1 00:00:02,202 --> 00:00:39,506 ♬~ 2 00:00:43,310 --> 00:00:46,813 寿永4年2月20日 早暁➡ 3 00:00:46,813 --> 00:00:50,684 屋島の合戦の幕は 切って落とされました。 4 00:00:50,684 --> 00:00:53,987 そして その戦いのさなか➡ 5 00:00:53,987 --> 00:00:59,493 平家一門の中で もう一つの戦いが始まっていました。 6 00:01:15,609 --> 00:01:19,279 (時忠)そなたが 一門に代わって わしを斬ると? 7 00:01:19,279 --> 00:01:22,115 (教経)いかにも。 こざかしい! 8 00:01:22,115 --> 00:01:25,419 平家を支えてきたは この時忠ぞ! 9 00:01:25,419 --> 00:01:28,622 いや ひそかに帝を奉じて敵に下るなど➡ 10 00:01:28,622 --> 00:01:31,124 もはや 我が一門ではござらん!➡ 11 00:01:31,124 --> 00:01:34,428 裏切り者を からめ捕れ! (武者たち)お~! 12 00:01:34,428 --> 00:01:36,797 おのれ~。 13 00:01:36,797 --> 00:01:40,968 ⚟お待ちなさい! ああ…。 14 00:01:40,968 --> 00:01:45,639 (二位の尼)お二人とも おやめなされ! 15 00:01:45,639 --> 00:01:47,674 今は 戦のさなか。 16 00:01:47,674 --> 00:01:51,144 お味方同士で争っておる時では ありますまい。 17 00:01:51,144 --> 00:01:53,080 二位様…。 18 00:01:53,080 --> 00:01:58,318 一刻も早く 帝を確かなところへ。 19 00:01:58,318 --> 00:02:00,253 まことに。 20 00:02:00,253 --> 00:02:18,739 ♬~ 21 00:02:22,275 --> 00:02:24,611 (いななき) 22 00:02:24,611 --> 00:02:28,949 (義経)瞬く間の船ぞろい 敵ながら 見事な陣立てよのう。 23 00:02:28,949 --> 00:02:30,884 (弁慶)まことに。 24 00:02:30,884 --> 00:02:35,722 屋島は奪い取ったものの 三種の神器は まだ海の上にある。 25 00:02:35,722 --> 00:02:40,961 とは申せ 僅か150騎で あの大軍を海上に追い払ったのです。 26 00:02:40,961 --> 00:02:43,430 大勝利でございます。 27 00:02:43,430 --> 00:02:47,801 敵は 再び上陸を企てるかもしれぬ。 28 00:02:47,801 --> 00:02:52,139 見張りを怠るまいぞ! はっ。 29 00:02:52,139 --> 00:02:54,141 やあ! 30 00:02:58,011 --> 00:03:02,382 一方 平家では 急ぎ 軍議が開かれます。 31 00:03:02,382 --> 00:03:11,124 (教盛)それにしても 時忠殿の不審な動き にわかには信じ難いことでござるな。 32 00:03:11,124 --> 00:03:18,632 のう 経盛殿。 (経盛)う… うん まことに…。 33 00:03:24,271 --> 00:03:32,412 時忠殿は しかと見張られておることゆえ 今は何もできますまい。 34 00:03:32,412 --> 00:03:38,218 ああ… ところで 宗盛殿➡ 35 00:03:38,218 --> 00:03:42,956 敵は 思いの外 小勢であったと聞く。 36 00:03:42,956 --> 00:03:48,829 船に引いたは ちと早まったのではないか? 37 00:03:48,829 --> 00:03:50,831 し… しか… しかし…。 38 00:03:50,831 --> 00:03:55,135 それを 今 論じても致し方ないこと。 39 00:03:55,135 --> 00:03:59,439 あのまま屋島にとどまっても お味方には馬もなく➡ 40 00:03:59,439 --> 00:04:02,743 背後より攻められては 守る地形も不利。 41 00:04:02,743 --> 00:04:05,645 海上へ出たは 上策かと。 42 00:04:05,645 --> 00:04:10,617 そ… そうじゃ! あれは… よかったのじゃ。 43 00:04:10,617 --> 00:04:12,619 御免。 44 00:04:23,597 --> 00:04:27,400 お味方は勝ちますぞ! 45 00:04:27,400 --> 00:04:29,469 早船からの知らせによれば➡ 46 00:04:29,469 --> 00:04:32,939 伊予の河野攻めに向かっておりました 田口教能が➡ 47 00:04:32,939 --> 00:04:35,609 急を聞いて引き返しております! 