1 00:01:33,240 --> 00:01:35,326 (ケン)〈ある日 目が覚めると→ 2 00:01:35,326 --> 00:01:37,328 俺は戦国時代に タイムスリップしていた〉 3 00:01:37,328 --> 00:01:40,364 〈おまけに 俺に残されていた記憶は→ 4 00:01:40,364 --> 00:01:44,318 自分の暮らした平成の風景と 料理の知識〉 5 00:01:44,318 --> 00:01:46,337 〈そんな俺の脳裏をよぎる 謎の女〉 6 00:01:46,337 --> 00:01:50,324 〈俺は一体 何者で こんなとこで何をしてる?〉 7 00:01:50,324 --> 00:01:55,329 〈いつの間にやら 俺は 信長のシェフになっていた〉 8 00:01:55,329 --> 00:01:58,382 〈俺は生き抜いてやる。 料理という武器で〉 9 00:01:58,382 --> 00:02:02,382 いざ 参らん! 戦国のキュイジーヌ! 10 00:02:11,329 --> 00:02:15,333 (夏)まさか 京の二条城から そのまま 戦に出るなんてな。 11 00:02:15,333 --> 00:02:19,420 戦に行くのは俺1人でいい。 夏さんは岐阜に帰ってくれ。 12 00:02:19,420 --> 00:02:22,323 また そうやって 俺を避ける。 13 00:02:22,323 --> 00:02:24,442 違うよ。 だって そもそも→ 14 00:02:24,442 --> 00:02:28,442 女が行くところじゃないだろ 戦場なんて。 15 00:02:29,246 --> 00:02:31,399 楓は? 16 00:02:31,399 --> 00:02:33,399 楓さん? 17 00:02:35,419 --> 00:02:37,419 やあ! 18 00:02:38,422 --> 00:02:40,422 楓さん…。 19 00:02:44,328 --> 00:02:46,347 ケン! 20 00:02:46,347 --> 00:02:49,283 え? ボーッとしやがって。 21 00:02:49,283 --> 00:02:51,352 あんな 女らしさの かけらもないやつの→ 22 00:02:51,352 --> 00:02:53,287 どこがいいんだよ。 23 00:02:53,287 --> 00:02:56,307 それを言うなら 夏さんだって…。 24 00:02:56,307 --> 00:02:58,275 あ? ああ いや…。 25 00:02:58,275 --> 00:03:01,445 俺がなんだよ! 熱い 熱い…! 26 00:03:01,445 --> 00:03:04,445 熱っ! 夏さん…。 27 00:03:05,282 --> 00:03:14,325 ♬~ 28 00:03:14,325 --> 00:03:16,327 〈朝倉義景を討つべく→ 29 00:03:16,327 --> 00:03:22,349 将軍 足利義昭より 越前攻めのお墨付きを得た信長は→ 30 00:03:22,349 --> 00:03:24,335 すぐさま出陣〉 31 00:03:24,335 --> 00:03:29,335 〈これには かの徳川家康も従軍した〉 32 00:03:34,328 --> 00:03:37,248 〈織田軍の勢いは すさまじく→ 33 00:03:37,248 --> 00:03:42,369 越前に入って間もなく 手筒山城を落城〉 34 00:03:42,369 --> 00:03:46,290 〈翌日には 金ヶ崎城を攻め落とした〉 35 00:03:46,290 --> 00:03:54,398 ♬~ 36 00:03:54,398 --> 00:03:56,350 (信長)このまま 木ノ目峠を越えて→ 37 00:03:56,350 --> 00:03:59,303 一気に朝倉の本拠 一乗谷じゃ。 38 00:03:59,303 --> 00:04:01,338 (木下藤吉郎秀吉)ここまで→ 39 00:04:01,338 --> 00:04:03,357 10日と かかりませんでしたな。 40 00:04:03,357 --> 00:04:06,343 さすがは お館様でございます。 41 00:04:06,343 --> 00:04:10,448 サルよ まだまだ先じゃ。 42 00:04:10,448 --> 00:04:13,448 朝倉なんぞより ずっと先。 43 00:04:14,368 --> 00:04:16,368 わしが たどり着く先は…。 44 00:04:22,409 --> 00:04:30,409 ♬~ 45 00:06:10,301 --> 00:06:13,320 (家康)ほう…。 これが うわさに聞く→ 46 00:06:13,320 --> 00:06:15,372 即席湯漬けか。 47 00:06:15,372 --> 00:06:17,358 上にのってるのは桜か? 48 00:06:17,358 --> 00:06:20,361 はい 桜の花の酢漬けです。 49 00:06:20,361 --> 00:06:23,347 酢は ミネラルや エネルギー源の補給を助け→ 50 00:06:23,347 --> 00:06:26,400 疲労回復に効果があります。 51 00:06:26,400 --> 00:06:30,400 みねるら… なるほど。 52 00:06:33,374 --> 00:06:35,442 (家臣)美味でござるな。 53 00:06:35,442 --> 00:06:37,442 (秀吉)これは美味じゃ! 54 00:06:38,412 --> 00:06:41,448 こんなうまいものを 毎日 食べられるとは→ 55 00:06:41,448 --> 00:06:44,448 信長殿も うらやましいのう。 56 00:06:48,389 --> 00:06:50,389 (森 可成)お館様! 57 00:06:53,344 --> 00:06:56,463 (可成)浅井殿からの使者が 参っております。 58 00:06:56,463 --> 00:06:58,463 長政の…。 59 00:07:00,417 --> 00:07:03,417 浅井長政…。 60 00:07:04,421 --> 00:07:08,309 〈北近江の大名 浅井長政は→ 61 00:07:08,309 --> 00:07:11,328 信長の妹 お市の婿〉 62 00:07:11,328 --> 00:07:17,451 〈信長にとって 最も信頼すべき 同盟者であった〉 63 00:07:17,451 --> 00:07:19,451 〈しかし…〉 64 00:07:21,455 --> 00:07:24,455 長政からの縁切り状じゃ。 65 00:07:27,328 --> 00:07:29,346 長政殿が反旗を? 66 00:07:29,346 --> 00:07:32,383 何かの間違いに 相違ございません! 67 00:07:32,383 --> 00:07:35,436 いや そうとは言えんぞ。 68 00:07:35,436 --> 00:07:37,354 家康殿! 69 00:07:37,354 --> 00:07:40,324 これから攻め入る朝倉家と 浅井家は→ 70 00:07:40,324 --> 00:07:43,344 父祖の代から懇意の間柄。 71 00:07:43,344 --> 00:07:48,432 もしも 浅井殿が そちらの旧恩を重視したならば…。 72 00:07:48,432 --> 00:07:50,432 (秀吉)お館様! 73 00:07:51,335 --> 00:07:56,357 くだらん。 朝倉方の仕組んだ策であろう。 74 00:07:56,357 --> 00:07:58,359 長政ではないわ。 75 00:07:58,359 --> 00:08:00,327 もう1つ これを…。 76 00:08:00,327 --> 00:08:02,329 くどい! 77 00:08:02,329 --> 00:08:13,407 ♬~ 78 00:08:13,407 --> 00:08:16,407 これは確かに わしの手によるもの。 