1 00:00:33,159 --> 00:00:35,144 〈平成のフレンチシェフが→ 2 00:00:35,144 --> 00:00:40,149 ある日突然 戦国時代にタイムスリップし→ 3 00:00:40,149 --> 00:00:45,154 あろう事か 織田信長の料理人となった〉 4 00:00:45,154 --> 00:00:49,142 〈これは その料理人が 平成グルメで戦国を生き抜く→ 5 00:00:49,142 --> 00:00:52,142 壮絶な物語である〉 6 00:00:55,148 --> 00:00:57,148 (武田信玄)松永。 7 00:00:59,152 --> 00:01:03,172 比叡山での 信長の悪行→ 8 00:01:03,172 --> 00:01:06,172 己の目で見たのか? 9 00:01:07,143 --> 00:01:09,145 いいえ。 10 00:01:09,145 --> 00:01:11,147 (信玄)勝頼。 11 00:01:11,147 --> 00:01:14,150 怒りや憤りで戦を行うは→ 12 00:01:14,150 --> 00:01:16,152 愚の骨頂ぞ。 13 00:01:16,152 --> 00:01:18,154 比叡山の 焼き討ちは→ 14 00:01:18,154 --> 00:01:22,141 わしをおびき出す算段。 15 00:01:22,141 --> 00:01:28,147 応じて動けば 信長の術中にはまるだけ。 16 00:01:28,147 --> 00:01:30,149 おびき出す? 17 00:01:30,149 --> 00:01:33,149 信長は 利のない事はせぬ男よ。 18 00:01:35,154 --> 00:01:37,156 (鷹の鳴き声) 19 00:01:37,156 --> 00:01:43,145 ♬~ 20 00:01:43,145 --> 00:01:47,166 まずは 赤身肉の脂部分を 取り除いてから薄切りにします。 21 00:01:47,166 --> 00:01:53,155 この肉に 塩 味噌の上澄み 酒を よくもみ込み しばらく漬けます。 22 00:01:53,155 --> 00:01:55,141 そして 串に→ 23 00:01:55,141 --> 00:01:59,141 肉を このように差し込んで…。 24 00:02:02,148 --> 00:02:06,152 これで 家の中の高い場所にかけて 陰干しすれば→ 25 00:02:06,152 --> 00:02:09,138 十日ほどで 干し肉ジャーキーの完成です。 26 00:02:09,138 --> 00:02:11,157 じゃ… じゃっきー? 27 00:02:11,157 --> 00:02:14,143 ケンさんよ それ 塩漬けとは違うんか? 28 00:02:14,143 --> 00:02:17,146 違います。 こうやって干す事によって→ 29 00:02:17,146 --> 00:02:20,149 肉に含まれる酵素が活性化し→ 30 00:02:20,149 --> 00:02:24,153 グルタミン酸やイノシン酸などの 旨味成分が増えるんです。 31 00:02:24,153 --> 00:02:27,156 (夏)い… いのししさん…? 32 00:02:27,156 --> 00:02:30,142 …もういいや。 これが完成品だってよ。 33 00:02:30,142 --> 00:02:32,142 ほら 食ってみろ。 34 00:02:36,148 --> 00:02:39,151 ああ うめえ~! 35 00:02:39,151 --> 00:02:42,154 噛めば噛むほど 味がわき出してくるぞ! 36 00:02:42,154 --> 00:02:44,156 出来上がったら お館様が→ 37 00:02:44,156 --> 00:02:47,143 兵糧として 買い上げてくれるんだってよ。 38 00:02:47,143 --> 00:02:49,145 畑仕事が出来ない時期には ちょうどいいな。 39 00:02:49,145 --> 00:02:52,148 よし いっちょやってみるか! おお! 40 00:02:52,148 --> 00:02:54,166 いつもいつも ありがとうよ。 41 00:02:54,166 --> 00:02:56,168 堆肥も ケンさんの言うとおりに やったら→ 42 00:02:56,168 --> 00:02:58,204 豊作になったしな! ああ そうだ そうだ! 43 00:02:58,204 --> 00:03:00,204 みんなで美味しいジャーキー 作りましょう! 44 00:03:01,140 --> 00:03:05,144 (信玄)今 我らの背後には 上杉 そして北条がおる。 45 00:03:05,144 --> 00:03:10,149 その敵を背にして 織田と満足に戦えるか? 46 00:03:10,149 --> 00:03:14,153 しかし 今ならば 浅井・朝倉連合軍→ 47 00:03:14,153 --> 00:03:19,158 そして 顕如殿率いる 石山本願寺とともに→ 48 00:03:19,158 --> 00:03:22,128 織田を包囲出来まするぞ。 49 00:03:22,128 --> 00:03:25,147 何より 将軍も→ 50 00:03:25,147 --> 00:03:29,135 信玄様の挙兵を願っております。 51 00:03:29,135 --> 00:03:33,172 その包囲網の指揮は誰が執る? 52 00:03:33,172 --> 00:03:39,172 それぞれが 別の思惑で動く軍など 目をつぶって碁を打つも同じ! 53 00:03:41,147 --> 00:03:45,147 信長は戦を欲しておる。 54 00:03:46,202 --> 00:03:52,202 あやつにとって この包囲網を破れるのは…。 55 00:03:54,143 --> 00:03:56,143 戦のみ。 56 00:03:57,163 --> 00:04:01,150 《一手も二手も 先を読んでおるな》 57 00:04:01,150 --> 00:04:04,170 《さすがは甲斐の虎 武田信玄》 58 00:04:04,170 --> 00:04:07,170 《信長の策には はまらぬか…》 59 00:04:08,124 --> 00:04:12,161 風林火山 今は山。 60 00:04:12,161 --> 00:04:16,148 包囲の中に あやつを閉じ込め→ 61 00:04:16,148 --> 00:04:20,169 逃さぬ事が最上の策。 62 00:04:20,169 --> 00:04:23,172 機が熟せば 一気に動く。 63 00:04:23,172 --> 00:04:26,172 風の如く。 64 00:04:28,160 --> 00:04:32,160 《こうなれば 梃子でも動かんじゃろうな》 65 00:04:34,183 --> 00:04:36,152 わかり申した。 66 00:04:36,152 --> 00:04:40,152 さよう 将軍様にお伝え致しましょう。 67 00:04:41,140 --> 00:04:44,176 はあ~ やれやれ。 68 00:04:44,176 --> 00:04:50,176 あの将軍様を なだめすかすのが 一番の骨じゃわい。 69 00:04:51,150 --> 00:04:54,150 (信玄)松永。 ははっ! 70 00:04:56,172 --> 00:05:00,159 顕如殿の書状にあったのだが→ 71 00:05:00,159 --> 00:05:03,145 信長に 妙な料理人がおるそうじゃな。 