 俺は知らない! 719 00:47:27,308 --> 00:47:29,308 お前。 720 00:47:33,314 --> 00:47:35,314 (文代)俊夫。 721 00:47:44,325 --> 00:47:50,331 雅彦さん どうやら 藤倉家に ふさわしくない人間は→ 722 00:47:50,331 --> 00:47:55,331 恭子さんではなく あなたの方だったようですね。 723 00:47:59,340 --> 00:48:06,340 私たちも そしてバラも 許しませんよ あなたを。 724 00:48:14,289 --> 00:48:16,289 うわっ! 725 00:48:19,294 --> 00:48:39,314 ♪♪~ 726 00:48:39,314 --> 00:48:42,314 ♪♪~ 727 00:48:44,319 --> 00:48:47,322 (並木)警部? おお 並木君→ 728 00:48:47,322 --> 00:48:49,324 今回の手柄は君に譲ろう。 729 00:48:49,324 --> 00:48:52,327 僕は ここで待ってるから 行ってきたまえ。 730 00:48:52,327 --> 00:48:54,327 (並木)はあ。 731 00:49:02,337 --> 00:49:04,337 あれは。 732 00:49:08,276 --> 00:49:12,280 ミス ショウレイ? 733 00:49:12,280 --> 00:49:16,280 いや まさか紅子。 734 00:49:23,291 --> 00:49:28,291 ハァ でも ホント バカよね 勘違いして殺すなんて。 735 00:49:31,299 --> 00:49:33,301 世の中の怪奇現象と 同じでございます。 736 00:49:33,301 --> 00:49:37,305 えっ? 人は 見えない何かに おびえ→ 737 00:49:37,305 --> 00:49:42,310 理解できないものを 自分勝手に解釈してしまう。 738 00:49:42,310 --> 00:49:44,312 人を疑うことは大切です。 739 00:49:44,312 --> 00:49:49,317 しかし 疑い続ければ 必ず怒りや憎しみが生まれる。 740 00:49:49,317 --> 00:49:54,322 素直に人を信じることも 大切だということを→ 741 00:49:54,322 --> 00:49:56,322 お忘れなきよう。 742 00:50:02,330 --> 00:50:06,267 でも あなたも ホントに いたずら好きよね。 743 00:50:06,267 --> 00:50:10,271 あんな亡霊みたいなの どうやって用意したのよ。 744 00:50:10,271 --> 00:50:13,274 あっ でも宝生グループの力を もってすれば→ 745 00:50:13,274 --> 00:50:16,277 できないことなんて ないんでしょうけどね。 746 00:50:16,277 --> 00:50:21,282 やはり お嬢さまにも 見えたのでございますか。 747 00:50:21,282 --> 00:50:24,285 えっ? 実は→ 748 00:50:24,285 --> 00:50:27,288 あれは 私が仕掛けたのではございません。 749 00:50:27,288 --> 00:50:30,291 じゃ 何? 何だっていうの? 750 00:50:30,291 --> 00:50:33,294 さあ。 さあって。 751 00:50:33,294 --> 00:50:40,301 お嬢さま やはり国立七不思議の謎は→ 752 00:50:40,301 --> 00:50:45,306 容易には 解けそうにございませんね。 753 00:50:45,306 --> 00:50:50,311 ちょっと 影山 ねえ 解いてよ 怖くて眠れないでしょ。 754 00:50:50,311 --> 00:50:52,313 ≪ねえ 影山。 755 00:50:52,313 --> 00:50:56,313 ねえ 影山。