1 00:00:33,322 --> 00:00:35,324 〈平成のフレンチシェフが→ 2 00:00:35,324 --> 00:00:40,313 ある日突然 戦国時代にタイムスリップし→ 3 00:00:40,313 --> 00:00:45,318 あろう事か 織田信長の料理人となった〉 4 00:00:45,318 --> 00:00:49,322 〈これは その料理人が 平成グルメで戦国を生き抜く→ 5 00:00:49,322 --> 00:00:51,322 壮絶な物語である〉 6 00:00:58,280 --> 00:01:02,318 (武田信玄) その席で 勝頼に家督を譲る。 7 00:01:02,318 --> 00:01:04,320 わしが亡きあと→ 8 00:01:04,320 --> 00:01:07,323 勝頼が 弱体化した織田を仕留め→ 9 00:01:07,323 --> 00:01:11,293 室町幕府を 再興させるのだ! 10 00:01:11,293 --> 00:01:14,313 《止められるのか? この俺に…》 11 00:01:14,313 --> 00:01:18,317 《でも やるしかないんだ… 今は》 12 00:01:18,317 --> 00:01:22,304 また 織田の料理人が 変な物を作り始めたぞ。 13 00:01:22,304 --> 00:01:26,325 ああ。 お… おい! おい! 14 00:01:26,325 --> 00:01:28,310 なんだよ おい これは? 15 00:01:28,310 --> 00:01:30,310 (においを嗅ぐ音) 16 00:01:50,299 --> 00:01:56,405 さすがは お殿様。 お見事にございます。 17 00:01:56,405 --> 00:02:05,297 ♬~ 18 00:02:05,297 --> 00:02:12,321 信玄殿に使いを出して 進物を届けさせたそうですね? 19 00:02:12,321 --> 00:02:15,321 フン… 帰蝶は なんでも知っているのう。 20 00:02:17,309 --> 00:02:21,313 お殿様の事は なんでも知っていたいのです。 21 00:02:21,313 --> 00:02:25,313 フハハハ… 恐ろしい女子よ。 22 00:02:26,302 --> 00:02:28,320 いいえ。 23 00:02:28,320 --> 00:02:34,320 ケンと同じ 頼れる味方にございます。 24 00:02:35,294 --> 00:02:39,315 進物は 包丁だと聞いております。 25 00:02:39,315 --> 00:02:47,323 ♬~ 26 00:02:47,323 --> 00:02:53,323 信玄殿は お殿様の真意 見抜けますでしょうか? 27 00:02:57,316 --> 00:03:01,316 ケンに伝わるのでしょうか? 28 00:03:07,326 --> 00:03:09,311 《夏さんは 無事でいるのか?》 29 00:03:09,311 --> 00:03:11,311 《必ず 一緒に帰ろう…》 30 00:03:23,325 --> 00:03:25,325 ≫(楓)夏。 31 00:03:34,303 --> 00:03:36,303 (楓)宴の最中に逃げるんだ。 32 00:03:38,324 --> 00:03:40,324 (楓)来い。 33 00:03:42,361 --> 00:03:49,318 …駄目だ。 今 俺が逃げたら ケンが殺される。 34 00:03:49,318 --> 00:03:51,287 (ため息) 35 00:03:51,287 --> 00:03:55,307 何を お前たちは 揃いも揃って同じような事を…。 36 00:03:55,307 --> 00:03:58,327 ケンも そう言ったのか? 37 00:03:58,327 --> 00:04:01,313 お前がいたから 今まで生きてこられた。 38 00:04:01,313 --> 00:04:03,313 そう言っていた。 39 00:04:04,300 --> 00:04:08,300 俺が生きてこられたのは 夏さんがいたからだ。 40 00:04:10,322 --> 00:04:12,324 ケンが そんな事…。 41 00:04:12,324 --> 00:04:15,294 だから お前は生きなければならんのだ。 42 00:04:15,294 --> 00:04:17,294 来い! 43 00:04:19,315 --> 00:04:21,317 ≫(家臣)どうした? 44 00:04:21,317 --> 00:04:23,317 早くしろ! 45 00:04:26,322 --> 00:04:28,307 わからんのか!? 46 00:04:28,307 --> 00:04:30,307 お前がいたら足手まといなんだ! 47 00:04:34,313 --> 00:04:38,300 わかってる…。 48 00:04:38,300 --> 00:04:43,300 それでも… ケンを置いて逃げられない。 49 00:04:55,317 --> 00:04:57,317 (料理人たち)うわあっ! 50 00:04:58,287 --> 00:05:01,307 (武田勝頼) 別動隊の山県殿を先発とし→ 51 00:05:01,307 --> 00:05:06,312 我が本隊は 北条氏の援軍とともに 甲府より出陣する。 52 00:05:06,312 --> 00:05:08,297 (家臣)出陣…。 53 00:05:08,297 --> 00:05:10,299 (勝頼)西へ向かう! 54 00:05:10,299 --> 00:05:14,299 西というと… 京へ。 55 00:05:15,321 --> 00:05:17,323 大お館様! 56 00:05:17,323 --> 00:05:19,325 上洛を目指されるのですか? 57 00:05:19,325 --> 00:05:22,311 大お館様! (家臣)大お館様! 58 00:05:22,311 --> 00:05:24,313 (家臣)大お館様! 59 00:05:24,313 --> 00:05:29,318 西だ。 まずは 徳川領。 60 00:05:29,318 --> 00:05:32,304 そして…→ 61 00:05:32,304 --> 00:05:34,323 織田だ。 62 00:05:34,323 --> 00:05:36,325 (家臣)織田! よーし! 63 00:05:36,325 --> 00:05:38,344 一気に潰そうぞ! 64 00:05:38,344 --> 00:05:40,312 落ち着けい! 65 00:05:40,312 --> 00:05:43,399 今一つ 話がある。 66 00:05:43,399 --> 00:05:46,399 (家臣)おお! 今一つ…。 67 00:05:47,319 --> 00:05:52,324 ここにおる勝頼に 家督を譲る! 68 00:05:52,324 --> 00:05:54,326 (家臣)勝頼様に…。 