1 00:00:02,202 --> 00:00:40,007 ♬~ 2 00:00:42,309 --> 00:00:47,648 倶利伽羅峠の戦いは 義仲軍の圧勝に終わります。 3 00:00:47,648 --> 00:00:55,656 そして 「義仲 平家維盛軍を破る」の報は いち早く鎌倉にもたらされました。 4 00:01:02,162 --> 00:01:07,134 (頼朝)倶利伽羅峠で 義仲が維盛を破ったそうじゃ。 5 00:01:07,134 --> 00:01:09,269 (一同)おお~。 6 00:01:09,269 --> 00:01:11,939 兄上。 義仲殿と力を合わせ➡ 7 00:01:11,939 --> 00:01:14,608 今こそ平家を討つ好機と心得ます! 8 00:01:14,608 --> 00:01:18,278 出陣する気なら とうに命じておる! はっ。 9 00:01:18,278 --> 00:01:23,150 都を手中に収めるのは 決して容易なことではない。 10 00:01:23,150 --> 00:01:31,291 平家の死に物狂いの反撃もあろうし 一方には 叡山の圧力がある。 11 00:01:31,291 --> 00:01:40,300 恐れ多くも御所を奉じて 木曽の山猿が その都を どう料理するのか…。 12 00:01:40,300 --> 00:01:44,171 ここは 高みの見物が一番じゃ。 13 00:01:44,171 --> 00:01:49,309 兄上…。 何か不満か 義経。 14 00:01:49,309 --> 00:01:52,012 いえ…。 15 00:01:55,182 --> 00:01:58,318 (弁慶)殿 いよいよでございますな。 16 00:01:58,318 --> 00:02:00,253 何がだ? 17 00:02:00,253 --> 00:02:04,124 義仲殿が 10万の維盛軍を 打ち破ったと聞きました。 18 00:02:04,124 --> 00:02:06,593 耳の早いことよ。 19 00:02:06,593 --> 00:02:10,263 しかし 兄上は 出陣なさらぬそうじゃ。 20 00:02:10,263 --> 00:02:12,265 えっ? 21 00:02:15,602 --> 00:02:20,474 そうですか…。 義高殿は それをご存じなのですか? 22 00:02:20,474 --> 00:02:23,276 さあ それは…。 23 00:02:23,276 --> 00:02:27,581 人質同様の身 恐らく知るまい。 24 00:02:30,951 --> 00:02:35,622 義高殿が鎌倉に送られてきた頃は➡ 25 00:02:35,622 --> 00:02:38,325 ちょうど桜が咲いておったな…。 26 00:02:42,295 --> 00:02:45,966 (義盛)殿。 義高殿をお連れいたしました。 27 00:02:45,966 --> 00:02:50,637 木曽義高でございます。 28 00:02:50,637 --> 00:02:53,974 (頼朝)よく鎌倉に見えられた。➡ 29 00:02:53,974 --> 00:02:58,311 ここを我が館と思い くつろぐがよい。 30 00:02:58,311 --> 00:03:02,582 義高殿は そなたと年も同じくらい。 31 00:03:02,582 --> 00:03:06,253 仲ようしたがよい。 はい。 32 00:03:06,253 --> 00:03:12,125 義高様。 父上 母上と遠く離れて お寂しいでしょうね。 33 00:03:12,125 --> 00:03:15,929 いえ 寂しくなどありませぬ! (大姫)どうして? 34 00:03:15,929 --> 00:03:18,598 父は 約束してくださいました。 35 00:03:18,598 --> 00:03:22,936 上洛したら 直ちに助けに行くと… あっ。 36 00:03:22,936 --> 00:03:25,272 ハハハハハハ。 37 00:03:25,272 --> 00:03:30,944 義高殿 そなたは 今日から わしの子じゃ。 38 00:03:30,944 --> 00:03:35,615 めったなことでは 義仲殿にも渡すまいぞ。 39 00:03:35,615 --> 00:03:39,486 姫 桜が見頃じゃ。 40 00:03:39,486 --> 00:03:41,488 庭を見せて差し上げなさい。 41 00:03:41,488 --> 00:03:43,490 はい! 42 00:03:51,631 --> 00:03:56,970 (義経)年は違うが 幼い頃 母と引き離されて➡ 43 00:03:56,970 --> 00:04:01,575 鞍馬に預けられた わしには ひと事とは思えなかった。 44 00:04:01,575 --> 00:04:05,445 殿…。 今も思えぬ。 