79 00:08:17,428 --> 00:08:20,428 わしが長政に送った証文じゃ。 80 00:08:25,352 --> 00:08:28,455 お市様からは こちらを。 81 00:08:28,455 --> 00:08:31,455 市だと? はっ。 82 00:08:42,453 --> 00:08:44,453 鮎…。 83 00:08:46,407 --> 00:08:50,407 なんじゃ? お市様は なぜ 鮎なんぞを…。 84 00:08:55,332 --> 00:08:57,434 簗です。 85 00:08:57,434 --> 00:09:00,434 簗? どういう事じゃ。 86 00:09:01,388 --> 00:09:05,342 簗とは 川の両岸をせき止めて 魚をとる仕かけです。 87 00:09:05,342 --> 00:09:09,446 もし 簗と罠を かけていたとすれば→ 88 00:09:09,446 --> 00:09:12,446 このまま 流れに乗っていけば…。 89 00:09:14,334 --> 00:09:24,344 ♬~ 90 00:09:24,344 --> 00:09:27,347 (朝倉義景)浅井殿と動きを合わせ→ 91 00:09:27,347 --> 00:09:30,334 今こそ 信長めの首を取るのじゃ! 92 00:09:30,334 --> 00:09:32,402 (兵士たち)おう! 93 00:09:32,402 --> 00:09:35,355 〈ケンの読みは正しかった〉 94 00:09:35,355 --> 00:09:37,307 〈すでに その頃→ 95 00:09:37,307 --> 00:09:39,376 北からは朝倉家→ 96 00:09:39,376 --> 00:09:43,447 南からは浅井家の軍勢が→ 97 00:09:43,447 --> 00:09:46,433 金ヶ崎で 織田軍を挟み撃ちにすべく→ 98 00:09:46,433 --> 00:09:49,433 出陣していたのである〉 99 00:09:56,360 --> 00:09:59,346 失礼いたしました お市様。 100 00:09:59,346 --> 00:10:06,303 ♬~ 101 00:10:06,303 --> 00:10:08,355 退却じゃ! 102 00:10:08,355 --> 00:10:11,358 (家臣)退却じゃ! (家臣)退却じゃ! 103 00:10:11,358 --> 00:10:15,362 (秀吉)かがり火を盛大にたけ! 退却を悟られるな! 104 00:10:15,362 --> 00:10:18,448 (可成)お館様に馬廻衆を! 急げ! 105 00:10:18,448 --> 00:10:20,448 (家臣)退却じゃ! 106 00:10:26,340 --> 00:10:29,359 ハハハハハ…。 107 00:10:29,359 --> 00:10:32,412 長政め やりおったな。 108 00:10:32,412 --> 00:10:34,348 やつにとっては→ 109 00:10:34,348 --> 00:10:37,351 天下に名をとどろかす 千載一遇の好機。 110 00:10:37,351 --> 00:10:40,354 立派な男になったものよ。 111 00:10:40,354 --> 00:10:45,392 この戦は 戦国史上有名な 信長の撤退…。 112 00:10:45,392 --> 00:10:48,445 金ヶ崎の退き口だったのか。 113 00:10:48,445 --> 00:10:51,445 使いの者 ご苦労であった。 114 00:10:52,449 --> 00:10:54,449 やめろ! 115 00:10:56,386 --> 00:10:58,372 なぜ… なぜ斬るんですか! 116 00:10:58,372 --> 00:11:01,441 (可成)よさんか ケン! あなたにとって 命とは→ 117 00:11:01,441 --> 00:11:04,441 そんなにも軽いものなんですか! 118 00:11:05,429 --> 00:11:07,347 これが戦だ! 119 00:11:07,347 --> 00:11:12,386 たった今から 浅井家は 我々の敵となったのだ。 120 00:11:12,386 --> 00:11:15,455 だからって…。 退却を悟られるのを承知で→ 121 00:11:15,455 --> 00:11:18,455 使者を帰せというのか。 122 00:11:22,462 --> 00:11:24,462 おぬしは甘すぎる。 123 00:11:25,465 --> 00:11:29,436 まるで 童のようにな。 124 00:11:29,436 --> 00:11:35,436 ♬~ 125 00:11:37,444 --> 00:11:39,444 (秀吉)お館様! 126 00:11:40,380 --> 00:11:43,350 (秀吉)しんがりは この秀吉に お任せください! 127 00:11:43,350 --> 00:11:46,353 (秀吉)命に代えましても 務め上げてみせましょう! 128 00:11:46,353 --> 00:11:48,305 任せた。 129 00:11:48,305 --> 00:11:51,375 可成 おぬしは 家康殿をお守りして京へ向かえ。 130 00:11:51,375 --> 00:11:53,260 はっ。 131 00:11:53,260 --> 00:11:58,348 まさか 義弟の浅井長政に 裏切られるとは…。 132 00:11:58,348 --> 00:12:03,387 信長殿の上り調子も まずは ここまで。 133 00:12:03,387 --> 00:12:06,423 風向きが がらりと 変わりましたのう。 134 00:12:06,423 --> 00:12:08,425 《どういう意味だ?》 135 00:12:08,425 --> 00:12:11,425 《まさか ここで 家康が裏切るなんて事が…》 136 00:12:13,363 --> 00:12:16,366 家康殿 さあ こちらへ。 137 00:12:16,366 --> 00:12:19,319 (家康)ケン。 おぬし 気に入ったぞ。 138 00:12:19,319 --> 00:12:21,488 また会おう。 139 00:12:21,488 --> 00:12:23,488 あ… はい。 140 00:12:25,359 --> 00:12:27,361 (秀吉)お館様も 早く京へ。 141 00:12:27,361 --> 00:12:29,346 (秀吉)ただ今 馬廻衆を連れてまいります。 142 00:12:29,346 --> 00:12:33,433 いらぬわ。 馬など走らせては人目に付く。 143 00:12:33,433 --> 00:12:35,433 (秀吉)いや しかし…。 144 00:12:36,370 --> 00:12:38,355 馬の入れぬ獣道がございます。 145 00:12:38,355 --> 00:12:40,357 獣道? 146 00:12:40,357 --> 00:12:42,376 楓 案内せい。 147 00:12:42,376 --> 00:12:45,362 ケン おぬしも来い。 148 00:12:45,362 --> 00:12:48,348 そ… それは あまりにも無謀。 149 00:12:48,348 --> 00:12:51,418 浅井 朝倉の者どもが どこに潜んでいるか。 150 00:12:51,418 --> 00:12:53,418 (秀吉)お命に関わりまする。 151 00:12:56,456 --> 00:12:58,456 急げ。 152 00:12:59,426 --> 00:13:02,426 わかりました。 153 00:13:05,465 --> 00:13:08,465 木下藤吉郎秀吉。 154 00:13:09,403 --> 00:13:12,403 生きて また 相まみえようぞ。 