1 00:00:02,202 --> 00:00:42,843 ♬~ 2 00:00:42,843 --> 00:00:48,315 清盛が 権力の頂点に上り詰めた まさに そのころ➡ 3 00:00:48,315 --> 00:00:54,121 死んだはずの源氏が ゆっくりと胎動を始めていました。 4 00:00:57,658 --> 00:01:00,460 (いななき) 5 00:01:03,931 --> 00:01:06,633 ⚟頼朝様。 6 00:01:11,805 --> 00:01:14,641 頼朝様! 7 00:01:14,641 --> 00:01:17,277 お会いしとうございました。 8 00:01:17,277 --> 00:01:21,782 頼朝様 私たちは いつまで➡ 9 00:01:21,782 --> 00:01:25,419 このように 人目を忍んで 会わなければならないのでしょう。 10 00:01:25,419 --> 00:01:27,788 もうしばらくの辛抱だ。 11 00:01:27,788 --> 00:01:32,125 案外 その日は近いやもしれぬ。 え? 12 00:01:32,125 --> 00:01:35,796 都から流されてきた 文覚なる僧と会った。 13 00:01:35,796 --> 00:01:40,300 その者の言によれば 今や 平家は官職の全てを占め➡ 14 00:01:40,300 --> 00:01:46,106 さなきだに 藤原の公家を思わせる 横暴ぶりだそうだ。 15 00:01:46,106 --> 00:01:49,810 そのような専制が続くものではない。 16 00:01:49,810 --> 00:01:54,681 やがては 俺も兵を挙げて 都に攻め入ることになろう。 17 00:01:54,681 --> 00:01:59,319 その折は 政子 そなたも連れていく。 18 00:01:59,319 --> 00:02:01,588 我が妻としてな。 19 00:02:01,588 --> 00:02:04,925 頼朝様。 20 00:02:04,925 --> 00:02:08,762 同じ頃 都では➡ 21 00:02:08,762 --> 00:02:12,099 二条帝が 不慮の病を得て➡ 22 00:02:12,099 --> 00:02:18,271 御年 僅か23歳で崩御なされました。 23 00:02:18,271 --> 00:02:20,774 次に皇位につかれたのは➡ 24 00:02:20,774 --> 00:02:25,278 御年2歳の六条帝です。 25 00:02:25,278 --> 00:02:29,783 ⚟御台所様 妓王殿が おいでにございます。 26 00:02:33,987 --> 00:02:36,623 (時子)折り入っての話と聞き➡ 27 00:02:36,623 --> 00:02:42,295 ここへ来てもらいました。 話というのは何ですか? 28 00:02:42,295 --> 00:02:48,969 はい。 相国様が このひとつき➡ 29 00:02:48,969 --> 00:02:52,005 まるで お顔を見せてくださりませぬ。 30 00:02:52,005 --> 00:02:54,775 聞いています。 31 00:02:54,775 --> 00:03:01,381 仏御前という人の とりこになっていなさるとか。 32 00:03:01,381 --> 00:03:07,754 ですが 妓王殿 そのようなことを 何故 私に? 33 00:03:07,754 --> 00:03:13,927 私に 相談する者もなく 思い悩んだ末に➡ 34 00:03:13,927 --> 00:03:19,800 御台所様なら 私のとるべき道を 教えていただけるのではないかと。 35 00:03:19,800 --> 00:03:25,105 妓王殿 ひとつき お顔を見ないのと➡ 36 00:03:25,105 --> 00:03:33,814 毎日 お顔は見ているのに ふたつき みつき いいえ 半年も1年も➡ 37 00:03:33,814 --> 00:03:40,020 ほとんど言葉も交わせないのと どちらがつらいと思いますか? 38 00:03:46,393 --> 00:03:54,634 それでも 太政大臣 平 清盛の妻は 泣き言一つ言うことを許されませぬ。 39 00:03:54,634 --> 00:03:57,137 御台所様…。 40 00:03:57,137 --> 00:04:01,108 相国殿の妻という立場がなかったら➡ 41 00:04:01,108 --> 00:04:06,813 私は とうに髪を下ろして 尼になっていました。 