72 00:05:03,145 --> 00:05:06,148 あっ… ケンの事でございますな。 73 00:05:06,148 --> 00:05:08,150 ケン? 74 00:05:08,150 --> 00:05:11,153 奇天烈なる料理を作り→ 75 00:05:11,153 --> 00:05:14,173 織田信長の寵愛を受けている→ 76 00:05:14,173 --> 00:05:17,173 摩訶不思議なる男でございます。 77 00:05:19,145 --> 00:05:25,145 (信玄)その男… おぬしなら どうする? 78 00:05:26,152 --> 00:05:29,155 さあ…。 79 00:05:29,155 --> 00:05:32,141 信玄様にとりましては→ 80 00:05:32,141 --> 00:05:38,141 生かしておいては ためにならぬ男でございましょう。 81 00:05:41,150 --> 00:05:50,159 では わしは 織田様の 手の中の虫に戻りますゆえ。 82 00:05:50,159 --> 00:05:52,159 ご免。 83 00:05:58,150 --> 00:06:01,150 虫とは また謙虚な事で…。 84 00:06:02,154 --> 00:06:05,124 勝頼。 85 00:06:05,124 --> 00:06:11,124 松永久秀… あの男を侮ってはならん。 86 00:06:12,148 --> 00:06:17,169 虫は虫でも 臓腑を食い荒らし→ 87 00:06:17,169 --> 00:06:22,158 獅子をも倒す…→ 88 00:06:22,158 --> 00:06:24,158 虫じゃ。 89 00:06:26,145 --> 00:06:31,150 (松永)《老い衰えていくわしには 時間がない》 90 00:06:31,150 --> 00:06:36,155 《信玄が動くのを 待つわけにはいかぬ》 91 00:06:36,155 --> 00:06:39,141 この松永久秀が→ 92 00:06:39,141 --> 00:06:42,127 戦乱の世を さらにかき乱し→ 93 00:06:42,127 --> 00:06:48,127 信長の首を取り 天下を我がものにするのじゃ…! 94 00:06:54,139 --> 00:06:58,143 (信玄)秋山 調べるのじゃ。 95 00:06:58,143 --> 00:07:02,143 信長の料理人 ケンとやらを。 96 00:07:03,165 --> 00:07:05,165 御意! 97 00:07:25,187 --> 00:07:27,139 夏さん どうしたの? 98 00:07:27,139 --> 00:07:29,158 うん…。 99 00:07:29,158 --> 00:07:33,158 ここんとこ ずっと 誰かに見られてるような気がして。 100 00:07:34,163 --> 00:07:36,148 どういう事? 101 00:07:36,148 --> 00:07:40,269 いいんだ いいんだ ごめん。 ただの気のせいだよな。 102 00:07:40,269 --> 00:08:04,269 ♬~ 103 00:08:12,134 --> 00:08:16,134 ジャーキーと里芋の パルマンティエ風でございます。 104 00:08:30,169 --> 00:08:35,124 うん… 干し肉か。 105 00:08:35,124 --> 00:08:37,124 噛むほどに旨味が広がる。 106 00:08:39,128 --> 00:08:42,128 信長様 謀反にございます。 107 00:08:43,148 --> 00:08:46,168 謀反って…。 108 00:08:46,168 --> 00:08:49,168 まさか 明智光秀? 109 00:08:50,172 --> 00:08:54,172 松永久秀殿は 三好義継と手を組み 逆軍の兵を挙げた模様。 110 00:08:55,144 --> 00:08:57,162 松永さんが…? 111 00:08:57,162 --> 00:08:59,162 河内か。 112 00:09:00,149 --> 00:09:03,149 はい。 松永めが! 113 00:09:05,154 --> 00:09:08,154 柴田 佐久間 酒井を向かわせろ! (家臣たち)はっ! 114 00:09:10,142 --> 00:09:14,146 松永って… あのじいちゃん 裏切ったのか? 115 00:09:14,146 --> 00:09:18,146 ああ そうみたいだ。 116 00:09:21,153 --> 00:09:24,156 〈元亀三年 松永久秀は→ 117 00:09:24,156 --> 00:09:28,156 河内の織田方 畠山氏の居城を攻撃した〉 118 00:09:29,161 --> 00:09:34,166 〈しかし 信長が 即座に救援軍を差し向けたため→ 119 00:09:34,166 --> 00:09:36,151 敗走を余儀なくされ→ 120 00:09:36,151 --> 00:09:39,151 大和の信貴山城に立てこもった〉 121 00:09:41,156 --> 00:09:47,146 もう 殿は 織田方についたり 将軍についたりと お忙しい事。 122 00:09:47,146 --> 00:09:50,146 一体 どなたの お味方なのかしら? 123 00:09:57,156 --> 00:10:02,144 あんまり おしゃべりが過ぎると→ 124 00:10:02,144 --> 00:10:07,144 かわいい口が裂ける事になるぞ。 125 00:10:08,167 --> 00:10:10,152 (女)キャッ! いやっ! 126 00:10:10,152 --> 00:10:13,152 誰の味方じゃと? 127 00:10:16,191 --> 00:10:22,147 わしは わしだけの味方よ。 128 00:10:22,147 --> 00:10:27,147 さあ… 武田信玄! 129 00:10:29,154 --> 00:10:32,174 動け~!! 130 00:10:32,174 --> 00:10:37,162 この世よ さらに荒れ狂え! 131 00:10:37,162 --> 00:10:46,162 このわしに 天下を狙える好機を与えよー!! 132 00:10:51,143 --> 00:10:56,131 (信玄)信長の料理人について 調べはついたか? 133 00:10:56,131 --> 00:10:59,151 はっ。 噂どおり→ 134 00:10:59,151 --> 00:11:02,151 尋常ならざる料理を作る 男のようでございます。 135 00:11:03,155 --> 00:11:07,142 しかし 伊勢攻略 姉川の戦いなどに→ 136 00:11:07,142 --> 00:11:11,146 その料理人が 関わっていたなどという話は→ 137 00:11:11,146 --> 00:11:13,146 あまりに荒唐無稽かと。 138 00:11:14,149 --> 00:11:19,149 勝頼! 失望させてくれるな! 139 00:11:21,156 --> 00:11:24,143 戦の勢いは正法のみにあらず。 140 00:11:24,143 --> 00:11:27,143 荒唐無稽という言葉で 片付けてよいものではない。 