155 00:13:13,440 --> 00:13:15,440 はっ! 156 00:13:16,259 --> 00:13:22,316 (秀吉の笑い声) 157 00:13:22,316 --> 00:13:26,370 秀吉殿! このような時に 何を笑っておられるか。 158 00:13:26,370 --> 00:13:28,455 黙れ! 159 00:13:28,455 --> 00:13:34,455 久々に お館様から 人間の名で呼ばれたんじゃ…。 160 00:13:39,349 --> 00:13:43,320 ケン! 夏さん。 なんで戻ってきたの? 161 00:13:43,320 --> 00:13:45,372 俺も お前と行く! ダメだよ。 162 00:13:45,372 --> 00:13:48,342 お館様のそばにいては 危険すぎる。 163 00:13:48,342 --> 00:13:52,446 だからだろ。 こんなとこで お前と別れるなんてイヤだ。 164 00:13:52,446 --> 00:13:54,446 夏さん…。 165 00:13:58,435 --> 00:14:01,435 ケン! 何をもたもたしている! 166 00:14:02,456 --> 00:14:04,458 もし 危険な目に 遭いそうになったら→ 167 00:14:04,458 --> 00:14:08,458 俺たちを置いてでも逃げるんだ。 いいね? 168 00:14:09,329 --> 00:14:11,331 行こう! 169 00:14:11,331 --> 00:14:23,343 ♬~ 170 00:14:23,343 --> 00:14:27,364 この退き陣 こちらにとって分が悪い事は→ 171 00:14:27,364 --> 00:14:29,399 先方も 百も承知。 172 00:14:29,399 --> 00:14:33,320 そうして油断した相手なんぞ→ 173 00:14:33,320 --> 00:14:36,356 我ら織田軍の敵ではないわ! 174 00:14:36,356 --> 00:14:38,325 (兵士たち)おう! 175 00:14:38,325 --> 00:14:49,369 ♬~ 176 00:14:49,369 --> 00:14:53,373 《もう かなり走ってるのに 全くスピードが落ちない》 177 00:14:53,373 --> 00:14:57,360 《信長の心肺機能は 一体 どうなってるんだ?》 178 00:14:57,360 --> 00:15:00,363 《ここで俺が脱落しようとも→ 179 00:15:00,363 --> 00:15:03,450 あの人は きっと 振り返りはしない》 180 00:15:03,450 --> 00:15:08,450 《一瞬のうちに駆け抜ける 彼の人生そのもののように…》 181 00:15:09,456 --> 00:15:11,456 ぬかった! 182 00:15:17,464 --> 00:15:20,464 お館様! 183 00:15:26,473 --> 00:15:29,473 捻挫のようですね。 184 00:15:30,293 --> 00:15:34,381 お待ちください。 雪道を その足で行かれては危険です。 185 00:15:34,381 --> 00:15:36,333 積もる前に発つ。 186 00:15:36,333 --> 00:15:38,401 お館様! 187 00:15:38,401 --> 00:15:40,401 この匂い…。 188 00:15:42,322 --> 00:15:47,344 薪だ。 ケン どっかで薪を燃やしてる。 189 00:15:47,344 --> 00:15:49,479 っていう事は…。 190 00:15:49,479 --> 00:15:51,479 ここでお待ちください。 191 00:15:52,449 --> 00:15:54,449 ケン! 192 00:15:57,320 --> 00:16:11,268 ♬~ 193 00:16:11,268 --> 00:16:15,438 すいません。 道に迷ってしまったんです。 194 00:16:15,438 --> 00:16:17,438 開けてもらえませんか? 195 00:16:18,341 --> 00:16:22,395 こんなボロ家 誰もいないって。 196 00:16:22,395 --> 00:16:24,395 すいません。 197 00:16:26,333 --> 00:16:28,368 開いた…。 198 00:16:28,368 --> 00:16:31,454 怪しい者じゃありません。 雨露をしのぐために→ 199 00:16:31,454 --> 00:16:34,454 ひと晩 軒下を 貸していただきたいんです。 200 00:16:37,444 --> 00:16:41,444 お礼と言っちゃあ なんだけど この米を…。 201 00:16:42,432 --> 00:16:45,432 そんな取り方しなくても…。 202 00:16:54,461 --> 00:16:56,461 ≪(牛の鳴き声) 203 00:16:57,430 --> 00:16:59,430 (牛の鳴き声) 204 00:17:01,368 --> 00:17:03,270 ≪(牛の鳴き声) 205 00:17:03,270 --> 00:17:06,406 もっと ましな場所は なかったのか? 206 00:17:06,406 --> 00:17:10,406 すいません。 ここで ひと晩か…。 207 00:17:11,444 --> 00:17:13,444 悪くない。 208 00:17:16,466 --> 00:17:19,466 ≪(牛の鳴き声) 209 00:17:34,451 --> 00:17:36,451 もう食えねえよ…。 210 00:17:40,440 --> 00:17:45,440 お館様は どうして 俺を連れてきたんだろう…。 211 00:17:47,364 --> 00:17:50,367 それだけ お前は必要とされている。 212 00:17:50,367 --> 00:17:53,470 …とでも言ってもらいたいのか? 213 00:17:53,470 --> 00:17:56,470 別に そんな…。 214 00:17:57,457 --> 00:17:59,457 賭けだ。 215 00:18:00,410 --> 00:18:07,434 おぬしには 今まで何度も 窮地を切り抜けてきた運がある。 216 00:18:07,434 --> 00:18:09,434 それに賭けたのだ。 217 00:18:12,355 --> 00:18:14,324 ≫(足音) 218 00:18:14,324 --> 00:18:27,337 ♬~ 219 00:18:27,337 --> 00:18:32,359 《朝倉の追っ手… それとも 浅井か?》 220 00:18:32,359 --> 00:18:35,445 《勘が外れたか…》 221 00:18:35,445 --> 00:18:51,444 ♬~ 222 00:18:51,444 --> 00:18:55,444 (新吾)あんたら どこから来なすった? 223 00:18:57,317 --> 00:19:00,337 京です。 京? 224 00:19:00,337 --> 00:19:03,456 なら 手 ちっと見してけろ。 225 00:19:03,456 --> 00:19:05,456 手ですか? 226 00:19:08,278 --> 00:19:10,347 (新吾)こんなに やわっけえした手した→ 227 00:19:10,347 --> 00:19:13,450 兵はいねえか。 俺は料理人です。 228 00:19:13,450 --> 00:19:15,450 料理人? 229 00:19:18,338 --> 00:19:24,494 (新吾)《しかし こっちは どこぞの名のある武将かの…》 230 00:19:24,494 --> 00:19:27,494 (新吾)《それと 女》 231 00:19:30,433 --> 00:19:33,433 (新吾)《まあ こいつはいいか》 232 00:19:34,354 --> 00:19:37,457 おらあ 新吾っていいます。 