1 00:00:43,713 --> 00:00:48,713 (紗友)この写真を 見ていただきたいのですが…。 2 00:00:52,172 --> 00:00:56,272 この人形が どうかしましたか? 3 00:00:59,729 --> 00:01:02,866 お気づきになりませんか? 4 00:01:02,866 --> 00:01:06,066 んっ? 5 00:01:08,688 --> 00:01:14,288 それ… うちの娘なんです。 6 00:01:16,346 --> 00:01:19,716 はっ? 7 00:01:19,716 --> 00:01:34,698 ♬~ 8 00:01:34,698 --> 00:01:37,198 だから それ…。 9 00:01:41,087 --> 00:01:47,287 本当は 娘の顔じゃないと おかしいんです。 10 00:01:53,266 --> 00:01:56,169 それって➡ 11 00:01:56,169 --> 00:02:00,357 何かの呪いとかなんでしょうか? 12 00:02:00,357 --> 00:02:15,188 ♬~ 13 00:02:15,188 --> 00:02:19,209 <私の名は 郷内心瞳。 14 00:02:19,209 --> 00:02:23,209 東北の片隅で 拝み屋を なりわいとしている> 15 00:02:29,703 --> 00:02:33,356 <多くの依頼は 相談者の話を よく聞いて➡ 16 00:02:33,356 --> 00:02:35,859 心を込めて祈ることで 成り立つが➡ 17 00:02:35,859 --> 00:02:39,029 この仕事は時に この世ならざる何かと➡ 18 00:02:39,029 --> 00:02:41,729 いやおうなく 向かい合うことになる> 19 00:02:49,339 --> 00:02:51,358 < この世のふちで➡ 20 00:02:51,358 --> 00:02:53,743 アヤカシとしか 言いようのない何かが➡ 21 00:02:53,743 --> 00:02:57,347 私の脳に 記憶されてきている。 22 00:02:57,347 --> 00:03:02,686 私が聞いてきた話 私自身の話。 23 00:03:02,686 --> 00:03:06,706 それらをこれから お見せしよう> 24 00:03:06,706 --> 00:03:21,706 ♬~ 25 00:05:08,728 --> 00:05:13,650 《私は 真弓という女性と 縁があって結ばれた。 26 00:05:13,650 --> 00:05:17,170 のんびりしていて おとなしく見えるが➡ 27 00:05:17,170 --> 00:05:20,657 拝み屋などと すき好んで 一緒になるとは➡ 28 00:05:20,657 --> 00:05:22,657 変わった人ではある》 29 00:05:39,008 --> 00:05:41,008 (ふすまを閉める音) 30 00:05:48,668 --> 00:05:50,668 どうぞ。 31 00:05:57,160 --> 00:05:59,260 お座りください。 32 00:06:02,682 --> 00:06:05,718 《大して忙しくもない 拝み屋稼業だが➡ 33 00:06:05,718 --> 00:06:09,155 ひとつの客商売であることには 変わりなく➡ 34 00:06:09,155 --> 00:06:11,307 無愛想な私にとって➡ 35 00:06:11,307 --> 00:06:13,660 妻の存在は とても ありがたかった》 36 00:06:13,660 --> 00:06:17,960 電話でも お聞きしましたが こちらの相談内容票に…。 37 00:06:19,999 --> 00:06:32,662 (風の音) 38 00:06:32,662 --> 00:06:35,162 (窓を閉める音) 39 00:06:44,173 --> 00:06:47,173 そうですね…。 40 00:06:53,249 --> 00:06:55,749 恐れ入ります。 41 00:07:03,726 --> 00:07:05,726 失礼します。 42 00:07:21,261 --> 00:07:28,017 (読経) 43 00:07:28,017 --> 00:07:30,169 《こよい訪れた 家族の依頼は➡ 44 00:07:30,169 --> 00:07:34,173 緊急を要する相談事だった。 45 00:07:34,173 --> 00:07:39,329 この家族には 一刻も早く 措置をとる必要があった》 46 00:07:39,329 --> 00:07:54,661 (読経) 47 00:07:54,661 --> 00:07:58,665 ありがとうございます。 