141 00:11:31,166 --> 00:11:36,171 秋山 おぬしに やってもらいたい事がある。 142 00:11:36,171 --> 00:11:38,173 なんなりと。 143 00:11:38,173 --> 00:11:42,161 その信長の料理人を始末しろ。 144 00:11:42,161 --> 00:11:57,161 ♬~ 145 00:12:06,151 --> 00:12:08,153 お前が料理人のケンか? 146 00:12:08,153 --> 00:12:10,172 《なんなんだ こいつら…》 147 00:12:10,172 --> 00:12:12,140 《ケンを どうしようっていうんだ?》 148 00:12:12,140 --> 00:12:14,140 (間者)答えろ。 149 00:12:15,143 --> 00:12:19,131 そうだ。 俺がケンだ! 150 00:12:19,131 --> 00:12:21,131 (井上恭之介)ん…? 151 00:12:22,150 --> 00:12:24,150 (井上)ケンがどうしたって? 152 00:12:25,137 --> 00:12:27,172 なんだ ありゃ。 153 00:12:27,172 --> 00:12:29,172 まあ いいか。 154 00:12:36,164 --> 00:12:41,164 井上さん こんなところで寝ちゃ駄目ですよ。 155 00:12:42,354 --> 00:12:46,141 おっ ケン。 おぬし 無事だったか。 156 00:12:46,141 --> 00:12:49,141 ああ よかった よかった。 157 00:12:51,146 --> 00:12:56,146 あれ? あの声は夏だったか? 158 00:13:02,124 --> 00:13:04,124 夏さん…。 159 00:13:11,149 --> 00:13:13,149 この者がケンか? はっ。 160 00:13:14,152 --> 00:13:17,172 話に聞いていた風体とは違うな。 161 00:13:17,172 --> 00:13:20,158 (間者)自ら名乗りました。 (秋山)そうか。 162 00:13:20,158 --> 00:13:22,144 急げ! はっ! 163 00:13:22,144 --> 00:13:30,152 ♬~ 164 00:13:30,152 --> 00:13:32,154 《夏さん…》 165 00:13:32,154 --> 00:13:36,158 《夏さんは 俺を守るために 身代わりになったのか?》 166 00:13:36,158 --> 00:13:46,151 ♬~ 167 00:13:46,151 --> 00:13:48,151 うわっ! 168 00:13:52,157 --> 00:13:54,157 夏さん! 169 00:13:57,145 --> 00:13:59,164 夏さんを返せ! 170 00:13:59,164 --> 00:14:01,164 (秋山)夏? 171 00:14:07,155 --> 00:14:09,141 何者だ? おぬし。 俺がケンだ! 172 00:14:09,141 --> 00:14:11,141 何? 173 00:14:14,146 --> 00:14:16,146 うっ…! 174 00:14:18,150 --> 00:14:21,150 (雷鳴) 175 00:14:24,156 --> 00:14:26,156 (雷鳴) 176 00:17:10,105 --> 00:17:12,157 (濃姫)夏とやらが連れ去られ→ 177 00:17:12,157 --> 00:17:15,157 ケンの姿も消えたと 言うのじゃな? 178 00:17:16,144 --> 00:17:18,146 (雷鳴) 179 00:17:18,146 --> 00:17:21,146 はい。 狙いはケンだったようです。 180 00:17:23,168 --> 00:17:26,171 お殿様 どうなされますか? 181 00:17:26,171 --> 00:17:31,143 大切なケンを 放っておかれますか? 182 00:17:31,143 --> 00:17:35,143 (雷鳴) 183 00:17:44,156 --> 00:17:47,159 (秋山)《なぜ 大お館様は 武器を持たぬ→ 184 00:17:47,159 --> 00:17:50,278 このような 一介の料理人を気になさる?》 185 00:17:50,278 --> 00:17:53,278 《織田信長の料理人だからか?》 186 00:17:54,149 --> 00:17:57,135 フフフ… 実に意外じゃ。 187 00:17:57,135 --> 00:17:59,154 武田家臣団の中で→ 188 00:17:59,154 --> 00:18:01,156 猛牛と異名を 取るおぬしが→ 189 00:18:01,156 --> 00:18:03,141 他の家臣たちの反対を押し切り→ 190 00:18:03,141 --> 00:18:08,146 うちの奇妙丸と 武田家の松姫との 縁組を推したと聞いた。 191 00:18:08,146 --> 00:18:12,167 いかにも おっしゃるとおりでございます。 192 00:18:12,167 --> 00:18:15,153 両家の同盟強化を 図るためでございますれば…。 193 00:18:15,153 --> 00:18:19,140 裏書か? それがなければ→ 194 00:18:19,140 --> 00:18:23,161 わしが信玄殿を裏切ると 思っておるのか? 195 00:18:23,161 --> 00:18:28,149 〈この時 秋山信友が 縁組を推し進めたのは→ 196 00:18:28,149 --> 00:18:32,137 信長が信玄を裏切らぬように→ 197 00:18:32,137 --> 00:18:36,141 裏書 今で言う保証を 得るためであった〉 198 00:18:36,141 --> 00:18:39,160 おぬしは主君思いの男よのう。 199 00:18:39,160 --> 00:18:43,148 ハハハハハ…! 200 00:18:43,148 --> 00:18:46,134 (秋山) 〈そして あの男 織田信長は→ 201 00:18:46,134 --> 00:18:48,134 自ら甲斐に乗り込んできた〉 202 00:18:50,155 --> 00:18:55,160 遠路はるばる よくお越しくださった。 203 00:18:55,160 --> 00:18:59,164 うちの奇妙丸が そちらの姫を頂く以上→ 204 00:18:59,164 --> 00:19:02,150 ごあいさつに伺うのは 至極当然の事。 205 00:19:02,150 --> 00:19:05,170 それに 一度→ 206 00:19:05,170 --> 00:19:09,140 甲斐の虎殿のご尊顔を 拝見したいと思いましてな。 207 00:19:09,140 --> 00:19:12,143 ほう。 こちらをお納めください。 208 00:19:12,143 --> 00:19:15,143 結納の品にございます。 209 00:19:18,149 --> 00:19:20,151 信玄殿は金を使い→ 210 00:19:20,151 --> 00:19:23,151 貨幣の制度を整えておられると 聞き申した。 211 00:19:25,156 --> 00:19:30,156 わずかばかりだが こちらもお使いくだされ。 212 00:19:33,148 --> 00:19:37,135 フフフ…。 