1 00:00:01,802 --> 00:00:39,106 ♬~ 2 00:00:42,242 --> 00:00:49,116 後白河法皇と義仲の対立が 決定的な日を迎えようとしています。 3 00:00:49,116 --> 00:00:56,423 義仲洛内退去の院宣が右馬頭資時により 義仲に もたらされたのです。 4 00:01:00,727 --> 00:01:05,465 院宣を賜るに 掛けたままとは無礼でございましょう。 5 00:01:05,465 --> 00:01:09,202 ここは義仲の館。 御所ではない。 6 00:01:09,202 --> 00:01:12,105 武士には武士の作法がござる。 7 00:01:12,105 --> 00:01:14,074 このまま承る。 8 00:01:14,074 --> 00:01:16,543 では 申し上げる。 9 00:01:16,543 --> 00:01:19,446 明朝までに館を引き払い➡ 10 00:01:19,446 --> 00:01:24,418 木曽衆は全て 洛外へ いづべしとの 仰せ下しにございます。 11 00:01:24,418 --> 00:01:28,155 何… この義仲に去れと? 12 00:01:28,155 --> 00:01:30,891 ハハハハ さよう。 13 00:01:30,891 --> 00:01:34,561 既に 院の御所には 兵たちが詰めております。 14 00:01:34,561 --> 00:01:38,265 くれぐれも お手向かいなどなさらぬよう。 15 00:01:40,233 --> 00:01:42,169 (兼光)殿! 16 00:01:42,169 --> 00:01:45,572 法皇様のお心 じきじきに確かめてまいる。 17 00:01:45,572 --> 00:01:49,443 殿! 院の御所は 既に兵で固められておるとのこと。 18 00:01:49,443 --> 00:01:52,446 そのお姿では…。 鎧をお召しくだされ。 19 00:01:52,446 --> 00:01:55,248 いいや このままでよい。 20 00:01:55,248 --> 00:01:58,919 わしは戦をしに行くのではない。 21 00:01:58,919 --> 00:02:00,854 馬 引けい! 22 00:02:00,854 --> 00:02:05,559 ⚟(いななきと ひづめの音) 23 00:02:07,194 --> 00:02:09,396 (いななき) 24 00:02:11,865 --> 00:02:14,201 これは木曽義仲でござる。 25 00:02:14,201 --> 00:02:17,871 法皇様にお尋ね申し上げたき儀があって 参上いたした。 26 00:02:17,871 --> 00:02:20,540 お取り次ぎを! できませぬ! 27 00:02:20,540 --> 00:02:23,443 何人も ここをお通ししてはならぬとの ご命令でございます。 28 00:02:23,443 --> 00:02:25,412 早々に お退きなさい! 29 00:02:25,412 --> 00:02:29,883 何! 兼光! 院にお手向かいはならぬ! 30 00:02:29,883 --> 00:02:33,553 帰れ! 早々に木曽へ帰れ! 31 00:02:33,553 --> 00:02:36,890 公家とて この資時を侮るまいぞ。 32 00:02:36,890 --> 00:02:38,825 (弓を射る音) 33 00:02:38,825 --> 00:02:41,561 おのれ! てやっ! 34 00:02:41,561 --> 00:02:44,231 うっ! ああっ…。 35 00:02:44,231 --> 00:02:48,101 おのれ! 手向かいいたすか! (斬り合う音) 36 00:02:48,101 --> 00:02:51,905 兼光 やめよ! やめるのじゃ! 37 00:02:51,905 --> 00:02:53,840 うっ! (斬る音) 38 00:02:53,840 --> 00:02:56,243 うわ~! 39 00:02:56,243 --> 00:03:00,113 退けい! 退けい! 退くのじゃ! 40 00:03:00,113 --> 00:03:03,050 (斬り合う音) 41 00:03:03,050 --> 00:03:08,522 殿~! 殿を討たすな~! 42 00:03:08,522 --> 00:03:14,394 義仲窮地の報に 洛内の木曽軍は法住寺殿に殺到しました。 43 00:03:14,394 --> 00:03:18,532 どけ! 義仲は 院のお気持ちを知りたいだけじゃ! 44 00:03:18,532 --> 00:03:21,868 しれ者! 帰れ! 奥へ入れるな! 45 00:03:21,868 --> 00:03:24,204 義仲を討て! 46 00:03:24,204 --> 00:03:26,873 おい 火が出たぞ! 