69 00:05:54,326 --> 00:05:56,312 父上! 70 00:05:56,312 --> 00:06:00,316 《父上… 私には まだ無理です…》 71 00:06:00,316 --> 00:06:04,303 《家督を譲り受けても どうする事も出来ません》 72 00:06:04,303 --> 00:06:08,303 《勝頼 失望させてくれるな…》 73 00:06:14,313 --> 00:06:18,313 一か八か 勝負だ…。 74 00:06:20,302 --> 00:06:22,321 いざ 参らん! 75 00:06:22,321 --> 00:06:51,316 ♬~ 76 00:06:51,316 --> 00:06:54,316 本日の宴の主菜でございます。 77 00:07:00,325 --> 00:07:04,313 ほう! なんと美しい! 78 00:07:04,313 --> 00:07:08,300 まるで 皿が 箱庭のようではありませんか! 79 00:07:08,300 --> 00:07:12,300 これは どういった趣向で? 勝頼様。 80 00:07:16,291 --> 00:07:20,279 ケンよ この皿は どういった意図のものか? 81 00:07:20,279 --> 00:07:22,314 はい。 82 00:07:22,314 --> 00:07:27,302 その皿は 山 そして そこから流れる川。 83 00:07:27,302 --> 00:07:29,304 これで滝を表現しています。 84 00:07:29,304 --> 00:07:32,291 山は 鯉の揚げ物に→ 85 00:07:32,291 --> 00:07:37,312 薄く伸ばしたそば粉を 焼いたものをのせてあります。 86 00:07:37,312 --> 00:07:39,314 皿の題は…→ 87 00:07:39,314 --> 00:07:41,314 登龍門。 88 00:07:44,369 --> 00:07:46,321 登龍門? 89 00:07:46,321 --> 00:07:48,321 明の故事か…。 90 00:07:50,325 --> 00:07:52,294 急流の滝を→ 91 00:07:52,294 --> 00:07:57,299 自力で登りきった鯉には 霊力が宿り…→ 92 00:07:57,299 --> 00:07:59,299 龍になるというのだ。 93 00:08:00,319 --> 00:08:04,490 俺は二頭の龍を知っています。 94 00:08:04,490 --> 00:08:07,490 一頭は 信玄様。 95 00:08:08,327 --> 00:08:13,315 あなた様は 確かに滝を登り 巨大な龍となって→ 96 00:08:13,315 --> 00:08:16,301 この甲斐に根付いた お方でございましょう。 97 00:08:16,301 --> 00:08:23,308 ♬~ 98 00:08:23,308 --> 00:08:26,308 でも それだけです。 99 00:08:28,313 --> 00:08:31,316 俺が知っている もう一頭の龍は→ 100 00:08:31,316 --> 00:08:34,316 いまだ天高く昇る龍です。 101 00:08:38,307 --> 00:08:42,307 俺は あなたを選ばない。 102 00:08:44,313 --> 00:08:47,299 ましてや 自ら滝を登らぬ→ 103 00:08:47,299 --> 00:08:51,320 ただの鯉に 仕える事は出来ません。 104 00:08:51,320 --> 00:08:54,323 おぬしは わしが ただの鯉だと!? 105 00:08:54,323 --> 00:08:56,325 京への出陣は やめてください! 106 00:08:56,325 --> 00:08:58,277 おのれ! 血迷ったか 料理人! 107 00:08:58,277 --> 00:09:01,313 (家臣)武田家を愚弄する気か! (家臣)斬り捨ててくれる! 108 00:09:01,313 --> 00:09:07,313 (膳を叩く音) 109 00:09:10,322 --> 00:09:15,322 おぬし… 死にたいのか? 110 00:09:16,328 --> 00:09:21,328 いえ… 生きたいんです。 111 00:09:22,317 --> 00:09:29,317 でも 誰かに生かされる事は 望みません。 112 00:09:32,294 --> 00:09:36,294 そのために 戦います。 113 00:09:39,318 --> 00:09:43,305 (勝頼)《気に食わぬ男だが 愚かではない》 114 00:09:43,305 --> 00:09:45,324 《このような事をすれば→ 115 00:09:45,324 --> 00:09:47,309 十中八九 殺されるのは わかっている》 116 00:09:47,309 --> 00:09:50,295 《わかっていて 言うのだ》 117 00:09:50,295 --> 00:09:53,295 《己が己であるために…》 118 00:09:54,316 --> 00:09:57,319 《何ゆえ 一瞬でも たかが料理人の言葉に→ 119 00:09:57,319 --> 00:10:00,305 聞き入ってしまったんだ?》 120 00:10:00,305 --> 00:10:04,326 《それは この者が 命を懸けた言葉を発するからだ》 121 00:10:04,326 --> 00:10:07,326 《命を懸けて事を成すからだ》 122 00:10:14,303 --> 00:10:18,307 父上 この度の家督譲渡のお話は→ 123 00:10:18,307 --> 00:10:20,307 なかった事にして頂けませぬか。 124 00:10:24,279 --> 00:10:26,315 勝頼…。 125 00:10:26,315 --> 00:10:30,352 父上の尻馬に乗って 戦の功を上げたとて→ 126 00:10:30,352 --> 00:10:33,288 誰が次代当主と認めましょうか。 127 00:10:33,288 --> 00:10:36,288 ただ笑いものになるだけに ございます。 128 00:10:39,311 --> 00:10:41,296 戦の功を上げ→ 129 00:10:41,296 --> 00:10:44,316 父上に負けぬ 誰もが認める当主となる…→ 130 00:10:44,316 --> 00:10:48,303 それは 私が命を懸けて成すべき事。 131 00:10:48,303 --> 00:10:51,303 余計な手出しは 無用にございます! 132 00:10:57,312 --> 00:11:02,317 今は まだ 父上の傀儡にもなれぬ者ゆえ…。 133 00:11:02,317 --> 00:11:05,317 その程度か。 134 00:11:06,321 --> 00:11:11,326 その程度にございます 今は。 135 00:11:11,326 --> 00:11:18,300 しかし いつの日か必ず 父上という滝を登り→ 136 00:11:18,300 --> 00:11:20,300 見事な龍となってみせましょう! 