1 00:00:12,888 --> 00:00:32,908 ♬~ 2 00:00:32,908 --> 00:00:45,254 ♬~ 3 00:00:45,254 --> 00:00:51,854 (犬の吠え声) 4 00:01:22,891 --> 00:01:24,891 ハァ 5 00:01:30,232 --> 00:01:33,832 ハァハァ ハァハァ 6 00:01:48,584 --> 00:01:50,584 誰だ!? 7 00:01:52,254 --> 00:01:54,854 (狂四郎) おぬしの相手なら外にいよう 8 00:02:21,216 --> 00:02:23,218 ≪(男)いたぞ! 9 00:02:23,218 --> 00:02:25,218 (源次郎)やっ! 10 00:02:29,224 --> 00:02:31,224 (斬る音) (男)ああっ 11 00:02:36,231 --> 00:02:38,233 甚内 斬り捨てい 12 00:02:38,233 --> 00:02:48,243 ♬~ 13 00:02:48,243 --> 00:03:04,927 ♬~ 14 00:03:04,927 --> 00:03:06,927 (斬る音) うっ! 15 00:03:36,892 --> 00:03:42,564 ♬~ 16 00:03:42,564 --> 00:03:45,233 何者だ? 名を聞きたければ 17 00:03:45,233 --> 00:03:48,570 そちらから名乗るのが礼儀だろう (瀬左衛門)何!? 18 00:03:48,570 --> 00:04:07,255 ♬~ 19 00:04:07,255 --> 00:04:10,525 待てい! (瀬左衛門)よい 引け 20 00:04:10,525 --> 00:04:30,212 ♬~ 21 00:06:37,205 --> 00:06:39,805 (犬の吠え声) 22 00:06:48,884 --> 00:06:50,884 今戻った 23 00:07:18,180 --> 00:07:21,850 おかえりなさいませ 24 00:07:21,850 --> 00:07:23,850 茶を頼もうか 25 00:07:25,520 --> 00:07:28,857 お茶は切らしております 26 00:07:28,857 --> 00:07:31,526 湯なら勝手元に沸いております 27 00:07:31,526 --> 00:07:33,526 そうか 28 00:07:42,871 --> 00:07:46,875 それはなりませぬ (甚内)うん? 29 00:07:46,875 --> 00:07:52,214 それは 長八郎どのが使用なされた品です 30 00:07:52,214 --> 00:07:57,552 あなたが手を触れては なりますまい 31 00:07:57,552 --> 00:08:03,825 お前さまの手は 血で汚れていなさる 32 00:08:03,825 --> 00:08:07,162 えっ? なんと申した? 33 00:08:07,162 --> 00:08:11,166 また人をお斬りなされたな 34 00:08:11,166 --> 00:08:14,836 血のにおいがする 35 00:08:14,836 --> 00:08:19,507 使命じゃ 余儀ないことであった 36 00:08:19,507 --> 00:08:25,107 お前さま なんと呼ばれているかご存じか? 37 00:08:27,182 --> 00:08:29,182 人斬り甚内 38 00:08:32,854 --> 00:08:37,192 江戸へ出てきて3年 相も変わらず 39 00:08:37,192 --> 00:08:42,864 それしか能のないお方じゃ お前さまは フフフッ 40 00:08:42,864 --> 00:08:46,868 主命には背けぬ (杉江)さよう フフフッ 41 00:08:46,868 --> 00:08:50,872 わたくしを抱いたのも 主命でございましたな 42 00:08:50,872 --> 00:08:52,874 (甚内)黙れ! 43 00:08:52,874 --> 00:08:56,544 お怒りなさりましたか ならば おぶちなさりませ 44 00:08:56,544 --> 00:08:59,547 それとも お斬りなさいますか? 45 00:08:59,547 --> 00:09:02,484 命令がなければ 何もできませぬのか? 46 00:09:02,484 --> 00:09:14,162 ♬~ 47 00:09:14,162 --> 00:09:16,162 ≪(瀬左衛門)御免! 48 00:09:20,502 --> 00:09:22,502 甚内 一大事じゃ 49 00:09:33,181 --> 00:09:39,521 先ほど おぬしが斬った田所源次郎 密書を持っておらなんだぞ 50 00:09:39,521 --> 00:09:42,524 懐にあったのは偽物じゃ 51 00:09:42,524 --> 00:09:46,824 もう一度 荷物を改めさせたが 見当たらなんだ 52 00:09:49,864 --> 00:09:52,200 おぬし あの男を覚えておろう 53 00:09:52,200 --> 00:09:55,200 絵馬堂から出てきおった 異様な素浪人じゃ➡ 