233 00:19:37,457 --> 00:19:42,457 ここは寒い。 家ん中 お入んなせえ。 234 00:19:44,347 --> 00:19:48,468 ここの主人のようですね。 お言葉に甘えますか? 235 00:19:48,468 --> 00:19:52,468 やはり おぬしには 妙な運があるようだな。 236 00:22:46,446 --> 00:22:51,446 兵は嫌いなんじゃ。 何をするか わからんからの。 237 00:22:54,420 --> 00:22:57,420 でも あんただって 足軽じゃないのか? 238 00:22:58,374 --> 00:23:03,279 (新吾)足軽なんて とんでもねえ。 ただの小者じゃ。 239 00:23:03,279 --> 00:23:05,331 小者? 240 00:23:05,331 --> 00:23:10,353 (楓)臨時雇いの小間使い。 荷物の運搬やら 雑役が仕事だ。 241 00:23:10,353 --> 00:23:16,442 戦なんかには行きたくねえが 名主に言われちゃ仕方がねえ。 242 00:23:16,442 --> 00:23:19,442 年貢の事もあるしな。 243 00:23:28,321 --> 00:23:31,341 (よね)さあ 粥が出来た。 244 00:23:31,341 --> 00:23:36,429 吾助 ほら 見てみい。 京の米は きれいじゃのう。 245 00:23:36,429 --> 00:23:40,400 おお…。 おい これなら食うかもしれんの。 246 00:23:40,400 --> 00:23:42,400 (よね)ほら 食べえ。 247 00:23:44,404 --> 00:23:47,357 (新吾)ほら 吾助。 食ってみい。 248 00:23:47,357 --> 00:23:51,311 (新吾)ほら 吾助 どうした。 (よね)ほら 食べえ。 249 00:23:51,311 --> 00:23:55,481 ほら ちょっと食べてみい。 食べえ 吾助…。 250 00:23:55,481 --> 00:23:59,481 なあ その子 なんの病にかかってんだ? 251 00:24:00,336 --> 00:24:05,291 わからん。 一昨日から なんも食わなくなったんじゃ。 252 00:24:05,291 --> 00:24:08,478 ほれほれ もうちょっと もうちょっと。 253 00:24:08,478 --> 00:24:12,478 このまんまじゃ 死んじまう。 254 00:24:15,335 --> 00:24:17,286 おい 吾助…。 255 00:24:17,286 --> 00:24:19,322 失礼。 256 00:24:19,322 --> 00:24:22,375 あんた うちの子に勝手に…! 257 00:24:22,375 --> 00:24:27,347 熱はありませんね。 しかし 随分 痩せてる。 258 00:24:27,347 --> 00:24:30,433 栄養不足による衰弱か…。 259 00:24:30,433 --> 00:24:33,433 夏さん 手持ちの食材は? 260 00:24:34,404 --> 00:24:37,440 食材ったって あんな慌てて出てきたんだ。 261 00:24:37,440 --> 00:24:40,440 味噌と塩ぐらいだよ。 262 00:24:41,427 --> 00:24:45,427 滋養強壮に効きそうなものは ないか…。 263 00:24:49,335 --> 00:24:54,323 ケン。 なんか作ってやれそうか? 264 00:24:54,323 --> 00:24:57,460 いや それは まだ…。 265 00:24:57,460 --> 00:24:59,460 ≪(牛の鳴き声) 266 00:25:02,348 --> 00:25:04,417 牛小屋? 267 00:25:04,417 --> 00:25:06,417 どうしたんだよ ケン。 268 00:25:07,320 --> 00:25:09,322 どこ行くんだよ! 牛小屋だ。 269 00:25:09,322 --> 00:25:12,325 夏さんは たらいに雪を。 雪? 雪…。 270 00:25:12,325 --> 00:25:14,293 ちょっと ケン! 271 00:25:14,293 --> 00:25:17,346 時折 男の顔になりおるわ。 272 00:25:17,346 --> 00:25:32,328 ♬~ 273 00:25:32,328 --> 00:25:35,331 また 何を始めたんだか。 274 00:25:35,331 --> 00:25:38,317 ケンも もうちょっと 教えてくれたっていいのにさ…。 275 00:25:38,317 --> 00:25:41,437 ああ 冷てえ! 276 00:25:41,437 --> 00:25:43,437 はー はー…。 277 00:25:48,311 --> 00:25:51,431 (よね)牛の乳なんか持ってきて どうすんだ? 278 00:25:51,431 --> 00:25:54,431 (新吾)わかんねえ。 牛乳の上澄みです。 279 00:25:57,236 --> 00:26:00,373 (よね)なめた…。 うん。 生クリームの味だ。 280 00:26:00,373 --> 00:26:03,373 乳脂肪分が高い。 281 00:26:05,361 --> 00:26:07,361 いけるか? 282 00:26:11,350 --> 00:26:20,293 ♬~ 283 00:26:20,293 --> 00:26:23,262 何やってんだ? あんた。 バターがいるんです。 284 00:26:23,262 --> 00:26:27,366 え? 何がいるって? 285 00:26:27,366 --> 00:26:29,368 黙って見ておれ。 286 00:26:29,368 --> 00:26:59,332 ♬~ 287 00:26:59,332 --> 00:27:15,398 ♬~ 288 00:27:15,398 --> 00:27:18,398 《くそ… まだか!》 289 00:27:21,354 --> 00:27:24,440 夏さん もっと雪を。 おう わかった。 290 00:27:24,440 --> 00:27:27,440 あっ! ちょっ… お前! 291 00:27:32,348 --> 00:27:35,301 あんた 今なら やれるんじゃ…。 292 00:27:35,301 --> 00:27:37,470 待て。 今なら女どもも騒がん。 293 00:27:37,470 --> 00:27:39,470 ええから 待て…! 294 00:27:40,306 --> 00:27:46,362 (牛乳をかき混ぜる音) 295 00:27:46,362 --> 00:27:50,316 ♬~ 296 00:27:50,316 --> 00:27:53,336 《ここで手を止めたら 元の木阿弥》 297 00:27:53,336 --> 00:27:56,372 《頼む! 固まってくれ!》 298 00:27:56,372 --> 00:28:05,298 ♬~ 299 00:28:05,298 --> 00:28:09,385 おい! 頼まれたのは俺だぞ! 300 00:28:09,385 --> 00:28:12,385 ケンの前で いい格好しやがって。 301 00:28:14,423 --> 00:28:16,423 ガキ。 302 00:28:17,326 --> 00:28:21,347 おい… 今 なんつった! おい! 303 00:28:21,347 --> 00:28:48,307 ♬~ 304 00:28:48,307 --> 00:28:50,343 よし。 305 00:28:50,343 --> 00:28:52,345 出来たのか? 