42 00:04:10,684 --> 00:04:14,621 何? 妓王が仏門に帰依した? 43 00:04:14,621 --> 00:04:17,924 はい。 既に父上が与えた家を出➡ 44 00:04:17,924 --> 00:04:21,261 母親 妹と共に嵯峨野の陋屋に入って➡ 45 00:04:21,261 --> 00:04:23,263 髪を下ろしております。 46 00:04:23,263 --> 00:04:27,400 あれは もう 女の幸せを味わい尽くしたはず。 47 00:04:27,400 --> 00:04:30,103 行く末 安楽に暮らす蓄えもあろう。 48 00:04:30,103 --> 00:04:34,407 父上 妓王殿を忠度殿から 奪い取ったいきさつは➡ 49 00:04:34,407 --> 00:04:36,476 私も存じております。 50 00:04:36,476 --> 00:04:39,613 その妓王殿を 今度は 飽きたとて捨てる。 51 00:04:39,613 --> 00:04:43,617 それが 男のとるべき態度でございましょうか。 52 00:04:45,786 --> 00:04:51,424 ところで あるじなき妓王殿の家の障子に 書き残されていた一首。 53 00:04:51,424 --> 00:04:54,227 書き写してまいりました。 54 00:04:58,798 --> 00:05:02,569 「萌えいづるも枯るるも 同じ野辺の草➡ 55 00:05:02,569 --> 00:05:06,439 いづれか 秋に あはで果つべき」。 56 00:05:06,439 --> 00:05:09,242 一人 妓王殿ばかりではございませぬ。 57 00:05:09,242 --> 00:05:13,914 近頃の父上は かつて あれほどおもんぱかった弱き者➡ 58 00:05:13,914 --> 00:05:17,751 下々の者への思いやりを まるでお忘れのように見えますが…。 59 00:05:17,751 --> 00:05:19,686 黙れ 重盛! 60 00:05:19,686 --> 00:05:23,256 政にまで お前に口を出される覚えはないわ! 61 00:05:23,256 --> 00:05:26,059 いらざる差し出口は 無用! 62 00:05:30,030 --> 00:05:33,967 清盛には 清盛の信念がありました。 63 00:05:33,967 --> 00:05:36,803 誰も それを分かってはくれない。 64 00:05:36,803 --> 00:05:39,806 それが一層 清盛を➡ 65 00:05:39,806 --> 00:05:43,109 いらだたしい思いに 駆り立てるのでした。 66 00:05:46,279 --> 00:05:48,615 (牛若丸)えいっ! 67 00:05:48,615 --> 00:05:51,518 誰だ! 68 00:05:51,518 --> 00:05:56,790 (吉次)ハハハハ。 さすがは牛若様。 恐れ入りました。 69 00:05:56,790 --> 00:05:59,426 貴様 なぜ 私の名を? 70 00:05:59,426 --> 00:06:01,895 さては 平家の密偵だな!? 71 00:06:01,895 --> 00:06:03,830 とんでもございません。 72 00:06:03,830 --> 00:06:08,068 私は みちのくの黄金を 都まで運ぶのが商売の➡ 73 00:06:08,068 --> 00:06:11,371 金売りの吉次と申す者にございます。 74 00:06:11,371 --> 00:06:13,306 ほう 黄金を? 75 00:06:13,306 --> 00:06:18,144 実は ひそかに 源氏に お味方する者でございましてな➡ 76 00:06:18,144 --> 00:06:23,917 牛若様 風向きが変わり始めておりますぞ。 うん? 77 00:06:23,917 --> 00:06:29,589 今や 京のちまたには 平家を憎む声が 満ちあふれております。 78 00:06:29,589 --> 00:06:35,929 それは すなわち 源氏の復活を望む 声なき声に ほかなりませぬ。 79 00:06:35,929 --> 00:06:40,767 あなた様は 伊豆に雌伏する頼朝様と並んで➡ 80 00:06:40,767 --> 00:06:44,604 源氏の総大将たる器を備えたお方。 