137 00:11:22,304 --> 00:11:26,291 《わしが気圧されるのか…→ 138 00:11:26,291 --> 00:11:29,294 この者どもに…》 139 00:11:29,294 --> 00:11:35,317 《世代は… 時代は変わるのか…》 140 00:11:35,317 --> 00:11:40,322 《このわしを置いて…》 141 00:11:40,322 --> 00:11:44,322 《もう… よいのであろうか…》 142 00:11:53,318 --> 00:11:56,318 勝頼…。 143 00:12:08,316 --> 00:12:15,323 おぬしが 家督を継ごうと継ぐまいと→ 144 00:12:15,323 --> 00:12:21,323 やるべき事は変わらん。 145 00:12:27,319 --> 00:12:29,321 わかるな? 146 00:12:29,321 --> 00:12:33,308 はっ! 将としてご命じください。 147 00:12:33,308 --> 00:12:35,327 この勝頼→ 148 00:12:35,327 --> 00:12:38,313 一騎当千の働きをして ご覧にいれましょう! 149 00:12:38,313 --> 00:12:45,313 (笑い声) 150 00:12:51,309 --> 00:12:54,312 うーん。 151 00:12:54,312 --> 00:13:01,386 ケンよ わしが甲斐だけで終わる男だと? 152 00:13:01,386 --> 00:13:03,305 ハッハッハッ… 言うてくれるわい。 153 00:13:03,305 --> 00:13:07,325 (笑い声) 154 00:13:07,325 --> 00:13:10,295 京じゃ! 155 00:13:10,295 --> 00:13:19,304 我が軍は京に向けて出陣する! 156 00:13:19,304 --> 00:13:22,304 (家臣たち)大お館様! 157 00:13:23,291 --> 00:13:26,311 《やっぱり 京へ向かうのを 止められなかった》 158 00:13:26,311 --> 00:13:29,311 《俺は武田信玄を 止められなかったんだ…》 159 00:13:32,300 --> 00:13:35,300 ケンよ 何を望む? 160 00:13:37,305 --> 00:13:40,305 失礼な事を言って すいませんでした。 161 00:13:42,310 --> 00:13:46,310 殺されても仕方ありません。 162 00:13:49,301 --> 00:13:55,307 でも… でも… 俺はまだ…。 163 00:13:55,307 --> 00:13:58,326 おぬし 何を勘違いしておる。 164 00:13:58,326 --> 00:14:00,295 えっ? 165 00:14:00,295 --> 00:14:02,314 宴の料理 大義であった。 166 00:14:02,314 --> 00:14:04,316 は? 167 00:14:04,316 --> 00:14:12,324 勝頼の頼もしき姿を見られたのは 感謝する。 168 00:14:12,324 --> 00:14:16,311 別に この者のおかげでは…。 169 00:14:16,311 --> 00:14:19,314 何か褒美をとらせよう。 170 00:14:19,314 --> 00:14:21,314 何を最も望む? 171 00:14:23,301 --> 00:14:28,301 (信玄)おぬしの一番の望みは 織田のもとに帰る事か? 172 00:14:30,308 --> 00:14:32,308 いいえ…。 173 00:14:34,312 --> 00:14:40,318 一つだけ 望みを叶えて頂けるなら…→ 174 00:14:40,318 --> 00:14:43,321 夏さんを 岐阜に帰してあげてください。 175 00:14:43,321 --> 00:14:45,307 何を言う! あの者はもう わしの…。 176 00:14:45,307 --> 00:14:50,307 お願いします! 夏さんを帰してあげてください。 177 00:15:01,306 --> 00:15:04,309 明日の朝 岐阜へ帰れ。 178 00:15:04,309 --> 00:15:07,279 帰っていいんですか? 179 00:15:07,279 --> 00:15:09,279 ああ。 180 00:15:11,316 --> 00:15:13,285 ケンは? 181 00:15:13,285 --> 00:15:15,285 ケンも一緒に帰れるんですか? 182 00:15:16,304 --> 00:15:20,325 あの者は 生涯 この武田家に仕える身。 183 00:15:20,325 --> 00:15:22,325 帰すわけにはいかぬ! 184 00:15:23,311 --> 00:15:25,313 そんな…。 185 00:15:25,313 --> 00:15:27,315 じゃあ 俺も…。 186 00:15:27,315 --> 00:15:29,317 ならぬ! 187 00:15:29,317 --> 00:15:32,304 二度と この甲斐の地に 足を踏み入れるな。 188 00:15:32,304 --> 00:15:36,324 でも…。 出て行かぬというなら…→ 189 00:15:36,324 --> 00:15:38,324 わしが ケンともども斬る。 190 00:15:43,298 --> 00:15:45,298 支度をしておけ。 191 00:18:35,303 --> 00:18:54,322 ♬~ 192 00:18:54,322 --> 00:19:08,319 ♬~ 193 00:19:08,319 --> 00:19:10,319 夏は岐阜へ向かったぞ。 194 00:19:13,308 --> 00:19:15,310 ありがとうございます。 195 00:19:15,310 --> 00:19:18,310 おぬしに礼を言われる覚えはない。 196 00:19:25,320 --> 00:19:28,306 《これでいい》 197 00:19:28,306 --> 00:19:32,310 《俺はどうなっても 夏さんが助かるなら…→ 198 00:19:32,310 --> 00:19:35,310 それでいい》 199 00:19:51,296 --> 00:19:57,296 (山賊)おい! 有り金 全部 置いてってもらおうか。 200 00:20:00,288 --> 00:20:03,308 ヘッヘッ… ほれほれ。 201 00:20:03,308 --> 00:20:05,326 ほれほれ。 202 00:20:05,326 --> 00:20:07,312 (山賊たちの笑い声) 203 00:20:07,312 --> 00:20:09,297 金なんてないよ。 204 00:20:09,297 --> 00:20:12,317 あれ? こいつ 女ですよ。 205 00:20:12,317 --> 00:20:14,317 あーっ 女か! 206 00:20:15,320 --> 00:20:17,320 逃がすな おら! 207 00:20:20,325 --> 00:20:22,310 もう逃げられんぞ。 