1 00:00:02,629 --> 00:00:04,631 弥太郎さん。 2 00:00:04,631 --> 00:00:08,769 ♬~ 3 00:00:08,769 --> 00:00:11,672 早苗 早苗…。 4 00:00:11,672 --> 00:00:19,413 ♬~ 5 00:00:19,413 --> 00:00:23,116 (汽笛) 6 00:00:23,116 --> 00:00:25,416 ♬~ 7 00:00:33,694 --> 00:00:38,632 (みつえ)水と油が仲ようなんのは やっぱり無理なんやろか。 8 00:00:38,632 --> 00:00:43,770 (シズ)福富と競い合うてきたおかげで 今の岡安があんのやて➡ 9 00:00:43,770 --> 00:00:46,673 わては ずっと そない思てきたんだす。 10 00:00:46,673 --> 00:00:51,645 姐さんにだけは 芝居茶屋 辞めんといてほしかった。➡ 11 00:00:51,645 --> 00:00:54,345 行くで みつえ。 12 00:00:56,116 --> 00:00:59,987 (菊)あんた これ以上 福助 そそのかさんといて。 13 00:00:59,987 --> 00:01:03,457 (福助)お母ちゃん 何言うてんねん。 うちは ほんまに福助…。 14 00:01:03,457 --> 00:01:09,329 人には それぞれ ふさわしい居場所っちゅうもんがある。 15 00:01:09,329 --> 00:01:12,029 あんたは うちに ふさわしない。 16 00:01:19,006 --> 00:01:23,706 (ハナ)おばあちゃんは あんたの味方や。 17 00:01:26,146 --> 00:01:29,816 幸せになり。 18 00:01:29,816 --> 00:01:32,516 ええな。 19 00:01:34,087 --> 00:01:37,424 おおきに おばあちゃん…。 20 00:01:37,424 --> 00:01:41,295 (一平)俺は この台本で 母親の無償の愛情描きたかったんです。 21 00:01:41,295 --> 00:01:45,595 (千之助) お前に親の気持ちの何が分かるんじゃ。 22 00:01:50,771 --> 00:01:59,112 ♬「オレンジのクレヨンで 描いた太陽だけじゃ」 23 00:01:59,112 --> 00:02:07,454 ♬「まだ何か足りない気がした」 24 00:02:07,454 --> 00:02:16,129 ♬「涙色したブルー こぼれて ひろがって」 25 00:02:16,129 --> 00:02:22,803 ♬「ほら いつも通りの空」 26 00:02:22,803 --> 00:02:26,673 ♬「これは夢じゃない(夢みたい)」 27 00:02:26,673 --> 00:02:30,677 ♬「傷つけば痛い(嘘じゃない)」 28 00:02:30,677 --> 00:02:38,752 ♬「どんな今日も愛したいのにな」 29 00:02:38,752 --> 00:02:44,624 ♬「笑顔をあきらめたくないよ」 30 00:02:44,624 --> 00:02:51,331 ♬「転んでも ただでは起きない」 31 00:02:51,331 --> 00:02:55,769 ♬「そう 強くなれる」 32 00:02:55,769 --> 00:03:00,640 ♬「かさぶたが消えたなら」 33 00:03:00,640 --> 00:03:06,113 ♬「聞いてくれるといいな」 34 00:03:06,113 --> 00:03:12,986 ♬「泣き笑いのエピソードを」 35 00:03:12,986 --> 00:03:21,128 ♬~ 36 00:03:21,128 --> 00:03:28,468 さて 今回の鶴亀家庭劇 「マットン婆さん」のお話とは。 37 00:03:28,468 --> 00:03:34,074 この片桐儀平は マットンこと お松が 女中として奉公していたうちの主人です。 38 00:03:34,074 --> 00:03:40,774 はように妻を亡くし 儀平の3人の子供は お松が実の母親のように育てました。 39 00:03:42,749 --> 00:03:45,652 (太鼓の音) こちらが主人公のお松さん。 40 00:03:45,652 --> 00:03:49,623 みんなから「お松どん お松どん」と 呼ばれてるうちに それが縮まって➡ 41 00:03:49,623 --> 00:03:52,092 マットンになったそうです。 42 00:03:52,092 --> 00:04:00,434 お松どん 松どん 松トン で マットンっていうことですわな。 43 00:04:00,434 --> 00:04:02,769 ちょっと無理あらへんか? 何じゃと コラ。 44 00:04:02,769 --> 00:04:06,440 (太鼓の音) やがて 30年の歳月が流れ➡ 45 00:04:06,440 --> 00:04:08,375 すっかり大きなった子供たち。 46 00:04:08,375 --> 00:04:13,113 せやけど 長男の正一郎と妹の満里子は 育ててもろた恩も忘れて➡ 47 00:04:13,113 --> 00:04:16,983 年老いたお松を邪魔者扱いし 追い出そうとします。 48 00:04:16,983 --> 00:04:22,789 しかし 末っ子の三郎は お松が大好き。 