1 00:01:33,257 --> 00:01:36,243 (ケン)〈タイムスリップした俺は 戦国の乱世で→ 2 00:01:36,243 --> 00:01:38,262 織田信長のシェフとして 生きている〉 3 00:01:38,262 --> 00:01:40,264 〈記憶は失ったままだ〉 4 00:01:40,264 --> 00:01:44,151 〈自分が どこの何者なのかさえ 思い出せずにいる〉 5 00:01:44,151 --> 00:01:46,253 〈俺はどうなるんだ?〉 6 00:01:46,253 --> 00:01:48,239 〈戦国時代の荒波に 飲み込まれて死ぬのか→ 7 00:01:48,239 --> 00:01:50,224 それとも 平成の世に戻れるのか〉 8 00:01:50,224 --> 00:01:52,259 〈そして 今 また→ 9 00:01:52,259 --> 00:01:55,246 新たな試練が 俺に襲いかかろうとしている〉 10 00:01:55,246 --> 00:01:59,250 ケン おぬし 彦六に成りすまし→ 11 00:01:59,250 --> 00:02:02,269 この者たちと 小谷城の台所に潜入せい。 12 00:02:02,269 --> 00:02:04,338 俺は 一体何を…。 13 00:02:04,338 --> 00:02:06,338 先方に借りを返さねばな。 14 00:02:07,424 --> 00:02:10,424 俺に スパイになれっていうのか? 15 00:02:11,228 --> 00:02:14,231 《信長様は 俺を敵の台所に送り込み→ 16 00:02:14,231 --> 00:02:17,351 何をさせようとしているんだ?》 17 00:02:17,351 --> 00:02:19,351 《敵 それは…》 18 00:02:21,255 --> 00:02:23,240 《長政の妻は→ 19 00:02:23,240 --> 00:02:25,259 信長様の実の妹 お市の方》 20 00:02:25,259 --> 00:02:28,312 《信長様は 義理の弟だけでなく→ 21 00:02:28,312 --> 00:02:32,216 実の妹 そして 幼い姪たちを 毒殺しろと→ 22 00:02:32,216 --> 00:02:34,251 俺に命じたのか?》 23 00:02:34,251 --> 00:02:37,238 俺が 料理に 毒なんか盛れないって事ぐらい→ 24 00:02:37,238 --> 00:02:41,258 信長様だって わかってるはずだ。 25 00:02:41,258 --> 00:02:44,345 それをわかっていながら 俺を行かせるって事は→ 26 00:02:44,345 --> 00:02:47,345 なんかあるって事なんだ。 27 00:02:48,315 --> 00:02:50,315 なんなんだ? それは…。 28 00:02:51,235 --> 00:02:55,222 (夏)何 ブツブツ言ってんだよ! いいか? ケン。 29 00:02:55,222 --> 00:02:58,225 信長様は 料理に毒を盛れって言ってんだぞ。 30 00:02:58,225 --> 00:03:01,295 そんな事して 生きて 帰ってこられると思ってんのか? 31 00:03:01,295 --> 00:03:04,198 その場で たたっ斬られて 終わりだよ。 32 00:03:04,198 --> 00:03:08,252 信長様の言いつけに 背いたら背いたで許されねえ。 33 00:03:08,252 --> 00:03:10,371 どっちにしたって 斬られる運命なら→ 34 00:03:10,371 --> 00:03:13,371 ここは いちかばちか 逃げるしかねえ! 35 00:03:14,241 --> 00:03:17,227 おい ケン 聞いてんのか? 36 00:03:17,227 --> 00:03:21,415 (楓)支度は出来たか? 早くしろ。 37 00:03:21,415 --> 00:03:26,415 急かすなよ! …なんなんだよ その格好。 38 00:03:28,238 --> 00:03:30,240 (楓)お前が言うな。 急げ。 39 00:03:30,240 --> 00:03:35,279 あのさ 心の備えってもんがあるし→ 40 00:03:35,279 --> 00:03:38,232 ケンが どうしても行くって言うなら→ 41 00:03:38,232 --> 00:03:40,234 俺にも備えがあるし。 42 00:03:40,234 --> 00:03:42,236 ダメだよ 夏さんは。 43 00:03:42,236 --> 00:03:44,254 1人で行かせられるかよ。 44 00:03:44,254 --> 00:03:46,240 どこにでも ついてこようとするな。 45 00:03:46,240 --> 00:03:48,158 遊びではない。 命がけの務めだ。 46 00:03:48,158 --> 00:03:52,246 命がかかってるような場所に ケンを1人で行かせられるか! 47 00:03:52,246 --> 00:03:54,214 フッ…。 48 00:03:54,214 --> 00:03:56,266 何がおかしい? 49 00:03:56,266 --> 00:03:58,252 女子め…。 50 00:03:58,252 --> 00:04:00,321 お前…。 51 00:04:00,321 --> 00:04:02,339 夏さん。 52 00:04:02,339 --> 00:04:05,339 俺には これがあるから。 53 00:04:08,212 --> 00:04:12,316 必ず無事で帰ってくる。 だから 待っててくれ。 54 00:04:12,316 --> 00:04:14,316 必ずだぞ。 55 00:04:15,285 --> 00:04:17,338 行きましょう。 56 00:04:17,338 --> 00:04:27,338 ♬~ 57 00:04:28,349 --> 00:04:36,349 ♬~ 58 00:06:16,306 --> 00:06:18,306 (木下藤吉郎秀吉) ケンが小谷城に向かいました。 59 00:06:26,366 --> 00:06:30,366 サルよ 市の事が心配であろう。 60 00:06:31,371 --> 00:06:35,371 いえ。 …はい。 61 00:06:37,327 --> 00:06:41,327 ケンの料理を 市も口にするのであろうな。 62 00:06:43,350 --> 00:06:45,350 はっ! 63 00:06:49,273 --> 00:06:53,360 あまりのうまさに 口もきけぬ事になろうな。 64 00:06:53,360 --> 00:07:05,360 ♬~ 65 00:07:06,356 --> 00:07:12,356 (鳥の鳴き声) 66 00:07:17,267 --> 00:07:19,336 あと どのぐらいかかる? 67 00:07:19,336 --> 00:07:23,336 まもなくです。 あの山を越えたら小谷城です。 68 00:07:24,274 --> 00:07:27,277 いいか 言ったとおりに うまくやれ。 69 00:07:27,277 --> 00:07:31,315 余計な事をひと言でも喋れば… 殺す。 70 00:07:31,315 --> 00:07:34,315 (料理人)はい…。 お前もだ。 71 00:07:35,352 --> 00:07:38,272 はい。 お前がなすべき事は→ 72 00:07:38,272 --> 00:07:42,242 裏切り者 浅井長政を 始末する事 ただ一つ。 73 00:07:42,242 --> 00:07:46,346 信長様は そんな事言ってないですよ。 74 00:07:46,346 --> 00:07:50,346 他にどんな手がある? 言われずとも察しろ。 75 00:07:56,223 --> 00:08:00,260 《どんな手があるんだ? どんな手が…》 76 00:08:00,260 --> 00:08:09,336 ♬~ 77 00:08:09,336 --> 00:08:11,336 (長政)面を上げよ。 