45 00:04:05,445 --> 00:04:09,449 どちらへ行かれます? お館は こちらですが…。 46 00:04:09,449 --> 00:04:13,920 義高殿に なんとかして 知らせてやりたいのじゃ。 47 00:04:13,920 --> 00:04:16,623 親父殿の大勝利を。 48 00:04:19,793 --> 00:04:23,597 義高は 和田義盛の監視のもと➡ 49 00:04:23,597 --> 00:04:27,467 質子の郭と呼ばれる屋敷に 移されています。 50 00:04:27,467 --> 00:04:36,476 そして 義経は 時折 剣術の稽古を名目に 義高を慰めに訪れていたのです。 51 00:04:38,612 --> 00:04:40,947 あっ 叔父上! 52 00:04:40,947 --> 00:04:44,618 おお 義高殿。 53 00:04:44,618 --> 00:04:48,488 久しぶりに お相手いたそうか。 54 00:04:48,488 --> 00:04:51,291 はい! 55 00:04:51,291 --> 00:04:53,627 んっ! 56 00:04:53,627 --> 00:04:55,629 んん…。 57 00:04:57,497 --> 00:05:01,434 (小声で) 父上が 10万の維盛軍を破られたぞ。 58 00:05:01,434 --> 00:05:03,436 えっ…。 59 00:05:03,436 --> 00:05:05,906 (義経)たあっ! 痛っ…! 60 00:05:05,906 --> 00:05:07,841 (義経)ハハハハハ。 61 00:05:07,841 --> 00:05:09,776 まだまだ この義経には勝てぬぞ! 62 00:05:09,776 --> 00:05:11,778 叔父上! 63 00:05:11,778 --> 00:05:14,247 (小声で)父上のこと 本当ですか? 64 00:05:14,247 --> 00:05:18,251 (小声で)うん 本当じゃ。 65 00:05:21,121 --> 00:05:24,257 えいっ! たあっ! たあっ! 66 00:05:24,257 --> 00:05:26,193 (義経)たあっ! 67 00:05:26,193 --> 00:05:28,595 (いななき) 68 00:05:28,595 --> 00:05:34,467 一方 能登路の忠度軍は 倶利伽羅峠敗戦の報を聞くや➡ 69 00:05:34,467 --> 00:05:39,773 行家軍を 越中 氷見まで追い詰めながら 引き返します。 70 00:05:41,942 --> 00:05:48,281 敗走の兵をまとめた維盛と合流して 義仲の進撃を阻むためです。 71 00:05:48,281 --> 00:05:50,217 (忠度)維盛殿。 72 00:05:50,217 --> 00:05:53,220 おお 忠度殿。 73 00:06:01,828 --> 00:06:08,568 あれから もう 25~26年にもなるか。 74 00:06:08,568 --> 00:06:13,440 懐かしいのう 義仲殿…。 75 00:06:13,440 --> 00:06:27,587 ♬~ 76 00:06:27,587 --> 00:06:29,589 (義仲)何? 77 00:06:31,925 --> 00:06:35,262 皆の者に申し置くことがある。 78 00:06:35,262 --> 00:06:37,931 安宅の平家陣内に➡ 79 00:06:37,931 --> 00:06:41,268 斎藤の別当 実盛殿が おられるとのことじゃ。 80 00:06:41,268 --> 00:06:45,939 殿。 実盛殿は宗盛殿のご家来。 81 00:06:45,939 --> 00:06:48,608 都に とどまっておられるはず。 82 00:06:48,608 --> 00:06:53,947 なぜか分からぬ。 しかし 言うまでもなく➡ 83 00:06:53,947 --> 00:06:59,252 実盛殿は 義仲の命の大恩人ぞ。 84 00:07:02,555 --> 00:07:07,227 その昔 義仲の父 源 義賢は➡ 85 00:07:07,227 --> 00:07:11,097 源氏の権力争いで殺されました。 86 00:07:11,097 --> 00:07:17,237 その時 危うく難を逃れた義仲を 木曽まで逃がしてくれたのが➡ 87 00:07:17,237 --> 00:07:20,907 斎藤の別当 実盛なのです。 88 00:07:20,907 --> 00:07:26,246 よいか 実盛殿を決して討ってはならぬ! 89 00:07:26,246 --> 00:07:31,584 (兼光)と申して… 実盛殿のお顔を我々は存じませぬ。 90 00:07:31,584 --> 00:07:37,457 お年を召しておることは確か。 おぐしも白くなっておろう。 