54 00:09:57,539 --> 00:10:01,876 源次郎め あの素浪人に 密書を託したに相違ない 55 00:10:01,876 --> 00:10:13,822 ♬~ 56 00:10:13,822 --> 00:10:17,826 (瀬左衛門) 甚内 これ 聞いておるのか 57 00:10:17,826 --> 00:10:20,495 はっ 58 00:10:20,495 --> 00:10:23,164 わしが こうして おぬしの所に来たのも 59 00:10:23,164 --> 00:10:28,169 きゃつが ほかならぬ眠狂四郎だからじゃ 60 00:10:28,169 --> 00:10:30,469 眠狂四郎… 61 00:10:33,174 --> 00:10:35,176 さよう 62 00:10:35,176 --> 00:10:38,847 ただの食い詰め浪人なら おぬしの手は借りぬわ 63 00:10:38,847 --> 00:10:41,850 眠狂四郎… 64 00:10:41,850 --> 00:10:44,519 ところが きゃつは 円月殺法とかいう邪剣を振るい 65 00:10:44,519 --> 00:10:48,523 すでに無数の人命を絶っておる 66 00:10:48,523 --> 00:10:51,192 円月殺法… 67 00:10:51,192 --> 00:10:55,864 よいか 甚内 おぬしの手で眠狂四郎を倒すのだ 68 00:10:55,864 --> 00:10:58,533 そして 密書を取り戻せ 69 00:10:58,533 --> 00:11:01,833 しくじってはならぬ よいな?➡ 70 00:11:05,140 --> 00:11:10,812 ああ わしのことなら構わんでくれ 71 00:11:10,812 --> 00:11:14,482 フフッ 甚内どのは果報者だのう 72 00:11:14,482 --> 00:11:17,485 このような お美しいお内儀がおられて 73 00:11:17,485 --> 00:11:20,155 ハハハハッ… 74 00:11:20,155 --> 00:11:23,755 では 頼んだぞ (甚内)はっ 75 00:11:25,493 --> 00:11:27,829 あなた お見送りは? 76 00:11:27,829 --> 00:11:30,832 (瀬左衛門) よいよい 堅苦しいのは好かんでな 77 00:11:30,832 --> 00:11:32,832 (障子が閉まる音) 78 00:11:39,507 --> 00:11:41,507 ハァ 79 00:11:43,178 --> 00:11:45,178 ハァッ… 80 00:11:56,191 --> 00:11:58,191 また近いうちにな 81 00:12:13,208 --> 00:12:18,213 ♬~ 82 00:12:18,213 --> 00:12:20,215 血がにおう 83 00:12:20,215 --> 00:12:30,225 ♬~ 84 00:12:30,225 --> 00:12:44,525 ♬~ 85 00:12:51,913 --> 00:12:55,250 ねえ 旦那 もうやめようよ この薄ら寒いのに 86 00:12:55,250 --> 00:12:57,850 魚はみんな 布団かぶって寝ちゃってるよ 87 00:13:00,255 --> 00:13:02,190 金八 うん? 88 00:13:02,190 --> 00:13:04,190 下がってろ 89 00:13:13,868 --> 00:13:16,168 (男)それ! ああっ! 90 00:13:23,878 --> 00:13:25,878 (男)たあっ! 91 00:13:35,223 --> 00:13:37,223 (男)やっ! 92 00:13:43,898 --> 00:13:45,898 (斬る音) 93 00:13:47,235 --> 00:13:49,235 (斬る音) (男)うっ! 94 00:13:50,238 --> 00:14:00,248 ♬~ 95 00:14:00,248 --> 00:14:13,861 ♬~ 96 00:14:13,861 --> 00:14:18,866 待て なぜ俺を狙う? 97 00:14:18,866 --> 00:14:23,166 (甚内)命令じゃ げせぬ 訳を聞こう 98 00:14:27,208 --> 00:14:33,548 おぬしを殺せと命令を受けた わしにとって それだけで十分だ 99 00:14:33,548 --> 00:14:36,548 ならば なぜ背を向ける? 100 00:14:37,552 --> 00:14:41,889 日を改めることにいたす 101 00:14:41,889 --> 00:14:44,225 居合で討つ機を逃したか 102 00:14:44,225 --> 00:14:48,896 フッ そうではござらぬ 103 00:14:48,896 --> 00:14:53,568 今日は もう 血のにおいを嗅ぎとうござらぬ 104 00:14:53,568 --> 00:14:58,868 ♬~ 105 00:15:00,575 --> 00:15:04,846 こら! 