1 00:00:02,202 --> 00:00:39,006 ♬~ 2 00:00:41,441 --> 00:00:44,144 鎌倉からの援軍が来ないまま➡ 3 00:00:44,144 --> 00:00:49,449 屋島の平家と都の源氏は にらみ合いが続いています。 4 00:00:58,325 --> 00:01:00,327 ⚟和子! 5 00:01:03,263 --> 00:01:06,400 何事でございますか? 急ぎの御用とは。 6 00:01:06,400 --> 00:01:08,335 (敦盛)うむ。 これから難波に渡る。 7 00:01:08,335 --> 00:01:10,938 なんと!? 難波から京に行く。 8 00:01:10,938 --> 00:01:15,409 ど… どういうことでございますか!? 今頃 京に何の御用が? 9 00:01:15,409 --> 00:01:18,779 ハハ…。 都に残した姫に 一目 会いたいのだ。 10 00:01:18,779 --> 00:01:20,714 とんでもございませぬ! 11 00:01:20,714 --> 00:01:25,552 漏れ聞くところでは ご一門の皆様 夜を日に継いでのご評定。 12 00:01:25,552 --> 00:01:28,288 明日にも ご出陣が決まるかもしれぬと 申しますのに…。 13 00:01:28,288 --> 00:01:30,223 ハハハハハ! 14 00:01:30,223 --> 00:01:33,794 お前は知るまいが 源氏は当分攻めてはこぬ! 15 00:01:33,794 --> 00:01:37,297 少なくとも ここ4~5日は 何も起こらぬわ。 16 00:01:37,297 --> 00:01:40,968 あの船に話はつけてある。 さあ 行くぞ! 17 00:01:40,968 --> 00:01:43,804 お… お待ちくださいませ。 和子! 和子! 18 00:01:43,804 --> 00:01:47,307 (朱鼻)これは 宋のお酒でございます。➡ 19 00:01:47,307 --> 00:01:50,644 九郎様も たまには よろしゅうございましょう。 20 00:01:50,644 --> 00:01:52,679 (義経)伴卜殿は いつも➡ 21 00:01:52,679 --> 00:01:54,815 珍しいものをお持ちじゃな。 22 00:01:54,815 --> 00:01:57,851 兄上も鎌倉で感心しておられたが…。 23 00:01:57,851 --> 00:02:00,153 恐れ入ります。 24 00:02:00,153 --> 00:02:03,590 ところで 九郎様…。 25 00:02:03,590 --> 00:02:08,261 頼朝様からの援軍は いつごろ こちらに参りますか? 26 00:02:08,261 --> 00:02:11,932 もとは 平家清盛の兵糧倉といわれた 伴卜殿が➡ 27 00:02:11,932 --> 00:02:14,768 なぜ ここまで源氏に肩入れするのか➡ 28 00:02:14,768 --> 00:02:18,105 それが納得できぬうちは 漏らすわけにはいかぬ。 29 00:02:18,105 --> 00:02:24,277 訳はただ一つ 清盛様亡きあとの平家は➡ 30 00:02:24,277 --> 00:02:28,281 とても 頼朝様には かなわぬからでございます。 31 00:02:28,281 --> 00:02:31,151 なるほど。 32 00:02:31,151 --> 00:02:34,921 …で 援軍は いつごろ? 33 00:02:34,921 --> 00:02:39,426 恐らく援軍は ここ当分現れぬ。 34 00:02:39,426 --> 00:02:41,962 なぜでございます? 35 00:02:41,962 --> 00:02:45,799 源氏の手勢は 宇治川と洛中の戦で傷つき➡ 36 00:02:45,799 --> 00:02:50,137 今は 3,000に満たぬ 兵力でございましょう。 その兵力で➡ 37 00:02:50,137 --> 00:02:54,841 今は 2万とも3万ともいわれる 平家と戦えと…? 38 00:02:56,910 --> 00:03:03,583 奥州の秀衡殿に 背後をつかれるのを 恐れておられるのか➡ 39 00:03:03,583 --> 00:03:08,255 または 平家の力を侮っておられるのか…。 40 00:03:08,255 --> 00:03:14,761 それとも 義経様の戦上手を お信じなされておられるのか…。 41 00:03:14,761 --> 00:03:20,267 どちらにせよ 鎌倉に でんと座って 微動だになさらぬ。 42 00:03:20,267 --> 00:03:23,170 それが兄上のお偉いところじゃ。 43 00:03:23,170 --> 00:03:26,973 それだけは この胸に しっかり伝わってくる。 44 00:03:30,410 --> 00:03:37,184 (宗盛)なんと… 船100そうと馬と兵糧を? 45 00:03:37,184 --> 00:03:44,391 (吉次)はい。 