81 00:06:44,604 --> 00:06:49,276 そろそろ 旗をあげることを お考えになられてはいかがですか? 82 00:06:49,276 --> 00:06:52,279 旗? 平家に謀反を起こせというのか? 83 00:06:52,279 --> 00:06:55,148 あなた様の その決断を➡ 84 00:06:55,148 --> 00:06:59,286 北の果てに住む一族が 心待ちにいたしております。 85 00:06:59,286 --> 00:07:01,221 北の果ての一族…? 86 00:07:01,221 --> 00:07:03,556 奥州藤原一族のことか? 87 00:07:03,556 --> 00:07:08,428 はい。 牛若様 実は 私が ここへ参ったのは➡ 88 00:07:08,428 --> 00:07:12,732 あなた様を 奥州へお連れするためなのでございます。 89 00:07:12,732 --> 00:07:16,903 吉次とやら せっかくだが 今は まだ その時期ではあるまい。 90 00:07:16,903 --> 00:07:20,373 は? 私が この鞍馬から姿を消せば➡ 91 00:07:20,373 --> 00:07:22,909 平家の疑いを 呼び起こすことになる。 92 00:07:22,909 --> 00:07:27,080 伊豆の兄上にも 迷惑がかかるだろう。 93 00:07:27,080 --> 00:07:32,385 時が熟したら きっと行くぞ 奥州へ! 94 00:07:32,385 --> 00:07:34,321 あっ…。 95 00:07:34,321 --> 00:07:37,257 さすがは評判の御曹司。 96 00:07:37,257 --> 00:07:42,395 うまい話にも 慌てて飛びついたりはしねえな。 97 00:07:42,395 --> 00:07:48,601 ♬~(笛) 98 00:07:48,601 --> 00:07:52,272 (朱鼻)よい音色じゃのう。 99 00:07:52,272 --> 00:07:54,207 ♬~(笛) 100 00:07:54,207 --> 00:07:59,145 うん? あれは 常磐御前! 101 00:07:59,145 --> 00:08:02,716 ♬~(笛) 102 00:08:02,716 --> 00:08:07,921 (せきこみ) 103 00:08:09,589 --> 00:08:13,360 常磐様 大丈夫でございますか? 104 00:08:13,360 --> 00:08:17,230 はあ…。 ありがとうございます。 105 00:08:17,230 --> 00:08:21,067 ご心配いただくほどのことでは…。 106 00:08:21,067 --> 00:08:23,002 あなたは? 107 00:08:23,002 --> 00:08:27,374 五条の伴卜と申す 防鴨河使でございます。 108 00:08:27,374 --> 00:08:32,579 物悲しい笛の音に誘われ つい 表から のぞきましたら➡ 109 00:08:32,579 --> 00:08:37,917 なんと 昔 何度か 遠目にお見かけしたことのある常磐様。 110 00:08:37,917 --> 00:08:43,256 それにしましても 常磐様が なぜ このような草深い里に? 111 00:08:43,256 --> 00:08:46,092 (せきこみ) 112 00:08:46,092 --> 00:08:48,395 これは いけませぬな。 113 00:08:48,395 --> 00:08:52,098 近頃 都で売り出しの 麻鳥なる医者がおります。 114 00:08:52,098 --> 00:08:55,001 その者を 早速 連れてまいりましょう。 115 00:08:55,001 --> 00:08:57,904 いいえ そのような…。 116 00:08:57,904 --> 00:09:01,775 その麻鳥の妻の名をお聞きになれば➡ 117 00:09:01,775 --> 00:09:06,212 きっと 常磐様も お会いになりたくおなりでしょう。 118 00:09:06,212 --> 00:09:10,717 その名は 蓬子さんでございます。 119 00:09:10,717 --> 00:09:15,889 ええ? あの… あの蓬子ですか? 120 00:09:15,889 --> 00:09:21,227 ああ~ 懐かしい。 