213 00:19:37,135 --> 00:19:41,156 ハハハハハ…! 214 00:19:41,156 --> 00:19:43,141 (秋山)〈あの時に思った〉 215 00:19:43,141 --> 00:19:47,128 〈この同盟は長くは続かぬと〉 216 00:19:47,128 --> 00:19:52,150 〈大お館様 武田信玄が 雄大な大地を思わせるのに対し→ 217 00:19:52,150 --> 00:19:58,156 あの男 織田信長は 天をも焦がさんばかりの炎だ〉 218 00:19:58,156 --> 00:20:00,141 〈相いれるわけがない〉 219 00:20:00,141 --> 00:20:04,162 《わしは この料理人を殺さねばならぬ》 220 00:20:04,162 --> 00:20:06,197 《しかし 信長は→ 221 00:20:06,197 --> 00:20:09,150 なぜ この男を 傍らに置いているのだ?》 222 00:20:09,150 --> 00:20:14,150 《大お館様までもが なぜ この男を気にかけるのだ?》 223 00:20:15,173 --> 00:20:18,143 ケンをどうなされますか? 224 00:20:18,143 --> 00:20:21,196 近く 岐阜の周りで 動きがあった軍は? 225 00:20:21,196 --> 00:20:23,164 東美濃に武田軍。 226 00:20:23,164 --> 00:20:26,868 その本隊から 秋山信友が離れたようです。 227 00:20:26,868 --> 00:20:31,156 (濃姫)武田の手の者に さらわれたとあっては→ 228 00:20:31,156 --> 00:20:34,156 もはや 生きてはおりますまい。 229 00:20:35,126 --> 00:20:40,148 秋山信友か。 あやつは才覚ある男じゃ。 230 00:20:40,148 --> 00:20:46,148 もし 相手が秋山であったなら ケンは己の価値を示せばよい。 231 00:20:49,157 --> 00:20:51,142 なるほど。 232 00:20:51,142 --> 00:20:56,142 才覚ある男ゆえ ケンの価値を認めれば…。 233 00:21:06,141 --> 00:21:08,159 夏さん! 234 00:21:08,159 --> 00:21:11,159 気づいたか。 下ろせ。 はっ! 235 00:21:14,149 --> 00:21:16,149 秋山様…。 236 00:21:17,152 --> 00:21:19,154 (秋山)最後の言葉を聞いておこう。 237 00:21:19,154 --> 00:21:21,172 誰なんだ? あんたたちは。 238 00:21:21,172 --> 00:21:24,172 武田の 秋山信友。 239 00:21:25,160 --> 00:21:27,162 武田…? 240 00:21:27,162 --> 00:21:30,165 《武田って 武田信玄の家来か?》 241 00:21:30,165 --> 00:21:34,169 《俺は殺されるのか? こんなとこで死ぬのか?》 242 00:21:34,169 --> 00:21:39,140 《いや 待て。 殺すなら もっと早く殺していたはずだ》 243 00:21:39,140 --> 00:21:42,140 《この人は なぜ 今まで 俺を殺さなかったんだ?》 244 00:21:49,150 --> 00:21:51,152 《なぜ迷うんだ?》 245 00:21:51,152 --> 00:21:54,155 《俺が料理人だという事は 知っているはずだ》 246 00:21:54,155 --> 00:21:57,155 《ならば 迷いの元は 俺の料理だ》 247 00:21:58,159 --> 00:22:02,147 料理を…! 俺に料理を作らせてください。 248 00:22:02,147 --> 00:22:04,149 何? 249 00:22:04,149 --> 00:22:08,153 《今はこれしかない。 夏さんを助けるには これしか…》 250 00:22:08,153 --> 00:22:11,156 あなたたちが望むものを 俺は作れます。 251 00:22:11,156 --> 00:22:14,156 なんだと? 何を くだらぬ事を! 252 00:22:15,160 --> 00:22:19,130 いや よいだろう。 253 00:22:19,130 --> 00:22:23,151 わしの望むものを作ってみよ。 秋山様…。 254 00:22:23,151 --> 00:22:26,151 縄をほどいてやれ。 はっ。 255 00:22:27,222 --> 00:22:29,222 干飯と塩だけか。 256 00:22:36,164 --> 00:22:40,164 逃げるなよ。 逃げれば 連れの者の首をはねるぞ。 257 00:22:41,169 --> 00:22:45,169 俺は逃げたりしない。 彼女に指一本触れるな! 258 00:22:46,124 --> 00:22:50,161 彼女? こいつ 女子だったのか。 259 00:22:50,161 --> 00:22:52,161 (家臣) 道理で やわらかいと思った。 260 00:22:54,149 --> 00:22:57,202 《このままでは 夏さんが殺されてしまう》 261 00:22:57,202 --> 00:23:00,155 《なんとかしなければ…》 262 00:23:00,155 --> 00:23:06,144 《考えろ 何を作ればいい? 何が望みだ?》 263 00:23:06,144 --> 00:23:10,148 《武田信玄は 確か病死するはずだ》 264 00:23:10,148 --> 00:23:12,148 《ならば 望まれるのは あれしかない!》 265 00:23:13,151 --> 00:23:16,154 いざ 参らん! 戦国のキュイジーヌ! 266 00:23:16,154 --> 00:23:37,158 ♬~ 267 00:23:37,158 --> 00:23:39,158 お待たせしました。 268 00:23:40,144 --> 00:23:42,146 中華風…→ 269 00:23:42,146 --> 00:23:45,146 明風・水芹と蛙の粥です。 270 00:23:47,168 --> 00:23:50,138 ほう… 明風とは? 271 00:23:50,138 --> 00:23:52,156 はい。 我が国の粥とは違い→ 272 00:23:52,156 --> 00:23:56,144 米を砕いて作るので 消化に負担がなく→ 273 00:23:56,144 --> 00:23:59,147 さらに 体に優しい食べ物に なっております。 274 00:23:59,147 --> 00:24:14,145 ♬~ 275 00:24:14,145 --> 00:24:16,164 なるほど。 276 00:24:16,164 --> 00:24:19,164 なんとも滋味深い味じゃ…。 277 00:24:20,151 --> 00:24:22,170 腸に染みる。 278 00:24:22,170 --> 00:24:26,157 芹には 血圧を下げ 胃を丈夫にする効果が。 279 00:24:26,157 --> 00:24:32,130 また 蛙の脂肪には 滋養強壮や 免疫力を高める効果があります。 