1 00:00:02,202 --> 00:00:40,207 ♬~ 2 00:00:42,442 --> 00:00:45,312 清盛を 鬼と呼んでいた世間は➡ 3 00:00:45,312 --> 00:00:51,184 その清盛が 義朝の子供たちの命を 助けたことに驚きました。 4 00:00:51,184 --> 00:00:53,186 そして…。 5 00:00:53,186 --> 00:01:00,594 清盛が 宰相に叙された頃 奇妙なうわさが 町を流れ始めました。 6 00:01:00,594 --> 00:01:04,398 へえ~ それじゃ 常磐様は➡ 7 00:01:04,398 --> 00:01:09,236 お子たちを助けるために 自分の体を 六波羅の鬼に? 8 00:01:09,236 --> 00:01:13,607 何せ 都一といわれる美人の常磐御前だ。 9 00:01:13,607 --> 00:01:16,410 鬼も それで許す気になったんだろうよ。 10 00:01:16,410 --> 00:01:20,280 それにしても 常磐様も常磐様じゃねえか。 11 00:01:20,280 --> 00:01:25,152 そうよなあ。 あの世で 義朝様も泣いてるだろうぜ。 12 00:01:25,152 --> 00:01:32,993 (綾麿)清盛殿も 女の色香には弱かったということですな。 13 00:01:32,993 --> 00:01:37,698 それにしても 女子は 恐ろしゅうおじゃりまするなあ。 14 00:01:37,698 --> 00:01:40,968 麿たちには 到底信じられぬことじゃ。 15 00:01:40,968 --> 00:01:45,772 ホホホホホ…。 16 00:01:50,644 --> 00:01:52,646 (清盛)とうっ! 17 00:01:54,314 --> 00:01:56,249 (時忠)お見事! 18 00:01:56,249 --> 00:01:58,952 (いななき) 19 00:02:02,122 --> 00:02:04,324 何者だ!? 20 00:02:08,261 --> 00:02:10,197 常磐殿! 21 00:02:10,197 --> 00:02:13,500 お久しぶりでございます。 22 00:02:15,402 --> 00:02:18,605 今でも わしを憎んでいるのか? 23 00:02:18,605 --> 00:02:25,112 あなた様は 殺されると決まっていた 子供たちを救ってくださいました。 24 00:02:25,112 --> 00:02:30,417 そのあなた様に どうして憎しみを 持ち続けられましょう。 25 00:02:30,417 --> 00:02:36,223 あれが わしにできる 精いっぱいのことだった。 26 00:02:36,223 --> 00:02:41,628 それについて ちまたの者が どんなうわさをしているか➡ 27 00:02:41,628 --> 00:02:45,499 ご存じでございますか? 28 00:02:45,499 --> 00:02:48,301 子供たちの命を救うため➡ 29 00:02:48,301 --> 00:02:52,305 そなたが わしの前に 体を投げ出したというものでござろう? 30 00:02:52,305 --> 00:02:56,510 らちもないうわさ 気に召されるな。 31 00:02:58,945 --> 00:03:02,249 どうなされた。 32 00:03:02,249 --> 00:03:08,588 清盛様… これだけのご厚情を受けながら➡ 33 00:03:08,588 --> 00:03:12,926 私には 何も お返しするものがございませぬ。 34 00:03:12,926 --> 00:03:16,263 ならば せめて…➡ 35 00:03:16,263 --> 00:03:19,966 うわさを真実にしてくださいませ。 36 00:03:22,069 --> 00:03:30,777 それが… 源氏の身内として 私にできる ただ一つのご恩返しでございます。 37 00:03:30,777 --> 00:03:32,813 まあ 常磐殿…。 38 00:03:32,813 --> 00:03:39,119 亡き夫も きっと許してくれると思います。 39 00:03:39,119 --> 00:03:42,622 ハハハハハハハ…。 40 00:03:42,622 --> 00:03:47,127 源氏の女子よのう そなたは。 41 00:03:49,296 --> 00:03:51,965 恩返しではあるまい。 42 00:03:51,965 --> 00:03:58,271 それは 平家に借りを作るまいとする 義朝の妻の意地であろう。 