1 00:00:01,393 --> 00:00:07,165 大勢の人々が お囃子や踊りを 楽しんでいました。 2 00:00:07,165 --> 00:00:11,670 ♬~ 3 00:00:11,670 --> 00:00:15,407 狩野英孝さんの「ファミリーヒストリー」➡ 4 00:00:15,407 --> 00:00:23,148 ふるさとの神社を守り続けてきた 家族の歳月でした。 5 00:00:23,148 --> 00:00:26,685 地域の方々にも安心して 頂けるように頑張りますので➡ 6 00:00:26,685 --> 00:00:28,685 ほんと これからも よろしくお願いします。 7 00:00:57,382 --> 00:01:00,285 (ため息) 8 00:01:00,285 --> 00:01:02,785 (次郎吉)早まるんじゃねえよ。 9 00:01:05,256 --> 00:01:08,393 (松助)あっ! あ~っ! ちょ… お助け下さい! 10 00:01:08,393 --> 00:01:10,328 今は 何も 持ち合わせがございません! 11 00:01:10,328 --> 00:01:13,732 この身一つでございます! どうか 命だけは お助けを! 12 00:01:13,732 --> 00:01:15,667 おいおい 勘違いしてんじゃねえよ! 13 00:01:15,667 --> 00:01:18,069 俺は…。 14 00:01:18,069 --> 00:01:22,907 お前…。 似たようなもんだが 物取りじゃねえよ。 15 00:01:22,907 --> 00:01:26,578 それに お前は そこから 身を投げようとしてたんだろ。 16 00:01:26,578 --> 00:01:30,415 命乞いするなんて 筋が通らねえだろ。 17 00:01:30,415 --> 00:01:34,386 あ… はあ…。 18 00:01:34,386 --> 00:01:39,124 それも そうですね。 「そうですね」じゃねえよ。 19 00:01:39,124 --> 00:01:42,527 どうだ? 落ち着いたか? 20 00:01:42,527 --> 00:01:45,363 もう 馬鹿なまねは するんじゃねえぞ。 21 00:01:45,363 --> 00:01:50,235 いいな? 分かったな? 22 00:01:50,235 --> 00:01:52,237 はい…。 23 00:01:52,237 --> 00:02:10,522 ♬~ 24 00:02:10,522 --> 00:02:13,391 あの… どうか もう行って下さい。 25 00:02:13,391 --> 00:02:18,229 お前が行けよ! 俺が行ったあと また お前が➡ 26 00:02:18,229 --> 00:02:20,265 こっから飛び込むんじゃねえかと 思ったら➡ 27 00:02:20,265 --> 00:02:23,568 何だか 寝覚めが悪いじゃねえか! 申し訳ありませんが➡ 28 00:02:23,568 --> 00:02:27,906 それは 私が先に行っても 同じ事でございます。 えっ? 29 00:02:27,906 --> 00:02:30,809 あなたが行ったあと 私は また ここへ戻ってきて➡ 30 00:02:30,809 --> 00:02:33,344 飛び込まなければ ならないんですから。 31 00:02:33,344 --> 00:02:37,115 言うなよ! だったら そういう事 言わなきゃいいだろ! 32 00:02:37,115 --> 00:02:40,351 命の恩人のあなたに うそは つけません。 33 00:02:40,351 --> 00:02:46,157 おいおい おいおい さっきから 何だか お前 おかしいぞ。 34 00:02:46,157 --> 00:02:48,226 本当は 死にたくねえんだろ? 35 00:02:48,226 --> 00:02:50,995 この世に 未練があるんじゃねえのか? 36 00:02:50,995 --> 00:02:55,533 未練など… あっても しかたありません…。 37 00:02:55,533 --> 00:03:02,307 私には 死ななきゃならない訳が あるんでございます…。 38 00:03:02,307 --> 00:03:05,307 (ため息) 39 00:03:07,245 --> 00:03:14,719 よかったら その訳ってやつを 話してみるか? うん? 40 00:03:14,719 --> 00:03:18,056 あの… あなたは? 41 00:03:18,056 --> 00:03:24,162 俺は たまたま ここを 通りかかっただけの者だよ。 42 00:03:24,162 --> 00:03:26,564 こんな時分に? お前に言われたくねえよ! 43 00:03:26,564 --> 00:03:29,601 あっ すいません。 いや 私は また➡ 44 00:03:29,601 --> 00:03:31,536 そのような いでたちを しておりますから➡ 45 00:03:31,536 --> 00:03:35,673 世間で噂の鼠小僧かと…。 46 00:03:35,673 --> 00:03:43,414 そうだとしたら どうなんだい? えっ? 本当でございますか? 47 00:03:43,414 --> 00:03:47,685 え~ 鼠!? ああ~っ! 騒ぐな! 48 00:03:47,685 --> 00:03:53,485 ♬~ 49 00:03:59,864 --> 00:04:05,036 そういう事か…。 借りた金が返せなくて 死ぬのか。 50 00:04:05,036 --> 00:04:09,541 もう 死んで おわびを するほかにはないのです。 51 00:04:09,541 --> 00:04:12,443 おい 相手は金貸しだろ? 52 00:04:12,443 --> 00:04:15,113 なにも そこまで 義理立てる事ねえだろ。 53 00:04:15,113 --> 00:04:18,316 いえ 死んで おわびを しなければならないのは➡ 54 00:04:18,316 --> 00:04:21,719 お父っつぁんにです。 そうか。 55 00:04:21,719 --> 00:04:25,223 お前の お父っつぁん 何をしている人なんだい? 56 00:04:25,223 --> 00:04:28,560 福屋という質屋のあるじを しております。 57 00:04:28,560 --> 00:04:34,332 福屋っていや 浅草三間町に 立派な蔵がある 大店じゃないか。 58 00:04:34,332 --> 00:04:36,267 よく ご存じで。 59 00:04:36,267 --> 00:04:38,670 えっ? あ… あっ! あっ! 60 00:04:38,670 --> 00:04:41,870 別に 入ってねえよ! 狙う気もねえからな! 61 00:04:45,176 --> 00:04:48,680 しかし 何だって 質屋の若旦那が➡ 62 00:04:48,680 --> 00:04:52,350 よそに そんな借金を こさえたんだ? 