280 00:24:32,130 --> 00:24:36,167 明では 古くから 料理を薬として→ 281 00:24:36,167 --> 00:24:40,171 病の人を料理で治すという 考えがあります。 282 00:24:40,171 --> 00:24:44,125 薬食同源 医食同源という 思想です。 283 00:24:44,125 --> 00:24:48,146 バランスの良い食事は 病の予防にもなります。 284 00:24:48,146 --> 00:24:51,132 何を言っておるのだ おぬしは? 我らを愚弄する気か! 285 00:24:51,132 --> 00:24:53,151 待て! 286 00:24:53,151 --> 00:24:57,138 《確かに この男 並の料理人ではなさそうだ》 287 00:24:57,138 --> 00:25:00,138 《これで駄目なら 俺は殺される…》 288 00:25:01,142 --> 00:25:03,194 ケン。 289 00:25:03,194 --> 00:25:06,194 わしと共に 甲斐に来てくれぬか? 290 00:25:08,166 --> 00:25:10,168 (家臣たち)秋山様! 291 00:25:10,168 --> 00:25:12,153 頼む。 292 00:25:12,153 --> 00:25:16,153 断れば… 殺すんですか? 293 00:25:20,161 --> 00:25:22,146 彼女に…→ 294 00:25:22,146 --> 00:25:27,146 夏さんに危害を加えないと 約束してくれるなら。 295 00:25:31,139 --> 00:25:34,125 元料理頭 井上恭之介が→ 296 00:25:34,125 --> 00:25:38,346 自信をもってお召し上がり頂く…→ 297 00:25:38,346 --> 00:25:42,150 ふなのすし ふとに→ 298 00:25:42,150 --> 00:25:44,150 そして しきつぼでございます。 299 00:25:46,154 --> 00:25:48,156 つまらぬのう…。 へっ? 300 00:25:48,156 --> 00:25:51,142 見飽きた古臭い料理ばかり。 301 00:25:51,142 --> 00:25:54,162 いや… 多少 古臭いかもしれませぬが→ 302 00:25:54,162 --> 00:25:57,165 味には自信がございます。 303 00:25:57,165 --> 00:26:07,141 ♬~ 304 00:26:07,141 --> 00:26:09,143 下げろ。 305 00:26:09,143 --> 00:26:11,145 しかし ケンなきあと→ 306 00:26:11,145 --> 00:26:15,166 この井上恭之介が 料理頭を務める以上…。 307 00:26:15,166 --> 00:26:18,169 聞こえぬのか? もうよいと言っておるのじゃ。 308 00:26:18,169 --> 00:26:20,169 …はい! 309 00:26:23,157 --> 00:26:26,157 前は 食べてくれたのに…。 310 00:26:27,161 --> 00:26:30,148 フッ フフッ フフフ…。 311 00:26:30,148 --> 00:26:33,151 なんの用じゃ? 殿は わらわが さらわれたとて→ 312 00:26:33,151 --> 00:26:36,151 そこまで不機嫌には ならぬのでしょうね。 313 00:26:39,140 --> 00:26:42,140 ケンは必ず帰ってくる。 314 00:26:44,195 --> 00:26:47,148 殿は そう お思いですか? 315 00:26:47,148 --> 00:26:50,148 フンッ わしにとっては どうでもいい事じゃ。 316 00:26:54,305 --> 00:26:57,158 ああ… 久しぶりによく寝た…。 317 00:26:57,158 --> 00:26:59,158 うわあっ!! うわっ! 夏さん! 318 00:27:02,163 --> 00:27:04,163 へっ? 319 00:27:06,150 --> 00:27:11,239 秋山信友 今 美濃より戻った! 開門せよ! 320 00:27:11,239 --> 00:27:14,239 ≪(家来たち)はっ! ≫(家来)開門せよ! 321 00:27:16,160 --> 00:27:18,146 ここ… どこ? 322 00:27:18,146 --> 00:27:22,146 甲斐の国。 武田信玄の屋敷だよ。 323 00:27:23,134 --> 00:27:26,134 武田!? 敵じゃねえか! 324 00:27:28,172 --> 00:27:31,172 大丈夫。 俺から離れないで。 325 00:27:35,163 --> 00:27:37,165 ああ…。 326 00:27:37,165 --> 00:27:46,165 ♬~ 327 00:27:48,159 --> 00:27:52,146 あっ… 「風林火山」。 328 00:27:52,146 --> 00:27:55,149 見た事あるよ 時代劇で。 329 00:27:55,149 --> 00:27:57,149 何言ってんの? お前。 330 00:27:58,152 --> 00:28:01,152 あの者は女子なのか? 331 00:28:02,173 --> 00:28:04,158 はい。 332 00:28:04,158 --> 00:28:07,158 フフッ。 なんだよ…。 333 00:28:08,162 --> 00:28:12,166 ≪(足音) 334 00:28:12,166 --> 00:28:17,171 ♬~ 335 00:28:17,171 --> 00:28:19,157 《この人が…→ 336 00:28:19,157 --> 00:28:22,143 この人が 戦国時代最強の軍を率いる→ 337 00:28:22,143 --> 00:28:24,145 武田信玄…》 338 00:28:24,145 --> 00:28:34,155 ♬~ 339 00:28:34,155 --> 00:28:37,155 《でも 顔色が悪い…》 340 00:28:39,160 --> 00:28:41,160 (信玄)殺せ。 341 00:31:09,143 --> 00:31:11,143 (信玄)殺せ。 342 00:31:14,165 --> 00:31:20,171 …と申し付けたはすだな? 秋山。 343 00:31:20,171 --> 00:31:23,157 はっ! しかしながら 大お館様。 344 00:31:23,157 --> 00:31:28,157 この料理人 殺してしまうには もったいのうございます。 345 00:31:29,163 --> 00:31:32,149 血迷うたか 秋山! 織田の料理頭を→ 346 00:31:32,149 --> 00:31:35,152 我が武田家の料理人にでも しろと言うのか!? 347 00:31:35,152 --> 00:31:39,156 いえ 大お館様の薬師に。 348 00:31:39,156 --> 00:31:41,156 薬師? 349 00:31:42,159 --> 00:31:48,165 《薬師? 薬… 薬剤師。 …医者?》 350 00:31:48,165 --> 00:31:53,154 ご無礼を承知で申し上げます。 このところ 大お館様は→ 351 00:31:53,154 --> 00:31:57,158 大変 食が細くなってきている ご様子。 