78 00:08:19,263 --> 00:08:25,385 朝倉殿よりの使いとな。 遠路はるばる ご苦労であった。 79 00:08:25,385 --> 00:08:29,385 この者たちも楽しみにしておる。 うまいものを頼むぞ。 80 00:08:31,258 --> 00:08:33,243 茶々はまだしも→ 81 00:08:33,243 --> 00:08:36,363 お初は まだ何も召し上がれませぬ 長政様。 82 00:08:36,363 --> 00:08:38,363 そうだな。 83 00:08:40,350 --> 00:08:42,350 まんま。 84 00:08:43,270 --> 00:08:46,373 茶々 お戻りなさい。 85 00:08:46,373 --> 00:08:48,373 (茶々の笑い声) 86 00:08:49,293 --> 00:08:54,348 《この人が 信長様の妹 お市の方》 87 00:08:54,348 --> 00:08:57,348 《そして 茶々に お初》 88 00:08:58,318 --> 00:09:03,223 《出来ない。 この人たちに毒など盛れない》 89 00:09:03,223 --> 00:09:06,293 おいしいものをお願い致します。 90 00:09:06,293 --> 00:09:08,293 はい。 91 00:09:16,336 --> 00:09:18,336 (秀吉のため息) 92 00:09:19,389 --> 00:09:24,389 どうした? どっか 調子悪いのか? 93 00:09:25,295 --> 00:09:31,295 お館様の妹 お市様の事が気がかりでな。 94 00:09:33,253 --> 00:09:37,274 お市様は そりゃあ お美しい方でな→ 95 00:09:37,274 --> 00:09:41,328 兄上思いの心優しいお方よ! 96 00:09:41,328 --> 00:09:45,265 お館様の命にも 嫌な顔ひとつなされず→ 97 00:09:45,265 --> 00:09:48,352 浅井長政のところへ 嫁いでいかれた。 98 00:09:48,352 --> 00:09:53,352 しかし お館様は 今度は浅井の首を取れという。 99 00:09:54,207 --> 00:09:57,177 お市様は どうなってしまうんじゃ…。 100 00:09:57,177 --> 00:09:59,312 惚れてんのか。 101 00:09:59,312 --> 00:10:01,312 バカな事を言うな! 102 00:10:03,350 --> 00:10:06,350 井上恭之介 参上! 103 00:10:08,221 --> 00:10:11,258 めでたく 信長様の料理頭 復帰じゃ! 104 00:10:11,258 --> 00:10:13,276 何!? 105 00:10:13,276 --> 00:10:16,329 これはこれは 秀吉様。 106 00:10:16,329 --> 00:10:19,232 お呼び頂き ありがとうございます。 107 00:10:19,232 --> 00:10:21,251 どういう事だよ? 108 00:10:21,251 --> 00:10:25,305 頭… いや ケンは どうせ帰ってこない。 109 00:10:25,305 --> 00:10:29,226 だから わしが 信長様の料理頭に呼ばれたんだ。 110 00:10:29,226 --> 00:10:32,245 なんで こんな奴 呼ぶんだよ! 111 00:10:32,245 --> 00:10:34,264 こんな奴!? 112 00:10:34,264 --> 00:10:38,268 秀吉様 この無礼者に 何か言ってやってください。 113 00:10:38,268 --> 00:10:40,337 いや 手討ちに! 114 00:10:40,337 --> 00:10:42,337 ケンは必ず帰ってくる! 115 00:10:44,257 --> 00:10:47,360 わかってんのか? ケンが帰ってこないって事は→ 116 00:10:47,360 --> 00:10:50,360 お市様が 殺されるって事なんだぞ! 117 00:10:51,298 --> 00:10:54,267 それはまずい! まずいぞ! 118 00:10:54,267 --> 00:11:01,341 ♬~ 119 00:11:01,341 --> 00:11:05,278 (楓)これを使え。 これ1つで10人は殺せる。 120 00:11:05,278 --> 00:11:08,265 信長様は 俺に任せると言ったんです。 121 00:11:08,265 --> 00:11:11,351 それは しまってください。 122 00:11:11,351 --> 00:11:15,351 臆病者が。 ならば 私が入れてやる。 123 00:11:16,273 --> 00:11:21,261 台所は 俺の戦場なんです。 勝手な真似はさせません。 124 00:11:21,261 --> 00:11:28,351 ♬~ 125 00:11:28,351 --> 00:11:32,351 《どうする? どうすればいいんだ?》 126 00:11:38,211 --> 00:11:40,247 鮎…? 127 00:11:40,247 --> 00:11:45,252 お市様は 金ヶ崎で 信長様に鮎を送られた。 128 00:11:45,252 --> 00:11:47,304 鮎…。 129 00:11:47,304 --> 00:11:49,304 お市様は なぜ 鮎なんぞを…。 130 00:11:50,173 --> 00:11:52,342 簗です。 131 00:11:52,342 --> 00:11:57,342 信長様に 罠と知らせるために 送ってきた…。 132 00:11:59,266 --> 00:12:03,220 先方に借りを返さねばな。 133 00:12:03,220 --> 00:12:06,273 やり方は おぬしに任せる。 134 00:12:06,273 --> 00:12:10,160 (信長の声) 先方に借りを返さねばな。 135 00:12:10,160 --> 00:12:15,265 先方… 先方…。 136 00:12:15,265 --> 00:12:19,352 浅井長政にとは言ってない…。 137 00:12:19,352 --> 00:12:22,352 もしかして お市様に…? 138 00:12:24,357 --> 00:12:27,357 そうか。 そういう事か! 139 00:12:33,266 --> 00:12:37,204 いざ 参らん! 戦国のキュイジーヌ! 140 00:12:37,204 --> 00:12:50,283 ♬~ 141 00:12:50,283 --> 00:12:52,235 何をする気だ? 142 00:12:52,235 --> 00:12:56,273 俺には見えたんです。 信長様の真意が。 143 00:12:56,273 --> 00:13:03,280 ♬~ 144 00:13:03,280 --> 00:13:06,333 (楓)この料理に どんな意味があるというんだ? 145 00:13:06,333 --> 00:13:09,333 信長様から お市様への メッセージです。 146 00:13:16,243 --> 00:13:20,263 (長政)ほお… なんと美しい。 147 00:13:20,263 --> 00:13:23,416 鮎の揚げ物 笹舟仕立て→ 148 00:13:23,416 --> 00:13:26,416 覆盆子の汁添えでございます。 149 00:13:28,255 --> 00:13:32,275 赤いいちごの汁をつけて お召し上がりください。 150 00:13:32,275 --> 00:13:49,242 ♬~ 151 00:13:49,242 --> 00:14:05,258 ♬~ 152 00:14:05,258 --> 00:14:09,362 (長政)鮎の苦味と いちごの甘酸い味が混ざって→ 153 00:14:09,362 --> 00:14:12,362 なんとも美味なる味じゃ! 