1 00:00:02,202 --> 00:00:39,706 ♬~ 2 00:00:41,808 --> 00:00:45,646 清盛は 帝と上皇の信任も厚く➡ 3 00:00:45,646 --> 00:00:51,652 まさに向かうところ敵なし 絶頂期のただ中にありました。 4 00:00:53,520 --> 00:00:55,656 (清盛)んっ! 5 00:00:55,656 --> 00:00:58,325 当たりました! 6 00:00:58,325 --> 00:01:01,228 妻を迎えたい? (忠度)はっ。 7 00:01:01,228 --> 00:01:05,766 相手の女は何者だ? はい… 白拍子で➡ 8 00:01:05,766 --> 00:01:08,101 妓王と申す者にございます。 9 00:01:08,101 --> 00:01:11,939 わしも若い頃には よく遊んだものよ。 10 00:01:11,939 --> 00:01:15,275 白拍子だからとて 妻にして悪い道理はない。 11 00:01:15,275 --> 00:01:19,146 では六波羅様 妓王を妻として迎えること➡ 12 00:01:19,146 --> 00:01:21,949 お許しいただけるのですね? 13 00:01:21,949 --> 00:01:26,820 ただ その前に一度 わしのもとへ連れてまいれ。は? 14 00:01:26,820 --> 00:01:33,560 お前の妻に ふさわしい女かどうか わしが見極めてやろうというのじゃ。 15 00:01:33,560 --> 00:01:40,300 この清盛の気まぐれが 思わぬ波乱を招くことになります。 16 00:01:40,300 --> 00:01:47,608 同じ頃… 御所の中でも 信じられない出来事が起きていました。 17 00:02:01,588 --> 00:02:04,624 (二条)誰じゃ!? あの美しいお人は。 18 00:02:04,624 --> 00:02:07,094 はっ。 19 00:02:07,094 --> 00:02:11,264 近衛帝のお妃 多子様にござりまする。 20 00:02:11,264 --> 00:02:17,137 2代も前の? なのに どうして あのように若くて美しいのだ? 21 00:02:17,137 --> 00:02:21,274 清盛を呼べ 清盛を! はっ。 22 00:02:21,274 --> 00:02:24,945 なんと!? 多子殿を? 23 00:02:24,945 --> 00:02:31,818 はっ。 帝は太皇太后 すなわち 多子様を妃としたいと…➡ 24 00:02:31,818 --> 00:02:34,287 さように仰せでございます。 25 00:02:34,287 --> 00:02:38,158 しかし 多子殿は先々帝の未亡人➡ 26 00:02:38,158 --> 00:02:43,797 しかも 御年18歳の帝より 5歳も年上じゃぞ。 27 00:02:43,797 --> 00:02:45,832 ご承知でございます。 28 00:02:45,832 --> 00:02:50,303 その上で 是非とも お妃に迎えたいと…。 29 00:02:50,303 --> 00:02:55,976 清盛 考えてもみよ。 先々帝の妃を➡ 30 00:02:55,976 --> 00:02:59,312 二条の皇后とする などという例が➡ 31 00:02:59,312 --> 00:03:02,582 かつて一度でもあったか? 32 00:03:02,582 --> 00:03:09,756 上皇様… ではありますが… 恋は理非を超えております。 33 00:03:09,756 --> 00:03:14,394 過ぐる平治の乱の折 六波羅の拙宅にお迎えしてこのかた➡ 34 00:03:14,394 --> 00:03:18,598 帝には 殊の外 この清盛をお頼りくださいまして…➡ 35 00:03:18,598 --> 00:03:21,935 こたびもまた 是非とも頼むと…。 36 00:03:21,935 --> 00:03:25,405 頭を下げられて 揺らいだか。 37 00:03:25,405 --> 00:03:30,777 はい。 これほど いちずに思い詰めておられること➡ 38 00:03:30,777 --> 00:03:34,114 なんとか お気持ちをかなえて差し上げたいと…➡ 39 00:03:34,114 --> 00:03:37,417 私からも お願いいたします。 40 00:03:37,417 --> 00:03:41,288 しかし…。 