91 00:07:37,457 --> 00:07:44,597 されば ひとかどの将と見え しかも おぐしが白き武者が実盛殿じゃ。 92 00:07:44,597 --> 00:07:49,903 よいな。 実盛殿のこと 頼むぞ。 93 00:07:53,940 --> 00:07:55,875 (葵)あっ 殿…。 94 00:07:55,875 --> 00:07:58,611 よいよい。 起きるな 葵。 95 00:07:58,611 --> 00:08:02,215 はい。 どうじゃ 矢傷は。 96 00:08:02,215 --> 00:08:08,555 あ… どうやら 矢じりに毒が塗ってあったらしく➡ 97 00:08:08,555 --> 00:08:10,490 思いの外…。 98 00:08:10,490 --> 00:08:14,894 前も すぐに治ったではないか。 焦るまいぞ。 99 00:08:14,894 --> 00:08:17,597 また別所の湯へでも行くか? 100 00:08:19,232 --> 00:08:21,167 殿。 ん? 101 00:08:21,167 --> 00:08:26,906 矢傷が このまま癒えぬ方が よいのかもしれませぬ。 102 00:08:26,906 --> 00:08:28,842 どうしてじゃ。 103 00:08:28,842 --> 00:08:35,248 葵が傷を負った時だけ 殿のお心は優しくなります。 104 00:08:35,248 --> 00:08:37,584 ハハハ。 105 00:08:37,584 --> 00:08:40,920  心の声 葵様。 山吹は➡ 106 00:08:40,920 --> 00:08:45,258 殿のおそばに上がる お許しを得ましたぞ。➡ 107 00:08:45,258 --> 00:08:47,927 もうじき 殿は私のもの。 108 00:08:47,927 --> 00:08:49,863 (いななき) 109 00:08:49,863 --> 00:08:52,599 実盛殿。 110 00:08:52,599 --> 00:08:56,936 ここにおるは 同じ坂東武者の昔なじみばかりじゃ。 111 00:08:56,936 --> 00:09:01,207 さよう。 いずれも 生まれついての武骨者。 112 00:09:01,207 --> 00:09:06,546 平家が傾けば平家を去り 源氏が興れば源氏に走る。 113 00:09:06,546 --> 00:09:10,216 さような ひきょうなまねのできぬ者ばかりじゃ。 114 00:09:10,216 --> 00:09:12,152 ああ いやいやいや➡ 115 00:09:12,152 --> 00:09:17,557 お主が平家に忠誠を誓っていることは よ~く存じておる。 116 00:09:17,557 --> 00:09:21,428 我らとて その気持ちは同じじゃ。 117 00:09:21,428 --> 00:09:24,431 じゃがのう 実盛殿…。 118 00:09:24,431 --> 00:09:27,567 (酒をそそぐ音) 119 00:09:27,567 --> 00:09:33,239 聞けば この度の敵 義仲殿は➡ 120 00:09:33,239 --> 00:09:37,911 お主が 昔 命を助けた男だというではないか。 121 00:09:37,911 --> 00:09:42,582 ハハハハハハ 古いことじゃ。 122 00:09:42,582 --> 00:09:44,517 もう忘れたわい。 123 00:09:44,517 --> 00:09:49,923 いや 実盛殿が忘れても 義仲殿は忘れておられぬ。 124 00:09:49,923 --> 00:09:54,260 実盛殿。 義仲殿を頼られよ。 125 00:09:54,260 --> 00:09:58,965 もう十分に 平家に忠義は尽くされたぞ。 126 00:10:01,935 --> 00:10:08,274 実盛殿 この戦 平家の不利は覆うべくもない。 127 00:10:08,274 --> 00:10:11,177 いや 命を惜しみはせぬ。 128 00:10:11,177 --> 00:10:14,614 惜しみはせぬが せめて仲間の貴殿が➡ 129 00:10:14,614 --> 00:10:21,287 木曽殿に礼を尽くして迎えられたと聞けば 心底うれしゅうござる。 130 00:10:21,287 --> 00:10:23,223 そうされよ。 131 00:10:23,223 --> 00:10:26,626 うっ… うう…。 132 00:10:26,626 --> 00:10:28,928 (いななき) 133 00:10:35,635 --> 00:10:38,538 実盛殿! 134 00:10:38,538 --> 00:10:43,309 うっ… これはいかん。 