何をきざなこと言うとるか ほんとに 106 00:15:04,846 --> 00:15:07,515 それにしても気味の悪い野郎だ 107 00:15:07,515 --> 00:15:10,852 金八 うん? 108 00:15:10,852 --> 00:15:15,189 あの男には間違っても手を出すな 109 00:15:15,189 --> 00:15:18,192 奴の刀が冴え走ったときは 110 00:15:18,192 --> 00:15:21,529 お前の胴が2つに分かれている 111 00:15:21,529 --> 00:15:24,198 あ~ うんうん うん 112 00:15:24,198 --> 00:15:28,202 それより 頼みがある いいよ 113 00:15:28,202 --> 00:15:31,202 品川へ行ってくれ うん 114 00:19:37,218 --> 00:19:39,518 (からすの鳴き声) 115 00:19:42,557 --> 00:19:47,157 (からすの鳴き声) 116 00:20:07,848 --> 00:20:16,190 ♬~ 117 00:20:16,190 --> 00:20:18,859 ≪(杉江)あっ んっ 118 00:20:18,859 --> 00:20:28,869 ♬~ 119 00:20:28,869 --> 00:20:39,880 ♬~ 120 00:20:39,880 --> 00:20:45,553 杉江 楽しかったぞ 121 00:20:45,553 --> 00:20:48,222 もう お帰りになられますのか 122 00:20:48,222 --> 00:20:53,494 フフッ 長八郎どのと 同じ目に遭うのは ごめんだからな 123 00:20:53,494 --> 00:21:00,167 フフフッ 阿波藩お側用人ともあろうお方が 124 00:21:00,167 --> 00:21:04,171 何を気の弱いことを フフフフッ 125 00:21:04,171 --> 00:21:08,471 だからと申して 甚内めに知れたらと思うと… 126 00:21:10,845 --> 00:21:16,183 もう知っておるかもしれませぬぞ 127 00:21:16,183 --> 00:21:21,183 (笑い声) 128 00:21:24,859 --> 00:21:28,195 恐れることはありませぬ 129 00:21:28,195 --> 00:21:32,199 あの方は なんにもできません 130 00:21:32,199 --> 00:21:38,873 現に奈良池さまのご命令には 犬のように従順ではありませんか 131 00:21:38,873 --> 00:21:41,876 (笑い声) 132 00:21:41,876 --> 00:21:44,545 そうであったな 133 00:21:44,545 --> 00:21:47,882 気が付いてはおらんのか? 134 00:21:47,882 --> 00:21:54,488 そんなにご心配でしたら 甚内をお斬りになっては? 135 00:21:54,488 --> 00:21:58,492 フフッ ばかな 136 00:21:58,492 --> 00:22:03,831 切腹しろと命ずれば するかもしれません 137 00:22:03,831 --> 00:22:08,502 いや あれはあれで必要な男だ 138 00:22:08,502 --> 00:22:12,506 奴ほど腕の立つ男はおらん 139 00:22:12,506 --> 00:22:14,508 だいいち 密書を取り戻してもらわねば 140 00:22:14,508 --> 00:22:17,178 このわしが困る 141 00:22:17,178 --> 00:22:23,517 あの密書が国元に届けば 間違いなく わしは切腹じゃ 142 00:22:23,517 --> 00:22:29,523 そのためにも 甚内には 働いてもらわねばならんのだ 143 00:22:29,523 --> 00:22:31,823 フフフフッ… 144 00:22:38,199 --> 00:22:40,868 (女性)よいしょ➡ 145 00:22:40,868 --> 00:22:45,206 よいしょ よいしょ➡ 146 00:22:45,206 --> 00:22:48,542 いや! んっ! (金八)ねえ ねえ 147 00:22:48,542 --> 00:22:51,212 だいぶん丸くて形よくなった 今晩辺り どうだ? おい 148 00:22:51,212 --> 00:22:53,814 金八っつぁんなんか 100両積まれてもお断りだね 149 00:22:53,814 --> 00:22:56,484 より好みしてるとな ほんとに 男寄りつかなくなっちゃうぞ 150 00:22:56,484 --> 00:23:00,154 おあいにくさま これでも 言い寄る男は星の数ですよ~だ 151 00:23:00,154 --> 00:23:02,156 ハハハハッ 何言ってやがんだい 152 00:23:02,156 --> 00:23:04,492 こんなんばっかりだろう …ばっかりだね 153 00:23:04,492 --> 00:23:06,492 ハハッ (女性)べ~だ 154 00:23:09,163 --> 00:23:12,833 あっ 旦那 ねえ あったあった 155 00:23:12,833 --> 00:23:17,838 縁の下でさ 危うく ねずみの巣になりかかってたよ 156 00:23:17,838 --> 00:23:22,510 金八 下へ行ってろ うん でもさ それ いったい… 157 00:23:22,510 --> 00:23:25,846 黙って言うことを聞け 158 00:23:25,846 --> 00:23:28,182 おい うん? 159 00:23:28,182 --> 00:23:32,520 おぬしの欲しいものは ここにある 160 00:23:32,520 --> 00:23:35,523 誰かいるの? 