154 00:14:18,288 --> 00:14:23,288 朝倉家の料理人。 越前でも鮎はとれるのですか? 155 00:14:25,278 --> 00:14:27,247 はい。 156 00:14:27,247 --> 00:14:38,208 ♬~ 157 00:14:38,208 --> 00:14:41,244 ねえ ねえ。 ふね。 158 00:14:41,244 --> 00:14:43,279 ん? 159 00:14:43,279 --> 00:14:47,350 そうだな 茶々。 お舟だな。 160 00:14:47,350 --> 00:15:02,265 ♬~ 161 00:15:02,265 --> 00:15:04,367 (お市)《3匹の鮎》 162 00:15:04,367 --> 00:15:08,367 《ここ 琵琶湖から川を下る》 163 00:15:09,205 --> 00:15:24,337 ♬~ 164 00:15:24,337 --> 00:15:26,337 《兄上…》 165 00:15:29,259 --> 00:15:34,230 《逃げてこい 市。 わしのところに…》 166 00:15:34,230 --> 00:15:41,354 ♬~ 167 00:15:41,354 --> 00:15:45,354 市は 舟には乗りませぬ。 168 00:15:47,343 --> 00:15:51,343 この城から1歩も動きませぬ。 169 00:16:04,344 --> 00:16:06,344 どういう事じゃ? 170 00:16:08,448 --> 00:16:11,448 この者たちは 信長の手下です! 171 00:16:12,252 --> 00:16:15,255 おぬしら 信長の間者か? 172 00:16:15,255 --> 00:16:17,240 (楓)ケン! 173 00:16:17,240 --> 00:16:19,292 出合え! 出合え 出合え! 174 00:16:19,292 --> 00:16:37,360 ♬~ 175 00:16:37,360 --> 00:16:39,360 危ない! 176 00:16:44,267 --> 00:16:46,319 動くな! 177 00:16:46,319 --> 00:16:58,319 ♬~ 178 00:16:59,365 --> 00:17:01,365 追え! 逃がすな! 179 00:17:06,339 --> 00:17:08,339 ほら 歩け! 180 00:17:10,260 --> 00:17:13,346 市。 茶々は無事か? 181 00:17:13,346 --> 00:17:15,346 はい。 182 00:17:22,255 --> 00:17:28,361 長政様。 市は どこまでも 長政様と一緒にございます。 183 00:17:28,361 --> 00:17:30,361 市…。 184 00:17:31,264 --> 00:17:51,351 ♬~ 185 00:17:51,351 --> 00:17:53,351 ケンは? 186 00:17:56,239 --> 00:17:58,274 ケンはどうした? 187 00:17:58,274 --> 00:18:05,265 ♬~ 188 00:18:05,265 --> 00:18:08,218 浅井家の家臣らは 山上の城に詰めている模様。 189 00:18:08,218 --> 00:18:12,255 城郭は山頂に位置し その守りは極めて堅固。 190 00:18:12,255 --> 00:18:16,292 朝倉の援軍が到着次第 一気に動き出すのではないかと。 191 00:18:16,292 --> 00:18:19,279 市には会ったか? 192 00:18:19,279 --> 00:18:21,364 はい。 193 00:18:21,364 --> 00:18:25,364 城から1歩も出ぬ。 どこまでも長政殿と一緒だと。 194 00:18:28,354 --> 00:18:32,354 フフフフ…。 195 00:18:33,226 --> 00:18:35,361 最上の知らせじゃ。 196 00:18:35,361 --> 00:18:39,361 これで 心置きなく 攻められるというものよ。 197 00:18:41,217 --> 00:18:45,238 《お館様の狙いは 毒殺ではなかった》 198 00:18:45,238 --> 00:18:48,391 《ケンが正しかったのか》 199 00:18:48,391 --> 00:18:52,391 《もし お市様を毒殺していたら 私の命はなかった》 200 00:18:55,231 --> 00:18:59,269 《あの男に 1つ借りを作ってしまった》 201 00:18:59,269 --> 00:19:01,404 (秀吉)お館様 ケンは…? 202 00:19:01,404 --> 00:19:03,404 離せ! (井上)よせ! コラ 無礼者! 203 00:19:06,259 --> 00:19:09,362 あっ いや 私は…。 204 00:19:09,362 --> 00:19:14,362 ケンを… ケンを助けてください! お願いします! 205 00:19:15,351 --> 00:19:19,351 戻ってこないのであれば それまでの男よ。 206 00:19:30,166 --> 00:19:33,336 楓。 207 00:19:33,336 --> 00:19:36,336 おぬしも大した事がないのう。 208 00:19:37,357 --> 00:19:40,360 サルよ。 はっ! 209 00:19:40,360 --> 00:19:43,360 雲雀山のふもとの町を 全て焼き払え! 210 00:19:45,365 --> 00:19:47,365 はっ! 211 00:19:51,204 --> 00:19:56,276 〈信長は 自分の力と決意を 見せつけるかのように→ 212 00:19:56,276 --> 00:20:01,331 浅井長政が支配する 小谷城下の町や村を→ 213 00:20:01,331 --> 00:20:04,331 隅々まで焼き払った〉 214 00:20:05,251 --> 00:20:08,254 どこまでも…→ 215 00:20:08,254 --> 00:20:13,393 近江で好き勝手やってくれる 兄上殿じゃ…。 216 00:20:13,393 --> 00:20:16,393 先に裏切ったのは あなたであろうに…! 217 00:20:18,364 --> 00:20:21,364 おぬしと朝倉家の関係は わかっておる。 218 00:20:23,286 --> 00:20:28,241 弟のおぬしに無断で 朝倉と事を構えたりはしまいよ。 219 00:20:28,241 --> 00:20:32,345 (長政の声)しかし あなたは 勝手に朝倉に攻め入った。 220 00:20:32,345 --> 00:20:37,345 ひと言もなく あなたは私を切り捨てたのだ! 221 00:20:38,267 --> 00:20:42,288 どこまでも あなたに ついていくつもりだったのに…。 222 00:20:42,288 --> 00:20:49,329 ♬~ 223 00:20:49,329 --> 00:20:51,329 信長の間者…。 224 00:20:53,349 --> 00:20:56,219 あの料理人は まだ生きているのか? 225 00:20:56,219 --> 00:20:58,254 (家臣)はっ 恐らく。 226 00:20:58,254 --> 00:21:01,274 何しろ おとなしい男で→ 227 00:21:01,274 --> 00:21:04,293 泣くでもなく 騒ぐでもなく→ 228 00:21:04,293 --> 00:21:06,262 これまた 生きているのか 死んでいるのか…。 229 00:21:06,262 --> 00:21:08,264 どちらでもよい! はっ! 230 00:21:08,264 --> 00:21:13,236 その間者の首 兄上殿…→ 231 00:21:13,236 --> 00:21:19,342 いや… 信長に送りつけろ。 