お願いいたします! 41 00:03:41,288 --> 00:03:48,295 清盛 おことにまで こうも言われてはのう…。 42 00:03:51,431 --> 00:03:55,302 清盛… ありがとう。 43 00:03:55,302 --> 00:04:01,742 いえ 勝ったのは私ではございません。 帝でございます。 44 00:04:01,742 --> 00:04:04,377 時の帝から 頭を下げられ➡ 45 00:04:04,377 --> 00:04:10,584 清盛が いささか慢心を覚えたのも 当然と言えましょう。 46 00:04:10,584 --> 00:04:15,455 朱鼻… いや 伴卜 かねてよりの願いを取り上げ➡ 47 00:04:15,455 --> 00:04:18,325 ここに その方を 防鴨河使に任ずる。 48 00:04:18,325 --> 00:04:20,594 防鴨河使? 49 00:04:20,594 --> 00:04:24,264 平たく言えば 加茂川の全てをつかさどる役職だ。 50 00:04:24,264 --> 00:04:26,767 位は従五位の下➡ 51 00:04:26,767 --> 00:04:30,403 以降は 加茂太夫を名乗るがよい。 52 00:04:30,403 --> 00:04:35,108 加茂太夫… 結構な呼び名でございますなあ。 53 00:04:35,108 --> 00:04:38,145 これで私も お公家並みになれました。 54 00:04:38,145 --> 00:04:42,282 今度はお前を 朱鼻などとは 気安く呼べぬな。 55 00:04:42,282 --> 00:04:45,619 とんでもございません。 朱鼻で結構でございます。 56 00:04:45,619 --> 00:04:49,789 何しろ あなた様あっての 私でございますからな。 57 00:04:49,789 --> 00:04:53,426 ハハハハハハッ この ごうつくばりめが! 58 00:04:53,426 --> 00:04:56,630 (時忠)失礼します。➡ 59 00:04:56,630 --> 00:05:01,601 妓王と名乗る白拍子が お目にかかりたいと参っておりますが…。 60 00:05:01,601 --> 00:05:07,574 妓王? おお 忠度がほれた女であったな。 61 00:05:07,574 --> 00:05:10,277 会おう。 通せ。 62 00:05:21,755 --> 00:05:26,092 美しい… なんという美しさだ。 63 00:05:26,092 --> 00:05:31,898 確かに 忠度殿には過ぎた女性ですな。 64 00:05:37,604 --> 00:05:40,507 そなた 妓王と申すか? 65 00:05:40,507 --> 00:05:43,276 (妓王)は… はい。 66 00:05:43,276 --> 00:05:47,581 わしが清盛じゃ。 見知りおけ。 67 00:05:52,786 --> 00:05:57,424 妓王 そなたは わしの女となれ。 68 00:05:57,424 --> 00:06:03,063 六波羅様…! 悪いようにはせぬ! 逆らうな! 69 00:06:03,063 --> 00:06:11,371 ♬~ 70 00:06:11,371 --> 00:06:15,242 (忠度)時忠殿… 妓王が参っているはずですが➡ 71 00:06:15,242 --> 00:06:18,144 六波羅様には 会っていただけましたか? 72 00:06:18,144 --> 00:06:22,015 (時忠)うむ。 殊の外に お気に入りのようじゃ。 73 00:06:22,015 --> 00:06:26,753 (忠度)ああ… では 私たちの祝言をお許しに? 74 00:06:26,753 --> 00:06:33,526 忠度殿 諦めるのだ… 妓王は六波羅様の そばめになった。 75 00:06:33,526 --> 00:06:35,462 何ですと!? 76 00:06:35,462 --> 00:06:38,098 待て…! どうするつもりだ? 77 00:06:38,098 --> 00:06:40,767 いかな六波羅様とて許せませぬ! 78 00:06:40,767 --> 00:06:44,104 かくなる上は 刺し違えて果てる所存! 79 00:06:44,104 --> 00:06:46,773 早まるな 忠度殿! 80 00:06:46,773 --> 00:06:50,410 ここは諦めろ! 