352 00:31:57,158 --> 00:32:02,146 この男 ケンは 明の料理 思想に精通しており→ 353 00:32:02,146 --> 00:32:05,149 大お館様の ご体調を改善してくれる→ 354 00:32:05,149 --> 00:32:09,149 薬となる料理が 作れるのではないかと。 355 00:32:10,154 --> 00:32:12,156 黙れ 秋山! 356 00:32:12,156 --> 00:32:15,142 おぬしは 父上を病人扱いするのか! 357 00:32:15,142 --> 00:32:17,144 《そうか! 武田信玄には→ 358 00:32:17,144 --> 00:32:20,147 もうすでに 死の気配が忍び寄ってるんだ》 359 00:32:20,147 --> 00:32:23,147 《その事に みんな気づいてるんだ》 360 00:32:25,169 --> 00:32:27,271 秋山。 はっ。 361 00:32:27,271 --> 00:32:30,157 命に背くとは それ相応の覚悟か? 362 00:32:30,157 --> 00:32:32,209 はっ。 363 00:32:32,209 --> 00:32:35,146 覚悟は出来ておるのじゃな! 364 00:32:35,146 --> 00:32:37,146 はっ! 365 00:32:38,149 --> 00:32:40,149 よかろう。 366 00:32:42,269 --> 00:32:45,156 ケンとやら 明日の朝餉に→ 367 00:32:45,156 --> 00:32:48,156 わしにふさわしい料理を 作って来い。 368 00:32:50,161 --> 00:32:53,147 父上! ただし→ 369 00:32:53,147 --> 00:32:56,167 わしに ふさわしくない 料理であれば→ 370 00:32:56,167 --> 00:32:58,167 即刻おぬしも…。 371 00:33:01,172 --> 00:33:03,172 その女子も…。 372 00:33:06,143 --> 00:33:09,146 秋山も殺す。 373 00:33:09,146 --> 00:33:16,170 ♬~ 374 00:33:16,170 --> 00:33:18,155 ケン。 375 00:33:18,155 --> 00:33:20,155 お前を信じてる。 376 00:33:26,147 --> 00:33:30,167 わかりました。 料理を作ります。 377 00:33:30,167 --> 00:33:32,167 台所をお借りします。 378 00:33:33,170 --> 00:33:35,170 行こう。 待て。 379 00:33:38,142 --> 00:33:41,162 その女子は 人質として わしが預かる。 380 00:33:41,162 --> 00:33:44,165 えっ? おぬしが逃げ出す事もあり得るし→ 381 00:33:44,165 --> 00:33:47,151 料理に毒を盛る事もあり得る。 382 00:33:47,151 --> 00:33:52,156 そんなまねをしおったら この女子の命はないと思え! 383 00:33:52,156 --> 00:33:54,141 そんな…。 384 00:33:54,141 --> 00:33:59,146 大丈夫。 信じてるって言っただろ。 385 00:33:59,146 --> 00:34:01,146 夏さん…。 386 00:34:02,149 --> 00:34:04,149 お前は負けない。 387 00:34:10,141 --> 00:34:14,145 ♬~ 388 00:34:14,145 --> 00:34:16,145 はっ! 389 00:34:18,165 --> 00:34:20,151 やあっ! 390 00:34:20,151 --> 00:34:24,155 秋山信友は 東美濃の本隊には戻らず→ 391 00:34:24,155 --> 00:34:26,173 甲斐に向かった模様。 392 00:34:26,173 --> 00:34:30,161 ケンは 信玄に捕らわれたという事か。 393 00:34:30,161 --> 00:34:33,164 はい 恐らく。 394 00:34:33,164 --> 00:34:35,149 ケンは 松永と同様→ 395 00:34:35,149 --> 00:34:39,153 内に取り込んでおかねば 厄介な男。 396 00:34:39,153 --> 00:34:42,156 敵の手に渡ったとならば…。 397 00:34:42,156 --> 00:34:50,147 ♬~ 398 00:34:50,147 --> 00:34:54,151 (彗星が迫る音) 399 00:34:54,151 --> 00:34:58,172 《信長様は ケンを殺せと言うのか…》 400 00:34:58,172 --> 00:35:00,172 楓。 401 00:35:02,159 --> 00:35:04,159 わしの言葉をケンに伝えよ。 402 00:35:05,145 --> 00:35:07,145 はい。 403 00:35:20,144 --> 00:35:23,163 いかがでござります? う~ん。 404 00:35:23,163 --> 00:35:26,166 あっ そちらはどうじゃ? はい。 405 00:35:26,166 --> 00:35:28,135 なんの用じゃ? 406 00:35:28,135 --> 00:35:32,156 (濃姫)これはこれは お殿様 ようこそお越しくださいました。 407 00:35:32,156 --> 00:35:35,156 わしを呼び出すとは どういう了見じゃ。 408 00:35:39,196 --> 00:35:42,166 ケンが 武田に寝返る前に…→ 409 00:35:42,166 --> 00:35:45,152 殺すべきではありませぬか? 410 00:35:45,152 --> 00:35:47,154 ケンは いずれ お殿様に…→ 411 00:35:47,154 --> 00:35:52,154 いえ… 織田家に災いをもたらします。 412 00:35:55,162 --> 00:35:58,162 その時は このわしが斬り捨てる。 413 00:36:01,168 --> 00:36:05,168 さすがお殿様。 頼もしゅうございます。 414 00:36:07,157 --> 00:36:10,144 フン…。 415 00:36:10,144 --> 00:36:14,144 フフフ… ハハハハッ! 416 00:39:02,166 --> 00:39:08,155 ♬~ 417 00:39:08,155 --> 00:39:10,174 石臼か…。 418 00:39:10,174 --> 00:39:13,174 それも 色んな種類が こんなにたくさん…。 419 00:39:14,161 --> 00:39:17,164 《この甲斐の国は 山に囲まれていて→ 420 00:39:17,164 --> 00:39:19,133 水田の面積が少ない》 421 00:39:19,133 --> 00:39:21,201 《だから 水田の代わりに→ 422 00:39:21,201 --> 00:39:25,189 大麦や小麦 蕎麦や雑穀の畑が多いんだ》 423 00:39:25,189 --> 00:39:29,143 《その大麦なんかを 石臼を使って ひいて粉状にして→ 424 00:39:29,143 --> 00:39:31,143 調理しているんだな》 425 00:39:32,146 --> 00:39:37,151 父上 あの男は織田の料理頭。 