我が殿 藤原秀衡様からの ご好意でございます。 46 00:03:49,429 --> 00:03:51,965 (宗盛)それはありがたい。 47 00:03:51,965 --> 00:03:56,837 長年 兵糧を納めてくれた 朱鼻と申す男が➡ 48 00:03:56,837 --> 00:03:59,139 源氏に寝返りおって➡ 49 00:03:59,139 --> 00:04:03,577 このところ 調達に難渋しておったところじゃ。 50 00:04:03,577 --> 00:04:09,082 これからは この金売り吉次が お引き受けいたしましょう。 51 00:04:09,082 --> 00:04:11,384 何とぞご安心を。 52 00:04:11,384 --> 00:04:14,087 ただの商人ではないと見ていたが➡ 53 00:04:14,087 --> 00:04:18,258 なるほど 後ろ盾に 秀衡殿がおいでとあれば➡ 54 00:04:18,258 --> 00:04:21,762 納得がいく。 (教経)そこで聞きたい。➡ 55 00:04:21,762 --> 00:04:26,266 さぞや鎌倉の動静にも通じておろう。 56 00:04:26,266 --> 00:04:28,268 援軍の気配はどうか? 57 00:04:28,268 --> 00:04:31,404 来るのか? 来ないのか? 58 00:04:31,404 --> 00:04:35,408 さればでござりまする…。 59 00:04:37,944 --> 00:04:41,781 (宗盛)おお そうか! ハハハ! 60 00:04:41,781 --> 00:04:46,653 やはり 京の源氏に援軍は来ぬか! アハハハ! 61 00:04:46,653 --> 00:04:49,956 我らが放った間者の知らせも 同じにござる。 62 00:04:49,956 --> 00:04:53,627 少なくとも当分の間 鎌倉は動きますまい! 63 00:04:53,627 --> 00:04:57,297 ならば 一気に都まで攻め入る 好機でござろう! 64 00:04:57,297 --> 00:04:59,232 のう? 経盛殿。 65 00:04:59,232 --> 00:05:03,737 敵に援軍が来ぬとなれば まさに好機! 66 00:05:03,737 --> 00:05:06,072 見逃す手はござらぬな! 67 00:05:06,072 --> 00:05:09,776 宗盛殿 ご意見やいかに? 68 00:05:11,745 --> 00:05:13,747 宗盛殿! 69 00:05:16,249 --> 00:05:20,253 ただちに 全軍 戦の用意を! 70 00:05:20,253 --> 00:05:23,056 (一同)お~! 71 00:05:29,596 --> 00:05:34,100 (通盛)やはり 戦か…。 72 00:05:36,369 --> 00:05:38,572 (時忠)経盛殿。 73 00:05:40,941 --> 00:05:46,246 お耳に入れたいことが…。 経正殿も。 74 00:05:51,284 --> 00:05:53,220 何事でござる? 75 00:05:53,220 --> 00:05:56,623 実は 敦盛殿が…。 76 00:05:56,623 --> 00:05:59,826 せがれが? 77 00:06:02,229 --> 00:06:07,734 何… 陣抜けを!? (経正)父上…。 78 00:06:07,734 --> 00:06:11,905 子細は分からぬが 敦盛殿のお顔を知る者が➡ 79 00:06:11,905 --> 00:06:16,376 2日ばかり前 難波で見かけたそうな…。 80 00:06:16,376 --> 00:06:21,748 難波で! そういえば このところ見かけなんだが…。 81 00:06:21,748 --> 00:06:26,253 ええもう 出陣というに なんたることを!➡ 82 00:06:26,253 --> 00:06:30,757 あの うつけ者が! 83 00:06:30,757 --> 00:06:35,095 平 通盛は 勇猛果敢な教経の兄。 84 00:06:35,095 --> 00:06:40,600 平家の公達の中でも 美男で知られた男でした 85 00:06:44,771 --> 00:06:50,577 彼は 都で一番の美女とうわさされた 小宰相の君と結ばれ➡ 86 00:06:50,577 --> 00:06:54,781 まことに人も羨む2人の仲でありました。 87 00:06:54,781 --> 00:07:00,353 夫と別れ 都に残った方々に比べて➡ 88 00:07:00,353 --> 00:07:05,058 私は幸せ者と思うておりましたのに…。 89 00:07:05,058 --> 00:07:10,363 嘆くでない しばしのことぞ。 90 00:07:10,363 --> 00:07:14,234 都でまた共に暮らせる日が 必ず来る。 91 00:07:14,234 --> 00:07:20,040 それが まことなら どれほど うれしいことか…。 92 00:07:20,040 --> 00:07:28,248 でも それなら どうして このように胸騒ぎがするのでしょう…。 