春秋に富む身が➡ 81 00:06:50,410 --> 00:06:52,946 このようなことで 命を投げ出して何とする! 82 00:06:52,946 --> 00:06:57,617 六波羅様を失えば 平家はたちまち 凋洛するのだぞ! 83 00:06:57,617 --> 00:07:04,724 しかし…! しかし… 俺は 妓王に ほれていたのだ! 84 00:07:04,724 --> 00:07:08,895 心底ほれていたのだ…! 85 00:07:08,895 --> 00:07:12,365 (むせび泣き) 86 00:07:12,365 --> 00:07:16,569 へえ~ あの妓王が 六波羅様のそばめに? 87 00:07:16,569 --> 00:07:20,073 昔は明日香って名で この辺りを走り回ってたもんだが。 88 00:07:20,073 --> 00:07:22,976 全く大した出世だぜ! 89 00:07:22,976 --> 00:07:26,579 なろうことなら うちの子も 女だったらよかったのによ。 90 00:07:26,579 --> 00:07:29,482 たとえ女に生まれても おめえの子供じゃ無理だぜ。 91 00:07:29,482 --> 00:07:32,252 ハハハハ! あっ…。 92 00:07:32,252 --> 00:07:34,254 禿だ! 禿! 93 00:07:34,254 --> 00:07:37,257 下手をすると 召し捕られて打ち首だぞ! 94 00:07:40,760 --> 00:07:44,931 本当に明日香さん 大した出世ですね。 95 00:07:44,931 --> 00:07:49,602 それが 幸せに結び付いてくれれば よいのだが。 96 00:07:49,602 --> 00:07:56,476 あの禿たちが 地獄の使いのように 恐れられている世の中ではな…。 97 00:07:56,476 --> 00:08:01,047 そのころ 清盛の忠臣 木工助に➡ 98 00:08:01,047 --> 00:08:06,219 最期の時が訪れようとしていました。 99 00:08:06,219 --> 00:08:11,091 わ… 和子…。 100 00:08:11,091 --> 00:08:14,928 (時子)あなた…。 木工助! 101 00:08:14,928 --> 00:08:17,230 木工助 どうしたっ! 102 00:08:17,230 --> 00:08:24,003 あ… 和子… どうやら私めにも➡ 103 00:08:24,003 --> 00:08:28,375 お迎えが参ったようでございます。 104 00:08:28,375 --> 00:08:32,746 バカを言うな! 木工助 お前はまだ若い。 105 00:08:32,746 --> 00:08:36,616 死んではならん。 死んではならんぞ! 106 00:08:36,616 --> 00:08:44,257 和子のおかげで… 楽しい余生を送らせていただきました。 107 00:08:44,257 --> 00:08:49,396 ただ一つの心残りは…。 108 00:08:49,396 --> 00:08:52,932 分かっておる。 お前にそれを伝えようと➡ 109 00:08:52,932 --> 00:08:55,268 宮中より大急ぎで戻ってきたのだ。 110 00:08:55,268 --> 00:09:00,874 木工助 わしは今日 武士としては初めての相国➡ 111 00:09:00,874 --> 00:09:05,044 すなわち 太政大臣に任じられた。 112 00:09:05,044 --> 00:09:09,349 武士として これ以上は望めぬ地位だ。 木工助。 113 00:09:09,349 --> 00:09:15,221 だが… だが俺は この地位をなげうっても➡ 114 00:09:15,221 --> 00:09:18,358 お前に長生きをしてもらいたい! 115 00:09:18,358 --> 00:09:21,261 (むせび泣き) 116 00:09:21,261 --> 00:09:26,099 和子… おめでとうございます。 117 00:09:26,099 --> 00:09:31,371 これで… これで 木工助は➡ 118 00:09:31,371 --> 00:09:35,742 思い残すことは何も…。 119 00:09:35,742 --> 00:09:42,916 和子 おめでとうございます…。 120 00:09:42,916 --> 00:09:49,255 木工助! ああ~…! 