135 00:10:43,309 --> 00:10:48,648 方々の優しい言葉に ほだされて➡ 136 00:10:48,648 --> 00:10:52,986 つい懐かしい木曽殿と会いとうなった。 137 00:10:52,986 --> 00:10:55,655 ハハハハハハハ…。 138 00:10:55,655 --> 00:10:59,526 これも老いのせいじゃろう。実盛殿…。 139 00:10:59,526 --> 00:11:04,931 いやいや わしは もう 今生 思い残すことはない。 140 00:11:04,931 --> 00:11:09,269 今更 義仲殿の情けを請う気など さらさらないわ。 141 00:11:09,269 --> 00:11:13,139 さあさあ さあ 飲もうではないか。 それ。 142 00:11:13,139 --> 00:11:24,450 ♬~ 143 00:11:46,973 --> 00:11:51,311 (ほら貝の音) 144 00:11:51,311 --> 00:11:53,980 (喊声) 145 00:11:53,980 --> 00:12:00,253 平家軍は 安宅の渡しで 義仲軍に決死の反撃を試みます。 146 00:12:00,253 --> 00:12:04,123 (斬り合う音) 147 00:12:04,123 --> 00:12:08,928 (巴)たあっ! たあっ! 148 00:12:08,928 --> 00:12:13,933 押せ押せい! 今が勝負ぞ! 149 00:12:17,604 --> 00:12:21,274 やはり 負け戦か…。 150 00:12:21,274 --> 00:12:25,278 (いななき) 151 00:12:27,614 --> 00:12:31,951 (光盛)おう よき敵。 ござんなれ! 152 00:12:31,951 --> 00:12:35,822 それがしは信濃の住人 手塚太郎光盛。 153 00:12:35,822 --> 00:12:38,625 うむ… それがしは…。 154 00:12:38,625 --> 00:12:40,560 ん? 名乗られよ!➡ 155 00:12:40,560 --> 00:12:42,495 さぞや名ある大将とお見受け申す! 156 00:12:42,495 --> 00:12:45,498 いや 故あって名乗らぬ。 157 00:12:45,498 --> 00:12:49,969 …が 存分にお相手いたす。 158 00:12:49,969 --> 00:12:52,872 もしや 斎藤実盛殿か? 159 00:12:52,872 --> 00:12:54,841 だったら 何とする。 160 00:12:54,841 --> 00:13:00,146 実盛殿には決して手向かいいたすなと 義仲様より きついお達しが出ておる。 161 00:13:02,548 --> 00:13:05,918 ハハハハハハハハ。 ん? 162 00:13:05,918 --> 00:13:08,588 手塚とやら よく見よ。 163 00:13:08,588 --> 00:13:12,892 わしは 実盛殿ほど老人ではないわ。 164 00:13:16,929 --> 00:13:21,601 おう そういえば…。 何を ぶつぶつ言っておる。 165 00:13:21,601 --> 00:13:23,536 いざ 組まん! 166 00:13:23,536 --> 00:13:26,272 (刀を投げ捨てる音) 167 00:13:26,272 --> 00:13:28,608 (いななき) 168 00:13:28,608 --> 00:13:31,511 ええい いざ! 169 00:13:31,511 --> 00:13:43,156 ♬~ 170 00:13:43,156 --> 00:13:45,458 お覚悟~! 171 00:13:52,632 --> 00:13:54,634 でやっ! (刺す音) 172 00:14:00,239 --> 00:14:03,142 どうした? 光盛。 173 00:14:03,142 --> 00:14:07,580 殿 おかしなことがございました。 おかしなこと? 174 00:14:07,580 --> 00:14:10,917 名ある将と思える侍を 討ち取ったのですが➡ 175 00:14:10,917 --> 00:14:14,253 その侍が名乗らないのでございます。➡ 176 00:14:14,253 --> 00:14:16,923 かといって 逃げるでもなく。 177 00:14:16,923 --> 00:14:19,592 堂々と一騎打ちをいたしました。 178 00:14:19,592 --> 00:14:23,463 まさか 実盛殿では? 179 00:14:23,463 --> 00:14:26,265 いや 実盛殿とは年が違いまする。 180 00:14:26,265 --> 00:14:29,569 検分しよう。 首をこれに。 ははっ。 181 00:14:41,280 --> 00:14:43,950 実盛殿に似ておらんか…? 