47 00:03:26,873 --> 00:03:30,577 ならん! 御所に火をかけてはならぬ! 48 00:03:33,547 --> 00:03:37,417 誰が どこで火をかけたのか 分からないままに➡ 49 00:03:37,417 --> 00:03:44,191 さしも広大な法住寺殿が 硝煙地獄と化していったのです。 50 00:03:44,191 --> 00:03:47,094 お上 ひとまず ここを…。 51 00:03:47,094 --> 00:03:49,563 (後白河)火をかけたのは義仲か? 52 00:03:49,563 --> 00:03:53,233 はっ。 しかも 間近に迫っております。 53 00:03:53,233 --> 00:03:57,237 なんという…。 さあ お乗り物へ。 54 00:04:00,040 --> 00:04:03,043 (いななき) 55 00:04:03,043 --> 00:04:05,812 (兼光)院のおみこしと お見受け申す。 56 00:04:05,812 --> 00:04:10,183 木曽義仲が家臣 樋口次郎兼光。 57 00:04:10,183 --> 00:04:15,856 あるじの命により 五条の里内裏までご先導つかまつる。 58 00:04:15,856 --> 00:04:19,726 お聞き入れなくば 弓矢にかけても…。 59 00:04:19,726 --> 00:04:21,728 (みこしの中から たたく音) 60 00:04:21,728 --> 00:04:25,198 はっ。 61 00:04:25,198 --> 00:04:31,204 任す。 いずこへなりと案内せよ。 62 00:04:35,208 --> 00:04:38,545 (いななき) 63 00:04:38,545 --> 00:04:41,448 法皇は五条の里内裏へ➡ 64 00:04:41,448 --> 00:04:43,884 帝は二条の閑院殿へ➡ 65 00:04:43,884 --> 00:04:48,555 幽閉同然の形で移されました。 66 00:04:48,555 --> 00:04:59,199 ♬~ 67 00:04:59,199 --> 00:05:03,837 義仲にとって それは 何が起きたのか分からない➡ 68 00:05:03,837 --> 00:05:07,174 全く奇妙な戦いでした。 69 00:05:07,174 --> 00:05:13,046 …が 天下は まさに義仲の手に落ちたのです。 70 00:05:13,046 --> 00:05:19,186 法皇は 義仲が要求するままに 征夷大将軍の位を授け➡ 71 00:05:19,186 --> 00:05:22,088 おもだった公家の官位を解くなど➡ 72 00:05:22,088 --> 00:05:27,093 義仲の望むことは 全て許さざるをえませんでした。 73 00:05:29,196 --> 00:05:33,867  心の声 好きにいたすがよい 義仲。➡ 74 00:05:33,867 --> 00:05:38,538 その方の天下は すぐに終わる。➡ 75 00:05:38,538 --> 00:05:40,473 すぐにな…。 76 00:05:40,473 --> 00:05:45,879 そして 法住寺殿の焼き打ちから 辛くも逃れた公家たちは➡ 77 00:05:45,879 --> 00:05:49,216 伊勢にいる義経を頼ります。 78 00:05:49,216 --> 00:05:52,886 義仲の反乱は もはや天下の知るところ。 79 00:05:52,886 --> 00:05:57,757 一刻も早く軍をお進めあって 院の み心を安んじたまわりたい。 80 00:05:57,757 --> 00:06:01,161 お願い申す。 お願い申す…。 81 00:06:01,161 --> 00:06:04,831 頼りは 九郎殿だけじゃ。 82 00:06:04,831 --> 00:06:10,170 義経とて 直ちに軍を進めたいのでございますが…。 83 00:06:10,170 --> 00:06:12,105 (弁慶)殿! 84 00:06:12,105 --> 00:06:18,511 何事によらず 鎌倉のお指図なくば 一兵たりとも動かすことはできませぬ。 85 00:06:18,511 --> 00:06:21,848 ああ…。(正近)殿! 86 00:06:21,848 --> 00:06:25,852 正近殿。 お客人の前ぞ。 87 00:06:29,189 --> 00:06:33,526 (笑い声) 88 00:06:33,526 --> 00:06:37,197 (兼平)殿 征夷大将軍 おめでとうございます。 89 00:06:37,197 --> 00:06:40,901 うむ ついに征夷大将軍じゃ。 90 00:06:45,538 --> 00:06:50,210 殿! 平家より 和議申し入れの返書でございます。 