1 00:00:33,858 --> 00:00:37,858 (風の音) 2 00:00:39,798 --> 00:00:43,535 (風の音) お~! 3 00:00:43,535 --> 00:00:45,770 はあ…。 4 00:00:45,770 --> 00:00:54,779 足音も吹き消すような春風に よろめきながら飛ぶ鼠かな。 5 00:00:54,779 --> 00:00:57,448 はあ…。 6 00:00:57,448 --> 00:01:01,319 ≪(泣き声) 7 00:01:01,319 --> 00:01:07,058 哀れだな あの年で 毎晩 慰み者にされては…。 8 00:01:07,058 --> 00:01:11,896 おい。 めったな事を 口にするな。 9 00:01:11,896 --> 00:01:42,760 ♬~ 10 00:01:42,760 --> 00:01:46,260 あなたは 鼠様? 11 00:01:47,932 --> 00:01:52,132 様と呼ばれるような身分じゃ ねえが… そうだ。 12 00:02:00,511 --> 00:02:05,283 大丈夫 起きないから。 13 00:02:05,283 --> 00:02:08,620 いつも 朝まで ぐっすり眠って➡ 14 00:02:08,620 --> 00:02:12,790 私が いくら泣いても 起きないから。 15 00:02:12,790 --> 00:02:15,059 あんたは 一睡もせずに➡ 16 00:02:15,059 --> 00:02:19,497 そいつの横で 泣き暮らしてるって訳か。 17 00:02:19,497 --> 00:02:24,302 私… あなたを 待っていたような気がする。 18 00:02:24,302 --> 00:02:26,302 えっ? 19 00:02:34,946 --> 00:02:36,948 お願いです! 20 00:02:36,948 --> 00:02:43,087 これを 堺町に住む大工の棟梁 政五郎って人に渡して下さい。 21 00:02:43,087 --> 00:02:45,590 はあ? 22 00:02:45,590 --> 00:02:48,426 私のお父っつぁんに 私が書いたものです。 23 00:02:48,426 --> 00:02:50,926 盗む訳じゃありません。 24 00:02:52,931 --> 00:02:57,731 そいつが 手紙も出させてくれねえのか? 25 00:03:00,271 --> 00:03:02,774 お父っつぁんに頼んで➡ 26 00:03:02,774 --> 00:03:10,648 大事な人に 今の私の事を知らせる 手紙だから…。 27 00:03:10,648 --> 00:03:16,621 殿は あんまり知られたくないのよ 私の事を…。 28 00:03:16,621 --> 00:03:21,492 だから そんな所に隠して…。 29 00:03:21,492 --> 00:03:27,799 あんたは 無理やり 側室にされたのか? 30 00:03:27,799 --> 00:03:34,238 出入り大工の娘なんて いつでも捨てられる身分です。 31 00:03:34,238 --> 00:03:39,577 それで 大事な人に 助けを求めているのか? 32 00:03:39,577 --> 00:03:47,085 いいえ。 大事な人に 心配をかけないためです。 33 00:03:47,085 --> 00:03:55,760 ホントは 私の事 ここから盗んでほしいけど➡ 34 00:03:55,760 --> 00:04:02,266 私には 一文の値打ちもないから…。 35 00:04:02,266 --> 00:04:05,303 バカ 言うな。 36 00:04:05,303 --> 00:04:10,503 せめて これを どうか お父っつぁんに! 37 00:04:13,611 --> 00:04:15,911 分かったよ。 38 00:04:18,483 --> 00:04:21,483 安心しな。 39 00:04:28,960 --> 00:04:32,260 ありがとう 40 00:04:37,668 --> 00:04:46,468 ♬~ 41 00:05:05,797 --> 00:05:09,467 おい 何やってんだ? そんなとこで。 42 00:05:09,467 --> 00:05:11,567 泥棒か? 43 00:05:15,306 --> 00:05:17,608 (風の音) 44 00:05:17,608 --> 00:05:19,608 お~っ! 45 00:05:31,789 --> 00:05:37,395 ♬~ 46 00:05:37,395 --> 00:05:44,902 (一同)お園! お園! 47 00:05:44,902 --> 00:05:46,938 何だ? お園! 48 00:05:46,938 --> 00:05:51,676 (一同)お園! お園! 49 00:05:51,676 --> 00:05:55,246 お園! お園! 50 00:05:55,246 --> 00:05:59,083 お園 大丈夫か? お園!➡ 51 00:05:59,083 --> 00:06:01,419 何に つかまってるんだ? 52 00:06:01,419 --> 00:06:08,092 もう駄目だ…。 下に 布団を積め! 落とすぞ! 53 00:06:08,092 --> 00:06:11,596 えっ? 54 00:06:11,596 --> 00:06:15,266 おい 布団だ。 布団を持ってこい! 55 00:06:15,266 --> 00:06:21,139 ♬~ 56 00:06:21,139 --> 00:06:23,139 お嬢様! 57 00:06:25,610 --> 00:06:27,945 おい 手を貸せ! そう言われましても➡ 58 00:06:27,945 --> 00:06:31,816 私は 高い所が苦手で とても そこまでは…。 59 00:06:31,816 --> 00:06:34,719 だったら 来るなよ! お嬢様が心配で…。 60 00:06:34,719 --> 00:06:37,221 だったら 手を貸せ! 無理です! 61 00:06:37,221 --> 00:06:41,559 何なんだ? お前ら! こいつは 一体 どうしたって言うんだ? 62 00:06:41,559 --> 00:06:44,595 何で 屋根なんかに上ってんだ!? 分かりません。 63 00:06:44,595 --> 00:06:48,399 お嬢様は どうも 眠ったまま 出歩く癖がございまして。➡ 64 00:06:48,399 --> 00:06:51,636 起きている時には 何も覚えてないのでございます。 65 00:06:51,636 --> 00:06:53,604 寝てるのか? これは。 66 00:06:53,604 --> 00:07:00,745 はい。 あの… もしや あなたは 鼠様で? 67 00:07:00,745 --> 00:07:03,514 様と つけられるような者じゃ ねえが そうだ! 68 00:07:03,514 --> 00:07:06,050 ありがとうございます! よくぞ 千両箱の方を➡ 69 00:07:06,050 --> 00:07:09,253 落として下さいました! 