いつまでも お松にいてもらうため➡ 49 00:04:22,789 --> 00:04:29,463 もう60半ばにもなる彼女と 自分の父 儀平を結婚させようと考えたのです。 50 00:04:29,463 --> 00:04:32,365 えらい むちゃな話やなあ。 51 00:04:32,365 --> 00:04:35,068 千さんに言うてくれ。 52 00:04:35,068 --> 00:04:39,406 「マットンに財産取られてまう!」と 正一郎と満里子は大反対。 53 00:04:39,406 --> 00:04:43,076 実は2人は詐欺に遭うて ぎょうさん借金があったんです。 54 00:04:43,076 --> 00:04:47,948 今夜中にお金が用意できなければ 大変なことに。 えらいこっちゃ! 55 00:04:47,948 --> 00:04:51,751 (千代)えらい大金やんか! (天晴)これ わしらに? 56 00:04:51,751 --> 00:04:54,654 ああ。 こんだけあったら なんとか しのげる。 57 00:04:54,654 --> 00:04:58,091 三郎 おおきに。 さすが わしの弟や。 おおきに。 58 00:04:58,091 --> 00:05:00,994 お礼言うのは 僕やあれへん。 59 00:05:00,994 --> 00:05:05,432 そのお金はな マットンが大事に ためたもんなんやで。 60 00:05:05,432 --> 00:05:08,432 (天晴)何やて? マットンが? 61 00:05:11,771 --> 00:05:16,643 あれほど内緒にて言いましたやろ。 62 00:05:16,643 --> 00:05:21,114 黙ってられるはずあれへんやろ。 マットン ほんまにええんか? 63 00:05:21,114 --> 00:05:24,451 うちら あんたに いつも無理言うて 困らしてたのに。 64 00:05:24,451 --> 00:05:27,787 (棒読みで) ええ 正一郎さんも満里子さんも➡ 65 00:05:27,787 --> 00:05:31,124 わてにとったら ほんまの子供みたいなもんで。 66 00:05:31,124 --> 00:05:33,059 (天晴)マットン…。 67 00:05:33,059 --> 00:05:37,931 あの調子やと 明日も何しでかしはるか 分かれへんなあ 千之助さん。 68 00:05:37,931 --> 00:05:42,402 どうせ また むちゃくちゃにして 一人だけ笑いとるつもりやろ。 69 00:05:42,402 --> 00:05:45,071 もうええ。 70 00:05:45,071 --> 00:05:53,747 なあ 母親の無償の愛言うてたやんか。 何で そないなこと やりたかったん? 71 00:05:53,747 --> 00:05:58,084 そないいうたら あんたの お父ちゃんの話は よう聞くけど➡ 72 00:05:58,084 --> 00:06:00,420 お母ちゃんの話は 聞いたことあれへんなあ。 73 00:06:00,420 --> 00:06:06,120 どないな人やったん? 何でお前に言わなあかんねん。 74 00:06:09,095 --> 00:06:12,795 ええやんか別に… ケチ。 75 00:06:14,434 --> 00:06:17,337 みつえ? 76 00:06:17,337 --> 00:06:20,106 ちょちょちょちょちょちょ…! 77 00:06:20,106 --> 00:06:23,977 出ていくて 何で? しっ! もう こないするしかあれへん。 78 00:06:23,977 --> 00:06:26,980 考え直し。 うちが必ず ご寮人さん説得したげるさかい。 79 00:06:26,980 --> 00:06:32,052 無理やて。 見たやろ こないだの菊さんとのこと。 80 00:06:32,052 --> 00:06:35,052 4年前は うちが あんたを逃がしたったやろ。 81 00:06:37,724 --> 00:06:40,627 (赤松)千代ちゃん。 82 00:06:40,627 --> 00:06:43,396 はよう! 83 00:06:43,396 --> 00:06:57,410 ♬~ 84 00:06:57,410 --> 00:07:00,080 (宗助)どないしよ…。 85 00:07:00,080 --> 00:07:02,983 あ~ どないしよ。 86 00:07:02,983 --> 00:07:06,283 頼みましたで。 (小次郎)へえ。 87 00:07:08,421 --> 00:07:10,721 頼んますわな。 88 00:07:12,759 --> 00:07:16,759 あ~ どないしよ…。 落ち着きなはれ。 89 00:07:18,632 --> 00:07:20,634 どないかしたんですか? 90 00:07:20,634 --> 00:07:23,770 (富士子)あんたら いとさんから何か聞いてへんか? えっ? 91 00:07:23,770 --> 00:07:25,705 (節子)これ…。➡ 92 00:07:25,705 --> 00:07:30,443 駆け落ちしはったんだす 福富のボンと。 93 00:07:30,443 --> 00:07:32,743 えっ…。 