232 00:21:19,342 --> 00:21:21,342 (家臣)はっ! 233 00:21:29,268 --> 00:21:32,205 《俺は ここで死ぬのか?》 234 00:21:32,205 --> 00:21:35,358 《ここで死ぬ運命なのか?》 235 00:21:35,358 --> 00:21:37,358 《俺は何者だったんだ?》 236 00:21:38,261 --> 00:21:41,164 (三原)行け お前は生き延びろ! 237 00:21:41,164 --> 00:21:46,285 生きて 平成に帰れ! 238 00:21:46,285 --> 00:21:52,275 《俺は… 俺は なぜ この時代に来たんだ?》 239 00:21:52,275 --> 00:21:55,344 《こんなとこで 死ぬためなのか?》 240 00:21:55,344 --> 00:22:03,344 ♬~ 241 00:22:04,353 --> 00:22:06,353 夏さん…。 242 00:24:48,200 --> 00:24:50,236 どこへ行くんだ? 243 00:24:50,236 --> 00:24:53,172 決まってんだろ! ケンを助けに行くんだ! 244 00:24:53,172 --> 00:24:56,325 お前に何が出来る? 黙れ! 245 00:24:56,325 --> 00:25:00,325 ケンを見捨てて 1人で逃げてきた お前なんかに言われたくない! 246 00:25:01,330 --> 00:25:05,330 あの男を守るのは 私の務めではなかった。 247 00:25:07,286 --> 00:25:10,286 務めねえ…。 248 00:25:11,324 --> 00:25:14,324 悲しい奴だな お前って。 249 00:25:16,262 --> 00:25:20,199 務めとか そんなの抜きで→ 250 00:25:20,199 --> 00:25:24,353 本気で守りたい人間 いないのかよ? 251 00:25:24,353 --> 00:25:27,353 大切な人間 いないのかよ? 252 00:25:29,325 --> 00:25:31,325 俺は行く。 253 00:25:33,329 --> 00:25:36,182 勝手な真似をしたら 斬る。 254 00:25:36,182 --> 00:25:54,300 ♬~ 255 00:25:54,300 --> 00:25:57,300 ソース 急いでください。 (一同)はい! 256 00:25:59,338 --> 00:26:02,338 瑤子 デセールを頼む。 257 00:26:03,359 --> 00:26:08,359 《瑤子? 瑤子っていうのか?》 258 00:26:10,232 --> 00:26:14,186 フレンチの厨房… 瑤子と一緒に…。 259 00:26:14,186 --> 00:26:16,255 おいしい。 260 00:26:16,255 --> 00:26:19,275 瑤子…? 261 00:26:19,275 --> 00:26:22,395 誰なんだ? 君は…。 262 00:26:22,395 --> 00:26:24,395 ≫(戸の開く音) 263 00:26:30,219 --> 00:26:33,239 《これも夢か?》 264 00:26:33,239 --> 00:26:37,410 《お市の方が 1人で こんな場所に来るわけもない》 265 00:26:37,410 --> 00:26:40,410 《いや 夢じゃない》 266 00:26:41,230 --> 00:26:44,233 そなたの名は なんというのです? 267 00:26:44,233 --> 00:26:46,235 ケン。 268 00:26:46,235 --> 00:26:49,255 ケン 正直に答えよ。 269 00:26:49,255 --> 00:26:53,225 そなたは何者で 何をしに この城に参ったのです? 270 00:26:53,225 --> 00:26:57,329 俺は 信長様の料理人です。 271 00:26:57,329 --> 00:27:00,329 料理で 信長様の気持ちを 伝えにきました。 272 00:27:01,317 --> 00:27:04,317 兄上が あのような凝った料理を 思いつくはずがありません。 273 00:27:06,222 --> 00:27:09,225 あれは 俺が考えたものです。 274 00:27:09,225 --> 00:27:12,294 信長様が 任せると おっしゃっていたので。 275 00:27:12,294 --> 00:27:15,264 任せる? 276 00:27:15,264 --> 00:27:21,187 何事も 自分で決めなければ 気の済まない性分の兄上が…? 277 00:27:21,187 --> 00:27:23,222 信じられぬ。 278 00:27:23,222 --> 00:27:28,227 じゃあ 「簗」と「罠」をかけた 鮎を送られたお返しに→ 279 00:27:28,227 --> 00:27:33,265 今回の料理に鮎を使ったと言えば 信じてもらえますか? 280 00:27:33,265 --> 00:27:38,204 兄上は そなたに そこまで 裁量を与えているのですか? 281 00:27:38,204 --> 00:27:41,223 はい。 282 00:27:41,223 --> 00:27:45,277 わたくしたちに 毒を盛るつもりは なかったのですか? 283 00:27:45,277 --> 00:27:48,247 俺は 料理に毒など盛れません。 284 00:27:48,247 --> 00:27:52,218 それは 誰より 信長様が よくわかってくれてるはずです。 285 00:27:52,218 --> 00:27:54,220 料理は人を生かす薬ですから。 286 00:27:54,220 --> 00:27:56,222 薬? 287 00:27:56,222 --> 00:27:59,291 中国… いや 明には→ 288 00:27:59,291 --> 00:28:02,194 「薬食同源」という思想があります。 289 00:28:02,194 --> 00:28:07,266 たんぱく質は 皮膚や毛髪 筋肉 血液などをつくります。 290 00:28:07,266 --> 00:28:12,254 カルシウムは骨を強固にし 体の抵抗力を強くします。 291 00:28:12,254 --> 00:28:15,291 それらの栄養素を組み合わせて 料理を作るんです。 292 00:28:15,291 --> 00:28:18,291 なので 薬などはいらないという…。 293 00:28:20,346 --> 00:28:23,346 失礼しました。 294 00:28:25,217 --> 00:28:29,255 まるで 兄上のお言葉を 聞いているかのよう。 295 00:28:29,255 --> 00:28:31,357 え? 296 00:28:31,357 --> 00:28:36,357 まるで それが世の理のごとく 言の葉を紡ぐ…。 297 00:28:37,213 --> 00:28:39,231 (お市)兄上のお言葉は→ 298 00:28:39,231 --> 00:28:43,352 海のように深く 空のように高く→ 299 00:28:43,352 --> 00:28:46,352 そして 遠い。 300 00:28:50,226 --> 00:28:52,228 お市様 何ゆえ こんなところに? 301 00:28:52,228 --> 00:28:54,296 その者の首 即刻はねますゆえ! 302 00:28:54,296 --> 00:28:57,296 さあ 早くお出になってください! 303 00:28:58,234 --> 00:29:00,202 やめろ! 304 00:29:00,202 --> 00:29:02,321 離せ! 305 00:29:02,321 --> 00:29:05,321 死にたくない! 俺は死にたくない! 306 00:29:06,292 --> 00:29:09,328 こんなとこで死んでたまるか! 307 00:29:09,328 --> 00:29:11,328 俺は生きるんだ!! 