91 00:06:50,210 --> 00:06:52,212 うむ。 92 00:06:54,881 --> 00:06:59,552 「我が屋島には 81代の帝があらせたもうものを➡ 93 00:06:59,552 --> 00:07:02,455 木曽と対等な和睦など思いも寄らぬ」。 94 00:07:02,455 --> 00:07:04,391 何!なんと! 95 00:07:04,391 --> 00:07:06,359 「和を請うは 大いによし。➡ 96 00:07:06,359 --> 00:07:13,833 もしそれ 和を欲するとなれば 平家の陣門に降伏して いでよ」。 97 00:07:13,833 --> 00:07:16,503 (巴)殿! やはりな…。 98 00:07:16,503 --> 00:07:19,172 平家との和睦など あろうはずがないわ! 99 00:07:19,172 --> 00:07:21,107 どちらへ? 100 00:07:21,107 --> 00:07:26,513 征夷大将軍の喜びも消えた! 遠駆けじゃ! 101 00:07:26,513 --> 00:07:32,185 ⚟♬~(琴) 102 00:07:32,185 --> 00:07:35,989 ん? 誰の屋敷じゃ? 103 00:07:35,989 --> 00:07:40,193 はっ 前の関白殿のご別邸とか…。 104 00:07:40,193 --> 00:07:42,896 基房殿の…。 105 00:07:45,865 --> 00:07:52,539 ♬~(琴) 106 00:07:52,539 --> 00:07:57,877 ⚟(せきこみ) 107 00:07:57,877 --> 00:08:02,716 ♬~(琴) 108 00:08:02,716 --> 00:08:10,457 ⚟(せきこみ) 109 00:08:10,457 --> 00:08:14,160 (せきこみ) 110 00:08:14,160 --> 00:08:18,498 (冬姫)お苦しゅうございますか 母上…。 111 00:08:18,498 --> 00:08:24,371 はあ… いいえ ありがとう。 112 00:08:24,371 --> 00:08:30,110 姫の琴を聴くと 気持ちが晴れます。 113 00:08:30,110 --> 00:08:37,851  心の声 姫… では あれが冬姫か…。 114 00:08:37,851 --> 00:08:41,521  回想 (兼平)我らの前で琴を奏でたは➡ 115 00:08:41,521 --> 00:08:46,393 冬姫殿の偽者 姫の侍女でございます。 116 00:08:46,393 --> 00:08:51,531  心の声 美しい…。 117 00:08:51,531 --> 00:08:59,806 基房殿 本日は願いの儀があって参った。 (基房)はっ? 118 00:08:59,806 --> 00:09:01,741 冬姫殿のことじゃ。 119 00:09:01,741 --> 00:09:03,676 (基房)冬子の…。 120 00:09:03,676 --> 00:09:10,150 偽冬姫殿ではござらんぞ。 はっ… はあ…。 121 00:09:10,150 --> 00:09:13,820 よくも この義仲を おだましになったな! 122 00:09:13,820 --> 00:09:17,490 何とぞ お許しを…。 123 00:09:17,490 --> 00:09:19,826 許そう。 はあ…。 124 00:09:19,826 --> 00:09:22,495 わしを冬姫殿の婿にしてくれ。 125 00:09:22,495 --> 00:09:26,366 な… なんと… 婿ですと!? 126 00:09:26,366 --> 00:09:32,172 嫌か? 嫌ならば 義仲にも覚悟がある。 127 00:09:32,172 --> 00:09:34,841 おもとは 征夷大将軍をだましたのだ。 128 00:09:34,841 --> 00:09:40,146 その咎 一族の全てに及ぶは必定。 129 00:09:43,183 --> 00:09:45,518 お… お待ちください! 130 00:09:45,518 --> 00:09:51,524 基房は 義仲を冬姫の婿とすることを 承知します。 131 00:09:54,861 --> 00:09:59,732 いけませぬ! 義仲様 何とぞ…! 132 00:09:59,732 --> 00:10:01,734 ひっ…! 133 00:10:01,734 --> 00:10:06,473 冬姫殿 わしは木曽義仲じゃ。 134 00:10:06,473 --> 00:10:09,876 義仲様でも 姫に無礼をすると許しませぬ! 135 00:10:09,876 --> 00:10:15,215 姫 これを見よ。 そなたの父 基房殿より➡ 136 00:10:15,215 --> 00:10:19,552 冬姫殿の婿になることを許すとの 婿証文じゃ。 