43 00:03:59,840 --> 00:04:05,612 応えよう。 平家の男子として。 44 00:04:05,612 --> 00:04:10,750 確かに それは… ただの愛欲ではありませんでした。 45 00:04:10,750 --> 00:04:17,457 源氏と平家の 形を変えた戦いと 言えるかもしれません。 46 00:04:20,927 --> 00:04:28,435 その日 清盛が屋敷に戻ったのは 夜も とっぷりと暮れた頃でした。 47 00:04:35,942 --> 00:04:37,878 お帰りなさいませ。 48 00:04:37,878 --> 00:04:41,815 時子。 まだ起きていたのか。 49 00:04:41,815 --> 00:04:45,418 うさぎや いのししが このような夜更けまで➡ 50 00:04:45,418 --> 00:04:49,122 走り回っておりますまい。 51 00:04:49,122 --> 00:04:54,628 今は亡き敵将の後家殿と 狩り場でお会いになったこと➡ 52 00:04:54,628 --> 00:04:57,297 時忠から聞きました。 53 00:04:57,297 --> 00:05:00,200 (舌打ち) あやつめ…。 54 00:05:00,200 --> 00:05:02,903 何と仰せられました? 55 00:05:02,903 --> 00:05:07,240 いや 何… 命を助けた子供たちのことなどで➡ 56 00:05:07,240 --> 00:05:10,577 話が弾んでの。 57 00:05:10,577 --> 00:05:14,247 ハハハハハ… お前らしくもない。 58 00:05:14,247 --> 00:05:16,583 やきもちか? 59 00:05:16,583 --> 00:05:20,453 どう お取りになっても結構でございます。 60 00:05:20,453 --> 00:05:23,924 女遊びは男の甲斐性とお考えなら➡ 61 00:05:23,924 --> 00:05:28,395 いくらでも そばめを おそばに お置きなさいませ。 62 00:05:28,395 --> 00:05:33,934 けれど 命の取り合いをした源氏の後家殿に➡ 63 00:05:33,934 --> 00:05:37,404 うつつを抜かすような あさましいことだけは➡ 64 00:05:37,404 --> 00:05:40,106 おやめくださいまし。 65 00:05:40,106 --> 00:05:45,412 源氏ゆかりの者が お命を狙っている という うわさもあるのですよ。 66 00:05:48,281 --> 00:05:52,485 分かった。 もう会わぬ。 67 00:05:57,624 --> 00:06:00,527 一夜だけの逢瀬でした。 68 00:06:00,527 --> 00:06:04,731 以後 清盛と常磐は 二度と会わず➡ 69 00:06:04,731 --> 00:06:09,236 その後 常磐御前は 子供たちと ちりぢりに別れたまま➡ 70 00:06:09,236 --> 00:06:15,542 藤原長成のもとへ 後添えとして嫁いでいきました。 71 00:06:19,880 --> 00:06:22,382 平和は戻りました。 72 00:06:22,382 --> 00:06:25,085 しかし そんな町の中にも➡ 73 00:06:25,085 --> 00:06:30,390 清盛の命を狙って 執念の炎を燃やす男がいました。 74 00:06:30,390 --> 00:06:34,594 義朝の嫡男 悪源太義平です。 75 00:06:36,196 --> 00:06:42,602 義平様 清盛が 福原へ向けて旅立ちました。 76 00:06:42,602 --> 00:06:45,505 (義平)む… 手勢は? 77 00:06:45,505 --> 00:06:51,311 義弟 時忠をはじめ 約30騎にございます。 78 00:06:51,311 --> 00:06:53,947 油断したな 清盛。 79 00:06:53,947 --> 00:06:57,150 今度こそ 貴様の首はもらった! 80 00:06:59,753 --> 00:07:04,891 どうじゃ 時忠… あの沖合の小島と陸地を結べば➡ 81 00:07:04,891 --> 00:07:08,361 この海は 波静かな内海になる。 82 00:07:08,361 --> 00:07:11,231 それこそ まさに天下の良港であろう。 83 00:07:11,231 --> 00:07:15,568 はい。 地形といい 場所といい 申し分ございません。 