161 00:23:35,523 --> 00:23:38,192 よせ 金八 162 00:23:38,192 --> 00:23:41,492 それ以上近づくと 首が飛ぶぞ 163 00:23:45,199 --> 00:23:47,499 あの気味の悪いの来てんの? 164 00:23:48,536 --> 00:24:08,489 ♬~ 165 00:24:08,489 --> 00:24:18,165 ♬~ 166 00:24:18,165 --> 00:24:21,765 旦那… 下に行ってろ 167 00:24:24,839 --> 00:24:26,839 (障子が閉まる音) 168 00:24:33,180 --> 00:24:38,519 金八っつぁん どうしたの? (金八)なんでもねえよ 169 00:24:38,519 --> 00:24:40,521 ちょっと 駄目だって (女性)なぜ? 170 00:24:40,521 --> 00:24:42,857 上がっちゃ駄目だって 171 00:24:42,857 --> 00:24:48,863 ♬~ 172 00:24:48,863 --> 00:24:54,763 紙切れ1枚に命を投げ出すとは 愚かなことだ 173 00:24:57,805 --> 00:25:00,140 (甚内)主命じゃ➡ 174 00:25:00,140 --> 00:25:03,811 それに 今夜のわしは血に飢えておる 175 00:25:03,811 --> 00:25:22,411 ♬~ 176 00:25:23,497 --> 00:25:25,497 (金八)フゥ 177 00:25:28,502 --> 00:25:30,502 フゥ 178 00:25:49,857 --> 00:25:58,198 (荒い息遣い) 179 00:25:58,198 --> 00:26:02,870 (甚内)ハァハァ ハァ 180 00:26:02,870 --> 00:26:22,890 ♬~ 181 00:26:22,890 --> 00:26:39,907 ♬~ 182 00:26:39,907 --> 00:26:43,243 旦那 だ… 183 00:26:43,243 --> 00:26:48,916 ♬~ 184 00:26:48,916 --> 00:26:50,918 旦那 185 00:26:50,918 --> 00:26:58,118 ♬~ 186 00:27:01,195 --> 00:27:04,495 だ~ もう 旦那 帰ったんだったら 呼んでくれたっていいじゃないよ 187 00:27:14,875 --> 00:27:19,875 眠狂四郎 恐ろしい奴 188 00:27:27,888 --> 00:27:31,225 いつまで このような所に 座っているのですか? 189 00:27:31,225 --> 00:27:34,561 ああ すまん 190 00:27:34,561 --> 00:27:40,161 とても わしの 手に負える相手ではなかった 191 00:27:42,903 --> 00:27:47,241 眠狂四郎と申す浪人者 192 00:27:47,241 --> 00:27:49,910 あなたの腕をもってしても 193 00:27:49,910 --> 00:27:55,510 討ち取りがたい使い手なのですか (甚内)うむ 194 00:27:57,851 --> 00:28:00,187 世の中 広いもんだ 195 00:28:00,187 --> 00:28:05,192 ♬~ 196 00:28:05,192 --> 00:28:07,528 眠狂四郎 197 00:28:07,528 --> 00:28:23,877 ♬~ 198 00:28:23,877 --> 00:28:28,549 杉江どのが密書を取り戻すと? 199 00:28:28,549 --> 00:28:30,549 (杉江)はい 200 00:28:34,555 --> 00:28:39,893 (瀬左衛門)しかし 甚内ほどの者が てこずる相手ではないか 201 00:28:39,893 --> 00:28:43,230 杉江どのに もしものことがあっては… 202 00:28:43,230 --> 00:28:47,901 フフフフッ… 203 00:28:47,901 --> 00:28:52,239 眠狂四郎とて 鬼神ではございますまい 204 00:28:52,239 --> 00:28:57,139 裸になれば ただの男でございます フフッ➡ 205 00:28:58,846 --> 00:29:01,849 ご安心くださいまし 206 00:29:01,849 --> 00:29:08,149 女の武器を使うのは最後の手段 わたくしに よい手がございます 207 