博打か? 63 00:04:52,350 --> 00:04:57,222 いえ。 しかたがなかったんです。 64 00:04:57,222 --> 00:05:00,692 吉原の花魁に 会いたくて 会いたくて…。 65 00:05:00,692 --> 00:05:03,595 何が しかたがねえだよ。 66 00:05:03,595 --> 00:05:06,030 その花魁が…➡ 67 00:05:06,030 --> 00:05:09,867 かわいくて かわいくて しかたなかったんです…。 68 00:05:09,867 --> 00:05:13,705 ぬけぬけと…。 馬鹿なのか? お前。 69 00:05:13,705 --> 00:05:16,741 私は その花魁を身請けして 添い遂げたいと➡ 70 00:05:16,741 --> 00:05:19,210 お父っつぁんに申し出たんです。 71 00:05:19,210 --> 00:05:21,546 けれども お父っつぁんは 認めて下さらず…。 72 00:05:21,546 --> 00:05:25,383 廓通いをやめない私は 勘当されてしまいました。 73 00:05:25,383 --> 00:05:28,052 無一文で追い出されましたが それでも…➡ 74 00:05:28,052 --> 00:05:31,389 花魁に会う事だけは やめられず…。 75 00:05:31,389 --> 00:05:35,189 気付いたら 借りを重ねておりました。 76 00:05:39,664 --> 00:05:44,002 死んだ方が よかったかもしれねえな。 77 00:05:44,002 --> 00:05:45,937 えっ? 78 00:05:45,937 --> 00:05:49,807 いや… だったら しかたねえじゃねえか。 79 00:05:49,807 --> 00:05:53,511 お父っつぁんに頭を下げて 心を入れ替えるしか。 80 00:05:53,511 --> 00:05:58,383 頭を下げて済むような事じゃ ないんです。 えっ? 81 00:05:58,383 --> 00:06:01,185 私が生きてると あの金貸しは➡ 82 00:06:01,185 --> 00:06:04,022 お父っつぁんに何をするか 分かりません。 83 00:06:04,022 --> 00:06:06,924 そんなタチの悪いやつから 借りたのか。 84 00:06:06,924 --> 00:06:10,795 だから もう 私が死ぬしかないんです。 85 00:06:10,795 --> 00:06:15,733 お父っつぁんは 私を 許して下さらないでしょうし➡ 86 00:06:15,733 --> 00:06:20,471 その花魁とは 「死んで あの世で結ばれよう」って➡ 87 00:06:20,471 --> 00:06:25,710 約束してきました。 それは どうでもいいんだよ! 88 00:06:25,710 --> 00:06:31,049 …で その借金は いくらなんだ? 89 00:06:31,049 --> 00:06:39,657 はあ… それが あの… 利子が積もって 3百両ほど。 90 00:06:39,657 --> 00:06:42,457 3百両もか…。 91 00:06:47,532 --> 00:06:53,504 その3百両あれば お前は 心を入れ替えられるのか? 92 00:06:53,504 --> 00:06:56,341 そりゃ もう 今度こそ お父っつぁんのために➡ 93 00:06:56,341 --> 00:06:59,010 働きたいと思っております! 94 00:06:59,010 --> 00:07:03,348 あ… いえ いえいえ…。 95 00:07:03,348 --> 00:07:07,218 どうか もう その事は お忘れ下さいまし。 96 00:07:07,218 --> 00:07:10,121 ここで会ったのも 何かの縁だ。 97 00:07:10,121 --> 00:07:13,024 盗っ人に信じられても 迷惑だろうが➡ 98 00:07:13,024 --> 00:07:18,363 俺は お前を信じていいんだな? 99 00:07:18,363 --> 00:07:20,563 えっ? 100 00:07:25,870 --> 00:07:30,375 ここに ちょうど 3百両ある。 101 00:07:30,375 --> 00:07:34,075 これで 目を覚ませ。 102 00:07:38,116 --> 00:07:42,487 すっかり もう覚めました! 103 00:07:42,487 --> 00:07:47,787 (泣き声) 104 00:07:52,497 --> 00:07:54,532 (小袖の ため息) 105 00:07:54,532 --> 00:07:59,003 何だよ 小袖。 朝から そんな大きなため息ついて。 106 00:07:59,003 --> 00:08:00,938 飯の味がしなくなるだろ。 107 00:08:00,938 --> 00:08:04,509 味なんかしなくても 食べられるだけ 今は ましよ! 108 00:08:04,509 --> 00:08:07,545 えっ? 明日から どうするの? 109 00:08:07,545 --> 00:08:11,282 お米 今朝 炊いたので 無くなったでしょ? 110 00:08:11,282 --> 00:08:17,021 お前 炊かないのに よく 米の残り 分かってんな。 111 00:08:17,021 --> 00:08:20,858 兄さん こんな事は 言いたくないんだけど…。 112 00:08:20,858 --> 00:08:22,794 何だよ? 113 00:08:22,794 --> 00:08:27,632 何日か前に 朝方まで 帰らなかった事ってあったわよね。 114 00:08:27,632 --> 00:08:30,368 ああ。 あったな。 115 00:08:30,368 --> 00:08:34,972 何で お米が増えてないの? 116 00:08:34,972 --> 00:08:37,642 さあ… 何でかな? 117 00:08:37,642 --> 00:08:41,312 もしかして 兄さん 女の人でもいるの? 118 00:08:41,312 --> 00:08:44,148 いないよ! いてもいいのよ。 119 00:08:44,148 --> 00:08:49,948 いる訳ねえだろ。 あの晩は 真面目に働いてたよ。 120 00:08:53,324 --> 00:08:57,995 だから まあ いろいろあったんだよ。 121 00:08:57,995 --> 00:09:00,665 困ったわ~。 122 00:09:00,665 --> 00:09:04,936 もう 質ぐさになるものだって ないのよ。 そうか。 123 00:09:04,936 --> 00:09:09,173 兄さんの その着物ぐらいしか。 