48 00:04:35,609 --> 00:04:39,613 おお… 田口が! さすがじゃ! うん! 49 00:04:55,629 --> 00:04:57,964 何よりの吉報でございますな。 50 00:04:57,964 --> 00:05:02,235 陸に 3,000騎の援軍が参るということじゃ! 51 00:05:02,235 --> 00:05:05,238 こたびこそは 海と陸からの挟み撃ち。 52 00:05:05,238 --> 00:05:07,574 義経の逃げ場はござらん! 53 00:05:07,574 --> 00:05:14,247 いや しかし 敵は それまで 陣を引かずにおるのかの。 54 00:05:14,247 --> 00:05:16,750 手だては さまざまございます。 55 00:05:16,750 --> 00:05:21,454 何としても 九郎を この地に引き付けておきましょう! 56 00:05:24,257 --> 00:05:27,260 (経春)殿 沖の平家より 小舟が。 57 00:05:48,481 --> 00:05:56,189 (平家武者たちの はやしたてる声) 58 00:05:56,189 --> 00:05:58,425 うん? 59 00:05:58,425 --> 00:06:00,727 矢試しを挑んでいるのか? 60 00:06:00,727 --> 00:06:04,564 あの揺れ動く扇の的を? 61 00:06:04,564 --> 00:06:10,737 矢頃も遠すぎる。 よほどの名人でも無理であろうな。 62 00:06:10,737 --> 00:06:14,908 誰ぞ! あれを射落とす者はおらぬか。 63 00:06:14,908 --> 00:06:17,711 東国武者の面目に懸けて! 64 00:06:21,248 --> 00:06:23,183 おらぬか…。 65 00:06:23,183 --> 00:06:25,252 ⚟(平家武者たちの笑い声) 66 00:06:25,252 --> 00:06:28,588 ⚟おらんのか! えっ? おらんのか! 67 00:06:28,588 --> 00:06:32,259 ⚟おらんのか! アハハ! おらんのか! 68 00:06:32,259 --> 00:06:34,761 (平家武者たちの笑い声) 69 00:06:34,761 --> 00:06:46,106 ♬~ 70 00:06:46,106 --> 00:06:48,909 ⚟そのお役目 私が! 71 00:06:50,777 --> 00:06:54,948 おお! 大八郎か。 (大八郎)はっ。(弁慶)お主…。 72 00:06:54,948 --> 00:06:58,785 射損じたれば もとより生きて戻りはいたしませぬ。 73 00:06:58,785 --> 00:07:00,754 大八郎。 ⚟しばらく!➡ 74 00:07:00,754 --> 00:07:03,456 しばらくお待ちくださりませ。 75 00:07:05,225 --> 00:07:09,229 (与一)ここは 何とぞ この与一めに。 兄上! 76 00:07:09,229 --> 00:07:11,998 お役は 既に 大八郎が仰せつかっておりまする。 77 00:07:11,998 --> 00:07:13,933 たとえ兄でも…。 78 00:07:13,933 --> 00:07:16,937 このところ 弟の矢筋は乱れております。➡ 79 00:07:16,937 --> 00:07:21,241 しかも 遠矢で動く的。 兄の私がつかまつります。 80 00:07:21,241 --> 00:07:24,744 兄上! そなたは 母上のお気に入り。 81 00:07:24,744 --> 00:07:28,581 ここで死んではならぬ。 いえ 兄上…! 82 00:07:28,581 --> 00:07:31,251 黙れ 大八郎! 83 00:07:31,251 --> 00:07:35,088 何とぞ…! 84 00:07:35,088 --> 00:07:39,392 相分かった。 頼むぞ 与一! 85 00:07:55,275 --> 00:07:57,277 (いななき) 86 00:08:01,548 --> 00:08:03,850 (いななき) 87 00:08:23,937 --> 00:08:28,241 (弓を引き絞る音) 88 00:08:28,241 --> 00:08:52,932 ♬~ 89 00:08:52,932 --> 00:08:56,403 南無弓矢八幡大菩薩。 90 00:08:56,403 --> 00:09:01,908 ♬~ 91 00:09:06,079 --> 00:09:08,081 ふん! 92 00:09:12,218 --> 00:09:19,092 (歓声) 93 00:09:19,092 --> 00:09:21,094 見事! 94 00:09:30,370 --> 00:09:32,672 兄上…。 