00:29:10,190 --> 00:29:13,861 そんな ご心配くださいますな 208 00:29:13,861 --> 00:29:21,201 必ずや密書は首尾よく 取り返してまいりましょう 209 00:29:21,201 --> 00:29:24,872 致し方あるまいな 210 00:29:24,872 --> 00:29:28,872 フフフフッ…➡ 211 00:29:31,211 --> 00:29:34,548 そこで 212 00:29:34,548 --> 00:29:38,552 お願いがございます 213 00:29:38,552 --> 00:29:42,556 首尾よく密書を 取り返してきたあかつきには 214 00:29:42,556 --> 00:29:47,561 わたくしを甚内より 自由にさせてくださいまし 215 00:29:47,561 --> 00:29:51,899 ハァ 甚内を殺せと申すのか 216 00:29:51,899 --> 00:29:56,170 何かと役に立つ男だが… 217 00:29:56,170 --> 00:30:02,470 少しばかり知りすぎているのでは ありませぬか? 218 00:30:04,511 --> 00:30:08,182 うむ そうかもしれん 219 00:30:08,182 --> 00:30:12,186 いつ寝首をかかれるとも限らん 220 00:30:12,186 --> 00:30:15,856 腕の立つ男なら ほかに いくらもおろう 221 00:30:15,856 --> 00:30:22,456 (2人の笑い声) 222 00:35:27,200 --> 00:35:30,871 どうぞ こっちです ここです 旦那 223 00:35:30,871 --> 00:35:33,874 あっ まだ寝てらあ あの お客さん 杉江っていう 224 00:35:33,874 --> 00:35:37,174 ものすごい べっぴんさん ねっ? あっ どうぞ 225 00:35:41,882 --> 00:35:43,782 どうぞ ごゆっくり 226 00:35:58,164 --> 00:36:05,464 阿波藩 家中 野々呂甚内の妻 杉江と申します 227 00:36:10,176 --> 00:36:17,517 あなたさまの お命を狙っております居合の者 228 00:36:17,517 --> 00:36:22,522 そう申し上げれば お分かりいただけると存じます 229 00:36:22,522 --> 00:36:28,528 まだ名乗り合ったことはないが よく知っている 230 00:36:28,528 --> 00:36:31,197 お願いでございます 231 00:36:31,197 --> 00:36:33,199 あなたさま以外に 232 00:36:33,199 --> 00:36:37,203 甚内を斬ることのできる者は ございませぬ 233 00:36:37,203 --> 00:36:41,203 何とぞ おしとめくださいませ 234 00:36:42,475 --> 00:36:47,480 野々呂甚内は わたくしの先夫 235 00:36:47,480 --> 00:36:52,485 寺島長八郎の敵なのでございます 236 00:36:52,485 --> 00:36:54,485 訳を聞こう 237 00:36:56,489 --> 00:37:01,494 夫は 甚内と 238 00:37:01,494 --> 00:37:07,167 家老の戸田采女正にだまされ 殺されました 239 00:37:07,167 --> 00:37:11,171 城代家老の采女正か 240 00:37:11,171 --> 00:37:14,507 はい 241 00:37:14,507 --> 00:37:20,180 卑怯にも甚内は わたくしに不倫の気持ちを抱き 242 00:37:20,180 --> 00:37:23,183 夫を抜き差しならぬ所に 追い込みました 243 00:37:23,183 --> 00:37:27,187 剣では甚内にかないませぬ 244 00:37:27,187 --> 00:37:30,523 夫は… 245 00:37:30,523 --> 00:37:35,523 無念のうちに息を引き取りました 246 00:37:39,199 --> 00:37:44,471 わたくしも 夫と共に死のうと覚悟はしました 247 00:37:44,471 --> 00:37:50,143 けれども それでは 死んだ夫に申し訳が立たぬ 248 00:37:50,143 --> 00:37:53,813 せめて… 249 00:37:53,813 --> 00:37:57,150 せめて ひと太刀でも 250 00:37:57,150 --> 00:38:01,488 甚内に夫の無念を晴らそう 251 00:38:01,488 --> 00:38:07,488 その一念で 今日まで耐え忍んでまいりました 252 00:38:09,496 --> 00:38:15,835 でも 女の身では 253 00:38:15,835 --> 00:38:19,835 到底かなうような相手では ございません 254 00:38:22,175 --> 00:38:25,178 (泣き声) 255 00:38:25,178 --> 00:38:31,518 ♬~ 256 