48 00:07:58,665 --> 00:08:00,650 お気を付けて。 49 00:08:00,650 --> 00:08:02,650 失礼します。 50 00:08:06,656 --> 00:08:08,656 失礼します。 51 00:08:13,713 --> 00:08:16,249 あれ? 52 00:08:16,249 --> 00:08:19,652 んっ どうした? 53 00:08:19,652 --> 00:08:22,639 女の子は? 女の子? 54 00:08:22,639 --> 00:08:25,508 赤い服着た 7歳くらいの子。 55 00:08:25,508 --> 00:08:27,677 帰ってないよね? 56 00:08:27,677 --> 00:08:42,992 ♬~ 57 00:08:42,992 --> 00:08:46,979 どんな… 赤い服だった? 58 00:08:46,979 --> 00:08:50,383 だから 赤い半袖のワンピースだったでしょ? 59 00:08:50,383 --> 00:08:52,669 こんな 寒いのにね…。 60 00:08:52,669 --> 00:08:57,807 《それは あの一家に取りついていた➡ 61 00:08:57,807 --> 00:09:00,159 女の子のことだろう》 62 00:09:00,159 --> 00:09:08,234 (読経) 63 00:09:08,234 --> 00:09:15,158 お兄ちゃんの横で 不安そうにしてた子。 64 00:09:15,158 --> 00:09:22,081 《妻は 赤い服を着ていたと言うが➡ 65 00:09:22,081 --> 00:09:26,281 本当の服は 白かった…》 66 00:09:28,688 --> 00:09:33,776 《それは 切られた首から 滴る血に染まって➡ 67 00:09:33,776 --> 00:09:36,776 赤く見えたのだろう》 68 00:09:38,715 --> 00:09:40,683 《お兄ちゃんを頼って➡ 69 00:09:40,683 --> 00:09:45,183 取りついていた 少女の供養をしていたのだった》 70 00:09:49,225 --> 00:09:52,725 《この世のものでは ないのである》 71 00:09:56,699 --> 00:09:59,499 不思議だね…。 72 00:10:03,740 --> 00:10:08,528 《妻は 自分には霊感などないと 主張するのだが➡ 73 00:10:08,528 --> 00:10:12,328 過去の体験を聞くかぎり…》 74 00:10:21,023 --> 00:10:25,723 (きしむ音) 75 00:10:29,682 --> 00:10:33,186 《妻が小学生のときだったという。 76 00:10:33,186 --> 00:10:36,739 ひとりで 家にいたときのこと…》 77 00:10:36,739 --> 00:10:41,339 (きしむ音) 78 00:10:44,714 --> 00:10:47,714 (きしむ音) 79 00:10:53,689 --> 00:11:00,189 (きしむ音) 80 00:11:04,267 --> 00:11:07,003 (きしむ音) 81 00:11:07,003 --> 00:11:18,648 (女性の笑い声) 82 00:11:18,648 --> 00:11:20,683 (きしむ音) 83 00:11:20,683 --> 00:11:24,654 ⦅フフッ… フフッ…。 84 00:11:24,654 --> 00:11:26,654 誰…? 85 00:11:30,643 --> 00:11:32,695 (ふすまを開ける音) 86 00:11:32,695 --> 00:11:36,295 フッ フフッ フフッ…。 87 00:11:41,153 --> 00:11:45,658 ハハハハハッ…! 88 00:11:45,658 --> 00:11:47,658 キャー!!⦆ 89 00:12:14,687 --> 00:12:17,073 《妻が 高校3年のとき➡ 90 00:12:17,073 --> 00:12:19,859 かわいがってくれていた 婆ちゃんが➡ 91 00:12:19,859 --> 00:12:25,014 自宅前の道路で はねられ 亡くなった…。 92 00:12:25,014 --> 00:12:28,501 根っからの 婆ちゃん子だった妻は➡ 93 00:12:28,501 --> 00:12:33,005 葬儀にも参加できないほどに 取り乱したという。 