208 00:20:22,310 --> 00:20:24,312 ケン! 209 00:20:24,312 --> 00:20:35,323 ♬~ 210 00:20:35,323 --> 00:20:37,323 大丈夫か? 211 00:20:41,296 --> 00:20:43,314 罰が当たったんだ。 212 00:20:43,314 --> 00:20:48,303 ケンを残して 自分だけ逃げ帰ろうとした罰が! 213 00:20:48,303 --> 00:20:50,321 落ち着け。 214 00:20:50,321 --> 00:20:53,308 戦が始まるんだ。 215 00:20:53,308 --> 00:20:56,308 ケンは… ケンは…! 216 00:20:59,297 --> 00:21:03,318 お前はケンを助けるために 屋敷を出たんだろ? 217 00:21:03,318 --> 00:21:05,320 お前が 無事に岐阜に帰る事だけを→ 218 00:21:05,320 --> 00:21:07,320 ケンは願ってる。 219 00:21:09,324 --> 00:21:12,343 一緒に帰るぞ。 220 00:21:12,343 --> 00:21:16,314 いいのかよ? そんな事してて。 221 00:21:16,314 --> 00:21:19,314 お前は お館様の命だけに 従うんだろ? 222 00:21:21,319 --> 00:21:24,319 特別だ。 行くぞ。 223 00:21:38,319 --> 00:21:40,319 ケン…。 224 00:21:43,324 --> 00:21:48,296 〈元亀三年 武田家家臣 秋山信友が→ 225 00:21:48,296 --> 00:21:53,301 突如として 東美濃の織田方の属城である→ 226 00:21:53,301 --> 00:21:55,301 岩村城を攻撃した〉 227 00:21:56,321 --> 00:21:58,323 〈それは 武田による→ 228 00:21:58,323 --> 00:22:02,327 織田との同盟の 事実上の破棄であり→ 229 00:22:02,327 --> 00:22:04,327 そして…〉 230 00:22:05,313 --> 00:22:07,315 疾きこと風の如く→ 231 00:22:07,315 --> 00:22:09,317 徐かなること林の如く→ 232 00:22:09,317 --> 00:22:11,319 侵掠すること火の如く→ 233 00:22:11,319 --> 00:22:15,306 動かざること山の如く…。 234 00:22:15,306 --> 00:22:18,426 風林火山! 235 00:22:18,426 --> 00:22:24,299 〈武田信玄出陣の報を 全国に轟かせるものであった〉 236 00:22:24,299 --> 00:22:27,318 おのれ 信玄! 237 00:22:27,318 --> 00:22:29,320 来るなら 来てみよ。 238 00:22:29,320 --> 00:22:42,300 ♬~ 239 00:22:42,300 --> 00:22:44,302 《どうなっちゃうんだろう 俺は》 240 00:22:44,302 --> 00:22:46,321 (家臣)輿を上げい! 241 00:22:46,321 --> 00:22:51,309 《信玄は 俺との約束を守って 夏さんを岐阜に帰してくれた》 242 00:22:51,309 --> 00:22:53,309 (家臣)肩を入れい! 243 00:22:56,314 --> 00:22:59,314 出陣! 244 00:23:01,302 --> 00:23:03,302 出陣! 245 00:23:04,322 --> 00:23:07,308 《だから俺は 信玄を裏切り→ 246 00:23:07,308 --> 00:23:10,294 ここから逃げ出すなんて 出来ない》 247 00:23:10,294 --> 00:23:13,314 《でも このままじゃ 信玄の料理人として→ 248 00:23:13,314 --> 00:23:16,317 信長と戦う事になる》 249 00:23:16,317 --> 00:23:18,317 《どうしたらいいんだ?》 250 00:25:46,334 --> 00:25:50,321 〈徳川の領土に進行した武田軍は→ 251 00:25:50,321 --> 00:25:52,340 東三河武節城→ 252 00:25:52,340 --> 00:25:54,408 長篠城→ 253 00:25:54,408 --> 00:25:56,310 遠江只来城→ 254 00:25:56,310 --> 00:25:59,330 天方城 飯田城 各和城を→ 255 00:25:59,330 --> 00:26:02,333 次々に陥落していった〉 256 00:26:02,333 --> 00:26:06,333 〈まさに 破竹の勢いであった〉 257 00:26:08,322 --> 00:26:10,341 (雑兵たちのうめき声) 258 00:26:10,341 --> 00:26:12,341 大丈夫ですか? 259 00:26:15,313 --> 00:26:19,333 《ここ一か月 信玄に料理を作っていない…》 260 00:26:19,333 --> 00:26:22,303 《っていうか… 顔も見ていない》 261 00:26:22,303 --> 00:26:25,339 《どうしちゃったんだろう…》 262 00:26:25,339 --> 00:26:28,342 (雑兵のうめき声) 263 00:26:28,342 --> 00:26:31,345 おっ母の飯が食いてえなあ…。 264 00:26:31,345 --> 00:26:33,345 干飯ばかりじゃ飽きる…。 265 00:26:37,335 --> 00:26:45,326 ♬~ 266 00:26:45,326 --> 00:26:48,329 ぶるす… けった!? 267 00:26:48,329 --> 00:26:50,329 干し肉のブルスケッタです。 268 00:26:52,333 --> 00:26:54,318 非常用のパンで作りました。 269 00:26:54,318 --> 00:26:58,339 もともとは 固くなったパンを おいしく食べるために→ 270 00:26:58,339 --> 00:27:01,342 南蛮の庶民が工夫した料理です。 271 00:27:01,342 --> 00:27:03,327 うめえ…! (雑兵たち)おお…! 272 00:27:03,327 --> 00:27:06,330 戦で こんなうめえもんが 食えるとはありがてえ! 273 00:27:06,330 --> 00:27:10,401 さすがは 大お館様の料理人様だ! 274 00:27:10,401 --> 00:27:12,336 たくさんありますから どんどん食べてください。 275 00:27:12,336 --> 00:27:15,406 (雑兵)わしも わしも! 276 00:27:15,406 --> 00:27:17,325 (雑兵)おお… おいしいな これ! 277 00:27:17,325 --> 00:27:20,361 あっ 勝頼さんも よかったらどうぞ。 