306 00:28:52,345 --> 00:28:56,399 水分と脂肪分に分かれてきたら もう少しだ。 307 00:28:56,399 --> 00:29:11,330 ♬~ 308 00:29:11,330 --> 00:29:13,349 出来た。 309 00:29:13,349 --> 00:29:25,411 ♬~ 310 00:29:25,411 --> 00:29:29,411 これが ばあたあか? 311 00:29:30,333 --> 00:29:33,336 あれは芋がらですか? 312 00:29:33,336 --> 00:29:35,471 少し いただいていいですか? 313 00:29:35,471 --> 00:29:37,471 あ… ああ。 314 00:29:38,274 --> 00:29:41,327 夏さん メニューは決まった。 315 00:29:41,327 --> 00:29:43,429 芋がらのリゾット 調理開始だ。 316 00:29:43,429 --> 00:29:46,429 よし! 作ろう。 317 00:29:56,242 --> 00:30:00,446 熱した鍋に バターを大さじ1。 318 00:30:00,446 --> 00:30:03,446 ここに生米を入れて 炒める。 319 00:30:08,304 --> 00:30:11,324 しっかり 火が通ったら 水を加える。 320 00:30:11,324 --> 00:30:22,401 ♬~ 321 00:30:22,401 --> 00:30:25,401 細かく刻んだ芋がらを加える。 322 00:30:34,430 --> 00:30:38,430 あとは これを しばらく煮るだけだ。 323 00:30:42,355 --> 00:30:44,423 芋がらのリゾットです。 324 00:30:44,423 --> 00:30:46,423 どうぞ その子に 食べさせてあげてください。 325 00:30:49,378 --> 00:30:51,378 おう…。 326 00:30:53,399 --> 00:30:56,369 そんな得体の知れないもの 毒かもしれん。 327 00:30:56,369 --> 00:31:00,369 (新吾)おっかあ…。 ケンが そんなもん作るか! 328 00:31:06,429 --> 00:31:08,429 あっ…。 329 00:31:11,417 --> 00:31:16,417 毒味じゃ。 ケン もう1杯 よそってこい。 330 00:31:17,423 --> 00:31:19,423 はい。 331 00:31:44,433 --> 00:31:47,433 (よね)食べた…。 (新吾)吾助。 332 00:31:49,405 --> 00:31:51,405 (新吾)吾助! 333 00:31:53,426 --> 00:31:55,426 (新吾)吾助…。 334 00:31:57,329 --> 00:32:01,267 バターは動物性脂肪の王様で 栄養豊富。 335 00:32:01,267 --> 00:32:06,439 ビタミンAを多く含んでいて 疲労や体力回復に効果があります。 336 00:32:06,439 --> 00:32:11,439 それに もともと食べ物でなく 薬として利用されていたそうです。 337 00:32:18,317 --> 00:32:21,287 これが… 薬? 338 00:32:21,287 --> 00:32:24,473 雪の中に置いておけば 保存が利きます。 339 00:32:24,473 --> 00:32:29,473 体力回復にしたがって 少しずつ あげてください。 340 00:32:32,431 --> 00:32:36,431 はい。 ありがとうございます…。 341 00:32:37,336 --> 00:32:41,390 ありがとうございます。 ありがとうございます…。 342 00:32:41,390 --> 00:32:44,390 (よね)ありがとうございます…。 343 00:32:47,313 --> 00:32:50,432 (よね)吾助 ほら ほら…。 344 00:32:50,432 --> 00:32:54,432 (新吾)食え 食え…。 おお 食えた 食えた…。 345 00:33:03,429 --> 00:33:05,429 いくぞ。 346 00:33:08,384 --> 00:33:11,384 (男)観念しろ! (男)隠れても無駄だ! 347 00:33:12,404 --> 00:33:15,324 あれ? あいつらは? 348 00:33:15,324 --> 00:33:20,362 面目ねえ。 うとうとしてたら 裏から逃げちまった。 349 00:33:20,362 --> 00:33:22,414 何? 350 00:33:22,414 --> 00:33:24,333 身なりもよかったし→ 351 00:33:24,333 --> 00:33:28,270 首 持ってきゃあ きっと いい金になったのによ! 352 00:33:28,270 --> 00:33:41,333 ♬~ 353 00:33:41,333 --> 00:33:45,304 なぜ あの時 料理を作ったのじゃ。 354 00:33:45,304 --> 00:33:48,340 見て見ぬふりも出来たものを。 355 00:33:48,340 --> 00:33:53,412 それは あの子の目が 訴えていた気がして。 356 00:33:53,412 --> 00:33:56,412 生きたい… と。 357 00:33:59,335 --> 00:34:02,438 食べるという事は 生きるという事です。 358 00:34:02,438 --> 00:34:08,438 俺は料理人で 微力ながら それをお手伝いする者ですから…。 359 00:34:12,431 --> 00:34:15,431 すいません。 生意気 言って…。 360 00:34:18,337 --> 00:34:21,340 人間五十年。 361 00:34:21,340 --> 00:34:26,495 下天の内をくらぶれば→ 362 00:34:26,495 --> 00:34:31,495 夢幻の如くなり。 363 00:34:36,422 --> 00:34:39,422 霧が晴れる前に行くぞ。 はい。 364 00:34:44,346 --> 00:34:46,298 〈その後も 信長は→ 365 00:34:46,298 --> 00:34:50,469 朝倉 浅井の追っ手に 気付かれる事なく→ 366 00:34:50,469 --> 00:34:55,469 無事に京へ戻り ほどなく 岐阜に帰還した〉 367 00:35:00,429 --> 00:35:07,429 〈しんがりを務めた秀吉は 朝倉軍の追撃を見事に防いだ〉 368 00:35:09,305 --> 00:35:12,324 ハハハハハ…! 369 00:35:12,324 --> 00:35:15,377 浅井がなんじゃ。 朝倉がなんじゃ! 370 00:35:15,377 --> 00:35:18,347 まるで 物足りなかったわ! 371 00:35:18,347 --> 00:35:21,433 (秀吉)ハハハハハ…! 372 00:35:21,433 --> 00:35:26,433 〈以後 有力な武将として 認められるようになった〉 373 00:35:27,323 --> 00:35:31,343 〈一方 その後も 京にとどまった家康は→ 374 00:35:31,343 --> 00:35:34,496 定宿にしている寺にいた〉 375 00:35:34,496 --> 00:35:38,496 信長殿と距離を置けと? 376 00:35:39,351 --> 00:35:42,304 (酒井忠次)朝倉義景の謀反に加え→ 377 00:35:42,304 --> 00:35:45,374 義弟 浅井長政にまで 裏切られたとあっては→ 378 00:35:45,374 --> 00:35:48,444 反織田勢力の拡大は必至。 379 00:35:48,444 --> 00:35:51,444 (酒井)多数の離反者が出て 当然でしょう。 