121 00:09:49,255 --> 00:09:54,594 それは 清盛が赤裸々な感情を見せた➡ 122 00:09:54,594 --> 00:09:57,397 最初で最後の姿でした。 123 00:09:57,397 --> 00:10:01,935 (むせび泣き) 124 00:10:01,935 --> 00:10:08,708 太政大臣ご就任 まことに祝着至極にござります。 125 00:10:08,708 --> 00:10:11,611 (一同)おめでとうございます。 126 00:10:11,611 --> 00:10:15,415 これからも よろしくお願いしますぞ。 127 00:10:15,415 --> 00:10:19,119 いや~ 兄上 気分のよいものでございますな。 128 00:10:19,119 --> 00:10:23,423 官位官職の主たるところは 全て我ら平家一族。 129 00:10:23,423 --> 00:10:26,626 あれほど威張り散らしていた 藤原の公家が➡ 130 00:10:26,626 --> 00:10:31,431 今や 兄上にすがって お情けの役職を頂くしかないとは…。 131 00:10:31,431 --> 00:10:37,303 当然でしょう! 平家にあらざる者は人にあらず! 132 00:10:37,303 --> 00:10:40,173 時忠殿。 あまり図に乗るのは…。 133 00:10:40,173 --> 00:10:43,810 ハハハハハ 捨て置け 捨て置け。 134 00:10:43,810 --> 00:10:47,981 平家は人に優れていればこそ ここまで大きくなったのじゃ。 135 00:10:47,981 --> 00:10:52,819 誰に遠慮することもないわ。 ハハハハ…! 136 00:10:52,819 --> 00:10:56,990 清盛は 今こそ思い出すべきでした。 137 00:10:56,990 --> 00:11:02,262 「戦う相手がいなくなった時のお前が 気にかかる」という➡ 138 00:11:02,262 --> 00:11:07,066 父 忠盛が いまわの際に言い残した言葉を。 139 00:11:09,402 --> 00:11:11,404 何やつ!? 140 00:11:13,606 --> 00:11:16,509 こやつ 何やつ!? 141 00:11:16,509 --> 00:11:19,279 久しぶりじゃの 平太。 142 00:11:19,279 --> 00:11:24,117 ん? わしを平太と呼ぶのは…➡ 143 00:11:24,117 --> 00:11:26,052 盛遠! 144 00:11:26,052 --> 00:11:33,793 いや 今は文覚か… 20年… いや 30年ぶりかのう。 145 00:11:33,793 --> 00:11:41,434 のう 清盛 増長慢心も ほどほどにせい! 146 00:11:41,434 --> 00:11:44,304 いかに我が世の春をうたうとはいえ➡ 147 00:11:44,304 --> 00:11:47,807 自ら太政大臣に就きたるのみならず➡ 148 00:11:47,807 --> 00:11:51,311 一家眷属にて 位官のほとんどを占め➡ 149 00:11:51,311 --> 00:11:55,315 禿などという 悪童どもに 間者のまね事をさせて➡ 150 00:11:55,315 --> 00:11:58,818 世間を震え上がらせるとは何事ぞ! 151 00:11:58,818 --> 00:12:00,753 (2人)ふんっ! 152 00:12:00,753 --> 00:12:06,259 人殺しの この文覚 一刻たりとも 己の罪を思わぬ日はない! 153 00:12:06,259 --> 00:12:10,263 それゆえにこそ お前だけは 放ってはおけぬ! 154 00:12:10,263 --> 00:12:14,767 増長慢心も そこまでいけば 人殺しも同じ! 155 00:12:16,769 --> 00:12:20,273 このままでは 遠からず平家は滅びる! 156 00:12:20,273 --> 00:12:22,775 この文覚が予言するぞ! 157 00:12:22,775 --> 00:12:27,280 黙れ! ええ 何をしておる こやつを取り押さえい! 158 00:12:27,280 --> 00:12:29,616 はっ! はっ! 159 00:12:29,616 --> 00:12:32,285 うっ… 離せ! 160 00:12:32,285 --> 00:12:35,288 離せ! うっ…。 