278 00:27:20,361 --> 00:27:23,331 いいのか? えっ? 279 00:27:23,331 --> 00:27:26,317 おぬしの料理で 精をつけた兵たちが→ 280 00:27:26,317 --> 00:27:29,320 織田を討つ事になるんだぞ。 281 00:27:29,320 --> 00:27:33,341 そうですね。 でも…→ 282 00:27:33,341 --> 00:27:36,327 おなかをすかせている人たちを 見て→ 283 00:27:36,327 --> 00:27:38,329 ほうっておく事は出来ません。 284 00:27:38,329 --> 00:27:41,332 おいしいものを食べて おなかいっぱいになったら→ 285 00:27:41,332 --> 00:27:45,336 戦や争い事なんて 馬鹿らしいと 思えてきませんかね? 286 00:27:45,336 --> 00:27:48,339 そうなるといいんですけど…。 何!? 287 00:27:48,339 --> 00:27:51,325 おぬしは 我らの戦を愚弄する気か!? 288 00:27:51,325 --> 00:27:53,325 あ… ごめんなさい! 289 00:27:54,328 --> 00:28:00,334 あの… 信玄様は どうしたんですか? 290 00:28:00,334 --> 00:28:04,338 俺 料理人なのに 全然 料理作ってないし…。 291 00:28:04,338 --> 00:28:07,341 食欲ないんですかね? 292 00:28:07,341 --> 00:28:10,341 おぬしの心配などいらぬ! 293 00:28:15,316 --> 00:28:18,336 (家臣)武田本隊は二俣城か掛川城→ 294 00:28:18,336 --> 00:28:20,321 どちらかに向かっていると 思われまする! 295 00:28:20,321 --> 00:28:22,323 家康 すまぬ。 296 00:28:22,323 --> 00:28:24,342 我らは自身の包囲網で手いっぱい。 297 00:28:24,342 --> 00:28:27,294 片付け次第 援軍を送る。 298 00:28:27,294 --> 00:28:29,294 どうか持ちこたえてくれ! 299 00:28:33,334 --> 00:28:38,334 信玄殿は ケンの料理で 生き返ったようですねえ。 300 00:28:39,340 --> 00:28:43,327 (濃姫)ケンは いつか 恐ろしい敵になる…。 301 00:28:43,327 --> 00:28:47,327 わらわの予感が 当たってしまいました。 302 00:28:53,337 --> 00:28:58,337 こうなった以上… ケンを始末すべきかと。 303 00:29:03,314 --> 00:29:08,314 (信玄のせき込み) 304 00:29:09,320 --> 00:29:11,320 (せき込み) 305 00:29:14,341 --> 00:29:17,328 誰か… ある! 306 00:29:17,328 --> 00:29:19,328 (家臣)はっ! 307 00:29:20,314 --> 00:29:22,333 え? 信玄様に料理を? 308 00:29:22,333 --> 00:29:25,333 そうだ。 おぬしが 直接持ってくるようにとの事だ。 309 00:29:28,322 --> 00:29:31,342 すいません。 兵と馬を貸してください。 310 00:29:31,342 --> 00:29:49,343 ♬~ 311 00:29:49,343 --> 00:29:51,343 大変お待たせしました。 312 00:29:59,320 --> 00:30:02,320 鹿肉のタルタルステーキ、 生姜風味です。 313 00:30:09,313 --> 00:30:11,398 《顔色が悪くなってる…》 314 00:30:11,398 --> 00:30:14,335 《ここまで 病気が悪化していたのか…》 315 00:30:14,335 --> 00:30:18,339 たるたる… すてき? 316 00:30:18,339 --> 00:30:22,343 あ… 北国の騎馬民族 タルタル人が→ 317 00:30:22,343 --> 00:30:26,464 遠征に出る際 馬の鞍の下に肉を置き→ 318 00:30:26,464 --> 00:30:29,333 加圧して肉を柔らかくして 生のまま食べた事から→ 319 00:30:29,333 --> 00:30:31,469 その名がつきました。 320 00:30:31,469 --> 00:30:36,457 おぬしは何ゆえ… この料理を作った? 321 00:30:36,457 --> 00:30:39,310 鹿肉は栄養価が高く 高たんぱくで→ 322 00:30:39,310 --> 00:30:43,314 体を作る栄養分が 豊富に含まれております。 323 00:30:43,314 --> 00:30:46,333 また 生姜は 体を温める効果があるので→ 324 00:30:46,333 --> 00:30:49,336 冬場にはいいかと…。 325 00:30:49,336 --> 00:30:51,338 でも…。 326 00:30:51,338 --> 00:30:53,324 でも? 327 00:30:53,324 --> 00:30:57,328 生肉は控えるべきでした。 328 00:30:57,328 --> 00:30:59,328 すみません。 329 00:31:02,316 --> 00:31:05,336 ケン ついて参れ。 330 00:31:05,336 --> 00:31:11,342 ♬~ 331 00:31:11,342 --> 00:31:14,342 あの… どこへ行くんですか? (信玄)黙って歩け。 332 00:31:18,332 --> 00:31:21,332 《殺されるのか…?》 333 00:34:11,305 --> 00:34:13,305 ここでよい。 334 00:34:15,326 --> 00:34:18,326 《駄目だ。 殺される…》 335 00:34:20,314 --> 00:34:25,314 この道を行けば 岐阜に出られる。 336 00:34:34,294 --> 00:34:36,296 おぬしは なぜ→ 337 00:34:36,296 --> 00:34:40,300 先ほどの料理に 火を使わなかった? 338 00:34:40,300 --> 00:34:45,305 みんなが火をおこさずに 干飯だけを食べてましたし→ 339 00:34:45,305 --> 00:34:47,324 進路もあえて→ 340 00:34:47,324 --> 00:34:50,310 開けていない林の道を 選んでいるようだったので→ 341 00:34:50,310 --> 00:34:54,365 きっと 敵に居場所を 知られたくないんだろうなって…。 342 00:34:54,365 --> 00:34:57,301 おぬしは その敵側に心があるのだから→ 343 00:34:57,301 --> 00:35:00,304 のろしを上げればいいものを…。 344 00:35:00,304 --> 00:35:03,307 あっ… ああ…。 345 00:35:03,307 --> 00:35:08,295 そんな事 全く考えられませんでした。 