感心してねえで なんとかしろよ! 70 00:07:09,253 --> 00:07:13,925 分かりました。 私も そちらに参ります! 71 00:07:13,925 --> 00:07:20,598 ♬~ 72 00:07:20,598 --> 00:07:24,598 もう よろしいです。 よし 離すぞ! 73 00:07:26,270 --> 00:07:30,141 あっ お嬢様! (一同の悲鳴) 74 00:07:30,141 --> 00:07:32,944 うわ~! 75 00:07:32,944 --> 00:07:35,344 文助 お前…。 76 00:07:36,881 --> 00:07:38,881 はあ…。 77 00:07:41,052 --> 00:07:46,252 あの手代 お嬢様に惚れてやがるな。 78 00:07:48,659 --> 00:07:54,465 あ~あ みんな落としちまった…。 79 00:07:54,465 --> 00:07:57,368 (呼び子の音) 80 00:07:57,368 --> 00:08:02,573 おっと 嫌なもんまで来ちまった。 81 00:08:02,573 --> 00:08:06,444 (呼び子の音) 82 00:08:06,444 --> 00:08:08,446 (一同の笑い声) 83 00:08:08,446 --> 00:08:13,918 どうしたんだ? 鼠小僧が 千両箱 落っことしたってよ! 84 00:08:13,918 --> 00:08:17,918 (一同の笑い声) 85 00:08:19,790 --> 00:08:21,790 フフッ! 86 00:08:23,728 --> 00:08:29,400 ハハハハハハハハ! アハハハハハハハ! 87 00:08:29,400 --> 00:08:31,402 いい加減にしろ! 88 00:08:31,402 --> 00:08:34,038 だって… だって 兄さん ちょっと! 89 00:08:34,038 --> 00:08:36,941 見た? これ! 90 00:08:36,941 --> 00:08:40,911 「さすが 鼠小僧。 千両箱より人助け」。 91 00:08:40,911 --> 00:08:43,611 何べんも見せるな! 92 00:08:45,650 --> 00:08:49,587 (せきばらい) 鳴海屋のご主人は➡ 93 00:08:49,587 --> 00:08:54,258 娘を助けて下さった鼠小僧に 涙を流して 感謝をし➡ 94 00:08:54,258 --> 00:08:58,462 損した千両箱は 是非とも うちの蔵から お返ししたいと➡ 95 00:08:58,462 --> 00:09:00,698 また来てくれる事を 願っているそうよ。 96 00:09:00,698 --> 00:09:02,767 よかったわね。 バ~カ! 97 00:09:02,767 --> 00:09:05,670 そんな所に のこのこと行く 泥棒がいるか! 98 00:09:05,670 --> 00:09:09,070 バ~カ! こんなもの落とす 泥棒の方がいないわよ! 99 00:09:11,075 --> 00:09:16,347 いいじゃない。 それがあれば 当分 おとなしく暮らせるんでしょ? 100 00:09:16,347 --> 00:09:19,283 そのために 働きに行ったんじゃないの 鼠は。 101 00:09:19,283 --> 00:09:23,421 好きな事 言ってろ! 102 00:09:23,421 --> 00:09:28,592 天下の大泥棒 鼠小僧は ただの お人よしだった。 103 00:09:28,592 --> 00:09:31,796 えっ? そんな事まで書いてあんのか? 104 00:09:31,796 --> 00:09:34,896 ううん。 それは 今 私が言ったの。 105 00:09:36,534 --> 00:09:42,406 だけど これでまた 鼠小僧は 人気が出ちゃったわよ~。 106 00:09:42,406 --> 00:09:46,744 冗談じゃねえ! お前ら 鼠小僧に褒美やれとは➡ 107 00:09:46,744 --> 00:09:49,280 なんて言いぐさでえ! 何で お上が 罪人に➡ 108 00:09:49,280 --> 00:09:51,782 褒美やらなきゃならねえんだよ この野郎! 109 00:09:51,782 --> 00:09:56,387 だってね 江戸の町を こんなに 明るくしてくれてんだよ! 110 00:09:56,387 --> 00:09:58,322 (一同)そうだ そうだ! 111 00:09:58,322 --> 00:10:01,892 ヘッ! お前らが明るいのは 生まれつきだろうが! 112 00:10:01,892 --> 00:10:05,696 いや 親分 鼠小僧は 貧乏人の おてんとうさまだ! 113 00:10:05,696 --> 00:10:09,900 いや 親分 鼠小僧は 金より命の重さを知る男よ! 114 00:10:09,900 --> 00:10:13,237 いや 親分 鼠小僧は…。 115 00:10:13,237 --> 00:10:16,073 思いつかねえなら 言うんじゃねえ この野郎! 116 00:10:16,073 --> 00:10:20,745 私は 鼠小僧に 褒美のおそばをあげたいわ! 117 00:10:20,745 --> 00:10:23,581 それよりも 私が おそばに行きたいわ! 118 00:10:23,581 --> 00:10:26,484 どうも。 あっ 次郎吉さん いらっしゃい! 119 00:10:26,484 --> 00:10:28,452 褒美のそばを。 120 00:10:28,452 --> 00:10:32,289 あら 遊び人にあげる褒美は ないのよ。 親分 何にします? 121 00:10:32,289 --> 00:10:34,592 いつもの! はいよ! 122 00:10:34,592 --> 00:10:38,763 あ~あ 嫌になっちまうね 全く! 123 00:10:38,763 --> 00:10:41,465 何のために 夜も眠らず 身を粉にして➡ 124 00:10:41,465 --> 00:10:44,702 鼠 追っかけてんだか 分かりゃしねえよ! …ったく! 125 00:10:44,702 --> 00:10:48,472 親分 あっしには その苦労 分かってますよ。 126 00:10:48,472 --> 00:10:50,941 偉そうに! 127 00:10:50,941 --> 00:10:55,613 甘酒屋 お前も 少しは 苦労しやがれ! 128 00:10:55,613 --> 00:10:57,948 へい。 129 00:10:57,948 --> 00:11:01,619 それで 親分 その読み売りに書いてあった➡ 130 00:11:01,619 --> 00:11:05,956 大店の娘は 目を覚ましたんですか? 131 00:11:05,956 --> 00:11:09,293 目は覚ましたよ。 