94 00:12:33,005 --> 00:12:35,675 百箇日が過ぎて まもなく➡ 95 00:12:35,675 --> 00:12:40,196 妻は仏間に 布団を敷いて 寝るようになった。 96 00:12:40,196 --> 00:12:44,296 亡くなった婆ちゃんと 一緒にいられる気がすると…》 97 00:12:48,020 --> 00:12:50,520 (窓を叩く音) 98 00:12:53,676 --> 00:12:59,682 《その音は 毎晩のように 深夜に聞こえた。 99 00:12:59,682 --> 00:13:02,101 最初は 怖いだけだったが➡ 100 00:13:02,101 --> 00:13:05,204 やがて 原因を知りたいと思ったという》 101 00:13:05,204 --> 00:13:07,204 (窓を叩く音) 102 00:13:15,798 --> 00:13:17,898 (窓を叩く音) 103 00:13:22,688 --> 00:13:24,688 (窓を叩く音) 104 00:13:31,113 --> 00:13:33,113 (窓を叩く音) 105 00:13:48,047 --> 00:13:50,047 (窓を叩く音) 106 00:13:58,674 --> 00:14:00,774 (窓を叩く音) 107 00:14:25,685 --> 00:14:33,376 ♬~ 108 00:14:33,376 --> 00:14:35,776 ⦅婆ちゃん…? 109 00:14:41,183 --> 00:14:46,983 人は 死ぬと ああなるのか…。 110 00:14:53,679 --> 00:14:55,698 はっ! 111 00:14:55,698 --> 00:14:59,268 違う… 婆ちゃんじゃない…。 112 00:14:59,268 --> 00:15:24,126 ♬~ 113 00:15:24,126 --> 00:15:26,028 (悲鳴) 114 00:15:26,028 --> 00:15:28,030 (障子が閉まる音) 115 00:15:28,030 --> 00:15:30,730 (悲鳴) 116 00:15:36,038 --> 00:15:43,045 大丈夫だから… もう 寝なさい⦆ 117 00:15:43,045 --> 00:15:45,045 (破裂音) 118 00:15:51,020 --> 00:15:56,675 《その一件以来 窓を叩く音は なくなった。 119 00:15:56,675 --> 00:16:02,675 婆ちゃんが助けてくれたのだ と 妻は言う》 120 00:17:31,770 --> 00:17:34,506 《4年ほど前 私は ある家族➡ 121 00:17:34,506 --> 00:17:38,677 血族に まつわる 忌まわしい出来事に巻き込まれた。 122 00:17:38,677 --> 00:17:40,679 高鳥千草という➡ 123 00:17:40,679 --> 00:17:43,349 シングルマザーからの相談が きっかけだった…》 124 00:17:43,349 --> 00:17:45,351 ⦅別格とは? 125 00:17:45,351 --> 00:17:48,787 たぶん 私を殺す気だもん⦆ 126 00:17:48,787 --> 00:17:52,858 《お母さん 母親 母様。 127 00:17:52,858 --> 00:17:57,513 と 彼女は 恣意的に 言葉を使い分けていたが➡ 128 00:17:57,513 --> 00:18:00,683 この 3者は まったく別の人物だった。 129 00:18:00,683 --> 00:18:03,852 そして その母様とは…》 130 00:18:03,852 --> 00:18:06,021 ⦅この家に 隠してる物がある。 131 00:18:06,021 --> 00:18:09,708 母親は それを狙って ここに来るんだと思う⦆ 132 00:18:09,708 --> 00:18:12,695 《椚木家が 家宝にしていた筐。 133 00:18:12,695 --> 00:18:18,295 切り落とした 金色の獣の首が 収められているといわれていた》 134 00:18:25,841 --> 00:18:29,295 《鼓膜を破り 心臓をも止めるほどに➡ 135 00:18:29,295 --> 00:18:32,514 恐ろしい声を持つ 芹沢真也という男が➡ 136 00:18:32,514 --> 00:18:35,651 その筐を 手に入れようとしていた。 