137 00:10:19,552 --> 00:10:22,889 そ… そのような…。 138 00:10:22,889 --> 00:10:26,559 さあ 一緒に参ろう。 139 00:10:26,559 --> 00:10:29,462 なりませぬ! お離しください! 140 00:10:29,462 --> 00:10:31,431 ふんっ!(当て身を入れる音) あっ…。 141 00:10:31,431 --> 00:10:33,433 ああ…。 142 00:10:33,433 --> 00:10:45,912 ♬~ 143 00:10:45,912 --> 00:10:51,618 拉致同然に冬姫を奪った義仲でしたが…。 144 00:10:53,586 --> 00:10:56,923 自分の心を女性に伝えるなど➡ 145 00:10:56,923 --> 00:11:01,194 義仲にとって 生まれて初めてのことでした。 146 00:11:01,194 --> 00:11:05,498 どうしてよいか分からぬ 義仲だったのです。 147 00:11:08,067 --> 00:11:13,773 これ このとおり 父君から婿となるお許しを得ておる。 148 00:11:13,773 --> 00:11:16,543 いつまでも大事にいたす。 149 00:11:16,543 --> 00:11:19,445 やがて 共に木曽の我が館へ参ろう。 150 00:11:19,445 --> 00:11:23,883 なあ 冬姫殿…。 151 00:11:23,883 --> 00:11:28,555 父が許しても 冬子は嫌でございます。 152 00:11:28,555 --> 00:11:37,230 それに 病の母を置いて都を離れるなど 冬子にはできませぬ。 153 00:11:37,230 --> 00:11:40,567 分かった… 分かった。 154 00:11:40,567 --> 00:11:45,438 そなたが わしを婿と認めてくれるまで いつまでも待とう。 155 00:11:45,438 --> 00:11:50,577 それに 決して都から連れ出したりもせぬ。 156 00:11:50,577 --> 00:11:53,246 約束するぞ。 157 00:11:53,246 --> 00:11:56,583 しかし そのころ既に…➡ 158 00:11:56,583 --> 00:12:03,590 鎌倉軍5,000が 義仲討伐のため 鎌倉を発進していたのです。 159 00:12:07,860 --> 00:12:10,763 (いななき) 160 00:12:10,763 --> 00:12:15,201 鎌倉軍が箱根を越えました~! 161 00:12:15,201 --> 00:12:19,072 殿! 鎌倉軍が迫っております。 162 00:12:19,072 --> 00:12:22,542 もはや 北陸へお退きになるご決断を! 163 00:12:22,542 --> 00:12:25,445 兼光 何を慌てている。 164 00:12:25,445 --> 00:12:28,414 法住寺殿の戦に勝って 兵の数も増えているのだぞ。 165 00:12:28,414 --> 00:12:30,883 それは浮き草のような やから。 166 00:12:30,883 --> 00:12:34,554 鎌倉軍が近づけば また どこかへ消えてしまいます。 167 00:12:34,554 --> 00:12:38,891 いつまでも都に執着なさるとは 殿らしくございませぬ。 168 00:12:38,891 --> 00:12:42,595 とにかく まだじゃ! まだ わしは動かぬ! 169 00:12:47,233 --> 00:12:53,106 (後白河) 基房… しばらく顔を見せなんだの。 170 00:12:53,106 --> 00:12:56,909 ちと 風邪などを…。 171 00:12:56,909 --> 00:13:04,517 風邪か…。 病のもとは そちの娘 冬姫であろう? 172 00:13:04,517 --> 00:13:08,187 お… お上には…。 173 00:13:08,187 --> 00:13:13,860 まことに 「女人の黒髪は 象をも つなぐ」 と申しますが➡ 174 00:13:13,860 --> 00:13:21,200 義仲は冬姫殿に心奪われ 都を離れられぬと見えまする。 175 00:13:21,200 --> 00:13:23,536 (後白河)のう 基房…。 176 00:13:23,536 --> 00:13:29,208 むごい言葉かもしれぬが 冬姫のおかげで➡ 177 00:13:29,208 --> 00:13:35,882 わしも帝も 北陸などへ連れいかれずに済んでおる。 178 00:13:35,882 --> 00:13:37,817 礼を言うぞ。 179 00:13:37,817 --> 00:13:42,221 もったいのうございます。 