132 00:11:09,293 --> 00:11:13,464 けど 何も覚えちゃいねえ…。 133 00:11:13,464 --> 00:11:15,699 そうですか。 しかし➡ 134 00:11:15,699 --> 00:11:19,537 ヘンテコな病ってのも あるもんだな。 歩きながら 夢 見てる訳だろ? 135 00:11:19,537 --> 00:11:22,406 ああ。 夢の中で 屋根に 用事でもあったんじゃねえか? 136 00:11:22,406 --> 00:11:25,810 (お染)お待ち遠さま。 おう。 137 00:11:25,810 --> 00:11:30,681 あの娘だけが… あの娘だけが➡ 138 00:11:30,681 --> 00:11:35,553 すぐ目の前で 鼠の顔 見てるはずなんだがな~。 139 00:11:35,553 --> 00:11:40,391 さあさあ ご覧じろ! 鼠小僧 千両箱より人助け!➡ 140 00:11:40,391 --> 00:11:45,162 お園という その娘 なんと 眠ったまま 屋根を歩いていた! 141 00:11:45,162 --> 00:11:49,700 さあさあ 詳しくは この瓦版で! さあさあ ご覧じろ ご覧じろ! 142 00:11:49,700 --> 00:11:52,636 (文助)どうかなさいましたか? (お園)どうもこうもありゃしない。 143 00:11:52,636 --> 00:11:55,272 私の病が すっかり 世間に知れて➡ 144 00:11:55,272 --> 00:11:57,541 恥ずかしくて 外に出られやしないわ! 145 00:11:57,541 --> 00:12:00,478 お嬢様が なにも 恥じ入る事はございません。 146 00:12:00,478 --> 00:12:04,682 それより どこか お体は痛みませんか? 147 00:12:04,682 --> 00:12:10,221 大丈夫。 それより お前こそ 足をひねったというじゃないか。 148 00:12:10,221 --> 00:12:12,623 あ… 大した事はございません。 149 00:12:12,623 --> 00:12:16,460 お嬢様の上に落ちては大変だと 体をひねったものですから➡ 150 00:12:16,460 --> 00:12:19,964 布団の端から 落ちてしまっただけでございます。 151 00:12:19,964 --> 00:12:22,800 それは すまなかったね。 152 00:12:22,800 --> 00:12:27,137 けど… お前が落ちる必要が あったのかい? 153 00:12:27,137 --> 00:12:33,244 あ…。 ございませんでした。 申し訳もございません。 154 00:12:33,244 --> 00:12:35,746 感謝しているんだよ。 155 00:12:35,746 --> 00:12:39,546 それで… ご用件は? 156 00:12:47,258 --> 00:12:51,458 早く 障子を閉めておくれ。 は… はい。 157 00:12:55,933 --> 00:13:02,439 文助は 鼠の顔は見たのかい? いいえ 暗かったので…。 158 00:13:02,439 --> 00:13:05,342 それに 向こうも 身を伏せていたので➡ 159 00:13:05,342 --> 00:13:09,113 顔までは 分からなかったのですが…➡ 160 00:13:09,113 --> 00:13:14,919 どうも いい男っぷりに 感じられました。 161 00:13:14,919 --> 00:13:20,324 私は この手を握られていたんだね。 162 00:13:20,324 --> 00:13:24,628 お嬢様… まさか 恋をなさったとか!? 163 00:13:24,628 --> 00:13:28,132 私は 何も覚えていないんだよ。 人から聞いた話に➡ 164 00:13:28,132 --> 00:13:32,832 恋をする訳ないじゃない! はい…。 165 00:13:35,739 --> 00:13:42,413 文助… もしかして 鼠に やいたの? 166 00:13:42,413 --> 00:13:47,284 えっ? あ… いえ! 167 00:13:47,284 --> 00:13:51,484 私の事を どう思っているの? 168 00:13:54,592 --> 00:13:58,262 答えておくれよ! 169 00:13:58,262 --> 00:14:02,099 それは…➡ 170 00:14:02,099 --> 00:14:04,034 勘弁して下さい! 171 00:14:04,034 --> 00:14:07,771 私が あの柳井広白とかいう➡ 172 00:14:07,771 --> 00:14:11,542 あこぎで嫌らしい金貸しのとこへ 嫁にやられる事を➡ 173 00:14:11,542 --> 00:14:14,478 どう思っているのかと 聞いているのよ! 174 00:14:14,478 --> 00:14:21,318 お嬢様… 旦那様も おつらいのです。 175 00:14:21,318 --> 00:14:24,118 お父っつぁんも ひどいわ…。 176 00:14:28,292 --> 00:14:32,062 なにも 鼠が落としていった千両箱を➡ 177 00:14:32,062 --> 00:14:34,898 届ける必要はなかったのよ。 178 00:14:34,898 --> 00:14:39,403 そのお金で 私を助けてくれたって…。 179 00:14:39,403 --> 00:14:45,075 店の借財は 千両ばかりでは追いつきません。 180 00:14:45,075 --> 00:14:49,575 だからって あの金貸しの おもちゃになれと言うの!? 181 00:14:53,584 --> 00:14:58,922 私はね 文助…➡ 182 00:14:58,922 --> 00:15:03,661 大事な人を 捜さなければならないんだよ。 183 00:15:03,661 --> 00:15:06,263 大事な人とは? 184 00:15:06,263 --> 00:15:09,166 ≪お園! 185 00:15:09,166 --> 00:15:11,602 お園。 旦那様。 186 00:15:11,602 --> 00:15:15,105 岡っ引きの親分が お前を お呼びだ。 187 00:15:15,105 --> 00:15:17,105 えっ? 188 00:15:20,911 --> 00:15:24,214 よう お豊。 あっ 次郎吉さん! 189 00:15:24,214 --> 00:15:28,452 千草先生は いるかい? いますよ。 今 患者さんを診てる。 190 00:15:28,452 --> 00:15:32,152 怖い人も一緒。 怖い人? 191 00:15:37,161 --> 00:15:41,031 何だ 親分。 何だ てめえ! 192 00:15:41,031 --> 00:15:43,400 あれ? 親分 お忘れですか? 甘酒屋ですよ。 