93 00:07:36,623 --> 00:07:38,758 (弁慶)言ってはならぬことながら➡ 94 00:07:38,758 --> 00:07:41,394 まこと手間のかかるご評定で…。 95 00:07:41,394 --> 00:07:44,097 一体 平家追討のご院宣➡ 96 00:07:44,097 --> 00:07:46,100 いつ出されるのでございましょう。 97 00:07:46,100 --> 00:07:49,502 弁慶…。 (いななき) 98 00:07:53,773 --> 00:07:55,709 女か? 99 00:07:55,709 --> 00:07:57,944 この屋敷から 築地を越えたように見えました。 100 00:07:57,944 --> 00:07:59,879 怪しいやつ。 ひっ捕らえましょう! 101 00:07:59,879 --> 00:08:03,883 待て。 何者か確かめるまで 無礼はするな。 102 00:08:05,552 --> 00:08:08,455 おのれ! 逃げるか! 103 00:08:08,455 --> 00:08:10,457 うわっ…! 104 00:08:16,196 --> 00:08:19,733 (正近)おや? これは男ぞ! 105 00:08:19,733 --> 00:08:23,036 (弁慶)何者だ? 名を申せ! 106 00:08:25,605 --> 00:08:28,441 (弁慶)そのなりは 平家の者であろう! 107 00:08:28,441 --> 00:08:31,911 平家には相違ないが 名は言えぬ! 108 00:08:31,911 --> 00:08:35,248 何!? まあ 待て。 この屋敷は? 109 00:08:35,248 --> 00:08:39,586 院の近習 右大弁親宗様の お屋敷でございます。 110 00:08:39,586 --> 00:08:47,460 そうか…。 平家の公達が 何用あって 右大弁殿のお屋敷に忍び込まれた? 111 00:08:47,460 --> 00:08:51,765 恋する人の家なれば…。 112 00:08:51,765 --> 00:08:56,102 ただ恋ゆえに 屋島から…? 113 00:08:56,102 --> 00:09:00,340 ただ一人で この源氏が制覇する都に 潜り込んだということか? 114 00:09:00,340 --> 00:09:05,211 うむ。 最後の語らいもできたゆえ もう思い残すことはない! 115 00:09:05,211 --> 00:09:07,547 斬られてもよいと申すのか? 116 00:09:07,547 --> 00:09:13,219 しかし 和殿も武門の身 果てるは戦場でとは思わぬのか? 117 00:09:13,219 --> 00:09:15,555 もとより我もその思い。 118 00:09:15,555 --> 00:09:19,058 しかし 運尽きたれば 是非もない…。 119 00:09:21,728 --> 00:09:26,366 その方ら この公達を 難波の辺りまで送ってつかわせ。 120 00:09:26,366 --> 00:09:30,236 え… わざわざ 味方まで添えてでございますか? 121 00:09:30,236 --> 00:09:34,073 恋ゆえの言葉 偽りはなさそうな。 122 00:09:34,073 --> 00:09:38,578 さあ 夜の明けぬうちに急げ! はっ! 123 00:09:38,578 --> 00:09:45,351 ああ… どなたかは存じませぬが このご恩 命ある限り忘れませぬ! 124 00:09:45,351 --> 00:09:58,598 ♬~ 125 00:09:58,598 --> 00:10:01,634 フフッ。 これを打ち捨てていきましたが…。 126 00:10:01,634 --> 00:10:03,636 ん? 127 00:10:08,274 --> 00:10:10,610 「あつもりの君へ」。 128 00:10:10,610 --> 00:10:15,415 では 平 経盛殿が末子 敦盛殿であったか! 129 00:10:15,415 --> 00:10:17,350 いかがいたしましょう? 130 00:10:17,350 --> 00:10:22,622 この2品 直ちに 右大弁殿のもとにお届け申せ。 131 00:10:22,622 --> 00:10:24,958 はっ。 132 00:10:24,958 --> 00:10:31,130 (親宗)何… 九郎殿が これを お返しくださると? 133 00:10:31,130 --> 00:10:35,435 いかにも。 平 時忠殿の弟御でもあり➡ 134 00:10:35,435 --> 00:10:39,139 また 院に近くお仕えなさる お家とあっては➡ 135 00:10:39,139 --> 00:10:44,944 このこと 秘め置かれる方がよかろうと 我が殿のご配慮でござる。 136 00:10:44,944 --> 00:10:48,815 ああ…。 