346 00:35:08,295 --> 00:35:13,295 考えたとしても… 出来ません 俺には。 347 00:35:14,301 --> 00:35:17,304 フ… フッフッフッフッフッ。 348 00:35:17,304 --> 00:35:20,304 フッフッフッフッフッ…。 349 00:35:21,308 --> 00:35:27,281 そのような男なら たとえ 織田方に戻っても→ 350 00:35:27,281 --> 00:35:31,281 わしの病の事は 誰にも言うまいよ。 351 00:35:33,303 --> 00:35:35,303 約束出来るな? 352 00:35:36,306 --> 00:35:38,308 はい。 353 00:35:38,308 --> 00:35:42,296 おぬしは… 最後の最後まで→ 354 00:35:42,296 --> 00:35:46,296 わしの体をいたわる料理を 出し続けた。 355 00:35:48,302 --> 00:35:51,302 ならば殺せぬ。 356 00:35:53,307 --> 00:35:58,312 が… 他の武将に惚れている者を 置いておくほど→ 357 00:35:58,312 --> 00:36:00,297 わしの懐は深くない。 358 00:36:00,297 --> 00:36:02,299 は…? 359 00:36:02,299 --> 00:36:07,299 帰りたければ ここから自力で帰れ。 360 00:36:08,305 --> 00:36:11,305 わしは…。 361 00:36:12,309 --> 00:36:15,279 京には たどり着けぬ。 362 00:36:15,279 --> 00:36:19,299 じゃあ どうして 無理をしてまで京へ…? 363 00:36:19,299 --> 00:36:22,302 あとの事は…→ 364 00:36:22,302 --> 00:36:27,307 甲斐の事は もうよいのだと…→ 365 00:36:27,307 --> 00:36:31,307 あやつが言うてくれたからな。 366 00:36:33,297 --> 00:36:35,299 勝頼さん…。 367 00:36:35,299 --> 00:36:37,301 戦の功を上げ→ 368 00:36:37,301 --> 00:36:40,320 父上に負けぬ 誰もが認める当主となる…→ 369 00:36:40,320 --> 00:36:44,308 それは 私が命を懸けて成すべき事。 370 00:36:44,308 --> 00:36:46,308 余計な手出しは 無用にございます! 371 00:36:47,294 --> 00:36:50,294 わしは去りゆく身…。 372 00:36:52,299 --> 00:36:55,352 去りゆく者が…→ 373 00:36:55,352 --> 00:36:59,352 少しばかり 馬鹿な夢を見てもよかろう。 374 00:37:01,308 --> 00:37:06,330 だが この先 敵として出会ったら…→ 375 00:37:06,330 --> 00:37:08,298 殺すぞ。 376 00:37:08,298 --> 00:37:10,384 はい。 377 00:37:10,384 --> 00:37:14,384 あの… これ…。 378 00:37:15,372 --> 00:37:18,372 俺には必要ありません。 379 00:37:21,295 --> 00:37:26,295 俺には… これがありますから。 380 00:37:28,318 --> 00:37:30,318 フッ…。 フフ…。 381 00:37:31,321 --> 00:37:36,310 刀は人の命を奪う武器。 382 00:37:36,310 --> 00:37:42,282 おぬしの包丁は… 人を生き返らせる武器じゃな。 383 00:37:42,282 --> 00:37:45,319 ハハハハ…! 384 00:37:45,319 --> 00:37:49,289 おぬしのような腰抜けには それがお似合いじゃ! 385 00:37:49,289 --> 00:37:51,289 ハッハッハッハッ…! 386 00:37:53,327 --> 00:37:55,295 行け! 387 00:37:55,295 --> 00:38:08,308 ♬~ 388 00:38:08,308 --> 00:38:11,308 さらばじゃ…。 389 00:38:12,296 --> 00:38:16,283 愛しき料理人よ…。 390 00:38:16,283 --> 00:38:23,323 ♬~ 391 00:38:23,323 --> 00:38:32,323 ♬~ 392 00:38:33,317 --> 00:38:35,302 (家臣)徳川様より 使者がございました! 393 00:38:35,302 --> 00:38:38,305 武田軍が 二万五千の兵を率い→ 394 00:38:38,305 --> 00:38:40,305 遠江に進攻した模様! 395 00:38:41,308 --> 00:38:44,294 二万五千…。 396 00:38:44,294 --> 00:38:46,296 武田軍総員か。 397 00:38:46,296 --> 00:38:48,315 ♬~ 398 00:38:48,315 --> 00:38:50,300 あっ! 399 00:38:50,300 --> 00:39:06,300 ♬~ 400 00:39:29,289 --> 00:39:32,289 夏さん…。 401 00:39:33,310 --> 00:39:35,310 ただいま。 402 00:39:45,305 --> 00:39:48,305 俺…。 403 00:39:50,293 --> 00:39:54,297 勝頼様の部屋に行くように 命じられたんだ。 404 00:39:54,297 --> 00:40:06,326 ♬~ 405 00:40:06,326 --> 00:40:08,295 だけど…。 406 00:40:08,295 --> 00:40:14,317 ♬~ 407 00:40:14,317 --> 00:40:16,370 夏…! 408 00:40:16,370 --> 00:40:20,307 ♬~ 409 00:40:20,307 --> 00:40:25,307 俺… 嫌なんだ…。 410 00:40:27,280 --> 00:40:30,280 お前じゃないと…。 411 00:40:34,304 --> 00:40:39,309 ケンじゃないと… 嫌だ。 412 00:40:39,309 --> 00:40:46,309 ♬~ 413 00:40:52,322 --> 00:41:22,302 ♬~ 414 00:41:22,302 --> 00:41:24,302 (井上恭之介)ケン! 415 00:41:25,305 --> 00:41:29,292 あああ~! 416 00:41:29,292 --> 00:41:31,311 ケン…! 417 00:41:31,311 --> 00:41:35,282 よくぞ帰ってくれた! どうしたんですか? 418 00:41:35,282 --> 00:41:38,282 大変だったんだよ~! 