193 00:15:43,400 --> 00:15:46,200 分かってる! シ~ッ! 194 00:15:48,238 --> 00:15:55,913 (千草)口 開けて。 う~ん… やっぱり 体は何ともないようね。 195 00:15:55,913 --> 00:16:00,751 親分 やっぱり 私には どうする事もできませんよ。 196 00:16:00,751 --> 00:16:03,087 治せませんか…。 197 00:16:03,087 --> 00:16:07,591 この病さえ治りゃ その間に見たもの全部➡ 198 00:16:07,591 --> 00:16:11,261 思い出すって事はないですかね? けどね 親分➡ 199 00:16:11,261 --> 00:16:15,432 この方は 寝ている間に 体が動いてるだけなんですから。 200 00:16:15,432 --> 00:16:19,303 けどね いくら寝てるからったって 目が見えてなくちゃ➡ 201 00:16:19,303 --> 00:16:22,673 屋根に上がれねえでしょうが! どうも 起きてんのに➡ 202 00:16:22,673 --> 00:16:25,309 寝てるってのが 納得いかねえや! 見るもんは➡ 203 00:16:25,309 --> 00:16:28,212 ちゃんと見えてるはずなんだ! 鼠の顔だって! 204 00:16:28,212 --> 00:16:34,985 これは 気の病なんですよ。 気? 205 00:16:34,985 --> 00:16:37,387 お園さん あなた➡ 206 00:16:37,387 --> 00:16:40,887 心に 何か重い不安を 抱えてるんじゃないの? 207 00:16:46,563 --> 00:16:51,001 (千草)子どもには よく あなたと 同じような事が起きるけど➡ 208 00:16:51,001 --> 00:16:54,738 それは いつの間にか なくなる事が多いの。 209 00:16:54,738 --> 00:16:57,407 けど あなたのように 大きくなってから➡ 210 00:16:57,407 --> 00:17:00,177 起きるというのは 知らないうちに➡ 211 00:17:00,177 --> 00:17:04,414 心が 何かの不安と 闘ってるからなのよ。 212 00:17:04,414 --> 00:17:09,253 その不安をなくす事が 大事なのかもしれない。 213 00:17:09,253 --> 00:17:15,359 そう簡単になくせる不安なら 苦労しないわ 先生…。 214 00:17:15,359 --> 00:17:18,262 そうね…。 215 00:17:18,262 --> 00:17:23,133 気の病か…。 はっは~ あれだ! 216 00:17:23,133 --> 00:17:27,604 「惚れた病に薬なし」ってやつだ。 (千草)恋煩いじゃないわよ。 217 00:17:27,604 --> 00:17:29,940 お前は 黙ってろよ。 へい…。 218 00:17:29,940 --> 00:17:33,343 恋煩いは 次郎吉さんよ! えっ? おい! 219 00:17:33,343 --> 00:17:36,880 (お豊) だって 体は丈夫なのに わざわざ 先生に会いに来るんだもの! 220 00:17:36,880 --> 00:17:39,550 色気づきやがって! 221 00:17:39,550 --> 00:17:43,887 おい 甘酒屋! 先生に ご迷惑かけるんじゃねえぞ! 222 00:17:43,887 --> 00:17:46,390 へい。 はあ…。 223 00:17:46,390 --> 00:17:51,061 それじゃ あっしらは これで。 お嬢さん 参りやしょうか。 224 00:17:51,061 --> 00:17:53,061 はい。 225 00:18:06,243 --> 00:18:08,178 あっ! えっ? 226 00:18:08,178 --> 00:18:10,581 ど… どうしやした!? 何か思い出した? 227 00:18:10,581 --> 00:18:13,483 あ…。 228 00:18:13,483 --> 00:18:18,255 あの~ 先生 この文助が 足を痛めてるんでございます。 229 00:18:18,255 --> 00:18:21,158 それを治して頂けませんか? いいわよ。 230 00:18:21,158 --> 00:18:23,827 いや いいんです! もう 治りましたから➡ 231 00:18:23,827 --> 00:18:27,798 何ともありません。 それより 早く帰りませんと➡ 232 00:18:27,798 --> 00:18:32,536 旦那様が心配なさいます。 お嬢様のお体にも障ります。 233 00:18:32,536 --> 00:18:37,536 ホントに大丈夫? 大丈夫です。 帰りましょう。 234 00:18:39,877 --> 00:18:41,812 それでは。 235 00:18:41,812 --> 00:18:44,047 また 何かあったら いつでも いらっしゃい。 236 00:18:44,047 --> 00:18:47,551 はい。 ありがとうございました。 237 00:18:47,551 --> 00:18:54,851 ♬~ 238 00:18:59,162 --> 00:19:03,100 さっきのお嬢さん 昨夜の これでしょ? 239 00:19:03,100 --> 00:19:05,402 先生まで そんなもの 読むんですか? 240 00:19:05,402 --> 00:19:07,337 お豊ちゃんが買ってきたの。 241 00:19:07,337 --> 00:19:10,240 もしかして 次郎吉さんも 私に聞きに来た? 242 00:19:10,240 --> 00:19:15,112 さっきのお嬢さんの病の事。 どうして 俺が? 243 00:19:15,112 --> 00:19:19,816 もしかしたら 次郎吉さん 何か 知ってるんじゃないかと思って。 244 00:19:19,816 --> 00:19:23,253 鼠を。 245 00:19:23,253 --> 00:19:25,756 知ってますよ。 246 00:19:25,756 --> 00:19:30,260 みんなと同じようにね。 247 00:19:30,260 --> 00:19:32,260 は~っ! 248 00:19:39,937 --> 00:19:41,905 は~っ! 249 00:19:41,905 --> 00:19:44,374 エイッ! 250 00:19:44,374 --> 00:19:49,880 そうですか。 町人の間でも 昨夜の鼠の事は 知られてますか。 251 00:19:49,880 --> 00:19:52,783 町じゅう その話で持ちきりよ。 252 00:19:52,783 --> 00:19:58,221 千両箱を落とす泥棒なんて 聞いた事ないでしょ。 253 00:19:58,221 --> 00:20:04,027 鼠が千両箱を盗んだ所は 鴻山藩の上屋敷のようですね。 254 00:20:04,027 --> 00:20:07,564 広之進様 そんな事まで知ってるの? 