雇うとなれば→ 426 00:39:37,151 --> 00:39:40,154 我らが織田家から盗んだ という事になりかねませぬ。 427 00:39:40,154 --> 00:39:42,172 早まるな。 428 00:39:42,172 --> 00:39:46,160 誰が雇うと言った。 しかし…。 429 00:39:46,160 --> 00:39:50,147 ひと思いに殺す事は容易い。 430 00:39:50,147 --> 00:39:54,147 だが… 知りたくなったのだ。 431 00:39:56,170 --> 00:40:04,144 なぜ 秋山が あの男を連れて来たのか。 432 00:40:04,144 --> 00:40:07,164 そして…→ 433 00:40:07,164 --> 00:40:15,164 信長が あの男を重用するわけをな。 434 00:40:17,157 --> 00:40:19,159 《粉… 粉ものか》 435 00:40:19,159 --> 00:40:22,145 《蕎麦粉を使ったガレット》 436 00:40:22,145 --> 00:40:25,165 《チーズの代わりに 動物の脂を乗せたピッツア》 437 00:40:25,165 --> 00:40:27,267 《トッピングに野菜》 438 00:40:27,267 --> 00:40:29,169 《信玄が明に興味があるなら→ 439 00:40:29,169 --> 00:40:32,169 北京ダックのような料理も ありだな》 440 00:40:34,157 --> 00:40:36,143 いや 待て。 441 00:40:36,143 --> 00:40:39,143 顔色が あんなに悪いっていう事は…。 442 00:40:42,149 --> 00:40:47,149 あれだ… 食べ慣れているだろう あれしかない! 443 00:40:50,173 --> 00:40:54,144 いざ 参らん! 戦国のキュイジーヌ! 444 00:40:54,144 --> 00:41:13,130 ♬~ 445 00:41:13,130 --> 00:41:15,130 (刺さる音) 446 00:41:22,172 --> 00:41:24,172 信長様からだ。 447 00:41:33,150 --> 00:41:35,168 《「死」…?》 448 00:41:35,168 --> 00:41:37,170 《どういう意味だ?》 449 00:41:37,170 --> 00:41:40,140 《信長は 俺に 何を伝えようとしてるんだ?》 450 00:41:40,140 --> 00:41:43,160 《俺に死ねって事か?》 451 00:41:43,160 --> 00:41:48,160 《いや… もしかして 信玄に死を与えろって事か?》 452 00:41:49,166 --> 00:41:52,166 俺にそんな事が出来るわけが…。 453 00:41:54,154 --> 00:41:56,173 いや…→ 454 00:41:56,173 --> 00:42:01,173 このまま放っておけば 信玄の病は悪化して 倒れる。 455 00:42:02,162 --> 00:42:05,162 そして いずれ 死が訪れる…。 456 00:42:06,166 --> 00:42:09,169 おい どうした? 457 00:42:09,169 --> 00:42:12,169 いえ なんでもありません。 458 00:42:16,159 --> 00:42:19,162 《いや それは駄目だ》 459 00:42:19,162 --> 00:42:22,215 《今 信玄にふさわしい料理を 作らなければ→ 460 00:42:22,215 --> 00:42:24,215 夏さんまで殺されてしまう》 461 00:42:28,171 --> 00:42:30,171 (解錠音) 462 00:42:37,147 --> 00:42:39,147 それに着替えろ。 463 00:42:41,151 --> 00:42:43,151 早くしろ! 464 00:42:48,175 --> 00:42:51,161 《料理は 人を笑顔にするものなんだ…》 465 00:42:51,161 --> 00:42:53,146 《幸せにするものなんだ》 466 00:42:53,146 --> 00:42:56,149 《たとえ 相手が誰であろうが→ 467 00:42:56,149 --> 00:42:59,152 俺は そういう料理を作るんだ》 468 00:42:59,152 --> 00:43:25,162 ♬~ 469 00:43:25,162 --> 00:43:27,162 ≫お待たせしました。 470 00:43:33,220 --> 00:43:36,173 何をしておる。 早くせんか! 471 00:43:36,173 --> 00:43:38,173 はい。 472 00:43:45,148 --> 00:43:49,152 武田信玄様にふさわしい料理を お持ちしました。 473 00:43:49,152 --> 00:43:51,152 こちらです。 474 00:44:01,148 --> 00:44:03,150 なんじゃ これは? 475 00:44:03,150 --> 00:44:08,155 これが父上にふさわしいだと!? 馬鹿にしおって! 476 00:44:08,155 --> 00:44:12,159 どうぞ お召し上がりください。 477 00:44:12,159 --> 00:44:14,159 明の料理 湯麺です。 478 00:44:17,164 --> 00:44:19,164 具のない うどんではないか! 479 00:44:23,170 --> 00:44:26,173 お召し上がりください。 貴様! 480 00:44:26,173 --> 00:44:29,142 やめろ! 待て 勝頼。 481 00:44:29,142 --> 00:44:40,153 ♬~ 482 00:44:40,153 --> 00:44:42,172 おぬしたちも食え。 483 00:44:42,172 --> 00:44:44,172 (勝頼・秋山)はっ。 484 00:44:51,164 --> 00:44:53,166 《これで駄目なら 終わりだ》 485 00:44:53,166 --> 00:44:57,166 《信じろ 自分の腕を 自分の料理を…》 486 00:44:59,172 --> 00:45:01,172 《俺は信長のシェフだ》 487 00:45:05,162 --> 00:45:12,152 これぞ 料理頭代理 井上恭之介の 至高の一品。 488 00:45:12,152 --> 00:45:14,154 大はむでございます。 489 00:45:14,154 --> 00:45:17,154 どうぞ お召し上がりください。 490 00:45:33,156 --> 00:45:37,156 この古臭い料理が わしにふさわしいだと? 491 00:45:38,144 --> 00:45:40,163 ひえっ!? 斬らないで! 492 00:45:40,163 --> 00:45:45,163 た… 直ちに 作り直して…! ああ! 493 00:45:58,164 --> 00:46:02,152 信玄がケンをさらったか! 494 00:46:02,152 --> 00:46:06,156 フッ… ウハハハ! 495 00:46:06,156 --> 00:46:10,160 ケンめ 今頃は 首をはねられておるじゃろう。 496 00:46:10,160 --> 00:46:13,163 哀れな男よ! 