00:38:31,518 --> 00:38:33,518 狂四郎さま 257 00:38:34,521 --> 00:38:40,821 連れ合いの命と引き換えに そなたの操を頂こう 258 00:38:43,797 --> 00:38:45,797 やむをえませぬ 259 00:38:49,135 --> 00:38:51,471 そこに寝てもらおう 260 00:38:51,471 --> 00:38:59,145 ♬~ 261 00:38:59,145 --> 00:39:02,816 私は 浮世には無縁の無頼 262 00:39:02,816 --> 00:39:06,416 操を頂戴するに場所を選ばん 263 00:39:52,465 --> 00:39:55,802 偽りのないところを 聞かせてもらおう 264 00:39:55,802 --> 00:39:59,139 わたくしは何も… 265 00:39:59,139 --> 00:40:02,475 言わねば腹まで断ち割るまで 266 00:40:02,475 --> 00:40:06,475 やめて! 正直に言うか? 267 00:40:08,481 --> 00:40:10,481 はい 268 00:40:13,820 --> 00:40:18,820 ≪(足音) 269 00:40:23,163 --> 00:40:28,501 (瀬左衛門)甚内 そのほう わしの言いつけが聞けんのか➡ 270 00:40:28,501 --> 00:40:32,172 申したはずだぞ 眠狂四郎を倒せと➡ 271 00:40:32,172 --> 00:40:36,472 いったい何をしておるのだ のんきに昼寝などしおって➡ 272 00:40:39,179 --> 00:40:42,779 わしの命令が聞けぬとあらば この場で切腹を申し渡すぞ 273 00:40:45,185 --> 00:40:48,188 なんだ その顔は 274 00:40:48,188 --> 00:40:50,523 国元では ご城代が主人であったろうが 275 00:40:50,523 --> 00:40:53,193 この江戸では わしが貴様の主人だ 276 00:40:53,193 --> 00:40:55,195 貴様 主人の命令をなんと心得ておる? 277 00:40:55,195 --> 00:40:58,865 (甚内)今一刻のご猶予を (瀬左衛門)ならぬ 278 00:40:58,865 --> 00:41:02,535 即刻 狂四郎の首と 密書を持ってまいるか 279 00:41:02,535 --> 00:41:05,535 さもなくば腹を切れ 280 00:41:08,208 --> 00:41:10,208 はっ 281 00:41:12,879 --> 00:41:20,220 ♬~ 282 00:41:20,220 --> 00:41:25,520 狂四郎さまの所持なさる 密書が欲しい 283 00:41:27,560 --> 00:41:30,230 それがあれば 284 00:41:30,230 --> 00:41:34,230 わたくしは あの男から 逃れることができるのです 285 00:41:36,569 --> 00:41:42,169 男から男へ流されるのは もうたくさん 286 00:41:45,511 --> 00:41:49,182 狂四郎さま 287 00:41:49,182 --> 00:41:52,185 わたくしをお救いくださいまし 288 00:41:52,185 --> 00:42:11,871 ♬~ 289 00:42:11,871 --> 00:42:16,876 表を着飾っても 心に絹は着せられぬな 290 00:42:16,876 --> 00:42:26,176 ♬~ 291 00:42:27,887 --> 00:42:29,887 やっ! あっ 292 00:42:30,890 --> 00:42:35,228 女の恨みなら 掃いて捨てるほど持っている 293 00:42:35,228 --> 00:42:39,565 いまさら1つ増えても 自慢にもならぬわ 294 00:42:39,565 --> 00:42:41,901 あっ! 295 00:42:41,901 --> 00:42:46,801 ハァハァ ハァハァ 296 00:43:06,526 --> 00:43:08,528 主命か 297 00:43:08,528 --> 00:43:17,203 ♬~ 298 00:43:17,203 --> 00:43:21,207 (長八郎)《杉江 待て!》 (采女正)《長八郎 ま… 待てい》 299 00:43:21,207 --> 00:43:25,211 《甚内 主命じゃ 長八郎を斬り捨てい!》 300 00:43:25,211 --> 00:43:32,885 ♬~ 301 00:43:32,885 --> 00:43:35,888 (長八郎)《甚内 どけい!》 302 00:43:35,888 --> 00:43:38,224 《(斬る音)》 (長八郎)《ああっ! 杉江》 303 00:43:38,224 --> 00:43:45,164 ♬~ 304 00:43:45,164 --> 00:43:48,501 (甚内)<城代家老 戸田采女正と 杉江どのの密会場所へ➡ 305 00:43:48,501 --> 00:43:52,101 帰ってきたばかりに 長八郎を斬った> 306 00:43:55,508 --> 00:43:59,508 主命なら致し方あるまい 307 00:44:00,513 --> 00:44:04,113 (甚内) <甚内 眠狂四郎を斬れるか?