お前のは? 124 00:09:09,173 --> 00:09:13,344 こんなものでも 質ぐさに なるかしら? お前のは? 125 00:09:13,344 --> 00:09:16,247 どっかに いい質屋さん ないかしらね 兄さん。 126 00:09:16,247 --> 00:09:19,150 多少 こっちの頼みを 聞いてもらえるような。 127 00:09:19,150 --> 00:09:23,354 それなら いいところがあるぞ。 えっ? どこ? 128 00:09:23,354 --> 00:09:26,654 あ… 気のせいだ。 気のせい。 129 00:09:28,693 --> 00:09:32,493 もう よく かんで食べてよ! 最後なんだから! 130 00:09:43,207 --> 00:09:47,378 (早崎)徳五郎。 こいつは 殺しか それとも 身投げか? 131 00:09:47,378 --> 00:09:51,349 (徳五郎)へい 旦那 刀で斬られた痕はねえし➡ 132 00:09:51,349 --> 00:09:55,987 物取りとも思えやせん。 こいつは どう見ても 身投げですね。 133 00:09:55,987 --> 00:09:59,857 この先の大川橋から飛び込んだか。 へえ 違えねえと思いやす。 134 00:09:59,857 --> 00:10:02,593 身投げをする心当たりは? いや~ あっしも➡ 135 00:10:02,593 --> 00:10:05,496 今 初めて会ったんで まだ そこまでは ちょっと…。 136 00:10:05,496 --> 00:10:11,302 (浅吉)親分! 福屋に行って 連れてきました! 137 00:10:11,302 --> 00:10:15,206 お父っつぁん! 138 00:10:15,206 --> 00:10:20,044 お父っつぁん! お父っつぁん! 139 00:10:20,044 --> 00:10:24,882 何で…。 お父っつぁん!➡ 140 00:10:24,882 --> 00:10:29,020 お父っつぁ~ん! 141 00:10:29,020 --> 00:10:32,890 うん? 女郎に惚れただ? いやいや いやいや…。 142 00:10:32,890 --> 00:10:36,193 この野郎 甘酒屋! おてんとさまの高えうちから➡ 143 00:10:36,193 --> 00:10:38,696 女郎買いの話とは ふてえ野郎だな! 144 00:10:38,696 --> 00:10:41,265 そば食う銭はねえくせに そういう金は あるってのか? 145 00:10:41,265 --> 00:10:43,200 そうだ! だったら 俺も連れてけ! 146 00:10:43,200 --> 00:10:47,038 いや だから 違うんだよ。 (お染)何が違うんだい? 147 00:10:47,038 --> 00:10:52,843 私の前で そういう話をするとは 次郎吉さん いい度胸だね。 148 00:10:52,843 --> 00:10:56,714 そば食わないんなら 帰っとくれ! いや だから違うんだよ お染さん。 149 00:10:56,714 --> 00:11:00,384 俺の話じゃなくて 俺の知り合いの話なんだ。 150 00:11:00,384 --> 00:11:04,722 そいつが花魁に惚れてな 吉原に通い詰めたあげく➡ 151 00:11:04,722 --> 00:11:07,625 心中の約束までしたってんだよ。 152 00:11:07,625 --> 00:11:11,062 まあ そういう恋もあるのかなと 思ってな。 153 00:11:11,062 --> 00:11:14,732 ほら 恋の話なら お染さんに聞くのが一番だろ。 154 00:11:14,732 --> 00:11:18,603 ある訳ないね そんな恋。 (3人)ないない ないない。 155 00:11:18,603 --> 00:11:21,606 あってたまるか この野郎! 156 00:11:21,606 --> 00:11:26,243 また 何だ 何だ? ここは いつ来ても➡ 157 00:11:26,243 --> 00:11:28,846 物事 深く考えない連中の 吹きだまりだな。 158 00:11:28,846 --> 00:11:31,082 へい 親分も そこの常連で。 余計な事 言ってんじゃねえよ。 159 00:11:31,082 --> 00:11:34,352 おい 酒 くれ! 160 00:11:34,352 --> 00:11:36,320 (ため息) 161 00:11:36,320 --> 00:11:41,025 何でえ 甘酒屋。 ろくでなしの筆頭だな。 162 00:11:41,025 --> 00:11:44,362 そば 食い終わったんだったら とっとと帰りやがれ! 163 00:11:44,362 --> 00:11:49,700 それでな 悪い事は言わねえ。 汗水たらして働け。 164 00:11:49,700 --> 00:11:54,572 今からでも 心を入れ替えろ。 なっ。 生きてるうちが花よ。 165 00:11:54,572 --> 00:11:59,377 生きてるうちは 何も考えずに働け。 166 00:11:59,377 --> 00:12:05,549 おめえたちもだぞ! 貧しくとも働いてりゃな➡ 167 00:12:05,549 --> 00:12:09,220 そのうち いい事もあらあ。 168 00:12:09,220 --> 00:12:12,123 ちょっと どうしちゃったんだい? 親分。 169 00:12:12,123 --> 00:12:14,725 今日は やけに しんみりしちゃってさ。 170 00:12:14,725 --> 00:12:17,628 親分 朝から 土左衛門 見て 気が めいっちゃったんでえ。 171 00:12:17,628 --> 00:12:20,598 (お染)何だ そんな事。 「何だ そんな事」じゃねえだろ。 172 00:12:20,598 --> 00:12:23,067 どんな立派な蔵を持つ お大尽だって➡ 173 00:12:23,067 --> 00:12:29,740 死にたくなるのが 今の世の中よ。 諸行無常の鐘が鳴るじゃねえか。 174 00:12:29,740 --> 00:12:33,177 言ってる事 分かってんのかね? コンチクショー! 酒 くれって事だよ! 175 00:12:33,177 --> 00:12:36,080 あいよ! 176 00:12:36,080 --> 00:12:41,852 親分 その土左衛門 まさか 質屋じゃないでしょうね。 177 00:12:41,852 --> 00:12:47,725 おめえ 何で知ってんだよ? えっ? 178 00:12:47,725 --> 00:12:51,562 おめえ 福屋 知ってんのか? 福屋? 179 00:12:51,562 --> 00:12:55,199 本当に 福屋なんですかい? あ? 180 00:12:55,199 --> 00:13:51,188 ♬~ 181 00:13:51,188 --> 00:13:56,994 (おちか)お前さん しばらく 私が代わりますから➡ 182 00:13:56,994 --> 00:14:02,533 少し 向こうで休んで下さいな。 