84 00:07:15,568 --> 00:07:21,241 ここを根城に 異国との交易を広めれば 我が国は栄える。 85 00:07:21,241 --> 00:07:25,912 民が飢えに苦しむことなど きっと なくなるはずだ。 86 00:07:25,912 --> 00:07:28,815 そこまでお考えでしたか。 87 00:07:28,815 --> 00:07:33,386 武士や公家のことばかり考えていては 政は つとまらぬ。 88 00:07:33,386 --> 00:07:37,390 それが 人の上に立つ者の務めであろう。 89 00:07:40,160 --> 00:07:43,063 清盛…。 90 00:07:43,063 --> 00:07:49,602 父 義朝 そして 源氏一門が恨み 今ぞ晴らす! 91 00:07:49,602 --> 00:07:53,106 (文覚)無駄なまねは やめなされ 義平殿。 92 00:07:53,106 --> 00:07:55,041 貴様 何者だ!? 93 00:07:55,041 --> 00:07:58,611 見てのとおりの生臭坊主にござるよ。 94 00:07:58,611 --> 00:08:03,350 なれど義平殿 少なくとも そこもとより 世の中は見える。 95 00:08:03,350 --> 00:08:05,418 何? 96 00:08:05,418 --> 00:08:08,722 今ここで 清盛を倒したとて➡ 97 00:08:08,722 --> 00:08:12,225 平家に傾いた 時の流れが 変わるわけではない。 98 00:08:12,225 --> 00:08:14,160 愚かなことはやめなされ。 99 00:08:14,160 --> 00:08:16,096 だ… 黙れ! 100 00:08:16,096 --> 00:08:18,565 俺はどうでも 清盛のしるしを挙げる! 101 00:08:18,565 --> 00:08:21,234 さもなくば 武士としての意気地が立たぬのだ! 102 00:08:21,234 --> 00:08:23,169 どけ! 103 00:08:23,169 --> 00:08:25,105 愚かな…。 104 00:08:25,105 --> 00:08:27,107 ⚟(義平)や~っ! 兄上 あれは! 105 00:08:27,107 --> 00:08:30,910 悪源太じゃ。 愚か者めが! 106 00:08:30,910 --> 00:08:33,947 (忠度)待て! どけ! 何やつだ! 107 00:08:33,947 --> 00:08:36,082 これなるは平 忠度! 108 00:08:36,082 --> 00:08:38,585 六波羅様に 指一本触れさせぬ! 109 00:08:38,585 --> 00:08:42,088 こしゃくな。 死ね! 110 00:08:42,088 --> 00:08:44,024 忠度? 111 00:08:44,024 --> 00:08:48,261 ええい! ううっ… えい! 112 00:08:48,261 --> 00:08:51,598 えい! や~! 113 00:08:51,598 --> 00:08:54,634 離せ! 114 00:08:54,634 --> 00:08:59,339 義平 今更 わしを狙って何とする? 115 00:08:59,339 --> 00:09:02,208 見逃してやるゆえ 黙って この場を立ち去れ。 116 00:09:02,208 --> 00:09:04,144 ほざくな! 117 00:09:04,144 --> 00:09:08,982 悪源太義平 その方ごときに 情をかけられる覚えはない! 118 00:09:08,982 --> 00:09:10,917 とっとと この首をはねい! 119 00:09:10,917 --> 00:09:16,222 何!? 清盛 地獄で待っておるぞ。 120 00:09:16,222 --> 00:09:19,225 遠からず 貴様が送り込まれてくる日をな! 121 00:09:19,225 --> 00:09:24,364 はあ… やむをえぬ。 望みどおり 早々に斬れ! 122 00:09:24,364 --> 00:09:27,901 ううっ… 無念じゃ!➡ 123 00:09:27,901 --> 00:09:31,237 無念じゃ…! 124 00:09:31,237 --> 00:09:35,241 その方 確か 平 忠度と名乗ったな。 125 00:09:35,241 --> 00:09:37,911 初めてお目にかかります。 126 00:09:37,911 --> 00:09:40,947 兄上。 