497 00:46:13,163 --> 00:46:17,167 信長などに仕えるから かような事になるのじゃ! 498 00:46:17,167 --> 00:46:19,167 ハハハハ! 499 00:46:26,159 --> 00:46:28,159 これは…。 500 00:46:30,146 --> 00:46:35,151 ただのうどんかと思いきや…。 501 00:46:35,151 --> 00:46:38,151 なんたる美味…。 502 00:46:41,141 --> 00:46:45,161 この麺 まるで絹糸のように 細く しなやか。 503 00:46:45,161 --> 00:46:49,149 しかも このように同じ太さの麺は 初めて見た。 504 00:46:49,149 --> 00:46:51,151 卵を繋ぎに使っております。 505 00:46:51,151 --> 00:46:55,155 その生地を薄く均等に伸ばし 切り揃えました。 506 00:46:55,155 --> 00:46:59,142 この汁も 実に味わい深い。 507 00:46:59,142 --> 00:47:04,164 初めての味なのに… 親しみを感じる。 508 00:47:04,164 --> 00:47:08,164 材料は 甲斐の国の名産 煮鮑です。 509 00:47:09,152 --> 00:47:14,157 鮑は 精力増強 免疫力 肝臓の…→ 510 00:47:14,157 --> 00:47:17,157 肝の臓の向上などに 効果があります。 511 00:47:19,145 --> 00:47:23,149 それだけじゃないだろう…。 512 00:47:23,149 --> 00:47:26,169 雉の味がする。 513 00:47:26,169 --> 00:47:29,169 わかりますか? さすが! 514 00:47:32,142 --> 00:47:34,160 おっしゃるとおりです。 515 00:47:34,160 --> 00:47:37,163 雉肉の他に 干し魚やきのこ→ 516 00:47:37,163 --> 00:47:40,150 ネギなどを加え 煮込んであります。 517 00:47:40,150 --> 00:47:43,169 グルコサミンやコンドロイチンも 豊富です。 518 00:47:43,169 --> 00:47:47,173 ぐるこさみんや こん… どろいちん? 519 00:47:47,173 --> 00:47:49,173 おい! 520 00:47:50,143 --> 00:47:55,143 あっ… とにかく 体にいいものが たくさん入っています。 521 00:47:56,166 --> 00:47:59,169 そんなに多数のものが 使われているのか…。 522 00:47:59,169 --> 00:48:02,155 一見では 全くわからんな。 523 00:48:02,155 --> 00:48:04,157 それだけではありません。 524 00:48:04,157 --> 00:48:07,143 信玄様の顔色を見る限り→ 525 00:48:07,143 --> 00:48:11,147 かなり内蔵の働きが 悪くなっているように思われます。 526 00:48:11,147 --> 00:48:16,152 だから 消化に力がいるような 肉や野菜を直接食べなくても→ 527 00:48:16,152 --> 00:48:18,171 栄養素が取れるよう→ 528 00:48:18,171 --> 00:48:20,171 よく煮込んで 汁に溶かしてあります。 529 00:48:23,143 --> 00:48:28,148 その湯麺は 信玄様 あなたの体が欲する→ 530 00:48:28,148 --> 00:48:30,150 あなたに ふさわしい料理です。 531 00:48:30,150 --> 00:48:48,168 ♬~ 532 00:48:48,168 --> 00:48:50,170 (ため息) 533 00:48:50,170 --> 00:48:52,170 なるほど。 534 00:48:54,157 --> 00:48:58,157 見事だ! もう一杯持って来い。 535 00:49:00,263 --> 00:49:02,148 お断りします。 536 00:49:02,148 --> 00:49:04,167 おぬし 誰に向かって 物を言っているのだ! 537 00:49:04,167 --> 00:49:06,152 ケン! 538 00:49:06,152 --> 00:49:11,157 先ほども申し上げたとおり 信玄様は内臓を悪くしています。 539 00:49:11,157 --> 00:49:13,176 食べすぎは毒です。 540 00:49:13,176 --> 00:49:17,176 腹八分目が 薬食同源の基本なんです。 541 00:49:20,166 --> 00:49:22,202 秋山。 542 00:49:22,202 --> 00:49:25,202 ケンと夏の家を用意しろ。 (秋山)はっ! 543 00:49:32,145 --> 00:49:34,145 すっげえ~…。 544 00:49:38,168 --> 00:49:41,171 こんな立派なお屋敷… いいんですか? 545 00:49:41,171 --> 00:49:44,174 おぬしは 大切な料理人だからな。 546 00:49:44,174 --> 00:49:46,142 料理人? 547 00:49:46,142 --> 00:49:51,142 大お館様のために うまいものを作ってくれよ。 548 00:49:53,166 --> 00:49:57,187 《そうか… 命が助かったって事は→ 549 00:49:57,187 --> 00:50:01,157 武田信玄の料理人に なるって事なんだ…》 550 00:50:01,157 --> 00:50:11,167 ♬~ 551 00:50:11,167 --> 00:50:13,169 (濃姫の声) ケンが 武田に寝返る前に→ 552 00:50:13,169 --> 00:50:15,155 殺すべきではありませぬか? 553 00:50:15,155 --> 00:50:17,173 ケンは いずれ お殿様に…→ 554 00:50:17,173 --> 00:50:20,160 いえ… 織田家に災いをもたらします。 555 00:50:20,160 --> 00:50:22,160 (発砲音) 556 00:50:25,148 --> 00:50:27,148 (発砲音) 557 00:50:28,151 --> 00:50:30,170 (発砲音) 558 00:50:30,170 --> 00:50:38,144 ♬~ 559 00:50:38,144 --> 00:50:43,149 《信長は 俺に どうしろっていうんだ?》 560 00:50:43,149 --> 00:50:50,173 ♬~ 561 00:50:50,173 --> 00:50:54,144 ♬~ 562 00:50:54,144 --> 00:50:56,144 《どうしたらいいんだ?》 563 00:52:48,091 --> 00:52:50,143 《信玄を止める方法が 一つだけある》 564 00:52:50,143 --> 00:52:52,245 《信玄の料理に…》 565 00:52:52,245 --> 00:52:57,216 (信玄)信長を守りたいか? 心は いまだ織田の家臣か。 566 00:52:57,216 --> 00:53:00,216 (信玄)風林火山! 信長様!