183 00:14:02,533 --> 00:14:08,405 いいんだ。 横になっても 休める訳じゃなし➡ 184 00:14:08,405 --> 00:14:16,046 ここに いたいんだよ。 お前こそ もう休んでおくれ。➡ 185 00:14:16,046 --> 00:14:21,919 頼む。 今は お父っつぁんと 2人だけにしておくれ。 186 00:14:21,919 --> 00:14:26,219 おちか すまない…。 187 00:14:28,626 --> 00:14:31,326 はい…。 188 00:14:39,170 --> 00:14:44,341 許しておくれ お父っつぁん…。➡ 189 00:14:44,341 --> 00:14:46,641 許しておくれ…。 190 00:14:48,212 --> 00:14:51,212 許すって何をだ? 191 00:14:53,017 --> 00:14:55,352 あっ! 192 00:14:55,352 --> 00:15:01,152 今更 驚く事じゃねえだろ。 よもや 俺の事 忘れちゃいめえ。 193 00:15:07,865 --> 00:15:10,367 これは どういう事だ? 194 00:15:10,367 --> 00:15:13,037 なぜ お前のお父っつぁんは 死んでんだ? 195 00:15:13,037 --> 00:15:16,373 自ら 川に飛び込んだって いうのか? 196 00:15:16,373 --> 00:15:18,309 分かりません…。 197 00:15:18,309 --> 00:15:21,545 けど お父っつぁんが そんな事するとは思えません。 198 00:15:21,545 --> 00:15:24,215 分からねえとは どういう事だ? 199 00:15:24,215 --> 00:15:28,085 お前は あの3百両で 心 入れ替えたんじゃねえのか? 200 00:15:28,085 --> 00:15:30,988 金貸しに お父っつぁんが➡ 201 00:15:30,988 --> 00:15:34,688 殺されなきゃならねえような訳も なくなったんだろ? 202 00:15:36,493 --> 00:15:39,530 も… 申し訳ございません! 203 00:15:39,530 --> 00:15:45,169 あなたに頂いた3百両を 私は 金貸しに返しておりません。 204 00:15:45,169 --> 00:15:47,104 何? 205 00:15:47,104 --> 00:15:52,042 あのお金で 私は…➡ 206 00:15:52,042 --> 00:15:57,348 花魁を身請けしたのでございます。 身請けした? 207 00:15:57,348 --> 00:16:00,851 それじゃ さっき ここにいたのが そうか? 208 00:16:00,851 --> 00:16:06,357 はい。 今は 私の女房でございます。 209 00:16:06,357 --> 00:16:13,030 お前 もしかして 初めから そのつもりで あの3百両を? 210 00:16:13,030 --> 00:16:15,366 申し訳ございません! 211 00:16:15,366 --> 00:16:19,036 はあ~ 参ったね…。 212 00:16:19,036 --> 00:16:25,542 俺は あの時 お前の心のまことを 見たからこそ信じたんだ。 213 00:16:25,542 --> 00:16:29,213 それが 花魁に…。 214 00:16:29,213 --> 00:16:32,983 そこまでして惚れてる事の まことだったのか…。 215 00:16:32,983 --> 00:16:36,654 面目ない事でございます。 216 00:16:36,654 --> 00:16:40,157 いや 俺の負けだ。 217 00:16:40,157 --> 00:16:46,096 あの… よかったら お茶をどうぞ。 ああ すまねえ。 218 00:16:46,096 --> 00:16:49,667 うん? それじゃ やっぱり お前のお父っつぁんは➡ 219 00:16:49,667 --> 00:16:52,569 金貸しに殺されたのか? 220 00:16:52,569 --> 00:16:57,007 それが分からないんです。 221 00:16:57,007 --> 00:17:01,412 私は 身請けした おちかを連れて➡ 222 00:17:01,412 --> 00:17:04,181 お父っつぁんに 許しを願ったんです。 223 00:17:04,181 --> 00:17:08,852 お父っつぁん! 俺は おちかと一緒になれなければ➡ 224 00:17:08,852 --> 00:17:12,222 生きていけないんです! 許して下さい! 225 00:17:12,222 --> 00:17:16,026 許してくれたら 何でもします! 一生懸命 働きます! 226 00:17:16,026 --> 00:17:17,962 お父っつぁんが 許してくれなかったら➡ 227 00:17:17,962 --> 00:17:21,832 俺は おちかと 心中するしかないんです。 228 00:17:21,832 --> 00:17:30,040 馬鹿野郎! お前というやつは どこまで馬鹿なんだ…。 229 00:17:30,040 --> 00:17:36,146 えっ? どうやって 身請けしたんだ? 230 00:17:36,146 --> 00:17:40,317 あの… あの…➡ 231 00:17:40,317 --> 00:17:43,821 それが 借金をしました。 そうだろうな。 232 00:17:43,821 --> 00:17:45,856 それでね お父っつぁん➡ 233 00:17:45,856 --> 00:17:49,693 その時に 死一倍の証文を 交わしてしまったんです。 234 00:17:49,693 --> 00:17:52,396 俺が払えない時には お父っつぁんが亡くなったあと➡ 235 00:17:52,396 --> 00:17:56,266 残されたお金から 倍にして払う という証文です。 236 00:17:56,266 --> 00:17:58,502 なので 俺が生きてると 金貸しは➡ 237 00:17:58,502 --> 00:18:00,771 お父っつぁんのお金を当てにして どんな迷惑がかかるか➡ 238 00:18:00,771 --> 00:18:03,007 分かりません。 もし お父っつぁんが許してくれたら➡ 239 00:18:03,007 --> 00:18:04,942 俺は 死んだ気になって働いて➡ 240 00:18:04,942 --> 00:18:07,845 その金を返していきたいと 思ってます。 241 00:18:07,845 --> 00:18:11,145 だから どうか許して下さい! 242 00:18:13,650 --> 00:18:17,855 死一倍の証文…。 