95 00:09:37,911 --> 00:09:40,246 おお 見事じゃ! 96 00:09:40,246 --> 00:09:42,916 やるものじゃなあ。 敵ながら あっぱれ! 97 00:09:42,916 --> 00:09:46,386 お~ あっぱれじゃ あっぱれじゃ。 いや~ 大したもんじゃ。 98 00:09:46,386 --> 00:09:49,088 ⚟(歓声) 99 00:09:49,088 --> 00:09:53,960 なんと 子供だましの策よ。 100 00:09:53,960 --> 00:09:57,797 それよりも 湛増は いかがいたした? 101 00:09:57,797 --> 00:10:05,004 あれの水軍が味方に参れば 勝利は間違いないのじゃが…。 102 00:10:07,106 --> 00:10:09,109 はあ~。 103 00:10:13,880 --> 00:10:19,119 フフフフ。 気の毒だが 宗盛➡ 104 00:10:19,119 --> 00:10:23,623 もはや平家に奇跡は起きぬ。 105 00:10:23,623 --> 00:10:33,633 正面切って わしが敵に回るまで せいぜい はかない夢をつなぐがよいわ。 106 00:10:33,633 --> 00:10:36,669 フフフフフフフフ。 107 00:10:36,669 --> 00:10:39,439 (喚声) 108 00:10:39,439 --> 00:10:42,308 義経たちを なぎさにとどめるため➡ 109 00:10:42,308 --> 00:10:48,982 平 教経は 再三 上陸の気配を見せ 源氏側を挑発します。 110 00:10:48,982 --> 00:10:56,189 (喚声) 111 00:11:01,928 --> 00:11:07,267 う~ん… ござんなれ 坂東武者ども! 112 00:11:07,267 --> 00:11:09,202 か~っ! 113 00:11:09,202 --> 00:11:11,204 うわ~! 114 00:11:18,878 --> 00:11:21,181 (いななき) 115 00:11:24,617 --> 00:11:26,553 (いななき) 116 00:11:26,553 --> 00:11:31,291 教経殿か! 九郎義経 見参! 117 00:11:31,291 --> 00:11:35,295 おお! 九郎殿! 一別以来じゃな! 118 00:11:35,295 --> 00:11:38,498 いざ! 勝負! 119 00:11:42,635 --> 00:11:45,138 (はじく音) 120 00:11:45,138 --> 00:11:47,340 あっ! ああ…。 121 00:11:54,314 --> 00:11:56,649 ええい… あっ。 122 00:11:56,649 --> 00:12:00,386 からめ捕れ! (一同)お~! 123 00:12:00,386 --> 00:12:11,598 ♬~ 124 00:12:11,598 --> 00:12:14,100 殿! お引き返しを! 125 00:12:14,100 --> 00:12:19,272 (正近)平家の船を射よ~! (三郎)ええ~ 射よ! 早く! 126 00:12:19,272 --> 00:12:21,941 だっ! 127 00:12:21,941 --> 00:12:24,978 うっ うう…。 128 00:12:24,978 --> 00:12:32,652 (矢が飛ぶ音) 129 00:12:32,652 --> 00:12:39,959 くっ ええい。 命冥加な義経よ。 船を沖へ! 130 00:12:39,959 --> 00:13:01,748 ♬~ 131 00:13:01,748 --> 00:13:05,918 殿! 危うく お命を失うところでございましたぞ! 132 00:13:05,918 --> 00:13:09,789 たかが弓一張り。 なぜ ああまで…。 133 00:13:09,789 --> 00:13:13,593 いや 九郎の弓は弱弓。 134 00:13:13,593 --> 00:13:17,096 敵の手に拾われて これが源氏の大将の弓かと➡ 135 00:13:17,096 --> 00:13:19,132 笑われてはならぬからじゃ。 136 00:13:19,132 --> 00:13:21,934 はあ? 137 00:13:21,934 --> 00:13:24,837 将たる者の弓は弱くともよい。 138 00:13:24,837 --> 00:13:29,275 しかし 九郎を笑うことにより 平家の士気が上がれば何とする。 139 00:13:29,275 --> 00:13:32,979 戦には それこそ大事ぞ。 140 00:13:39,285 --> 00:13:45,291 一方 麻鳥は 負傷兵の手当てに忙殺されていました。 141 00:13:50,296 --> 00:13:53,800 平家の者か? 142 00:13:53,800 --> 00:13:56,302 随分と若いな。 いくつだ? 143 00:13:56,302 --> 00:13:59,806 う… うっ 15。 