兄上? 127 00:09:40,947 --> 00:09:45,251 はい! その昔 忠盛様が鳥羽院にお供されて➡ 128 00:09:45,251 --> 00:09:50,090 熊野に参られた折に 別当の娘 浜御前との間に生まれたのが➡ 129 00:09:50,090 --> 00:09:52,125 私でございます。 130 00:09:52,125 --> 00:09:56,863 ああ その話なら 父上から聞いたことがある。 131 00:09:56,863 --> 00:10:00,800 そうか… そなたが浜御前の子か。 132 00:10:00,800 --> 00:10:04,270 はい。 兄上が この地に参られると聞き➡ 133 00:10:04,270 --> 00:10:08,608 矢も盾もたまらず 遠路 駆けつけましてござります。 134 00:10:08,608 --> 00:10:12,946 どうだ 都へ出て わしに仕える気はないか? 135 00:10:12,946 --> 00:10:15,415 そのお言葉を待っておりました。 136 00:10:15,415 --> 00:10:18,117 喜んで仕えさせていただきます! 137 00:10:21,287 --> 00:10:24,124 (明日香)じゃあ 麻鳥さん➡ 138 00:10:24,124 --> 00:10:28,294 ごちそうを作っておくから 夕方には きっと帰ってきてね! 139 00:10:28,294 --> 00:10:31,798 うん 分かった。 ありがとう。 140 00:10:35,635 --> 00:10:38,938 行こう 小枝。 141 00:10:43,810 --> 00:10:48,314 (鐘の音) 142 00:10:53,319 --> 00:10:56,122 (蓬子)あっ ごめんなさい! 143 00:10:58,191 --> 00:11:01,194 ああ いや なに…。 144 00:11:03,930 --> 00:11:09,402 麻鳥さん? 麻鳥さんじゃありません? 145 00:11:09,402 --> 00:11:11,771 は? 146 00:11:11,771 --> 00:11:14,274 失礼ですが どなた様でしょう? 147 00:11:14,274 --> 00:11:16,943 ハハッ 忘れちゃったんですか? 148 00:11:16,943 --> 00:11:21,814 ほら 堀川の長屋で いつも一緒に遊んだ…。 149 00:11:21,814 --> 00:11:25,618 あ! 蓬子さん! 150 00:11:27,587 --> 00:11:31,124 それじゃ 麻鳥さん お医者様になるつもりですか? 151 00:11:31,124 --> 00:11:35,295 うん 少々 思うところがあってね。 152 00:11:35,295 --> 00:11:39,966 もっとも 看板が出せるようになるのには まだまだ時間がかかるけど…。 153 00:11:39,966 --> 00:11:45,138 それで 蓬子さんは 今 どうしているんです? 154 00:11:45,138 --> 00:11:51,311 私は ずっと 常磐様のもとでお勤めしていました。 155 00:11:51,311 --> 00:11:56,449 ああ… 大変な思いをしたんですね。 156 00:11:56,449 --> 00:12:00,320 常磐様に比べたら私なんか…。 157 00:12:00,320 --> 00:12:06,759 でも よかった 3人のお子たちが殺されずに済んで。 158 00:12:06,759 --> 00:12:11,631 蓬子さん よかったら 私の仕事を手伝ってくれませんか? 159 00:12:11,631 --> 00:12:16,769 え? まだまだ勉強中の身ですが➡ 160 00:12:16,769 --> 00:12:21,641 患者を診る時に助けてくれる人がいると とても助かるんです。 161 00:12:21,641 --> 00:12:25,111 喜んでお手伝いさせていただきます! 162 00:12:25,111 --> 00:12:27,046 ありがとう! 163 00:12:27,046 --> 00:12:30,984 麻鳥さん はい 夕ごはん…。 164 00:12:30,984 --> 00:12:36,422 あら。 ああ 明日香さん… こちらは 蓬子さん。 165 00:12:36,422 --> 00:12:39,959 今度から 私の仕事を 手伝ってくれることになってね。 166 00:12:39,959 --> 00:12:44,631 蓬子です。 よろしくお願いします。 167 00:12:44,631 --> 00:12:46,566 明日香さん! 