161 00:12:35,288 --> 00:12:37,423 こやつ! (殴る音) 162 00:12:37,423 --> 00:12:41,294 六波羅様には誰も逆らえぬのだ。 誰もだっ! 163 00:12:41,294 --> 00:12:44,631 離せ! 離さぬか! 164 00:12:44,631 --> 00:12:48,501 おのれ… 離せ~! 165 00:12:48,501 --> 00:12:52,505 しれ者めが! 六条河原に引き出して首を斬れ! 166 00:12:52,505 --> 00:12:56,643 まあ待て… ただ一人で わしにケンカを売るとは➡ 167 00:12:56,643 --> 00:12:59,979 さすがは遠藤盛遠。 よい度胸じゃ。 168 00:12:59,979 --> 00:13:02,782 一命は助けてやれ。 169 00:13:09,789 --> 00:13:14,394 あれあれ~ 文覚様も とうとう流されておしまいに。 170 00:13:14,394 --> 00:13:19,899 お気の毒に。 相国様も無慈悲なことをなさる。 171 00:13:22,769 --> 00:13:24,704 文覚様! 172 00:13:24,704 --> 00:13:28,641 おう 麻鳥! 蓬子も一緒か。 173 00:13:28,641 --> 00:13:32,945 文覚様 御身ご大切に。 174 00:13:32,945 --> 00:13:37,283 いつか… いつか必ず この都に戻れますよう➡ 175 00:13:37,283 --> 00:13:39,218 お祈りいたしております。 176 00:13:39,218 --> 00:13:41,621 そのような しん酌は無用。 177 00:13:41,621 --> 00:13:43,956 腐り果てた この都などより➡ 178 00:13:43,956 --> 00:13:47,293 伊豆で暮らす方が よほど わしの性に合っているわ。 179 00:13:47,293 --> 00:13:53,433 文覚様…。 蓬子 麻鳥を大切にしてやれよ。 180 00:13:53,433 --> 00:13:59,639 その男は この都には まれな 美しい心を持っておるぞ。 181 00:13:59,639 --> 00:14:02,442 はい! 182 00:14:16,122 --> 00:14:23,262 妓王 そなたと共におると 政の憂さも忘れるぞ。 183 00:14:23,262 --> 00:14:30,403 私も相国様と一緒にいるのが… 今は 一番の幸せでございます。 184 00:14:30,403 --> 00:14:33,940 今は… か。 ハハハ。 185 00:14:33,940 --> 00:14:37,810 どうやら 忠度の面影も薄れたようじゃの。 186 00:14:37,810 --> 00:14:39,812 申し上げます。 187 00:14:39,812 --> 00:14:42,415 ただいま 仏御前なる白拍子が➡ 188 00:14:42,415 --> 00:14:46,953 清盛様に舞をひとさし お目にかけたいと 玄関先に。 189 00:14:46,953 --> 00:14:51,290 白拍子が つてを求めて 貴人に自分を売り込むのは➡ 190 00:14:51,290 --> 00:14:53,793 当時の風習でした。 191 00:14:53,793 --> 00:14:58,631 どうぞ お通ししてください。 いいや それには及ばぬ。 192 00:14:58,631 --> 00:15:02,902 は?わしに取り入らんとする 尻軽女なぞに興味はない! 193 00:15:02,902 --> 00:15:04,837 さっさと追い返せ! 194 00:15:04,837 --> 00:15:09,675 相国様 それでは仏御前とやらが かわいそうでございます。 195 00:15:09,675 --> 00:15:12,245 む? お名を慕って➡ 196 00:15:12,245 --> 00:15:15,081 はるばる参ったのでございましょう。 197 00:15:15,081 --> 00:15:18,751 せめて 一目なりと 会っておあげになってくださいませ。 198 00:15:18,751 --> 00:15:25,258 むむ… よしよし。 庭先へ通せ。 199 00:15:25,258 --> 00:15:27,260 はっ。 