137 00:18:35,651 --> 00:18:38,637 そして 筐の中身は 見る者によって➡ 138 00:18:38,637 --> 00:18:41,657 まったく 異なるものに見えたのだった》 139 00:18:41,657 --> 00:18:51,216 ♬~ 140 00:18:51,216 --> 00:18:54,653 ⦅な~んだ まだ 生きてたんだ。 141 00:18:54,653 --> 00:18:58,157 加奈江…! 142 00:18:58,157 --> 00:19:02,027 これは 俺たちに どうにかできるレベルを超えている。 143 00:19:02,027 --> 00:19:06,165 これは呪われた 椚木一族の話だ。 144 00:19:06,165 --> 00:19:11,687 もう 千草という女には 関わるな⦆ 145 00:19:11,687 --> 00:19:14,356 《私の師匠にあたる拝み屋から➡ 146 00:19:14,356 --> 00:19:17,876 強く警告されていたにも かかわらず➡ 147 00:19:17,876 --> 00:19:21,380 椚木家に 長年 取りついた 邪悪なものの象徴に➡ 148 00:19:21,380 --> 00:19:24,380 始末をつけることにした》 149 00:19:29,371 --> 00:19:33,258 ⦅郷内さん。 150 00:19:33,258 --> 00:19:35,861 どうして そんなに 関わろうとするの? 151 00:19:35,861 --> 00:19:37,863 じゃあ 私 お買い物 行ってくるから。 152 00:19:37,863 --> 00:19:41,016 悪いな⦆ 153 00:19:41,016 --> 00:19:52,695 ♬~ 154 00:19:52,695 --> 00:19:56,081 《真也は まがまがしい 椚木の家を継ぎ➡ 155 00:19:56,081 --> 00:19:59,168 東北の拝み屋も すべて制覇するために➡ 156 00:19:59,168 --> 00:20:02,204 筐を 貪欲に求めてきた》 157 00:20:02,204 --> 00:20:04,740 ⦅アンタは 何をしようとしている! 158 00:20:04,740 --> 00:20:19,671 ♬~ 159 00:20:19,671 --> 00:20:21,990 郷内 やれ! 160 00:20:21,990 --> 00:20:24,660 うわ~っ!! 161 00:20:24,660 --> 00:20:27,062 やめろ~!! 162 00:20:27,062 --> 00:20:37,723 ♬~ 163 00:20:37,723 --> 00:20:40,809 華原さん…⦆ 164 00:20:40,809 --> 00:20:47,709 《そして 華原さんは 息を引き取った》 165 00:21:14,076 --> 00:21:18,147 ⦅結局… 私が 華原さんを➡ 166 00:21:18,147 --> 00:21:21,316 巻き込んで しまったようなものです。 167 00:21:21,316 --> 00:21:26,672 恋さんに恨まれても しかたありません。 168 00:21:26,672 --> 00:21:29,741 そんなこと思ってません。 169 00:21:29,741 --> 00:21:32,027 あの人は➡ 170 00:21:32,027 --> 00:21:36,227 あの人が好きなことを 好きなようにやっていただけです。 171 00:22:04,993 --> 00:22:09,198 大した いわれのある 品ではないって➡ 172 00:22:09,198 --> 00:22:12,698 あの人は 言っていました。 173 00:22:15,654 --> 00:22:21,660 形見分け… というつもりもないですけど➡ 174 00:22:21,660 --> 00:22:25,714 華原の拝みで いちばん 頼りにしていたものですし➡ 175 00:22:25,714 --> 00:22:29,714 郷内さんが 持っているべきだと思うんです。 176 00:22:43,665 --> 00:22:48,265 これから どうするんですか? 177 00:22:51,039 --> 00:22:54,739 自分の生まれたところに帰ります。 178 00:23:03,218 --> 00:23:08,006 どうか お元気で…。 179 00:23:08,006 --> 00:23:10,706 郷内さんも…。 180 00:23:42,641 --> 00:23:44,641 拝みましょう。