168 00:12:46,566 --> 00:12:48,501 近くに住む娘さんなんだ。 169 00:12:48,501 --> 00:12:52,305 一人暮らしの私を見かねて 何かと面倒を見てくれるんだよ。 170 00:12:52,305 --> 00:12:55,008 そう…。 171 00:13:03,750 --> 00:13:06,252 (蓬子)ごはんですよ 麻鳥さん。 172 00:13:06,252 --> 00:13:09,055 ああ ありがたい。 173 00:13:11,124 --> 00:13:13,593 いや 今日もごちそうだね。 フフ…。 174 00:13:13,593 --> 00:13:15,628 だって おいしいものを食べて➡ 175 00:13:15,628 --> 00:13:20,333 一日も早く 立派なお医者様に なってもらいたいんだもの。 176 00:13:25,605 --> 00:13:28,641 お父さん この前 私に➡ 177 00:13:28,641 --> 00:13:31,277 白拍子になる気はないかって 聞いたわね? 178 00:13:31,277 --> 00:13:35,948 ああ。 いや… すまなかったな。 179 00:13:35,948 --> 00:13:40,119 もういいんだ。 苦しくとも なんとかやっていくよ。 180 00:13:40,119 --> 00:13:42,622 私 白拍子になる。 181 00:13:42,622 --> 00:13:45,525 え? 何を言いだすんだ 明日香。 182 00:13:45,525 --> 00:13:50,963 いいの! 私が白拍子になれば うちの暮らしも楽になるんですもの。 183 00:13:50,963 --> 00:13:53,966 いいわね 決めたわよ! 184 00:13:58,638 --> 00:14:03,476 一人の娘を 悲しみの底に突き落として…。 185 00:14:03,476 --> 00:14:07,447 麻鳥と蓬子は結ばれました。 186 00:14:07,447 --> 00:14:12,752 この動乱の世 庶民は庶民なりに幸せを求めて➡ 187 00:14:12,752 --> 00:14:15,755 必死に生きていたのです。 188 00:14:18,558 --> 00:14:22,929 一方 清盛は 昇進に昇進を重ねて➡ 189 00:14:22,929 --> 00:14:27,266 中納言から大納言の位まで 上り詰めました。 190 00:14:27,266 --> 00:14:32,939 貴族と武士の地位は 今や 完全に逆転したと申せましょう。 191 00:14:32,939 --> 00:14:35,274 見事な出来栄えじゃ。 192 00:14:35,274 --> 00:14:41,080 それにしても朱鼻 商人のお前が 造園の方も手がけるとは知らなんだ。 193 00:14:41,080 --> 00:14:44,283 (朱鼻) 今の世の中 手広く何でもやりませぬと➡ 194 00:14:44,283 --> 00:14:47,286 なかなか 商人だけでは…。 195 00:14:47,286 --> 00:14:51,057 とはいえ 我ながら自慢の出来栄えで。 196 00:14:51,057 --> 00:14:54,794 ハハハハハ 鼻高々というわけか。 197 00:14:54,794 --> 00:15:01,067 万が一 お気に召さなかった時には 鼻白むところでございました。 198 00:15:01,067 --> 00:15:03,569 己の鼻で しゃれを言うか。 199 00:15:03,569 --> 00:15:08,741 ハハハ そちと話していると 憂いも忘れるわ。 200 00:15:08,741 --> 00:15:12,912 (重盛) 父上 綾麿殿がお目にかかりたいと…。 201 00:15:12,912 --> 00:15:14,847 綾麿殿が? 202 00:15:14,847 --> 00:15:21,087 (綾麿)フフフ… 麿の好みの美形じゃ。➡ 203 00:15:21,087 --> 00:15:23,756 文句はあるまいの 清盛。 204 00:15:23,756 --> 00:15:29,562 ええい 控えい! その方ごときの出るところではないわ! 205 00:15:29,562 --> 00:15:32,932 お通しするがよい。 206 00:15:32,932 --> 00:15:37,270 清盛様 こたびは 大納言へのご昇進➡ 207 00:15:37,270 --> 00:15:42,141 まことに祝着至極におじゃりまする。 208 00:15:42,141 --> 00:15:45,611 お手をお上げなされ 綾麿殿。 