308 00:29:12,414 --> 00:29:14,414 お待ちなさい! 309 00:29:21,323 --> 00:29:26,323 わたくしが今一度 長政様とお話し致しましょう。 310 00:29:28,180 --> 00:29:32,251 (長政)何? あの間者を生かしておけと? 311 00:29:32,251 --> 00:29:34,270 あの者… ケンは→ 312 00:29:34,270 --> 00:29:37,256 相当な腕を持つ 料理人と見受けました。 313 00:29:37,256 --> 00:29:40,276 何かと使い道があるかと。 314 00:29:40,276 --> 00:29:43,279 (長政)使い道? はい。 315 00:29:43,279 --> 00:29:46,198 例えば 茶々の料理人です。 316 00:29:46,198 --> 00:29:49,251 (長政)茶々の…? 317 00:29:49,251 --> 00:29:52,288 茶々は もう しっかりと食事をしてもいい頃。 318 00:29:52,288 --> 00:29:56,242 ですが お米以外は ほとんど 口にしようとは致しませぬ。 319 00:29:56,242 --> 00:29:59,161 親として心配でございます。 320 00:29:59,161 --> 00:30:04,366 ケンは 料理は薬だと申しておりました。 321 00:30:04,366 --> 00:30:08,366 茶々が健やかに育つよう 手助けをさせたいのです。 322 00:30:11,206 --> 00:30:14,226 確かに 珍しく 茶々は→ 323 00:30:14,226 --> 00:30:17,379 あの者の料理に 興味を示していたが…。 324 00:30:17,379 --> 00:30:19,379 ねえ ねえ。 ふね。 325 00:30:20,182 --> 00:30:23,185 一度 作らせてみては? 326 00:30:23,185 --> 00:30:25,254 それに 兄上は→ 327 00:30:25,254 --> 00:30:28,307 一介の料理人の首が 送られてきたとて→ 328 00:30:28,307 --> 00:30:31,307 驚く人ではございませんし…。 329 00:30:35,314 --> 00:30:38,314 よし いいだろう。 330 00:30:40,219 --> 00:30:44,306 ただし 茶々が一番苦手な食材でだ。 331 00:30:44,306 --> 00:30:48,306 茶々が食べなければ その場で首をはねる。 332 00:31:05,227 --> 00:31:08,180 井上恭之介 会心の…。 333 00:31:08,180 --> 00:31:11,300 鯛の塩焼き。 334 00:31:11,300 --> 00:31:14,203 海老と野菜の煮しめ。 335 00:31:14,203 --> 00:31:16,338 そして こちらが…。 336 00:31:16,338 --> 00:31:18,338 もうよい。 337 00:31:34,289 --> 00:31:36,289 いかがでございましょうか? 338 00:31:37,292 --> 00:31:39,244 つまらん。 339 00:31:39,244 --> 00:31:41,180 えっ…? 340 00:31:41,180 --> 00:31:43,215 見た目も味も つまらぬ料理じゃ。 341 00:31:43,215 --> 00:31:45,351 えっ? そんな…!? 342 00:31:45,351 --> 00:31:47,351 サル どうじゃ? 343 00:31:52,207 --> 00:31:55,327 ケンの料理とは 比べ物になりませぬ。 344 00:31:55,327 --> 00:31:57,327 (箸を置く音) 345 00:32:02,217 --> 00:32:04,219 お館様! 346 00:32:04,219 --> 00:32:07,222 ケンは一流の料理人でございます。 347 00:32:07,222 --> 00:32:12,227 その料理で お市様を助け出そうとしたのです。 348 00:32:12,227 --> 00:32:16,215 お館様にとっても かけがえのない 必要な男であります! 349 00:32:16,215 --> 00:32:18,333 どうか このサルめに→ 350 00:32:18,333 --> 00:32:22,333 ケンを助け出せと お言いつけください! 351 00:32:25,190 --> 00:32:29,228 このサル 命に代えても ケンを助け出してみせます!! 352 00:32:29,228 --> 00:32:37,252 ♬~ 353 00:32:37,252 --> 00:32:40,322 わしにとって必要な男であらば→ 354 00:32:40,322 --> 00:32:43,322 己の力で帰ってくる。 355 00:32:46,311 --> 00:32:48,311 お館様…! 356 00:32:56,238 --> 00:32:58,190 (ため息) 357 00:32:58,190 --> 00:33:00,225 古臭い味じゃ。 358 00:33:00,225 --> 00:33:02,344 下げよ。 359 00:33:02,344 --> 00:33:04,344 うわあ…! 360 00:33:15,324 --> 00:33:17,324 ありがとう。 361 00:33:19,394 --> 00:33:24,394 何も役に立てなかった以上 礼を言われる覚えはない。 362 00:33:32,324 --> 00:33:34,324 すまぬ…。 363 00:33:35,260 --> 00:33:43,285 ♬~ 364 00:33:43,285 --> 00:33:45,285 (戸の開く音) 365 00:33:52,327 --> 00:33:54,327 歩け! 366 00:33:57,282 --> 00:33:59,234 早くしろ! 367 00:33:59,234 --> 00:34:02,337 《どこへ連れて行く気だ…》 368 00:34:02,337 --> 00:34:05,337 《まさか 処刑場!?》 369 00:37:01,266 --> 00:37:03,266 このにおいは…? 370 00:37:08,307 --> 00:37:10,307 台所? 371 00:37:18,166 --> 00:37:20,202 お市様…! 372 00:37:20,202 --> 00:37:24,222 ケン 薬となる料理を 作ってください。 373 00:37:24,222 --> 00:37:29,194 肉が嫌いな者に 肉を食べさせる料理です。 374 00:37:29,194 --> 00:37:31,196 はい。 375 00:37:31,196 --> 00:37:42,207 ♬~ 376 00:37:42,207 --> 00:37:45,210 包丁類が見当たりません。 377 00:37:45,210 --> 00:37:47,195 俺の包丁は? 378 00:37:47,195 --> 00:37:50,265 そなたは信用ならぬ。 379 00:37:50,265 --> 00:37:52,250 全て 手だけで作れ。 380 00:37:52,250 --> 00:37:54,250 手だけで!? 381 00:37:59,124 --> 00:38:02,244 さあ お市様 参りましょう。 382 00:38:02,244 --> 00:38:04,244 さあ こちらへ。 383 00:38:07,182 --> 00:38:10,202 作る相手は どんな方ですか? 384 00:38:10,202 --> 00:38:13,188 そのような事 聞く必要はない。 385 00:38:13,188 --> 00:38:15,257 さっさと作れ。 386 00:38:15,257 --> 00:38:17,209 いえ 必要です。 