255 00:20:07,564 --> 00:20:11,068 武家の間では その話で持ちきりですよ。 256 00:20:11,068 --> 00:20:13,403 「30万石の大名家の屋敷も➡ 257 00:20:13,403 --> 00:20:16,073 鼠に入られるほど 守りは 手薄か」って➡ 258 00:20:16,073 --> 00:20:18,108 みんな 笑ってますよ。 259 00:20:18,108 --> 00:20:23,246 だから 鼠に入られた大名家は 隠したがるもんなんです。 260 00:20:23,246 --> 00:20:29,052 鼠の方も それを知ってて 入るんだから 姑息ね。 261 00:20:29,052 --> 00:20:33,590 しかし 昨夜は その鼠が 千両箱を落としたせいで➡ 262 00:20:33,590 --> 00:20:36,093 隠す事ができなくなった。 263 00:20:36,093 --> 00:20:43,967 鼠がヘマをしたために 大名家の ヘマも明るみに出たって訳ね…。 264 00:20:43,967 --> 00:20:47,804 全く 迷惑な鼠ね。 265 00:20:47,804 --> 00:20:52,943 小袖殿は 鼠が嫌いですか? えっ? 266 00:20:52,943 --> 00:20:58,448 いや… 嫌いってほどじゃないけど➡ 267 00:20:58,448 --> 00:21:02,285 鼠には つい 意地悪をしたくなっちゃうかな。 268 00:21:02,285 --> 00:21:06,790 まあ 小袖殿は 猫に似てますからな。 269 00:21:06,790 --> 00:21:10,961 猫? 270 00:21:10,961 --> 00:21:14,297 そうかも。 271 00:21:14,297 --> 00:21:19,803 その鴻山藩の殿様というのが 悪い噂が よく流れるもので➡ 272 00:21:19,803 --> 00:21:23,673 武家の間でも 昨夜の鼠を たたえる者が多いんです。 273 00:21:23,673 --> 00:21:25,976 悪い噂? 274 00:21:25,976 --> 00:21:29,713 若くて美しい女人を見ると 身分にかかわらず➡ 275 00:21:29,713 --> 00:21:35,185 すぐに 側室にしたがるとか。 まあ そういった類いのものです。 276 00:21:35,185 --> 00:21:37,421 側室…。 277 00:21:37,421 --> 00:21:41,621 小袖 一つ 頼まれてくれないか? 何を? 278 00:21:43,927 --> 00:21:45,927 これを。 279 00:21:47,798 --> 00:21:52,102 堺町で大工の棟梁をしている 政五郎という者に渡してくれ。 280 00:21:52,102 --> 00:21:56,940 どうしたの? これ。 そいつの娘から預かったんだ。 281 00:21:56,940 --> 00:22:02,279 その… 側室に頼まれたんだよ。 282 00:22:02,279 --> 00:22:05,782 側室? 283 00:22:05,782 --> 00:22:10,954 まさか 働きに行った先で 頼まれたの? そうだ。 284 00:22:10,954 --> 00:22:15,654 鼠って どこまで お人よしなの? 285 00:22:17,461 --> 00:22:22,799 小袖殿 どうかされましたか? いえ 別に…。 286 00:22:22,799 --> 00:22:25,802 もう 日も暮れてまいりましたし 送っていきましょう。 287 00:22:25,802 --> 00:22:29,002 いや 私は ちょっと 寄る所があるので…。 288 00:22:30,674 --> 00:22:35,245 小袖殿! はい。 289 00:22:35,245 --> 00:22:39,116 私は… 猫が好きです! 290 00:22:39,116 --> 00:22:43,954 そう。 ごめんなさい 先を急ぐので。 291 00:22:43,954 --> 00:22:50,754 「そう」って…。 剣は鋭いのに 鈍いな…。 292 00:23:00,403 --> 00:23:05,108 政五郎だな? へい。 あなたは お殿様の…。 293 00:23:05,108 --> 00:23:08,345 少し来てもらおうか。 どちらへ? 294 00:23:08,345 --> 00:23:12,616 向こうで お松様が待っておる。 お松が? 295 00:23:12,616 --> 00:23:28,165 ♬~ 296 00:23:28,165 --> 00:23:31,801 上意だ。 許せよ。 297 00:23:31,801 --> 00:23:33,801 あ~っ! ああ~っ! 298 00:23:35,672 --> 00:23:37,908 何者だ!? 299 00:23:37,908 --> 00:23:43,413 ♬~ 300 00:23:43,413 --> 00:23:48,919 女か? 通りがかりの者よ。 まだ やる? 301 00:23:48,919 --> 00:23:53,719 政五郎! この事を他言すれば 側室の命は ないぞ! 302 00:24:01,431 --> 00:24:04,231 大丈夫ですか? ああ…。 303 00:24:08,205 --> 00:24:13,143 これを 側室から預かってまいりました。 304 00:24:13,143 --> 00:24:16,379 お松から あんたが? 305 00:24:16,379 --> 00:24:21,579 鼠がです。 私の素性は 詮索しないで下さい。 306 00:24:24,621 --> 00:24:27,190 今の者は 誰ですか? 307 00:24:27,190 --> 00:24:30,794 政五郎が 殿様に命を狙われた? 308 00:24:30,794 --> 00:24:34,231 そうなのよ。 頂きます。 309 00:24:34,231 --> 00:24:39,836 側室の父親が殺される理由が どこにあるんだ? 知らないわ。 310 00:24:39,836 --> 00:24:44,241 だけど すごい事が分かったの。 何だ? すごい事って。 311 00:24:44,241 --> 00:24:47,944 その側室 お松さんって いうんだけど お松さんはね➡ 312 00:24:47,944 --> 00:24:51,414 ほら 昨日 兄さんが助けた 鳴海屋のお嬢様➡ 313 00:24:51,414 --> 00:24:54,851 その人の妹なの。 何だって? 314 00:24:54,851 --> 00:24:58,088 手紙に その人の事が書いてあったのよ。 315 00:24:58,088 --> 00:25:02,926 それで 大事な人に 助けを求めているのか? 316 00:25:02,926 --> 00:25:08,431 いいえ。 大事な人に 心配をかけないためです。 317 00:25:08,431 --> 00:25:16,773 その大事な人っていうのが 鳴海屋のお園…? 