1 00:00:02,202 --> 00:00:38,906 ♬~ 2 00:00:42,442 --> 00:00:45,812 平 重盛の嫡男 維盛は➡ 3 00:00:45,812 --> 00:00:50,984 一門の若き統率者として 期待されるべき人物でした。 4 00:00:50,984 --> 00:00:56,323 ところが この平家危急存亡の時➡ 5 00:00:56,323 --> 00:01:02,596 妻子に会いたさに 屋島を抜けて 都に走ります。 6 00:01:02,596 --> 00:01:09,369 殿 既に 都への道は 全て押さえられておりますぞ。 7 00:01:09,369 --> 00:01:11,305 (維盛)もはや これまで。 8 00:01:11,305 --> 00:01:15,509 い… いけませぬ 殿! ここは… ここは…。 9 00:01:24,985 --> 00:01:28,422 維盛は 山中をさまよった末➡ 10 00:01:28,422 --> 00:01:31,625 高野山に登って得度し…。 11 00:01:31,625 --> 00:01:34,428 (水の音) 12 00:01:36,296 --> 00:01:41,501 那智の海に入水して 果てたと伝えられています。 13 00:01:46,640 --> 00:01:53,347 一方 鎌倉では 重衡を慰める宴が 催されていました。 14 00:02:11,398 --> 00:02:15,936 ああ~ こうして もてなしを受けておりますと➡ 15 00:02:15,936 --> 00:02:20,607 捕らわれの身であることを 忘れてしまいそうな…。 16 00:02:20,607 --> 00:02:25,479 さあさあ こよいは 重衡殿のごぶりょうをお慰めせよと➡ 17 00:02:25,479 --> 00:02:30,951 頼朝様が 鎌倉一の白拍子 千手殿をお遣わしくだされたのです。 18 00:02:30,951 --> 00:02:34,154 存分にお過ごしくだされ。 19 00:02:37,424 --> 00:02:42,262 さあ 次は お客人の番でございますぞ。 20 00:02:42,262 --> 00:02:45,632 それは この身に許されぬこと。 21 00:02:45,632 --> 00:02:50,504 いやいや よろしいのです。 是非 琵琶など お聴かせくだされ。 22 00:02:50,504 --> 00:02:54,307 ささ 是非。 是非! 23 00:02:54,307 --> 00:02:58,979 あ… では つたない技ですが…。 24 00:02:58,979 --> 00:03:03,483 (狩野介)千手 琴を頼む。 はい。 25 00:03:05,085 --> 00:03:37,150 ♬~ 26 00:03:37,150 --> 00:03:42,789 そして 久しぶりの酒は 重衡を酔わせました。 27 00:03:42,789 --> 00:03:49,563 うん? ああ…。 千手と申したな。 28 00:03:49,563 --> 00:03:54,301 はい。 何なりとお申しつけを。 29 00:03:54,301 --> 00:04:00,574 これは 頼朝殿の ご内意か? 30 00:04:00,574 --> 00:04:07,080 下がるがよい。 私を探るなど無用のこと。 31 00:04:09,916 --> 00:04:12,119 (短刀をさやから抜く音) 32 00:04:17,791 --> 00:04:22,496 何をする! お離しください 死なせて! 33 00:04:22,496 --> 00:04:27,334 なぜ 自らの喉を…。➡ 34 00:04:27,334 --> 00:04:32,772 私に下がれと言われたからか? 35 00:04:32,772 --> 00:04:39,412 鎌倉様からは「重衡様のおそばへ上がれ」➡ 36 00:04:39,412 --> 00:04:43,617 あなた様には「下がれ」と。 37 00:04:43,617 --> 00:04:46,520 浮き草のような白拍子とて➡ 38 00:04:46,520 --> 00:04:52,793 私は もう このような 源氏と平家の争いに関わることは…。 39 00:04:52,793 --> 00:04:56,129 争いに関わる? 40 00:04:56,129 --> 00:05:01,935 幼い頃 父は源平の合戦で殺され➡ 41 00:05:01,935 --> 00:05:07,774 母も その不幸から病み果てました。 42 00:05:07,774 --> 00:05:14,080 それゆえ 私は… 私は もう…。 43 00:05:14,080 --> 00:05:18,752 そうか。 平家と源氏の争いが➡ 44 00:05:18,752 --> 00:05:24,624 父と母の… そなたの幸せを奪ったのじゃな? 45 00:05:24,624 --> 00:05:28,261 (泣き声) 46 00:05:28,261 --> 00:05:31,264 千手…。 47 00:05:31,264 --> 00:05:33,400 はい。 