243 00:18:17,855 --> 00:18:24,028 親の死を当てにしてでも その女と一緒になりたかったのか。 244 00:18:24,028 --> 00:18:31,528 そこまで 馬鹿だったのか お前は…。 245 00:18:39,810 --> 00:18:45,010 とりあえず 2人とも 中に入れ。 246 00:18:52,823 --> 00:18:56,160 それじゃ お父っつぁんは 許してくれたのか。 247 00:18:56,160 --> 00:18:58,996 はい 最後は…。 248 00:18:58,996 --> 00:19:03,333 その借金も引き受けて 金貸しに返してくれたのか? 249 00:19:03,333 --> 00:19:06,003 そう思っておりましたが…。 250 00:19:06,003 --> 00:19:12,203 それじゃ 何で死んだんだ? (松助)分かりません…。 251 00:19:15,345 --> 00:19:22,119 あの… 鼠小僧に会った事は 誰にも話してませんから。 252 00:19:22,119 --> 00:19:25,022 恩着せがましい事 言うな! 253 00:19:25,022 --> 00:19:31,195 もしよかったら うちの蔵から 3百両 お持ち下さい。 254 00:19:31,195 --> 00:19:35,495 はあ…。 馬鹿野郎! 255 00:19:40,637 --> 00:19:44,437 あ~あ お粥か…。 256 00:19:46,310 --> 00:19:51,982 それで また 手ぶらだったの? そんなやつから 頂けるか。 257 00:19:51,982 --> 00:19:53,917 立派な悪党じゃない。 258 00:19:53,917 --> 00:19:56,854 人をだまして 女郎を身請けするなんて。 259 00:19:56,854 --> 00:19:59,857 それには驚いたよ。 まあ 借金をして➡ 260 00:19:59,857 --> 00:20:02,993 身投げしようとしてたまでは 本当だったんだろうけど➡ 261 00:20:02,993 --> 00:20:06,864 途中で 身請け代を 口にしたんだろうな。 262 00:20:06,864 --> 00:20:09,766 よく そんな事が あの場で思いつけたぜ。 263 00:20:09,766 --> 00:20:12,703 よく そんな事で 感心してられるわね。 264 00:20:12,703 --> 00:20:15,506 別に 感心なんかしちゃいねえよ。 265 00:20:15,506 --> 00:20:20,010 もともと その借金だって 女郎遊びをするためなんでしょ? 266 00:20:20,010 --> 00:20:22,846 何が まことの心を 見たような気がしたよ。 267 00:20:22,846 --> 00:20:27,017 その女郎に惚れたのは まことだったんじゃねえのか。 268 00:20:27,017 --> 00:20:30,888 男って みんな 馬鹿? 269 00:20:30,888 --> 00:20:34,358 まあ …かもしれねえけど。 270 00:20:34,358 --> 00:20:37,194 まあ いいや。 この事は もう忘れたよ。 271 00:20:37,194 --> 00:20:42,032 けど その質屋は これから どうなっていくのかしらね。 272 00:20:42,032 --> 00:20:44,067 どうなるも こうなるも➡ 273 00:20:44,067 --> 00:20:46,637 あの伜夫婦がやってくしか ねえだろ。 274 00:20:46,637 --> 00:20:51,575 それで済むと思う? 父親が なぜ 死んだのかも分からないままで。 275 00:20:51,575 --> 00:20:54,378 う~ん… まあな。 276 00:20:54,378 --> 00:20:57,047 ほら やっぱり まだ 気にしてるんじゃない。 277 00:20:57,047 --> 00:21:00,747 馬鹿同士! 馬鹿同士って言うな! 278 00:21:04,221 --> 00:21:08,521 すっかり 顔見知りに なっちゃったものね あっちと。 279 00:21:12,930 --> 00:21:14,930 え~い! (広之進)はっ! 280 00:21:17,234 --> 00:21:20,137 はっ! 281 00:21:20,137 --> 00:21:22,406 (腹が鳴る音) あっ! 282 00:21:22,406 --> 00:21:25,106 えっ? 隙あり! 283 00:21:30,080 --> 00:21:32,849 小袖殿 どうしたんですか? 284 00:21:32,849 --> 00:21:34,849 (腹が鳴る音) 285 00:21:38,655 --> 00:21:43,360 もう おなかがすいちゃって…。 ごめんなさい。 286 00:21:43,360 --> 00:21:48,031 いえ。 そんなものでよければ いつでも どうぞ。 287 00:21:48,031 --> 00:21:52,369 やっぱり お米をかむと 力が蓄えられる気がするわ。 288 00:21:52,369 --> 00:21:55,706 それは よかった。 おなかがすいて➡ 289 00:21:55,706 --> 00:22:00,210 私に負けそうになる小袖殿なんて 情けないですから。 290 00:22:00,210 --> 00:22:04,881 それでも勝てない広之進様も 情けないですよ。 291 00:22:04,881 --> 00:22:09,753 はい。 しかし 小袖殿の兄上は➡ 292 00:22:09,753 --> 00:22:13,890 何故 あのように 働かないのでしょうか? 293 00:22:13,890 --> 00:22:19,396 私もね あんまり働かなくても いいとは思っているんだけど…。 294 00:22:19,396 --> 00:22:23,734 小袖殿…。 小袖殿の その性分が➡ 295 00:22:23,734 --> 00:22:26,570 兄上を駄目にしているんでは ありませんか? 296 00:22:26,570 --> 00:22:29,473 そうかもしれないわね。 297 00:22:29,473 --> 00:22:33,010 いいのよ。 いよいよ 兄さんが困った時には➡ 298 00:22:33,010 --> 00:22:35,512 私が 吉原にでも 行けばいいんだから。 299 00:22:35,512 --> 00:22:38,415 女郎屋の用心棒ですか? 300 00:22:38,415 --> 00:22:40,915 お女郎になるのよ。 301 00:23:01,371 --> 00:24:01,698 ♬~ 302 00:24:01,698 --> 00:24:06,898 あの~ すみませんが このうちは どんな方が…? 303 00:24:09,206 --> 00:24:14,044 やめた方がいいよ。 