182 00:14:43,950 --> 00:14:46,619 はて? 183 00:14:46,619 --> 00:14:51,624 いや しかし 実盛殿にしては若すぎるの。 184 00:15:05,905 --> 00:15:10,209 紛れもなく 実盛殿でございます。 185 00:15:11,778 --> 00:15:16,549 実盛殿! 186 00:15:16,549 --> 00:15:22,455 なぜに お名乗りいただけなかったのです! 187 00:15:22,455 --> 00:15:25,591 無念でございます 義仲は…。 188 00:15:25,591 --> 00:15:29,462 敵に情けをかけられるのを潔しとせず。 189 00:15:29,462 --> 00:15:34,467 わざと おぐしを 染めておられたのでございましょう。 190 00:15:36,235 --> 00:15:39,138 申し訳ございませぬ! 191 00:15:39,138 --> 00:15:44,944 おぐしばかりではなく お召し物も これ このとおり…。 192 00:15:44,944 --> 00:15:49,282 若い者としか思えぬ 装いでございました。 193 00:15:49,282 --> 00:15:52,618 もうよい。 194 00:15:52,618 --> 00:15:56,289 実盛殿! 195 00:15:56,289 --> 00:16:01,127 お久しぶりでございます。 196 00:16:01,127 --> 00:16:08,234 駒王… 駒王丸でございます! 197 00:16:08,234 --> 00:16:11,137 (泣き声) 198 00:16:11,137 --> 00:16:15,107 実盛殿~! 199 00:16:15,107 --> 00:16:23,249 (泣き声) 200 00:16:23,249 --> 00:16:28,921 後世 この地の神社に祭られた 実盛のかぶとを前に➡ 201 00:16:28,921 --> 00:16:31,924 松尾芭蕉は こう詠みます。 202 00:16:38,598 --> 00:16:43,936 義仲軍は 一路 京の都を目指します。 203 00:16:43,936 --> 00:16:49,275 殿 このまま 都に攻め入るおつもりですか? 204 00:16:49,275 --> 00:16:52,178 無論 そのつもりだ。 205 00:16:52,178 --> 00:16:54,614 それはなりませぬ。 206 00:16:54,614 --> 00:16:59,952 京の都と我らの間に立ちはだかる 大きな山がござるぞ。 207 00:16:59,952 --> 00:17:01,888 山? 208 00:17:01,888 --> 00:17:05,224 比叡山? 延暦寺のことか? 209 00:17:05,224 --> 00:17:08,561 (覚明)はい。 なんの 坊主など 蹴散らせばよい。 210 00:17:08,561 --> 00:17:13,900 (行家)義仲殿。 覚明殿の申すとおり 比叡山を見くびってはなりませぬぞ! 211 00:17:13,900 --> 00:17:16,802 これは 叔父上も同じご意見か。 212 00:17:16,802 --> 00:17:19,572 (兼光)我らも同じ意見でございます。 213 00:17:19,572 --> 00:17:23,442 清盛殿を さんざん てこずらせたのも 山門の大衆ども。 214 00:17:23,442 --> 00:17:28,247 武力をもって押し通っても 都へ入ったあとが面倒でございます。 215 00:17:28,247 --> 00:17:32,919 代々の帝や法皇さえも 山門には手を焼いてこられました。 216 00:17:32,919 --> 00:17:36,789 王城鎮護をもって任ずる叡山。 217 00:17:36,789 --> 00:17:40,259 ないがしろに扱えば 手ひどい報復を受けるのは➡ 218 00:17:40,259 --> 00:17:42,194 必定にございますぞ。 219 00:17:42,194 --> 00:17:45,131 う~ん… 分かった。 220 00:17:45,131 --> 00:17:47,600 ならば どうすればよい? 221 00:17:47,600 --> 00:17:53,472 私が 殿の御名のもとに 山門へ書状をお届けし➡ 222 00:17:53,472 --> 00:17:57,610 お味方になるよう 説得いたします。 223 00:17:57,610 --> 00:18:03,416 世に言う 木曽山門牒状とは この書状のことです。 224 00:18:03,416 --> 00:18:09,121 その一通の書状が 義仲の運命を決します。 225 00:18:10,890 --> 00:19:27,199 ♬~