48 00:05:33,400 --> 00:05:42,409 許せ。 そなたの父や母にも わびを言いたい。 49 00:05:45,612 --> 00:05:47,547 おけがを! 50 00:05:47,547 --> 00:05:51,351 いや なに さしたることはない。 51 00:05:54,788 --> 00:05:58,124 千手…。 52 00:05:58,124 --> 00:06:00,427 重衡様…。 53 00:06:02,963 --> 00:06:06,733 重衡と千手は結ばれます。 54 00:06:06,733 --> 00:06:11,071 囚人と白拍子 許されぬ恋ゆえ➡ 55 00:06:11,071 --> 00:06:15,775 より激しく 2人の心は 燃え上がったのです。 56 00:06:18,812 --> 00:06:22,682 鎌倉には もう一人 囚人がいます。 57 00:06:22,682 --> 00:06:27,921 今は亡き木曽義仲から人質に取った 一子 義高です。 58 00:06:27,921 --> 00:06:33,793 その時は 行く末 大姫の婿にもと言った 頼朝でしたが…。 59 00:06:33,793 --> 00:06:35,795 (笑い声) 60 00:06:35,795 --> 00:06:38,565 (大姫)義高様! 61 00:06:38,565 --> 00:06:41,868 ハハハハハハ。 (大姫)どちらです? 62 00:06:43,470 --> 00:06:50,176 (大姫)あっ 捕まえましたぞ! ハッハハ。 63 00:06:50,176 --> 00:06:52,412 あ…。 64 00:06:52,412 --> 00:06:58,618 (侍女たちの笑い声) 65 00:07:07,227 --> 00:07:10,130 そして 数日後…。 66 00:07:10,130 --> 00:07:15,135 ♬~(琴) 67 00:07:20,373 --> 00:07:27,580 (頼朝)ハハハ。 いや~ ますます上手になられたな 大姫。 68 00:07:27,580 --> 00:07:35,922 あなたは姫のことになると 随分と甘くおなりに… フフフフ。 69 00:07:35,922 --> 00:07:39,392 お庭の菖蒲を 父上に 切ってまいります。 70 00:07:39,392 --> 00:07:43,763 うん。 手など切らぬよう 気を付けるのじゃぞ。 71 00:07:43,763 --> 00:07:46,066 はい! フフフ。 72 00:07:48,601 --> 00:07:51,938 義高とは相変わらずか? 73 00:07:51,938 --> 00:07:57,277 どういさめても 言うことを聞きませぬ。 そうか。 74 00:07:57,277 --> 00:08:02,215 しかし 殿 私は このごろ➡ 75 00:08:02,215 --> 00:08:07,354 何も知らぬ姫が ふびんでなりませぬ。 76 00:08:07,354 --> 00:08:12,192 なんとか お命だけは助けるというわけには…。 77 00:08:12,192 --> 00:08:17,097 義高が生きておれば 義高を担いで事を起こすやからが➡ 78 00:08:17,097 --> 00:08:20,900 必ずおるものじゃ。 あなた…。 79 00:08:20,900 --> 00:08:24,904 斬る! 斬らねばならん。 80 00:08:30,910 --> 00:08:34,781 父上が 義高様を…。 81 00:08:34,781 --> 00:08:37,784 (足音) 82 00:08:39,919 --> 00:08:43,256 (侍者)大姫様より 急ぎお知らせが。 83 00:08:43,256 --> 00:08:45,191 何と? 84 00:08:45,191 --> 00:08:49,929 (小声で)頼朝様には 義高様のお命を…。 85 00:08:49,929 --> 00:08:54,267 えっ?一刻も早く お立ち退きくださいと 姫様が。 86 00:08:54,267 --> 00:08:56,269 うん! 87 00:08:58,605 --> 00:09:00,540 いずれへ? 88 00:09:00,540 --> 00:09:04,711 (侍者)大姫様よりのお招きで お屋敷へ。 89 00:09:04,711 --> 00:09:10,917 うん。 仲のおよろしいことじゃの ハハハハ。 90 00:09:19,225 --> 00:09:24,063 何? 義高が逃げた!? 91 00:09:24,063 --> 00:09:30,370 木曽の残党が手引きしたか? 追え! 必ず殺せ! 92 00:09:30,370 --> 00:09:32,372 はっ! 93 00:09:41,581 --> 00:09:46,453 ⚟(ひづめの音) ⚟いたぞ~! 逃がすな~! 94 00:09:46,453 --> 00:09:49,456 しまった! 95 00:09:49,456 --> 00:09:56,663 脱出して5日後 義高は 鎌倉の追っ手に若い命を絶たれます。 