121 00:09:21,227 --> 00:09:25,098 (麻鳥)いささか お疲れのように お見受けいたします。 122 00:09:25,098 --> 00:09:27,567 お薬を調合いたしましょう。 123 00:09:27,567 --> 00:09:30,370 ありがとう。 124 00:09:30,370 --> 00:09:36,576 久しぶりに蓬子に会えると聞いて 随分ドキドキしました。 125 00:09:36,576 --> 00:09:39,245 そのせいかもしれませんね。 126 00:09:39,245 --> 00:09:42,048 (蓬子)フッ… 常磐様。 127 00:09:44,584 --> 00:09:48,388 気になるのは お疲れすぎよりも➡ 128 00:09:48,388 --> 00:09:50,323 常磐様の中にすむ➡ 129 00:09:50,323 --> 00:09:52,926 心の病でございます。 130 00:09:52,926 --> 00:09:55,261 心の病? 131 00:09:55,261 --> 00:09:59,098 きっと お子様のことを 考えていらっしゃるのです。 132 00:09:59,098 --> 00:10:05,405 とりわけ 赤ん坊の頃に切り離された 牛若丸様のことを。 133 00:10:05,405 --> 00:10:11,611 伴卜様 あなたは 商いで とても お顔が広いと聞いております。 134 00:10:11,611 --> 00:10:14,948 なんとか 常磐様を➡ 135 00:10:14,948 --> 00:10:18,418 牛若様に会わせて差し上げるわけには まいりませんか? 136 00:10:18,418 --> 00:10:21,321 牛若様は 謀反人のお子だ。 137 00:10:21,321 --> 00:10:26,125 それに 常磐様は 今は名目だけとはいえ 人妻。 138 00:10:26,125 --> 00:10:30,797 みだりに 牛若様と会うわけにもいくまい。➡ 139 00:10:30,797 --> 00:10:36,135 もっとも 牛若様の方から会いに来るのなら➡ 140 00:10:36,135 --> 00:10:38,805 話は別だが。 141 00:10:38,805 --> 00:10:45,011 確か 鞍馬の山のどこかに 預けられていると聞いたが…。 142 00:10:46,546 --> 00:10:49,249 牛若…。 143 00:10:54,320 --> 00:10:58,658 ほう~。 これが この度 厳島に建立する➡ 144 00:10:58,658 --> 00:11:01,628 神社でございますか。 なんともはや➡ 145 00:11:01,628 --> 00:11:03,930 壮大なものにござりまするな。 146 00:11:03,930 --> 00:11:07,400 うん。 これだけのものは 日本のどこにもない。 147 00:11:07,400 --> 00:11:10,937 完成すれば かつてない建造物となろう。 148 00:11:10,937 --> 00:11:13,406 ⚟お待ちくださいまし! うん? 149 00:11:13,406 --> 00:11:17,277 ⚟勝手に行かれては困ります! 150 00:11:17,277 --> 00:11:19,779 仏御前。 151 00:11:19,779 --> 00:11:21,714 (仏御前)相国様➡ 152 00:11:21,714 --> 00:11:24,284 今日は どうしても お願いしたいことがあって➡ 153 00:11:24,284 --> 00:11:28,488 参りました。 お前たちは下がっておれ。はっ。 154 00:11:32,625 --> 00:11:37,797 ここへは来るなと申したはずだぞ。 一体 何用だ? 155 00:11:37,797 --> 00:11:44,137 出家なさった妓王様に お会いしてまいりました。 156 00:11:44,137 --> 00:11:49,642 おかわいそうに 別人のように おやつれになられて…。 157 00:11:49,642 --> 00:11:52,445 相国様 お願いでございます。 158 00:11:52,445 --> 00:11:55,148 妓王様を呼び戻してあげてくださいまし。 159 00:11:55,148 --> 00:11:58,051 そのような くだらぬ用件で わしを訪ねてきたのか。 