380 00:35:53,298 --> 00:35:57,353 確かに 今は 家康様と織田殿は→ 381 00:35:57,353 --> 00:35:59,455 同盟を結んでおりますが…。 382 00:35:59,455 --> 00:36:01,455 わかっておる。 383 00:36:03,342 --> 00:36:07,413 状況次第での 寝返りや謀反は→ 384 00:36:07,413 --> 00:36:11,413 この戦国の世の常だ。 385 00:36:12,434 --> 00:36:16,434 さようです。 ご決断は早い方がよろしいかと。 386 00:39:09,244 --> 00:39:11,313 家康が裏切ると? 387 00:39:11,313 --> 00:39:13,332 (楓)定かではございません。 388 00:39:13,332 --> 00:39:15,317 ただ 腹心の酒井殿は→ 389 00:39:15,317 --> 00:39:17,369 今回の退却を 重く見ているご様子で…。 390 00:39:17,369 --> 00:39:21,373 (可成)お館様。 ここで 浅井に続いて→ 391 00:39:21,373 --> 00:39:24,373 家康殿にまで同盟を解かれては…。 392 00:39:25,394 --> 00:39:29,248 天下統一どころではなくなるのう。 393 00:39:29,248 --> 00:39:34,319 (可成)いかにも。 ここは 今一度 京に参られては。 394 00:39:34,319 --> 00:39:36,405 聞いたな ケン。 395 00:39:36,405 --> 00:39:38,405 あ… はい。 396 00:39:39,324 --> 00:39:44,313 おぬし 今すぐ 京へ向かい 家康にうまいものを食わせてやれ。 397 00:39:44,313 --> 00:39:47,266 食材は もう決まっておる。 398 00:39:47,266 --> 00:39:50,285 鯛じゃ。 鯛? 399 00:39:50,285 --> 00:39:54,373 おぬしの料理で 必ず 家康の心をつなぎ留めろ。 400 00:39:54,373 --> 00:39:56,373 行け。 401 00:39:58,410 --> 00:40:03,410 《徳川家康の心を どうやって…》 402 00:40:19,331 --> 00:40:22,267 また 難しいお題を 出されたもんだなあ。 403 00:40:22,267 --> 00:40:24,336 どう調理したらいいんだろう。 404 00:40:24,336 --> 00:40:28,290 鯛… 鯛…。 405 00:40:28,290 --> 00:40:33,428 せめて もう少し 家康さんの好みがわかればな。 406 00:40:33,428 --> 00:40:37,428 こないだ会ったばかりで そりゃ無理だよ。 407 00:40:38,283 --> 00:40:42,304 うー! 気持ちいい! 408 00:40:42,304 --> 00:40:45,374 《その こないだ 会ったばかりの人の事を→ 409 00:40:45,374 --> 00:40:48,393 俺は いろいろ知ってるんだよな》 410 00:40:48,393 --> 00:40:52,393 《身近な人の事は 誰も覚えてないってのに…》 411 00:40:55,417 --> 00:40:59,417 そんな じっと見るなよ。 恥ずかしい…。 412 00:41:05,410 --> 00:41:09,410 そんな じっと見ないでよ。 恥ずかしい。 413 00:41:10,315 --> 00:41:12,234 ウエディング? 414 00:41:12,234 --> 00:41:15,337 うえ…? 何? 415 00:41:15,337 --> 00:41:20,337 いや 今 家康さんについて 思い出そうとしたんだけど…。 416 00:41:21,309 --> 00:41:24,279 そうか。 これか! 417 00:41:24,279 --> 00:41:26,415 思い付いたの? 418 00:41:26,415 --> 00:41:29,415 徳川家康といえば 天ぷらだよ! 419 00:41:30,285 --> 00:41:33,288 《油料理の総称だった天ぷらが→ 420 00:41:33,288 --> 00:41:37,476 衣を付けた魚介類や野菜を揚げた 現在の形になったのは→ 421 00:41:37,476 --> 00:41:39,476 江戸時代前期》 422 00:41:40,312 --> 00:41:44,282 徳川家康の 晩年の好物だといわれてるんだ。 423 00:41:44,282 --> 00:41:48,387 どこで? なんで ケンが 家康さんの晩年を知ってんだよ。 424 00:41:48,387 --> 00:41:51,306 あ… いや…。 425 00:41:51,306 --> 00:41:55,327 とにかく 天ぷら作ろう。 あの鯛で。 426 00:41:55,327 --> 00:42:00,298 うん…。 よくわかんねえけど その天ぷらってのは見てみたい。 427 00:42:00,298 --> 00:42:02,401 それでいこう! よし 善は急げだ。 428 00:42:02,401 --> 00:42:05,401 ちょっと ケン 待て…。 429 00:42:13,395 --> 00:42:17,395 おお。 見事な鯛じゃ! 430 00:42:18,250 --> 00:42:22,304 これを調理して 徳川様の疲れを 癒やして差し上げろとの→ 431 00:42:22,304 --> 00:42:26,358 命を受けました。 そうか。 432 00:42:26,358 --> 00:42:31,396 ふん。 鯛ぐらい この京でも手に入りますがね。 433 00:42:31,396 --> 00:42:33,396 まあな。 434 00:42:34,332 --> 00:42:37,335 では ここの台所を使うがよい。 435 00:42:37,335 --> 00:42:39,221 ありがとうございます。 436 00:42:39,221 --> 00:42:41,406 せいぜい 趣向を凝らすがいい。 437 00:42:41,406 --> 00:42:45,406 すでに 殿のお気持ちは 決まっておるがな。 438 00:42:46,294 --> 00:42:51,333 なんだよ あの酒井って人。 すっかり敵扱いじゃねえか! 439 00:42:51,333 --> 00:42:55,320 家康さんだって もう 裏切るにおいがプンプンするよ。 440 00:42:55,320 --> 00:42:58,306 うん 狸親父とは よくいったもんだよ。 441 00:42:58,306 --> 00:43:02,310 狸? まあ 気にしない 気にしない。 442 00:43:02,310 --> 00:43:04,312 よし 調理開始だ。 443 00:43:04,312 --> 00:43:06,281 おう! 天ぷらね。 444 00:43:06,281 --> 00:43:10,235 まずは鍋に大量の油を…。 あっ。 445 00:43:10,235 --> 00:43:13,405 夏さん? 446 00:43:13,405 --> 00:43:17,405 買い忘れた…。 え? 447 00:43:18,276 --> 00:43:22,314 油 買い忘れちゃった。 ああ…。 448 00:43:22,314 --> 00:43:24,332 え? 449 00:43:24,332 --> 00:43:26,318 ごめんなさい! 450 00:43:26,318 --> 00:43:28,320 大丈夫だよ 夏さん。 451 00:43:28,320 --> 00:43:32,324 油なら また いつもみたいに 鴨から作ればいいんだから。 