318 00:25:16,773 --> 00:25:21,645 お松は 鳴海屋で お園さんの下に 生まれた双子だった。 319 00:25:21,645 --> 00:25:25,115 双子? 320 00:25:25,115 --> 00:25:28,985 そのころの鳴海屋は まだ小さな問屋で➡ 321 00:25:28,985 --> 00:25:35,225 台所も苦しく 妹に生まれた 双子のうちの一人を➡ 322 00:25:35,225 --> 00:25:39,863 店の改築に出入りをしていた俺に 子どもがないのを知って➡ 323 00:25:39,863 --> 00:25:42,565 里子に出したんだ。➡ 324 00:25:42,565 --> 00:25:49,339 そのあと 鳴海屋に残った 双子の 一人は 病で亡くなられたが➡ 325 00:25:49,339 --> 00:25:55,078 そうなっても お松は 俺たちの娘のままにしてくれた。 326 00:25:55,078 --> 00:26:01,751 その事を お松さんも お園さんも 知っていたのね? 327 00:26:01,751 --> 00:26:04,087 そうらしい…。 328 00:26:04,087 --> 00:26:08,925 2人は 親に黙って 時々 会っていたようだ。 329 00:26:08,925 --> 00:26:13,763 それで 急に会えなくなった訳を お園さんに伝えるようにと➡ 330 00:26:13,763 --> 00:26:16,163 これに書いてある。 331 00:26:24,941 --> 00:26:30,447 そんなに かわいい娘なら いくら 30万石の大名だからって➡ 332 00:26:30,447 --> 00:26:34,050 側室に差し出す事なんて なかったのよ! 333 00:26:34,050 --> 00:26:37,887 断る事ができなかったんだろうよ。 334 00:26:37,887 --> 00:26:45,562 そうね…。 偉い人間は いつだって 力ずくなんだから。 335 00:26:45,562 --> 00:26:51,234 その力ずくで 父親を消しに来たとしたら➡ 336 00:26:51,234 --> 00:26:56,072 側室の身にも 何かあったって事か…。 337 00:26:56,072 --> 00:27:00,410 あっ そういえば 鼠がヘマをしたために➡ 338 00:27:00,410 --> 00:27:04,280 大名家のヘマも 明るみに出たんだってよ。 339 00:27:04,280 --> 00:27:11,988 ♬~ 340 00:27:11,988 --> 00:27:15,859 お松ちゃん…➡ 341 00:27:15,859 --> 00:27:19,559 どこにいるのよ…。 342 00:27:28,271 --> 00:27:34,043 お園 いいか? はい。 343 00:27:34,043 --> 00:27:38,882 明日 お父っつぁんと一緒に 柳井様の所に行ってくれ。 344 00:27:38,882 --> 00:27:42,152 嫁入り前に行く必要があるの? 345 00:27:42,152 --> 00:27:44,954 どうしてもと 向こうが お呼びなのだ。 346 00:27:44,954 --> 00:27:48,354 ただの挨拶だ。 347 00:27:54,230 --> 00:27:58,568 お父っつぁん。 うん? 348 00:27:58,568 --> 00:28:06,309 小さい頃が懐かしい。 どんなに貧しくても➡ 349 00:28:06,309 --> 00:28:10,914 小さな問屋のままでいれば よかったのに…。 350 00:28:10,914 --> 00:28:13,214 すまない…。 351 00:28:20,256 --> 00:28:24,093 どうも! 何だ 何だ 甘酒屋 何しに来た? 352 00:28:24,093 --> 00:28:26,496 ちょいと 気になる事を 耳にしまして…。 353 00:28:26,496 --> 00:28:30,099 何事なんでえ? 私が聞いている。 あ~ へい。 354 00:28:30,099 --> 00:28:33,970 それがですね おととい 鼠が落とした千両箱は どうも➡ 355 00:28:33,970 --> 00:28:39,843 鴻山藩の上屋敷から 盗まれたものだと 耳にしまして。 356 00:28:39,843 --> 00:28:42,745 バカにしてるのか? そんな事は…。 私が言っている! 357 00:28:42,745 --> 00:28:45,582 へえ…。 そうでしたか! 358 00:28:45,582 --> 00:28:48,485 同心なんかには 武家屋敷は 調べられないと思って➡ 359 00:28:48,485 --> 00:28:50,720 バカにしてんのか お前は! 360 00:28:50,720 --> 00:28:53,623 それにな 女中の手引きだという事も➡ 361 00:28:53,623 --> 00:28:56,593 ちゃんと分かってるんだよ。 女中の? 362 00:28:56,593 --> 00:29:00,730 藩の方で調べたあと 明日には こっちに引き渡して…。 363 00:29:00,730 --> 00:29:04,067 そこまで言わなくていい! あっ へい…。 364 00:29:04,067 --> 00:29:07,904 (早崎)出てけ。 失礼しやした。 365 00:29:07,904 --> 00:29:13,576 ♬~ 366 00:29:13,576 --> 00:29:17,247 そういう事か…。 367 00:29:17,247 --> 00:29:20,750 鼠に入られた事を 女中のせいにし➡ 368 00:29:20,750 --> 00:29:27,924 側室のお松を女中と偽るために 父親を亡き者にしようとしたか…。 369 00:29:27,924 --> 00:29:33,196 ♬~ 370 00:29:33,196 --> 00:29:38,396 ≪寝ぼけてんじゃねえぞ こら! ≪もう一杯 いくぞ! こら! 371 00:29:40,870 --> 00:29:43,206 (せきこみ) 372 00:29:43,206 --> 00:29:49,946 こら 寝てんじゃねえよ! 起きろ! 373 00:29:49,946 --> 00:29:51,915 いい加減 吐いちまえよ! 374 00:29:51,915 --> 00:29:55,915 お姉さん… 助けて…。 375 00:30:04,394 --> 00:30:07,094 ≪(佐沼)開けろ。 はっ! 376 00:30:12,902 --> 00:30:14,902 (せきこみ) 377 00:30:16,639 --> 00:30:22,745 う~ん かわいそうに~。 378 00:30:22,745 --> 00:30:29,919 ヘヘヘヘヘ! どうだ? 話す気になったか? うん? 379 00:30:29,919 --> 00:30:34,424 鼠なんか… 知りません。 