160 00:11:58,051 --> 00:12:01,254 でも 相国様。 私には 妓王様が➡ 161 00:12:01,254 --> 00:12:03,923 進んで世捨て人になったとは 思えないのでございます。 162 00:12:03,923 --> 00:12:05,858 くどい! ああ…。 163 00:12:05,858 --> 00:12:08,261 女子の身が 余計な差し出口をするな。 164 00:12:08,261 --> 00:12:11,264 二度と申したら ただでは済まさんぞ! 165 00:12:11,264 --> 00:12:13,933 相国様…。 166 00:12:13,933 --> 00:12:18,938 (泣き声) 167 00:12:30,950 --> 00:12:36,422 (鳥の鳴き声) 168 00:12:36,422 --> 00:12:41,127 (蓬子)あなた 恐ろしい所ですねえ。 169 00:12:41,127 --> 00:12:44,998 (麻鳥)ああ。 牛若丸様は➡ 170 00:12:44,998 --> 00:12:48,635 本当に こんな所に 住んでいらっしゃるのかなあ。 171 00:12:48,635 --> 00:12:54,440 (蓬子)何だか 狐狸妖怪でも出そうな…。 キャッ。 172 00:12:54,440 --> 00:12:56,976 あっ! て… 天狗だ! 173 00:12:56,976 --> 00:12:58,911 貴様ら ここへ何しに来た! 174 00:12:58,911 --> 00:13:01,814 (麻鳥)はい。 人を捜しに。 175 00:13:01,814 --> 00:13:04,083 この鞍馬山に住まうのは 天狗だけだ! 176 00:13:04,083 --> 00:13:08,588 ちょうど腹が減っていた。 貴様らを食ろうてくれよう! 177 00:13:08,588 --> 00:13:13,393 お許しくださいまし! 私どもは この山に住む➡ 178 00:13:13,393 --> 00:13:16,295 牛若丸様を訪ねて参ったのでございます。 179 00:13:16,295 --> 00:13:18,765 何? 牛若に? 180 00:13:18,765 --> 00:13:25,405 はい! 牛若丸様の御母堂 常磐様のことで お話しいたしたいことが。 181 00:13:25,405 --> 00:13:28,308 んっ! ああ お助け~。 182 00:13:28,308 --> 00:13:32,612 ハハハハハッ。 脅かしてすまなかった。 183 00:13:32,612 --> 00:13:35,648 私が その牛若丸だ。 184 00:13:35,648 --> 00:13:39,118 そうか。 お前が蓬子か。 185 00:13:39,118 --> 00:13:42,989 では かつて 私は その手に抱かれたことがあるのだな? 186 00:13:42,989 --> 00:13:45,892 は… はい。 それは すまぬことをした。 187 00:13:45,892 --> 00:13:50,129 いや 時折 平家の間者が 私の様子を見に来るので➡ 188 00:13:50,129 --> 00:13:53,032 天狗に化けて 追い返すことにしているのだ。 189 00:13:53,032 --> 00:13:59,138 そうだったのでございますか。 私は もう てっきり 天狗様かと。 190 00:13:59,138 --> 00:14:03,009 (3人の笑い声) 191 00:14:03,009 --> 00:14:06,245 それで 母上のことだが…。 192 00:14:06,245 --> 00:14:21,094 ♬~(笛) 193 00:14:21,094 --> 00:14:25,765 母上が そこまで 私のことを? 194 00:14:25,765 --> 00:14:28,801 知らなかった…。 195 00:14:28,801 --> 00:14:31,104 母上のことばかり思うのは➡ 196 00:14:31,104 --> 00:14:34,607 私が よほど 女々しいのかと思っていたのに。 197 00:14:34,607 --> 00:14:38,478 最上の良薬は あなた様が山を下り➡ 198 00:14:38,478 --> 00:14:40,947 常磐様にお会いになることです。 199 00:14:40,947 --> 00:14:45,785 それが 常磐様に 生きる力を与えることでしょう。 