200 00:15:27,260 --> 00:15:34,400 妓王 そなた 相変わらず 優しい心根を持ち続けておるのう。 201 00:15:34,400 --> 00:15:37,103 悲しいからでございます。 202 00:15:37,103 --> 00:15:41,941 悲しい? また忠度のことを思っているのか。 203 00:15:41,941 --> 00:15:46,112 それもございます。 でも その前にも➡ 204 00:15:46,112 --> 00:15:49,949 私には 悲しいことがございました。 205 00:15:49,949 --> 00:15:55,254 ですから 人の悲しみが よく分かるのでございます。 206 00:16:02,528 --> 00:16:05,064 (仏御前)仏御前にございます。 207 00:16:05,064 --> 00:16:11,571 相国様 お目もじいただき ありがとうございます。 208 00:16:11,571 --> 00:16:17,243 つたない舞ですけれど… ひとときのお座興に。 209 00:16:17,243 --> 00:16:43,936 ♬~ 210 00:16:45,605 --> 00:16:47,640 あ… 相国様! 211 00:16:47,640 --> 00:16:52,111 仏御前 天下の相国が ほれたと申しておるのだぞ。 212 00:16:52,111 --> 00:16:55,147 なぜじゃ なぜ逃げる? 213 00:16:55,147 --> 00:16:58,284 私のような者に 思いをかけていただいて➡ 214 00:16:58,284 --> 00:17:00,553 それは光栄に思っております。 215 00:17:00,553 --> 00:17:03,589 でも それでは妓王様が…➡ 216 00:17:03,589 --> 00:17:06,225 私を お蔑みにもならず➡ 217 00:17:06,225 --> 00:17:08,160 相国様を説得してくださった➡ 218 00:17:08,160 --> 00:17:10,096 妓王様に申し訳が…。 219 00:17:10,096 --> 00:17:14,367 妓王のことは気にするな。 お前と どのようなことになったとて➡ 220 00:17:14,367 --> 00:17:17,069 決して妓王を見捨てるわけではない。 221 00:17:17,069 --> 00:17:20,940 相国様 本当でございますか? 222 00:17:20,940 --> 00:17:26,078 ええ 武士に二言はないわ! 223 00:17:26,078 --> 00:17:28,915 女色にふけり始めたといっても➡ 224 00:17:28,915 --> 00:17:34,253 清盛は 決して 政を忘れたわけではありませんでした。 225 00:17:34,253 --> 00:17:38,758 けれど 清盛が 女たちにうつつを抜かしている間に➡ 226 00:17:38,758 --> 00:17:41,260 打倒平家の機運が➡ 227 00:17:41,260 --> 00:17:45,131 次第に形を取り始めていたのも 事実でした。 228 00:17:45,131 --> 00:17:48,601 お坊 危ないではないか! 229 00:17:48,601 --> 00:17:53,472 ああ これは ご無礼つかまつった。 230 00:17:53,472 --> 00:17:58,277 こうして空を見ているうちに つい眠気に誘われてな。 231 00:18:00,212 --> 00:18:03,716 名は文覚… お前は? 232 00:18:03,716 --> 00:18:06,218 源 頼朝だ。 233 00:18:06,218 --> 00:18:12,091 ほう。 あなたが 頼朝殿か…。 234 00:18:12,091 --> 00:18:17,830 なるほど よい面魂をしている。 235 00:18:17,830 --> 00:18:23,769 頼朝殿… 近々に清盛の専制は崩れますぞ。 236 00:18:23,769 --> 00:18:27,506 しかして 平家打倒の先ぽうに立たれるのは➡ 237 00:18:27,506 --> 00:18:31,377 そこもとに ほかなりません。 238 00:18:31,377 --> 00:18:33,312 文覚殿! 239 00:18:33,312 --> 00:18:38,517 頼朝 この時 31歳でした。 240 00:18:40,119 --> 00:19:57,129 ♬~