94 00:07:42,055 --> 00:07:52,065 ♬~ 95 00:07:52,065 --> 00:07:59,406 (シズ)みつえが 3つのお祝いの時にな 初めてあつらえた着物だす。 96 00:07:59,406 --> 00:08:07,280 あの子 大喜びで走り回って 水たまりで こけてしもてな➡ 97 00:08:07,280 --> 00:08:12,752 上から下まで あっちゅう間に 泥だらけになってしもたんや。 98 00:08:12,752 --> 00:08:16,423 すぐに きれいにしたげるって 言うたんやけど➡ 99 00:08:16,423 --> 00:08:23,296 あの子 「新しいの買うて~!」って えらい泣いてな。 100 00:08:23,296 --> 00:08:28,596 ほんまに わがままな子やったわ。 101 00:08:30,770 --> 00:08:35,041 ほんで どないしたと思う? 102 00:08:35,041 --> 00:08:43,717 そら ご寮人さんは きつうお灸据えはったんと違いますか? 103 00:08:43,717 --> 00:08:50,390 新しい着物 また あつらえてしもた。 104 00:08:50,390 --> 00:08:56,062 わても旦さんも そない甘やかしたら あかんて分かってたんや。 105 00:08:56,062 --> 00:09:04,404 分かってたんやけど どないもこないも 可愛うてなあ…。 106 00:09:04,404 --> 00:09:12,746 あの時の みつえの うれしそうな顔は 一生忘れられへん。 107 00:09:12,746 --> 00:09:16,446 今でも わての宝物や。 108 00:09:23,089 --> 00:09:26,089 ぼちぼち行くで。 109 00:09:27,961 --> 00:09:30,430 おい 千代。 110 00:09:30,430 --> 00:09:35,730 役者やろ。 今は芝居のことだけ考え。 111 00:09:43,009 --> 00:09:46,379 (拍手) 112 00:09:46,379 --> 00:09:51,079 そして 「マットン婆さん」の幕が開きました。 113 00:09:54,254 --> 00:09:57,724 お父さん お願いします。 お金を貸してください。 114 00:09:57,724 --> 00:10:04,597 (小山田)そうしてやりたいけどな うちには もう そないな大金あれへん。 115 00:10:04,597 --> 00:10:09,335 わしが隠居した途端 見え見えの詐欺に引っ掛かりよって➡ 116 00:10:09,335 --> 00:10:11,271 この大バカ者が! 117 00:10:11,271 --> 00:10:14,274 そないなこと言わんと この家 担保にして➡ 118 00:10:14,274 --> 00:10:16,409 お父さんが どっかから お金借りてくれたら…。 119 00:10:16,409 --> 00:10:18,745 そないなことしたら わしは このあと➡ 120 00:10:18,745 --> 00:10:21,080 どないして暮らしていったらええ いうねん。 121 00:10:21,080 --> 00:10:23,416 そもそも マットンを雇うお金はあんのに➡ 122 00:10:23,416 --> 00:10:27,287 実の子である うちらに出すお金は あらへんなんて おかしいやろ。 123 00:10:27,287 --> 00:10:30,290 あないな役立たず さっさとクビにしたらええんや。 124 00:10:30,290 --> 00:10:33,760 なんちゅうこと言うねん! 僕らを育ててくれた恩人やで。 125 00:10:33,760 --> 00:10:37,630 覚えてへんわ そない大昔のこと。 マットンもマットンや。 126 00:10:37,630 --> 00:10:40,633 ええ年して お父さんと めおとになりたいやなんて…。 127 00:10:40,633 --> 00:10:44,103 お父さんが死んだら この家 遺産に貰うつもりで➡ 128 00:10:44,103 --> 00:10:47,440 そないなこと言うてんのちゃうか。 なんち…。 129 00:10:47,440 --> 00:10:51,110 もうええ。 130 00:10:51,110 --> 00:10:53,046 持っていきな。 131 00:10:53,046 --> 00:10:56,046 えっ? 何や。 132 00:10:59,786 --> 00:11:02,121 (千之助)失礼します。 133 00:11:02,121 --> 00:11:05,458 よっ 千之助! (拍手) 134 00:11:05,458 --> 00:11:11,331 また千之助さんが 台本にまるでない お芝居を始めはりました。 135 00:11:11,331 --> 00:11:18,037 三郎さん よいしょ… こっち… こっち ちょっと…。 136 00:11:18,037 --> 00:11:22,809 あのお金は マットンが用意したっていうのは➡ 137 00:11:22,809 --> 00:11:28,147 くれぐれも内緒でお願いします。 138 00:11:28,147 --> 00:11:32,018 えらい大金やんか! これを わしらに? 139 00:11:32,018 --> 00:11:34,318 そのお金はな マットンが…。 