387 00:38:17,209 --> 00:38:20,195 料理は その人のために作るんです。 388 00:38:20,195 --> 00:38:24,316 その人の心を思い その人の心に寄り添い…。 389 00:38:24,316 --> 00:38:27,316 俺は料理をそうやって作ります。 390 00:38:29,287 --> 00:38:31,287 茶々です。 391 00:38:44,202 --> 00:38:46,188 茶々…。 392 00:38:46,188 --> 00:38:50,225 まだ幼い子供への料理…。 393 00:38:50,225 --> 00:38:53,178 何を作ればいい…? 394 00:38:53,178 --> 00:38:58,233 肉が嫌いな我が子に 肉を食べさせるための料理…。 395 00:38:58,233 --> 00:39:02,233 我が子を思う母の心…。 396 00:39:06,291 --> 00:39:09,291 そうか! あれだ! 397 00:39:12,164 --> 00:39:16,201 素材の構造と骨格を 理解出来ていれば→ 398 00:39:16,201 --> 00:39:18,220 手でもおろせるはずだ。 399 00:39:18,220 --> 00:39:33,318 ♬~ 400 00:39:33,318 --> 00:39:37,318 いざ 参らん! 戦国のキュイジーヌ! 401 00:39:40,308 --> 00:39:43,308 まずは 胸骨に沿って…。 402 00:39:46,264 --> 00:39:48,264 おー…! 403 00:39:49,267 --> 00:39:51,219 おおっ! 404 00:39:51,219 --> 00:39:54,189 胸肉を骨から外す。 405 00:39:54,189 --> 00:39:56,191 次は もも肉。 406 00:39:56,191 --> 00:39:58,226 (家臣たち)おおーっ! 407 00:39:58,226 --> 00:40:05,183 ♬~ 408 00:40:05,183 --> 00:40:09,187 《この課題をクリアすれば 解放されるのか?》 409 00:40:09,187 --> 00:40:13,391 《いや… そんなに甘くはないはずだ》 410 00:40:13,391 --> 00:40:17,391 《だが 今は この料理にかけるしかない!》 411 00:40:20,298 --> 00:40:22,298 お待たせしました。 412 00:40:25,153 --> 00:40:28,206 なんじゃ!? その鉄鍋は! 413 00:40:28,206 --> 00:40:30,208 無礼な…! 触るな! 414 00:40:30,208 --> 00:40:34,212 茶々様の前でしか 取る事は許されない。 415 00:40:34,212 --> 00:40:37,315 よい。 茶々の前へ。 416 00:40:37,315 --> 00:40:39,315 はっ。 417 00:40:59,271 --> 00:41:01,271 うわあ~! 418 00:41:07,295 --> 00:41:09,295 すご~い! 419 00:41:11,333 --> 00:41:13,333 おおっ これは…! 420 00:41:14,202 --> 00:41:16,154 戦国お子様ランチ。 421 00:41:16,154 --> 00:41:18,189 鴨肉の鉄板ハンバーグ→ 422 00:41:18,189 --> 00:41:20,342 むかごのフライと えんどう豆のソテー添え→ 423 00:41:20,342 --> 00:41:22,342 あんず味噌ソースでございます。 424 00:41:24,145 --> 00:41:26,214 湯気…? 425 00:41:26,214 --> 00:41:29,217 なんと香ばしい香り。 426 00:41:29,217 --> 00:41:31,319 まず 浅井様か お市様→ 427 00:41:31,319 --> 00:41:33,319 どちらかが お召し上がりください。 428 00:41:35,257 --> 00:41:38,257 では わたくしが。 429 00:41:52,307 --> 00:41:54,307 熱っ…。 430 00:42:00,198 --> 00:42:02,200 なんたる美味! 431 00:42:02,200 --> 00:42:06,237 お肉は 噛むまでもなく 口の中でほどけ→ 432 00:42:06,237 --> 00:42:10,275 口いっぱいに 肉の甘みが広がりまする。 433 00:42:10,275 --> 00:42:12,275 あっ あ~ん。 434 00:42:13,244 --> 00:42:15,297 茶々 食べるのですか? 435 00:42:15,297 --> 00:42:19,297 うん。 あっ あっ… あ~ん あ~ん。 436 00:42:30,245 --> 00:42:32,245 (茶々)早く 早く。 437 00:42:43,308 --> 00:42:46,308 美味 美味~! 438 00:42:48,296 --> 00:42:50,296 あ~ん。 439 00:42:56,304 --> 00:42:58,304 おいしい! 440 00:42:59,224 --> 00:43:03,178 茶々が吐き出さず 進んで口を…。 441 00:43:03,178 --> 00:43:05,196 なぜじゃ? 442 00:43:05,196 --> 00:43:08,149 小さなお子様には 食べる事よりも→ 443 00:43:08,149 --> 00:43:10,251 まず 料理そのものに→ 444 00:43:10,251 --> 00:43:13,221 興味を持ってもらわないと いけません。 445 00:43:13,221 --> 00:43:17,208 熱々の鉄板にのせて出す事で 迫力ある 湯気の動きを。 446 00:43:17,208 --> 00:43:20,295 付け合わせの色鮮やかさや 旗を立てるなどの工夫で→ 447 00:43:20,295 --> 00:43:22,295 視覚的な演出をします。 448 00:43:25,216 --> 00:43:29,137 そして 近しい人が食べて おいしそうな顔を見せる事で→ 449 00:43:29,137 --> 00:43:31,272 それを口にしたいと 思うようにします。 450 00:43:31,272 --> 00:43:33,272 なんたる美味! 451 00:43:37,212 --> 00:43:39,164 吐き出さなかった理由ですが→ 452 00:43:39,164 --> 00:43:43,251 肉の苦手な人は 大体 肉の臭みを理由にあげます。 453 00:43:43,251 --> 00:43:45,103 なので 臭みを消すために→ 454 00:43:45,103 --> 00:43:48,189 山ユリの根をすり下ろして 合わせてあります。 455 00:43:48,189 --> 00:43:52,210 ユリ科の植物に含まれる硫化物は 生臭さを消す効果があるのです。 456 00:43:52,210 --> 00:43:55,213 肉と合わせると より一層やわらかく→ 457 00:43:55,213 --> 00:43:57,098 歯ざわりのよいものになります。 458 00:43:57,098 --> 00:44:01,169 そして 鉄板は加熱温度が低いと 肉のにおいが強まるので→ 459 00:44:01,169 --> 00:44:05,306 熱々にし 肉の苦手な方でも 食べやすくなってます。 460 00:44:05,306 --> 00:44:08,306 そこまで考えていたのか…。 461 00:44:09,160 --> 00:44:15,233 ケン このハンバーグとやらは 薬になるのですか? 462 00:44:15,233 --> 00:44:17,202 はい。 ユリ根には→ 463 00:44:17,202 --> 00:44:19,204 カルシウム 食物繊維→ 464 00:44:19,204 --> 00:44:21,156 グルコマンナンが豊富。 