144 00:13:59,806 --> 00:14:04,777 15? もっと若く見えるぞ。 145 00:14:04,777 --> 00:14:07,914 わしに うそをつくことはないぞ。 146 00:14:07,914 --> 00:14:11,217 本当は… 13です。 147 00:14:16,089 --> 00:14:18,024 13? 148 00:14:18,024 --> 00:14:21,394 あ… 九郎様。 ああ… ああ~。 149 00:14:21,394 --> 00:14:23,463 よいのだ よいのだ。 150 00:14:23,463 --> 00:14:29,102 義経様は けが人には 源氏も平家もないと お考えなのだよ。 151 00:14:29,102 --> 00:14:32,972 しかし 13で 戦は きつかろう。 152 00:14:32,972 --> 00:14:36,409 傷が治ったら うちに帰るがよい。 153 00:14:36,409 --> 00:14:39,278 いいえ きつくなんかないんです。 154 00:14:39,278 --> 00:14:44,117 それに… 俺は うちに帰っちゃいけないんだ!➡ 155 00:14:44,117 --> 00:14:46,953 口減らしのために出てきたんだから。➡ 156 00:14:46,953 --> 00:14:51,290 戦のために… 国じゃ食い物がなくなって…。 157 00:14:51,290 --> 00:14:55,595 (泣き声) 158 00:15:00,733 --> 00:15:09,375 麻鳥… そういえば 息子の麻丸も 13だったな。 159 00:15:09,375 --> 00:15:15,581 はい。 今頃 どうしていますか…。 160 00:15:19,118 --> 00:15:22,955 (蓬子)麻丸! 何をするの 麻丸! 161 00:15:22,955 --> 00:15:26,659 それは 大事なお金…。 (麻丸)いいだろ これぐらい! 162 00:15:29,262 --> 00:15:31,931 お前は…。 163 00:15:31,931 --> 00:15:35,268 父様が 遠い所で 人の命を助けるために➡ 164 00:15:35,268 --> 00:15:37,270 苦労してるというのに! 165 00:15:37,270 --> 00:15:41,140 それが嫌なんだよ 俺は! 166 00:15:41,140 --> 00:15:44,610 父さんと母さんは それで満足ならいいさ。 167 00:15:44,610 --> 00:15:48,114 何もかも 人のため 人の命のため! 168 00:15:48,114 --> 00:15:50,616 だけど 俺は真っ平だ! 169 00:15:50,616 --> 00:15:54,420 何で 俺が 人のために ひもじい思いをしなきゃならないんだ! 170 00:15:54,420 --> 00:15:57,323 (たたく音) やめなさい 麻丸! 171 00:15:57,323 --> 00:15:59,959 お兄ちゃん…。 172 00:15:59,959 --> 00:16:02,929 俺は俺で 好きにさせてもらう! 173 00:16:02,929 --> 00:16:05,731 円… 達者でな! 174 00:16:05,731 --> 00:16:07,733 麻丸! 175 00:16:17,743 --> 00:16:22,582 麻丸! ああ…。 176 00:16:22,582 --> 00:16:25,084 お兄ちゃん…。 177 00:16:44,270 --> 00:16:46,572 はあ~。 178 00:16:49,108 --> 00:16:55,615 早く… 終わらせたいものだなあ 戦を。 179 00:16:57,416 --> 00:17:01,621 殿 何をお考えでございますか。 180 00:17:09,362 --> 00:17:12,732 これなるは 桜間ノ介能遠。 181 00:17:12,732 --> 00:17:15,568 九郎義経 思い知れ~! 182 00:17:15,568 --> 00:17:17,570 でや~! ええい! 183 00:17:21,240 --> 00:17:25,544 ええい 邪魔するな! たあ! えい! 184 00:17:30,950 --> 00:17:33,252 桜間ノ介…? 185 00:17:33,252 --> 00:17:49,268 ♬~ 186 00:17:49,268 --> 00:17:52,605 待て! 187 00:17:52,605 --> 00:17:56,108 ちと ただしたいことがある。 188 00:17:58,945 --> 00:18:03,549 義経と この桜間ノ介能遠との出会いが➡ 189 00:18:03,549 --> 00:18:10,222 屋島の平家の運命を 大きく変えていくことになります。 190 00:18:10,222 --> 00:19:27,233 ♬~