419 00:41:41,288 --> 00:41:43,288 うわあ! 420 00:41:44,307 --> 00:41:46,307 ああっ! 421 00:41:48,295 --> 00:41:54,301 そもそも おぬしが お館様の舌を 肥えさせたのが悪いんだ! 422 00:41:54,301 --> 00:41:57,287 すいません。 (井上の泣き声) 423 00:41:57,287 --> 00:42:03,287 ♬~ 424 00:42:06,296 --> 00:42:08,296 (井上)えっ!? 425 00:42:12,385 --> 00:42:14,385 濃姫様…。 426 00:42:17,424 --> 00:42:20,424 裏切り者 ケンよ。 427 00:42:21,294 --> 00:42:23,296 殿が お呼びじゃ。 428 00:42:23,296 --> 00:42:30,303 ♬~ 429 00:42:30,303 --> 00:42:33,306 餞別をくれてやったのに 戻ってきたのか? 430 00:42:33,306 --> 00:42:35,306 はい。 431 00:42:37,477 --> 00:42:41,298 信玄が おぬしを手放したというのか? 432 00:42:41,298 --> 00:42:43,283 はい。 433 00:42:43,283 --> 00:42:46,303 そんなわけなかろう! 434 00:42:46,303 --> 00:42:50,307 そなたは… 武田の間者に 成り下がったのであろう! 435 00:42:50,307 --> 00:42:53,310 間者って… 違います! 436 00:42:53,310 --> 00:42:55,312 なんで俺が そんなスパイなんかに…。 437 00:42:55,312 --> 00:42:59,299 す… すぱい? いや あの…。 438 00:42:59,299 --> 00:43:03,303 なぜ信玄は おぬしを手放した? 439 00:43:03,303 --> 00:43:06,306 信玄に何が起こっておる! 440 00:43:06,306 --> 00:43:08,306 言えません。 441 00:43:10,327 --> 00:43:13,296 何をたわけた事を…! 442 00:43:13,296 --> 00:43:19,296 ♬~ 443 00:43:31,314 --> 00:43:33,314 言えません。 444 00:43:37,320 --> 00:43:41,308 小腹が減った。 何か作ってこい。 445 00:43:41,308 --> 00:43:45,308 おぬしの処遇は そのあとで考えよう。 446 00:43:48,298 --> 00:43:51,301 ケン! 大丈夫か? 447 00:43:51,301 --> 00:43:53,303 うん。 平気。 448 00:43:53,303 --> 00:43:55,305 それ…! 449 00:43:55,305 --> 00:43:58,358 大丈夫。 大丈夫じゃないだろ! 450 00:43:58,358 --> 00:44:01,294 それ まさか お館様に…? 451 00:44:01,294 --> 00:44:04,294 ちょっとケン 座れ。 452 00:44:07,300 --> 00:44:09,300 聞いたぞ。 453 00:44:10,303 --> 00:44:14,307 お館様の 納得する料理を作らなければ→ 454 00:44:14,307 --> 00:44:18,361 おぬし 間違いなく… 武田信玄の間者とみなされ→ 455 00:44:18,361 --> 00:44:20,297 殺されるぞ! 456 00:44:20,297 --> 00:44:22,297 そんなのありかよ! 457 00:44:23,366 --> 00:44:27,320 大丈夫ですよ。 俺 間者じゃないですから。 458 00:44:27,320 --> 00:44:30,320 それに… 自分を信じてます。 459 00:44:36,313 --> 00:44:38,298 ケン…。 460 00:44:38,298 --> 00:44:43,303 俺は信長様のために こうやって料理を作れるのが→ 461 00:44:43,303 --> 00:44:45,303 なんか嬉しいんだ。 462 00:44:47,324 --> 00:44:51,324 この包丁を使える事もね。 463 00:44:52,295 --> 00:44:56,295 ケン… 俺も手伝う。 464 00:45:00,303 --> 00:45:04,303 いざ 参らん! 戦国のキュイジーヌ! 465 00:45:07,277 --> 00:45:13,299 ケンの頑なさ… 間者と見て間違いありません。 466 00:45:13,299 --> 00:45:17,303 信玄に包丁を送られたのは→ 467 00:45:17,303 --> 00:45:22,308 ケンが戻ってくる事を 願っての事でございましょう? 468 00:45:22,308 --> 00:45:26,296 しかし… ケンの心は 戻ってきてはおりませぬ。 469 00:45:26,296 --> 00:45:28,298 フン。 470 00:45:28,298 --> 00:45:33,319 帰蝶… そなたが男であったなら→ 471 00:45:33,319 --> 00:45:36,306 相当 厄介であったろうと 思う時がある。 472 00:45:36,306 --> 00:45:38,308 フフ…。 473 00:45:38,308 --> 00:45:44,314 わらわも… 男に生まれてきていたらと→ 474 00:45:44,314 --> 00:45:48,314 幾度 この身を呪うたか わかりませぬ。 475 00:45:50,303 --> 00:45:59,295 でも… 今は殿に出会うて→ 476 00:45:59,295 --> 00:46:04,295 女子に生まれてよかったと 思っておりまする。 477 00:46:08,304 --> 00:46:13,293 殿の道を阻む者は…→ 478 00:46:13,293 --> 00:46:15,293 わらわが許しませぬ。 479 00:46:20,316 --> 00:46:22,302 なんじゃ これは? 480 00:46:22,302 --> 00:46:24,304 めし玉です。 481 00:46:24,304 --> 00:46:27,307 戦の時に よくお出しする 陣中食です。 482 00:46:27,307 --> 00:46:29,359 このまま食べるのか? 483 00:46:29,359 --> 00:46:31,359 お待ちください。 484 00:46:39,519 --> 00:46:43,519 特製ドリア風めし玉です。 485 00:46:45,291 --> 00:46:48,278 このような 白い汁がかかっておるのは→ 486 00:46:48,278 --> 00:46:50,313 初めてじゃ。 はい。 487 00:46:50,313 --> 00:46:53,316 えんどう豆のホワイトソース…。 