96 00:09:59,399 --> 00:10:02,302 義高が討たれたことを知った日から➡ 97 00:10:02,302 --> 00:10:05,271 大姫は食事もとらず泣き続け➡ 98 00:10:05,271 --> 00:10:08,408 とうとう 病の床に ついてしまったのです。 99 00:10:08,408 --> 00:10:12,912 姫… 父上が お見舞いに見えましたぞ。 100 00:10:14,614 --> 00:10:17,417 大姫。 101 00:10:17,417 --> 00:10:22,255 父上など 大嫌いです。 102 00:10:22,255 --> 00:10:29,028 父上は 大姫の大切なお方を殺したのです! 103 00:10:29,028 --> 00:10:32,632 これ 大姫。 104 00:10:32,632 --> 00:10:37,437 父上も母上も あっちに行って! 105 00:10:37,437 --> 00:10:42,976 (泣き声) 106 00:10:42,976 --> 00:10:49,849 大姫は生涯 父 頼朝を許さず その後14年 病がちのまま➡ 107 00:10:49,849 --> 00:10:53,853 義高を恋し続けて 亡くなります。 108 00:10:55,688 --> 00:11:00,927 ここに もう一人 義高を愛した女性がいます。 109 00:11:00,927 --> 00:11:03,429 義高…。 110 00:11:05,798 --> 00:11:08,601 母の巴です。 111 00:11:08,601 --> 00:11:11,104 義高が討たれたことを知り➡ 112 00:11:11,104 --> 00:11:18,611 その身が預けられていた和田義盛の館から ひそかに立ち去ります。 113 00:11:18,611 --> 00:11:24,817 そして その後 巴の姿を見た者は 誰もいません。 114 00:11:30,957 --> 00:11:35,828 次は私かもしれぬ。 115 00:11:35,828 --> 00:11:41,434 木曽義高殿が斬られたと漏れ聞いた。 116 00:11:41,434 --> 00:11:45,972 次は 多分…。 117 00:11:45,972 --> 00:11:48,441 嫌でございます。 118 00:11:48,441 --> 00:11:55,648 千手は 今が一番の幸せ。 そのようなお話 嫌でございます! 119 00:12:00,053 --> 00:12:02,255 千手…。 120 00:12:11,798 --> 00:12:19,105 そうか。 兄上は とうとう 義高殿の命を召されたか。 121 00:12:19,105 --> 00:12:22,408 (弁慶)はい。 まだ子供であったに。 122 00:12:22,408 --> 00:12:28,781 まことに。 殿 鎌倉には もう一人…。 123 00:12:28,781 --> 00:12:32,619 重衡殿か。 124 00:12:32,619 --> 00:12:37,957 あのお方は 無心な仏の心でおられる。 125 00:12:37,957 --> 00:12:42,161 まさか そのお命まではお召しになるまい。 126 00:12:48,301 --> 00:12:54,107 重衡の軍勢に焼き払われた 奈良 東大寺と興福寺の僧2名が➡ 127 00:12:54,107 --> 00:12:59,312 鎌倉まで 強談判に来たのは それから間もなくでした。 128 00:12:59,312 --> 00:13:04,584 重衡は 盧遮那仏を焼き あまたの僧侶を殺した➡ 129 00:13:04,584 --> 00:13:07,086 大罪人 仏敵でござる! 130 00:13:07,086 --> 00:13:11,591 その仏敵を罰せぬばかりか まるで 客人のように遇し➡ 131 00:13:11,591 --> 00:13:15,928 女をはべらせておるとは 断じて承服いたしかねまする! 132 00:13:15,928 --> 00:13:19,799 是非とも 身柄は奈良にお渡し願いたい! 133 00:13:19,799 --> 00:13:24,637 重衡殿は 院のご沙汰で鎌倉におる。 134 00:13:24,637 --> 00:13:28,641 まず 院にお願いするのが 筋ではないのか? 135 00:13:28,641 --> 00:13:31,477 院には 幾度となく奏上いたした。 で? 136 00:13:31,477 --> 00:13:37,216 重衡は 一ノ谷での捕らわれならば 院のあずかり知るところではないと。 137 00:13:37,216 --> 00:13:40,119 院議の決定が…。 それゆえ 直ちに! 138 00:13:40,119 --> 00:13:45,425 アッハハハハハ。 そう右から左へというわけにはまいらぬ。 139 00:13:45,425 --> 00:13:51,631 しばらく考えるゆえ 鎌倉に滞在されるがよい。 140 00:13:53,166 --> 00:13:55,168 はあ。 141 00:14:08,648 --> 00:14:10,616 フフッ。 