380 00:30:34,424 --> 00:30:38,995 それなら お前の手紙は どこに消えたのかな? 381 00:30:38,995 --> 00:30:43,766 顔も知らぬ鼠が 持っていくのかな? うん? 382 00:30:43,766 --> 00:30:46,603 フフフフ! ハハハハ! 383 00:30:46,603 --> 00:30:49,903 今夜が最後の夜だ。 384 00:30:51,941 --> 00:30:56,613 たっぷり 楽しむぞ! ヘヘヘヘ! おりゃ! 385 00:30:56,613 --> 00:31:04,354 ヘヘヘヘ! 待っておれ。 すぐに ほどいてやる。➡ 386 00:31:04,354 --> 00:31:06,554 脱がしてやろう。 387 00:31:08,224 --> 00:31:11,961 鼠なら ここにいるぜ。 388 00:31:11,961 --> 00:31:15,261 おっ! あっ 出会え~! 389 00:31:18,835 --> 00:31:22,672 お松 叫べ。 叫ぶんだ! 390 00:31:22,672 --> 00:31:25,975 嫌~! 391 00:31:25,975 --> 00:31:29,812 一体 何をされておられるのだ? 392 00:31:29,812 --> 00:31:32,582 見てはならん。 393 00:31:32,582 --> 00:31:44,927 ♬~ 394 00:31:44,927 --> 00:31:47,227 嫌~! 395 00:31:50,266 --> 00:31:54,103 あ… あ…。 396 00:31:54,103 --> 00:31:56,039 嫌~! 397 00:31:56,039 --> 00:31:59,839 嫌~! 嫌~! もういいぞ。 398 00:32:06,816 --> 00:32:10,653 お前を 盗みにやって来たぜ。 399 00:32:10,653 --> 00:32:13,453 鼠様…。 400 00:32:17,293 --> 00:32:21,964 お園さんは お琴の腕が 玄人並みと伺いましたが。 401 00:32:21,964 --> 00:32:24,000 いえ そんな…。 402 00:32:24,000 --> 00:32:27,303 是非 一曲 ご披露頂けぬかと➡ 403 00:32:27,303 --> 00:32:33,603 隣の部屋に用意させて頂きました。 お願いできますかな? 404 00:32:42,752 --> 00:32:45,252 お園。 405 00:32:50,259 --> 00:32:52,959 分かりました。 406 00:32:57,433 --> 00:33:00,336 今夜は このまま お帰りなさい。 407 00:33:00,336 --> 00:33:05,108 私は 朝まで お園さんのお琴を 聴かせてもらいますよ。 408 00:33:05,108 --> 00:33:14,383 ♬~ 409 00:33:14,383 --> 00:33:16,319 ハハハハハハハハ。 410 00:33:16,319 --> 00:33:19,219 ♬~ 411 00:33:25,962 --> 00:33:29,832 お松! お松! 412 00:33:29,832 --> 00:33:33,703 お父っつぁん! お松…。 413 00:33:33,703 --> 00:33:42,245 お父っつぁん! 私 もう どこにも戻れない…。 414 00:33:42,245 --> 00:33:47,917 いいんだ! お前を手放した お父っつぁんが バカだった! 415 00:33:47,917 --> 00:33:53,723 お父っつぁん 私 姉さんとは ここで会っていたけど➡ 416 00:33:53,723 --> 00:33:59,929 お父っつぁんと お母っさんは ほかにいると思った事ないから➡ 417 00:33:59,929 --> 00:34:04,600 それだけは 信じて! 418 00:34:04,600 --> 00:34:07,300 お松…。 419 00:34:09,539 --> 00:34:13,109 お園さんを ここに連れてきましょう。 420 00:34:13,109 --> 00:34:18,909 えっ? 少し待ってておくれ。 ここなら安心だ。 421 00:34:21,784 --> 00:34:25,288 ♬~ 422 00:34:25,288 --> 00:34:27,988 (泣き声) 423 00:34:30,459 --> 00:34:33,896 文助。 424 00:34:33,896 --> 00:34:38,401 鼠様! お園さんは どうした? 425 00:34:38,401 --> 00:34:40,736 (泣き声) 426 00:34:40,736 --> 00:34:45,074 おい 文助! おい 文助! 427 00:34:45,074 --> 00:34:47,577 ♬~(琴) 428 00:34:47,577 --> 00:34:49,512 ハハハ。 429 00:34:49,512 --> 00:34:53,382 ♬~ 430 00:34:53,382 --> 00:34:55,451 ハハハハ。 431 00:34:55,451 --> 00:34:59,755 ♬~ 432 00:34:59,755 --> 00:35:05,428 今度は 私が弾く番だ。 ハハハハハハ! 433 00:35:05,428 --> 00:35:07,428 嫌! ちょっと! 434 00:35:10,600 --> 00:35:12,635 キャ~ッ! 435 00:35:12,635 --> 00:35:20,776 ♬~ 436 00:35:20,776 --> 00:35:22,776 嫌~! 437 00:35:25,948 --> 00:35:30,248 (泣き声) 438 00:35:34,557 --> 00:35:38,394 俺を覚えているか? 439 00:35:38,394 --> 00:35:40,329 お園。 440 00:35:40,329 --> 00:35:42,565 鼠…。 441 00:35:42,565 --> 00:35:49,238 思い出してくれたんだよな? 千草先生の所で。 442 00:35:49,238 --> 00:35:52,742 あっ! えっ? 443 00:35:52,742 --> 00:35:56,412 俺を助けてくれたのか? 444 00:35:56,412 --> 00:36:13,963 (泣き声) 445 00:36:13,963 --> 00:36:22,939 ♬~ 446 00:36:22,939 --> 00:36:27,939 こんな人 死んでも嫌! 447 00:36:32,381 --> 00:36:37,887 今度は 俺が助ける番だな。 448 00:36:37,887 --> 00:36:45,394 何してんだ? 駄目。 高いとこ 怖いの…。 449 00:36:45,394 --> 00:36:48,064 嘘をつけ。 