ここは 高利貸しだよ。 えっ? 304 00:24:14,044 --> 00:24:17,844 あんた 売られちまうよ。 305 00:24:24,688 --> 00:24:29,226 (久兵衛)いや~ おめえも いろいろと大変だったな。 306 00:24:29,226 --> 00:24:31,661 いいえ。 307 00:24:31,661 --> 00:24:35,832 どうだい? 廓の外での暮らしは。 308 00:24:35,832 --> 00:24:39,169 悪くありません。 309 00:24:39,169 --> 00:24:45,041 くれぐれも言っとくが 妙な情をうつすんじゃねえぞ。 310 00:24:45,041 --> 00:24:50,881 そんな心配しないで下さいよ。 ハッハッハッ。 311 00:24:50,881 --> 00:24:58,021 それよりも あの人の父親は あの人の借金を払ったんですか? 312 00:24:58,021 --> 00:25:05,695 ああ。 全く 親子の情ほど 救いようのねえものはねえな。 313 00:25:05,695 --> 00:25:09,032 たんまり 頂くものは頂いた。 314 00:25:09,032 --> 00:25:12,032 あとは 根こそぎだ。 315 00:25:15,539 --> 00:25:21,739 こいつを 少しずつ 松助に のませるんだ。 316 00:25:36,660 --> 00:25:39,696 あの若旦那の女房が 金貸しのところに? 317 00:25:39,696 --> 00:25:44,167 どういう事かしらね。 う~ん…。 318 00:25:44,167 --> 00:25:47,003 その金貸しは 借金のカタに➡ 319 00:25:47,003 --> 00:25:49,906 女郎屋への口入れも しているようだから。 320 00:25:49,906 --> 00:25:53,106 それじゃ その女も…。 321 00:25:59,015 --> 00:26:03,520 何でえ 甘酒屋。 親分。 322 00:26:03,520 --> 00:26:05,856 相変わらず 甘酒 売ってねえのか。 323 00:26:05,856 --> 00:26:07,824 おめえは 一生 怠けてるつもりか? 324 00:26:07,824 --> 00:26:13,029 面目ねえ。 あの~ 親分 あれは どうなりました? 325 00:26:13,029 --> 00:26:15,866 あれだ? ほら 身投げした福屋の…。 326 00:26:15,866 --> 00:26:17,834 何か 訳でも分かりましたか? 327 00:26:17,834 --> 00:26:23,373 ああ… おめえ 知り合いだったな。 へい。 世話になったんで。 328 00:26:23,373 --> 00:26:27,711 …ったく 質屋の世話に なってんじゃねえぞ いつまでも。 329 00:26:27,711 --> 00:26:29,646 へい。 330 00:26:29,646 --> 00:26:33,517 そいつが どうも妙なんだよな。 妙? 331 00:26:33,517 --> 00:26:37,521 あの晩は 寄り合いに出て 酒 飲んでたらしいんだけどな➡ 332 00:26:37,521 --> 00:26:39,656 上機嫌だったっていうんだよ。 333 00:26:39,656 --> 00:26:41,992 死ぬ前にですか? ああ。 334 00:26:41,992 --> 00:26:44,895 勘当した伜が 所帯持って 戻ってきたってな➡ 335 00:26:44,895 --> 00:26:48,164 そりゃ うれしそうに 話してたそうだ。 336 00:26:48,164 --> 00:26:51,835 そいつが 何で死んじまうかね…。 337 00:26:51,835 --> 00:26:54,871 やっぱり 酔っ払って 橋から 落っこっちまったんですかね。 338 00:26:54,871 --> 00:26:57,173 まあ そんなとこかもしんねえな。 339 00:26:57,173 --> 00:27:00,010 誰かに殺されたって事は 考えられませんか? 340 00:27:00,010 --> 00:27:04,514 誰に? お前 心当たりでも あんのか? あ いえ…。 341 00:27:04,514 --> 00:27:08,184 ただ あの番頭は ちょいと妙だったな。 342 00:27:08,184 --> 00:27:10,384 番頭? 343 00:27:14,524 --> 00:27:19,362 (権八)若旦那 お暇を頂きたく…。 344 00:27:19,362 --> 00:27:23,033 えっ? ちょっ…。 345 00:27:23,033 --> 00:27:26,536 ちょ… ちょっと 番頭さん 急に そんな事 言われても…。 346 00:27:26,536 --> 00:27:30,373 旦那様の野辺送りも 終わった事ですし➡ 347 00:27:30,373 --> 00:27:35,145 私は もう この辺りが潮時で…。 お暇を頂きたく存じます。 348 00:27:35,145 --> 00:27:37,480 お父っつぁんが 亡くなった時だからこそ➡ 349 00:27:37,480 --> 00:27:41,985 今 番頭さんに辞められたら 私は困るよ。 350 00:27:41,985 --> 00:27:43,954 (ため息) 351 00:27:43,954 --> 00:27:46,554 若旦那。 352 00:27:50,493 --> 00:27:54,064 (松助)…で どうしてなんだい? 権八さん! 353 00:27:54,064 --> 00:27:57,664 申し訳ございません! 勘弁して下さい! ちょっ…。 354 00:28:08,712 --> 00:28:11,081 あんた 福屋の番頭さんだね? 355 00:28:11,081 --> 00:28:13,049 うわ~ うわっ! ちょっと待ってくれ! 356 00:28:13,049 --> 00:28:15,685 嫌だ! おい 勘違いするな! 357 00:28:15,685 --> 00:28:17,685 嫌だ! ちょっと待てって! 358 00:28:21,024 --> 00:28:25,695 (権八)私は 旦那様に頼まれて 調べていたのです。 359 00:28:25,695 --> 00:28:29,032 何を? 360 00:28:29,032 --> 00:28:34,804 若旦那が通い詰めている 花魁の事を…。 361 00:28:34,804 --> 00:28:39,476 旦那様は 若旦那が そんなに惚れているなら➡ 362 00:28:39,476 --> 00:28:46,149 身請けをして 一緒にさせても いいと思っていたようです。 363 00:28:46,149 --> 00:28:52,822 だけど その花魁には その花魁を口入れした➡ 364 00:28:52,822 --> 00:28:58,495 金貸しの久兵衛親分も 通ってる事が分かって…。 