137 00:10:48,815 --> 00:10:52,152 源氏にも そのような➡ 138 00:10:52,152 --> 00:10:55,989 お情け深く みやびな武将がおられたか…。 139 00:10:55,989 --> 00:11:02,762 親宗は当然 院の近習の中では 源氏を敵視する急先ぽうでした。 140 00:11:02,762 --> 00:11:08,268 しかし 次第に 義経をかばうようになっていきます。 141 00:11:13,773 --> 00:11:22,482 寿永3年1月26日 平家の大船団は 屋島をたって 福原を目指します。 142 00:11:26,786 --> 00:11:30,623 では この辺りで…。 143 00:11:30,623 --> 00:11:33,126 待たれよ! 144 00:11:33,126 --> 00:11:36,996 せめて あのお方の名を 教えてくださらぬか? 145 00:11:36,996 --> 00:11:42,802 あの殿こそ 鎌倉殿の御弟 九郎の君でござる。 146 00:11:42,802 --> 00:11:46,306 えっ あの方が…。 147 00:11:46,306 --> 00:11:49,642 九郎義経殿。 148 00:11:49,642 --> 00:11:52,445 ええい… もう 一体 どうなされたというのだ! 149 00:11:52,445 --> 00:11:57,650 敦盛様は もう丸一日もお約束から遅れて…。 150 00:11:57,650 --> 00:12:01,387 ああっ 敦盛様! 151 00:12:01,387 --> 00:12:04,257 このように遅れてしまって… すまぬ。 152 00:12:04,257 --> 00:12:09,929 すぐに屋島に戻らぬと。 さて 帰りの船は どうしたものか…。 153 00:12:09,929 --> 00:12:14,267 は… はい! 便船を頼んでおきましたが 1日遅れたとあっては…。 154 00:12:14,267 --> 00:12:19,939 (大声で)船が出るぞ~! おお~! 155 00:12:19,939 --> 00:12:24,811 六万寺坊船! あれは牟礼の寺の船に違いない! 156 00:12:24,811 --> 00:12:27,013 頼めば きっと乗せてくれよう。 157 00:12:28,948 --> 00:12:35,622 平家を追討するとして 馬の補給 兵糧の調達に➡ 158 00:12:35,622 --> 00:12:39,626 遺漏はないかとの ご下問にございます。 159 00:12:42,128 --> 00:12:45,632 はい。 遺漏はございませぬ。 160 00:12:50,003 --> 00:12:55,675 またまた 一人で戦をしてるような顔をして…。 161 00:12:55,675 --> 00:13:00,880 よろしいのでござるか? そのような確約をして。 162 00:13:03,249 --> 00:13:08,121 よろしい。 平家追討の院宣を出そう。 163 00:13:08,121 --> 00:13:10,123 (一同)ははっ。 164 00:13:10,123 --> 00:13:14,594 ただし 海の上であろうと陸であろうと➡ 165 00:13:14,594 --> 00:13:20,767 必ずや 三種の神器を 取り戻すようにと伝えよ。 166 00:13:20,767 --> 00:13:22,969 (一同)はは~! 167 00:13:28,641 --> 00:13:33,346 (正近)あっ! これはお帰りなさりませ。 168 00:13:33,346 --> 00:13:40,153 正近 三郎 喜べ! ついに平家追討の院宣が下されたぞ! 169 00:13:40,153 --> 00:13:43,022 殿 ところが…➡ 170 00:13:43,022 --> 00:13:48,294 馬と兵糧の目録を持参すると 約定した朱鼻が➡ 171 00:13:48,294 --> 00:13:50,963 いまだに現れませぬ…。 172 00:13:50,963 --> 00:13:53,633 何!? 173 00:13:53,633 --> 00:13:59,505 義経が大きな不安に襲われていた ちょうど そのころ…。 174 00:13:59,505 --> 00:14:01,507 (扉をたたく音) 175 00:14:03,242 --> 00:14:06,079 敦盛様! これは一体…!? 176 00:14:06,079 --> 00:14:09,949 何を驚いている? 急な用があって留守にはしたが➡ 177 00:14:09,949 --> 00:14:12,952 父上も兄上も お変わりないのであろう? 178 00:14:12,952 --> 00:14:15,254 なりませぬ! ならぬ? 179 00:14:15,254 --> 00:14:21,394 お父上は ご不在を陣抜けと見られて 勘当をお命じになりました! 180 00:14:21,394 --> 00:14:26,599 何じゃと!? のけ! 訳を話す! 181 00:14:26,599 --> 00:14:32,939 お父上は ご一門と共に 昨日 朝早く ご出陣なされました! 