三郎さん! 140 00:11:42,662 --> 00:11:49,102 そのお金は マットンが用意しました。 141 00:11:49,102 --> 00:11:52,005 (天晴)何やて? マットンが? 142 00:11:52,005 --> 00:11:55,975 まあ 三郎さん えらい口の軽い。 143 00:11:55,975 --> 00:11:58,778 マットン 今 自分で言うたんやで。 144 00:11:58,778 --> 00:12:03,116 わてが言いましたか? わてが言いましたか? 145 00:12:03,116 --> 00:12:06,986 何でもかんでも マットンのせいにして。 146 00:12:06,986 --> 00:12:12,125 (笑い声) 147 00:12:12,125 --> 00:12:19,825 けどな… マットンは うれしおます。 148 00:12:22,468 --> 00:12:33,746 あんさんらには こない ちいちゃい頃から た~んと無理言われてきましたけどな➡ 149 00:12:33,746 --> 00:12:37,083 無理言われたら言われるほど➡ 150 00:12:37,083 --> 00:12:42,422 マットンを 頼りにしてくれてはるんやなあて➡ 151 00:12:42,422 --> 00:12:46,422 うれしゅうて うれしゅうて…。 152 00:12:48,761 --> 00:12:54,434 これからも遠慮のう無理言うて➡ 153 00:12:54,434 --> 00:12:58,134 どうか マットンを困らせとくなはれ。 154 00:13:01,107 --> 00:13:04,978 (千之助)どう逆立ちしたかて➡ 155 00:13:04,978 --> 00:13:12,719 あんさんらの ほんまのお母ちゃんには なれませんけど➡ 156 00:13:12,719 --> 00:13:19,792 ほんまのお母ちゃんの代わりに 無理聞いてあげるんが➡ 157 00:13:19,792 --> 00:13:24,492 マットンの生きる喜びです。 158 00:13:27,467 --> 00:13:31,137 俺は この台本で 母親の無償の愛情描きたかったんです。 159 00:13:31,137 --> 00:13:35,742 お前に親の気持ちの何が分かるんじゃ。 160 00:13:35,742 --> 00:13:40,413 (天晴)マットン…。 (すすり泣き) 161 00:13:40,413 --> 00:13:43,082 マットンちゃいますやろ。 162 00:13:43,082 --> 00:13:46,082 せやな。 163 00:13:49,956 --> 00:13:53,426 おおきに お母さん。 164 00:13:53,426 --> 00:13:58,297 いや~! 満里子が マットンって呼んでくれない。 165 00:13:58,297 --> 00:14:01,768 お母さん。 いや~ もう 正一郎さん…。 166 00:14:01,768 --> 00:14:06,439 お母さん。 お母さん。 167 00:14:06,439 --> 00:14:10,309 おや 旦さん 恥ずかしい。 168 00:14:10,309 --> 00:14:15,309 もう旦さんやあらへん。 あんさんや。 169 00:14:18,785 --> 00:14:21,688 あんさん。 170 00:14:21,688 --> 00:14:27,126 (拍手) 171 00:14:27,126 --> 00:14:30,463 お母さん。 172 00:14:30,463 --> 00:14:38,071 (拍手) 173 00:14:38,071 --> 00:14:40,406 (百久利)お疲れさんでした。 あ~ しんど。 はい お疲れさん。 174 00:14:40,406 --> 00:14:42,341 これだけやな 今日。 はい。 175 00:14:42,341 --> 00:14:44,641 ほな お先。 176 00:14:46,746 --> 00:14:50,416 俺は 何見てたんや。 177 00:14:50,416 --> 00:14:54,087 自分の台本 めちゃくちゃに 変えられたんが悔しゅうて➡ 178 00:14:54,087 --> 00:14:56,756 目ぇそらしてた。 179 00:14:56,756 --> 00:15:01,094 形は変わっても 俺がやりたかったことが ちゃんと残ってる。 180 00:15:01,094 --> 00:15:07,433 千さんは はなから あれを目指してたんや。 181 00:15:07,433 --> 00:15:12,733 悔しいけど この芝居 おもろいわ。 182 00:15:17,443 --> 00:15:19,443 (天晴)千代ちゃん? 183 00:15:33,426 --> 00:15:36,626 「グレートトラバース3」! 184 00:15:39,599 --> 00:15:43,102 日本を代表する三百の頂。 185 00:15:43,102 --> 00:15:47,273 その全てを自らの足だけで踏破する➡ 186 00:15:47,273 --> 00:15:51,444 前代未聞の挑戦だ。 187 00:15:51,444 --> 00:15:54,144 挑むのは… 188 00:15:55,915 --> 00:15:58,415 フォ~!