488 00:46:53,316 --> 00:46:56,302 小麦粉を油を引いた鍋で火にかけ→ 489 00:46:56,302 --> 00:46:59,289 そこに 牛の乳を加えた汁にございます。 490 00:46:59,289 --> 00:47:02,308 ドリア風と言い 料理人が 客人に→ 491 00:47:02,308 --> 00:47:05,295 何か のどごしのよいものを との要望を受け→ 492 00:47:05,295 --> 00:47:07,295 考案した料理です。 493 00:47:08,298 --> 00:47:11,301 濃姫様が ご一緒なので→ 494 00:47:11,301 --> 00:47:14,287 食の細い女性の方が 食べやすいように→ 495 00:47:14,287 --> 00:47:16,287 その汁をかけてみました。 496 00:47:17,307 --> 00:47:19,359 わらわのため? 497 00:47:19,359 --> 00:47:21,359 食うてみるがいい。 498 00:47:32,322 --> 00:47:34,322 どうじゃ? 499 00:47:35,308 --> 00:47:37,310 まろやかな舌触り…。 500 00:47:37,310 --> 00:47:44,310 まるで 舌の上をすべり込むような のどごし…。 501 00:47:45,318 --> 00:47:52,325 濃厚な汁が 具のたけのこの 淡泊さと合わさって…→ 502 00:47:52,325 --> 00:47:54,325 いとうまし。 503 00:47:58,314 --> 00:48:00,300 (ため息) 504 00:48:00,300 --> 00:48:03,300 おぬしも おかしな男よのう。 505 00:48:04,304 --> 00:48:06,306 これだけの腕があれば→ 506 00:48:06,306 --> 00:48:11,311 武田のもとでも 大切にされたであろうに。 507 00:48:11,311 --> 00:48:14,311 なぜ戻ってきた? 508 00:48:15,315 --> 00:48:18,301 武田の事が言えぬとなれば→ 509 00:48:18,301 --> 00:48:22,322 殿の怒りを買う事は わかっていたであろうに。 510 00:48:22,322 --> 00:48:25,425 約束したんです。 511 00:48:25,425 --> 00:48:30,330 しゃべらないと約束して 解放されたんです。 512 00:48:30,330 --> 00:48:34,317 その信頼を裏切る事は出来ません。 513 00:48:34,317 --> 00:48:38,304 ただ 俺… 一生懸命作った料理→ 514 00:48:38,304 --> 00:48:43,304 食べてもらいたいのは やっぱり信長様なんです。 515 00:48:44,310 --> 00:48:49,282 信長様のために 料理を作りたいんです。 516 00:48:49,282 --> 00:48:51,282 だから 帰ってきました。 517 00:48:57,307 --> 00:49:00,310 新しい めし玉か。 518 00:49:00,310 --> 00:49:03,296 初めて この城に来た時の事を 覚えておったか。 519 00:49:03,296 --> 00:49:05,298 はい。 520 00:49:05,298 --> 00:49:08,301 わしは 毎日 新しくうまいものを食したい。 521 00:49:08,301 --> 00:49:11,301 己がすべき事 わかるな? 522 00:49:12,305 --> 00:49:14,307 おぬしなれば→ 523 00:49:14,307 --> 00:49:18,307 生涯 わしを裏切る事は ないのやもしれぬな。 524 00:49:24,317 --> 00:49:27,317 フッフッフッフッ…。 525 00:49:28,321 --> 00:49:30,306 まあ よい。 526 00:49:30,306 --> 00:49:33,306 井上の古くさい料理にも 飽きたところじゃ。 527 00:49:34,310 --> 00:49:36,296 ケン。 528 00:49:36,296 --> 00:49:39,349 己がすべき事… わかるな? 529 00:49:39,349 --> 00:49:41,301 はい。 530 00:49:41,301 --> 00:49:43,303 ならば ただちに タヌキのもとへ行け! 531 00:49:43,303 --> 00:49:45,321 タヌキ? 532 00:49:45,321 --> 00:49:48,308 徳川家康を救うのじゃ。 533 00:49:48,308 --> 00:49:50,308 徳川家康!? 534 00:49:53,279 --> 00:49:55,315 俺が? 535 00:49:55,315 --> 00:49:57,300 武田軍二万五千に 飲み込まれる前に→ 536 00:49:57,300 --> 00:49:59,302 助け出すのじゃ! 537 00:49:59,302 --> 00:50:01,321 浜松城へ向かえ! 538 00:50:01,321 --> 00:50:10,296 ♬~ 539 00:50:10,296 --> 00:50:13,299 信玄を生き返らせたのは おぬしじゃ。 540 00:50:13,299 --> 00:50:16,299 ならば その信玄から 家康を助けるのじゃ! 541 00:50:17,303 --> 00:50:20,303 でも どうやって…。 542 00:50:23,326 --> 00:50:27,297 自分で考えろ ですね…。 543 00:50:27,297 --> 00:50:29,299 ケン…。 544 00:50:29,299 --> 00:50:32,299 行くしかないんだ。 545 00:50:33,319 --> 00:50:36,306 家康さんって いい人だったし…。 546 00:50:36,306 --> 00:50:38,306 そういう問題か? 547 00:50:39,325 --> 00:50:42,295 大丈夫。 548 00:50:42,295 --> 00:50:44,297 心配しないで。 549 00:50:44,297 --> 00:50:46,297 行け! ケンよ! 550 00:50:47,317 --> 00:50:49,317 はい! 551 00:52:38,244 --> 00:52:41,314 《家康さん あなたは負けるんです 武田信玄に…》 552 00:52:41,314 --> 00:52:44,317 (信玄)家康は まだ若い…。 553 00:52:44,317 --> 00:52:47,353 信長様が切り開き あなたが終わらせるんです。 554 00:52:47,353 --> 00:52:49,322 この戦ばかりの狂った時代を。 555 00:52:49,322 --> 00:52:51,322 (信玄)ここまでじゃ…! 家康よ! 556 00:52:53,326 --> 00:52:55,326 〈このドラマの➡ 557 00:52:59,315 --> 00:53:01,315 〈詳しくは番組ホームページで〉