465 00:44:21,156 --> 00:44:25,260 鴨肉には 目や皮膚の粘膜の維持に 効果的なビタミンA→ 466 00:44:25,260 --> 00:44:28,296 発育 成長を促進する ビタミンB2→ 467 00:44:28,296 --> 00:44:32,296 女性に不足しがちな鉄分が 多く含まれています。 468 00:44:34,285 --> 00:44:36,285 そうですか。 469 00:44:38,306 --> 00:44:41,176 茶々 たんとおあがり。 470 00:44:41,176 --> 00:44:51,319 ♬~ 471 00:44:51,319 --> 00:44:53,319 これも おいしい! 472 00:44:54,222 --> 00:44:58,309 《母親が 我が子の健康を願う気持ち…》 473 00:44:58,309 --> 00:45:01,309 《それは いつの時代も同じだ》 474 00:45:05,200 --> 00:45:08,153 どうもありがとう! 475 00:45:08,153 --> 00:45:11,172 〈茶々 この幼子が→ 476 00:45:11,172 --> 00:45:15,309 のちに 天下人 豊臣秀吉の側室となる→ 477 00:45:15,309 --> 00:45:17,309 淀殿である〉 478 00:45:18,212 --> 00:45:21,248 殿! 殿! 479 00:45:21,248 --> 00:45:24,248 朝倉殿 大依山へ到着なされました! 480 00:45:26,187 --> 00:45:28,205 よし…。 481 00:45:28,205 --> 00:45:30,207 皆の者 出陣じゃ! 482 00:45:30,207 --> 00:45:32,226 (家臣たち)はっ! 483 00:45:32,226 --> 00:45:35,196 殿 この者は? 484 00:45:35,196 --> 00:45:38,199 今一度 牢へ。 485 00:45:38,199 --> 00:45:42,203 その者は これより先 茶々の料理人として召し抱える。 486 00:45:42,203 --> 00:45:44,338 はっ。 487 00:45:44,338 --> 00:45:46,338 さあ 立て! 488 00:45:49,293 --> 00:45:51,293 長政様…! 489 00:45:53,247 --> 00:45:56,200 そのような顔をするな 市。 490 00:45:56,200 --> 00:45:58,302 心配無用。 491 00:45:58,302 --> 00:46:02,302 このような時こそ 平時のように暮らせ。 492 00:46:05,226 --> 00:46:11,232 ♬~ 493 00:46:11,232 --> 00:46:13,183 〈浅井軍は→ 494 00:46:13,183 --> 00:46:16,287 朝倉軍の援軍と 合流するため→ 495 00:46:16,287 --> 00:46:19,287 大依山に進軍した〉 496 00:46:24,311 --> 00:46:28,311 大依山に明かりを見たと? (楓)はい。 497 00:46:31,201 --> 00:46:34,138 朝倉の援軍が 到着したと思われます。 498 00:46:34,138 --> 00:46:43,163 ♬~ 499 00:46:43,163 --> 00:46:46,200 長政が来るか…。 500 00:46:46,200 --> 00:46:56,210 ♬~ 501 00:46:56,210 --> 00:46:59,213 討ち取ってくれるわ! 502 00:46:59,213 --> 00:47:25,222 ♬~ 503 00:47:25,222 --> 00:47:27,274 なんだよ…。 504 00:47:27,274 --> 00:47:29,274 今度は 殺されたって行くからな! 505 00:47:33,213 --> 00:47:35,165 戦が始まるんだ。 506 00:47:35,165 --> 00:47:38,319 グズグズしてたら ケンは殺されちまう! 507 00:47:38,319 --> 00:47:40,319 どけ…! 508 00:47:41,205 --> 00:47:44,208 お前は ここにいろ。 509 00:47:44,208 --> 00:47:48,195 お前の大切な男 連れて帰る。 510 00:47:48,195 --> 00:47:57,187 ♬~ 511 00:47:57,187 --> 00:48:00,140 〈浅井・朝倉連合軍と→ 512 00:48:00,140 --> 00:48:03,243 織田・徳川連合軍の戦が→ 513 00:48:03,243 --> 00:48:06,230 始まろうとしていた〉 514 00:48:06,230 --> 00:48:09,266 〈両軍が向かう決戦の場は→ 515 00:48:09,266 --> 00:48:12,266 姉川〉 516 00:48:18,142 --> 00:48:22,312 茶々の料理人就任の事で 話があります。 517 00:48:22,312 --> 00:48:25,312 下がりなさい。 はっ。 518 00:48:30,204 --> 00:48:35,259 お市様 俺は 茶々様の料理人にはなれません。 519 00:48:35,259 --> 00:48:40,297 信長様のもとに 帰らないといけないんです。 520 00:48:40,297 --> 00:48:44,297 俺は 信長様のシェフなんです! 521 00:48:55,195 --> 00:48:59,166 ケン これを使って わたくしを盾にして逃げなさい。 522 00:48:59,166 --> 00:49:01,318 えっ…!? 523 00:49:01,318 --> 00:49:03,318 早くなさい! 524 00:49:04,304 --> 00:49:06,304 何をする! 525 00:49:07,341 --> 00:49:10,341 お市様…! 来るな! 526 00:49:11,211 --> 00:49:13,197 動くな! 527 00:49:13,197 --> 00:49:15,182 お前たちは ここを出るな。 528 00:49:15,182 --> 00:49:19,253 一歩でも出たら お市様の命はない! 529 00:49:19,253 --> 00:49:21,253 来るでない! 530 00:49:25,192 --> 00:49:27,294 待て! 来るな! 531 00:49:27,294 --> 00:49:29,294 本当に刺すぞ! 532 00:49:34,301 --> 00:49:36,301 こちらです。 533 00:49:42,159 --> 00:49:44,294 あの…。 534 00:49:44,294 --> 00:49:47,294 これ ありがとうございました。 535 00:49:53,203 --> 00:49:56,290 あなたには…→ 536 00:49:56,290 --> 00:49:59,290 こちらの方が必要ですね。 537 00:50:00,344 --> 00:50:02,344 ありがとうございます。 538 00:50:08,202 --> 00:50:12,206 ここまで来れば もう大丈夫です。 539 00:50:12,206 --> 00:50:15,342 さあ お行きなさい。 540 00:50:15,342 --> 00:50:20,342 お市様… なぜ 俺を逃がしてくれるんですか? 541 00:50:22,199 --> 00:50:28,222 わたくしには ハンバーグの説明が 半分もわかりませんでした。 542 00:50:28,222 --> 00:50:30,374 えっ? 543 00:50:30,374 --> 00:50:34,374 理解出来ぬというのは つらいものですよ。 544 00:50:36,263 --> 00:50:41,263 長政様は 兄上の事を 本当に慕っておいででした。 