452 00:43:32,324 --> 00:43:34,292 ダメだよ 鴨なんて! 453 00:43:34,292 --> 00:43:37,245 ここは お寺だぞ! え? 454 00:43:37,245 --> 00:43:43,285 お寺で獣の肉は ご法度じゃないか! 455 00:43:43,285 --> 00:43:46,304 あっ…。 ああ バカ…。 456 00:43:46,304 --> 00:43:51,426 ああ バカ! 俺のバカ! ああ バカ! 457 00:43:51,426 --> 00:43:56,426 《まずいな。 じゃあ 一体 何から油を作る?》 458 00:44:00,402 --> 00:44:02,402 あれは…。 459 00:44:05,323 --> 00:44:09,394 ええ? この椿の実から油を作るの? 460 00:44:09,394 --> 00:44:11,394 そう。 461 00:44:16,318 --> 00:44:21,273 うん。 まだ少し若いけど 十分 オイリーだ。 462 00:44:21,273 --> 00:44:23,325 おいりい? フレンチの→ 463 00:44:23,325 --> 00:44:26,328 ブール・ド・クルヴェットの技法を 流用すれば作れる。 464 00:44:26,328 --> 00:44:29,264 ぐるっと ぶれっと…。 465 00:44:29,264 --> 00:44:32,417 よし。 じゃあ その手で油を作ろう。 466 00:44:32,417 --> 00:44:34,417 よし。 467 00:44:39,407 --> 00:44:43,407 まず 椿の実を潰して…。 468 00:44:46,414 --> 00:44:49,414 湯を沸かした鍋に それを入れる。 469 00:44:50,268 --> 00:44:52,337 あっ 油が浮いてきた。 470 00:44:52,337 --> 00:44:56,337 よし。 これをすくって 別の鍋に。 471 00:45:01,413 --> 00:45:05,413 煮詰めて 水分を飛ばすと…。 472 00:45:06,418 --> 00:45:09,418 すっげえ。 黄金色だ。 473 00:45:10,422 --> 00:45:12,422 椿油の完成だ。 474 00:45:13,308 --> 00:45:15,260 すっげえよ ケン! 475 00:45:15,260 --> 00:45:19,331 本当に 木の実から 油を作っちまった。 476 00:45:19,331 --> 00:45:22,334 でも この量で 揚げるのは無理だな。 477 00:45:22,334 --> 00:45:24,402 ソテーにしよう。 478 00:45:24,402 --> 00:45:26,402 そて? 479 00:45:31,426 --> 00:45:35,426 いざ 参らん! 戦国のキュイジーヌ! 480 00:45:39,251 --> 00:45:43,321 (家康)信長殿と初めて会ったのは→ 481 00:45:43,321 --> 00:45:47,359 わしが まだ 竹千代という幼名だった頃じゃ。 482 00:45:47,359 --> 00:45:52,314 (家康の声)当時 わしは 人質として織田家に出されての。 483 00:45:52,314 --> 00:45:54,416 (家康の声)幽閉された 薄暗い部屋の中から→ 484 00:45:54,416 --> 00:45:56,416 いつも 外を見ておったわ。 485 00:45:58,470 --> 00:46:00,470 えい! やあ! 486 00:46:02,357 --> 00:46:05,357 えい! やあ! えい! 487 00:46:07,412 --> 00:46:09,412 (家康の声)それが最初じゃ。 488 00:46:12,334 --> 00:46:15,270 まさに 自由で快活。 489 00:46:15,270 --> 00:46:20,208 わしには 妬ましいほど 輝いて見えたわ。 490 00:46:20,208 --> 00:46:23,345 (酒井)その輝きは→ 491 00:46:23,345 --> 00:46:26,345 果たして 今の織田殿にも ございましょうか。 492 00:46:29,367 --> 00:46:33,367 お待たせしました。 (家康)おう 出来たか。 493 00:46:39,411 --> 00:46:41,411 鯛のソテー天ぷら風です。 494 00:46:46,318 --> 00:46:49,304 (家康)こんな鯛料理は 見た事ない。 495 00:46:49,304 --> 00:46:51,323 早速 いただこう。 496 00:46:51,323 --> 00:47:01,383 ♬~ 497 00:47:01,383 --> 00:47:07,383 外は香ばしくて 中は ほんわり やわらかい。 498 00:47:11,359 --> 00:47:13,359 なんたる美味…。 499 00:47:17,399 --> 00:47:19,399 ありがとうございます。 500 00:47:22,404 --> 00:47:25,404 鯛の天ぷらか。 501 00:47:26,391 --> 00:47:29,391 この世で 一番うまいものかもしれん。 502 00:47:34,299 --> 00:47:36,317 竹千代 食うか? 503 00:47:36,317 --> 00:47:39,320 (竹千代)そんなもの いりませぬ! 504 00:47:39,320 --> 00:47:42,273 ほう…。 では 何が所望じゃ? 505 00:47:42,273 --> 00:47:45,226 鯛! おっきな鯛! 506 00:47:45,226 --> 00:47:48,413 人質のくせに 生意気なやつじゃ! 507 00:47:48,413 --> 00:47:50,413 鯛を食べたい! 508 00:47:52,267 --> 00:47:57,338 では こうしよう。 将来 おぬしが わしに必要な男となったら→ 509 00:47:57,338 --> 00:48:02,338 この世で いっちばん うまい鯛を 食わせてやろう。 510 00:48:03,378 --> 00:48:05,378 どうじゃ? 511 00:48:06,364 --> 00:48:08,316 あ? 512 00:48:08,316 --> 00:48:18,393 ♬~ 513 00:48:18,393 --> 00:48:21,393 覚えててくださったのか…。 514 00:48:23,415 --> 00:48:29,415 このわしを… 必要だと言われるのか。 515 00:48:31,306 --> 00:48:34,259 信長殿…。 516 00:48:34,259 --> 00:48:36,361 (酒井)は? 517 00:48:36,361 --> 00:48:51,409 ♬~ 518 00:48:51,409 --> 00:48:56,409 ケン。 信長殿に伝えてくれ。 519 00:48:58,299 --> 00:49:04,422 次の戦は この徳川が 先陣を切らせていただくと! 520 00:49:04,422 --> 00:49:06,422 家康様! 521 00:49:08,376 --> 00:49:12,376 たとえ 相手が誰であってもな。 522 00:49:13,331 --> 00:49:15,400 わかりました。 523 00:49:15,400 --> 00:49:38,400 ♬~ 524 00:49:44,479 --> 00:49:48,479 戦が始まるな。 うん。 525 00:49:49,400 --> 00:49:53,400 また 大勢が 俺みたいな目に遭うんだ。 526 00:49:54,422 --> 00:49:57,422 大事な人たちを失う目に…。 