142 00:14:10,616 --> 00:14:18,758 院も ほとほと 坊主どもには 手を焼かれたと見えまするな。 143 00:14:18,758 --> 00:14:22,095 まことに すさまじい執念と見ました。 144 00:14:22,095 --> 00:14:29,769 しかし 後白河院にとっては 重衡こそ 平家に対する守り札。 145 00:14:29,769 --> 00:14:36,409 院が そこに何を見ておられるのか それを知りたい。 146 00:14:36,409 --> 00:14:41,247 で? 千手は何を探り出した? 147 00:14:41,247 --> 00:14:48,988 (時政)それが あの女 重衡に身も心も奪われ➡ 148 00:14:48,988 --> 00:14:51,991 何の役にも立ちませぬ。 149 00:14:51,991 --> 00:14:56,829 やはり 白拍子には無理であったか。 150 00:14:56,829 --> 00:15:03,035 頼朝は 再三の奈良の抗議を入れ 重衡を牢に移します。 151 00:15:05,238 --> 00:15:07,173 (景時)では…。 152 00:15:07,173 --> 00:15:11,177 いろいろと かたじけのうござった。 153 00:15:13,913 --> 00:15:16,816 せめて… せめて そこまでのお供を…。 154 00:15:16,816 --> 00:15:20,586 ならん! 155 00:15:20,586 --> 00:15:22,588 出立! 156 00:15:30,596 --> 00:15:34,100 (泣き声) 157 00:15:35,768 --> 00:15:40,640 それは 頼朝が院に投げた問いかけでした。 158 00:15:40,640 --> 00:15:45,478 院は 沈黙を守られました。 159 00:15:45,478 --> 00:15:52,785 間もなく 除目… すなわち 今回の戦への論功行賞が発せられました。 160 00:15:52,785 --> 00:15:56,956 武家については 一切 鎌倉任せであることが➡ 161 00:15:56,956 --> 00:15:59,292 暗黙の了解です。 162 00:15:59,292 --> 00:16:02,895 除目の札を ご覧なされましたか? 163 00:16:02,895 --> 00:16:09,669 見ました見ました。 九郎殿の名が どこにも見えませぬな。 164 00:16:09,669 --> 00:16:13,539 範頼殿は 三河守 従五位下になられた。 165 00:16:13,539 --> 00:16:17,376 まろたちの名も知らぬ武者たちも あれこれ叙任されておる。 166 00:16:17,376 --> 00:16:21,247 …が 九郎殿の名は どこにも見えませぬ。 167 00:16:21,247 --> 00:16:26,586 院にも 何か ご不快そうな…。 168 00:16:26,586 --> 00:16:33,926 これでは 九郎の面目がないの。 169 00:16:33,926 --> 00:16:41,400 鎌倉の評価では 九郎は戦功もない 能なしということなのか? 170 00:16:41,400 --> 00:16:47,940 何分にも 武者の叙任は 鎌倉の推挙で行われたもの。 171 00:16:47,940 --> 00:16:50,776 院議では どうすることも…。 172 00:16:50,776 --> 00:16:53,112 分かっておる。 173 00:16:53,112 --> 00:17:00,853 分かってはおるが… なんとかせねばなるまいの。 174 00:17:00,853 --> 00:17:02,788 (三郎)冗談じゃない!➡ 175 00:17:02,788 --> 00:17:06,659 一ノ谷の勝ち戦は 我が殿のお働きがあってこそ。➡ 176 00:17:06,659 --> 00:17:11,597 それを 鎌倉様は 何とお考えなのじゃ! 177 00:17:11,597 --> 00:17:17,069 (経春)俺は悔しいです! 命懸けで戦って 何も言ってもらえないなんて…。 178 00:17:17,069 --> 00:17:20,940 もうよせ! それ以上 殿を責めるな! 179 00:17:20,940 --> 00:17:23,576 すまぬ。 180 00:17:23,576 --> 00:17:29,248 私が至らぬばかりに 皆に このような思いをさせる。 181 00:17:29,248 --> 00:17:31,551 許してくれ。 182 00:17:39,258 --> 00:17:41,260 (正近)殿! 183 00:17:49,969 --> 00:17:57,677 鎌倉殿というお方は 一体 どういうお方なのだ! 184 00:18:00,112 --> 00:18:02,548 頼朝と義経。 185 00:18:02,548 --> 00:18:07,853 この兄弟の確執は 更なる波乱を呼びます。 186 00:18:09,889 --> 00:19:27,199 ♬~