180 00:13:42,221 --> 00:13:46,559 ではござりまするが…。 181 00:13:46,559 --> 00:13:50,430 義仲の横暴を このままにしておいては➡ 182 00:13:50,430 --> 00:13:57,203 都は この先どうなるかと それが心配でなりませぬ。 183 00:13:57,203 --> 00:14:02,508 基房 わしが無為無策に➡ 184 00:14:02,508 --> 00:14:06,846 あの男の わがままを 許しておると思うてか? 185 00:14:06,846 --> 00:14:08,781 はっ? 186 00:14:08,781 --> 00:14:13,519 今し方も わしは書状をしたためた。 187 00:14:13,519 --> 00:14:16,422 鎌倉への密書じゃ。 188 00:14:16,422 --> 00:14:26,866 ♬~ 189 00:14:26,866 --> 00:14:28,801 (床をたたく音) 190 00:14:28,801 --> 00:14:40,213 ♬~ 191 00:14:40,213 --> 00:14:46,886 こちらの様子は 逐一 鎌倉に知らせてある。 192 00:14:46,886 --> 00:14:50,757 もう少しの辛抱じゃ。 193 00:14:50,757 --> 00:14:53,459 はは~っ! 194 00:15:13,513 --> 00:15:16,849 (足音) 195 00:15:16,849 --> 00:15:18,785 そのまま そのまま。 196 00:15:18,785 --> 00:15:22,188 姫が好きな書を あちこちから持ってまいったぞ。 197 00:15:22,188 --> 00:15:24,524 ほら。 198 00:15:24,524 --> 00:15:27,226 ん? 199 00:15:29,395 --> 00:15:32,198 誰からの文じゃ…。 200 00:15:32,198 --> 00:15:34,133 まさか 恋文!? 201 00:15:34,133 --> 00:15:38,438 あっ… お返しください! 202 00:15:40,072 --> 00:15:42,208 あっ…。 203 00:15:42,208 --> 00:15:44,544 (泣き声) 204 00:15:44,544 --> 00:15:49,415 何じゃ… 父君からの文ではないか。 205 00:15:49,415 --> 00:15:57,557 (基房)「冬子よ 御身は 尊い生贄に選ばれた定めの子なるぞ。➡ 206 00:15:57,557 --> 00:16:04,163 その身を生贄として 義仲の獣欲に与えよ。➡ 207 00:16:04,163 --> 00:16:10,837 その黒髪の力をもって 義仲をつなぎ止めよ。➡ 208 00:16:10,837 --> 00:16:15,708 それこそが 院への忠義ぞ。➡ 209 00:16:15,708 --> 00:16:20,179 親への孝ぞ…」。 210 00:16:20,179 --> 00:16:22,882 なんという文じゃ! 211 00:16:28,855 --> 00:16:33,192 義仲は 絶えず この部屋を訪れていました。 212 00:16:33,192 --> 00:16:37,864 しかし 冬姫には 指一本 触れていません。 213 00:16:37,864 --> 00:16:53,880 (泣き声) 214 00:16:56,549 --> 00:16:58,851 義仲様…。 215 00:17:08,494 --> 00:17:13,833 姫… そなたが哀れじゃ。 216 00:17:13,833 --> 00:17:21,507 そなたの父は 血の通った自分の娘に なんと むごいことを命じるのじゃ! 217 00:17:21,507 --> 00:17:27,847 義仲様… 私のために泣いてくださったのですか? 218 00:17:27,847 --> 00:17:31,717 この冬子のために 涙を…。 219 00:17:31,717 --> 00:17:37,523 もうよい 父君の屋敷に送り届けよう。 220 00:17:40,426 --> 00:17:42,728 義仲様! 221 00:17:45,398 --> 00:17:48,167 姫は 父に見捨てられたのです。 222 00:17:48,167 --> 00:17:54,173 もう 義仲様しか 頼れるお方はおりませぬ! 223 00:17:57,209 --> 00:18:02,048 戦乱の足音迫る都に 一つの恋が咲きます。 224 00:18:02,048 --> 00:18:04,817 しかし この恋には➡ 225 00:18:04,817 --> 00:18:10,156 あまりにも無残な結末が 待っていたのです。 226 00:18:10,156 --> 00:19:26,866 ♬~