527 00:50:08,353 --> 00:50:10,353 (家来)ケン! 528 00:50:11,389 --> 00:50:14,389 お館様に料理を持て。 はい。 529 00:50:21,332 --> 00:50:24,332 干し海老と葱のチャーハン。 530 00:50:25,353 --> 00:50:28,339 あ… 炒め飯でございます。 531 00:50:28,339 --> 00:50:31,309 干し海老に含まれる カルシウムには→ 532 00:50:31,309 --> 00:50:36,314 興奮した気持ちを 抑える効果があります。 533 00:50:36,314 --> 00:50:38,366 ふん…。 534 00:50:38,366 --> 00:50:41,369 残念ながら このわしの気持ちは→ 535 00:50:41,369 --> 00:50:45,369 おぬしの料理でも 抑えられんわ。 536 00:50:52,313 --> 00:50:54,315 長政…。 537 00:50:54,315 --> 00:51:00,321 己が どれほどの過ちを犯したか 思い知らせてくれるわ。 538 00:51:00,321 --> 00:51:11,332 ♬~ 539 00:51:11,332 --> 00:51:13,217 〈信長は ついに→ 540 00:51:13,217 --> 00:51:17,422 自身を裏切り 今や 敵となった義理の弟→ 541 00:51:17,422 --> 00:51:23,422 浅井長政を討伐すべく 近江に向けて出陣した〉 542 00:51:24,312 --> 00:51:27,315 1人残らず 殲滅するのじゃ! 543 00:51:27,315 --> 00:51:29,334 (兵士たち)おう! 544 00:51:29,334 --> 00:51:44,248 ♬~ 545 00:51:44,248 --> 00:51:46,317 ここもか…。 546 00:51:46,317 --> 00:51:50,438 お館様! どこも もぬけの殻でございまする! 547 00:51:50,438 --> 00:51:54,438 逃げたか。 まこと 無様なやつらよ。 548 00:51:57,261 --> 00:52:02,333 ここで 可成たち 後続隊を待つ。 すぐに飯の支度をせい。 549 00:52:02,333 --> 00:52:04,335 (兵士たち)はっ。 550 00:52:04,335 --> 00:52:13,311 ♬~ 551 00:52:13,311 --> 00:52:17,415 でも ちょっと ほっとしたな。 戦にならなくて。 552 00:52:17,415 --> 00:52:19,415 そのとおりだ。 553 00:52:25,306 --> 00:52:27,275 まだ 温かい…。 554 00:52:27,275 --> 00:52:31,346 逃げ出してから それほど 時間は経ってないって事か。 555 00:52:31,346 --> 00:52:35,283 うまそうな水だなあ。 556 00:52:35,283 --> 00:52:37,318 もう のどカラカラだよ。 557 00:52:37,318 --> 00:52:40,405 飲むな! 罠かもしれない。 558 00:52:40,405 --> 00:52:42,405 罠? 559 00:52:43,324 --> 00:52:45,393 うわあ! 560 00:52:45,393 --> 00:52:47,393 ≫(物音) 561 00:52:52,350 --> 00:52:56,350 何? 朝倉の料理人を 捕らえたとな? 562 00:52:59,407 --> 00:53:03,407 あの それと…。 563 00:53:13,404 --> 00:53:16,404 蔵に隠れておったそうです。 564 00:53:18,409 --> 00:53:21,409 おぬし 名は? 565 00:53:22,397 --> 00:53:24,397 (彦六)ひ… 彦六。 566 00:53:36,327 --> 00:53:38,279 彦六 飲め。 567 00:53:38,279 --> 00:53:40,381 (彦六)えっ…。 568 00:53:40,381 --> 00:53:45,381 飲めぬか。 いや それは…。 569 00:53:46,370 --> 00:53:49,370 飲め。 (彦六)うっ! 570 00:53:53,428 --> 00:53:55,428 (秀吉)こやつ! 571 00:53:59,400 --> 00:54:02,400 (料理人)ああ…。 楓さん…。 572 00:54:04,372 --> 00:54:06,372 やはり 毒か。 573 00:54:08,493 --> 00:54:13,493 ケン おぬしの勘 当たったな。 574 00:54:14,398 --> 00:54:16,398 はい…。 575 00:54:17,335 --> 00:54:21,305 ケン おぬし 彦六に成りすまし→ 576 00:54:21,305 --> 00:54:24,375 この者たちと 小谷城の台所に潜入せい。 577 00:54:24,375 --> 00:54:26,375 え? 578 00:54:27,361 --> 00:54:30,264 お館様 それは ケンを間者に仕立てて→ 579 00:54:30,264 --> 00:54:33,284 浅井の本拠に送り込むと? 580 00:54:33,284 --> 00:54:36,270 浅井 朝倉軍は 急造の連合軍。 581 00:54:36,270 --> 00:54:40,424 彦六の名を知る者はいても 顔を知る者はいまい。 582 00:54:40,424 --> 00:54:42,424 こやつら以外にはな。 583 00:54:43,427 --> 00:54:46,427 楓 お前は見張り役じゃ。 584 00:54:49,283 --> 00:54:54,422 妙な動きをすれば 彦六と同じになると思え。 585 00:54:54,422 --> 00:54:56,422 (料理人たち)はい…。 586 00:54:59,427 --> 00:55:03,427 でも 俺は 一体何を…。 587 00:55:08,319 --> 00:55:11,405 先方に借りを返さねばな。 588 00:55:11,405 --> 00:55:14,405 やり方は おぬしに任せる。 589 00:55:17,411 --> 00:55:20,411 毒には毒をという事か…。 590 00:55:21,399 --> 00:55:25,399 しかし 敵城の中で 毒などを盛れば…。 591 00:55:26,404 --> 00:55:29,404 お館様は ケンを見捨てるおつもりか…? 592 00:55:33,394 --> 00:55:35,394 出来るな? 593 00:55:38,416 --> 00:55:40,416 わかりました。 594 00:55:46,424 --> 00:55:49,424 連れていけ。 (兵士たち)はっ! 595 00:55:50,394 --> 00:55:52,394 立て! 596 00:55:58,302 --> 00:56:02,290 俺が 敵の台所へ…。 597 00:56:02,290 --> 00:56:19,373 ♬~ 598 00:56:19,373 --> 00:56:22,373 俺に スパイになれっていうのか? 599 00:59:01,285 --> 00:59:03,287 ふもとの町を 全て焼き払え! 600 00:59:03,287 --> 00:59:05,256 戦国お子様ランチ。 601 00:59:05,256 --> 00:59:07,308 信長様から お市様への メッセージです。 602 00:59:07,308 --> 00:59:09,360 (お市)兄上…。 603 00:59:09,360 --> 00:59:11,360 (浅井長政)信長の間者か! お市様の命はない! 604 00:59:12,346 --> 00:59:14,346 死にたくない! 俺は生きるんだ!