182 00:14:32,939 --> 00:14:34,874 出陣!? 183 00:14:34,874 --> 00:14:37,410 ♬~(琵琶) ハッ…。 184 00:14:37,410 --> 00:14:43,116 ♬~ 185 00:14:43,116 --> 00:14:46,152 兄上! 186 00:14:46,152 --> 00:14:49,622 敦盛。 申し訳ございませぬ…! 187 00:14:49,622 --> 00:14:51,657 敦盛…。 188 00:14:51,657 --> 00:14:54,293 このようなことになっているとは つゆ知らず➡ 189 00:14:54,293 --> 00:14:58,798 父上に大恥をかかせた この敦盛 死んで おわびを! 190 00:14:58,798 --> 00:15:02,068 敦盛!(短刀をたたき落とす音) あっ…。 191 00:15:02,068 --> 00:15:04,737 そなたが 右大弁殿の姫に➡ 192 00:15:04,737 --> 00:15:06,672 会いに行ったであろうこと➡ 193 00:15:06,672 --> 00:15:08,908 私は察していた。 194 00:15:08,908 --> 00:15:13,579 それゆえ 父上のお怒りには あえて言い訳せず➡ 195 00:15:13,579 --> 00:15:18,918 後詰めの船を望んで そなたの帰りを待っていたのだ。 196 00:15:18,918 --> 00:15:21,387 それで お一人…。 197 00:15:21,387 --> 00:15:29,262 ここで命を散らすより 立派に戦って 恥をそそぐことを考えるがよい! 198 00:15:29,262 --> 00:15:31,931 兄上…! 199 00:15:31,931 --> 00:15:37,737 (号泣) 200 00:15:43,276 --> 00:15:46,279 遅れるぞ 敦盛。 早く参れ。 201 00:15:46,279 --> 00:15:48,481 (敦盛)はっ ただいま! 202 00:15:50,416 --> 00:15:53,319 おお よき武者ぶりじゃ。 203 00:15:53,319 --> 00:15:58,124 その姿 父上に一目見せたいものよ。 204 00:16:00,726 --> 00:16:09,735 「ひとはみな いくさにいでし 仮の屋に 梅ばかりこそ…」。 205 00:16:09,735 --> 00:16:14,073 フッ ハハ…。 敦盛 あとをつけぬか。 206 00:16:14,073 --> 00:16:18,244 「梅ばかりこそ 春を知るかな」。 207 00:16:18,244 --> 00:16:20,580 …では いかがでございます? 208 00:16:20,580 --> 00:16:23,082 おお。 209 00:16:23,082 --> 00:16:33,726 「ひとはみな いくさにいでし 仮の屋に 梅ばかりこそ 春を知るかな」か…。 210 00:16:33,726 --> 00:16:36,262 ハハハハ…。 フフ…。 211 00:16:36,262 --> 00:16:39,966 参ろう 敦盛。 212 00:16:45,938 --> 00:16:51,277 そのころ 久しぶりに 都に戻ってきた2人連れがいます。 213 00:16:51,277 --> 00:16:56,782 戦乱を逃れて ふるさとの淡路に 身を潜めていたのです。 214 00:16:56,782 --> 00:17:04,056 静… もう少し ゆっくり歩いておくれ。 215 00:17:04,056 --> 00:17:08,227 すみません。 そんなに急ぐつもりはないのですけど…。 216 00:17:08,227 --> 00:17:13,099 久しぶりの都ですもの 気持ちは分かります。 217 00:17:13,099 --> 00:17:15,902 でも それだけでしょうか? 218 00:17:15,902 --> 00:17:17,837 えっ? 219 00:17:17,837 --> 00:17:27,079 今 都を守っておられる 源九郎義経様が 昔の牛若様だという うわさがあります。 220 00:17:27,079 --> 00:17:30,917 お母様…。 221 00:17:30,917 --> 00:17:37,089 静…。 たとえ そのうわさが正しくとも➡ 222 00:17:37,089 --> 00:17:43,763 源九郎様は 今 法皇様ともお親しい雲の上のお方。 223 00:17:43,763 --> 00:17:49,402 お目にかかりたいなどと 考えてはいけませんよ。 224 00:17:49,402 --> 00:17:54,273 はい… 分かっています。 225 00:17:54,273 --> 00:18:02,081 義経と静 遠い幼い日に 淡い恋心を抱き合った仲でした。 226 00:18:02,081 --> 00:18:08,287 果たして2人は この都で会えるのでしょうか。 227 00:18:10,690 --> 00:19:27,199 ♬~