545 00:50:42,186 --> 00:50:44,204 (長政)お市殿! 546 00:50:44,204 --> 00:50:46,206 そなたの兄上は 本当にすごい! 547 00:50:46,206 --> 00:50:49,259 あのような考え方をなさる武将は 他にはいまい。 548 00:50:49,259 --> 00:50:53,263 この長政の「長」の字は 信長殿より頂いたものじゃ。 549 00:50:53,263 --> 00:50:57,263 私は あの方と共に 天下統一を果たしてみせるぞ! 550 00:50:58,202 --> 00:51:01,288 でも 長政様は 兄上と接するうちに→ 551 00:51:01,288 --> 00:51:06,288 少しずつ 兄上が理解出来なくなり 不安になっていかれた…。 552 00:51:08,295 --> 00:51:13,295 朝廷から与えられた地位に なんの意味がある。 553 00:51:14,201 --> 00:51:17,287 天下とは…→ 554 00:51:17,287 --> 00:51:20,287 もっと先にあるものじゃ。 555 00:51:22,159 --> 00:51:27,314 (お市)理解出来ぬという不安は 心を揺らし 蝕み…→ 556 00:51:27,314 --> 00:51:30,314 やがて不信となる。 557 00:51:32,169 --> 00:51:35,172 それでも 長政様は→ 558 00:51:35,172 --> 00:51:39,343 兄上と共に戦う事を 誓っておりました。 559 00:51:39,343 --> 00:51:44,343 しかし 兄上は 長政様との約束を破った…。 560 00:51:45,182 --> 00:51:49,169 織田信長様 3万の兵を率い 越前 朝倉へ進軍! 561 00:51:49,169 --> 00:51:51,338 殿…! 562 00:51:51,338 --> 00:51:54,338 そんなはずはない…。 何かの間違いじゃ! 563 00:51:55,209 --> 00:52:01,231 わたくしには 長政様のお気持ちが 痛いほど わかります。 564 00:52:01,231 --> 00:52:04,284 信長様も 長政殿の裏切りを→ 565 00:52:04,284 --> 00:52:07,284 最初は 信じようとなさいませんでした。 566 00:52:10,190 --> 00:52:12,192 (秀吉)長政殿が反旗を!? 567 00:52:12,192 --> 00:52:15,195 何かの間違いに 相違ございません! 568 00:52:15,195 --> 00:52:19,249 これから攻め入る 朝倉家と浅井家は→ 569 00:52:19,249 --> 00:52:22,202 父祖の代から懇意の間柄。 570 00:52:22,202 --> 00:52:27,190 もしも 浅井殿が そちらの旧恩を重視したならば…。 571 00:52:27,190 --> 00:52:30,377 朝倉方の仕組んだ策であろう。 572 00:52:30,377 --> 00:52:32,377 長政ではないわ。 573 00:52:33,163 --> 00:52:38,201 信長様も 長政殿を信じて 大切に思っていたのでしょう。 574 00:52:38,201 --> 00:52:43,206 だから 朝倉と自分との 板挟みにならないように→ 575 00:52:43,206 --> 00:52:46,293 何も知らせなかったのかも しれません。 576 00:52:46,293 --> 00:52:52,293 互いの心が すれ違ってしまったのですね…。 577 00:52:54,217 --> 00:53:13,203 ♬~ 578 00:53:13,203 --> 00:53:32,189 ♬~ 579 00:53:32,189 --> 00:53:36,209 〈時は 流れる川のように…〉 580 00:53:36,209 --> 00:53:40,314 〈それは とどまる事がない〉 581 00:53:40,314 --> 00:53:45,314 〈2人を分かつ川の名は 姉川〉 582 00:53:48,205 --> 00:53:51,208 ただ ひと言…。 583 00:53:51,208 --> 00:53:56,396 共に来いと ただ ひと言 言ってくだされば→ 584 00:53:56,396 --> 00:53:58,396 信じられた! 585 00:54:03,270 --> 00:54:07,270 長政… なぜ わからぬ!? 586 00:54:08,208 --> 00:54:10,160 〈この姉川には→ 587 00:54:10,160 --> 00:54:13,296 閻魔大王の姉が住むという〉 588 00:54:13,296 --> 00:54:21,296 ♬~ 589 00:54:22,205 --> 00:54:25,292 この数日 そなたと共に過ごして→ 590 00:54:25,292 --> 00:54:29,292 兄上が何故 裁量を与えたのか わかりました。 591 00:54:32,299 --> 00:54:35,299 兄上と同じ言の葉を持つ者よ。 592 00:54:38,221 --> 00:54:42,309 そなたが兄上のそばにいてくれて よかった…。 593 00:54:42,309 --> 00:54:47,309 兄上は あれで寂しがり屋なのです。 594 00:54:48,165 --> 00:54:52,202 兄上の事 よろしくお願いします。 595 00:54:52,202 --> 00:54:58,208 ♬~ 596 00:54:58,208 --> 00:55:00,210 さあ お行きなさい。 597 00:55:00,210 --> 00:55:03,296 お市様… この次 お会いした時は→ 598 00:55:03,296 --> 00:55:07,296 ちゃんとハンバーグの作り方 教えますから。 599 00:55:12,305 --> 00:55:15,305 次があれば…。 600 00:55:16,159 --> 00:55:21,131 〈この戦国一の美女と称された お市の方が→ 601 00:55:21,131 --> 00:55:26,186 その波乱に満ちた生涯を 閉じるのは→ 602 00:55:26,186 --> 00:55:30,207 この13年後の事である〉 603 00:55:30,207 --> 00:55:33,176 〈享年37〉 604 00:55:33,176 --> 00:55:37,180 〈ハンバーグの作り方を 学んだか否かは→ 605 00:55:37,180 --> 00:55:39,249 定かではない〉 606 00:55:39,249 --> 00:55:52,212 ♬~ 607 00:55:52,212 --> 00:55:54,231 お館様 兜を! 608 00:55:54,231 --> 00:55:56,166 いらん。 609 00:55:56,166 --> 00:56:01,204 ♬~ 610 00:56:01,204 --> 00:56:10,213 ♬~ 611 00:56:10,213 --> 00:56:13,300 あの川伝いに行けばいいのかな。 612 00:56:13,300 --> 00:56:19,300 ♬~ 613 00:56:22,275 --> 00:56:27,275 ♬~ 614 00:59:01,117 --> 00:59:03,153 たっぷり食わしてやるがいい! 615 00:59:03,153 --> 00:59:05,188 敵に料理を作れと!? 616 00:59:05,188 --> 00:59:07,173 この焼肉のにおいを 届けるんです。 617 00:59:07,173 --> 00:59:09,175 (顕如)この石山本願寺は落ちぬ! 618 00:59:09,175 --> 00:59:12,278 お前が私のそばにいる限りな! 619 00:59:12,278 --> 00:59:14,278 こんな戦 終わらせてやる…。 俺の料理で!