200 00:14:45,785 --> 00:14:47,820 分かった! 201 00:14:47,820 --> 00:14:51,424 案内を頼む。 いいえ それはいけません。 202 00:14:51,424 --> 00:14:55,628 ん? 麓を 平家のお侍が固めておりました。 203 00:14:55,628 --> 00:14:59,132 万が一 あなた様の ご出奔が知れれば➡ 204 00:14:59,132 --> 00:15:02,034 きっと 常磐様のお身に ご迷惑が。 205 00:15:02,034 --> 00:15:06,739 う…。 確かに そのとおりだ。 206 00:15:06,739 --> 00:15:10,743 分かった。 母上に 手紙をしたためよう。 207 00:15:14,480 --> 00:15:19,252 (牛若丸) 「母上 ご病気はいかがですか?➡ 208 00:15:19,252 --> 00:15:24,590 鞍馬の峰に立つと 都の明かりが見えます」。 209 00:15:24,590 --> 00:15:30,263 (常磐)「牛若は 毎晩のように 一条辺りの明かりを眺めて➡ 210 00:15:30,263 --> 00:15:36,402 母上のご病気が 早く治りますようにと 祈っております。➡ 211 00:15:36,402 --> 00:15:42,942 春は まだ お寒うございますから よいお薬を召し上がって➡ 212 00:15:42,942 --> 00:15:49,282 一日も早く お元気になってください。 牛若」。 213 00:15:49,282 --> 00:15:56,789 (3人の泣き声) 214 00:16:14,907 --> 00:16:19,579 ⚟(足音) 215 00:16:19,579 --> 00:16:24,917 妓王様 お久しぶりでございます。 216 00:16:24,917 --> 00:16:29,088 はっ… 仏御前…。 217 00:16:29,088 --> 00:16:31,757 そのお姿は? 218 00:16:31,757 --> 00:16:38,264 私も 妓王様と同じ立場に。 え? 219 00:16:38,264 --> 00:16:44,770 相国様は 私にも お飽きになり 見向きもなさいませぬ。 220 00:16:46,606 --> 00:16:51,944 妓王様 ここで一緒に暮らさせてくださいまし。 221 00:16:51,944 --> 00:16:57,650 世を捨てた私には もう ほかに行くところはございませぬ。 222 00:17:00,353 --> 00:17:03,055 よろしいですとも。 223 00:17:03,055 --> 00:17:09,228 あなたと私どもと 手に手を取って生きていきましょう。 224 00:17:09,228 --> 00:17:11,898 妓王様…。 225 00:17:11,898 --> 00:17:15,735 (泣き声) 226 00:17:15,735 --> 00:17:20,606 でも 仏御前殿。 227 00:17:20,606 --> 00:17:23,376 この世には 私たちよりも➡ 228 00:17:23,376 --> 00:17:26,913 もっと つらい思いをなさっているお方も おられるのですよ。 229 00:17:26,913 --> 00:17:29,815 え? 230 00:17:29,815 --> 00:17:35,254 御台所様 時子様です。 231 00:17:35,254 --> 00:18:07,186 ♬~ 232 00:18:07,186 --> 00:18:10,056  心の声 この厳島神社が完成すれば➡ 233 00:18:10,056 --> 00:18:14,894 そこに祭られるのは 神ではない。 仏でもない。➡ 234 00:18:14,894 --> 00:18:20,232 わしじゃ。 この平 清盛じゃ! 235 00:18:20,232 --> 00:18:23,903 太政大臣として権勢を極めた清盛は➡ 236 00:18:23,903 --> 00:18:29,075 ついに 自らを 神の地位にまで 押し上げようとしていました。 237 00:18:29,075 --> 00:18:31,978 戦う相手を失った清盛は➡ 238 00:18:31,978 --> 00:18:37,283 もはや 自分の中に 敵を作るしかなかったのでしょうか。 239 00:18:40,252 --> 00:19:56,262 ♬~