365 00:28:58,495 --> 00:29:01,531 はあ…。 366 00:29:01,531 --> 00:29:07,837 その親分から 若旦那が 借金をしてる事も知ったんです。➡ 367 00:29:07,837 --> 00:29:15,512 旦那様は 自分が 話をつけてくると言ったんです。 368 00:29:15,512 --> 00:29:19,349 金貸しにか? 369 00:29:19,349 --> 00:29:24,688 蔵から 千両が消えてました。 370 00:29:24,688 --> 00:29:27,724 それなのに 旦那様は あんな事になって…。 371 00:29:27,724 --> 00:29:30,560 私は 怖くなったんです。 372 00:29:30,560 --> 00:29:36,966 千両 払って 殺されたってのか…。 373 00:29:36,966 --> 00:29:42,305 私から聞いたとは 誰にも言わないで下さい! 374 00:29:42,305 --> 00:29:45,809 女将。 はい。 375 00:29:45,809 --> 00:29:48,845 今の話 しっかり盗み聞きしてたな? 376 00:29:48,845 --> 00:29:51,614 はいよ。 しっかりと。 377 00:29:51,614 --> 00:29:55,318 徳五郎親分が来たら 全部 しゃべっちまってくれ。 378 00:29:55,318 --> 00:29:57,654 任しといて。 379 00:29:57,654 --> 00:29:59,954 お前は好きにしろ。 380 00:30:25,515 --> 00:30:29,015 旦那様に お茶をいれておくれ。 はい。 381 00:30:38,695 --> 00:31:05,555 ♬~ 382 00:31:05,555 --> 00:31:08,458 頂きます。 頂きます。 383 00:31:08,458 --> 00:31:39,189 ♬~ 384 00:31:39,189 --> 00:31:43,860 う~ん…。 どうですかね? 385 00:31:43,860 --> 00:31:48,731 こちらのお品ですと 1両2分と いったところでしょうかね。 386 00:31:48,731 --> 00:31:53,570 そんなもんですか。 値打ちもんだと思うんですけどね。 387 00:31:53,570 --> 00:31:57,040 はあ…。 388 00:31:57,040 --> 00:31:59,040 うん? 389 00:32:00,710 --> 00:32:04,547 …で どうだった? 390 00:32:04,547 --> 00:32:10,053 どうも まだ あれは 死にそうもないですぜ 親分。 391 00:32:10,053 --> 00:32:14,390 ああ そうか…。 392 00:32:14,390 --> 00:32:20,690 あの女 ぬくぬくし過ぎて グズグズしてやがるな。 393 00:32:22,265 --> 00:32:28,565 ここは また 先生方に頼む方が早いようだ。 394 00:32:32,342 --> 00:32:34,844 (お国)あっ 次郎吉さん。 よう お国。 395 00:32:34,844 --> 00:32:37,180 千草先生は いるかい? いますけど。 396 00:32:37,180 --> 00:32:39,980 ちょっと呼んできてくれねえか。 は~い。 397 00:32:45,355 --> 00:32:48,258 あら 次郎吉さん しばらくぶりね。 398 00:32:48,258 --> 00:32:52,228 千草先生 ちょっと 一緒に来てもらえませんか? 399 00:32:52,228 --> 00:32:56,299 どこへ? 診てもらいてえやつがいるんで。 400 00:32:56,299 --> 00:33:11,781 ♬~ 401 00:33:11,781 --> 00:33:15,051 何の御用ですか? 402 00:33:15,051 --> 00:33:17,720 松助さんは いますか? 403 00:33:17,720 --> 00:33:22,892 主人なら あいにく 寄り合いに出かけておりますが。 404 00:33:22,892 --> 00:33:25,929 どうするの? 405 00:33:25,929 --> 00:33:29,129 体の具合は どうなんだい? 406 00:33:31,601 --> 00:33:36,301 あんたのしてる事は 分かってるんだよ。 407 00:33:54,691 --> 00:34:00,691 お父っつぁん… どうして こんなとこから…。 408 00:34:11,541 --> 00:34:18,047 わっ。 あ… えっ? 何なんですか? あなた方は。 409 00:34:18,047 --> 00:34:20,883 おっ! 飛び込め。 410 00:34:20,883 --> 00:34:23,720 はっ? そこから飛び込むんだ。 411 00:34:23,720 --> 00:34:27,991 そしたら お前の女房は見逃してやる。 412 00:34:27,991 --> 00:34:31,394 おちかを? どういう事ですか? それは。 413 00:34:31,394 --> 00:34:36,232 おちかを死なせたくなければ 早く飛べ! 414 00:34:36,232 --> 00:34:41,671 そうやって お父っつぁんも飛び降りたんだ。 415 00:34:41,671 --> 00:34:48,444 お父っつぁんは お前の命を助けるためにな。 416 00:34:48,444 --> 00:34:51,848 (竹蔵)本当だな? 417 00:34:51,848 --> 00:34:59,522 私が死ねば 伜の命は助けてくれるんだな? 418 00:34:59,522 --> 00:35:04,394 金も質屋も お前らの好きにしていい。 419 00:35:04,394 --> 00:35:13,036 だが… 伜夫婦にだけは 手を出さないでくれ! 420 00:35:13,036 --> 00:35:15,036 頼む! 421 00:35:18,908 --> 00:35:24,380 お父っつぁんは お前と おちかを 一緒にさせるために➡ 422 00:35:24,380 --> 00:35:27,680 金も命も投げ出したんだ。 423 00:35:29,552 --> 00:35:31,988 チクショー…。 424 00:35:31,988 --> 00:35:34,657 よくも お父っつぁんを! 425 00:35:34,657 --> 00:35:52,208 ♬~ 426 00:35:52,208 --> 00:35:55,678 盗むのは 得意なもんでね。 427 00:35:55,678 --> 00:36:31,478 ♬~ 428 00:36:39,822 --> 00:36:43,326 それで どうなんだ? 