> 308 00:44:06,519 --> 00:44:09,522 なんとしても斬らねばならぬ 309 00:44:09,522 --> 00:44:11,858 それが わしの仕事 310 00:44:11,858 --> 00:44:30,158 ♬~ 311 00:44:34,213 --> 00:44:37,216 お立ち合い願おう 312 00:44:37,216 --> 00:44:40,553 主命か? さよう 313 00:44:40,553 --> 00:44:45,158 ならば断る 臆したか 狂四郎 314 00:44:45,158 --> 00:44:48,828 おぬしの斬るべき相手は ほかにおろう 315 00:44:48,828 --> 00:44:51,831 わしは おぬしを斬れと命令された 316 00:44:51,831 --> 00:44:54,500 わしも おぬしを斬れと頼まれた 317 00:44:54,500 --> 00:44:58,500 何? おぬしの妻女にな 318 00:44:59,505 --> 00:45:02,842 杉江どのが? 319 00:45:02,842 --> 00:45:08,514 だが 人の恨みを引き受けるほど 酔狂ではない 320 00:45:08,514 --> 00:45:16,114 (鳥の鳴き声) 321 00:49:30,209 --> 00:49:33,813 どうなるのだ わしは 322 00:49:33,813 --> 00:49:36,813 密書が手に入らねば 腹を切らねばならん 323 00:49:41,487 --> 00:49:46,158 わたくしは腹を決めました 324 00:49:46,158 --> 00:49:50,162 このような所からは もう出てゆきます 325 00:49:50,162 --> 00:49:55,462 耐えて暮らすことなど もう飽き飽きいたしました 326 00:49:58,838 --> 00:50:01,173 奈良池さま 327 00:50:01,173 --> 00:50:06,178 腹を召すなど いつでもかのうこと 328 00:50:06,178 --> 00:50:12,852 この屋敷には うなるほどの金子があるはず 329 00:50:12,852 --> 00:50:15,187 何? 330 00:50:15,187 --> 00:50:21,187 お側用人の地位を利用しての蓄財 数限りないはず 331 00:50:23,195 --> 00:50:29,201 それを持って わたくしと ここを 出る勇気はございませぬか? 332 00:50:29,201 --> 00:50:32,471 ここを出る? 333 00:50:32,471 --> 00:50:34,473 はい 334 00:50:34,473 --> 00:50:41,480 わたくしと 楽しい夢のような 暮らしをするのです 335 00:50:41,480 --> 00:50:47,820 ♬~ 336 00:50:47,820 --> 00:50:51,824 ああ そうしよう 337 00:50:51,824 --> 00:50:56,824 よし そなたと一緒にまいるぞ 338 00:50:58,497 --> 00:51:00,497 ≪(甚内)奈良池さま 339 00:51:14,180 --> 00:51:19,480 甚内 何しにまいった? 狂四郎の首は いかがした? 340 00:51:20,853 --> 00:51:22,855 (甚内)杉江どの 341 00:51:22,855 --> 00:51:26,455 狂四郎のもとに まいられたそうですな 342 00:51:30,863 --> 00:51:32,763 わたくしは… 343 00:51:35,468 --> 00:51:38,471 奈良池さまが 無理やりに わたくしを… 344 00:51:38,471 --> 00:51:41,474 (瀬左衛門)何? (杉江)そうです➡ 345 00:51:41,474 --> 00:51:44,143 力ずくで わたくしを手ごめにし 346 00:51:44,143 --> 00:51:47,480 狂四郎には 力よりも色気のほうがよいと 347 00:51:47,480 --> 00:51:50,816 何を言う 甚内を殺して 自由になりたいと言うたは 348 00:51:50,816 --> 00:51:53,486 そのほうではないか (杉江)いいえ 349 00:51:53,486 --> 00:51:56,155 奈良池さまこそ 夫の禄を増やすからと 350 00:51:56,155 --> 00:51:58,491 わたくしに近づいてきたのです 351 00:51:58,491 --> 00:52:02,161 もうよい 352 00:52:02,161 --> 00:52:07,761 これからは わしは自分の好きなようにする 353 00:52:20,846 --> 00:52:26,852 国元では 采女正の命じるままに人を斬り 354 00:52:26,852 --> 00:52:32,458 江戸では お前さまの言いなりになってきた 355 00:52:32,458 --> 00:52:36,458 だが もう命令では人は斬らん 356 00:52:39,465 --> 00:52:41,467 待て 357 00:52:41,467 --> 00:52:45,804 待て 甚内 話し合おう 358 00:52:45,804 --> 00:52:52,144 金ならある 100両 200両… いや 1000両 欲しいだけやる 359 00:52:52,144 --> 00:52:54,813 そのほうも もうわしに仕えなくてもよい 360 00:52:54,813 --> 00:53:00,413 だから 頼む なっ? 