209 00:15:45,611 --> 00:15:49,282 いえ… こ これは 粗末なものながら➡ 210 00:15:49,282 --> 00:15:51,284 お祝いにおじゃります。 211 00:15:51,284 --> 00:15:56,622 どうか お納め願います。 212 00:15:56,622 --> 00:16:01,227 お気に入っていただけましたか? 213 00:16:01,227 --> 00:16:04,130 頂くわけにはまいりませんな。 214 00:16:04,130 --> 00:16:06,098 お持ち帰り願いましょう。 215 00:16:06,098 --> 00:16:13,940 清盛様… あなた様は 私の昔の仕打ちを 今も憎んでおいでなので…? 216 00:16:13,940 --> 00:16:17,677 ハハハハハハ… 綾麿殿。 217 00:16:17,677 --> 00:16:23,616 わしはただ 訳もなく ものを頂くことは できぬと申し上げているのだ。 218 00:16:23,616 --> 00:16:31,090 貢ぎ物をもらい始めると 凡夫の悲しさ 心が さもしくなるのでな。 219 00:16:31,090 --> 00:16:33,759 つまらぬことを気になさるな。 220 00:16:33,759 --> 00:16:36,095 綾麿殿とは この先も➡ 221 00:16:36,095 --> 00:16:40,399 今までどおりに おつきあい願うつもりでござるよ。 222 00:16:40,399 --> 00:16:43,769 清盛様…。 223 00:16:43,769 --> 00:16:46,072 さて…。 224 00:16:47,640 --> 00:16:50,276 あの武骨者の忠度が➡ 225 00:16:50,276 --> 00:16:56,148 一人の白拍子に恋をしたのは そんな時でした。 226 00:16:56,148 --> 00:17:00,720 小枝… またお金でしょう? 227 00:17:00,720 --> 00:17:05,925 (小枝)ええ。 いくらでもいいからってお父さんが…。 228 00:17:08,461 --> 00:17:11,163 ありがとう! 229 00:17:18,237 --> 00:17:22,441 妓王 これを…。 230 00:17:24,243 --> 00:17:28,247 これは 異国から来た珍しい香料でな。 231 00:17:28,247 --> 00:17:30,750 きっと そなたも気に入ってくれると…。 232 00:17:30,750 --> 00:17:33,786 頂き物は もうたくさんです。 233 00:17:33,786 --> 00:17:38,925 忠度様 そこまで私を 好いていてくださるのなら➡ 234 00:17:38,925 --> 00:17:41,594 どうして抱いてくださらないのです? 235 00:17:41,594 --> 00:17:44,263 それは…。 私は白拍子。 236 00:17:44,263 --> 00:17:48,601 芸を売るとは言いながら 本当は 体を売る女です。 237 00:17:48,601 --> 00:17:54,106 その私を買いながら 一度も抱こうとしないなんて ひどい…。 238 00:17:54,106 --> 00:17:56,042 ひどすぎます! 239 00:17:56,042 --> 00:18:01,914 私は そなたを… 妻にしたいのだ。 240 00:18:01,914 --> 00:18:03,916 え? 241 00:18:03,916 --> 00:18:07,653 それゆえ このような場所で そなたを抱きたくないのだ。 242 00:18:07,653 --> 00:18:12,892 正式に式を挙げ その上で 契りを交わしたいのだ。 243 00:18:12,892 --> 00:18:15,928 忠度様…。 244 00:18:15,928 --> 00:18:20,633 妓王 なぜ泣くのだ? 245 00:18:20,633 --> 00:18:24,070 うれしいのでございます。 246 00:18:24,070 --> 00:18:28,908 妓王は… 幸せ者でございます。 247 00:18:28,908 --> 00:18:31,243 (泣き声) 248 00:18:31,243 --> 00:18:34,914 この忠度の恋が 清盛の人生に➡ 249 00:18:34,914 --> 00:18:39,418 思いもかけない波乱を もたらすことになります。 250 00:18:41,253 --> 00:19:57,263 ♬~