450 00:36:48,064 --> 00:36:56,564 ♬~ 451 00:36:58,240 --> 00:37:00,743 (お松)姉さん! 452 00:37:00,743 --> 00:37:03,043 お松ちゃん! 453 00:37:09,752 --> 00:37:12,421 (2人の泣き声) 454 00:37:12,421 --> 00:37:18,227 皮肉だな。 姉妹で同じような目に遭って…。 455 00:37:18,227 --> 00:37:23,427 同じような 力ずくが絶えないからよ。 456 00:37:32,742 --> 00:37:38,742 私は 捕まれば死罪となる身です。 457 00:37:42,218 --> 00:37:49,218 私も 捕まれば お上に 突き出されて そうなります。 458 00:37:58,768 --> 00:38:02,905 お願いです! 459 00:38:02,905 --> 00:38:06,905 姉さんと一緒に死なせて下さい! 460 00:38:09,245 --> 00:38:17,920 (お園)お松ちゃんが それを望むなら 私は うれしい。 461 00:38:17,920 --> 00:38:21,920 どうか そうさせて下さい! 462 00:38:27,430 --> 00:38:32,930 このまま 2人で…。 463 00:38:35,871 --> 00:38:38,707 兄さん…。 464 00:38:38,707 --> 00:38:50,219 ♬~ 465 00:38:50,219 --> 00:38:55,391 そうさせてやりてえが そんな事させてしまったら➡ 466 00:38:55,391 --> 00:38:58,894 俺は 何のために➡ 467 00:38:58,894 --> 00:39:04,194 おてんとうさまに逆らうような事 しているのか 分からねえ。 468 00:39:08,237 --> 00:39:11,740 お前たちのような人間が➡ 469 00:39:11,740 --> 00:39:15,411 おてんとうさまの下を 歩けねえようなら➡ 470 00:39:15,411 --> 00:39:21,911 俺は 闇を疾るかいがねえ! 471 00:39:27,022 --> 00:39:32,194 あ… あなたが 鼠。 472 00:39:32,194 --> 00:39:37,494 俺たちは これから 死ぬまで 秘密を守るんだ。 473 00:39:44,206 --> 00:39:48,406 これは? お園さんの遺書だ。 遺書!? 474 00:39:52,548 --> 00:39:55,548 生きるためのな。 475 00:39:57,419 --> 00:40:00,723 だ… 旦那 何と!? 476 00:40:00,723 --> 00:40:03,626 柳井広白を殺めた事は 覚えていないそうだ。 477 00:40:03,626 --> 00:40:07,830 えっ? 気が付いたら 死んでいたと…。 478 00:40:07,830 --> 00:40:10,466 なんとか 屋敷を抜け出したが 行き場もないので➡ 479 00:40:10,466 --> 00:40:14,904 大川に飛び込むと書いてある。 (一同の泣き声) 480 00:40:14,904 --> 00:40:20,576 先生… そんな事あるんですかい? 十分に ありえます。 481 00:40:20,576 --> 00:40:24,446 その柳井広白とやらが 重い不安の 原因だったのでしょうからね。 482 00:40:24,446 --> 00:40:27,850 う~ん…。 親分 どうします? えっ? 483 00:40:27,850 --> 00:40:29,885 旦那 どうしやす? 484 00:40:29,885 --> 00:40:34,723 病のせいか…。 そりゃ 身投げしたくもなるわな。 485 00:40:34,723 --> 00:40:37,526 これで 娘を手配する事はなかろう。 486 00:40:37,526 --> 00:40:46,602 (一同の泣き声) 487 00:40:46,602 --> 00:40:58,781 ♬~ 488 00:40:58,781 --> 00:41:02,551 それにしても 鴻山藩の女中も➡ 489 00:41:02,551 --> 00:41:05,554 屋敷内で自害したとの 知らせがあり➡ 490 00:41:05,554 --> 00:41:08,490 それに 鳴海屋の娘まで…。 491 00:41:08,490 --> 00:41:13,629 これで 鼠を知る2人の人間が 消えた事になるな…。 492 00:41:13,629 --> 00:41:43,259 ♬~ 493 00:41:43,259 --> 00:41:47,763 お松ちゃん! 姉さん 待って! 494 00:41:47,763 --> 00:41:50,263 (2人の笑い声) 495 00:41:51,934 --> 00:41:55,234 (2人の笑い声) 496 00:41:56,805 --> 00:41:59,108 猫が出たのよ! 497 00:41:59,108 --> 00:42:02,611 猫の住みかは また随分と立派だね。 498 00:42:02,611 --> 00:42:05,281 てめえら 盗っ人を肴に 何 盛り上がってんでえ! 499 00:42:05,281 --> 00:42:07,616 豊後屋の手代 脅して 金をせしめてたか? 500 00:42:07,616 --> 00:42:10,452 あの手代 何か裏があるみたい。 501 00:42:10,452 --> 00:42:14,290 ニャ~オ! 猫よ! 502 00:42:14,290 --> 00:42:16,959 この先 俺に任せちゃくれねえか。 503 00:42:16,959 --> 00:42:22,765 ♬「傷を負った瞳 そこに安らぎはないのか」 504 00:42:22,765 --> 00:42:26,969 ♬「涙のそばで生きるのか」 505 00:42:26,969 --> 00:42:31,640 ♬「ひとりで抱えながら」 506 00:42:31,640 --> 00:42:39,081 ♬「終わらない悲しみ ひととき忘れてみないか」 507 00:42:39,081 --> 00:42:43,252 ♬「その闇を切り裂いてやる」 508 00:42:43,252 --> 00:42:48,123 ♬「俺の胸で眠れ」 509 00:42:48,123 --> 00:42:52,594 ♬「千年恋慕 咲き乱れよう」 510 00:42:52,594 --> 00:42:57,933 ♬「散りゆくとて 悔いなどない」 511 00:42:57,933 --> 00:43:04,807 ♬「尽き果てるまで ともに生きよう」 512 00:43:04,807 --> 00:43:08,944 ♬「あらがうほど 運命は無情」 513 00:43:08,944 --> 00:43:14,116 ♬「ゆえに固く 結ぶ絆」 514 00:43:14,116 --> 00:43:23,292 ♬「腕に抱いて 交わす契りは」 515 00:43:23,292 --> 00:43:28,992 ♬「とこしえの愛」