急いで! 429 00:36:43,326 --> 00:36:45,828 若旦那 急ぐぞ! 430 00:36:45,828 --> 00:36:48,128 えっ? 431 00:36:56,005 --> 00:36:58,305 ≪(足音) 432 00:37:00,676 --> 00:37:05,181 おちか! どうして…。 433 00:37:05,181 --> 00:37:09,852 これを 少しずつ のんでいたんですよ。 434 00:37:09,852 --> 00:37:14,052 中身は 附子。 トリカブトの根をすった毒です。 435 00:37:17,593 --> 00:37:20,029 何で 毒を…。 436 00:37:20,029 --> 00:37:23,065 解毒になりそうな薬は のませたけど…➡ 437 00:37:23,065 --> 00:37:26,065 遅かったみたい…。 438 00:37:33,476 --> 00:37:36,379 おちか! 439 00:37:36,379 --> 00:37:41,984 ま… 松助さん…。 440 00:37:41,984 --> 00:37:46,856 私たちは やっぱり➡ 441 00:37:46,856 --> 00:37:53,696 この世で 結ばれてはいけなかった…。 442 00:37:53,696 --> 00:37:59,168 けれど… うれしかった。 443 00:37:59,168 --> 00:38:03,506 松助さんが…➡ 444 00:38:03,506 --> 00:38:11,306 大事なお金も 私のために使ってくれて…。 445 00:38:15,017 --> 00:38:30,032 この世は うそで塗り固められた 地獄だと思って生きてきたけど➡ 446 00:38:30,032 --> 00:38:40,732 最後に まことがある事を 信じさせてもらった…。 447 00:38:44,547 --> 00:38:47,547 ありがとう…。 448 00:38:52,288 --> 00:38:58,288 ごめん… なさい…。 449 00:39:06,502 --> 00:39:10,006 おちか…。 450 00:39:10,006 --> 00:39:14,844 お… おちか…。 451 00:39:14,844 --> 00:39:19,181 おちか! 452 00:39:19,181 --> 00:39:22,381 おちか~! 453 00:39:27,056 --> 00:39:31,556 私は これを自身番に届けるわ。 454 00:39:33,629 --> 00:39:51,981 ♬~ 455 00:39:51,981 --> 00:39:56,852 金貸し久兵衛 福屋の女房が全て白状した! 456 00:39:56,852 --> 00:40:03,052 神妙に縛につけ! もう 言い逃れはできねえぞ。 457 00:40:04,994 --> 00:40:07,897 はあ…。 458 00:40:07,897 --> 00:40:19,008 ♬~ 459 00:40:19,008 --> 00:40:22,345 徳五郎 蔵の金子と証文も押さえるか。 460 00:40:22,345 --> 00:40:24,680 へい! 461 00:40:24,680 --> 00:40:28,184 あ~っ 出やがった! 親分! 462 00:40:28,184 --> 00:40:32,855 やっと出やがった 鼠の野郎! 463 00:40:32,855 --> 00:40:36,359 馬鹿! 早く行け! 逃がすな! 浅吉! へい! 464 00:40:36,359 --> 00:40:38,694 (呼び子の音) 465 00:40:38,694 --> 00:40:56,994 ♬~ 466 00:41:01,384 --> 00:41:03,384 こら! 467 00:41:07,056 --> 00:41:09,558 ねえ 兄さん。 うん? 468 00:41:09,558 --> 00:41:13,429 あの若旦那 どうなるのかしらね。 469 00:41:13,429 --> 00:41:16,232 一人になっちゃって。 470 00:41:16,232 --> 00:41:19,268 俺たちとは もう 関わりのねえ事だ。 471 00:41:19,268 --> 00:41:23,105 そうよね。 だけど➡ 472 00:41:23,105 --> 00:41:26,242 まことの馬鹿って本当にいるのね。 473 00:41:26,242 --> 00:41:28,577 全くだ。 474 00:41:28,577 --> 00:41:30,913 (小声で)ここにも 一人。 475 00:41:30,913 --> 00:41:33,349 何か言ったか? 476 00:41:33,349 --> 00:41:37,853 おなかがすいたって言ったの。 ちょっと待ってろ。 477 00:41:37,853 --> 00:41:40,053 (腹が鳴る音) 478 00:41:57,206 --> 00:41:59,542 待ちな。 兄さんは 誰よりも➡ 479 00:41:59,542 --> 00:42:01,577 その子の気持ちが分かるのね。 480 00:42:01,577 --> 00:42:04,413 盗賊に ガキが? そんな訳ねえだろ。 481 00:42:04,413 --> 00:42:07,213 あの子に返してもらえますか? お願いします。 482 00:42:09,051 --> 00:42:11,251 まずは お前からだ。 483 00:42:13,889 --> 00:42:15,825 鼠!? 484 00:42:15,825 --> 00:42:23,232 ♬「傷を負った瞳 そこに安らぎはないのか」 485 00:42:23,232 --> 00:42:27,102 ♬「涙のそばで生きるのか」 486 00:42:27,102 --> 00:42:31,941 ♬「ひとりで抱えながら」 487 00:42:31,941 --> 00:42:39,515 ♬「終わらない悲しみ ひととき忘れてみないか」 488 00:42:39,515 --> 00:42:43,686 ♬「その闇を切り裂いてやる」 489 00:42:43,686 --> 00:42:48,557 ♬「俺の胸で眠れ」 490 00:42:48,557 --> 00:42:52,862 ♬「千年恋慕 咲き乱れよう」 491 00:42:52,862 --> 00:42:58,200 ♬「散りゆくとて 悔いなどない」 492 00:42:58,200 --> 00:43:05,074 ♬「尽き果てるまで ともに生きよう」 493 00:43:05,074 --> 00:43:09,378 ♬「あらがうほど 運命は無情」 494 00:43:09,378 --> 00:43:14,550 ♬「ゆえに固く 結ぶ絆」 495 00:43:14,550 --> 00:43:23,726 ♬「腕に抱いて 交わす契りは」 496 00:43:23,726 --> 00:43:28,726 ♬「とこしえの愛」