助けてくれ なあ 361 00:53:03,155 --> 00:53:05,157 (斬る音) (瀬左衛門)ああっ! 362 00:53:05,157 --> 00:53:15,167 ♬~ 363 00:53:15,167 --> 00:53:26,178 ♬~ 364 00:53:26,178 --> 00:53:28,178 あなた… 365 00:53:31,850 --> 00:53:34,787 まさか… 366 00:53:34,787 --> 00:53:37,790 まさか わたくしまで… 367 00:53:37,790 --> 00:53:40,459 杉江どの 368 00:53:40,459 --> 00:53:46,131 何をいまさら そのように 取り乱しておられるのですか 369 00:53:46,131 --> 00:53:50,469 私は そのような姿は見たくはなかった 370 00:53:50,469 --> 00:53:58,143 ♬~ 371 00:53:58,143 --> 00:54:00,145 (刺す音) うっ! 372 00:54:00,145 --> 00:54:13,826 ♬~ 373 00:54:13,826 --> 00:54:15,826 (甚内)杉江どの 374 00:54:17,162 --> 00:54:19,162 杉江どの! 375 00:54:22,167 --> 00:54:24,503 ハァ 376 00:54:24,503 --> 00:54:27,840 わしは そなたと 377 00:54:27,840 --> 00:54:31,844 少しでも夫婦のまねができて 378 00:54:31,844 --> 00:54:35,180 うれしかったのですぞ 379 00:54:35,180 --> 00:54:37,182 杉江どの! 380 00:54:37,182 --> 00:54:44,482 ♬~ 381 00:55:06,545 --> 00:55:09,145 立ち合っていただけるか? 382 00:55:10,215 --> 00:55:12,885 よかろう 383 00:55:12,885 --> 00:55:15,220 かたじけない 384 00:55:15,220 --> 00:55:18,223 おぬしの居合を見せてもらおう 385 00:55:18,223 --> 00:55:20,823 わしの居合を? 386 00:55:22,895 --> 00:55:26,565 あっ わしには流派はない 387 00:55:26,565 --> 00:55:30,903 ハッ さよう 388 00:55:30,903 --> 00:55:35,841 わしは百姓よ 389 00:55:35,841 --> 00:55:38,510 武士になりたくて 390 00:55:38,510 --> 00:55:43,182 野ねずみ相手に 棒っきれを振り回しておった 391 00:55:43,182 --> 00:55:50,189 それを 城代家老の戸田采女正が見て… 392 00:55:50,189 --> 00:55:53,859 フフッ 393 00:55:53,859 --> 00:55:58,530 とんだ武士になったもんよ ハハハハッ… 394 00:55:58,530 --> 00:56:05,130 (笑い声) 395 00:56:19,218 --> 00:56:21,518 や~っ! 396 00:56:25,891 --> 00:56:28,191 や~っ! 397 00:56:48,847 --> 00:57:08,867 ♬~ 398 00:57:08,867 --> 00:57:18,877 ♬~ 399 00:57:18,877 --> 00:57:30,556 ♬~ 400 00:57:30,556 --> 00:57:32,491 や~っ! 401 00:57:32,491 --> 00:57:34,493 (斬る音) 402 00:57:34,493 --> 00:57:37,793 ううっ… 403 00:57:43,836 --> 00:58:03,856 ♬~ 404 00:58:03,856 --> 00:58:17,870 ♬~ 405 00:58:17,870 --> 00:58:31,884 ♬~ 406 00:58:31,884 --> 00:58:51,837 ♬~ 407 00:58:51,837 --> 00:59:11,857 ♬~ 408 00:59:11,857 --> 00:59:31,877 ♬~ 409 00:59:31,877 --> 00:59:51,830 ♬~ 410 00:59:51,830 --> 01:00:01,173 ♬~